JPH11243314A - アンテナ - Google Patents

アンテナ

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Publication number
JPH11243314A
JPH11243314A JP10334832A JP33483298A JPH11243314A JP H11243314 A JPH11243314 A JP H11243314A JP 10334832 A JP10334832 A JP 10334832A JP 33483298 A JP33483298 A JP 33483298A JP H11243314 A JPH11243314 A JP H11243314A
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JP
Japan
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antenna
antenna element
sub
dielectric substrate
feeder
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Application number
JP10334832A
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English (en)
Inventor
Veselin Brancovic
ベズリン ブランコビッチ
Aleksandar Nesic
アレクサンダー ネシック
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Sony Deutschland GmbH
Original Assignee
Sony International Europe GmbH
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH11243314A publication Critical patent/JPH11243314A/ja
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q9/00Electrically-short antennas having dimensions not more than twice the operating wavelength and consisting of conductive active radiating elements
    • H01Q9/04Resonant antennas
    • H01Q9/16Resonant antennas with feed intermediate between the extremities of the antenna, e.g. centre-fed dipole
    • H01Q9/28Conical, cylindrical, cage, strip, gauze, or like elements having an extended radiating surface; Elements comprising two conical surfaces having collinear axes and adjacent apices and fed by two-conductor transmission lines
    • H01Q9/285Planar dipole
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q21/00Antenna arrays or systems
    • H01Q21/24Combinations of antenna units polarised in different directions for transmitting or receiving circularly and elliptically polarised waves or waves linearly polarised in any direction
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q21/00Antenna arrays or systems
    • H01Q21/24Combinations of antenna units polarised in different directions for transmitting or receiving circularly and elliptically polarised waves or waves linearly polarised in any direction
    • H01Q21/26Turnstile or like antennas comprising arrangements of three or more elongated elements disposed radially and symmetrically in a horizontal plane about a common centre

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Aerials With Secondary Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 理想的な放射パターンに近い放射パターンを
有し、製造コストが安い、円偏波の電磁波信号を放射及
び受信する。 【解決手段】 アンテナ1は、前面12と背面13を有
する誘電体基板11と、円偏波の電磁波信号を放射及び
受信するための第1のアンテナ素子14と第2のアンテ
ナ素子15と、第1及び第2のアンテナ素子14,15
に接続され、それらと信号を送受信する給電線手段18
と、誘電体基板11の背面に平行であって、低損失支持
体17を介在して配設された反射板16とを備える。第
1及び第2のアンテナ素子14,15は、誘電体基板1
1上で互いに直交して配されており、共役複素インピー
ダンスを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンテナに関し、
特にマイクロ波又はミリ波帯の円偏波の電磁波信号を放
射及び受信する円偏波平面アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】円偏波平面アンテナは、通信に用いら
れ、特に見通し線(light of the sight以下、LOSと
いう。)伝送に用いられる。このアンテナは、例えば人
工衛星と地上の間の通信、屋内のLOS無線ローカルエ
リアネットワーク(以下、LANという。)通信、屋外
のLOS個人通信に応用されている。このような円偏波
平面アンテナには、アンテナ指向性を考慮する必要がな
いという利点の他に、偏波面が回転変化することにより
反射波が物理的に減衰するという利点がある。この利点
によって、マルチパス伝搬に対するシステム全体の耐力
が増し、伝搬路は良好となる。この利点は、伝搬路がL
OSであるときに顕著である。
【0003】全方向性放射パターンを有する円偏波平面
アンテナが応用される用途としては、主に2つの用途が
ある。第1の用途は、電波を均一に伝搬する用途であ
り、屋内において、円偏波平面アンテナがベースステー
ション又はリモートステーションのアンテナとして移動
アンテナ又は固定アンテナと通信したり、又は接地アン
テナと通信したりする。第2の用途は、屋外での用途で
あり、屋外において、例えば車又は列車等の地上の移動
体に搭載された円偏波平面アンテナが、人工衛星と通信
する。
【0004】第1の用途では、電波を均一に伝搬するこ
とが主な課題である。屋内での用途では、図1に示すよ
うに、円偏波平面アンテナ1は、ベースステーション又
はリモートステーションのアンテナとして天井に取り付
けられており、例えばラップトップ型パーソナルコンピ
ュータ4のアンテナ5又はデスクトップ型パーソナルコ
ンピュータ6のアンテナ7とLOS通信を行っており、
電波を均一に伝搬する必要がある。円偏波平面アンテナ
1が通常の放射パターンを有している場合、受信領域の
端における電磁波信号の強さGmaxは、円偏波平面アン
テナ1の中心軸A方向における電磁波信号の強さGmin
に比してより減衰される。これは、受信領域の端におけ
る受信機は、中心軸A方向の受信機が受信する電磁波よ
りも長い距離を伝搬した電磁波を受信することによる。
図1において明らかなように、最も短い距離と最も長い
距離との比は1:4〜1:8の範囲であり、この差によ
り12dB〜18dBの減衰率の差が生じる。そして、
例えば、天井2の高さをh1とし、アンテナ5,7が設
置されている床3からの高さをh2とし、h2−h1
1.5mのときは、受信領域の半径Rは、11.6〜2
7.3mである。
【0005】第2の用途においても、電波の均一な伝搬
が主な課題である。図3に示す屋外での用途において
は、自動車9の屋根の上に搭載された円偏波平面アンテ
ナ1は、静止衛星8を介して、他の1つ以上の地上のア
ンテナと通信を行っており、第1の用途と同様に、電波
を均一に伝搬する必要がある。以下の説明は、屋内での
用途に関するが、屋外での用途にも当てはまる。円偏波
平面アンテナ1は、その中心軸Aから受信領域の端に行
くにつれて、すなわち中心軸Aと、部屋の端の方にある
デスクトップ型パーソナルコンピュータ6のアンテナ7
と円偏波平面アンテナ1を結んだ線分とのなす角度Φが
大きくなるにつれて、利得が大きくなる放射パターンG
(Φ)を有しているため、送信アンテナである円偏波平面
アンテナ1と受信アンテナであるアンテナ7間の距離d
による自由空間減衰が生じても、中央に円偏波平面アン
テナ1を備える天井2と床3とから成る部屋における高
さが一定の位置の電界強度は、一定である。例えば伝送
速度(communication ratio)を上げるか又は定伝送速
度(constant communication ratio)における送信電力
を下げることによって送信電力を最適化するために、ま
た、電力制御の必要性又は必要な電力制御の範囲を最小
限にするためには、以下の2つの方法がある。第1の方
法は、受信アンテナが、図2に示すような理想的な放射
パターンを有している指向性アンテナである場合に用い
られる。理想的には、移動又は携帯端末用ののアンテナ
が、円偏波平面アンテナ(ベースステーションアンテ
ナ)の方向に直接向いた指向性を有する通常のアンテナ
である場合、この理想的な放射パターンのエベレーショ
ン利得(elevation gain)Gは、以下の数式で表され
る。
【0006】 G=Gmin×sec2Φ =Gmin×[(h2−h1)2+R2]/[(h2−h1)2] (Φ<maxΦ) G=0 (Φ>maxΦ) ここで、上述したように、h1は、円偏波平面アンテナ
1が取り付けられた天井2と床3間の垂直方向の距離、
すなわち天井2の高さであり、h2は、アンテナ5,7
と床3間の垂直方向の距離、すなわちアンテナ5,7が
設置されている位置の高さである。Rは、円偏波平面ア
ンテナ1の中心軸Aからデスクトップ型パーソナルコン
ピュータ6のアンテナ7が設置されている位置までの半
径である。Φは、円偏波平面アンテナ1の中心軸Aと、
例えば部屋の端に設置されたデスクトップ型パーソナル
コンピュータ6のアンテナ7と円偏波平面アンテナ1を
結んだ線分とのなす角度である。
【0007】放射パターンにおける最大利得Gmaxは、
Φ=Φmaxの時に生じ、最小利得Gminは、Φ=0、すな
わち中心軸Aにおいて生じる。図1及び図2におけるア
ンテナ利得Gのおよその値は、上記式から得られる。こ
の値は、上記式で表されるように、R、h1、h2を関数
とした理想的なsec2Φ曲線で計算される最大の指向性を
表している。
【0008】第2の方法は、両方の通信アンテナが同じ
であり、両方の放射パターンの和が上記式で表される特
性を有している場合に用いられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような理想的な放
射特性を得るためには、例えば、誘電体レンズを備える
導波管アンテナ又は形状反射板(shaped reflector)を
備えるモノポールアンテナ等の非平面構造及び非印刷構
造を有する直線偏波アンテナの技術を用いる方法があ
る。上述した導波管アンテナの技術を用いる第1の方法
では、非常に大きな誘電体が必要になり、アンテナの重
量や大きさが増して、最終的には製造コストが増大す
る。したがって、このアンテナは、大量生産、特に低周
波アンテナの大量生産には実用的ではない。また、モノ
ポールアンテナの技術を用いる第2の方法では、アンテ
ナパターンの中央の利得が低下し(shadowing)、再現
性が悪く、また非常に大きな誘電体板が必要になるとい
う問題もある。更に、いずれの方法を用いても、円偏波
が生ぜず、また製造コストが安い平面印刷構造とするこ
とができない。したがって、これらの方法は、別の用途
に適している。
【0010】周知の円偏波平面アンテナには、通常マイ
クロストリップ技術又は様々な給電効果を有するストリ
ップラインが用いられる。しかし、これらの技術を用い
ると、主ビームは、印刷構造における平面ベクトルと等
しくなり、電波が部屋全体に均一に伝搬されない。ま
た、これらの技術は、周波数選択性の整合及び軸比によ
り、比較的狭帯域でしか応用するとこができない。マイ
クロストリップパッチ(microstrip patches)において
円偏波を実現させる一方法として、米国特許第US52
16430号及びUS5382959に記載されている
ように、1つのパッチに2つの給電点を設ける方法があ
る。マイクロストリップパッチにおいて円偏波を実現さ
せる別の方法として、欧州特許第EP0434268B
1及びEP525726A1に記載されているように、
角を切るか又はノッチを設けることによって直交したパ
ッチを作る特別な方法がある。
【0011】円偏波平面アンテナの第2の用途では、例
えば図3に示すように、円偏波の電磁波信号が、静止衛
星8と、車9の屋根に搭載された円偏波平面アンテナ1
との間を伝送される。図3には、このような屋外での用
途の典型的な例が示されている。図4には、静止衛星8
と、車9のような地上の移動体に搭載された円偏波平面
アンテナ1との間の屋外での通信における理想的な放射
パターンが示されている。このような理想的な放射パタ
ーンを有していれば、車9がどの方向を向いていても、
円偏波平面アンテナ1の放射パターンは静止衛星8の方
向を向いているので、円偏波平面アンテナ1に追尾装置
を設ける必要はない。
【0012】図3に示す用途においては、放射パターン
の傾斜角(inclination angle)は鋭くする必要はな
い。図4に示す理想的な放射パターンでは、最大利得
は、Φ=30゜〜60゜の範囲内にあるべきである。こ
こで、Φは、円偏波平面アンテナ1の中心軸Aと、静止
衛星8と円偏波平面アンテナ1を結んだ線分とのなす角
度である。
【0013】本発明の目的は、理想的な放射パターンに
近い放射パターンを有し、製造コストが安い、円偏波の
電磁波信号を放射及び受信する円偏波平面アンテナを提
供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、請求項1
の特徴を持った円偏波平面アンテナによって達成され
る。本発明に係る円偏波平面アンテナは、前面と背面を
有する誘電体基板と、円偏波の電磁波信号を放射及び受
信するための第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子
とをそれぞれ有し、誘電体基板上で互いに直交して配さ
れており、共役複素インピーダンスを有している第1及
び第2のサブアンテナ手段と、第1及び第2のサブアン
テナ手段に接続され、第1及び第2のサブアンテナ手段
と信号を送受信する給電線手段と、誘電体基板の背面に
平行であって、低損失支持体を介在して配設された反射
手段とを備える。
【0015】本発明に係る円偏波平面アンテナは、図2
及び図4に示すような理想的な放射パターンに近い放射
パターンを有しており、全面的にプレーナ技術によって
生産することができる。このため、このアンテナは、従
来のアンテナと比べて非常に安価に生産することができ
る。また、このアンテナは、例えば図3に示す車9の屋
根等の地上の移動体に容易に搭載することができる。こ
のため、空力抵抗による問題が起こる可能性が遙かに低
い。本発明に係る円偏波平面アンテナは、元々広帯域を
有しているため、このアンテナを約1.6GHzでの応
用や、近似の帯域での他の応用に用いることができる。
更に、このアンテナは、良好な軸比と、良好なアンテナ
整合と、良好なアンテナ利得を有している。本発明に係
る円偏波平面アンテナの放射パターンは、図2及び図4
に示す理想的な放射パターンに近い放射パターンである
ため、本発明に係る円偏波平面アンテナは、図1及び図
2に示す応用例に特に適している。このアンテナは、中
心軸Aにおける放射量が、図4のように低いことが求め
られている場合、又は図2のように最小であることが求
められている場合に特に適している。
【0016】2本の直交したダイポールが直交した位相
を有し、互いに等しい強度を有する場合、電波は円偏波
となる。電波の波長がλ/4である給電線を介して同じ
共役複素インピーダンスを有するダイポールに信号を給
電することによって、π/2の位相差が得られる。ここ
で、λは、給電された信号の波長である。また、位相差
がπ/2であるリアクタンス素子を有する給電ネットワ
ークによっても、π/2の位相差が得られる。
【0017】本発明によれば、2本の直交したダイポー
ルは等しくないが、共役複素インピーダンスを有してい
る。すなわち、第1のダイポールは、Z1=R−jXの
インピーダンスを有しており、第2のダイポールは、Z
2=R+jXのインピーダンスを有している。ここで
は、Rは、実部であり、Xは、虚部である。
【0018】第1及び第2のサブアンテナ手段は、給電
線手段に同一面上で接続されているダイポール手段であ
る。第1及び第2のサブアンテナ手段は、給電線手段に
直列に接続された溝を備える。これにより、得られるイ
ンピーダンスは、実部のみを有しており、これは、アン
テナへの給電に用いられる給電線の特性インピーダンス
cと等しい。給電線の特性インピーダンスは通常50
Ωであるが、例えば75Ωのように、他のインピーダン
スでもよい。したがって、平行して配された2本のダイ
ポールのインピーダンスは、Z=Z12/(Z1+Z2
=(R2+X2)/(2R)である。
【0019】低損失支持体内における動作帯域の電波の
波長をλとし、反射板の上面と誘電体基板の中心面間の
距離Hは、0.25λと0.5λとの間である。したが
って、本発明に係るアンテナの放射パターンは、所望の
応用方法に有効である。このアンテナが、図1の例に示
すように、信号を均一に伝搬する応用方法で用いられる
場合、距離Hは、H=0.45λ+/−5%である必要
がある。この場合、図2に示すような放射パターンに近
い放射パターンが得られる。この放射パターンにおい
て、このアンテナの中心軸Aにおける最小利得Gmin
は、最大利得Gmaxよりも約12dB小さい。図3に示
すように、このアンテナが屋外で用いられる場合、距離
Hは、H=0.5λである必要がある。このため、図4
に示す放射パターンに近い放射パターンが得られる。こ
の放射パターンにおいて、このアンテナの中心軸Aにお
ける放射の値は、理想的な場合で0である。
【0020】第1及び第2のサブアンテナ手段と給電線
手段は、誘電体基板の同一面上に配設され、給電線手段
には、第1及び第2のサブアンテナ手段のうちの第1の
アンテナ素子に接続している第1の給電線と第1及び第
2のサブアンテナ手段のうちの第2のアンテナ素子に接
続している第2の給電線とが同一面上に備わっている。
【0021】第1及び第2のサブアンテナ手段は、誘電
体基板の同一面上に配設され、給電線手段は、平衡形マ
イクロストリップライン手段を形成している第1の給電
線及び第2の給電線からなり、それぞれ第1のアンテナ
素子及び第2のアンテナ素子に外側から接続している。
【0022】各第1及び第2のサブアンテナ手段におけ
る第1のアンテナ素子及び第2のアンテナ素子は、それ
ぞれ誘電体基板の異なる面に配設され、給電線手段は、
それぞれ誘電体基板の異なる面に配設されて平衡形マイ
クロストリップライン手段を形成している第1の給電線
及び第2の給電線からなり、第1の給電線は、第1のア
ンテナ素子に接続し、第2の給電線は、第2のアンテナ
素子に接続している。
【0023】第2のサブアンテナ手段における第1のア
ンテナ素子及び第2のアンテナ素子は、それぞれ給電す
る側に結合部を備える。
【0024】各第1及び第2のサブアンテナ手段及び給
電線手段は、誘電体基板に印刷されている各第1及び第
2のサブアンテナ手段及び給電線手段は、誘電体基板の
片面の金属被覆された領域に溝として形成されている。
【0025】溝は、同一面上のストリップラインを形成
している給電線手段によって給電されている。
【0026】複数のアンテナ素子からなる位相アンテナ
列に、アンテナ素子として配設されている。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るアンテナにつ
いて、図面を参照しながら説明する。
【0028】図1は、本発明を適用したアンテナを屋内
において用いた時の様子を示す図である。このアンテナ
は、屋内において電磁波信号を均一に伝搬する。図1に
示すように、本発明を適用したアンテナ1は、天井2に
取り付けられており、ベースステーション又はリモート
ステーションとして機能し、複数の移動又は携帯用のア
ンテナ5,7と通信する全方向性アンテナである。アン
テナ5は、ラップトップ型パーソナルコンピュータ4に
備えられており、アンテナ7は、デスクトップ型パーソ
ナルコンピュータ6に備えられている。上述したよう
に、図1に示す放射パターン及び図2に詳細に示す放射
パターンは、理想的な放射パターンである。本発明を適
用したアンテナ1は、後述するように、図2に示す理想
的な放射パターンに極めて近い放射パターンをしてい
る。屋内での用途では、本発明を適用したアンテナ1の
放射パターンは、中心軸Aにおいて最小の利得Gminを
有し、このGminは、受信領域の半径Rが12〜24に
対応した中心軸Aから角度Φが60°〜70°の範囲に
おける最大利得Gmaxよりも12〜18dB小さい。図
1及び図2に示す理想的な放射パターンは、上述した式
及びパラメータで表されている。
【0029】図3は、本発明を適用したアンテナ1が静
止衛星8と通信する典型的は屋外での用途を示す図であ
る。アンテナ1は、例えば車9の屋根に搭載されてお
り、後述するように、図4に詳細に示す理想的な放射パ
ターンに極めて近い放射パターンを有している。理想的
な放射パターンは、アンテナ1の中心軸Aと、静止衛星
8とアンテナ1を結んだ線分とのなす角度Φが約30°
〜70°の範囲において最大の利得を有する。アンテナ
1の中心軸A方向における利得は0である。
【0030】図1及び図3に示す用途の両方において、
本発明を適用したアンテナ1は、直交平面内において全
方向性放射パターンを有している。
【0031】図5は、本発明を適用したアンテナ1の断
面図である。誘電体基板11は、前面12及び背面13
を有している。前面12には第1のダイポール14が配
設されており、背面13には第2のダイポール15が配
設されている。なお、図5に示す例では、第1のアンテ
ナ素子が前面12に印刷されており、第2のアンテナ素
子が背面13に印刷されているが、例えば第1のアンテ
ナ素子及び第2のアンテナ素子の両方を前面12又は背
面13に印刷して設けるようにしてもよい。第1のダイ
ポール14及び第2のダイポール15は、図5に示すよ
うに、例えば金属被覆法(matallization)によって形
成されている。なお、第1のダイポール14及び第2の
ダイポール15は、前面12上に溝(slot)として形成
するようにしてもよい。これについては、図12及び図
13において後述する。
【0032】誘電体基板11は、低損失材料からなる支
持体(以下、低損失支持体17という。)によって支持
されており、この低損失支持体17の反対側には、反射
手段としての金属製の反射板16が配設されている。低
損失支持体17は、例えばポリウレタン、又は誘電率が
1に近い他の低損失材料からなる。また、その材料とし
ては空気でもよく、この場合、誘電体基板11と反射板
16との間は空洞となっている。
【0033】図2及び図4に示す理想的な放射パターン
に近い放射パターンを得るためには、反射板16の上面
と誘電体基板11の中心面間の距離Hが、本発明で決め
られた値である必要がある。距離Hの値は、例えば0.
25λ〜0.5λである。ここで、λは、低損失支持体
17内における中心周波数(使用帯域の中心周波数)の
電波の波長である。図1に示す電磁波信号を均一に伝搬
する用途では、アンテナ1の中心軸A方向において、例
えば最大の利得Gmaxよりも12dB小さい利得を有す
る必要があるため、距離Hの値は、0.45λ±5%で
ある。図3に示す屋外での用途では、アンテナ1の中心
軸A方向における理論的な放射が0となるように、距離
Hの値は、0.5λである。
【0034】図6は、本発明を適用したアンテナ1の第
1の実施の形態を示す斜視図である。この第1の実施の
形態では、同一面上のストリップラインによって給電が
行われる。低損失支持体17の下面には反射板16が配
設されており、その上面には誘電体基板11が配されて
いる。図6に示す第1の実施の形態では、第1及び第2
のサブアンテナ手段としての第1のダイポール14及び
第2のダイポール15が誘電体基板11の前面12に印
刷されている。第1のダイポール14は第1のアンテナ
素子21と第2のアンテナ素子23からなっており、第
2のダイポール15は第1のアンテナ素子22と第2の
アンテナ素子24からなっている。第1のダイポール1
4と第2のダイポール15は互いに直交しているため、
第1のアンテナ素子21、第2のアンテナ素子23、第
1のアンテナ素子22及び第2のアンテナ素子24は、
図6に示すように、互いに直交している。第1のダイポ
ール14及び第2のダイポール15は、円偏波の電磁波
信号を放射及び受信するために、共役複素インピーダン
スを有する。給電線手段18は、第1のダイポール14
及び第2のダイポール15と接続されており、第1のダ
イポール14及び第2のダイポール15との間で信号を
送受信する。
【0035】図6の上部の円に示す拡大図でわかるよう
に、給電線手段18は、第1の給電線19と第2の給電
線20からなり、第1の給電線19は、第1のアンテナ
素子21及び第1のアンテナ素子22に接続されてお
り、第2の給電線20は、第2のアンテナ素子23及び
第2のアンテナ素子24に接続されている。第1の給電
線19及び第2の給電線20は、両方とも同一面上に配
設されている。図6に示すように、第2のダイポール1
5の第1のアンテナ素子22及び第2のアンテナ素子2
4は、第1のダイポール14の第1のアンテナ素子21
及び第2のアンテナ素子23とは異なった形状を有して
いる。第2のダイポール15の第1のアンテナ素子22
と第2のアンテナ素子24は、対向して配設されてお
り、それぞれ縦方向に2本の平行な溝を有している。こ
れについては、図9において詳細に説明する。第1のダ
イポール14の第1のアンテナ素子21及び第2のアン
テナ素子23は、(50−j50)Ωのインピーダンス
を有するように形成されており、第2のダイポール15
の第1のアンテナ素子22及び第2のアンテナ素子24
は、(50+j50)Ωのインピーダンスを有するよう
に形成されている。
【0036】図7は、本発明を適用したアンテナ1の第
2の実施の形態を示す斜視図である。この第2の実施の
形態では、誘電体基板11の前面12及び背面13上の
ストリップラインによって給電が行わる。この第2の実
施の形態では、第1のアンテナ素子21及び第1のアン
テナ素子22が、誘電体基板11の前面12に印刷され
ており、第2のアンテナ素子23及び第2のアンテナ素
子24が、誘電体基板11の背面13に印刷されてい
る。図7の上部の円に示す第1のダイポール14及び第
2のダイポール15の拡大図において、第2のアンテナ
素子23及び第2のアンテナ素子24は、背面13に印
刷されていることを示すために点線で示されている。第
2のダイポール15の第1のアンテナ素子22と第2の
アンテナ素子24は、対向して配設されており、それぞ
れ縦方向に2本の平行な溝を有している。第1の実施の
形態と同様に、第1のダイポール14の第1のアンテナ
素子21と第2のアンテナ素子23は、対向して配設さ
れている。第2の実施の形態の給電線手段25は、第1
の実施の形態の給電線手段18とは異なる。第2の実施
の形態の給電線手段25は、第1の給電線26及び第2
の給電線27からなっている。第1の給電線26は、前
面12に印刷されており、第2の給電線27は、背面1
3に印刷されている。第1の給電線26と第2の給電線
27は、互いに平行に配されている。第2の給電線27
は、第2のアンテナ素子23及び第2のアンテナ素子2
4と反対側の端に幅の広がった部分28を有しており、
第1の給電線26とのバランスがとれたマイクロストリ
ップラインを形成している。コネクタ29は、第1の給
電線26及び第2の給電線27を、別の信号処理装置に
接続するためのものである。すなわち、幅の広がった部
分28は、コネクタ29に向かうにつれて徐々に幅広に
なっている。
【0037】図8は、本発明を適用したアンテナ1の第
3の実施の形態を示す斜視図である。この第3の実施の
形態では、そのアンテナに直角に設けられた側板に印刷
されている平衡形マイクロストリップラインによって給
電が行われる。この第3の実施の形態では、第1の実施
の形態と同様に、第1のアンテナ素子21、第2のアン
テナ素子23、第1のアンテナ素子22及び第2のアン
テナ素子24は、誘電体基板11の前面12に印刷され
ている。第3の実施の形態の給電線手段30は、第1の
給電線31及び第2の給電線32からなっており、第1
の給電線31は側板34の前面に印刷されており、第2
の給電線32は側板34の背面に印刷されていて、平衡
形マイクロストリップラインを形成している。図8の上
部の円に示す第1のダイポール14及び第2のダイポー
ル15と給電線手段30との接続部分の拡大図におい
て、側板34は、低損失支持体17及び誘電体基板11
を挟んで第1のダイポール14及び第2のダイポール1
5に外側から接続されている。すなわち、第1の給電線
31は、第1のアンテナ素子21及び第1のアンテナ素
子22に接続されており、第2の給電線32は、第1の
アンテナ素子22及び第2のアンテナ素子24に接続さ
れている。第2の給電線32は、第2の実施の形態にお
ける第2の給電線27の幅の広がった部分22に類似し
た幅の広がった部分33を有しており、第3の実施の形
態における第1の給電線31及び第2の給電線32もま
た、平衡形マイクロストリップラインを形成している。
【0038】なお、第1、第2及び第3の実施の形態に
おいて、各給電線手段としての第1の給電線及び第2の
給電線の長さは、放射パターンに影響を与えないように
決定される必要がある。さらに、第1、第2及び第3の
実施の形態におけるアンテナに対して、これら3つのど
の給電線手段を用いてもよい。
【0039】図9は、第1、第2及び第3の実施の形態
で用いられている第1のダイポール14の第1のアンテ
ナ素子21及び第2のアンテナ素子23と第2のダイポ
ール15の第1のアンテナ素子22及び第2のアンテナ
素子24の形状を示す図である。第1のアンテナ素子2
1及び第2のアンテナ素子23は、細長い長方形の形状
を有している。第1のアンテナ素子22及び第2のアン
テナ素子24も、細長い長方形の形状を有しているが、
それぞれ一対の溝35を有している。この一対、すなわ
ち2本の溝は、第1のアンテナ素子22及び第2のアン
テナ素子24の縦方向に平行に配されている。溝35
は、各給電部36の近傍に位置し、各給電部36は、第
1のアンテナ素子22及び第2のアンテナ素子24に接
続されている。溝35は、給電された信号又は受信され
た信号が各アンテナ素子の本体に結合する結合部であ
り、それぞれに所望の入力インピーダンスを得るように
形成されている。図9における第1のアンテナ素子21
及び第2のアンテナ素子23は、約Z1=(50−j5
0)Ωのインピーダンスを有するように形成されてお
り、第1のアンテナ素子22及び第2のアンテナ素子2
4は、約Z2=(50+j50)Ωのインピーダンスを
有するように形成されており、また各給電線手段は、5
0Ωのインピーダンスを有している。
【0040】図10は、第3の実施の形態において、周
波数が4.5GHzの場合の第1のアンテナ素子21,
第2のアンテナ素子23,第1のアンテナ素子22及び
第2のアンテナ素子24の寸法の具体例を示す図であ
る。誘電体基板11の材料は、例えばテフロンファイバ
ーグラスであり、誘電率は2.17であり、厚さは0.
127mmである。第1のアンテナ素子21,第1のア
ンテナ素子22,第2のアンテナ素子23及び第2のア
ンテナ素子24の幅は1.0mmであり、給電点37か
ら測定した第1のアンテナ素子21及び第2のアンテナ
素子23の長さは13.7mmである。給電点37から
測定した第1のアンテナ素子22及び第2のアンテナ素
子24の長さは13.0mmである。給電点37から測
定した第1のアンテナ素子22及び第2のアンテナ素子
24における溝35の長さは7.0mmである。図10
の左上部の円に、給電点37の周辺の拡大図が示されて
いる。ここに示されているように、溝35の幅は0.2
mmであり、第1のアンテナ素子22及び第2のアンテ
ナ素子24の残りの舌状部の幅は0.2mmである。更
に、第1のアンテナ素子22及び第2のアンテナ素子2
4の縦の軸L2と第1のアンテナ素子21及び第2のア
ンテナ素子23の本体との距離は1.0mmであり、第
1のアンテナ素子21及び第2のアンテナ素子23の縦
の軸L1と第1のアンテナ素子22及び第2のアンテナ
素子24の舌状部の端との距離も同様に1.0mmであ
る。
【0041】図11は、第2及び第3の実施の形態にお
いて用いられている平衡形の給電から不平衡形の給電へ
の変換の部分の寸法を示す図である。ここでは、第3の
実施の形態に関して説明する。給電線手段30は、第1
の給電線31及び第2の給電線32からなっており、こ
れらの給電線31,32は、誘電体基板11の前面12
と背面13にそれぞれ印刷されている。第2の給電線3
2の幅の広い部分33の幅は、例えばSMAコネクタで
あるコネクタ38のところで13.3mmである。幅の
広い部分33の広くなり始めた部分からもっとも広くな
った部分までの長さは40.0mmである。幅の広い部
分33のもっとも広くなった部分から、第1のアンテナ
素子21、第1のアンテナ素子22、第2のアンテナ素
子23及び第2のアンテナ素子24が接続される部分で
ある給電点37までの長さは60.0mmである。第1
の給電線31と第2の給電線32の幅は0.485mm
であるが、第1の給電線31のコネクタ38寄りの部分
の幅は、0.376mmまで狭くなっている。なお、全
体的により短い寸法でも、平衡から不平衡への変換を行
うことができる。
【0042】図12は、本発明を適用したアンテナの第
4の実施の形態を示す図である。この第4の実施の形態
における第1のダイポール14及び第2のダイポール1
5は、誘電体基板11の片面の金属被覆された領域41
に溝(slot)として形成されている。この第4の実施の
形態では、第1のダイポール14は第1のアンテナ素子
42及び第2のアンテナ素子44からなり、第2のダイ
ポール15は第1のアンテナ素子43及び第2のアンテ
ナ素子45からなっている。第1のアンテナ素子42及
び第2のアンテナ素子44は、細長い長方形の形状を有
しており、互いに対向して配設されている。第1のアン
テナ素子43及び第2のアンテナ素子45もまた、細長
い長方形の形状を有しているが、第1のアンテナ素子4
2と第2のアンテナ素子44よりも幅が狭い。第1のア
ンテナ素子42、第1のアンテナ素子43、第2のアン
テナ素子44及び第2のアンテナ素子45は、互いに直
交するように配設されている。第1のアンテナ素子4
2、第1のアンテナ素子43、第2のアンテナ素子44
及び第2のアンテナ素子45と電磁波信号を送受信する
給電線手段46は、第1の給電線47及び第2の給電線
48からなっており、金属被覆された領域41に溝とし
て形成されている。同一面上に導波管を有する給電線手
段46により、不必要な電磁波モードが抑制され、直交
した溝に給電がなされる。なお、この同一面上の導波管
の数を増やしてもよい。すなわち、第4の実施の形態で
は、第1のアンテナ素子42、第1のアンテナ素子4
3、第2のアンテナ素子44及び第2のアンテナ素子4
5は、直列に接続されている。
【0043】図13は、第4の実施の形態における第1
のアンテナ素子42と第2のアンテナ素子44及び第1
のアンテナ素子43と第2のアンテナ素子45の形状を
詳細に示す図である。第1のアンテナ素子42と第2の
アンテナ素子44の幅は、第1のアンテナ素子43及び
第2のアンテナ素子45の幅よりも広い。第1のアンテ
ナ素子42及び第2のアンテナ素子44のインピーダン
スは、約Z1=(25−j25)Ωであり、第1のアン
テナ素子43及び第2のアンテナ素子45のインピーダ
ンスは、約Z2=(25+j25)Ωである。また、給
電線手段46は、50Ωのインピーダンスを有してい
る。第4の実施の形態では、第1のダイポール14と第
2のダイポール15が直列に接続されているため、第1
のダイポール14及び第2のダイポール15のインピー
ダンスは、給電線手段46のインピーダンスと等しい。
ところで、第4の実施の形態における第1のダイポール
14及び第2のダイポール15の寸法は、ダイポールと
溝の相補的論理法を用いて計算することができ、(25
+j25)Ω及び(25−j25)Ωのインピーダンス
で溝の寸法をシュミレートにするかわりに、誘電体基板
11に印刷された(709.52−j709.52)Ω
及び(709.52+j709.52)Ωのインピーダ
ンスのダイポールを用いて計算することができる。図1
3に示す第4の実施の形態における第1のダイポール1
4及び第2のダイポール15の形状は、このような原理
に基づいている。
【0044】図14は、本発明の主な利点である、本発
明を適用したアンテナの円偏波の放射パターンを、ダイ
ポールから反射板16までの距離Hを変化させたときの
特性図である。
【0045】図14に示すアンテナ特性図は、図10及
び図11で示した寸法に基づく平面アンテナの中央(仰
角が90゜)における最大利得に対する相対的な利得
と、反射板16からダイポールまでの距離との関係を示
している。なお、周波数は4.5GHzであって、横軸
は、反射板16と誘電体基板11の中心面間の距離Hで
あり、その単位はλである。なお、λは、低損失支持体
17内における動作帯域の電波の波長である。縦軸は、
最大利得に対する相対的な利得であり、単位はdBであ
る。
【0046】距離Hの値が0.5λの場合、本発明を適
用したアンテナの中心軸A方向においては放射がない。
これは、図3に示す屋外での用途と一致する。距離Hの
値が0.25λの場合、アンテナは、中心軸A方向に放
射を行い、このときの利得は、最小利得Gminである。
これは、図1に示す屋内での用途と一致する。なお、本
発明の実施の形態を適用したアンテナを用いる際には、
用途に応じて、反射板からダイポールまでの距離Hを変
えるようにしてもよい。
【0047】また、図14に示す特性図の曲線から、本
発明を適用したアンテナを設計するようにしてもよい。
屋内で使用されるアンテナの設計は、次の手順で行われ
る。最初に、所望の用途に適合するように、図14に示
す特性図から利得を得る。次に、図14に示す特性図の
曲線からおよその距離Hを読む。次に、3次元電磁波シ
ュミレータを用いて最適化を行い、反射板上面と誘電体
基板の中心面間の距離Hを所望の入力インピーダンスが
得られるように決定し、図10に示す寸法の直交ダイポ
ールアンテナ素子の寸法を設計する。所望のインピーダ
ンスが得られた後は、ダイポールから反射板までの距離
Hを微調整して、所望の利得をより正確に満たすように
する。以上の手順を、シュミレータを用いて繰り返す。
【0048】なお、特定の反射板が用いられる場合は、
正確なシュミレーションを反復すべきである。
【0049】図15は、本発明を適用したアンテナのシ
ュミレートされた軸比と、規格化周波数との関係を示す
特性図である。この図に示すように、軸比が6dBのと
きの帯域幅は、約13%であり、軸比が3dBのときの
帯域幅は、約3.1%である。図15に示すこのシュミ
レーションは、周波数が4.5GHzのときである。
【0050】図16は、0゜、45゜及び90゜の3つ
の異なる仰角Φにおける、利得P(dB)と方位角δと
の関係を示す特性図である。ここでは手動による測定が
行われたため、1dB前後の誤差が予想される。
【0051】図17は、本発明を適用したアンテナにお
ける、反射係数S11(dB)と周波数(GHz)との
関係を示す特性図である。利得の測定は、手動によりホ
ーンアンテナを基準として行い、したがって、図16に
示す特性は、スムーズな曲線とならなかった。測定され
た利得の最大全波リップルは、全周波数領域において
1.5dBを上回らない。なお、全てのシュミレーショ
ンの図は、3次元の全波シュミレーションによって得ら
れた図であり、誘電体基板の厚みの影響は考慮されてい
ない。
【0052】図18は、周波数が4.5GHzの場合
の、本発明を適用したアンテナの放射パターンのシュミ
レーションを示す図である。図18の放射パターンは、
図2に示した理想的な放射パターンに極めて近いことが
わかる。
【0053】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係るアンテナは、前面と背面を有する誘電体基板
と、円偏波の電磁波信号を放射及び受信するための第1
のアンテナ素子と第2のアンテナ素子とをそれぞれ有
し、誘電体基板上で互いに直交して配されており、共役
複素インピーダンスを有している第1及び第2のサブア
ンテナ手段と、第1及び第2のサブアンテナ手段に接続
され、第1及び第2のサブアンテナ手段と信号を送受信
する給電線手段と、誘電体基板の背面に平行であって、
低損失支持体を介在して配設された反射手段とを備え
る。これにより、このアンテナは、円偏波の電磁波信号
を放射及び受信することができるとともに、理想的な放
射パターンに近い放射パターンを有する。また、製造コ
ストを安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した電磁波信号を均一に伝搬する
アンテナを屋内において用いた時の様子を示す図であ
る。
【図2】図1の応用例における理想的な放射パターンを
示す図である。
【図3】本発明を適用したアンテナが屋外で静止衛星と
通信する様子を示す図である。
【図4】図3の応用例における理想的な放射パターンを
示す図である。
【図5】本発明を適用したアンテナの構造を説明した断
面図である。
【図6】本発明を適用したアンテナの第1の実施の形態
を示す斜視図である。
【図7】本発明を適用したアンテナの第2の実施の形態
を示す斜視図である。
【図8】本発明を適用したアンテナの第3の実施の形態
を示す斜視図である。
【図9】第1、第2及び第3の実施の形態で用いられて
いるダイポールのアンテナ素子の形状を示す図である。
【図10】第3の実施の形態において、周波数が4.5
GHzの場合のアンテナ素子の寸法の例を示す図であ
る。
【図11】第2及び第3の実施の形態において、周波数
が4.5GHzの場合の平衡不平衡変成器の寸法を示す
図である。
【図12】本発明を適用したアンテナの第4の実施の形
態を示す上面図である。
【図13】第4の実施の形態で用いられているダイポー
ルのアンテナ素子の形状を示す図である。
【図14】周波数が4.5GHzの場合の、ダイポール
から反射板までの距離Hを変えることによる円偏波の放
射パターンの形成方法を示す特性図である。
【図15】周波数が4.5GHzの場合の、本発明を適
用したアンテナのシュミレートされた軸比と、規格化周
波数との関係を示す特性図である。
【図16】周波数が4.5GHzの場合の、0゜、45
゜及び90゜の3つの異なる仰角Φにおける、単位がd
Bの利得Pと方位角δとの関係を示す特性図である。
【図17】本発明を適用したアンテナにおける、単位が
dBの反射係数S11と単位がGHzの周波数との関係
を示す特性図である。
【図18】周波数が4.5GHzの場合の、本発明を適
用したアンテナの放射パターンのシュミレーションを示
す図である。
【符号の説明】
11 誘電体基板、12 誘電体基板の前面、13 誘
電体基板の背面、14第1のダイポール、15 第2の
ダイポール、16 反射板、17 低損失支持体、18
給電線手段、21 第1のアンテナ素子、22 第1
のアンテナ素子 23 第2のアンテナ素子、24 第2のアンテナ素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ブランコビッチ ベズリン ドイツ連邦共和国 ディー−70736 フェ ルバッハシュトゥットゥガルター シュト ラーセ 106 ソニー インターナショナ ル (ヨーロッパ) ゲゼルシャフト ミ ット ベシュレンクテル ハフツング シ ュトゥットゥガルト テクノロジーセンタ ー内 (72)発明者 ネシック アレクサンダー ユーゴスラビア ベオグラード ノビ 11070 ブルバー アブノヤ 80/37

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面と背面を有する誘電体基板と、 円偏波の電磁波信号を放射及び受信するための第1のア
    ンテナ素子と第2のアンテナ素子とをそれぞれ有し、上
    記誘電体基板上で互いに直交して配されており、共役複
    素インピーダンスを有している第1及び第2のサブアン
    テナ手段と、 上記第1及び第2のサブアンテナ手段に接続され、上記
    第1及び第2のサブアンテナ手段と信号を送受信する給
    電線手段と、 上記誘電体基板の背面に平行であって、低損失支持体を
    介在して配設された反射手段とを備えるアンテナ。
  2. 【請求項2】 上記第1及び第2のサブアンテナ手段
    は、上記給電線手段に同一面上で接続されているダイポ
    ール手段であることを特徴とする請求項1に記載のアン
    テナ。
  3. 【請求項3】 上記第1及び第2のサブアンテナ手段
    は、上記給電線手段に直列に接続された溝を備えること
    を特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
  4. 【請求項4】 低損失支持体内における動作帯域の電波
    の波長をλとし、上記反射手段の上面と上記誘電体基板
    の中心面間の距離Hは、0.25λと0.5λとの間で
    あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に
    記載のアンテナ。
  5. 【請求項5】 上記第1及び第2のサブアンテナ手段と
    上記給電線手段は、上記誘電体基板の同一面上に配設さ
    れ、上記給電線手段には、上記第1及び第2のサブアン
    テナ手段のうちの上記第1のアンテナ素子に接続してい
    る第1の給電線と上記第1及び第2のサブアンテナ手段
    のうちの上記第2のアンテナ素子に接続している第2の
    給電線とが同一面上に備わっていることを特徴とする請
    求項1乃至4のいずれか1項に記載のアンテナ。
  6. 【請求項6】 上記第1及び第2のサブアンテナ手段
    は、上記誘電体基板の同一面上に配設され、上記給電線
    手段は、平衡形マイクロストリップライン手段を形成し
    ている第1の給電線及び第2の給電線からなり、それぞ
    れ上記第1のアンテナ素子及び上記第2のアンテナ素子
    に外側から接続していることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれか1項に記載のアンテナ。
  7. 【請求項7】 上記各第1及び第2のサブアンテナ手段
    における上記第1のアンテナ素子及び上記第2のアンテ
    ナ素子は、それぞれ上記誘電体基板の異なる面に配設さ
    れ、上記給電線手段は、それぞれ上記誘電体基板の異な
    る面に配設されて平衡形マイクロストリップライン手段
    を形成している第1の給電線及び第2の給電線からな
    り、上記第1の給電線は、上記第1のアンテナ素子に接
    続し、上記第2の給電線は、上記第2のアンテナ素子に
    接続していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    か1項に記載のアンテナ。
  8. 【請求項8】 上記第2のサブアンテナ手段における上
    記第1のアンテナ素子及び上記第2のアンテナ素子は、
    それぞれ給電する側に結合部を備えることを特徴とする
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載のアンテナ。
  9. 【請求項9】 上記各第1及び第2のサブアンテナ手段
    及び上記給電線手段は、上記誘電体基板に印刷されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記
    載のアンテナ。
  10. 【請求項10】 上記各第1及び第2のサブアンテナ手
    段及び上記給電線手段は、上記誘電体基板の片面の金属
    被覆された領域に溝として形成されていることを特徴と
    する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアンテナ。
  11. 【請求項11】 上記溝は、同一面上のストリップライ
    ンを形成している上記給電線手段によって給電されてい
    ることを特徴とする請求項10に記載のアンテナ。
  12. 【請求項12】 複数のアンテナ素子からなる位相アン
    テナ列に、アンテナ素子として配設されていることを特
    徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のアン
    テナ。
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