JP4051168B2 - 食品への粉体まぶし装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は塊状に切断された、もしくは塊状に成形された食品に小麦粉や米粉などの粉体及び/又は香辛料などの粉体を連続的にまぶし付けるための食品用粉体まぶし装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば鶏肉の唐揚げを作る場合、適当な大きさに切断された鶏肉の周囲に必要に応じて適宜の香辛料を混入した小麦粉がまぶし付けられ、それが油で揚げられる。パン粉のように粒の大きな粉体の場合には、それを食肉の表面に押し付けることにより、容易に食肉の周囲にまぶし付けることができる。また、それを人手によらず機械で連続的に行うようにした装置も提案され、実用化されてきている(特開平10−257876号公報等参照)。
【0003】
しかし、粉を搬送されてくる食品に振りかけたり、粉に埋めて圧をかけながら搬送したりする方法のまぶし装置では、食品の周囲に均等にまぶし付けることはできず、不均一が生じる。食品と衣液(バッター液)との接着を良好にするために、食品表面に直接粉を打つ、いわゆる打ち粉付けの場合においては不均一なまぶし付けとなってもあまり問題ではないが、衣液の外側に粉をまぶし付けて良好な食感の衣を呈することを意図している場合には大きな問題となる。このため、このようなものについてほとんど手作業で行われているのが実状である。
【0004】
塊状の食品などに均等に粉類をまぶし付けることができる装置としては、ドラム式のものが知られている。例として、図7に示すような装置が提案されている(特開平61−85181号公報参照)。この装置では、食品と小麦粉がコンベア61によりまぶせ部62に送られる。まぶせ部62は、内部に複数の放射状に延びる攪拌棒(図示されない)を持つ回転自在なドラム63と、その下流側に一体に取り付けられた篩い分け部64と、前記ドラム63の上流側に位置する戻しドラム65とを備えており、全体が供給口側よりも排出口側が低い位置となるように傾斜して機台66に回転可能に装着されている。さらに、前記篩い分け部64と戻しドラム65との間には、戻しコンベア67が配置されている。
【0005】
この装置において、ドラム63内に投入された食品と小麦粉は、ドラム63の回転及び攪拌棒の作用により相互に攪拌されながら下流側に移動していく。その間に、食品に対する小麦粉の打ち粉付けが進行する。打ち粉付けされた食品及び余分な小麦粉は、ドラム63から篩い分け部64に移っていき、打ち粉付けされた食品はシュート68から排出コンベア69に移され、余剰な小麦粉は篩い分け部64のバー70の間から戻しコンベア67に落下する。戻しコンベア67に落下した小麦粉はコンベア67の移動により戻しドラム65内に投入され、戻しドラム65内で回転する戻しフィン71・・によってすくい上げられて上昇し、上部からコンベア61に落下し、再び、ドラム63内に供給される。
【0006】
この装置によれば、小麦粉のような微粉末を塊状肉のような食品に連続的にかつ自動的に打ち粉付けする(まぶしていく)ことが可能であり、高い効率で食味の高い食材を得ることができる。さらに、小麦粉過剰の状態で食品とまぶし合わせた後、余剰となった小麦粉は戻しコンベア67によって再びドラム63内に戻されるので、小麦粉の有効利用が可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の装置では、篩い分け部64及び戻しコンベア67は開放した空間に位置しており、余剰な小麦粉が篩い分け部64のバー70の間から戻しコンベア67に落下するとき、あるいは、落下した小麦粉がコンベ67により戻しドラム65に向けて移送されるときに、微粉体である小麦粉は開放空間中に飛散し散逸する恐れがある。小麦粉とともに香辛料を同時にまぶし付けるような場合には、余剰となった香辛料も同様に開放空間に飛散する。そのような飛散や散逸は作業環境を悪化させる一因であり、回避されねばならない。
【0008】
また、ドラム63は内部に複数の放射状に延びる攪拌棒を持つ形式であり、食品はドラム63の回転とともに攪拌棒によって持ち上げられて落下するようになるが、落下距離によっては衝撃により食品に傷が付く恐れがある。また、小麦粉は放射状に延びる攪拌棒よってはほとんど持ち上げられずにドラム63内を下流に向けて流下するので、特に、ドラム63の上流側で十分なまぶしは進行せず、そのことから、不十分なまぶし具合で食品がシュート68から排出される恐れがある。
【0009】
本発明は、従来の食品への粉体まぶし装置が持つ上記のような不都合に鑑みてなされたものであり、第1の目的は、余剰である小麦粉のような微粉体や香辛料などの材料を再度まぶし部に戻して利用する形式の粉体まぶし装置でありながら、運転中に微粉体や香辛料を外気に飛散することがないようにし、それにより、周囲の環境悪化を生じさせないようにした食品への粉体まぶし装置を提供することにある。
【0010】
他の目的は、まぶし部内での食品の動きを穏やかな動きとして、まぶし時に食品が受ける衝撃を極力緩和し、食品に傷が付くことのないようにした食品への粉体まぶし装置を提供することにある。さらに他の目的は、まぶし部内での食品の移動領域と粉体の移動領域とをできるだけ一致させるようにし、それにより、短時間で過不足のない粉体のまぶしが遂行されるようにした食品への粉体まぶし装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明による食品への粉体まぶし装置は、一方端に形成した供給口と他方端に形成した排出口を除いて実質的に開放部を有しない第1の筒状体と、一方端を前記供給口に臨ませ他方端を前記排出口に臨ませた状態で前記第1の筒状体内に配置される第2の筒状体とを備えた粉体まぶし部と、少なくとも前記第2の筒状体が回転できるように前記粉体まぶし部を支持する機台と、少なくとも前記第2の筒状体粉体に回転運動を与えるための駆動手段とを備える。なお、第1の筒状体と第2の筒状体とは一体に回転するようになっていてもよい。
【0012】
そこにおいて、前記供給口から投入される食品及び粉体は前記第2の筒状体内に入り込むようにされるとともに、前記第2の筒状体は、閉じた周面である上流域部分と粉体の通過は許すが食品の通過は許さない透過孔を周面に多数持つ下流域部分とで構成されており、さらに、前記粉体まぶし部には、前記第1の筒状体の上流側端部近傍に滞留する粉体を前記第2の筒状体内に送り込むための粉体再循環手段が備えられる。
【0013】
前記粉体まぶし部は、前記供給口が前記排出口よりも高い位置となるように傾斜して前記機台に装着されていてもよく、又は、前記供給口と前記排出口とがほぼ同じ高さか、前記供給口よりも前記排出口が高い位置となるように傾斜して前記機台に装着されていてもよい。前者の場合には必ずしも必須ではないが、好ましくは、前記第2の筒状体はその全長に亘り入り込んだ食品及び粉体を前記排出口に向けて送り出す送り手段を備える。
【0014】
さらに、前記粉体まぶし部が前記供給口よりも前記排出口が高い位置となるように傾斜して機台に装着されている場合には必ずしも必須ではないが、好ましくは、前記粉体まぶし部は、前記第1の筒状体の内面に落下してくる粉体を上流側端部近傍に移動させるための粉体戻し手段を備える。また、好ましくは、当該第1の筒状体にも回転が与えられる。
【0015】
上記の構成であり、第2の筒状体が回転すること、好ましくは、第2の筒状体は排出口に向けて食品と粉体を送り出すように作用する送り手段を有していることから、まぶし部に投入された食品と粉体は、互いに混じり合いながらその上流域部分から下流域部分に移動する。上流域部分を移動する間に、食品への粉体のまぶし付けが進行する。粉体がまぶし付けられた食品と余剰の粉体は下流域部分に移動し、そこで、余剰の粉体及び必要以上に食品にまぶし付けられた粉体は、多数の透過孔を通過して前記第1の筒状体の内周面に落下する。
第1の筒状体は一方端に形成した供給口と他方端に形成した排出口を除いて実質的に開放部を有しない形状であり、その内周面に落下した粉体が外気中に飛散することはない。そのために、装置近辺の作業環境は常に良好に保たれる。
【0016】
また、粉体まぶし部が供給口よりも排出口が高い位置となるように傾斜した姿勢で機台に装着されている場合には、落下した余剰な粉体は、第1の筒状体の内面に沿ってその上流側端部近傍まで容易に移動する。第1の筒状体も回転するようにすれば、粉体の移動はより確実になる。この場合にも、好ましくは、前記粉体まぶし部は、第1の筒状体の内面に落下してくる粉体を上流側端部近傍に移動させるための粉体戻し手段を備える。それによって、粉体の移動はさらに確実になる。前記供給口が前記排出口よりも高い位置となるように傾斜して前記機台に装着されている場合、あるいは、前記供給口と前記排出口とがほぼ同じ高さとなるように機台に装着されている場合には、前記粉体まぶし部には前記粉体戻し手段が必ず備えられ、それにより、前記第1の筒状体の内面に落下した余剰な粉体は、第1の筒状体の内面に沿ってその上流側端部近傍まで送られる。
【0017】
いずれの態様においても、移動してきた粉体は第1の筒状体の上流側端部近傍に設けられる粉体再循環手段によって第2の筒状体内に自動的に送り込まれるので、投入された粉体はすべてまぶし材料として利用でき無駄は生じない。
特に、粉体まぶし部が供給口よりも排出口が高い位置となるように傾斜した姿勢で機台に装着されている場合には、第2の筒状体内で粉体や食品が自重により下流側(出口側)に不用意に落下することはなく、常時、前記送り手段に規制された移動を行う。そのために、食品や粉体の分布も均一化し、第2の筒状体の前記上流域部分において、食品と粉体のまぶし工程は所期どおりに進行するようになる。その結果、所望に粉体がまぶし付けられた食品を常に得ることができ、また、食品に予期せぬ損傷を生じさせることも回避できる。特に、送り手段として第2の筒状体の内面に螺旋状構造体を取り付ける場合には、その螺旋ピッチに合わせて一つ一つ食品を供給していくことで、壊れやすい表面を持つ食品を互いに隔離しながら連続的にまぶしていくことが可能となる。
【0018】
なお、前記送り手段及び粉体戻し手段は、食品と粉体の混合物あるいは余剰粉体を移送することのできる手段であれば任意であるが、好ましくは、当該筒状体の内面に取り付けたあるいは内面に作用するように設けた螺旋状構造体である。そして、螺旋状構造体の材料として、これに限られるものではないが、樹脂ホースや発泡樹脂のように弾性材料で作られ長尺部材を用いることは、食品に傷が付くのを防止できることから好ましい。
【0019】
前記第2の筒状体の前記上流域部分はステンレス鋼板のような表面が平坦でかつ硬い表面を持つ材料によって作られていてもよいが、好ましくは、発泡樹脂のような弾性材料で作られ、かつ表面部分が滑らかに変化する曲面である断面を持つ円筒部材や半円筒部材を環状に密に組み付けるようにして形成される。それにより、第2の筒状体の周面に連続した凹所と凸所が形成されることとなり、凸所の頂面に沿って食品は移動し、粉体は凹所に入り込んで第2の筒状体の回転により上方から食品にまぶされるようになるので、食品が不用意に変形したり傷が付いたりするのを防止することができるとともに、まぶしも十分に進行する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による食品への粉体まぶし装置の好適な実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は粉体まぶし装置Aの全体を示す側面図であり、一部破断して示している。図2は図1に示す装置Aを上流側から見た正面図、図3は粉体まぶし部Bを構成する第2の筒状体を説明するための斜視図、図4は粉体まぶし部Bを構成する第1の筒状体と粉体再循環手段を説明するための分解斜視図である。
【0021】
図示の食品への粉体まぶし装置Aにおいて、10は外筒でありステンレス鋼板などで作られる。この外筒10は、本発明でいう粉体まぶし部Bの一部である第1の筒状体を構成する。外筒10は、円筒部分11と上流側側板12と下流側側板13とが一体的に構成されており、上流側側板12と下流側側板13にはそれぞれ供給口14及び排出口15が形成される。20は内筒であり、本発明でいう粉体まぶし部Bの一部である第2の筒状体を構成する。内筒20は全体として円筒形状をなしており、その一方端(上流端)側を前記供給口14に臨ませ、他方端(下流端)側を前記排出口15に臨ませた姿勢で前記外筒10内に装着される。なお、この例において、外筒10と内筒20は中心軸線を共有した状態で一体構成とされている。
【0022】
50は機台であり上面51は傾斜面とされている。そして、該傾斜面上には、4隅に配置した自由輪52を介して前記外筒10が回転自在に装着されている。傾斜の方向は図で左上がり勾配、すなわち、外筒10の供給口14側が下位となり、排出口15側が上位となる方向とされる。機台50にはモータ53が取り付けられ、その回転軸に取り付けたプーリ54と外筒10の外周に取り付けたプーリ16とにベルト55が介装されている。従って、モータ53を駆動すると、その回転はベルト55を介して外筒10に伝えられ、外筒10は、機台50の上で供給口14側よりも排出口15側を高い位置とした姿勢で、かつ内筒20とともに回転する。機台50の前記排出口15の下方近傍には搬出用コンベア60が配置される。
【0023】
なお、図示しないが、外筒10と内筒20とを独立的に機台50に支持するようにしてもよい。その際には、外筒10と内筒20とが等速であるいは異なる速度で回転するように動力伝達系を構築してもよく、場合によっては、内筒20のみを回転させるように動力伝達系を構築してもよい。さらに、外筒10と内筒20とを逆方向に回転させるように動力伝達系を構築してもよい。
【0024】
内筒20は閉じた周面を持つ上流域部分21と粉体の通過は許すが食品の通過は許さない大きさの透過孔を周面に多数持つ下流域部分22とで構成される(図3参照)。図示の例では、前記上流域部分21は径の小さい樹脂材料製のホース23を密な状態で円筒状に組み付けて構成されており、その内法面の直径は前記外筒10の供給口14の直径よりもある程度大きくされる。前記下流域部分22は上流域部分21の長さの3/5程度の長さとされ、全体が編み目の小さい金網24により構成される。金網に代え、パンチングメタルであってもよく、メッシュ状とされた筒状の樹脂製品であってもよい。下流域部分22の外径は、前記外筒10の排出口15の直径とほぼ同じとされる。なお、図示の例では、図1に示すように下流域部分22の一部を排出口15から外側に延出させているが、同じ端面で終わっていてもよい。
【0025】
内筒20の内面には、その全長に亘って樹脂材料のような軟質部材からなる線状部材25が、内筒20の回転によって当該線状部材25の軌跡に沿って食品や粉体が供給口14側から排出口15側に移送されるように、螺旋状に巻き付け固定されている。また、外筒10の内周面にも線状部材18が、外筒10の回転によって当該線状部材18の軌跡に沿って粉体が排出口15側から供給口14側に移送されるように、螺旋状に巻き付け固定されている。これら線状部材25及び線状部材18は本発明でいう螺旋状構造体を構成する。なお、螺旋状構造体は図示のような線状部材に限らず、特に線状部材18については、長尺状の板部材を螺旋状に連続的に巻き付けて形成されるスクリュー形式のものであってもよい。さらに、線状部材18に変え、内筒20の外面側に長尺状の板部材を先端縁が外筒10の内周面に接するようにして螺旋状に連続的に巻き付けたものを螺旋状構造体とすることもできる。なお、図示のものにおいては、線状部材18は省略可能である。
【0026】
外筒10の上流側端部近傍には、図4によく示すように、一側辺を上流側側板12に、下辺を外筒10の円筒部分11の内周面に接した状態で、多数枚の板部材19が所定間隔を置いてかつ放射方向に固定されており、その上辺位置は上流側側板12に形成した供給口14の内周縁位置まで達している。そして、供給口14には、前記板部材19の上辺位置が形成する仮想円周部分を覆うことのできる円環部材41を持つ粉体再循環手段40が、非回動状体で嵌着されている。
【0027】
粉体再循環手段40は、板部材19の上辺の長さとほぼ同じ幅である前記円環部材41と該円環部材41の一端から外側に延びるフランジ42とを備える。そして、供給口14に嵌着した姿勢で上位位置となる円環部材41の部分には開口43が形成され、該開口43のフランジ42側の側縁には、斜め下方前方に向けて、案内舌片44が取り付けられる。フランジ42の前面には取り付け桿45が固定されていて、図1に示すように、該取り付け桿45の他端側を機台50に固定することにより、粉体再循環手段40は非回動状体で(すなわち、粉体まぶし部Bが回転しても、共周りしない状態で)、外筒10の供給口14に嵌着される。その状態で、前記案内舌片44の先端部分は内筒20の上流域部分21内に入り込むようにされるとともに、好ましくは、円環部材41の下流側と内筒20の上流側とが二重筒の形態をとりうるようにされる。
【0028】
なお、上記の粉体再循環手段40は、図示されるような外筒10が回転する態様のものにおいて有効に機能する。図示しない外筒10が回転しない態様のものおいては、前記板部材19群を適宜の駆動手段により外筒10の内周面に沿って回転させるなどの追加的機構が必要となる。
【0029】
上記粉体まぶし装置Aの作動を説明する。モータ53を駆動して粉体まぶし部Bを回転させる。その状態であるいは回転に先立ち、図示しないコンベアなどの送り手段を利用して、小麦粉のような粉体及び必要な場合には香辛料などを供給口14から内筒20の上流域部分21部分に投入する。さらに、同様にして適当な大きさに切断され、かつ、場合によってはバッター液が付けられた鶏肉などの食品を投入する。
【0030】
投入された粉体と食品は粉体まぶし部Bの回転と内筒20(第2の筒状体)の内面に取り付けた線状部材25の作用により、互いに混じり合いながらその上流域部分21から下流域部分22に向けて移動する。その間に、食品への粉体のまぶし付けが進行する。上流域部分21は径の小さい樹脂材料製のホース23を密な状態で円筒状に組み付けた構成であり、上流域部分21の内周面には多くの凹所、凸所が形成されることから、食品は凸所の頂面に沿って移動し、粉体は凹所に入り込んだ状態で内筒20の回転により上方に持ち上げられ、そこで凸所の頂面に沿って移動する食品に降りかかるようにしてまぶし付けられるので、食品が不用意に変形したり傷が付いたりするのを防止することができるとともに、まぶし付けも十分に進行する。
【0031】
粉体がまぶし付けられた食品と余剰の粉体はそのまま下流域部分22に移動し、そこで余剰の粉体及び必要以上に食品にまぶし付けられた粉体は、下流域部分22に形成された多数の透過孔24を透過して外筒10(第1の筒状体)の内周面に落下する。外筒10は供給口14と排出口15を除いて実質的に開放部を有しない形状であり、内周面に落下した粉体は外筒10内に閉じこめられ、外気中に飛散することはない。
【0032】
また、粉体まぶし部Bは供給口14よりも排出口15が高い位置となるように傾斜した姿勢で機台50に装着されているので、落下した余剰な粉体は外筒10の内面に沿ってその上流側端部近傍まで容易に移動する。図示の態様では、外筒10は内筒20とともに回転するようにされており、さらに、外筒10の内面には螺旋状の線状部材18が取り付けられているので、粉体の移動は迅速かつ確実に進行する。
【0033】
外筒10の上流側端部近傍まで移動してきた粉体は、外筒10の上流端に取り付けた板部材19により外筒10の回転とともに上方に向けてすくいあげられる。板部材19の上辺で形成する仮想円周部分は粉体再循環手段40の円環部材41によって閉鎖されているので、すくい上げの途中で粉体が落下することはない。外筒10の回転が進行することにより、板部材19によりすくい上げられている粉体は円環部材41に形成した開口43の位置に順次到達する。開口43に到達した粉体はそこから落下し、案内舌片44により案内されて、内筒20の上流域部分21内に戻される。それにより、投入された粉体はすべてまぶし材料として利用されることとなり、無駄は生じない。
【0034】
この態様では、前記のように、粉体まぶし部Bは供給口14よりも排出口15が高い位置となるように傾斜した姿勢で機台50に装着されているので、内筒20内で粉体や食品が自重により下流(排出口15)側に不用意に落下することはなく、常時、内筒20の内面に取り付けた螺旋状の線状部材25の作用によって、該螺旋状の線状部材25に規制された移動を行う。そのために、食品や粉体の分布も均一化し、内筒20の上流域部分21において、食品と粉体のまぶし工程は所期どおりに進行する。その結果、所望に粉体がまぶし付けられた食品を常に得ることができ、また、食品に予期せぬ損傷を生じさせることも回避できる。
【0035】
図5は本発明による食品への粉体まぶし装置Aの他の実施の形態を示す一部破断による側面図であり、内筒20の上流域部分21がステンレス鋼板のような表面が平坦でかつ硬い表面を持つ材料21aによって作られている点でのみ、図1〜図4に示したもと異なっている。この形態では、食品への粉体のまぶし付けの度合いにおいて幾分低下するものの、構成がきわめて簡素化される利点がある。また、内筒20内部の清掃も容易化できる。
【0036】
図6は本発明による食品への粉体まぶし装置Aのさらに他の実施の形態を示す一部破断による側面図であり、図1に基づき説明した装置とは、機台50に対する装着の方向が、外筒10の供給口14側が上位となり、排出口15側が下位となる方向とされている点でのみ異なっており、他の構成は同じである。従って、同じ部材には同じ符号を付すことにより、詳細な説明は省略する。この場合には、第2の筒状体20内の粉体と食品は第2の筒状体20の回転により排出口15側に移動することができるので、例えば螺旋状の線状部材25のような送り手段は省略可能である。しかし、食品と粉体とのまぶし付け具合を良好なものとするためには、螺旋状の線状部材25のように送り手段を設けることは好ましい。少なくとも外筒10の内周面に作用するように螺旋状の線状部材18のような何らかの粉体戻し手段を設けることは必要である。
【0037】
なお、第2の筒状体20の上流域部分21の他の形態として、図示しないが、適宜の円筒部材の内周面に、弾性を有するホースや筒状の合成樹脂発泡体のような材料を断面弧状に切断した長尺状部材を密な状体で貼り付けて固定した形状のものにおいても、図1及び図6に示したものと同様に、食品と粉体との良好なまぶしが進行することは理解されよう。
【0038】
【発明の効果】
上記のように、本発明による食品への粉体まぶし装置によれば、運転中に余剰となった粉体や香辛料などを外気に飛散させることがないので、周囲の作業環境を悪化させることなく、食品への粉体まぶし付け作業を連続して行うことが可能となる。また、投入された粉体はすべてまぶし材料として利用でき無駄が生じない。好ましい態様において、まぶし時に、粉体と食品とは好ましくは弾性を持つ螺旋状の送り部材により同時に移送されるので、食品が受ける衝撃を緩和でき、食品が傷付くのを回避できるとともに、まぶし部内での食品の移動領域と粉体の移動領域とがほぼ一致したものとなるので、短時間で過不足のない粉体のまぶしが遂行される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による食品への粉体まぶし装置の全体を示す側面図であり、一部破断して示している。
【図2】図1に示す装置を上流側から見た正面図。
【図3】粉体まぶし部を構成する第2の筒状体を説明するための斜視図。
【図4】粉体まぶし部を構成する第1の筒状体と粉体再循環手段を説明するための分解斜視図。
【図5】本発明による食品への粉体まぶし装置の他の実施の形態を示す一部破断による側面図。
【図6】本発明による食品への粉体まぶし装置のさらに他の実施の形態を示す一部破断による側面図。
【図7】従来の食品への粉体まぶし装置の一例を示す図。
【符号の説明】
A…食品への粉体まぶし装置、B…粉体まぶし部、10…外筒(第1の筒状体)、14…供給口、15…排出口、18…螺旋状の線状部材(粉体戻し手段)、20…内筒(第2の筒状体)、21…上流域部分、22…下流域部分、23…径の小さい樹脂材料製のホース、24…金網、25…螺旋状の線状部材(送り手段)、40…粉体再循環手段、41…円環部材、42…フランジ、43…開口、44…案内舌片、45…取り付け桿、50…機台、53…モータ
Claims (8)
- 一方端に形成した供給口と他方端に形成した排出口を除いて実質的に開放部を有しない第1の筒状体と、一方端を前記供給口に臨ませ他方端を前記排出口に臨ませた状態で前記第1の筒状体内に配置されている第2の筒状体とを備えた粉体まぶし部と、少なくとも前記第2の筒状体が回転できるように前記粉体まぶし部を支持する機台と、少なくとも前記第2の筒状体粉体に回転運動を与えるための駆動手段とを有しており、
前記供給口から投入される食品及び粉体は前記第2の筒状体内に入り込むようにされており、
前記第2の筒状体は閉じた周面である上流域部分と粉体の通過は許すが食品の通過は許さない透過孔を周面に多数持つ下流域部分とで構成されており、
さらに、前記第1の筒状体の上流側端部近傍には、そこに滞留する粉体を前記第2の筒状体内に送り込むための粉体再循環手段を備える、
ことを特徴とする食品への粉体まぶし装置。 - 前記粉体まぶし部は、前記供給口よりも前記排出口が高い位置となるように傾斜して前記機台に装着されており、前記第2の筒状体は入り込んだ食品及び粉体を前記排出口に向けて送り出す送り手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の食品への粉体まぶし装置。
- 前記送り手段は、前記第2の筒状体の内面に取り付けた螺旋状構造体により構成されることを特徴とする請求項1又は2記載の食品への粉体まぶし装置。
- 前記粉体まぶし部は、前記第1の筒状体の内面に落下してくる粉体を上流側端部近傍に移動させるための粉体戻し手段を備えることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の食品への粉体まぶし装置。
- 前記粉体戻し手段は、前記第1の筒状体の内面又は第2の筒状体の外面に取り付けた螺旋状構造体により構成されることを特徴とする請求項4記載の食品への粉体まぶし装置。
- 前記第2の筒状体の前記上流域部分は弾性を持つ材料により形成されていることを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の食品への粉体まぶし装置。
- 前記第2の筒状体の前記上流域部分は内周面に複数の凹所及び/又は凸所を有することを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載の食品への粉体まぶし装置。
- 前記粉体まぶし部の前記供給口側には供給用コンベアが配置され、前記排出口側には搬出用コンベアが配置されていることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載の食品への粉体まぶし装置。
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