JPH11243037A - 電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ - Google Patents
電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサInfo
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- JPH11243037A JPH11243037A JP8252298A JP8252298A JPH11243037A JP H11243037 A JPH11243037 A JP H11243037A JP 8252298 A JP8252298 A JP 8252298A JP 8252298 A JP8252298 A JP 8252298A JP H11243037 A JPH11243037 A JP H11243037A
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Abstract
良好なアルミニウム電解コンデンサを提供する。 【解決手段】 溶媒として3−メチルスルホラン、2,
4−ジメチルスルホランの2種から選ばれる1種以上お
よび、スルホランとの混合溶媒を用いてなる電解液を用
いたため、高温寿命特性が良好で、さらに低温特性も良
好である。また、溶質として、四級化環状アミジニウム
塩を用いると、低温特性はさらに向上し、漏液すること
がない。
Description
電解液、特に高温寿命特性の良好な電解コンデンサ用電
解液およびそれを用いた電解コンデンサに関する。
高純度のアルミニウム等の弁金属の箔に、化学的あるい
は電気化学的にエッチング処理を施して、箔表面を拡大
させるとともに、この箔をホウ酸アンモニウム水溶液等
の化成液中にて化成処理して表面に酸化皮膜層を形成さ
せた陽極電極箔と、エッチング処理のみを施した高純度
の箔からなる陰極電極箔とを、マニラ紙等からなるセパ
レータを介して巻回してコンデンサ素子を形成する。そ
して、このコンデンサ素子は電解コンデンサ駆動用の電
解液を含浸した後、有底筒状の外装ケースに収納する。
外装ケースの開口部には弾性ゴムからなる封口体を装着
し、絞り加工により外装ケースを密封している。
極の電極を外部に引き出すのための電極引出し手段であ
るリード線がステッチ、超音波溶接等の手段により接続
されている。それぞれの電極引出し手段であるリード線
は、丸棒部と、両極電極箔に当接する接続部と、さらに
丸棒部の先端に溶接等の手段で固着された半田付け可能
な金属からなる外部接続部とからなる。
サ駆動用の電解液には、使用される電解コンデンサの性
能によって種々のものがあり、その中で、低圧用の、特
に高温長寿命特性を有する電解液として、エチレングリ
コールにアジピン酸を溶解したものが知られている。
車載分野において、自動車性能の高機能化に伴い、高温
となるエンジンルーム内での電子部品の使用の要求が高
まっているが、前記電解液を用いた電解コンデンサで
も、この高温使用に耐えることができなかった。また、
低温特性も良好ではなく、最低使用温度は−25℃使用
が限界であった。
が良好で、さらに、低温特性も良好な電解コンデンサ、
およびこの電解コンデンサに用いる電解液を提供するこ
とにある。
サ用電解液は、溶媒として、3−メチルスルホラン、
2,4−ジメチルスルホランの2種から選ばれる1種以
上および、スルホランとの混合溶媒を用いることを特徴
としている。
含有率が、混合溶媒中の20〜70重量%であることを
特徴としている。
て、四級化環状アミジニウム塩を用いることを特徴とし
ている。
らの電解液を用いることを特徴としている。
ンサの構造は図1、図2に示すように、従来と同じ構造
をとっている。コンデンサ素子1は陽極電極箔2と陰極
電極箔3をセパレータ11を介して巻回して形成する。
また図2に示すように陽極電極箔2、陰極電極箔3には
陽極引出し用のリード線4、陰極引出し用のリード線5
がそれぞれ接続されている。これらのリード線4、5
は、電極箔に当接する接続部7とこの接続部7と一体に
形成した丸棒部6、および丸棒部6の先端に固着した外
部接続部8からなる。また、接続部7および丸棒部6は
高純度のアルミニウム、外部接続部8ははんだメッキを
施した銅メッキ鉄鋼線からなる。このリード線4、5
は、接続部7においてそれぞれステッチや超音波溶接等
の手段により両極電極箔2、3に電気的に接続されてい
る。
ニウム箔を酸性溶液中で化学的あるいは電気化学的にエ
ッチングして拡面処理した後、ホウ酸アンモニウム、リ
ン酸アンモニウムあるいはアジピン酸アンモニウム等の
水溶液中で化成処理を行い、その表面に陽極酸化皮膜層
を形成したものを用いる。
に、アルミニウム電解コンデンサの駆動用の電解液を含
浸する。
素子1を、有底筒状のアルミニウムよりなる外装ケース
10に収納し、外装ケース10の開口部に封口体9を装
着するとともに、外装ケース10の端部に絞り加工を施
して外装ケース10を密封する。封口体9は例えばブチ
ルゴム等の弾性ゴムからなり、リード線4、5をそれぞ
れ導出する貫通孔を備えている。
てスルホランおよび3─メチルスルホラン、2,4−ジ
メチルスルホランの2種から選ばれる1種以上を用い
る。また、他の溶媒と混合して用いることもできる。
極性溶媒として、一価アルコール類(エタノール、プロ
パノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、
シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサ
ノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類お
よびオキシアルコール化合物類(エチレングリコール、
プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコー
ル、ジメトキシプロパノール等)などが挙げられる。ま
た、非プロトン性の有機極性溶媒としては、アミド系
(N−メチルホルムアミド、N,N─ジメチルホルムア
ミド、N─エチルホルムアミド、N,N─ジエチルホル
ムアミド、N─メチルアセトアミド、N,N─ジメチル
アセトアミド、N─エチルアセトアミド、N,N−ジエ
チルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド
等)、ラクトン類(γ─ブチロラクトン、δ−バレロラ
クトン、γ−バレロラクトン等)、環状アミド系(N─
メチル─2─ピロリドン、エチレンカーボネイト、プロ
ピレンカーボネイト、イソブチレンカーボネイト等)、
ニトリル系(アセトニトリル等)、オキシド系(ジメチ
ルスルホキシド等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3
−ジアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イ
ミダゾリジノン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イ
ミダゾリジノン等)、1,3,4−トリアルキル−2−
イミダゾリジノン(1,3,4−トリメチル−2−イミ
ダゾリジノン等)〕などが代表として挙げられる。
コンデンサ駆動用電解液に用いられる、酸の共役塩基を
アニオン成分とする、アンモニウム塩、アミン塩、四級
アンモニウム塩および環状アミジン化合物の四級塩が挙
げられる。アミン塩を構成するアミンとしては一級アミ
ン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブ
チルアミン、エチレンジアミン等)、二級アミン(ジメ
チルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチ
ルエチルアミン、ジフェニルアミン等)、三級アミン
(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピル
アミン、トリフェニルアミン、1,8─ジアザビシクロ
(5,4,0)─ウンデセン─7等)が挙げられる。第
四級アンモニウム塩を構成する第四級アンモニウムとし
てはテトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモ
ニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルア
ンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエ
チルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム
等)、ピリジウム(1─メチルピリジウム、1─エチル
ピリジウム、1,3─ジエチルピリジウム等)が挙げら
れる。また、環状アミジン化合物の四級塩を構成するカ
チオンとしては、以下の化合物を四級化したカチオンが
挙げられる。すなわち、イミダゾール単環化合物(1─
メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、
1,4─ジメチル─2─エチルイミダゾール、1─フェ
ニルイミダゾール等のイミダゾール同族体、1−メチル
−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2−オ
キシエチルイミダゾール等のオキシアルキル誘導体、1
−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,2−ジ
メチル−5(4)−アミノイミダゾール等のニトロおよ
びアミノ誘導体)、ベンゾイミダゾール(1−メチルベ
ンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベンゾイ
ミダゾール等)、2−イミダゾリン環を有する化合物
(1─メチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミダゾ
リン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1,4−
ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1−メチル−2−
フェニルイミダゾリン等)、テトラヒドロピリミジン環
を有する化合物(1−メチル−1,4,5,6−テトラ
ヒドロピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6
−テトラヒドロピリミジン、1,8−ジアザビシクロ
〔5.4.0〕ウンデセン−7、1,5−ジアザビシク
ロ〔4.3.0〕ノネン−5等)等である。
タル酸、テレフタル酸、マレイン酸、安息香酸、トルイ
ル酸、エナント酸、マロン酸等のカルボン酸、フェノー
ル類、ほう酸、りん酸、炭酸、けい酸等の酸の共役塩基
が例示される。
に、ほう酸系化合物、例えばほう酸、ほう酸と多糖類
(マンニット、ソルビットなど)との錯化合物、ほう酸
と多価アルコール(エチレングリコール、グリセリンな
ど)との錯化合物等、界面活性剤、コロイダルシリカ等
を添加することによって、耐電圧の向上をはかることが
できる。
目的で種々の添加剤を添加することができる。添加剤と
しては、例えば、芳香族ニトロ化合物、(p−ニトロ安
息香酸、p−ニトロフェノールなど)、リン系化合物
(リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、酸性リン酸エステル
化合物)、オキシカルボン酸化合物等を挙げることがで
きる。
ミニウム電解コンデンサは、高温寿命特性が良好で、さ
らに低温特性も良好である。
の混合溶媒中の含有率が、20〜70%の場合は、低温
特性がさらに良好である。
ウム塩を用いると、低温特性はより良好となる。四級化
環状アミジニウム塩としては、前記のアニオン成分を用
い、四級化イミダゾリニウム及び四級化ピリミジニウム
等をカチオン成分とした塩が挙げられる。
は、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−
トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラ
メチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミ
ダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾ
リニウム等が挙げられる。
1,3−ジメチル−4,5,6−トリヒドロピリミジニ
ウム、1,2,3−トリメチル−4,5,6−トリヒド
ロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−
5,6−ジヒドロピリミジニウム、1−エチル−3−メ
チル−4,5,6−トリヒドロピリミジニウム、1−エ
チル−2,3−ジメチル−4,5,6−トリヒドロピリ
ミジニウム等が挙げられる。
及び四級化ピリミジニウム塩等の四級化環状アミジニウ
ム塩を溶質とした電解液においては、溶媒としてγ−ブ
チロラクトン等を用いていたが、この電解液では、寿命
試験中に封口体9とリード線の丸棒部6の間から電解液
が漏れるという問題があったが、本発明の電解液におい
ては、漏液は発生しない。この理由は以下のようである
と推察される。
液が、陰極リード部より漏液するメカニズムについては
次のように考えられる。すなわち、従来の電解コンデン
サにおいては、陰極リード線5の自然浸漬電位の方が陰
極電極箔3の自然浸漬電位よりも貴な電位を示すので、
無負荷で放置した場合、陰極リード線と陰極箔で局部電
池が構成され、陰極リード線にカソード電流が流れるこ
とになり、また、直流負荷状態においては、陰極リード
線に陰極箔よりも多くのカソード電流が流れることにな
る。このように、負荷、無負荷、双方の場合において、
陰極リード線にカソード電流が流れることになり、その
結果、陰極リード線側で溶存酸素又は水素イオンの還元
反応が起こり、陰極リード線の丸棒部6と接続部7の電
解液界面部分で水酸イオンが生成する。
ンの還元反応によって生成した水酸イオンは、四級化環
状アミジニウムと反応し、その結果、四級化環状アミジ
ニウムが開環して、二級アミンとなる。この二級アミン
は揮発性が高く、しかも吸湿性が低いので、陰極リード
線の丸棒部と封口体の間に生成しても、速やかに蒸散
し、漏液状態とはならないことが予想される。
溶媒であるγ−ブチロラクトンもこの水酸イオンと反応
して、pH低下作用をもつ物質であるγ−ヒドロキシ酪
酸となる。そして、上述した二級アミンとこのγ−ヒド
ロキシ酪酸が混在することになり、γ−ヒドロキシ酪酸
のpH低下作用によって、四級化環状アミジニウムが開
環して生成された、二級アミンが閉環して、再び四級化
環状アミジニウム塩となる。そして、この四級化環状ア
ミジニウム塩には揮発性はなく、吸湿性も高いので、陰
極リード線の丸棒部と封口体の間に再生成した四級化環
状アミジニウム塩は、吸湿して漏液状態となる。以上の
ことは、漏液が大部分の水と四級化環状アミジニウム塩
から成っているという分析結果から、推測された。
して3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラ
ンの2種から選ばれる1種以上および、スルホランとの
混合溶媒を用いており、これらの3−メチルスルホラ
ン、2,4−ジメチルスルホラン、スルホランは水酸イ
オンと反応しないので、γ−ヒドロキシ酪酸のようなp
H低下作用をもつ物質は生成されない。したがって、四
級化環状アミジニウム塩が再生成することはなく、生成
した二級アミンは揮発してしまうので、漏液状態とはな
らない。
圧が印加された場合にも、漏液は発生しない。すなわ
ち、逆電圧が印加されると、陽極側にカソード電流が流
れることになるが、陽極箔の分極抵抗は陰極箔に比べて
極めて大きいので、陽極側のカソード電流の大部分は陽
極タブに流れることになる。したがって、従来の電解コ
ンデンサでは、逆電圧試験の初期に漏液が発生すること
があった。しかしながら、本発明の電解コンデンサにお
いては、前述したような陰極側の挙動と同様の挙動によ
るものと思われるが、この場合にも、漏液状態が防止さ
れる。以上のように、本発明の漏液防止効果は極めて強
いものである。
陰極リード線の丸棒部近傍で発生した水酸イオンは四級
化環状アミジニウムと反応して消失し、生成される二級
アミンは揮発してしまうので、漏液状態とはならない。
無負荷放置の際に、陰極リード線4と陽極リード線5が
接触した場合には、陽極リード線と陰極電極箔3で局部
電池を構成することになり、陽極リード線側で溶存酸素
又は水素イオンの還元反応が発生し、水酸イオンを生成
して、陰極リード部と同様の理由により、漏液状態とな
っていた。
によれば、陰極リード部で漏液が防止される理由と同様
の理由によって、漏液は防止される。
いては、漏液が防止されているものと思われる。
窒化ジルコニウム、窒化タンタル、窒化ニオブから選ば
れた金属窒化物、又は、チタン、ジルコニウム、タンタ
ル、ニオブから選ばれた金属を蒸着法、メッキ法、塗布
など従来より知られている方法により被覆した陰極電極
箔を用いることができる。ここで、被覆する部分は陰極
電極箔の全面に被覆してもよいし、必要に応じて陰極電
極箔の一部、例えば陰極電極箔の一面のみに金属窒化物
又は金属を被覆してもよい。このことによって、陰極箔
の自然浸漬電位の方が陰極リード線の自然浸漬電位より
貴な電位となり、さらに、カソード分極抵抗も小さくな
る。したがって、過電圧が印加された際に、陰極リード
線のカソード電流は微小となり、陰極リード線側の水酸
イオンの生成が抑制されるので、漏液防止には、さらに
好適である。
部6の表面には、ホウ酸アンモニウム水溶液、リン酸ア
ンモニウム水溶液あるいはアジピン酸アンモニウム水溶
液等による陽極酸化処理によって形成した酸化アルミニ
ウム層を形成したり、Al2O3 、SiO2 、ZrO2
などからなるセラミックスコーティング層等の絶縁層を
形成することができる。このことによって、無負荷の場
合に、陰極リード線と陰極箔の局部電池を構成する面積
が小さくなり、また、負荷の場合には、陰極リード線に
流れるカソード電流が少なくなり、双方の場合におい
て、陰極リード線側の水酸イオンの生成が抑制されるの
で、漏液防止効果はさらに向上する。
の電解コンデンサ用電解液の組成、及び30℃と−40
℃の比抵抗を示したものである。
部に、p−ニトロ安息香酸、1部、りん酸、0.3部添
加したものの比抵抗を測定したところ、30℃で320
Ω−cm、−40℃では14kΩ−cmであった。ま
た、実施例16として、実施例12、100部に、p−
ニトロ安息香酸、1部、りん酸、0.3部添加したもの
の比抵抗を測定したところ、30℃で328Ω−cm、
−40℃では11kΩ−cmであった。
本発明の実施例1〜15の30℃及び−40℃の比抵抗
は、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメ
チルスルホランを単独で用いた、比較例1〜3及びエチ
レングリコールとアジピン酸アンモニウムを用いた従来
例と同等以上であり、良好な値を得ている。特に、スル
ホランの含有率が20〜70%の実施例2〜5、8、1
0〜13、16は、−40℃においても低比抵抗を保っ
ており、−40℃使用が可能であることがわかる。これ
に対して、比較例1〜3、従来例においては、−40℃
では凝固しており、−40℃で使用することはできな
い。ここで、従来例の−25℃の比抵抗は、9kΩ−c
mであった。
2,3−ジメチルイミダゾリニウムを用いた実施例4、
12は、フタル酸テトラメチルアンモニウムを用いた実
施例7、15より、30℃、−40℃ともに、比抵抗は
低く保たれている。
施例2、5、10、13の電解液、及び、従来例の電解
液を用いてアルミニウム電解コンデンサを作成した。こ
こで使用したアルミニウム電解コンデンサの定格は、1
6V−47μF、ケースサイズはφ6.3mm×5mm
である。そして、これらの電解コンデンサの、各試料2
5個に125℃の下で定格電圧を印加し、2000時
間、4000時間経過後の静電容量の変化率(ΔC)、
損失角の正接(tanδ)の測定を行った。結果を(表
3)に示す。
5、10、13の電解コンデンサの高温寿命特性は、従
来例よりも、良好であり、初期のtanδも低く保たれ
ており、125℃、4000時間保証が可能である。
例4、11の電解液を用いた電解コンデンサ及び、比較
例4としてγ−ブチロラクトン75重量%、フタル酸1
−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム25重量
%の電解液を用いた電解コンデンサについて、各試料2
5個に85℃、85%RHの下で定格電圧を印加し、5
00時間、1000時間、及び2000時間経過後の漏
液の有無について目視での観察を行った。その結果を
(表4)に示す。さらに、同じ電解コンデンサを用い
て、各試料25個に85℃、85%RHの下で−1.5
Vの逆電圧を印加し、250時間、500時間、及び1
000時間経過後の漏液の有無について目視での観察を
行った。その結果を(表5)に示す。
は、1000時間後に漏液が発生しているが、本発明の
実施例4、11の電解液を用いた電解コンデンサは20
00時間後にも漏液はなく、良好な結果を得ている。さ
らに、(表5)から明らかなように、逆電圧試験におい
ても、比較例4では250時間で漏液が発生している
が、本発明の実施例においては1000時間においても
漏液は発生せず、漏液防止効果は極めて強い。以上のよ
うに、本発明の電解液によって、漏液防止が実現されて
いることがわかる。
サ用電解液は、溶媒として3−メチルスルホラン、2,
4−ジメチルスルホランの2種から選ばれる1種以上お
よび、スルホランとの混合溶媒を用いたものである。
温寿命特性が良好で、さらに、低温特性も良好である。
スルホランを溶媒全体の20〜70重量%とすることに
よって、さらに、良好な低温特性を得ることができる。
ム塩又は四級化ピリミジニウム塩等の四級化環状アミジ
ニウム塩を用いると、低温特性はさらに向上する。
化環状アミジニウム塩を用いた場合、漏液することがな
い。
断面図である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 溶媒として、3−メチルスルホラン、
2,4−ジメチルスルホランの2種から選ばれる1種以
上および、スルホランとの混合溶媒を用いた、電解コン
デンサ用電解液。 - 【請求項2】 スルホランの含有率が、混合溶媒中の2
0〜70重量%である請求項1記載の電解コンデンサ用
電解液。 - 【請求項3】 溶質として、四級化環状アミジニウム塩
を用いた、請求項1記載の電解コンデンサ用電解液。 - 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
電解コンデンサ用電解液を用いた電解コンデンサ。
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