JPH11242114A - 多層膜フィルタ - Google Patents

多層膜フィルタ

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JPH11242114A
JPH11242114A JP4318898A JP4318898A JPH11242114A JP H11242114 A JPH11242114 A JP H11242114A JP 4318898 A JP4318898 A JP 4318898A JP 4318898 A JP4318898 A JP 4318898A JP H11242114 A JPH11242114 A JP H11242114A
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JP
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index thin
film
refractive index
bonding layer
refractive
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JP4318898A
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English (en)
Inventor
Susumu Komura
侑 小村
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AGC Techno Glass Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入射角度が大きい場合においても偏光の発生
が抑制され、良好な光学特性が得られる多層膜フィルタ
を提供する。 【解決手段】 平板状の透光性ガラス基板12の平坦な
主面上に二酸化チタンで構成された高屈折率薄膜15H
と、二酸化チタンと酸化アルミニウムの混合物質で構成
された低屈折率薄膜15L とを、それぞれ制御波長の1
/4の膜厚で交互に積層して形成した誘電体多層膜14
を被着してなるフィルタで、ガラス基板12と誘電体多
層膜14の間に、誘電体多層膜14と同じ材料で形成し
た高屈折率薄膜15H と低屈折率薄膜15L とを、それ
ぞれ所定の膜厚で交互に積層して形成した接合層13を
設けており、これにより、誘電体多層膜14に光が斜入
射した場合でも偏光の発生が抑制され、光学特性が良好
なものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体多層膜を設
けてなる多層膜フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、誘電体多層膜は眼鏡レンズ
表面に反射防止膜として被着して用いられたり、ガラス
基板上に被着してTVの色分解フィルタ等として一般に
用いられていた。一方、近年の機器のコンパクト化等の
観点から、例えば液晶プロジェクタやカメラなどに用い
られる色分解フィルタ、あるいはDVD(Digita
l Versatile Disk)装置等に用いられ
るレーザー検出用ミラーとしてプリズム形状の2つのガ
ラス基板の間に誘電体多層膜を挟持し、誘電体多層膜に
光が角度を持って入射するような構成のものが必要にな
ってきている。
【0003】これに対し、従来の多層膜フィルタとして
は、例えば図9に示すような特公昭52−24417号
公報の多層膜干渉フィルタがある。この多層膜干渉フィ
ルタは、蛍光顕微鏡用の紫外線発光光源を得るための構
成の1つとして、2枚のガラス基板1(屈折率n=1.
52)の間にZnS(屈折率n=2.33)の中間層2
を設け、この中間層2と両ガラス基板1との間にそれぞ
れ所定の光学膜厚を有する高屈折率層3(屈折率n=
2.33)と低屈折率層4(屈折率n=1.35)とを
交互に積層したものである。このように構成されたフィ
ルタは、高屈折率層3と低屈折率層4の多層膜に対して
光の入射角度が0度で用いられ、斜入射光に用いた場合
には偏光が発生する。
【0004】また、図示しないが特開昭63−1161
06号公報に記載された光学多層膜がある。この光学多
層膜は、屈折率n=1.51のBK7(商標)のプリズ
ムの表面に二酸化チタン(TiO2 )を蒸着源とし、イ
オンビームアシスト蒸着法で蒸着した高屈折率層と電子
ビーム法で蒸着した低屈折率層とを交互に29層積層し
た赤反射フィルタである。そして、第1層と第29層
は、イオンビームアシスト蒸着法で中心波長をλ0 とし
て光学膜厚が1.3×λ0 /4となっており、第2層か
ら第28層までの偶数層は、電子ビーム法で蒸着され光
学膜厚がλ0 /4であり、第3層から第27層までの奇
数層は、イオンビームアシスト蒸着法で蒸着され光学膜
厚がλ0 /4であり、光学多層膜への入射角度θが13
°となっている。また、この光学多層膜によれば、物体
から反射した光を青・緑・赤に分解する三色分解プリズ
ムに用いた場合にグリーンヘアー現象が起こりにくくな
り、さらにTV画面上でプリズム系に角度依存性がある
場合に生じる色シェーディング現象が起こりにくいとし
ている。
【0005】しかし、このような構成のものでは、斜入
射した光を透過光と反射光に分離する場合、光の入射角
度が大きくなるにしたがい偏光が発生し、p波、s波が
分離して現れ透過帯幅が広くなり、入射角度が大きい場
合には使えない。またプリズムを用いたものでは、通
常、p波またはs波の一方を使用するが、上記の光学多
層膜ではガラスと空気の媒質の違いが考慮された構成と
なっておらず、光学特性、特に透過率が一部で悪くなる
虞がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような状況に鑑
みて本発明はなされたもので、斜入射した光の入射角度
が大きい場合においても偏光の発生が抑制され、また媒
質がガラスあるいは空気であっても、所望の波長域での
透過特性のリップル(脈状変動)が小さくなる等の良好
な光学特性を有する多層膜フィルタを提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の多層膜フィルタ
は、ガラス基板の平坦面に誘電体多層膜を被着してなる
多層膜フィルタにおいて、ガラス基板と誘電体多層膜の
間に高屈折率薄膜と低屈折率薄膜を交互に積層した接合
層を設けると共に、誘電体多層膜への光の入射角が10
度以上45度以下であることを特徴とするものであり、
さらに、接合層の高屈折率薄膜と低屈折率薄膜の交互積
層した総層数が、2層以上10層以下であることを特徴
とするものであり、また、第1のガラス基板の平坦面と
第2のガラス基板の平坦面の間に誘電体多層膜を挟持し
てなる多層膜フィルタにおいて、第1のガラス基板と誘
電体多層膜の間及び第2のガラス基板と誘電体多層膜の
間にそれぞれ高屈折率薄膜と低屈折率薄膜を交互に積層
した第1の接合層及び第2の接合層を設けたことを特徴
とするものであり、さらに、第1の接合層と第2の接合
層の交互積層した高屈折率薄膜と低屈折率薄膜の総層数
が、2層以上10層以下であることを特徴とするもので
あり、さらに、第1の接合層と第2の接合層とは、高屈
折率薄膜と低屈折率薄膜の交互積層数が同じであり、か
つ誘電体多層膜に対して対称となるように設けられてい
ることを特徴とするものであり、さらにまた、誘電体多
層膜への光の入射角が10度以上45度以下であること
を特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0009】先ず第1の実施形態を図1乃至図4により
説明する。図1は層構成を示す図で、図1(a)は模式
的に示す拡大断面図、図1(b)は層構成を説明するた
めの図であり、図2は特性図であり、図3は第1の比較
例の層構成を示す図で、図3(a)は模式的に示す拡大
断面図、図3(b)は層構成を説明するための図であ
り、図4は比較例の特性図である。
【0010】図1及び図2において、11は多層膜フィ
ルタで、これは屈折率n=1.52の透光性青板ガラス
でなる平板状のガラス基板12の平坦な主面上に接合層
13が被着されており、さらに接合層13の上にダイク
ロイックミラー(dichroic mirror;以
下、ダイクロミラーと記す)である誘電体多層膜14が
被着された構成となっている。接合層13は、二酸化チ
タン(TiO2 )で構成された高屈折率薄膜15H と、
屈折率n=1.70の二酸化チタンと酸化アルミニウム
(Al2 3 )の混合物質からなる低屈折率薄膜15L
を、それぞれ図1(b)に示す所定の膜厚を有するよう
成膜して交互に積層した構成となっている。すなわち、
接合層13は、ガラス基板12上に膜厚1.36Lの低
屈折率薄膜15L を成層し、さらにその上に膜厚1.3
6Hの高屈折率薄膜15H 、膜厚1.04Lの低屈折率
薄膜15L 、膜厚1.12Hの高屈折率薄膜15H を成
層した4層の交互積層膜である。
【0011】また、誘電体多層膜14も接合層13と同
様に、二酸化チタンで構成された高屈折率薄膜15
H と、屈折率n=1.70の二酸化チタンと酸化アルミ
ニウムの混合物質からなる低屈折率薄膜15L を、それ
ぞれ所定の膜厚H,Lを有するよう成膜して交互に積層
した構成となっている。すなわち、誘電体多層膜14
は、接合層13の上に先ず膜厚Lの低屈折率薄膜15L
を成層し、さらにその上に膜厚Hの高屈折率薄膜1
H 、膜厚Lの低屈折率薄膜15L を成層し、その後、
膜厚Hの高屈折率薄膜15H と膜厚Lの低屈折率薄膜1
L とを交互に積層した25層の交互積層膜である。
【0012】高屈折率薄膜15H の膜厚Hと低屈折率薄
膜15L の膜厚Lは、例えば660nmの制御波長の1
/4の値である。また高屈折率薄膜15H 、低屈折率薄
膜15L の成膜は、二酸化チタン及び二酸化チタンと酸
化アルミニウムの混合物質をそれぞれ蒸着源とした公知
の真空蒸着法により行われているが、CVD法やスパッ
タ法、イオンプレーティング法により成膜するようにし
てもよい。
【0013】そして、このようにガラス基板12上に接
合膜13とダイクロミラーの誘電体多層膜14を成膜し
た多層膜フィルタ11に対し、光を30度の入射角で入
射させたときの透過率特性は図2に実線で示した特性線
Pの通りで、所要とする560nm以下の波長領域での
透過特性はリップルが小さく、透過率は安定した高い値
となっている。また、図示しないが、入射角が0度から
10度までの偏光が少ない範囲及び10度以上約45度
まででも透過特性はリップルが小さく透過率も安定的に
高くなる。なお、上記の実施形態では560nm以下の
波長領域での透過率が高いフィルタを得ようとしてお
り、560nmから600nmの波長の間で透過率が急
激に減少したものとなっている。
【0014】一方、上記の第1の実施形態に対し、図3
に示すような接合層13を有しない第1の比較例を形成
した。以下、本比較例について、第1の実施形態と同一
部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる構成に
ついて説明する。すなわち、図3において、本比較例の
多層膜フィルタ16は、ガラス基板12の平坦な主面上
にダイクロミラーである誘電体多層膜14が被着されて
いる。誘電体多層膜14は、二酸化チタンで構成された
高屈折率薄膜15H と、屈折率n=1.70の二酸化チ
タンと酸化アルミニウムの混合物質からなる低屈折率薄
膜15L を、それぞれ膜厚H,Lを有するよう成膜して
交互に25層積層した構成となっている。この膜厚H,
Lは、上記したものと同様に660nmの制御波長の1
/4の値である。
【0015】そして、このようにガラス基板12上に誘
電体多層膜14のみを成膜したものに対し、光を30度
の入射角で入射させたときの透過率特性は図4に実線で
示した特性線Qの通りで、波長が560nm以下の領域
での透過特性はリップルが大きく、また透過率は比較的
低い値となっている。さらに、図示しないが本比較例で
は、入射角が偏光がない0度から10度未満の範囲で透
過特性のリップルは小さいが、入射角が10度以上にな
るとリップルが大きくなる。
【0016】この結果、本実施形態のようにガラス基板
12と誘電体多層膜14の間に4層構成の接合層13を
設けることにより、光が斜め方向から入射した場合にお
いても所要の波長領域560nm以下で、透過特性はリ
ップルが小さく高い透過率を得ることができ、入射角の
広い範囲で良好な光学特性が得られる。また、この接合
層13を設けることによる透過特性のリップルが小さく
なる効果は入射角が10度以上になった場合に現れ、さ
らに入射角が約45度までの範囲で同様の効果が十分に
得られる。そして入射角が10度未満の偏光が少ない場
合には、接合層13の有無にかかわらず透過率のリップ
ルが小さい。このため、10度以上の入射角で用いるも
のに対し本実施形態は特に有効である。なお、接合層1
3を4層で構成したが、2層以上設けることによって効
果が得られ、さらに層数を多く設けることによって効果
が増大するが、層数が多いとコストが上昇するため、実
用的には2層から最大10層程度設けるのが最適であ
る。
【0017】次に、第2の実施形態を図5及び図6と、
上記した図2及び図4により説明する。なお、第1の実
施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、
異なる本実施形態の構成について説明する。図5は層構
成を示す図で、図5(a)は模式的に示す拡大断面図、
図5(b)は層構成を説明するための図であり、図6は
第2の比較例の層構成を示す図で、図6(a)は模式的
に示す拡大断面図、図6(b)は層構成を説明するため
の図である。
【0018】図5において、17は多層膜フィルタで、
これは屈折率n=1.52の透光性青板ガラスでなる平
板状の2枚の第1及び第2のガラス基板12a,12b
の間に、第1の接合層13a、ダイクロミラーである誘
電体多層膜14、第2の接合層13bを設けた構成とな
っている。そして、詳しくは第1のガラス基板12aの
平坦な主面上に第1の接合層13aが被着されており、
さらに第1の接合層13aの上に誘電体多層膜14が被
着され、さらに誘電体多層膜14の上に第2の接合層1
3bが被着され、第2の接合層13bの上に第2のガラ
ス基板12bが接着剤18により接着された構成となっ
ている。なお、接着剤18は、屈折率n=1.52程度
の紫外線で硬化するアクリル樹脂系のもので、接着厚さ
が約1μmとなっている。
【0019】そして第1の接合層13a、誘電体多層膜
14、第2の接合層13bは、それぞれ二酸化チタンで
構成された高屈折率薄膜15H と、屈折率n=1.70
の二酸化チタンと酸化アルミニウムの混合物質からなる
低屈折率薄膜15L を、それぞれ図5(b)に示す所定
の膜厚を有するよう成膜して交互に積層した構成となっ
ている。すなわち、第1の接合層13aは、第1のガラ
ス基板12a上に膜厚1.36Lの低屈折率薄膜15L
を成層し、さらにその上に膜厚1.36Hの高屈折率薄
膜15H 、膜厚1.04Lの低屈折率薄膜15L 、膜厚
1.12Hの高屈折率薄膜15H を成層した4層の交互
積層膜である。
【0020】また誘電体多層膜14は、第1の接合層1
3aの上に膜厚Lの低屈折率薄膜15L 、膜厚Hの高屈
折率薄膜15H 、膜厚Lの低屈折率薄膜15L を成層
し、その後、膜厚Hの高屈折率薄膜15H と膜厚Lの低
屈折率薄膜15L とを交互に積層した25層の交互積層
膜である。さらに、第2の接合層13bは、誘電体多層
膜14上に第1の接合層13aとは構成が対称となるよ
う成膜がなされていて、膜厚1.12Hの高屈折率薄膜
15H 、膜厚1.04Lの低屈折率薄膜15L を成層
し、さらにその上に膜厚1.36Hの高屈折率薄膜15
H 、膜厚1.36Lの低屈折率薄膜15L を成層した4
層の交互積層膜である。また、ここで高屈折率薄膜15
H の膜厚Hと低屈折率薄膜15L の膜厚Lは、例えば6
60nmの制御波長の1/4の値で、第1の実施形態と
同様、例えば公知の真空蒸着法により各膜が成膜されて
いる。
【0021】そして、このように第1及び第2のガラス
基板12a,12bの間に、第1の接合層13a、誘電
体多層膜14、第2の接合層13bを設けた構成の多層
膜フィルタ17に対し、光を30度の入射角で入射させ
たときの透過率特性は図2に破線で示した特性線Rの通
りで、所要とする540nm以下の波長領域での透過特
性はリップルが上記の第1の実施形態におけるよりもさ
らに小さく、より安定した高い値となっている。また、
図示しないが、本実施形態においても入射角が0度から
10度までの偏光が少ない範囲及び10度以上約45度
まででも透過特性のリップルが小さく透過率も安定的に
高くなる。なお、上記の実施形態では540nm以下の
波長領域での透過率が高いフィルタを得ようとしてお
り、540nmから580nmの波長の間で透過率が急
激に減少したものとなっている。
【0022】一方、上記の第2の実施形態に対し、図6
に示すような第1及び第2の接合膜13a,13bを有
しない第2の比較例を形成した。以下、本比較例につい
て、第2の実施形態と同一部分には同一符号を付して説
明を省略し、異なる構成について説明する。すなわち、
図6において、本比較例の多層膜フィルタ19は、第1
のガラス基板12aの平坦な主面上にダイクロミラーで
ある誘電体多層膜14が被着されていて、誘電体多層膜
14の上に第2のガラス基板12bが接着剤18により
接着された構成となっている。誘電体多層膜14は、二
酸化チタンで構成された高屈折率薄膜15H と、屈折率
n=1.70の二酸化チタンと酸化アルミニウムの混合
物質からなる低屈折率薄膜15L を、それぞれ膜厚H,
Lを有するよう成膜して交互に25層積層した構成とな
っている。この膜厚H,Lは、上記したものと同様に6
60nmの制御波長の1/4の値である。
【0023】そして、このように第1及び第2のガラス
基板12a,12bの間に誘電体多層膜14のみを設け
た多層膜フィルタ19に対し、光を30度の入射角で入
射させたときの透過率特性は図4に破線で示した特性線
Sの通りで、波長が540nm以下の領域での透過特性
はリップルが大きく、また透過率も比較的低い値となっ
ている。さらに、図示しないが本比較例では、入射角が
偏光がない0度から10度未満の範囲でリップルは小さ
いが、入射角が10度以上になるとリップルが大きくな
る。
【0024】この結果、本実施形態のように第1及び第
2のガラス基板12a,12bの間に第1の接合層13
a、誘電体多層膜14、第2の接合層13bを、第1の
接合層13aと第2の接合層13bが誘電体多層膜14
に対し対称に配置されるように設けることにより、光が
斜め方向から入射した場合においても所要の波長領域5
40nm以下で、リップルがより小さく高い透過率を得
ることができ、入射角の広い範囲でより良好な光学特性
が得られる。
【0025】また、この第1及び第2の接合膜13a,
13bを誘電体多層膜14に対し対称となるようそれぞ
れ設けることによる透過特性のリップルが小さくなる効
果は入射角が10度以上になった場合に現れ、さらに入
射角が約45度までの範囲で同様の効果が十分に得られ
る。そして入射角が10度未満の偏光が少ない場合に
は、第1及び第2の接合膜13a,13bの有無にかか
わらず透過率のリップルが小さい。このため、10度以
上の入射角で用いるものに対し本実施形態は特により有
効である。なお、第1及び第2の接合膜13a,13b
を合計8層の構成としたが、2層以上設けることによっ
て効果が得られ、さらに層数を多く設けることによって
効果が増大するが、層数が多いとコストが上昇するた
め、実用的には2層から最大10層程度設けるのが最適
である。
【0026】次に、第3の実施形態を図7及び図8によ
り説明する。図7は概略構成を示す図で、図7(a)は
斜視図、図7(b)は部分断面図であり、図8は層構成
を示す図で、図8(a)は模式的に示す拡大断面図、図
8(b)は層構成を説明するための図である。
【0027】図7及び図8において、20は多層膜フィ
ルタで、これは屈折率n=1.51のBK7(商標)で
形成された45度の三角プリズムである2つの第1及び
第2のガラス基板21a,21bの間に、第1の接合層
22a、青反射ミラーである誘電体多層膜23、第2の
接合層22bを設けた構成となっている。そして、詳し
くは第1のガラス基板21aの平坦な最大面上に第1の
接合層22aが被着されており、さらに第1の接合層2
2aの上に誘電体多層膜23が被着され、さらに誘電体
多層膜23の上に第2の接合層22bが被着され、第2
の接合層22bの上に第2のガラス基板21bが接着剤
24により接着された構成となっている。なお、接着剤
24は、屈折率n=1.52程度の紫外線で硬化するア
クリル樹脂系のもので、接着厚さが約1μmとなってい
る。
【0028】そして第1の接合層22a、誘電体多層膜
23、第2の接合層22bは、それぞれ二酸化チタンで
構成された高屈折率薄膜15H と、屈折率n=1.70
の二酸化チタンと酸化アルミニウムの混合物質からなる
低屈折率薄膜15L を、それぞれ図8(b)に示す所定
の膜厚を有するよう成膜して交互に積層した構成となっ
ている。すなわち、第1の接合層22aは、第1のガラ
ス基板21a上に膜厚0.48Hの高屈折率薄膜15H
を成層し、さらにその上に膜厚0.92Lの低屈折率薄
膜15L 、膜厚0.88Hの高屈折率薄膜15H を成層
した3層の交互積層膜である。
【0029】また誘電体多層膜23は、第1の接合層2
2aの上に膜厚Lの低屈折率薄膜15L 、膜厚Hの高屈
折率薄膜15H 、膜厚Lの低屈折率薄膜15L を成層
し、その後、膜厚Hの高屈折率薄膜15H と膜厚Lの低
屈折率薄膜15L とを交互に積層した25層の交互積層
膜である。さらに、第2の接合層22bは、誘電体多層
膜23上に第1の接合層22aとは構成が対称となるよ
う成膜がなされていて、膜厚0.88Hの高屈折率薄膜
15H 、膜厚0.92Lの低屈折率薄膜15L を成層
し、さらにその上に膜厚0.48Hの高屈折率薄膜15
H を成層した3層の交互積層膜である。また、ここで高
屈折率薄膜15H の膜厚Hと低屈折率薄膜15L の膜厚
Lは、例えば450nmの制御波長の1/4の値で、第
1の実施形態と同様、例えば公知の真空蒸着法により各
膜が成膜されている。
【0030】そして、このように第1及び第2のガラス
基板21a,21bの間に、第1の接合層22a、誘電
体多層膜23、第2の接合層22bを設けた構成の多層
膜フィルタ20に対し、誘電体多層膜23に光が45度
の入射角で入射するようにしたとき、その透過率特性は
図示しないが上記の各実施形態と同様に所定の波長領域
での透過特性はリップルが小さく、透過率は安定した高
い値となり、本実施形態においても入射角の広い範囲で
良好な光学特性が得られた。なお、第1及び第2の接合
膜22a,22bを合計6層の構成としたが、2層以上
設けることによって効果が得られ、さらに層数を多く設
けることによって効果が増大するが、層数が多いとコス
トが上昇するため、実用的には2層から最大10層程度
設けるのが最適である。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、入射角度が大きい場合においても偏光の発生
が抑制され、また媒質にかかわらず所望波長域での透過
特性のリップルが小さくなるなど入射角度の広い範囲で
良好な光学特性を有する等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の層構成を示す図で、
図1(a)は模式的に示す拡大断面図、図1(b)は層
構成を説明するための図である。
【図2】本発明の実施形態の特性図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に対し比較のために示
す第1の比較例の層構成を示す図で、図3(a)は模式
的に示す拡大断面図、図3(b)は層構成を説明するた
めの図である。
【図4】本発明の実施形態に対し比較のために示す比較
例の特性図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の層構成を示す図で、
図5(a)は模式的に示す拡大断面図、図1(b)は層
構成を説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に対し比較のために示
す第2の比較例の層構成を示す図で、図6(a)は模式
的に示す拡大断面図、図6(b)は層構成を説明するた
めの図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の概略構成を示す図
で、図7(a)は斜視図、図7(b)は部分断面図であ
る。
【図8】本発明の第3の実施形態の層構成を示す図で、
図8(a)は模式的に示す拡大断面図、図8(b)は層
構成を説明するための図である。
【図9】従来の多層膜干渉フィルタの構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
12…ガラス基板 12a,21a…第1のガラス基板 12b,21b…第2のガラス基板 13…接合層 13a,22a…第1の接合層 13b,22b…第2の接合層 14,23…誘電体多層膜 15H …高屈折率薄膜 15L …低屈折率薄膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板の平坦面に誘電体多層膜を被
    着してなる多層膜フィルタにおいて、前記ガラス基板と
    前記誘電体多層膜の間に高屈折率薄膜と低屈折率薄膜を
    交互に積層した接合層を設けると共に、前記誘電体多層
    膜への光の入射角が10度以上45度以下であることを
    特徴とする多層膜フィルタ。
  2. 【請求項2】 接合層の高屈折率薄膜と低屈折率薄膜の
    交互積層した総層数が、2層以上10層以下であること
    を特徴とする請求項1記載の多層膜フィルタ。
  3. 【請求項3】 第1のガラス基板の平坦面と第2のガラ
    ス基板の平坦面の間に誘電体多層膜を挟持してなる多層
    膜フィルタにおいて、前記第1のガラス基板と前記誘電
    体多層膜の間及び前記第2のガラス基板と前記誘電体多
    層膜の間にそれぞれ高屈折率薄膜と低屈折率薄膜を交互
    に積層した第1の接合層及び第2の接合層を設けたこと
    を特徴とする多層膜フィルタ。
  4. 【請求項4】 第1の接合層と第2の接合層の交互積層
    した高屈折率薄膜と低屈折率薄膜の総層数が、2層以上
    10層以下であることを特徴とする請求項3記載の多層
    膜フィルタ。
  5. 【請求項5】 第1の接合層と第2の接合層とは、高屈
    折率薄膜と低屈折率薄膜の交互積層数が同じであり、か
    つ誘電体多層膜に対して対称となるように設けられてい
    ることを特徴とする請求項3記載の多層膜フィルタ。
  6. 【請求項6】 誘電体多層膜への光の入射角が10度以
    上45度以下であることを特徴とする請求項3記載の多
    層膜フィルタ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006023471A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 Olympus Corp 多層膜マイナスフィルター及び蛍光顕微鏡
WO2020179282A1 (ja) * 2019-03-06 2020-09-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 光検出装置、光検出システム、およびフィルタアレイ

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