JPH11240943A - ヘキサアルキルグアニジニウム塩および第三アミンを含む触媒を使用したコポリエステルカーボネートの界面製造法 - Google Patents
ヘキサアルキルグアニジニウム塩および第三アミンを含む触媒を使用したコポリエステルカーボネートの界面製造法Info
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- JPH11240943A JPH11240943A JP10356839A JP35683998A JPH11240943A JP H11240943 A JPH11240943 A JP H11240943A JP 10356839 A JP10356839 A JP 10356839A JP 35683998 A JP35683998 A JP 35683998A JP H11240943 A JPH11240943 A JP H11240943A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ポリエステルカーボネート中の無水物結合の
レベルを減少するコポリエステルカーボネートの界面製
造法。 【解決手段】 ポリエステルカーボネート中の無水物結
合のレベルは少なくとも1種のジヒドロキシ芳香族化合
物および少なくとも1種のジカルボン酸からポリエステ
ルカーボネートを二段階の製法で界面法で製造すること
により減少される。この第一の工程は相間移動触媒とし
てのヘキサアルキルグアニジニウム塩とトリエチルアミ
ンのような第三アミンとを組み合わせて使用して約4.
5−9.5の範囲のpHで行われる。この相間移動触媒
および第三アミンの割合は使用されるジヒドロキシ芳香
族化合物およびジカルボン酸の合計量に基づいて通常そ
れぞれ約1−5モル%および約0.01−5.0モル%
の範囲である。第二のホスゲン化工程においては、pH
を少なくとも約10に上げて化学量論量より少なくとも
5重量%過剰のホスゲンを導入する。
レベルを減少するコポリエステルカーボネートの界面製
造法。 【解決手段】 ポリエステルカーボネート中の無水物結
合のレベルは少なくとも1種のジヒドロキシ芳香族化合
物および少なくとも1種のジカルボン酸からポリエステ
ルカーボネートを二段階の製法で界面法で製造すること
により減少される。この第一の工程は相間移動触媒とし
てのヘキサアルキルグアニジニウム塩とトリエチルアミ
ンのような第三アミンとを組み合わせて使用して約4.
5−9.5の範囲のpHで行われる。この相間移動触媒
および第三アミンの割合は使用されるジヒドロキシ芳香
族化合物およびジカルボン酸の合計量に基づいて通常そ
れぞれ約1−5モル%および約0.01−5.0モル%
の範囲である。第二のホスゲン化工程においては、pH
を少なくとも約10に上げて化学量論量より少なくとも
5重量%過剰のホスゲンを導入する。
Description
【0001】発明の背景 本発明はコポリエステルカーボネートの製造に係わり、
特に界面法によるその改善された製造法に係わる。非混
和性の水性−有機媒体中でジヒドロキシ芳香族化合物を
ジカルボン酸およびホスゲンと界面法により縮合させて
コポリエステルカーボネートを製造することは知られて
いる。この縮合は通常第三アミン、相間移動触媒または
これら両者の存在下で行われる。この生成物であるコポ
リエステルカーボネートはポリカーボネートと類似した
特性をもっているが、特にエステル単位が脂肪族酸から
誘導されているときには一般により延性である。
特に界面法によるその改善された製造法に係わる。非混
和性の水性−有機媒体中でジヒドロキシ芳香族化合物を
ジカルボン酸およびホスゲンと界面法により縮合させて
コポリエステルカーボネートを製造することは知られて
いる。この縮合は通常第三アミン、相間移動触媒または
これら両者の存在下で行われる。この生成物であるコポ
リエステルカーボネートはポリカーボネートと類似した
特性をもっているが、特にエステル単位が脂肪族酸から
誘導されているときには一般により延性である。
【0002】コポリエステルカーボネートに対して現在
研究されている用途には光デスクの製造がある。この目
的には、固有複屈折が非常に低いまたは負ですらある構
造単位例えばスピロ(ビス)インダンビスフェノール類
特に6,6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テ
トラメチル−1,1′−スピロ(ビス)インダン(以
後”SBI”と呼ぶ)から誘導された単位を導入すると
しばしば有利である。SBI単位がポリカーボネート中
に存在すると、しかしながら、ポリカーボネートは非常
に脆くなって加工が困難になり、エステル単位を導入し
て延性を改善することが殆ど必須である。
研究されている用途には光デスクの製造がある。この目
的には、固有複屈折が非常に低いまたは負ですらある構
造単位例えばスピロ(ビス)インダンビスフェノール類
特に6,6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テ
トラメチル−1,1′−スピロ(ビス)インダン(以
後”SBI”と呼ぶ)から誘導された単位を導入すると
しばしば有利である。SBI単位がポリカーボネート中
に存在すると、しかしながら、ポリカーボネートは非常
に脆くなって加工が困難になり、エステル単位を導入し
て延性を改善することが殆ど必須である。
【0003】コポリエステルカーボネートの界面製造法
も知られている。この製造法では、反応は非混和性の水
性−有機混合物中でホスゲンとジヒドロキシ芳香族化合
物およびジカルボン酸(あるいはこれに対応する酸塩化
物)の混合物との間に行われる。この反応はアルカリ性
条件下で触媒代表的には第三アミン、相間移動触媒また
はこれら両者の組合せの存在下で行われる。
も知られている。この製造法では、反応は非混和性の水
性−有機混合物中でホスゲンとジヒドロキシ芳香族化合
物およびジカルボン酸(あるいはこれに対応する酸塩化
物)の混合物との間に行われる。この反応はアルカリ性
条件下で触媒代表的には第三アミン、相間移動触媒また
はこれら両者の組合せの存在下で行われる。
【0004】この方法によって理想的に製造されるポリ
マーはエステル単位とポリカーボネート単位を含んでい
る。しかしながら、このポリマーには熱的および加水分
解的に不安定な、無水物結合を含む分子部分も含まれて
いることがしばしば分かっている。無水物結合が通常の
界面反応条件下で実質的な割合で生成されることがしば
しば発見されている。このような結合の存在は反応混合
物のpHを注意深く制御することにより最小にすること
がしばしば可能である。しかし、ポリマー中に酸−誘導
基が大きな割合例えば10モル%またはそれより多く望
まれるときには、これは真実でないことが分かった。
マーはエステル単位とポリカーボネート単位を含んでい
る。しかしながら、このポリマーには熱的および加水分
解的に不安定な、無水物結合を含む分子部分も含まれて
いることがしばしば分かっている。無水物結合が通常の
界面反応条件下で実質的な割合で生成されることがしば
しば発見されている。このような結合の存在は反応混合
物のpHを注意深く制御することにより最小にすること
がしばしば可能である。しかし、ポリマー中に酸−誘導
基が大きな割合例えば10モル%またはそれより多く望
まれるときには、これは真実でないことが分かった。
【0005】米国特許5510449および55191
05に記載されたコポリエステルカーボネートを含めた
ポリカーボネートの製造手順では、相間移動触媒と第三
アミンの混合物が使用されている。しかし、コポリエス
テルカーボネート中の無水物結合の割合を減少する方法
については何等示唆されていない。それ故に、特にポリ
マー中に大きな割合のエステル基が望まれる時に、無水
物結合の生成を抑圧するようにコポリエステルカーボネ
ートの界面製造法の反応条件を調節することが興味深
い。
05に記載されたコポリエステルカーボネートを含めた
ポリカーボネートの製造手順では、相間移動触媒と第三
アミンの混合物が使用されている。しかし、コポリエス
テルカーボネート中の無水物結合の割合を減少する方法
については何等示唆されていない。それ故に、特にポリ
マー中に大きな割合のエステル基が望まれる時に、無水
物結合の生成を抑圧するようにコポリエステルカーボネ
ートの界面製造法の反応条件を調節することが興味深
い。
【0006】発明の要約 本発明は無水物結合の生成を最小にするコポリエステル
カーボネートの界面的製造方法を提供する。これは触媒
種とホスゲン化条件の適当な選択によって簡単になさ
れ、エステル基を大きな割合で導入する場合ですら効果
的である。本発明は、約4.5−9.5の範囲のpHを
含んだ反応条件下において、少なくとも1種のジヒドロ
キシ芳香族化合物、少なくとも1種のジカルボン酸、少
なくとも1種の相間移動触媒としてのヘキサアルキルグ
アニジニウム塩、少なくとも1種の第三アミン、水およ
び水−非混和性有機溶媒を含んだ混合物の成分中に、化
学量論量の少なくとも約50%の割合のホスゲンを通過
させ、次いでpHを少なくとも約10に上げて化学量論
量より少なくとも5重量%過剰なホスゲンが導入される
までホスゲンの通過を続けることからなるコポリエステ
ルカーボネートの製造方法に係わる。
カーボネートの界面的製造方法を提供する。これは触媒
種とホスゲン化条件の適当な選択によって簡単になさ
れ、エステル基を大きな割合で導入する場合ですら効果
的である。本発明は、約4.5−9.5の範囲のpHを
含んだ反応条件下において、少なくとも1種のジヒドロ
キシ芳香族化合物、少なくとも1種のジカルボン酸、少
なくとも1種の相間移動触媒としてのヘキサアルキルグ
アニジニウム塩、少なくとも1種の第三アミン、水およ
び水−非混和性有機溶媒を含んだ混合物の成分中に、化
学量論量の少なくとも約50%の割合のホスゲンを通過
させ、次いでpHを少なくとも約10に上げて化学量論
量より少なくとも5重量%過剰なホスゲンが導入される
までホスゲンの通過を続けることからなるコポリエステ
ルカーボネートの製造方法に係わる。
【0007】好ましい実施の態様を例示した発明の詳細
な記述 本発明の方法に使用されるジヒドロキシ芳香族化合物は
典型的には次式を有する。 (I) HO−A1−OH ここに、上記式中、A1 は芳香族有機基である。使用さ
れる全ジヒドロキシ芳香族化合物の少なくとも一部にお
いては一般にA1 は次式を有する。
な記述 本発明の方法に使用されるジヒドロキシ芳香族化合物は
典型的には次式を有する。 (I) HO−A1−OH ここに、上記式中、A1 は芳香族有機基である。使用さ
れる全ジヒドロキシ芳香族化合物の少なくとも一部にお
いては一般にA1 は次式を有する。
【0008】(II) −A2−Y−A3− ここに、上記式中、A2 およびA3 はそれぞれ単環式の
二価のアリール基であり、Yは単結合であるかまたは1
つまたは2つの炭素原子がA2 とA3 とを分離している
橋架け基である。A2 およびA3 基は最も頻繁には置換
されていないフェニレン、特に好ましくはp−フェニレ
ンあるいはその置換誘導体である。橋架け基Yは最も頻
繁には炭化水素基であり、特には飽和された基例えばメ
チレン、シクロヘキシリデンまたはイソプロピリデンで
あり、後者が好ましい。
二価のアリール基であり、Yは単結合であるかまたは1
つまたは2つの炭素原子がA2 とA3 とを分離している
橋架け基である。A2 およびA3 基は最も頻繁には置換
されていないフェニレン、特に好ましくはp−フェニレ
ンあるいはその置換誘導体である。橋架け基Yは最も頻
繁には炭化水素基であり、特には飽和された基例えばメ
チレン、シクロヘキシリデンまたはイソプロピリデンで
あり、後者が好ましい。
【0009】従って、最も好ましいビスフェノールは
「ビスフェノール−A」とも呼ばれる2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンである。少なくとも一
成分がSBIおよびその5,5′−ジヒドロキシ異性体
に例示されるスピロ(ビス)インダンビスフェノールで
あるジヒドロキシ芳香族化合物の混合物を使用すること
もしばしば好ましい。特定の効果性および製造の比較的
容易さから通常はSBIが好ましい。
「ビスフェノール−A」とも呼ばれる2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンである。少なくとも一
成分がSBIおよびその5,5′−ジヒドロキシ異性体
に例示されるスピロ(ビス)インダンビスフェノールで
あるジヒドロキシ芳香族化合物の混合物を使用すること
もしばしば好ましい。特定の効果性および製造の比較的
容易さから通常はSBIが好ましい。
【0010】通常スピロ(ビス)インダンビスフェノー
ル類および式Iのジヒドロキシ芳香族化合物類である好
ましいジヒドロキシ芳香族化合物を表示するために以後
用語「ビスフェノール」がしばしば使用されるであろう
が、しかし他のジヒドロキシ芳香族化合物類をこれらに
代えて適宜使用できることを理解されたい。ジカルボン
酸は脂肪族または芳香族でよい。芳香族酸の例はテレフ
タル酸およびイソフタル酸である。代表的な脂肪族酸に
はアジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸および1,1
2−ドデカンジカルボン酸を含めた炭素原子数4−25
のものが含まれる。優れた延性改善性をもっているので
脂肪族ジカルボン酸が一般に好ましく、C6-20酸がより
好ましく、セバシン酸および1,12−ドデカンジカル
ボン酸が最も好ましい。
ル類および式Iのジヒドロキシ芳香族化合物類である好
ましいジヒドロキシ芳香族化合物を表示するために以後
用語「ビスフェノール」がしばしば使用されるであろう
が、しかし他のジヒドロキシ芳香族化合物類をこれらに
代えて適宜使用できることを理解されたい。ジカルボン
酸は脂肪族または芳香族でよい。芳香族酸の例はテレフ
タル酸およびイソフタル酸である。代表的な脂肪族酸に
はアジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸および1,1
2−ドデカンジカルボン酸を含めた炭素原子数4−25
のものが含まれる。優れた延性改善性をもっているので
脂肪族ジカルボン酸が一般に好ましく、C6-20酸がより
好ましく、セバシン酸および1,12−ドデカンジカル
ボン酸が最も好ましい。
【0011】本発明の方法に使用される相間移動触媒は
少なくとも1種のヘキサアルキルグアニジニウム塩であ
る。ヘキサアルキルグアニジニウム塩の例はヘキサエチ
ルグアニジニウムクロライド、ヘキサエチルグアニジニ
ウムブロマイドおよび米国特許出願08/768871
に開示されている第四ビスフェノレート類(例えば、ヘ
キサアルキルグアニジニウムカチオンを1つ、プロトン
を3つおよび二価のビスフェノレートアニオンを1つ含
有する化合物)である。
少なくとも1種のヘキサアルキルグアニジニウム塩であ
る。ヘキサアルキルグアニジニウム塩の例はヘキサエチ
ルグアニジニウムクロライド、ヘキサエチルグアニジニ
ウムブロマイドおよび米国特許出願08/768871
に開示されている第四ビスフェノレート類(例えば、ヘ
キサアルキルグアニジニウムカチオンを1つ、プロトン
を3つおよび二価のビスフェノレートアニオンを1つ含
有する化合物)である。
【0012】適当な脂肪族および脂環式第三アミンには
約5−20個の炭素原子を有するものが含まれる。この
例はトリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、N−
メチルピペリジン、4−メチルモルホリンおよび4−エ
チルモルホリンである。トリエチルアミンおよびN−メ
チルピペリジンがしばしば好ましい。本発明の方法に使
用できる水−非混和性有機溶媒には塩素化脂肪族炭化水
素例えばメチレンクロライド、クロロホルム、ジクロロ
エタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジク
ロロプロパンおよび1,2−ジクロロエチレン並びに置
換された芳香族炭化水素例えばクロロベンゼン、o−ジ
クロロベンゼンおよび種々のクロロトルエン類が含まれ
る。塩素化脂肪族炭化水素が好ましく、メチレンクロラ
イドが最も好ましい。
約5−20個の炭素原子を有するものが含まれる。この
例はトリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、N−
メチルピペリジン、4−メチルモルホリンおよび4−エ
チルモルホリンである。トリエチルアミンおよびN−メ
チルピペリジンがしばしば好ましい。本発明の方法に使
用できる水−非混和性有機溶媒には塩素化脂肪族炭化水
素例えばメチレンクロライド、クロロホルム、ジクロロ
エタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジク
ロロプロパンおよび1,2−ジクロロエチレン並びに置
換された芳香族炭化水素例えばクロロベンゼン、o−ジ
クロロベンゼンおよび種々のクロロトルエン類が含まれ
る。塩素化脂肪族炭化水素が好ましく、メチレンクロラ
イドが最も好ましい。
【0013】反応混合物にはエンドキャッピング剤も存
在させることができる。これらは典型的にはフェノー
ル、p−クレゾールおよびクミルフェノールで例示され
るようなフェノール類である。本発明の方法の第一の工
程では、ビスフェノール、ジカルボン酸、相間移動触
媒、第三アミン、水および有機溶媒の混合物中にホスゲ
ンが通される。水と有機溶媒の割合は臨界的ではない
が、代表的には水性相対有機相の容量比が約0.2−
1.1:1の範囲にあるように反映される。反応温度は
一般に約15−50℃の範囲であり、好ましくは約35
−45℃である。
在させることができる。これらは典型的にはフェノー
ル、p−クレゾールおよびクミルフェノールで例示され
るようなフェノール類である。本発明の方法の第一の工
程では、ビスフェノール、ジカルボン酸、相間移動触
媒、第三アミン、水および有機溶媒の混合物中にホスゲ
ンが通される。水と有機溶媒の割合は臨界的ではない
が、代表的には水性相対有機相の容量比が約0.2−
1.1:1の範囲にあるように反映される。反応温度は
一般に約15−50℃の範囲であり、好ましくは約35
−45℃である。
【0014】使用される第三アミンの割合は臨界的では
ない。その例示的な割合はビスフェノールおよびジカル
ボン酸の合計に基づいて約0.01−5.0モル%の範
囲である。大抵は、N−メチルピペリジンのようなN−
アルキル複素環式化合物は脂肪族第三アミンより必要量
は少ない。第一工程の全過程にわたって第三アミンが相
間移動触媒と共に存在することが大いに好ましい。もし
も反応の開始時に相間移動触媒のみしか存在せず第三ア
ミンが後に加えられるならば、生成物中の無水物レベル
は上昇する可能性がある。
ない。その例示的な割合はビスフェノールおよびジカル
ボン酸の合計に基づいて約0.01−5.0モル%の範
囲である。大抵は、N−メチルピペリジンのようなN−
アルキル複素環式化合物は脂肪族第三アミンより必要量
は少ない。第一工程の全過程にわたって第三アミンが相
間移動触媒と共に存在することが大いに好ましい。もし
も反応の開始時に相間移動触媒のみしか存在せず第三ア
ミンが後に加えられるならば、生成物中の無水物レベル
は上昇する可能性がある。
【0015】相間移動触媒の割合もまた臨界的でない。
しかし、一般に、相間移動触媒の量の増加と共に生成物
中の無水物結合の割合が減少することが分かっている。
その使用量はしばしば約1−5モル%の範囲である。ホ
スゲンの反応により生成する塩化水素酸を中和するため
に典型的には水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム
のようなアルカリ水溶液を添加することにより、ホスゲ
ン添加の第一の工程の間、反応混合物のpHは約4.5
−9.5好ましくは約6.5−9.0の範囲に維持され
る。ここで使用するpHは反応混合物の水性相のpHを
表す。第一工程におけるホスゲン添加は化学量論量の少
なくとも約50重量%好ましくは約75−90重量%が
添加されるまで継続される。
しかし、一般に、相間移動触媒の量の増加と共に生成物
中の無水物結合の割合が減少することが分かっている。
その使用量はしばしば約1−5モル%の範囲である。ホ
スゲンの反応により生成する塩化水素酸を中和するため
に典型的には水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム
のようなアルカリ水溶液を添加することにより、ホスゲ
ン添加の第一の工程の間、反応混合物のpHは約4.5
−9.5好ましくは約6.5−9.0の範囲に維持され
る。ここで使用するpHは反応混合物の水性相のpHを
表す。第一工程におけるホスゲン添加は化学量論量の少
なくとも約50重量%好ましくは約75−90重量%が
添加されるまで継続される。
【0016】第一の工程でホスゲンの必要量が添加され
たら、更にアルカリを添加することにより反応混合物の
pHを少なくとも約10、好ましくは約10−11に上
げる。次いで、ホスゲンの合計添加量が化学量論量の少
なくとも5重量%、好ましくは約10−25重量%過剰
になるまでホスゲンの添加を継続する。反応が完結した
ら、コポリエステルカーボネートを慣用の手段によって
単離できる。これらの手段では代表的には、有機相と水
性相の分離、有機相の酸水溶液および/または水での洗
浄、および沸騰水中への注入、水蒸気沈殿またはメタノ
ールのような非−溶媒との組合せ等によるポリマーの沈
殿が含まれる。
たら、更にアルカリを添加することにより反応混合物の
pHを少なくとも約10、好ましくは約10−11に上
げる。次いで、ホスゲンの合計添加量が化学量論量の少
なくとも5重量%、好ましくは約10−25重量%過剰
になるまでホスゲンの添加を継続する。反応が完結した
ら、コポリエステルカーボネートを慣用の手段によって
単離できる。これらの手段では代表的には、有機相と水
性相の分離、有機相の酸水溶液および/または水での洗
浄、および沸騰水中への注入、水蒸気沈殿またはメタノ
ールのような非−溶媒との組合せ等によるポリマーの沈
殿が含まれる。
【0017】本発明の方法によって製造されたコポリエ
ステルカーボネートは他の方法によって製造されたもの
より含有される無水物結合の割合がずっと少ないことが
分かった。無水物結合のレベルのこの減少は主にヘキサ
アルキルグアニジニウム塩の存在に起因するようであ
る。生成物中の無水物結合のレベルは炭素−13核磁気
共鳴分光分析によって決定することができる。また、S
BI単位が存在するとき以外はプロトン核磁気共鳴分光
分析によっても決定できる。SBIが存在するとこの単
位中の或プロトンの化学シフトが無水物結合のプロトン
特性の化学シフトに干渉を起こす。
ステルカーボネートは他の方法によって製造されたもの
より含有される無水物結合の割合がずっと少ないことが
分かった。無水物結合のレベルのこの減少は主にヘキサ
アルキルグアニジニウム塩の存在に起因するようであ
る。生成物中の無水物結合のレベルは炭素−13核磁気
共鳴分光分析によって決定することができる。また、S
BI単位が存在するとき以外はプロトン核磁気共鳴分光
分析によっても決定できる。SBIが存在するとこの単
位中の或プロトンの化学シフトが無水物結合のプロトン
特性の化学シフトに干渉を起こす。
【0018】以下の実施例により本発明を例示する。実施例 1−5 一連の500mlのMortonフラスコに、SBIを
9.6g(31.3ミリモル)、ビスフェノール−Aを
5.0g(21.9ミリモル)、1,12−ドデカンジ
カルボン酸を2.2g(9.4ミリモル)、p−クミル
フェノールを250mg(1.17ミリモル)、メチレ
ンクロライドを120ml、蒸留水を50ml、および
種々の量の第三アミンおよびヘキサエチルグアニジニウ
ムブロマイド(ビスフェノールおよびジカルボン酸に基
づいて1.75モル%)を装入した。撹拌しながら、
0.25g/分の速度でこれらの混合物中にホスゲンを
通過させ、25%水酸化ナトリウム水溶液の添加により
pHを8(実施例1−4および対照例1−4)または9
(実施例5および対照例5)に維持した。化学量論量の
85モル%のホスゲンが添加されたら、pHを10.5
に上昇させそして化学量論量の20モル%過剰に導入さ
れるまでホスゲンの添加を続けた。
9.6g(31.3ミリモル)、ビスフェノール−Aを
5.0g(21.9ミリモル)、1,12−ドデカンジ
カルボン酸を2.2g(9.4ミリモル)、p−クミル
フェノールを250mg(1.17ミリモル)、メチレ
ンクロライドを120ml、蒸留水を50ml、および
種々の量の第三アミンおよびヘキサエチルグアニジニウ
ムブロマイド(ビスフェノールおよびジカルボン酸に基
づいて1.75モル%)を装入した。撹拌しながら、
0.25g/分の速度でこれらの混合物中にホスゲンを
通過させ、25%水酸化ナトリウム水溶液の添加により
pHを8(実施例1−4および対照例1−4)または9
(実施例5および対照例5)に維持した。化学量論量の
85モル%のホスゲンが添加されたら、pHを10.5
に上昇させそして化学量論量の20モル%過剰に導入さ
れるまでホスゲンの添加を続けた。
【0019】有機相と水性相とを分離し、有機相を塩化
水素酸水溶液で洗浄してから蒸留水で4回洗浄した。メ
チレンクロライド溶液をブレンダ中の沸騰水中に注入し
てコポリエステルカーボネートを沈殿させ、濾過して分
離し、水で洗浄してから真空下で120℃で乾燥した。
得られた結果を幾つかの対照例と比較して以下の表に掲
げる。アミンおよび相間移動触媒に対しては以下の略語
を使用した。
水素酸水溶液で洗浄してから蒸留水で4回洗浄した。メ
チレンクロライド溶液をブレンダ中の沸騰水中に注入し
てコポリエステルカーボネートを沈殿させ、濾過して分
離し、水で洗浄してから真空下で120℃で乾燥した。
得られた結果を幾つかの対照例と比較して以下の表に掲
げる。アミンおよび相間移動触媒に対しては以下の略語
を使用した。
【0020】HEGBr=ヘキサエチルグアニジニウム
ブロマイド HEGBPA=ビスフェノール−Aのヘキサエチルグア
ニジニウム三水素塩 MTBA=メチルトリ−n−ブチルアンモニウムブロマ
イド BTMA=ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド NMPP=N−メチルピペリジン TEA=トリエチルアミン 表 相間移動触媒 第三アミン 無水物結合 実施例 化合物名 モル% 化合物名 モル% % 1 HEGBr 3.5 TEA 1.6 0.8 2 HEGBPA 3.5 TEA 1.6 0.8 3 HEGBr 1.75 TEA 1.6 1.4 4 HEGBr 1.75 NMPP 0.03 <0.5 5 HEGBPA 3.5 TEA 1.6 0 対照例1 MTBA 3.5 TEA 1.6 4.0 対照例2 BTMA 3.5 TEA 1.6 2.2 対照例3 MTBA 1.75 TEA 1.6 2.3 対照例4 MTBA 1.75 NMPP 0.03 <0.5 対照例5 MTBA 3.5 TEA 1.6 4.0 実施例1−5における無水物結合のレベルは対応する対
照例1−5におけるよりもかなり少ないことは明らかで
ある。実施例4および対照例4では、無水物分析法が差
を識別するには不十分であった。しかしながら、もっと
少ない水準の相間移動触媒および/または第三アミンの
濃度では違いが認められると考えられる。
ブロマイド HEGBPA=ビスフェノール−Aのヘキサエチルグア
ニジニウム三水素塩 MTBA=メチルトリ−n−ブチルアンモニウムブロマ
イド BTMA=ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド NMPP=N−メチルピペリジン TEA=トリエチルアミン 表 相間移動触媒 第三アミン 無水物結合 実施例 化合物名 モル% 化合物名 モル% % 1 HEGBr 3.5 TEA 1.6 0.8 2 HEGBPA 3.5 TEA 1.6 0.8 3 HEGBr 1.75 TEA 1.6 1.4 4 HEGBr 1.75 NMPP 0.03 <0.5 5 HEGBPA 3.5 TEA 1.6 0 対照例1 MTBA 3.5 TEA 1.6 4.0 対照例2 BTMA 3.5 TEA 1.6 2.2 対照例3 MTBA 1.75 TEA 1.6 2.3 対照例4 MTBA 1.75 NMPP 0.03 <0.5 対照例5 MTBA 3.5 TEA 1.6 4.0 実施例1−5における無水物結合のレベルは対応する対
照例1−5におけるよりもかなり少ないことは明らかで
ある。実施例4および対照例4では、無水物分析法が差
を識別するには不十分であった。しかしながら、もっと
少ない水準の相間移動触媒および/または第三アミンの
濃度では違いが認められると考えられる。
Claims (11)
- 【請求項1】 約4.5−9.5の範囲のpHを含んだ
反応条件下において、少なくとも1種のジヒドロキシ芳
香族化合物、少なくとも1種のジカルボン酸、少なくと
も1種の相間移動触媒としてのヘキサアルキルグアニジ
ニウム塩、少なくとも1種の第三アミン、水および水−
非混和性有機溶媒を含んだ混合物の成分中に、化学量論
量の少なくとも約50%の割合のホスゲンを通過させ、
次いでpHを少なくとも約10に上げて化学量論量より
少なくとも5重量%過剰なホスゲンが導入されるまでホ
スゲンの通過を続けることからなるコポリエステルカー
ボネートの製造方法。 - 【請求項2】 ジヒドロキシ芳香族化合物がビスフェノ
ール−Aであるかまたはビスフェノール−Aと6,6′
−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テトラメチル−
1,1′−スピロ(ビス)インダンとの混合物である請
求項1記載の方法。 - 【請求項3】 ジカルボン酸が脂肪族ジカルボン酸であ
る請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 有機溶媒が塩素化脂肪族炭化水素である
請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 相間移動触媒の割合が約1−5モル%の
範囲である請求項1記載の方法。 - 【請求項6】 第三アミンの割合が約0.01−5.0
モル%の範囲である請求項1記載の方法。 - 【請求項7】 第一の工程の間のpHが約6.5−9.
5の範囲に維持される請求項1記載の方法。 - 【請求項8】 第一の工程におけるホスゲンの添加が化
学量論量の約75−90重量%が添加されるまで継続さ
れる請求項1記載の方法。 - 【請求項9】 第二の工程におけるpHが約10−11
の範囲である請求項1記載の方法。 - 【請求項10】 添加されるホスゲンの合計量が化学量
論量の約10−25重量%過剰である請求項1記載の方
法。 - 【請求項11】 約6.5−9.5の範囲のpHを含ん
だ反応条件下において、少なくとも1種の相間移動触媒
としてのヘキサアルキルグアニジニウム塩および少なく
とも1種の第三アミンの両成分の存在下において、ビス
フェノール−Aあるいはビスフェノール−Aと6,6′
−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テトラメチル−
1,1′−スピロ(ビス)インダンとの混合物から選ば
れた少なくとも1種のジヒドロキシ芳香族化合物、少な
くとも1種のC6-20脂肪族ジカルボン酸、水およびメチ
レンクロライドを含む混合物中にホスゲンを通過させ、
その際このヘキサアルキルグアニジニウム塩および第三
アミンの割合をジヒドロキシ芳香族化合物およびジカル
ボン酸の合計量に基づいてそれぞれ約1−5モル%およ
び約0.01−5.0モル%の範囲としそしてホスゲン
の割合を化学量論量の少なくとも約50重量%とし、次
いでpHを少なくとも約10に上げて化学量論量より少
なくとも5重量%過剰なホスゲンが導入されるまでホス
ゲンの通過を続けることからなるコポリエステルカーボ
ネートの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US08/996,897 US5807965A (en) | 1997-12-23 | 1997-12-23 | Interfacial copolyestercarbonate method using catalyst comprising hexaalkylguanidinium salt and tertiary amine |
US08/996897 | 1997-12-23 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family Applications (1)
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US6689474B2 (en) | 1999-05-18 | 2004-02-10 | General Electric Company | Thermally stable polymers, method of preparation, and articles made therefrom |
US7605221B2 (en) * | 1999-05-18 | 2009-10-20 | Sabic Innovative Plastics Ip B.V. | Weatherable, thermostable polymers having improved flow composition |
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US6664366B2 (en) | 1999-05-18 | 2003-12-16 | General Electric Company | Thermally stable polymers, method of preparation, and articles made therefrom |
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US6307005B1 (en) * | 1999-10-29 | 2001-10-23 | General Electric Company | Robust process for the synthesis of polyestercarbonates |
DE10131127A1 (de) | 2001-06-28 | 2003-01-16 | Bayer Ag | Herstellung und Verwendung von Polyestercarbonaten |
US6538065B1 (en) | 2001-07-26 | 2003-03-25 | General Electric Company | Method for preparing copolyestercarbonates and articles therefrom |
DE10149042A1 (de) | 2001-10-05 | 2003-04-17 | Bayer Ag | Herstellung von Polyestercarbonaten |
US6812320B2 (en) | 2002-03-25 | 2004-11-02 | General Electric Company | Method for copolyestercarbonate synthesis |
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EP0460206A1 (en) * | 1989-12-22 | 1991-12-11 | General Electric Company | Polyestercarbonate composition |
US5274068A (en) * | 1992-04-23 | 1993-12-28 | General Electric Company | Catalytic, interfacial, pH controlled preparation of polyester polycarbonate |
US5510449A (en) * | 1994-05-10 | 1996-04-23 | General Electric Company | Catalyst system for polycarbonate manufacture |
US5519105A (en) * | 1994-05-10 | 1996-05-21 | General Electric Company | Method for making polycarbonates |
-
1997
- 1997-12-23 US US08/996,897 patent/US5807965A/en not_active Expired - Lifetime
-
1998
- 1998-12-08 EP EP98310039A patent/EP0926177A3/en not_active Withdrawn
- 1998-12-10 AU AU97022/98A patent/AU736929B2/en not_active Ceased
- 1998-12-16 JP JP10356839A patent/JPH11240943A/ja not_active Withdrawn
- 1998-12-22 KR KR1019980057332A patent/KR19990063327A/ko not_active Application Discontinuation
- 1998-12-22 BR BR9805617-4A patent/BR9805617A/pt not_active Application Discontinuation
- 1998-12-22 CN CN98126014A patent/CN1113921C/zh not_active Expired - Fee Related
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BR9805617A (pt) | 1999-12-14 |
EP0926177A2 (en) | 1999-06-30 |
KR19990063327A (ko) | 1999-07-26 |
CN1113921C (zh) | 2003-07-09 |
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