JPH11241757A - 動力伝達装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータの逆回転で２系統の動力伝達経路の各
切替用カムを回転させ、２つの従動アームの先端に各切
替用ギアを有する構成の動力伝達装置では、一平面に並
んだ２つのカムは広いスペースを必要とし、また、各切
替用カムのカム面に作用点が接触した２つの従動アーム
は動きの正確さという点で信頼性に問題があった。 【解決手段】 ２系統それぞれの切替用カム５Ａ、６Ｂ
間に、その内カム溝に作用点ａ、ｂ部が係り合うように
２系統それぞれの従動する動力伝達経路切替アーム９
Ａ、１０Ｂを配置した動力伝達装置とし、小型化と信頼
性の高い動力伝達経路の切替機構とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はファクシミリ装置の
記録装置等に使用する動力伝達装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にファクシミリ装置等の動力伝達装
置では、モータの逆回転で２系統の動力伝達経路の各切
替用カムを回転させ、それに従動する２つのアームの先
端にそれぞれ切替用ギアを有する構成のものが多く、さ
らに詳しくは、同一平面上に２つの外カムを並べ、スプ
リングの付勢で各カムの側面に作用点が接触し、ある支
点を中心として揺動運動する２つの切替用アームの先端
にそれぞれ切替ギアを有し、この各切替ギアと相手ギア
の接続、遮断により２系統の動力伝達経路の切替を行う
ものであった。

【０００３】以下、図３を参照しながら、ファクシミリ
装置における記録装置部の動力伝達装置を例として説明
する。

【０００４】図３において１は駆動兼切替用モ−タであ
り、その出力軸にはモータピニオンギア２を取りつけて
いる。前記モータピニオンギア２にはカム回転切替用ア
ーム３に設けたカム回転切替用ギア４を噛み合せてお
り、このカム回転切替用ギア４は、カム回転切替用アー
ム３の切替えにより切替用カムＢ６と動力伝達切替アー
ムＢ１０に設けた動力伝達ギアＢ８に切替え噛み合いす
るようになっている。また、切替用カムＡ５は前記切替
用カムＢ６と噛み合って動力を受けるようにしてあり、
動力伝達経路切替アームＡ９に設けた動力伝達ギアＡ７
は、前記動力伝達ギアＢ８に噛み合って連動するように
している。

【０００５】前記２つの動力伝達経路切替アームＡ９と
動力伝達経路切替アームＢ１０の先端には、それぞれ動
力伝達経路切替ギアＡ１１とＢ１２を設けてあり、この
動力伝達経路切替ギアＡ１１とＢ１２は、それぞれ切替
ギアの噛み合う相手ギアＡ１３と相手ギアＢ１４、相手
ギアＢ１４と相手ギアＣ１５に噛み合い自在としてい
る。前記動力伝達経路切替アームＡ９と動力伝達経路切
替アームＢ１０には、前記の各切替用カムＡ５、Ｂ６の
カム溝に作用点ａ、ｂが接するようにスプリング１６と
１７を連係してあり、そして、切替用カムＢ５にはカム
ポジションセンサ１８を関係づけている。

【０００６】なお、動作及びカム回転切替用アーム３と
動作及びカム回転切替用ギア４はある程度の摩擦を持っ
て取り付けられており、モータピニオンギア２の回転方
向に従って動作及びカム回転切替用アーム３も揺動運動
を行うようにしている。また、動力伝達経路切替アーム
Ａ９、動力伝達経路切替アームＢ８は、それぞれ動力伝
達ギアＡ７、動力伝達ギアＢ８の中心と同一の回転中心
を持ち、切替用カムＡ５およびＢ６により作用点ａ、ｂ
が変位することにより揺動運動を行うようにしている。

【０００７】上記構成の動力伝達装置において、記録紙
に印字するとき等の動作時には、駆動兼切替用モータ１
をＣＣＷ方向に回転させて、動作及びカム回転切替用ア
ーム３をＣＣＷ方向に揺動運動させる。動作及びカム回
転切替用ギア４が切替用カムＢ６に接続され切替用カム
Ａ５とともに回転する。それぞれのカムを目的の位置で
停止させた後、駆動兼切替用モータ１をＣＷ方向に回転
させて、動作及びカム回転切替用アーム３をＣＷ方向に
揺動運動させると、動作及びカム回転切替用ギア４が動
力伝達ギアＢ８に接続され、動力伝達ギアＡ７とともに
回転する。そして動力伝達経路切替ギアＡ１１、動力伝
達経路切替ギアＢ１２を切替ギアの噛み合う相手ギアＡ
１３、切替ギアの噛み合う相手ギアＢ１４、切替ギアの
噛み合う相手ギアＣ１５に接続することによって各動作
を行う。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
動力伝達装置においては、一平面に並んだ２つのカムは
広いスペースを必要とし、スプリングの付勢によりカム
側面に作用点が接触した２つの従動アームで更に複雑な
動作をさせる場合、動きの正確さという点で信頼性に問
題があった。

【０００９】本発明は上記従来の問題を解決するための
もので、小さなスペースで信頼性の高い２系統の動力伝
達経路の切替機構を有する動力伝達装置を提供すること
を目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、モータの逆回転することで２系統の動力伝
達経路の２つの切替用カムを回転させ、この２つの切替
用カムの回転に従動する２つのアームに設けたそれぞれ
の動力切替ギアを相手ギアに噛み合せ、モータの正回転
させることにより各動作を行わせる構成であって、２系
統の２つの切替用カムを対応位置関係として、その間に
切替用カムの内カム溝に作用点部が係り合うように２系
統の２つの従動するアームを配置した構成の動力伝達装
置とする。

【００１１】本発明によれば、小型化、高い信頼性が確
保された２系統それぞれの動力伝達装置を実現できる。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、モータの逆回転で２系統の動力伝達経路それぞれの
の切替用カムを回転させ、それに従動する２つのアーム
に設けたそれぞれの動力切替ギアを相手ギアに噛み合
せ、モータの正回転で各動作を行わせる構成の動力伝達
装置であって、２系統それぞれの切替用カム間にその内
カム溝に作用点部が係り合うように２系統それぞれの従
動するアームを配置した動力伝達装置であり、２系統そ
れぞれの切替用カムは対応位置関係となることから配置
スペースが小さくでき、内カム溝に従動するアームの作
用点部が掛かっていることからアームが抜け出すことな
く、その動作の信頼性が確保され、小型化、高信頼性を
確保した動力伝達装置を実現するという作用を有する。

【００１３】以下、本発明の実施の形態を図面を参照し
て説明する。 （実施の形態１）図１は、本発明の実施の形態１の動力
伝達装置の構成図、図２は同動力伝達装置のカム部の断
面図である。なお、従来例に示したものと同一部品には
同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。

【００１４】図１において、１は駆動兼切替用モータ、
２はモータピニオンギア、３は動作及びカム回転切替用
アーム、４は動作及びカム回転切替用ギア、５は切替用
カムＡ、６は切替用カムＢ、７は動力伝達ギアＡ、８は
動力伝達ギアＢ、９は動力伝達経路切替アームＡ、１０
は動力伝達経路切替アームＢ、１１は動力伝達経路切替
ギアＡ、１２は動力伝達経路切替ギアＢ、１３は切替ギ
アの噛み合う相手ギアＡ、１４は切替ギアの噛み合う相
手ギアＢ、１５は切替ギアの噛み合う相手ギアＣ、１８
はカムポジションセンサであり、切替用カムＡ５、切替
用カムＢ６および動力伝達経路切替アームＡ９、動力伝
達経路切替アームＢ１０の組み立て構成を除いては前記
従来例と同様に構成されている。

【００１５】なお、動作及びカム回転切替用アーム３に
はピニオンギア２と噛み合うアイドラギア１９を設け、
このアイドラギア１９が動作及びカム回転切替用ギア４
およびカム駆動ギア２０を介して切替用カムＢ６を駆動
するようにしている。また、その他の各ギアの配置位置
は若干変更しているが、その機能は基本的には変わらな
い。図中の２１は印字ローラギア、２２は引き戻しギア
である。

【００１６】この実施の形態１の特徴とするところは、
図２に示すように動力伝達経路切替アームＡ９、動力伝
達経路切替アームＢ１０を、対応関係にある切替用カム
Ａ５と切替用カムＢ６間に配置し、動力伝達経路切替ア
ームＡ９、動力伝達経路切替アームＢ１０の作用点ａ、
ｂ部を切替用カムＡ５と切替用カムＢ６の内カム溝に係
り合わせた構成としたことにある。

【００１７】なお、動力伝達経路切替アームＡ９と動力
伝達経路切替アームＢ１０をある程度の摩擦を持って取
り付ることにより、動力伝達ギア８の回転方向に従って
動力伝達経路切替アーム９も揺動運動を行う構成とす
る。

【００１８】上記構成において、記録紙に印字するとき
には、駆動兼切替用モータ１をＣＷ方向に回転させて、
モータピニオンギア２からアイドラギア１９、動作及び
カム回転切替用ギア４、カム駆動ギア２０、切替用カム
Ｂ６およびＡ５へ動力を伝達させる。

【００１９】Ｂの系列において、カムはＣＷ回転を行
い、カムポジションセンサ１８でホーム位置を検出した
後、動力伝達経路切替アームＢ１０に取り付けられた動
力伝達経路切替ギアＢ１２が切替ギアの噛み合う相手ギ
アＢ１４に噛み合うように作用点ｂを固定させる位置ま
で移動する。

【００２０】その後、駆動兼切替用モータ１をＣＣＷ方
向に回転させて、モータピニオンギア２からアイドラギ
ア１９、動作及びカム回転切替用ギア４、動力伝達ギア
Ｂ８、動作伝達経路切替ギアＢ１２、切替ギアの噛み合
う相手ギアＢ１４、印字ローラギア２１へ動力を伝達さ
せて印字動作を行う。

【００２１】ここで動力伝達経路切替アームＢ１０は切
替用カムＡ５と切替用カムＢ６間にあり、その作用点ｂ
部が切替用カムＢ６の内カム溝に確実に保持され、印字
時に動力伝達経路切替アームＢ１０が動力伝達経路切替
ギアＢ１２の負荷によりＣＷ方向に揺動運動をして、動
力伝達経路切替ギアＢ１２の切替ギアの噛み合う相手ギ
アＢ１４に対する噛み合い高さが低下することを防止す
る。また、動力伝達経路切替アームＢ１０にかかる負荷
のため、切替用カムＢ６の内カム溝から動力伝達経路切
替アームＢ１０の作用点ｂ部がスラスト方向に抜けよう
とするが、切替用カムＡ５、切替用カムＢ６に挟み込ま
れているので抜けることはない。

【００２２】上記の動作は切替用カムＢ６、動力伝達経
路切替アームＢ１０、動力伝達経路切替ギアＢ１２、切
替ギアの噛み合う相手ギアＢ１４のＢ系列の動作につい
てであるが、切替用カムＡ５、動力伝達経路切替アーム
Ａ９、動力伝達経路切替ギアＡ１１、切替ギアの噛み合
う相手ギアＡ１３のＡ系列も同様に動作するものであ
る。

【００２３】なお、動力伝達経路切替アームＡ９と動力
伝達経路切替アームＢ１０は必ずしも重なる構造でなく
てもよく、動作に問題無ければ切替用カムＡ５と切替用
カムＢ６間に一列に配置してもよい。この場合、高さ方
向にも小型化を図ることが可能となる。

【００２４】前記実施の形態１では、動力伝達装置をフ
ァクシミリ装置の記録装置部に用いるものとしている
が、この動力伝達装置は他の機器の動力伝達装置用とし
て用いてもよい。

【００２５】

【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の動力伝達装置は、２系統それぞれの切替用カム間にそ
の内カム溝に作用点部が係り合うように２系統それぞれ
の従動するアームを配置したため、２系統それぞれの動
力伝達経路の切替機構の高い信頼性の確保が可能であ
る。また、小型化を図れるとともに、許される範囲でカ
ムを大きくすることで従動するアームのストロークが大
きくなり、さらに、内カム溝の寸法精度を極端に高めな
くても、従動するアームの確実な動作ができるという利
点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１の動力伝達装置の構成図

【図２】同動力伝達装置のカム部の断面図

【図３】従来の動力伝達装置の構成図

【符号の説明】

１ 駆動兼切替用モータ ２ モータピニオンギア ３ カム回転切替用アーム ４ カム回転切替用ギア ５ 切替用カムＡ ６ 切替用カムＢ ７ 動力伝達ギアＡ ８ 動力伝達ギアＢ ９ 動力伝達経路切替アームＡ １０ 動力伝達経路切替アームＢ １１ 動力伝達経路切替ギアＡ １２ 動力伝達経路切替ギアＢ １３ 切替ギアの噛み合う相手ギアＡ １４ 切替ギアの噛み合う相手ギアＢ １５ 切替ギアの噛み合う相手ギアＣ １６ スプリング １７ スプリング １８ カムポジションセンサ １９ アイドラギア ２０ カム駆動ギア ２１ 印字ローラギア ２２ 引き戻しギア

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】モータの逆回転で２系統の動力伝達経路そ
   れぞれのの切替用カムを回転させ、それに従動する２つ
   のアームに設けたそれぞれの動力切替ギアを相手ギアに
   噛み合せ、モータの正回転で各動作を行わせる構成の動
   力伝達装置であって、２系統それぞれの切替用カム間に
   その内カム溝に作用点部が係り合うように２系統それぞ
   れの従動するアームを配置したことを特徴とする動力伝
   達装置。