JPH11240883A - チエノイミダゾール誘導体の製法 - Google Patents

チエノイミダゾール誘導体の製法

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JPH11240883A
JPH11240883A JP10040892A JP4089298A JPH11240883A JP H11240883 A JPH11240883 A JP H11240883A JP 10040892 A JP10040892 A JP 10040892A JP 4089298 A JP4089298 A JP 4089298A JP H11240883 A JPH11240883 A JP H11240883A
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palladium
catalyst
activated carbon
compound
group
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JP10040892A
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Minehiko Yamamura
峯彦 山村
Osamu Kaneda
修 金田
Hiroyuki Nate
博行 名手
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Tanabe Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Tanabe Seiyaku Co Ltd
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】チエノイミダゾール誘導体の工業的有利な製法
を提供する。 【解決手段】一般式(II): 【化1】 (式中、R1及びR2は各々、水素原子、アシル基または
ベンジル基を示し、R3は、アルコキシ基、ベンジルオ
キシ基またはカルボキシル基を示し、nは2〜3の整数
を示す。)で示される化合物を、溶媒中、パラジウム、
活性炭およびアミン類からなる触媒の存在下、水素で接
触還元することを特徴とする、一般式(I): 【化2】 (式中、記号は前記と同じ意味を有する。)で示される
チエノイミダゾール誘導体の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビオチンの合成中
間体として有用なチエノイミダゾール誘導体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】式(I)
【0003】
【化3】
【0004】(式中、R1及びR2は各々、水素原子、ア
シル基またはベンジル基を示し、R3は、アルコキシ
基、ベンジルオキシ基またはカルボキシル基を示し、n
は2〜3の整数を示す。)で示されるチエノイミダゾー
ル誘導体は、医薬品や飼料添加物として有用なビオチン
の製造における重要な合成中間体の一つである。
【0005】チエノイミダゾール誘導体(I)は、通
常、式(II)
【0006】
【化4】
【0007】(式中、記号は前記と同じ意味を有す
る。)で示される化合物の4位側鎖オレフィン部分を水
素で接触還元することにより得られる。従来、この接触
還元工程には、触媒としてラネ・ニッケル、ラネ・コバ
ルト、パラジウム触媒等を用いる方法が知られており、
例えば、特公昭53−27279号には、ラネ・ニッケ
ルを触媒として用いて、4−メトキシブチリデン基、4
−カルボキシブチリデン基、4−ベンジルオキシブチリ
デン基等の4位側鎖を有する1,3−ジベンジル−ヘキ
サヒドロ−1H−チエノ[3・4−d]イミダゾール−
2−オン化合物を接触還元することが記載されている。
【0008】パラジウム触媒を用いる方法としては、ゴ
ルドベルグ(Goldberg)らの文献(Chemical
Abstract、第45巻、第184C頁、1951
年)及び特開昭61−151194号に、酸化パラジウ
ムを用いて、各々4−メトキシブチリデン基及び4−カ
ルボキシブチリデン基の4位側鎖を有する同様の化合物
を接触還元することが記載されている。また、伊坂らの
文献(薬学雑誌、第88巻、1068〜1073頁、1
968年)には、パラジウム−炭素を用いて、4−ベン
ジルオキシブチリデン基の4位側鎖を有する化合物を接
触還元することが記載されている。また、特開平7−2
33171号には、酢酸パラジウムやジクロロビス(ベ
ンゾニトリル)パラジウム等、有機溶媒に可溶なパラジ
ウム触媒を用い、水とアルコールとの混合溶媒中にパラ
ジウムが溶解した均一反応系で、3−エトキシプロピリ
デン基等の4位側鎖を有する化合物の接触還元を行う方
法が記載されている。
【0009】しかしながら、上記のような従来の方法
は、触媒の活性が低いために高価な触媒を多量に必要と
したり、触媒の回収操作が煩雑である等の欠点があっ
た。また、上記のうち、パラジウム−炭素は、触媒回収
が容易であるため一般によく用いられるが、可燃性触媒
の存在下では自己発火性があるため、取扱いに十分注意
を要するといった安全性の問題もあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、工業
的に有利なチエノイミダゾール誘導体(I)の製造方法
を提供することにある。より詳細には、優れた接触還元
触媒を用いて効率的また操作性良くチエノイミダゾール
誘導体(I)を製造する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、パラジウ
ム、活性炭及びアミン類からなる触媒は、取扱い上の安
全性が高くしかも安価な優れた接触還元のための触媒と
なること、また、チエノイミダゾール誘導体のオレフィ
ン化合物(II)の接触還元において、このような触媒
を用いることにより、効率よく品質の高いチエノイミダ
ゾール誘導体(I)が得られることを見出し、本発明を
完成するに到った。
【0012】すなわち、本発明は、一般式(II)
【0013】
【化5】
【0014】(式中、記号は前記と同じ意味を有す
る。)で示される化合物を、溶媒中、パラジウム、活性
炭およびアミン類からなる触媒の存在下、水素で接触還
元することを特徴とする、一般式(I)
【0015】
【化6】
【0016】(式中、記号は前記と同じ意味を有す
る。)で示されるチエノイミダゾール誘導体の製法であ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の方法において用いられる
式(II)で示される化合物は、ラセミ体、光学活性体
のいずれであってもよいが、シス型の光学活性化合物、
すなわちイミダゾロン環とチオファン環がシス結合して
いる右旋性の光学活性体は、ビオチンの天然型光学活性
体であるd−ビオチンに効率よく導くことができる点で
有利である。
【0018】式(II)及びこれから製造される式
(I)で示されるチエノイミダゾール誘導体において、
1及びR2で示されるアシル基としては、アセチル基、
プロピオニル基、ブチリル基など炭素数2〜6の低級ア
ルカノイル基などが挙げられる。
【0019】R3で示されるアルコキシ基としては、メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基など
炭素数1〜6の低級アルコキシ基などが挙げられる。
【0020】式(II)及び式(I)で示されるチエノ
イミダゾール誘導体としては、R1及びR2がともにベン
ジル基である化合物が好ましい。さらに、R1及びR2
ともにベンジル基、R3が炭素数1〜6の低級アルコキ
シ基である化合物がとりわけ好ましい。
【0021】本発明において触媒として用いられる、パ
ラジウム、活性炭及びアミン類からなる触媒(以下、パ
ラジウム−活性炭−アミン触媒と称する。)は、パラジ
ウム化合物、活性炭及びアミン類を用いて、低級アルカ
ノール等の溶媒中もしくは水系で調製することができ
る。
【0022】アミン類としては、アミン若しくはそれら
の塩、アンモニア及びアンモニウム塩が挙げられる。ア
ミンとしてはピリジン、トリエチルアミン若しくはこれ
らの塩などが挙げられ、アンモニウム塩としては塩化ア
ンモニウム、酢酸アンモニウムなどが挙げられる。これ
らのうちアミンを用いることが好ましく、とりわけピリ
ジンが好ましい。
【0023】パラジウム化合物としては、塩化パラジウ
ム、酢酸パラジウムなどが挙げられる。これらのうち、
とりわけ塩化パラジウムが好ましい。
【0024】本発明において、アミン類として、ピリジ
ンを用いパラジウム化合物として塩化パラジウムを用い
た場合には、パラジウム、活性炭及びアミン類(ピリジ
ン)からなる複合物が好適に形成されるので好ましい。
【0025】パラジウム−活性炭−アミン触媒の調製に
使用するアミン類のモル量は、使用するパラジウム化合
物中のパラジウムのモル量の、通常1〜5倍の範囲、好
ましくは2〜3倍の範囲とすればよい。また、使用する
活性炭の重量は、通常、使用するパラジウム化合物中の
パラジウムの重量の、通常1〜30倍の範囲、好ましく
は8〜25倍の範囲とすればよい。このような量比で使
用した場合、パラジウム化合物中のパラジウム及びアミ
ン類のほとんどが活性炭との複合物を形成する。通常、
好適に複合物が形成された場合、触媒調製後の溶媒もし
くは水系には、残存するパラジウムは認められず、高価
なパラジウムを反応後に効率よく回収できる。
【0026】パラジウム−活性炭−アミン触媒の調製
は、例えば、溶媒中に、パラジウム化合物、活性炭及び
アミン類を添加、混合し、必要に応じて水素添加するこ
とによって実施できる。溶媒としては、例えば低級アル
カノール(メタノール、エタノール等)もしくは低級ア
ルカノールと水との混合溶媒を好適に用いることができ
る。
【0027】あるいは、パラジウム−活性炭−アミン触
媒の調製を水系で行う場合は、例えば、パラジウム化合
物及びアミン類を含む酸性水溶液に活性炭を添加、混合
し、加温した後、pHを弱酸性に調整する。さらにホル
マリンなどの還元剤を添加して加温する。加温の際、温
度は70℃〜95℃にて好適に実施できる。またpHは
8〜9に調製することにより好適に実施できる。
【0028】前記のようにして調整したパラジウム−活
性炭−アミン触媒は、低級アルカノールなどの溶媒や水
に不溶なので、上記のようにして調製した後、ろ過や遠
心分離により容易に分離できる。得られたパラジウム−
活性炭−アミン触媒は、そのまま接触還元反応に用いる
ことができる。
【0029】また、パラジウム−活性炭−アミン触媒の
調製は、前記のように溶媒中で容易に実施できるので、
接触還元と同一反応系内で実施することもできる。この
場合、反応系内に添加したパラジウム化合物及びアミン
類はその触媒の調製を同一系内で行う場合、調製を別途
行う場合よりも工程が短縮されるので有利である。
【0030】前記のようにして調製される本発明のパラ
ジウム−活性炭−アミン触媒のうち、活性炭の含有量は
複合物の重量当たり、通常80〜99%程度、好ましく
は95%である。パラジウムの含有量は、複合物中の活
性炭の重量当たり1〜20%、通常1〜10%、好まし
くは5%である。アミン類の含有量は、複合物中の活性
炭の重量当たり3〜12%、通常4〜8%好ましくは6
%である。
【0031】本発明の触媒において、アミン類が含有さ
れていることは、安全性向上と反応生成物の品質向上の
ために重要であり、触媒の発火性が低減される。また、
反応生成物(反応液)の色調は、活性炭の含有によっ
て、予期されるようにある程度良くなるが、アミン類が
含有されていることにより、さらに色調が良好となると
いう予期せぬ作用効果が得られる。
【0032】本発明の方法において、式(II)で示さ
れる化合物の接触還元反応は、式(II)で示される化
合物を含む溶媒に、前記のように調製したパラジウム−
活性炭−アミン触媒を添加し、ここに適当な圧で水素を
添加することにより実施できる。あるいは、パラジウム
−活性炭−アミン触媒の調製を同じ反応系で行う場合に
は、式(II)で示される化合物を含む溶媒に、パラジ
ウム化合物、活性炭及びアミン類を添加、混合し、ここ
に適当な圧で水素を添加することにより実施できる。
【0033】使用する溶媒としては、式(II)で示さ
れる化合物が溶解し得るもの、例えばアルコール類等が
好適に用いられる。このようなアルコール類としては、
メタノール、エタノール、2−プロパノールなどの低級
アルカノールが好ましく、とりわけメタノールが好まし
い。また、溶媒として、前記のようなアルコール類と水
との混合溶媒を用いてもよく、その場合、混合比率
(水:アルコール類)は特に限定されないが、通常、
0:1〜1:1の範囲で用いられる。このようにアルコ
ール類と水との混合溶媒を用いることができるので、活
性炭として、飛散が少なくて取扱いが容易な湿体のもの
を反応系に使用することができる。
【0034】接触還元に用いるパラジウム−活性炭−ア
ミン触媒の量は、パラジウムとしてのモル量が、原料化
合物(II)のモル量に対して、通常、0.05〜3
%、好ましくは、1.0〜2.0%とすればよい。
【0035】接触還元反応において、添加する水素の圧
力は、通常、1〜100kg/cm2、好ましくは、5
0〜100kg/cm2の範囲とすればよく、反応温度
は、通常、0〜150℃、好ましくは、50〜120℃
の範囲とすればよい。
【0036】反応終了後は、ろ過、遠心分離などにより
反応液から容易に、パラジウム−活性炭−アミン触媒を
分離、回収することができる。
【0037】本発明の方法において原料として用いられ
る式(II)で示される化合物は、特公昭53−272
79号等に記載された公知の方法により製造できる。ま
た、本発明の方法により製造されるチエノイミダゾール
誘導体(I)は、同文献などに記載された公知方法によ
り、ビオチンに変換することができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例をもって本発明をさらに詳しく
説明するが、これらの実施例は本発明を制限するもので
はない。
【0039】実施例1 シス−1,3−ジベンジル−4−(4−メトキシブチリ
デン)−ヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イ
ミダゾール−2−オン52gをメタノール85gに溶解
した後、これに、塩化パラジウム0.13g(原料化合
物に対して0.6モル%)、活性炭1.6g、及びピリ
ジン0.12gを添加し、水素圧80kg/cm2、8
0℃で30分間接触還元した。触媒をろ別した後、ろ液
を減圧濃縮し、残渣49gを生成物シス−1,3−ジベ
ンジル−4−(4−メトキシブチル)−ヘキサヒドロ−
1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−2−オンと
して得た。得られた生成物を液体クロマトグラフィー
(移動相:CH3CN/H2O,(9/11)、温度:40℃、波
長220nm)に供し、ピーク面積を測定した結果純度
は93%であった(生成率89%)。
【0040】実施例2 シス−1,3−ジベンジル−4−(4−メトキシブチリ
デン)−ヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イ
ミダゾール−2−オン52gをメタノール85gに溶解
した後、塩化パラジウム0.35g(1.6モル%)、
活性炭4.2g及びピリジン0.32gを添加し、水素
圧80kg/cm2、80℃で30分間接触還元した。
触媒をろ別した後、ろ液を減圧濃縮して生成物シス−
1,3−ジベンジル−4−(4−メトキシブチル)−ヘ
キサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール
−2−オン49gを黄色油状物として得た(純度95
%、生成率96%)。
【0041】この黄色油状物をイソプロピルアルコール
で再結晶化して生成物の無色結晶を得る。
【0042】実施例3 塩化パラジウム3.96g、35%塩酸12g、水21
gを含む溶液に、80℃で、ピリジン・塩酸塩13g及
び水42gを含む溶液を加えた。次いで、この溶液を、
水315g及び活性炭24gを含む懸濁液に加える。こ
の混合液に、35%水酸化ナトリウム水溶液を添加して
pH8.6〜9.0に調整した後、ホルマリン4.1g
を加えて90〜95℃で20分間反応させた。これを冷
却した後、遠心分離により、パラジウム−活性炭−ピリ
ジン触媒2.38gを得た。
【0043】実施例4 シス−1,3−ジベンジル−4−(4−メトキシブチリ
デン)−ヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イ
ミダゾール−2−オン103.8gをメタノール210
gに溶解した後、これに前記実施例3記載の方法により
調製したパラジウム−活性炭−ピリジン触媒0.42g
を添加し、水素圧80kg/cm2、80℃で30分間
接触還元した。触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮してシス
−1,3−ジベンジル−4−(4−メトキシブチル)−
ヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾー
ル−2−オン96.1gを赤褐色油状物として得た(収
率:92.1%)。
【0044】実施例5 シス−1,3−ジベンジル−4−(4−メトキシブチリ
デン)−ヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イ
ミダゾール−2−オン103.8gをメタノール140
gに溶解した後、これに塩化パラジウム0.7g(1.
5モル%)、ウエット活性炭(50%活性炭―50%
水)20g及びピリジン0.64gを加え、水素圧80
kg/cm2、80℃で30分間接触還元した。触媒を
ろ別した後、ろ液を減圧濃縮してのシス−1,3−ジベ
ンジル−4−(4−メトキシブチル)−ヘキサヒドロ−
1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−2−オン9
6.1kgを赤褐色油状物として得た(収率:92.1
%)。
【0045】実施例6 シス−1,3−ジベンジル−4−(4−メトキシブチリ
デン)−ヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イ
ミダゾール−2−オン52gをメタノール40mlに溶
かした後、酢酸パラジウム0.44g、ウエット活性炭
(50%活性炭―50%水)4.3g、ピリジン0.3
2g及びメタノール90mlを加え、水素圧80kg/
cm2の条件下、80℃で30分間接触還元した。触媒
をろ別した後、ろ液を減圧濃縮してシス−1,3−ジベ
ンジル−4−(4−メトキシブチル)−ヘキサヒドロ−
1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−2−オンを
黄色油状物として得た。
【0046】実験例1 前記、実施例2の反応終了液、活性炭かつ/又はアミン
類を無添加とした比較例の反応終了液を用いて活性炭及
びアミン類の添加の有無による生成物の色調などの違い
を観察した。比較例の反応は、実施例2に記載の方法に
準じて実施した。但し、比較例1では、活性炭とピリジ
ンを加えなかった。比較例2では、活性炭を加えなかっ
た。また、比較例3では、ピリジンを加えなかった。接
触還元後の反応液について、外観(色調)の観察及び透
過率(c=1,450nm)の測定を行った。その結
果、本発明の実施例2においては、活性炭又はアミンの
いずれかあるいは両者を無添加とした場合と比較して反
応液の外観(色調)は良好であり、透過率も高かった。
【0047】
【表1】
【0048】実験例2 実施例2の反応終了後に反応液からろ過により回収した
触媒(パラジウム−活性炭−ピリジン触媒)を用いて発
火性試験を行った。比較対照として、市販の5%パラジ
ウム−炭素(川崎ファインケミカル社製、商品名:5%
パラジウム炭素触媒)を用いた。測定は、加熱プレート
上で各触媒(0.3g〜0.4g)を加熱し、1分後、
2分後及び5分後にメタノールを滴下して発火するか否
かを調べた。その結果、パラジウム−活性炭−ピリジン
触媒は、加熱後1分後、2分後及び5分後のいずれにお
いても無発火であった。一方、5%パラジウム−炭素
は、加熱後1分後においてすでに有炎発火がみられた。
【0049】実験例3 メタノール100mlに、塩化パラジウム0.35g、
ウエット活性炭(50%活性炭―50%水)5g及びピ
リジン0.32gを加え、水素圧80kg/cm2の条
件下、80℃になるまで加熱し、ついでこれを50℃ま
で冷却した。触媒をろ別し、ろ液をの一部を採取し、上
澄み液中のパラジウム及びピリジンの溶解量を測定した
ところ両者ともに1ppm以下であった。このことから
添加した塩化パラジウム中のパラジウム及びピリジン
は、活性炭と不溶性の複合体を形成していることが確認
できた。
【0050】実験例4 シス−1,3−ジベンジル−4−(4−メトキシブチリ
デン)−ヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イ
ミダゾール−2−オン52gをメタノール85gに溶解
した後、これに5%パラジウム−炭素(川崎ファインケ
ミカル社製、商品名:5%パラジウム炭素触媒)4.2
g(1.6モル%)を用いて、水素圧80kg/c
2、80℃で30分間接触還元した。触媒をろ別した
後、ろ液を減圧濃縮してシス−1,3−ジベンジル−4
−(4−メトキシブチル)−ヘキサヒドロ−1H−チエ
ノ[3,4−d]イミダゾール−2−オン49gを黄色
油状物として得た(純度81%、生成率79.2%)。
目的物の純度及び生成率は、パラジウム−活性炭−ピリ
ジン触媒を用いる実施例1及び2のものと比べて明らか
に低い値であった。
【0051】
【発明の効果】本発明の方法は、効率的で、安全性に優
れたチエノイミダゾール誘導体の製法となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(II) 【化1】 (式中、R1及びR2は各々、水素原子、アシル基または
    ベンジル基を示し、R3は、アルコキシ基、ベンジルオ
    キシ基またはカルボキシル基を示し、nは2〜3の整数
    を示す。)で示される化合物を、溶媒中、パラジウム、
    活性炭およびアミン類からなる触媒の存在下、水素で接
    触還元することを特徴とする、一般式(I) 【化2】 (式中、記号は前記と同じ意味を有する。)で示される
    チエノイミダゾール誘導体の製法。
  2. 【請求項2】 R1及びR2がベンジル基である請求項1
    記載の製法。
  3. 【請求項3】 R1及びR2がベンジル基、R3が低級ア
    ルコキシ基である請求項1記載の製法。
  4. 【請求項4】 アミン類がアミンである請求項1〜3記
    載の製法。
  5. 【請求項5】 アミン類がピリジンである請求項1〜3
    記載の製法。
  6. 【請求項6】 溶媒が、アルコール類又はアルコール類
    と水との混合溶媒である請求項1〜5記載の製法。
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