JPH05275920A - 鏡面修正アンテナ - Google Patents

鏡面修正アンテナ

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JPH05275920A
JPH05275920A JP10011892A JP10011892A JPH05275920A JP H05275920 A JPH05275920 A JP H05275920A JP 10011892 A JP10011892 A JP 10011892A JP 10011892 A JP10011892 A JP 10011892A JP H05275920 A JPH05275920 A JP H05275920A
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JP
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antenna
radio wave
primary radiator
frequency
mirror
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JP10011892A
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Hiroki Shiyouki
裕樹 庄木
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 修正反射鏡アンテナにおいて異なる二つの周
波数もしくは偏波において独立に所望の成形ビームを実
現できる鏡面修正アンテナを提供する。 【構成】 修正反射鏡と二つの一次放射器と周波数選択
板2もしくは偏波分離板により構成される反射鏡アンテ
ナにおいて、周波数選択板2もしくは偏波分離板により
二つの一次放射器91,92の動作する電波を分離し、
この一次放射器91,92の一方と周波数選択板2もし
くは偏波分離板との間に電波の位相分布を変化させる手
段の誘電体板3を設けた。 【効果】 二つの周波数もしくは偏波に対して独立に所
望の成形ビームを実現できるアンテナが同一の修正反射
鏡を用いたコンパクトかつ簡単な構成で実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は異なる周波数で動作す
る二つの一次放射器を備えた鏡面修正アンテナに関す
る。
【0002】
【従来の技術】反射鏡アンテナにおいて、反射鏡表面の
凹凸を修正することによりアンテナ開口面の位相分布、
振幅分布を調整し、所望の成形ビームを形成する鏡面修
正アンテナの研究および開発が近年盛んになってきてい
る。所定の方向へ妨害となる電波を放射させないように
するため低サイドローブのビームを形成したり、サービ
スエリアのカバレッジに合うような成形ビームが、単一
の一次放射器に修正反射鏡を設けただけの簡単な構成で
実現できるので、低損失や軽量化が要求される衛星搭載
用アンテナには非常に有効である。
【0003】しかし、従来の鏡面修正アンテナでは実用
上次のような問題点がある。
【0004】第一点は、異なる二つ以上の周波数で利用
する場合にその周波数全てに良好な成形ビームパターン
を形成することが難しいことである。これは、反射鏡表
面の凹凸が周波数特性をもつことに起因する。衛星搭載
用アンテナでは、一般に送信と受信を同一の反射鏡で共
用したほうが衛星設計の上で軽量化などの点で都合が良
い。しかし、鏡面修正アンテナでは、鏡面の修正量が単
一周波数において最適化・設計させるために送受とも良
好である成形ビームパターンを得ることが難しく、送受
で良好な成形ビームパターンを得るために送受分離して
反射鏡アンテナを2基設けるか、送受のどちらかのパタ
ーンを犠牲にするかしなければならない。 第二点は、
アンテナポインティングの問題である。鏡面修正アンテ
ナでは、ビーム成形度は良好であればそれだけビーム方
向を精度良く制御する必要がある。これは反射鏡開口径
が大きいほど高い精度が要求される。
【0005】一般的な反射鏡アンテナでは、アンテナの
指向方向誤差を検出する方法としてRFセンサ(モノパ
ルスセンサ)を用い、アンテナ全体またはアンテナの一
部を駆動することによりビーム方向を偏位させるアンテ
ナポインティング装置がよく用いられる。RFセンサ
は、地上にあるビーコン電波を発する地球局方向を検出
して、この方向を基準にしてアンテナの指向方向を制御
するために用いられる。一般的な構成を図26に示す。
ここで一次放射器52が反射鏡51の焦点Fに配置さ
れ、一次放射器52とは別にRFセンサ53が設置され
る。RFセンサとしては例えば図27に示すような方式
が用いられ、ここでPFセンサは4つのアンテナ素子
(例えばホーンアンテナ)55〜58により構成され
る。図28にその給電回路の例を示す。ここで減衰器
(または増幅器)59〜62および移相器63〜66は
4つのホーンに入力するビーコン電波の振幅と位相を調
整するために設けられたものであり、焦点Fから離れて
RFセンサを配置する場合に必要なものである。図28
に示すようにハイブリッド回路67〜70を接続するこ
とにより、図29に示すような和パターンと差パターン
が形成される。和パターンはビーコン電波の方向に最大
になり、差パターンはその方向でヌルを形成するように
なるのが理想的である。もし、衛星の姿勢変動などによ
りアンテナの指向方向が所望の方向からずれた場合に
は、ビーコン電波の方向が差パターンのヌルに一致する
ようにアンテナ全体もしくはアンテナの一部を機械的に
動かすことによりアンテナの指向方向は所望の方向に修
正される。アンテナの指向方向を偏位させる手段として
は、反射鏡アンテナの場合にはアンテナ全体もしくはア
ンテナの一部(例えば反射鏡)を機械的に駆動する方法
が用いられるのが一般的である。
【0006】鏡面修正アンテナにおいてもRFセンサを
利用したアンテナポインティング装置が用いられると考
えられる。図30には鏡面修正アンテナにRFセンサを
設けたアンテナポインティング装置の構成例について示
す。ここでは修正反射鏡1からのビーコン電波はRFセ
ンサ53で受信され、RFセンサ給電回路72を介して
指向方向誤差信号となり、追尾受信機73を介してステ
イタス信号となる。これが制御器74により動作信号と
なって駆動機構75へ供給されることにより、修正反射
鏡1が駆動調製される。しかし、この場合の問題点は鏡
面が修正されているためにRFセンサで受信されるビー
コン電波の位相分布に悪影響があることである。結果的
にRFセンサのパターンが大きく乱され、図29に示し
たような理想的なRFセンサのパターンが得られず、和
パターンの利得が低下したり、その最大利得の方向と差
パターンのヌルが大きくずれたり、差パターンが二つの
カット面で大きく違ったりするようになる。このためア
ンテナ指向方向誤差を精度良く検出することができなく
なり、ビームを偏位させるために適切なアンテナ駆動量
を設定することが困難になってしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の方法による鏡面修正アンテナでは、異なる二つ以上
の周波数に対して同時に良好な形成ビームを形成するこ
とが難しい問題点があった。また、RFセンサを有する
アンテナポインティング装置を鏡面修正アンテナに対し
て適用した場合には理想的なRFセンサのパターンを得
ることが難しく、アンテナ指向方向誤差を精度良く検出
したり、ビームを偏位させるために適切なアンテナ駆動
量を設定することが困難になってしまうことがあった。
【0008】本発明では、以上のような問題点を解決
し、異なる二つ以上の周波数に対して同時に良好な成形
ビームを形成でき、アンテナ指向方向誤差を精度良く検
出できる鏡面修正アンテナを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上問題点を解決するた
めに、表面の凹凸を修正した修正反射鏡と、独立に構成
される異なる周波数で動作する二つの一次放射器と、周
波数選択板により構成される反射鏡アンテナにおいて、
前記周波数選択板は前記二つの一次放射器の送信または
受信する電波に対して一方の一次放射器の動作する周波
数に関しては通過し、もう一方の一次放射器の動作する
周波数に関しては反射する特性を有し、前記周波数選択
板と前記二つの一次放射器のうちどちらか一方との間の
電波の伝搬経路の途中に位相分布を変化させる手段を有
する。
【0010】
【作用】本発明では、表面の凹凸を修正した修正反射鏡
を用いることにより第一の周波数の電波の位相分布を所
望の成形ビームを形成するような分布にすることができ
る。周波数選択板は第一の周波数については単に反射も
しくは単に透過して、第一の周波数で動作する一次放射
器により受信もしくは送信される。また、第二の周波数
に関しては、表面の凹凸を修正した修正反射鏡により位
相分布が変化し、周波数選択板により単に反射もしくは
単に透過し、第二の周波数で動作する一次放射器により
受信もしくは送信されるが、このときに周波数選択板と
第二の周波数で動作する一次放射器の間に設けられた位
相分布を変える手段により、第二の周波数において所望
の成形ビームを形成するような位相分布を実現すること
ができる。
【0011】
【実施例】本発明の第一の実施例を以下に示す。
【0012】図1は本発明による鏡面修正アンテナの実
施例を示す図である。以下に、この鏡面修正アンテナを
構成および動作について説明する。
【0013】修正反射鏡1はパラボラ面を基準にして修
正し表面に凹凸を与えた形状にしたものである。点Fは
修正前のパラボラの焦点である。焦点F上もしくはその
近くに配置された第一の一次放射器91から送信(もし
くは受信)された電波が修正鏡面を介して放射されるこ
とにより所望の成形ビームが形成される。この場合には
アンテナ開口面の位相分布を最適にすることにより所望
の成形ビームが得られ、その設計方法については、例え
ば、参考文献1(庄木他、『単一修正鏡面による2周波
数帯ビーム成形』、電子情報通信学会、技術研修報告 A
・P89-71、1989年)や参考文献2( A.R.Cherrette他、
『 A Method for Producing a Shaped Con- tour Radia
tion Pattern Using a Single Shaped Reflector and a
SingleFeed』IEEE Transactions on Antennas and Pro
pagation, Vol.37, No.6, June1989)などに示された方
法が利用できる。修正反射鏡は、アルミなどの金属を削
って製作することもできるし、衛星への搭載性を考えて
軽量化されたハニカム構造物の表面に導電性材料を装着
したものであってもよい。
【0014】一次放射器としては、例えばホーンアンテ
ナなどを考えるが、マイクロストリップアンテナや線状
アンテナなど他の方式のアンテナ素子でも構わない。一
次放射器91は送信機(または受信機)93に接続され
電波を放射(受信)する。
【0015】第一の一次放射器91から修正反射鏡1に
至る電波の伝搬経路の途中に周波数選択板2を設ける。
周波数選択板2により電波が反射し、焦点Fの鏡像F′
上もしくはその近くに第二の一次放射器92を設ける。
第二の一次放射器92は送信機(または受信機)94に
接続され電波を放射(受信)する。周波数選択板2は第
一の一次放射器91が送信または受信する電波の周波数
に対しては通過し、第二の一次放射器92が送信または
受信する電波の周波数に対しては反射する。第一の一次
放射器91が動作する周波数が第二の一次放射器91が
動作する周波数よりも低い場合には、周波数選択板は高
い周波数が反射し、低い周波数で通過する特性をもち、
構成例として図2のような構成が考えられる。ここで図
2(a)は断面図、(b)は上面図である。図2に示す
周波数選択板は、誘電体基板11の上に導体のパッチ1
2をエッチングなどの方法により装着したものである。
ここで、誘電体の換わりにハニカム構造物などを用いて
もよいし、導体の形状もこの限りでは無く、高い周波数
については反射し、低い周波数に対しては通過するよう
な特性をもつものであればよい。また、逆に周波数選択
板は低い周波数が反射し、高い周波数で通過する特性を
もつものであれば、図3のような構成が考えられる。こ
こでも図3(a)は断面図、(b)は上面図である。図
3に示す周波数選択板は、誘電体基板11の上に導体の
導体膜10をエッチングなどの方法により装着したもの
である。ここで、誘電体の換わりにハニカム構造物など
を用いてもよいし、導体の形状もこの限りでは無く、低
い周波数については反射し、高い周波数に対しては通過
するような特性をもつものであればよい。
【0016】周波数選択板2により反射した電波は誘電
体板3を介して第二の一次放射器92に入力する。ここ
で、図4に示すように、誘電体板3は板厚が均一でなく
凹凸をもった形状とする。誘電体板の厚さにより第二の
一次放射器に対する電波の通過位相だけを変化させるこ
とができるので、第二の一次放射器において動作する電
波の位相分布を第一の一次放射器において動作する電波
の位相分布を変えること無く独立に調整することができ
る。第二の一次放射器において動作する電波に対して
は、修正反射鏡1と誘電体板3により位相分布が変化
し、その和として与えられる位相分布を最適にすること
により所望の成形ビームを成形することができる。位相
分布最適設計の方法は、前述の参考文献などの方法を用
いることができる。なお、ここで、誘電体板は位相分布
を変化させるものであればよいので、板厚を変える換わ
りに誘電率を誘電体板の位置により変えることにより位
相分布を変化させることもできる。また、誘電体板の換
わりに図5に示すような構成を使用することもできる。
図5の構成では、周波数選択板側に入力側アンテナ素子
13を設けアレー化し、第二の一次放射器側に出力側ア
ンテナ素子14を設けアレー化する。入力側アンテナ素
子と出力側アンテナ素子は一対一に対応しており、その
間を伝送線路15で接続する。伝送線路の長さを各アン
テナ素子の対で変えてやることにより第二の一次放射器
で動作する電波の位相分布を変えることができる。ここ
でアンテナ素子、伝送線路は第二の一次放射器で動作す
る電波を送受信でき、伝送できるものであれば方式は問
わない。例えばアンテナ素子としてマイクロストリップ
アンテナ、伝送線路としてトリプレート線路などを用い
ることにより図5の構成を薄型かつ軽量に実現すること
ができる。伝送線路の換わりに移相器を接続してもよ
い。また、伝送線路の途中に増幅器や減衰器を設けるこ
とにより、位相分布のみならず振幅分布の調整も可能で
あり、第二の一次放射器で動作する電波の電磁界分布が
成形度の高いビームを実現するものにすることができ
る。移相器や増幅器、減衰器はMMIC技術により、小
型・薄型に実現できる。 以上のような構成により、異
なる二つの周波数に対して所望の成形ビームを形成する
ことができる。修正反射鏡の修正量を第一の一次放射器
の電波に対して最適化し、誘電体板の板厚を第二の一次
放射器の電波に対して最適化でき、基本的に独立に設計
が可能である。従って異なる二つの周波数に対して全く
別の成形ビームを形成することも可能である。これは、
従来の方法では同一の修正反射鏡を用いた場合にはでき
なかったことである。ただひとつの鏡面修正アンテナに
よる簡単な構成により異なる二つの周波数に対する良好
な成形ビームを実現できるので衛星搭載用アンテナとし
て非常に有効である。また、一次放射器も単一のアンテ
ナ素子により構成できるので給電損失や重量の低減化に
対して都合がよい。二つの一次放射器は分離して構成で
きるので製作が簡単になる。
【0017】本発明の第一の実施例では、次のような変
更を行っても本発明の効果は同様である。
【0018】図1の実施例では、誘電体3は周波数選択
板2と第二の一次放射器の間に配置され、第二の一次放
射器に対する電波の位相分布を変化させるものである
が、この換わりに誘電体板を周波数選択板と第一の一次
放射器の間に配置しても同様な効果が得られる。この場
合、修正反射鏡は第二の一次放射器の電波に対して最適
化設計し、第一の一次放射器の電波に対しては修正反射
鏡と誘電体による合成の位相分布を最適化設計すること
により二つの異なる周波数に対して良好な成形ビームを
実現することができる。この場合には、第二の一次放射
器の電波に対しては誘電体板や周波数選択板を通過しな
いので誘電体などによる電力損失が無く、第二の一次放
射器を高出力の送信用とするとアンテナ全体の電力損失
を低減できる利点がある。また、これは衛星システム全
体をみて電力損失を小さくするために送信の一次放射器
を衛星構体に近づけたいという要求があるときにも有効
である。図1の実施例において、誘電体板の換わりに修
正反射板6を用いて第二の一次放射器の電波の位相分布
の調整を行うことも可能である。図6にその場合の構成
例を示す。この場合、誘電体板を用いるときよりも第二
の一次放射器の電波の電力損失を低減できることや形状
や精度を維持する上で金属でできた修正反射板の方が有
利であるなどの利点がある。図1の実施例では、パラボ
ラ反射鏡アンテナを元にした例について説明したが、カ
セグレンアンテナやグレゴリアンアンテナなど2枚以上
の反射鏡をもつアンテナを利用しても同様の効果が得ら
れる。この場合修正する反射鏡は主反射鏡だけでもよい
し、副反射鏡だけでもよいし、またはその両方を修正し
てもよい。二つ以上の反射鏡を修正した場合には位相分
布の他に振幅分布の調整も行えるのでより高度の成形ビ
ームを実現できる。また、この場合二つの一次放射器を
分離できるのであれば、周波数選択板を配置する場合は
問わない。図1の実施例では、周波数選択板により二つ
の一次放射器を分離して両方で良好な成形ビームを実現
する例について述べたが、周波数選択板をさらに追加し
て三つ以上の一次放射器を分離して配置し、三つ以上の
異なる周波数において良好な成形ビームを実現すること
もできる。図7には、その一例として、三つ以上の異な
る周波数において良好な成形ビームを実現する鏡面修正
アンテナの構成例を示す。ここでは周波数選択板10
1,102で反射された二つの周波数の電波が誘電体板
106,107で夫々位相が変化され、第二の一次放射
器104,105で夫々受信される。また、周波数選択
板101,102を通過した電波はそのまま第一の一次
放射器103で受信される。
【0019】本発明の第二の実施例を以下に示す。
【0020】図8は本発明による鏡面修正アンテナの第
二の実施例を示す図である。構成は図1の実施例で示し
た鏡面修正アンテナとほぼ同様である。ただ一点違うと
ころは周波数選択板の換わりに偏波分離板96を用いて
いることである。偏波分離板96の構成としては図9の
ような例が考えられる。ここで図9(a)は断面図、
(b)は上面図である。図9に示す周波数選択板は、誘
電体基板97の上に導体膜98をエッチングなどの方法
により装着したものである。ここで、誘電体の換わりに
ハニカム構造物などを用いてもよい。図9の例ではxg
方向の偏波に対しては通過し、yg 方向の偏波に対して
は反射する特性をもつ。電波の直交する二偏波の中で一
方を通過させ、残りの一方を反射させるものであればよ
く、導体の形状もこの限りでは無い。図8の実施例で
は、修正反射鏡は第一の一次放射器の電波に対して最適
化設計し、第二の一次放射器の電波に対しては修正反射
鏡と誘電体による合成の位相分布を最適化設計すること
により二つの異なる偏波に対して良好な成形ビームを実
現することができる。二つの異なる偏波に対して全く独
立に設計が行え、偏波で違った成形ビームを実現するこ
とが可能である。通信や放送のサービスに合わせて自由
度の高い設計ができるので通信衛星や放送衛星の搭載用
アンテナとして有効である。
【0021】次に本発明の第三の実施例を以下に示す。
【0022】図10は本発明による鏡面修正アンテナの
第三の実施例を示す図である。構成は図1の実施例で示
した鏡面修正アンテナとほぼ同様である。違うところは
誘電体板が無いことと周波数選択板99の特性および構
成が違うことである。周波数選択板99は第一の一次放
射器91が動作する電波の周波数に対しては通過し、第
二の一次放射器92が動作する電波の周波数に対しては
反射する特性をもち、このとき第一の一次放射器91が
動作する電波が通過する時にその電波の位相分布を変化
させることができる。
【0023】周波数選択板99について次に説明する。
【0024】図11に周波数選択板99の断面の様子を
示す。周波数選択板は4枚の誘電体基板31〜34を重
ねて構成され、その上面にパッチアンテナ35、下面に
パッチアンテナ36を設ける。パッチアンテナ35の下
には導体面18の層を設け、パッチアンテナ35の下に
スロット37を設ける。同様に、パッチアンテナ36の
上には導体面19の層を設け、パッチアンテナ36の上
にスロット38を設ける。また、導体面18と導体面1
9の間にトリプレート線路を構成し、そのトリプレート
線路中心導体39を二つのスロット37,38と上から
見て交差するように設ける。図12には誘電体板31を
上から見た図を示し、図13には導体面18を上から見
た図を示し、図14には導体面19を上から見た図を各
々示し、パッチアンテナ、スロット、トリプレート線路
の位置関係を示す。ここで、パッチアンテナ、導体面、
トリプレート中心導体などの導体はエッチングなどの方
法を用いることにより容易に構成できる。また、誘電体
の換わりにハネカム構造物などを用いてもよい。さら
に、誘電体板は接着やビス止め、一体成形などの方法で
容易に固定できる。
【0025】次に、周波数選択板99の動作について説
明する。パッチアンテナ35およびパッチアンテナ36
は第一の一次放射器91の動作する電波の周波数に対し
て共振するように設計する。第二の一次放射器92の動
作する電波の周波数に対しては周波数選択板99は全反
射となる。第一の一次放射器91の動作する電波はパッ
チアンテナ35により受信され、スロット37を介して
トリプレート線路に電磁的に結合していく。トリプレー
ト線路を伝搬する電波は、再びスロット38を介して下
面のパッチアンテナ36に結合し、電波を下方へ放射す
る。ここで、パッチアンテナ35とパッチアンテナ36
は一対一に対応しており、その対におけるトリプレート
線路の長さを変えることにより入射する電波の位相分布
を調整することができる。従って、図1の実施例で示し
た誘電体板と同様の動作を行うことになる。ここでパッ
チアンテナの換わりにダイポールなどの線状アンテナや
ホーンアンテナなどの導波管系のアンテナ素子を用いる
こともできる。
【0026】以上のような構成により、修正反射鏡1の
修正量を第二の一次放射器が動作する電波の位相分布を
最適にするように設計することにより第二の一次放射器
が動作する電波に対して所望の成形ビームパターンを形
成することができる。第一の一次放射器が動作する電波
に対しては、修正反射鏡1により変化する位相量と周波
数選択板99により変化する位相量の和で示される合成
位相分布を最適にすることにより、第一の一次放射器が
動作する電波に対しても所望の成形ビームパターンを形
成することができる。修正反射鏡と周波数選択板だけの
簡単な構成で、異なる二周波数において所望の成形ビー
ムが実現できるので衛星搭載用アンテナとして非常に有
効である。また、一次放射器も単一のアンテナ素子によ
り構成できるので給電損失や重量の低減化に対して都合
がよい。二つの一次放射器は分離して構成できるので製
作が簡単になる。また、ここで示した周波数選択板は誘
電体を重ねるだけで上下の層の電気的結線をせずに実現
できるので、製作が容易である。さらに、スロット結合
給電型のパッチアンテナを利用しているので、トリプレ
ート線路においてオープンスタブや1/4波長変成器が
容易に構成でき、アンテナと線路間のインピーダンス整
合をとることが容易である利点がある。
【0027】図11〜図14に示した周波数選択板は次
のような変更を行っても本発明の効果は維持される。
【0028】図11〜図14で示した周波数選択板は、
第一の一次放射器の動作する電波が直線偏波の場合にお
ける実施例である。もし、電波が円偏波であれば、アン
テナ素子として円偏波で動作するものを用いればよい。
例えば、パッチアンテナを2点給電し、ハイブリッドな
どにより90度の位相差をつけることにより容易に実現
できる。また、ここで周波数選択板の入力と出力の偏波
を変えることもできる。例えば、実際の第一の一次放射
器の動作する電波が円偏波であるものを位相分布を調整
するとともに直線偏波に変えることにより、第一の一次
放射器を構成の簡単な直線偏波のアンテナ素子で構成す
ることができる。導体面18、導体面19のどちらか一
方を取り除いて、トリプレート線路をマイクロストリッ
プ線路としても同様に動作し、本発明の効果は失われな
い。トリプレート線路の長さを変えて位相分布を変える
換わりに、移相器を途中に接続した方式でもよい。トリ
プレート線路の途中に増幅器や減衰器を設けることによ
り、位相分布のみならず振幅分布の調整も可能になり、
成形ビームをさらに良好にすることができる。増幅器や
減衰器はMMIC技術により容易に小型・薄型に構成で
きる。周波数選択板を平面でなく、双曲面状もしくは楕
円面状に構成してもよい。この場合、第二の一次放射器
の動作する電波に対してカセグレン方式もしくはグレゴ
リアン方式の反射鏡アンテナとなり、等価焦点距離を大
きくすることができる。この場合、直線偏波で使用する
場合に交差偏波成分を低減する上で都合が良い。図15
に周波数選択板を双曲面状にした場合の構成例を示す。
図10に示した実施例において、反射鏡を修正せずにパ
ラボラ反射鏡とし、周波数選択板に凹凸状に修正を施
す。図16にその場合の構成例を示す。ここで修正した
周波数選択板100は図11〜図14で示した周波数選
択板をプレスなどの方法で凹凸状に成形したものであ
り、第一の一次放射器の動作する電波に対しては通過
し、第二の一次放射器の動作する電波に対しては反射す
る構成とする。周波数選択板を修正することにより第二
の一次放射器の動作する電波に対しては開口面の位相分
布が調整されることになり、所望の成形ビームが形成で
きる。第一の一次放射器の動作する電波に対しては周波
数選択板の中の線路長を調整することにより位相分布を
設定できる。従って、第一の一次放射器の電波と第二の
一次放射器の電波に対して全く独立に位相分布が最適化
でき、各々の周波数に対応する所望の成形ビームを形成
することが容易になる。この例では修正を行うのが周波
数選択板のみであり、アンテナ全体の構成・製造の簡単
化の上で都合が良い。
【0029】次に本発明の第四の実施例を以下に示す。
【0030】図17に本発明の第四の実施例である鏡面
修正アンテナの構成を示す。図1で示した実施例と構成
および動作はほぼ同様であるが、ここで周波数選択板の
換わりに反射板9を設ける。反射板9は、第一の一次放
射器91の動作する電波に対しては単なる反射をし、第
二の一次放射器92の動作する電波に対しては位相分布
を変えて反射させるように動作する。
【0031】反射板9の構成および動作について以下に
説明する。
【0032】図18(a)(b)に反射板9の断面図お
よび上面図を示す。反射板9は誘電体40の基板の両面
にエッチングなどの方法により導体のパターンを形成し
たものであり、誘電体40の上部にはパッチアンテナ4
2およびマイクロストリップ線路43を形成し、下部に
は地導体41を形成する。ここで、パッチアンテナ42
は第二の一次放射器の動作する電波の周波数に対しての
み共振し、反射板9の上部より第一と第二の一次放射器
が送信または受信する電波が入射した場合には、第一の
一次放射器の動作する電波の周波数に対しては単純な反
射であるが、第二の一次放射器の動作する電波の周波数
に対してはパッチアンテナ42により受信されマイクロ
ストリップ線路43へ電波が伝わり、マイクロストリッ
プ線路は先端がオープンとなっているのでそこで全反射
し、再びパッチアンテナ42から放射される。このとき
にマイクロストリップ線路の長さに対応する量だけ位相
が遅れて第二の一次放射器の動作する電波が放射され
る。各パッチアンテナにおけるマイクロストリップ線路
の長さを変えることにより、第二の一次放射器の動作す
る電波の位相分布を任意に変えることができる。
【0033】以上のような構成により、第一の一次放射
器の動作する電波に対しては修正反射鏡1の修正量を最
適に設定することにより所望の成形ビームを実現する位
相分布を形成することができ、第二の一次放射器の動作
する電波に対しては修正反射鏡1と反射板9によって変
化する位相量の和が所望の成形ビームを実現する最適な
位相分布をつくるように設定できる。また、第二の一次
放射器の動作する電波の位相分布は任意に調整できるの
で第二の一次放射器の見かけ上の焦点を任意の点に設定
できる。そのため、第二の一次放射器を第一の一次放射
器のそばに配置することが可能であり、ふたつの一次放
射器を給電回路を含めて一体化してコンパクトかつ小型
に構成することができ、衛星搭載の上では都合が良い。
また、ここで反射板9は誘電体を重ねるだけで上下の層
の電気的結線をせずに実現できるので、製作が容易であ
る。
【0034】図18に示した反射板は次のような変更を
行っても本発明の効果は維持される。 図18では直線
偏波の場合について説明したが、パッチアンテナを円偏
波で動作させるようにすれば、円偏波の場合にも利用で
きる。図18ではマイクロストリップ線路端をオープン
としたが、ショートとしても効果は同じである。誘電体
の換わりにハニカム構造物などを用いてもよい。ハニカ
ム構造の基板を用いた場合には、宇宙環境での耐久性や
熱特性、軽量化などの点で有効である。パッチアンテナ
の換わりに、スロット結合給電型や近接結合型のアンテ
ナを利用してもよい。この場合、アンテナと線路の間の
インピーダンス整合が容易にとれる利点がある。図18
の例において、マイクロストリップ線路の長さを変えて
位相量の調整を行う換わりに、線路の途中に移相器をお
いて位相を変えても同様の効果が得られる。また、線路
の途中に増幅器や減衰器を組み込むことも可能であり、
この場合位相分布のみならず振幅分布の調整も可能にな
り、より良い成形ビーム特性を得る上で効果がある。移
相器や増幅器などはMMIC技術により小型・薄型に実
現できる。反射板に設けたパッチアンテナおよび線路を
直接修正反射鏡に取り付けることもできる。図19にそ
の構成例を示す。アンテナ系は修正反射鏡80と第一の
一次放射器91、第二の一次放射器92だけの非常に簡
単な構成となり、衛星搭載用などに対しては重量・コス
トなどの点で有効である。図20には修正反射鏡80の
断面図を示す。誘電体83(またはハニカム構造物や発
ぽう材など)の基板に地導体82、パッチアンテナ81
を構成し、これを凹凸状に修正することにより修正反射
鏡80を形成する。第一の一次放射器の動作する電波に
対しては地導体で電波が反射する。地導体を凹凸状に修
正することにより第一の一次放射器の動作する電波に対
して任意の位相分布を持たせることができ、所望の成形
ビームを実現することができる。第二の一次放射器の動
作する電波に対しては、一度パッチアンテナ81により
受信され再放射される。このとき、パッチアンテナに接
続された終端がオープンとなっている線路の長さを変え
ることにより位相分布を変えることができる。第二の一
次放射器の動作する電波に対しても、任意の位相分布を
設定できるので第一の一次放射器とは独立に所望の成形
ビームを実現することができる。
【0035】次に本発明の第五の実施例を以下に示す。
【0036】図21は本発明の第五の実施例を示す鏡面
修正アンテナの構成図である。以下にこの鏡面修正アン
テナの各部を説明する。
【0037】修正反射鏡1はパラボラ面を基準にして修
正し表面に凹凸を与えた形状にしたものであり、一次放
射器52から送信(もしくは受信)された電波が修正鏡
面を介して放射されることにより所望の成形ビームが形
成される。この場合にはアンテナ開口面の位相分布を最
適にすることにより所望の成形ビームが得られ、その設
計方法としては前述の参考文献1および参考文献2など
の方法を用いることができる。修正反射鏡は、アルミな
どの金属を削って製作することもできるし、衛星への搭
載性を考えて軽量化されたハニカム構造物の表面に導電
性材料を装着したものであってもよい。
【0038】一次放射器52は基準になるパラボラの焦
点Fの近くに配置される。一次放射器としては例えばホ
ーンアンテナなどを考えるが、マイクロストリップアン
テナや線状アンテナなど他の方式のアンテナ素子でも構
わない。一次放射器は送信機(または受信機)71に接
続され電波を放射(受信)する。
【0039】一次放射器52から修正反射鏡1に至る電
波の伝搬経路の途中に周波数選択板2を設ける。周波数
選択板2は送信電波の周波数に対しては通過し、ビーコ
ン電波の周波数に対しては反射するように動作する。い
ま、例えばビーコン電波の周波数の方が高いとすると、
周波数選択板としては第一の実施例で示した図2のよう
な構成が考えられる。この周波数選択板の構成はこの限
りではなく、ビーコン電波の周波数に対しては反射し、
送信電波に対しては通過するような特性をもつものであ
ればよい。また、ビーコン電波と送信電波の偏波が違っ
ていれば、周波数選択板の換わりに図9に示したような
偏波分離板を用いることもできる。
【0040】周波数選択板により反射したビーコン電波
は誘電体板3を介してRFセンサ53に至る。ここで、
誘電体3は図4に示したような構成とする。ここで厚さ
もしくは誘電率を変えることにより、ビーコン電波は誘
電体板を通過する際に位相分布を変化させ、修正鏡面1
により乱された位相分布を元に戻す(修正しないパラボ
ラ反射鏡の場合の特性を再現する)ことができる。誘電
体板は位相分布の復元を目的としているので、図5に示
すような構成を換わりに使用することもできる。
【0041】図22にRFセンサ53の正面図を示す。
RFセンサは4個のホーンアンテナ21〜24により構
成される。RFセンサ給電回路72の構成について図2
3に示す。4個のホーンアンテナは、図に示すようにハ
イブリッド回路25〜28に接続され、指向方向誤差信
号(和信号と二つの差信号)が得られる。誘電体板3に
よりビーコン電波の位相分布はパラボラ反射鏡アンテナ
の場合と同等になっており、RFセンサを焦点F′に対
して対称的に配置することにより、従来例で示したよう
な振幅および位相の調整なしに良好な特性(和信号パタ
ーンおよび二つの差信号パターン)が形成できる。従っ
て、指向方向誤差を精度よく検出できる。ここでホーン
アンテナの換わりに他の方式のアンテナを用いてもよい
し、アンテナの数も5アンテナ方式のRFセンサなど他
の方式のものを用いることもできる。また、RFセンサ
としては高次モードを利用した方式も本発明の構成によ
れば使用することもできる。
【0042】RFセンサ給電回路からの指向方向誤差信
号は追尾受信機73へ入力され、どの程度所望の方向か
らずれているかをあらわすステイタス信号が出力され
る。このステイタス信号を元に制御器74がアンテナ駆
動を行うための動作信号を発する。動作信号は駆動機構
75に入力され、この信号を元に修正反射鏡を駆動す
る。修正反射鏡を駆動することによりアンテナの指向方
向を所望の方向に偏位させることができる。この場合、
駆動するものはこの例に示すように修正反射鏡だけでも
よいし、アンテナ全体を駆動するものであってもよい。
駆動方式としてはステップモーターを用いた方式や磁石
による駆動方式などが利用できる。
【0043】以上のような構成により、送信する電波に
対しては所望の成形ビームを維持し、ビーコン電波に対
しては良好なRFセンサパターン(和信号パターンの利
得が高く、差信号パターンのヌルと和信号パターンの最
大利得の方向が一致し、二つの差パターンはバランスの
とれた同等の特性をもつようなRFセンサパターン)を
実現でき、指向方向の誤差を精度良く検出し、この誤差
信号をもとに精度良くアンテナ指向方向を制御すること
が可能となる。本発明により、従来の方法では鏡面修正
アンテナにおいて精度良くビーム方向を維持することが
困難であったものが、周波数選択板を置いてRFセンサ
を分離しただけの簡単な構成で容易に行えるようになっ
た。
【0044】第五の実施例では、次のような変更を行っ
ても本発明の効果は同様である。
【0045】図21の実施例では、周波数選択板はビー
コン電波を反射して、送信電波を通過させる構成の場合
について説明したが、周波数選択板をビーコン電波を通
過させ送信電波を反射させるような方式のものに変更し
て、RFセンサと一次放射器の位置関係を逆にしても本
発明の効果は変らない。この場合は、衛星搭載用のアン
テナにおいて電力損失を小さくするために一次放射器の
衛星構体に近づけたいという要求があるときに有効であ
る。誘電体板の換わりに修正反射板6を用いてビーコン
電波の位相分布の再調整を行うことも可能である。図2
4にその場合の構成例を示す。この場合、誘電体板を用
いるときよりもビーコン電波の電力損失を低減できるこ
とや形状や精度を維持する上で金属でできた修正反射板
の方が有利であるなどの利点がある。図21の構成例に
おいて誘電体板を取り除き、周波数選択板を図11〜図
14で示したものを用いる。この場合の鏡面修正アンテ
ナの構成例を図25に示す。ここで周波数選択板5はビ
ーコン電波を通過させ、送信電波を反射させるように動
作し、この際にビーコン電波の位相分布の調整を行うも
のとする。以上のような構成により、送信する電波に対
しては所望の成形ビームを維持し、ビーコン電波に対し
ては良好なRFセンサパターンを実現でき、指向方向の
誤差を精度良く検出し、この誤差信号をもとに精度良く
アンテナ指向方向を制御することが可能となる。また、
図21に示した実施例と比較して、誘電体板が除かれる
ので構成が簡単になる。ここで示した周波数選択板は誘
電体を重ねるだけで上下の層の電気的結線をせずに実現
できるので、製作が容易である。さらに、スロット結合
給電型のパッチアンテナを利用しているので、トリプレ
ート線路においてオープンスタブや1/4波長変成器が
容易に構成でき、アンテナと線路間のインピーダンス整
合をとることが容易である利点がある。
【0046】以上、鏡面修正アンテナにおいて指向方向
誤差を精度良く検出するための実施例について説明し
た。本発明は鏡面修正アンテナに限らず、一般の反射鏡
アンテナに利用しても効果がある。例えば、衛星搭載用
のマルチビーム反射鏡アンテナでは、従来ではビームを
形成する一次放射器の一部とRFセンサを共用しなけれ
ばならないために複雑な給電回路を必要としたり、一次
放射器とRFセンサの共用を避けてRFセンサを一次放
射器を離して配置する場合には地上のビーコン局をサー
ビスエリアから離れた場所(わが国の場合には放送や通
信のサービスを行わない離島など)に設置しなければな
らないなどの問題があった。このようなアンテナに本発
明の方式を用いれば、RFセンサと一次放射器を分離し
て構成でき、RFセンサに関しては位相分布を任意に設
定でき見かけ上の焦点を自由に設定できる。そのため、
一次放射器およびRFセンサ系の設計の自由度が増し、
構成が簡単にでき、ビーコン地球局の設置に対しても自
由に行える。
【0047】
【発明の効果】以上のような構成により、異なる二つの
周波数もしくは偏波に対して、全く独立に所望の成形ビ
ーム、例えばサービスエリア形状に合わせたビームや低
サイドローブ化したビームなどを実現することができ
る。従来の成形ビームアンテナでは、反射鏡を周波数ご
とに別々に設ける必要があったが、本発明の方法では同
一の反射鏡を共用できるので重量やコストなどを大幅に
低減できる。また、一次放射器を周波数や偏波に対して
独立に分離して構成できるので設計および構成が容易に
なる。さらに、衛星搭載用アンテナでは設計の自由度が
増すので有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の鏡面修正アンテナの第一の実施例を
示す構成図
【図2】 本発明の第一の実施例における周波数選択板
の構成例を示す断面図および上面図
【図3】 本発明の第一の実施例における周波数選択板
の他の構成例を示す断面図および上面図
【図4】 本発明の第一の実施例における誘電体板の構
成例を示す断面図
【図5】 本発明の第一の実施例における誘電体板の他
の構成例を示す断面図
【図6】 本発明の第一の実施例の他の構成を示す図
【図7】 本発明の第一の実施例の他の構成を示す図
【図8】 本発明の鏡面修正アンテナの第二の実施例の
構成を示す図
【図9】 本発明の第二の実施例における偏波分離板の
構成例を示す断面図および上面図
【図10】 本発明の鏡面修正アンテナの第三の実施例
の構成を示す図
【図11】 本発明の第三の実施例における周波数選択
板の構成例を示す断面図
【図12】 本発明の第三の実施例における周波数選択
板の構成例を示す上面図
【図13】 本発明の第三の実施例における周波数選択
板の構成例を示す上面図
【図14】 本発明の第三の実施例における周波数選択
板の構成例を示す上面図
【図15】 本発明の第三の実施例の他の構成を示す図
【図16】 本発明の第三の実施例の他の構成を示す図
【図17】 本発明の鏡面修正アンテナの第四の実施例
の構成を示す図
【図18】 本発明の第四の実施例における反射板の構
成例を示す断面図および上面図
【図19】 本発明の第四の実施例の他の構成を示す図
【図20】 本発明の第四の実施例における修正反射鏡
の構成を示す断面図
【図21】 本発明の鏡面修正アンテナの第五の実施例
の構成を示す図
【図22】 本発明の第五の実施例におけるRFセンサ
の構成を示す上面図
【図23】 本発明の第五の実施例におけるRFセンサ
給電回路の構成を示す図
【図24】 本発明の第五の実施例の他の構成を示す図
【図25】 本発明の第五の実施例の他の構成を示す図
【図26】 従来の反射鏡アンテナにおける一次放射器
とRFセンサの構成を示す図
【図27】 従来の反射鏡アンテナにおける一次放射器
とRFセンサの構成を示す上面図
【図28】 従来の反射鏡アンテナにおけるRFセンサ
給電回路の構成を示す図
【図29】 RFセンサの和信号パターンおよび差信号
パターンを示す図
【図30】 アンテナポインティング装置をもつ鏡面修
正アンテナの従来の構成を示す図
【符号の説明】
1,80……修正反射鏡 2,5,99……周波数選択
板 3,106,107……誘電体板 6……修正反射板
8……パラボラ反射鏡 9……反射板 52……一次放射器 53……RFセン
サ 71,93,94……送信(受信)機 72……RFセ
ンサ給電回路 73……追尾受信機 74……制御器 75……駆動機
構 91,103……第一の一次放射器 92,104
……第二の一次放射器 96……偏波分離板 100……修正した周波数選択板 105……第三の一
次放射器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に凹凸を施した修正反射鏡と、夫々
    が異なる周波数の電波で動作する二つの一次放射器と、
    この一次放射器と前記修正反射鏡との間の伝搬経路に設
    けられ一方の前記一次放射器の周波数の電波を通過さ
    せ、他方の前記一次放射器の周波数の電波を反射する周
    波数選択板と、この周波数選択板と一つの前記一次放射
    器との間の伝搬経路に設けられた電波の位相分布を変化
    させる手段とを備えたことを特徴とする鏡面修正アンテ
    ナ。
  2. 【請求項2】 表面に凹凸を施した修正反射鏡と、夫々
    が異なる周波数の電波で動作する二つの一次放射器と、
    この一次放射器と前記修正反射鏡との間の伝搬経路に設
    けられ一方の前記一次放射器の周波数の電波を通過さ
    せ、他方の前記一次放射器の周波数の電波を反射する偏
    波数選択板と、この偏波分離板と一つの前記一次放射器
    との間の伝搬経路に設けられた電波の位相分布を変化さ
    せる手段とを備えたことを特徴とする鏡面修正アンテ
    ナ。
  3. 【請求項3】 表面に凹凸を施した修正反射鏡と、夫々
    が異なる周波数の電波で動作する二つの一次放射器と、
    この一次放射器と前記修正反射鏡との間の伝搬経路に設
    けられ一方の前記一次放射器の周波数の電波を通過させ
    るとともにその位相分布を変化させ、他方の前記一次放
    射器の周波数の電波を反射する周波数選択板とを備えた
    ことを特徴とする鏡面修正アンテナ。
  4. 【請求項4】 表面に凹凸を施した修正反射鏡と、夫々
    が異なる周波数の電波で動作する二つの一次放射器と、
    この一次放射器と前記修正反射鏡との間の伝搬経路に設
    けられ一方の前記一次放射器の周波数の電波を反射し、
    他方の前記一次放射器の周波数の電波を反射するととも
    にその位相分布を変化させる反射板とを備えたことを特
    徴とする鏡面修正アンテナ。
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