JPH1124040A - プラズマアドレス型液晶表示装置の駆動装置 - Google Patents

プラズマアドレス型液晶表示装置の駆動装置

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JPH1124040A
JPH1124040A JP17595197A JP17595197A JPH1124040A JP H1124040 A JPH1124040 A JP H1124040A JP 17595197 A JP17595197 A JP 17595197A JP 17595197 A JP17595197 A JP 17595197A JP H1124040 A JPH1124040 A JP H1124040A
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JP
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liquid crystal
waveform
driving
voltage
plasma
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JP17595197A
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Susumu Tsuchida
進 土田
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コントラストが低下し難く、残留直流成分に
よる焼き付きが少なく、しかも、消費電力を低減するこ
とのできるプラズマアドレス型液晶表示装置の駆動装置
を得る。 【解決手段】 1水平周期毎に交互に反転及び非反転さ
れた映像信号電圧によって第1の走査電極群を駆動する
第1の駆動手段27、28と、プラズマ放電パルスによ
って第2の走査電極群を駆動する第2の駆動手段31、
32とを設けてなり、第2の駆動手段の電源電圧にコモ
ンアノード反転駆動電圧を印加し、そのコモンアノード
反転駆動電圧のデータ反転側の波形を、第1の駆動手段
によって最小輝度の映像信号電圧で第1の走査電極群を
駆動する場合の映像信号電圧の波形と同一もしくは相似
の形状に設定し、プラズマアドレス型液晶表示素子37
の駆動電圧の波形に正負両方向で非対称成分が生じない
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクティブマトリッ
クス方式により画像を形成するプラズマアドレス型液晶
表示素子を用いたプラズマアドレス型液晶表示装置の駆
動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近では、例えば家庭内で確保すること
ができる設置スペース等を考慮して、より迫力のある映
像を得るために、大型かつ薄型で構成されたテレビジョ
ン受像機、背面投射型プロジェクタ装置が普及してきて
いる。
【0003】これらテレビジョン受像機、背面投射型プ
ロジェクタ装置は技術進歩に伴い、過去のものと比較し
てかなりの薄型化を実現してきているが、テレビジョン
受像機の場合は例えばCRT ( Cathode Ray Tube ) の
奥行き、またプロジェクタ装置の場合は投射レンズを設
置する角度などの構成上の条件により薄型化には自ずか
ら限界がある。
【0004】また、TFT ( Thin Film Transistor )
液晶パネルによる表示装置は、上述のテレビジョン受像
機、プロジェクタ装置よりも薄型に構成できるが、大型
の表示装置とするためにはIC技術によって形成される
TFTの数量の増加によって、より高精度の製造技術が
要求されると共に、その製造の歩留まりが低下すること
により頗る高価になる。
【0005】そこで、テレビジョン受像機、プロジェク
タ装置と同等の大画面を形成するとともに、TFT液晶
パネルに匹敵する薄さを実現したプラズマアドレス型液
晶素子 ( Plasma Addressed Liquid Crystal)(以下、
その頭文字を取ってPALCと称することにする)を表
示部に用いた表示装置が提案されている。
【0006】このプラズマアドレス型液晶素子は、TF
T液晶パネルに匹敵する高輝度、高コントラストを実現
し得、しかも、PDP ( Plasma Display Panel ) の製
造技術によって大画面を実現することが可能になってい
る。
【0007】次に、図2及び図3を参照して、後述する
本発明の実施例においても使用されるPALCの構造に
ついて説明する。図2は、PALCを用いた液晶表示装
置の分解斜視図である。図3はPALCの構造の一部を
示す斜視図であり、一部分が断面的に示されている。図
2に示す如くPALC1はその背面に配置されるバック
ライト2から放射される光束をアクティブマトリックス
方式により選択的に透過させることによって、画像を形
成する透過型の表示素子としての構造を持っている。
【0008】図3に示す如くプラズマ基板(背面ガラ
ス)5には、隔壁(リブ)6、6、6・・・によって、
例えば水平方向に中空状に仕切られた一定間隔の走査溝
(切削により形成された走査溝も可能である)7、7、
7、・・・が形成されている。これらの走査溝7内に
は、それぞれが平行となるように、アノード電極8、
8、8、・・・及びカソード電極9、9、9、・・・が
対をなすように一定間隔に形成されている。つまり、こ
の走査溝7がPALC1の有効画面に相当する水平走査
線を構成することになり、走査線の数(例えば約480
本)だけ形成される。
【0009】隔壁6、6、6の前方に絶縁層を形成する
薄板ガラス基板10を配置することによって、走査溝
7、7、7・・・を密封することができ、その内部にプ
ラズマガスとして、例えばヘリウムガスなどの希ガス又
は希ガスの混合ガスが充填される。
【0010】また、カソード電極9には図示していない
プラズマ放電のドライバ回路から、例えば約ー300V
の負極性パルスの走査電圧が所定のタイミングで印加さ
れて(但し、アノード電極8には接地電位が与えられ
る)、後で詳しく説明するように、アノード電極8及び
カソード電極9間にプラズマ放電を起こさせるようにし
ている。
【0011】このプラズマ放電によって、走査溝7内で
はプラズマガスがイオン化し、このプラズマ粒子が完全
に消滅するまでの間、電気的導体(プラズマチャンネ
ル)が形成されて、スイッチング素子と同等の選択動作
(ストローブ)を行うようになる。
【0012】薄板ガラス(絶縁層)10の前方には、マ
トリックス状に画素を形成する液晶層(液晶表示素子)
11及び赤、緑、青の各色に対応したストライプ状の
赤、緑、青フィルタ部12R、12G、12Bからなる
カラーフィルタ(層)12、液層11の画素を駆動する
ストライプ状の赤、緑、青駆動電極13R、13G、1
3Bからなる透明電極(透明駆動電極)(層)(例え
ば、ITO〈Indium TinOxide: インジウム錫酸化物〉
薄膜)13が一定間隔に、走査溝7、7、7・・・と直
交するように配されて、その各直交部分が各画素となる
ように構成されている。
【0013】つまり、PALC1の透明駆動電極13
R、13G、13Bに、それぞれ1水平ライン分の映像
信号(データ)を供給すると共に走査溝7内のプラズマ
ガスを順次垂直方向に選択(ストローブ)して放電させ
ることにより、透明駆動電極13R、13G、13Bと
走査溝7が交差する画素の液晶に映像信号が印加され、
バックライト2から出射された光の透過率が各画素で異
なることによりカラー画像を表示することができる。
【0014】すなわち、図2に図示されているようにP
ALC1の入射側及び出射側にそれぞれ偏光フィルタ
3、4を配置することにより、PALC1で偏光された
光の透過量を制御することができ、通常のTFT液晶表
示素子と同様の原理でカラー画像を得ることができるよ
うになる。
【0015】次に、図4及び図5に従い、1フィールド
分の画像を形成するスイッチング動作について更にに詳
しく説明する。図4は図3に示したPALC1の一部分
を側面から模式的に示す図である。尚、プラズマチャン
ネルによるスイッチング動作を説明するために、図5A
には便宜上スイッチSWが図示されている。
【0016】前述したように、カソード電極9に例えば
−300Vのプラズマ発生用パルスを印加して(アノー
ド電極8には接地電位が与えられる)プラズマ放電させ
ると、走査溝7にプラズマチャンネルが形成されるが、
このプラズマチャンネルが仮想電極となり透明電極層1
3(赤、緑及び青駆動電極13R、13G、13B)と
アノード電極8との間に映像信号電圧が印加される。つ
まり、図示されているスイッチSWがONになる。
【0017】図4はプラズマチャンネルに対して、スイ
ッチSWで−300Vの電圧を印加したときに1ライン
目の走査溝7にプラズマガスが発生して、ストローブ
(1) がオンとなっている状態を示している。2ライン目
の走査溝7には未だプラズマガスが発生せず、ストロー
ブ(2) がオフのままである状態を示している。図4に図
示されているように、プラズマ放電によってプラズマチ
ャンネルが形成されると、走査溝7内は導通状態にな
り、これは図5Bに示されているように、等価的にはF
ET(Field-effect Transistor)スイッチング素子の動
作として説明することができる。
【0018】このプラズマチャンネルによるスイッチン
グ動作により、図4の薄板ガラス(基板)10の内面に
仮想電極が生じ、ここで、透明駆動電極13R、13
G、13Bに画素駆動用の映像信号電圧を印加すること
により、プラズマ放電中の走査溝7と駆動電極13R、
13G、13Bの交点となる液晶層11の各画素(1ラ
イン分)に駆動電圧が印加されるようになる。
【0019】したがって、プラズマ放電が順次走査溝7
(例えば、1ライン目〜480ライン目)内で発生する
ように走査し、たとえば1フィールドの画像を形成する
ことにより、1フィールド分の画像を表示することが可
能になる。
【0020】つまり、プラズマチャンネルによってどの
ラインの画像を形成するかを選択した後に、赤、緑及び
青駆動電極13R、13G、13Bにそのラインの画像
を形成するための駆動電圧を印加することで、1フィー
ルドを構成するラインの選択的な走査を実現している。
このとき、液晶層11を透過した光がカラーフィルタ1
2の赤、緑及び青フィルタ部R、12G、12Bを透過
することにより、カラー画像を表示することが可能にな
る。これにより、1ライン分の画素の駆動に同期して1
ライン目から480ライン目までのカソード電極に順次
駆動電圧を印加することで、1フィールド分の映像を形
成することができるようになる。
【0021】このような構造及び動作原理で画像を形成
することができるPALCを表示素子として表示装置を
構成することにより、薄型、軽量かつ大画面の表示装置
を構成することができるようになる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したP
ALCに画像を表示する場合、透明駆動電極13に映像
信号を供給するための駆動回路(コラムドライバIC)
の耐圧は現状では+60V程度のものしか実現出来ない
ために、正方向電源のみのコラムドライバを使用し、A
C駆動のための負側の反転電圧は、全てのアノード電極
を共通(コモン)の端子として、これを更に、ほぼ同一
の電圧を持つ矩形波で極性を反転させて駆動を行うよう
なコモンアノード反転駆動方式が採用されている。
【0023】この場合、消費電力を低減するために、こ
のコモンアノード反転駆動電圧を単純な矩形波で駆動し
た場合には、輝度が0IREと100IREの映像信号
の反転側駆動電圧で、不必要な負側のスパイク状の駆動
電圧成分を生じてしまう。したがって、プラズマ放電ガ
スのインピーダンスが無限大に戻るまでの時間(いわゆ
るディケイ時間)が20数μsec と長い場合には、この
反転側の不必要な負のスパイク状の駆動電圧を液晶に書
き込んでしまい、コントラストが低下するという問題が
あった。
【0024】また、コラムドライバの駆動能力が不十分
な状態で、例えばマゼンタ色のように1本の緑色用の駆
動電極(ITO)13Gに黒色を表示するための電圧を
印加した場合には、隣接駆動電極(ITO)との間の電
位差と容量成分により、非反転データ側のコラムドライ
バ出力の立ち下がり波形が鈍り、等価的に残留DC(直
流)成分が発生してしまうことになる。したがって、全
白画面のように隣接駆動電極(ITO)間の電位差の無
い映像信号を表示している場合と比較して、例えばマゼ
ンタ色などの表示の場合には液晶の焼き付きの問題が発
生する。これを解決するために、コラムドライバの出力
段のバイアス電流を増加させ、駆動能力を充分に上げる
ような対策が必要になるが、そのようにすると消費電力
が増大し、1つのコラムドライバICで32本などのよ
うに多数の駆動電極(ITO)を同時駆動する場合に
は、大きな放熱板が必要になるという不都合が生じる。
【0025】かかる点に鑑み、本発明は、液晶表示素子
の第1の面に配置されている第1の透明走査電極群と、
その液晶表示素子の第2の面に対向して配置され、第1
の走査電極群と直交する方向に複数形成されたプラズマ
放電チャンネルを形成する第2の走査電極群を備えたプ
ラズマアドレス型液晶表示装置において、コントラスト
が低下し難く、残留直流成分による焼き付きが少なく、
しかも、消費電力を低減することのできるプラズマアド
レス型液晶表示装置の駆動装置を提案しようとするもの
である。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明によるプラズマア
ドレス型液晶表示装置の駆動装置は、プラズマアドレス
型液晶表示素子の第1の面側に配置されている透明な第
1の走査電極群と、プラズマアドレス型液晶表示素子の
第2の面側に配置され、第1の走査電極群と直交して対
向するように配置された複数のプラズマ放電チャンネル
を形成するそれぞれアノード電極及びカソード電極の対
からなる第2の走査電極群とを備えたプラズマアドレス
型液晶表示装置において、1水平周期毎に交互に反転及
び非反転された映像信号電圧によって第1の走査電極群
を駆動する第1の駆動手段と、プラズマ放電パルスによ
って第2の走査電極群を駆動する第2の駆動手段とを設
けてなり、第2の駆動手段の電源電圧にコモンアノード
反転駆動電圧を印加し、そのコモンアノード反転駆動電
圧のデータ反転側の波形を、第1の駆動手段によって最
小輝度の映像信号電圧で第1の走査電極群を駆動する場
合の映像信号電圧の波形と同一もしくは相似の形状に設
定し、プラズマアドレス型液晶表示素子の駆動電圧の波
形に正負両方向で非対称成分が生じないようにしたもの
である。
【0027】かかる本発明によれば、第1の駆動手段に
よって、1水平周期毎に交互に反転及び非反転された映
像信号電圧で第1の走査電極群が駆動される。第2の駆
動手段によって、プラズマ放電パルスで第2の走査電極
群が駆動される。第2の駆動手段の電源電圧にコモンア
ノード反転駆動電圧が印加され、そのコモンアノード反
転駆動電圧のデータ反転側の波形が、第1の駆動手段に
よって最小輝度の映像信号電圧で第1の走査電極群を駆
動する場合の映像信号電圧の波形と同一もしくは相似の
形状に設定されて、プラズマアドレス型液晶表示素子の
駆動電圧の波形に正負両方向で非対称成分が生じないよ
うにする。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明のプラズマアドレス型液晶
表示装置の駆動回路は、プラズマアドレス型液晶表示素
子の第1の面側に配置されている透明な第1の走査電極
群と、プラズマアドレス型液晶表示素子の第2の面側に
配置され、第1の走査電極群と直交して対向するように
配置された複数のプラズマ放電チャンネルを形成するそ
れぞれアノード電極及びカソード電極の対からなる第2
の走査電極群とを備えたプラズマアドレス型液晶表示装
置において、下記の手段を設ける。
【0029】即ち、1水平周期毎に交互に反転及び非反
転された映像信号電圧によって第1の走査電極群を駆動
する第1の駆動手段と、プラズマ放電パルスによって第
2の走査電極群を駆動する第2の駆動手段とを設ける。
【0030】第2の駆動手段の電源電圧にコモンアノー
ド反転駆動電圧を印加し、そのコモンアノード反転駆動
電圧のデータ反転側の波形を、第1の駆動手段によって
最小輝度の映像信号電圧で第1の走査電極群を駆動する
場合の映像信号電圧の波形と同一もしくは相似の形状に
設定し、プラズマアドレス型液晶表示素子の駆動電圧の
波形に正負両方向で非対称成分が生じないようにする。
【0031】このため、ディケイ時間の長いプラズマア
ドレス型液晶表示素子に対して、焼き付き現象が改善さ
れ、コントラストが低下することのないプラズマアドレ
ス型液晶表示装置を得ることができる。
【0032】更に、第1の駆動手段は映像信号電圧を1
水平周期分ずつホールドするホールド回路及びそのホー
ルド回路によってホールドされた映像信号電圧をD/A
変換するチャージ及びホールド型D/A変換器を備え
る。そして、そのD/A変換器の出力段のバイアス電流
を、立ち下がり期間のみ所定量増加させると共に、定常
動作区間のバイアス電流を限界まで減らすようにする。
【0033】このため、第1の走査電極群の隣接電極間
容量に蓄積された逆相の駆動電圧の差分電荷を高速に充
放電させることが可能になり、又、立ち上がり区間のみ
バイアス電流を所定量増加させ、このときのみ波形の鈍
りが生ぜず、消費電力を大きく増大させることなく、プ
ラズマアドレス型液晶表示素子に対する駆動波形の対称
性を確保することができる。
【0034】〔実施例〕以下に、図面を参照して、本発
明の実施例を詳細に説明する。以下に、図1を参照し
て、本発明の実施例のプラズマアドレス型液晶表示素子
を備えた液晶表示装置の具体回路を詳細に説明する。図
1は、この実施例のプラズマアドレス型液晶表示素子を
用いた液晶表示装置の特に映像系の一部を示す回路ブロ
ック図である。尚、この図1のプラズマアドレス型液晶
表示素子37及びこれを用いた液晶表示装置の具体的な
構成の説明は、従来の技術のところで図2及び図3を用
いて行った説明を援用する。
【0035】図1において、NTSC (National Telev
ision System Committee) 復調部21の前段には、図示
を省略した、例えばNTSC方式のU/Vチューナ、B
Sチューナ等の放送受信手段と、例えばVTR等の外部
機器で再生された標準ビデオ信号を入力する1又は複数
の入力端子が設けられている。
【0036】そして、この放送受信手段で選択された標
準ビデオ信号及び1又は複数の入力手段から入力された
外部標準ビデオ信号が表示装置内で選択されて、NTS
C復調部21に供給される。
【0037】NTSC復調部21は、標準ビデオ信号を
輝度信号及び色差信号に復調し、その輝度信号及び色差
信号を倍速変換部22に供給する。また、この復調部2
1は、復調して得られた輝度信号から同期信号を抽出し
て、後述するLCD(LiquidCrystal Displey) コント
ローラ29に供給し、そのLCDコントローラ29にお
いて以下に説明する各機能回路の動作クロックを生成し
て、各種信号処理の同期をとるようにしている。
【0038】倍速変換部22内には1フレーム分の映像
信号(輝度信号及び色差信号)を格納することができる
フレームメモリが設けられており、このフレームメモリ
を利用して動き成分検出を行う。そして、このフレーム
に書き込まれた映像信号の静止画領域ではその時点のフ
ィールド及び1フィールド前の1水平期間の映像信号が
書き込み時の倍の速度で2回連続して読み出されること
になる。
【0039】また、このフレームに書き込まれた映像信
号の動画領域ではその時点のフィールド情報の1水平期
間の映像信号と、その上下の1水平期間の映像信号によ
る内挿補間処理で生成された補間映像信号が倍速で読み
出され、525H/60Hzのノンインターレース信号
に変換される。
【0040】倍速処理が施された映像信号は映像信号処
理部23において、カラー調整、ヒュー調整等を受けた
後に、逆マトリックス処理により赤色、緑色及び青色の
各原色信号が生成される。この映像信号処理部23で生
成された各原色信号は、それぞれ8ビットの量子化精度
を有しているA/D変換器24でディジタルの赤色、緑
色及び青色映像データV8bに変換される。その各原色
映像データV8bはさらに誤差拡散処理部25で、それ
ぞれ等価的に8ビット相当の精度を持つ7ビットの赤
色、緑色及び青色映像データV7bに変換される。
【0041】この誤差拡散処理部25よりの赤色、緑色
及び青色映像データV7bは、ホワイトバランス調整部
26でホワイトバランス処理が施された後に液晶コラム
ドライバ27に供給される。
【0042】液晶コラムドライバ27は、1水平期間
(例えば854画素)の映像データ、すなわち854画
素×3チャンネル(赤色、緑色、青色)即ち2562画
素の映像データV7bをラッチし、画素毎の映像データ
V7bを1水平期間ホールドする。そして後述するプラ
ズマドライバ32によって所定の走査溝7(図3)でプ
ラズマ放電を発生させた時に1水平ライン毎に読み出さ
れ、さらにD/A変換器28でアナログ信号に変換され
てそれぞれPALC(プラズマアドレス型液晶表示素
子)37(1)の透明駆動電極(ITO)13(赤、
緑、青駆動電極13R、13G、13B)(図3)に印
加される。
【0043】LCDコントローラ29は例えば5Vの電
源で動作するように構成され、NTSC復調部21から
の同期信号に基づいて生成された動作クロックを基にし
て、ランプ波形発生部30を駆動するカウントクロッ
ク、アノード反転駆動回路31を駆動するアノード反転
パルス及びプラズマドライバ32を駆動して走査溝7
(水平ライン)毎にプラズマ放電させるためのプラズマ
パルスを生成する。
【0044】LCDコントローラ29からのカウントク
ロックはランプ波形発生部30に給されるが、ここで得
られたランプ波形は、後述するチャージ及びホールド型
D/A変換方式を用いた液晶コラムドライバ27に供給
されて、PALC37(1)の透明コラム電極13を駆
動する。
【0045】図1に示したプラズマドライバ32は、本
実施例ではNTSC方式の画面を構成する約480ライ
ン相当の水平走査線、すなわち図5に示すようにPAL
C37(1)に形成されている走査溝7を順次選択して
プラズマパルスを供給し、カソード電極9に印加されて
いる約−300Vの電源電圧によってプラズマ放電を発
生させる。
【0046】すなわち、液晶コラムドライバ27に入力
された倍速の映像データV7bに同期して、走査溝7、
7、7・・を、例えば上方から下方に順次プラズマ放電
させその放電状態をフィールド毎に繰り返すことで、上
述した映像データに応じてPALC37(1)を駆動す
ることができるようになる。これによって、入力したビ
デオ信号を映像として映し出すことができるようにな
る。
【0047】バックライト36(2)は、図2にように
PALC37(1)を背面側から照明する光源として配
置され、ここで出射される光束がPALC37(1)の
所定の画素を透過することで、表示画像が形成される。
また、このバックライト36(2)の明るさを調整する
ことによってピクチャー調整を行うことが出来る。
【0048】マイコン制御部34はユーザが操作部33
から入力する指令に従い、上述した各チューナの選局や
画像調整、また電源オン/オフなどの各種制御を行う。
尚、図1ではこのマイコン制御部34による制御対象と
マイコン制御部34との間を破線で結んでいる。
【0049】次に図6を参照してプラズマ(放電)ドラ
イバ32について詳しく説明する。この図6にはPAL
C37(1)のアノード電極8及びカソード電極9も図
示されている。プラズマドライバ32には、プラズマ電
源Epよりの例えば約ー300Vの電圧が用いられてお
り、この電圧が各ライン(例えば1ライン目L1から4
80ライン目L480:有効走査線数)のカソード電極
9(1)、9(2)、・・・、9(480)に、スイッ
チング手段及び電流源を通じて印加される。そしてカソ
ード電極9(1)〜9(480)はプラズマ放電用のス
イッチング素子として配置されている、例えばNMOS
( N channel MOS) トランジスタTr(1)、Tr
(2)、・・・、Tr(480)のドレインに接続され
ている。
【0050】NMOSトランジスタTr(1)〜Tr
(480)のソース電極は共通に接続され、さらに例え
ば約100mAの電流源Siを通じてプラズマ電源Ep
の負極に接続されており、プラズマ放電時の電流が一定
となるように制御されて、安定したプラズマ放電が行わ
れるようにしている。カソード電極9(1)、9
(2)、・・・、9(480)にそれぞれ対応するアノ
ード電極8(1)、8(2)、・・・、8(480)
は、共通にプラズマ電源Epの正極に接続されている。
また、NMOSトランジスタTr(1)〜Tr(48
0)のゲート電極には、LCDコントローラ29から供
給される例えば約10μsec の正極性パルス(プラズマ
放電パルス)が1ライン毎に順次印加される。
【0051】NMOSトランジスタTr(1)〜Tr
(480)のゲート電極にLCDコントローラ29から
のプラズマパルスが順次に印加されると、始めに例えば
1ライン目L1に網掛模様で示されているようにアノー
ド電極8(1)、カソード電極9(1)間でプラズマ放
電が起こり、その後、1ライン分の画素信号に同期して
1ライン目L1から480ライン目L480までのカソ
ード電極9(1)〜9(480)に順次プラズマパルス
を印加することで、1フィールド分の映像を形成するこ
とができるようになる。
【0052】次に図7を参照してPALC1に供給する
映像駆動信号(書込み映像データ)及びプラズマ放電パ
ルスの位相関係を説明する。1ライン分の走査期間が例
えば32μsec である場合、図7Bに示されてているタ
イミングで、例えば1ライン目L1に対応したNMOS
トランジスタTr(1)のゲート電極に10μsec 幅の
正極性のプラズマパルス電圧を印加すると、図7Cに示
すように1ライン目L1に対応したカソード電極9
(1)には電圧が−300Vで10μsec 幅の負極性パ
ルス電圧が印加されて、最初の走査溝7でプラズマ放電
が発生する。この走査溝7がプラズマ放電している状態
で、図7Aに示されている各画素毎でサンプルホールド
された最大60Vの映像信号を例えば約20μsec の間
持続して駆動電極(ITO)13に印加することによ
り、1ライン分の映像信号をPALC37(1)(図
1)に書き込むことが出来るようになる。
【0053】そして、続く2ライン目L2では図7Dに
示されているようにNMOSトランジスタTr(2)の
ゲート電極に10μsec 幅の正極性のプラズマパルス電
圧を印加すると、図7Eに示すように2ライン目L2に
対応したカソード電極9(2)には電圧が−300Vで
10μsec 幅の負極性パルス電圧が印加されて、次の走
査溝7でプラズマ放電が発生する。この走査溝7がプラ
ズマ放電している状態で、図7Aに示されているよう
に、各画素毎でサンプルホールドし、最大60Vの2ラ
イン目の映像信号の反転データを例えば約20μsec の
間持続して駆動電極(ITO)13に印加する。このよ
うに最初のフィールドで、奇数ライン、偶数ライン毎に
交互に反転駆動を行い、次のフィールドで更にそれを逆
相で交互に反転駆動することにより、PALC37
(1)の交流駆動を実現し、直流電圧を継続的に印加す
ることによる液晶分子の劣化を防止するようにしてい
る。
【0054】このようなタイミングで、480ライン分
の映像信号を順次PALC37(1)に書き込むこと
で、1フィールド分の画像を形成して表示することがで
きるようになる。
【0055】図8、9に映像データのホールドを行うた
めの、液晶コラムドライバ27に付随するチャージ及び
ホールド型のD/A変換器28の回路構成とその動作波
形をそれぞれ示し、以下これらについて説明する。液晶
コラムドライバ27における1ライン分の映像信号を画
素毎に順次記憶するシフトレジスタ(図示せず)は、最
後の映像データを取り込むと同時に、その映像データを
D/A変換器の1ラインの画素数分だけ用意された映像
データラッチ回路41に転送する。その次に128クロ
ック分のアップダウンカウント回路42のデータと映像
データラッチ回路41の映像データとが、コンパレータ
回路43において比較され、データが一致するまでの
間、NMOSトランジスタ(Q1)45をON状態とし
て、チャージコンデンサ(CH)44にランプ波形電圧
VRを充電させる。尚、このトランジスタ(Q1)45
のドレイン及びソース間にダイオード(D1)46が接
続されている。図9に示すように、例えば映像データが
125のときには、126個目のカウントクロックにな
るまで、チャージコンデンサ(CH)44にランプ波形
電圧(VR)をチャージし、図9Cのコンパレータ出力
がローになった瞬間のチャージコンデンサ(CH)44
の電圧をホールドする。すなわちチャージ及びホールド
型D/A変換の動作が行われる。
【0056】そのD/A変換された電圧はバッファ出力
段を構成するNMOSトランジスタ(Q5)50、(Q
6)51により低出力インピーダンス化されて各コラム
駆動電極(ITO)13に出力される。この出力段(Q
5)50、(Q6)51と同等のPMOSトランジスタ
(Q7)52に流れる定常的なバイアス電流を、電流検
出抵抗器(20KΩ)53によって電圧値に変換し、こ
の電圧をこれが常に1Vになるように、1Vにバイアス
されたOPアンプ54を介して、NMOSトランジスタ
(Q2)47、PMOSトランジスタ(Q3)48及び
NMOSトランジスタ(Q4)49で構成されるカレン
トミラー回路部CMのトランジスタ(Q4)49のゲー
ト電極にフィードバックされて、出力段のバイアス電流
の制御が行われる。VDDはドレイン電源である。
【0057】例えば、上述の20KΩの電流検出抵抗器
53に流れる電流が50μAであれば、1Vの検出電圧
が得られてフィードバックループが安定状態になるの
で、出力段のバイアス電流は50μAに安定化されるこ
とになる。
【0058】ところで、駆動電極13を±60Vの映像
信号で直接駆動を行う場合には、約120Vppの駆動
波形が必要となり、D/A変換器の半導体プロセスが高
価なものになるという問題も含めて、更に消費電力が大
幅に増大するという問題が生じる。このため一般的に
は、コモンアノード反転駆動方式が用いられている。図
10及び図11にその動作原理の波形を示し、これらの
図を参照してコモンアノード反転駆動方式を説明する。
【0059】このコモンアノード反転駆動方式は、例え
ば輝度が0IREの±60Vの黒信号の書き込みの場合
には、最初のラインで図10Aに示すように正極性側で
は60Vの映像信号(ITO駆動電圧)を直接駆動電極
(ITO)13に印加すると共に、図10Bに示すよう
に同時にコモン電極(PALCの場合には、共通アノー
ド電極に相当)に0Vの電圧を印加する。次のラインで
は、反転駆動のためにこれを反転した−60Vの黒信号
の書き込みを行う必要があるが、まず図10Aに示すよ
うに映像信号を中点電位の30Vラインで反転した0V
の映像信号に変換してから駆動電極(ITO)13にに
印加する。同時にこの反転信号が加えられている時に
は、図10Bに示すようにコモンアノード電極に+60
Vの電圧を印加する。すなわちコモンアノードの電極電
位を基準として考えた場合、図11に示すように相対的
に±60Vの駆動波形となり、図7で説明した±60V
ppの直接駆動を行っていることと等価になる。
【0060】次に同じくコモンアノード駆動方式によ
り、輝度が100IREの白色信号を駆動する場合を図
12を参照して考えてみる。図12Aに示すように非反
転側映像データでは0Vの、反転側では60Vの駆動電
圧が駆動電極(ITO)13に印加されている。図12
Bはこのとときのアノード駆動電圧を示す。前述のよう
にアノード駆動波形を完全な矩形波として印加した場
合、このアノード電位を基準とした液晶駆動波形は図1
3に示すように、非反転側(正側)は0Vが正しく印加
されているが、反転側(負側)には非対称で望ましくな
い負電圧が印加されてしまうという問題が発生する。
【0061】これは、プラズマ放電終了後のイオン化し
たプラズマガスのインピーダンスが完全に無限大になる
までに約20数μsを要している場合には、反転信号印
加時の最初の区間に、この電圧成分が若干液晶に書き込
まれて、白信号が黒側に引き込まれたりするという動作
になる。したがって表示映像のコントラストを低下させ
るという好ましくない問題となる。同時に、非対称の残
留DC成分による焼き付き現象も問題になる。
【0062】そこで、本発明の実施例では図14に示す
ようにこのアノード駆動用の矩形波の代わりに、輝度0
IREの場合の駆動電極13に印加する駆動電圧の非反
転側の駆動波形と同一もしくは相似の駆動波形を、アノ
ード電極用の反転電圧駆動側に印加するものである。す
なわち、図14Bに示すように、反転側のアノード駆動
波形を、図14Aに示す非反転側の駆動電極13に印加
する駆動電圧(ITO)の波形と同一の波形にすること
により、アノード電圧を基準にした輝度が0IREの場
合の液晶の駆動電圧は、図15のように正負両方向で対
称の波形になる。
【0063】同様に、輝度が100IREの場合には、
図16Aに示すように駆動電極13に印加する駆動電圧
の非反転データ側は0Vの駆動波形であり、反転データ
側は60Vの駆動波形であるが、図16Bに示すように
アノード駆動波形もこれと同一波形であるため、図13
で問題となった負側の不必要なスパイク波形が無くな
り、図16Cに示すように正負両方向で対称な波形が得
られる。これにより、従来プラズマガスの放電終了後の
インピーダンスが完全に無限大になるまでに、約20数
μsを要していたことによる、不要なスパイク状の黒信
号の書き込みが無くなり、白信号の書き込み効率が改善
される。
【0064】ところで、図8で示すようにD/A変換器
の終段部すなわちバッファ出力段(NMOSトランジス
タ)(Q5)50、(Q6)51のバイアス電流が50
μAであるとすると、出力部の最大吸い込み電流は、そ
の約30倍の1.5mA程度になるが、マゼンタ色表示
の場合のように、1本の緑色用の駆動電極(ITO)1
3G(図3)のみを黒信号により逆相で駆動する場合を
考えてみる。例えば、駆動を行う隣接駆動電極(IT
O)間容量が約100pFとすると、1本の駆動電極
(ITO)の黒表示のために、駆動電圧の60Vを2μ
s区間で0Vに引き下げるには、i=C×dV/dtの
関係より、100pFx60V/2μs=3mAの最大
吸い込み電流が必要になる。
【0065】従って、バイアス電流を50μAと低めに
設定して、吸い込み電流をその半分の1.5mAとした
場合、60Vからの立ち下がり時間は4μs必要なこと
になり、例えばマゼンタ色を全体に表示している場合の
緑色は、輝度が0IREの黒信号の表示になるので、駆
動出力波形は図17に示すように、立ち下がり区間が点
線表示の2μsから実線表示の4μsに鈍ることにな
る。この鈍りは図18のように正側の駆動波形のみに発
生するため、斜め線領域として表示された面積を、1周
期全体(2H区間)の時間で割った平均DC電圧の約
0.94Vが、非対称駆動電圧として液晶に印加されて
しまうという問題になる。
【0066】そこで、本発明の実施例では図20のチャ
ージ及びホールド型D/A変換器において、図19Bに
示す如くバイアス電流帰還用のOPアンプ54の基準電
圧を、定常動作時は1Vにし、急峻な応答速度を要求さ
れる出力波形の立ち下がり区間に、例えば約2倍即ち2
Vのパルス状の直流電圧にして、出力段{NMOSトラ
ンジスタ(Q5)50、(Q6)51}に約2倍のバイ
アス電流をダイナミックに流すようにして、終段部の吸
い込み電流能力を2倍に上げることにより、消費電力を
大幅に上昇させることなく、図19Aに示す如く駆動波
形の立ち下がり区間を半分に改善している。尚、図20
のD/A変換器では、図8における映像データラッチ回
路41、アップダウンカウンタ回路42、コンパレータ
回路43、NMOSトランジスタ(Q1)45、ダイオ
ード(D1)46及びチャージコンデンサ44の図示を
省略しているが、かかる回路も図20の回路に含まれ
る。また、異なるD/A変換方式、例えば並列型D/A
変換器のように、立ち上がり区間にも急峻な出力波形が
必要とされる場合には、立ち上がり区間にもこのような
パルスを重畳することにより同様の波形が得られる。
【0067】また、これと同じ効果は、例えば図20の
ように、検出抵抗器53に抵抗器53と同一抵抗値の抵
抗器53′をスイッチ(SW)55を通じて並列に接続
して、検出抵抗器53の抵抗値を約半分の10KΩに切
り替えることによっても実現でき、同様にバイアス電流
が2倍に増加することにより、急峻な立ち上がり、また
は立ち下がり波形が得られる。
【0068】これにより、引き込み電流が約3mAに改
善されるので、隣接駆動電極(ITO)間容量を100
pFとしても2μsの立ち下がり区間に素早くグランド
電位に戻すことが出来、波形の鈍りによる非対称駆動電
圧成分の問題を解決することが可能になる。この実施例
では駆動電極(ITO)間容量が大きくなる大型平面デ
ィスプレイでは、消費電力を低く抑えるための重要な技
術になる。
【0069】この実施例では、液晶のAC駆動を行うた
めの、コモンアノード駆動電圧の反転データ側の駆動波
形を、輝度が0IREの非反転側のコラムドライバIC
の駆動波形と相似のものに置き換えることにより、非反
転側と反転側の駆動電圧が同一の波形となり、対称性の
優れた正負の駆動波形を得ることが可能になる。したが
って、ディケイ時間の長いPALCに対しても、コント
ラストが低下することのない、PALCを用いた液晶表
示装置を構成出来る。
【0070】また、コラムドライバの駆動波形の立ち上
がりと立ち下がり区間のみの駆動回路の出力段のバイア
ス電流を所定量増加させるようなバイアス電流のスイッ
チング回路を設けることにより、隣接駆動電極(IT
O)間容量に蓄えられた逆相の駆動電圧の差分電荷を高
速に充放電させることが可能になる。
【0071】このような構成によれば、コラム駆動電極
(ITO)の容量成分としては、対角線長が25インチ
のクラスのパネルでは一般的に数100pFの容量が存
在するため、この容量成分の放電時にはコラムドライバ
の出力段の下側トランジスタに大きな電流が流れるが、
バイアス電流が充分でないと立ち下がり波形が鈍ってし
まう。この波形の鈍りは駆動波形の非対称性成分とな
り、この平均的な残留DC成分による液晶の焼き付き現
象が問題となる。したがって、大きなバイアス電流が必
要となり、常にこの電流を流しておくことにすると、大
きな消費電力が必要になるが、立ち下がり区間のみバイ
アス電流を数倍に増加させ、この時のみ波形の鈍りが生
じないようにすれば、消費電力を大きく増大させること
無く、駆動波形の対称性を確保できるようになる。
【0072】上述の実施例によれば、対称性の優れた駆
動波形により液晶のAC駆動が行われ、焼き付き現象と
コントラスト低下問題の少ない、低コストかつ高性能の
プラズマアドレス型液晶表示装置を構成することがで
き、更にコラムドライバICの消費電力を1/2程度に
低減することが実現できる。
【0073】
【発明の効果】上述せる本発明によれば、プラズマアド
レス型液晶表示素子の第1の面側に配置されている透明
な第1の走査電極群と、プラズマアドレス型液晶表示素
子の第2の面側に配置され、第1の走査電極群と直交し
て対向するように配置された複数のプラズマ放電チャン
ネルを形成するそれぞれアノード電極及びカソード電極
の対からなる第2の走査電極群とを備えたプラズマアド
レス型液晶表示装置において、1水平周期毎に交互に反
転及び非反転された映像信号電圧によって第1の走査電
極群を駆動する第1の駆動手段と、プラズマ放電パルス
によって第2の走査電極群を駆動する第2の駆動手段と
を設けてなり、第2の駆動手段の電源電圧にコモンアノ
ード反転駆動電圧を印加し、そのコモンアノード反転駆
動電圧のデータ反転側の波形を、第1の駆動手段によっ
て最小輝度の映像信号電圧で第1の走査電極群を駆動す
る場合の映像信号電圧の波形と同一もしくは相似の形状
に設定し、プラズマアドレス型液晶表示素子の駆動電圧
の波形に正負両方向で非対称成分が生じないようにした
ので、コントラストが低下し難く、残留直流成分による
焼き付きが少なく、しかも、消費電力を低減することの
できるプラズマアドレス型液晶表示装置の駆動装置を提
案しようとするものである。
【0074】上述せる本発明によれば、プラズマアドレ
ス型液晶表示素子の第1の面側に配置されている透明な
第1の走査電極群と、プラズマアドレス型液晶表示素子
の第2の面側に配置され、第1の走査電極群と直交して
対向するように配置された複数のプラズマ放電チャンネ
ルを形成するそれぞれアノード電極及びカソード電極の
対からなる第2の走査電極群とを備えたプラズマアドレ
ス型液晶表示装置において、1水平周期毎に交互に反転
及び非反転された映像信号電圧によって第1の走査電極
群を駆動する第1の駆動手段と、プラズマ放電パルスに
よって第2の走査電極群を駆動する第2の駆動手段とを
設けてなり、第2の駆動手段の電源電圧にコモンアノー
ド反転駆動電圧を印加し、そのコモンアノード反転駆動
電圧のデータ反転側の波形を、第1の駆動手段によって
最小輝度の映像信号電圧で第1の走査電極群を駆動する
場合の映像信号電圧の波形と同一もしくは相似の形状に
設定し、プラズマアドレス型液晶表示素子の駆動電圧の
波形に正負両方向で非対称成分が生じないようにする共
に、第1の駆動手段は上記映像信号電圧を1水平周期分
ずつホールドするホールド回路及びそのホールド回路に
よってホールドされた映像信号電圧をD/A変換するチ
ャージ及びホールド型D/A変換器を備え、そのD/A
変換器の出力段のバイアス電流を、立ち下がり期間のみ
所定量増加させると共に、定常動作区間のバイアス電流
を限界まで減らすようにしたので、コントラストが低下
し難く、残留直流成分による焼き付きが少なく、消費電
力を低減することができ、しかも、消費電力を大きく増
大させること無く、駆動波形の対称性を確保することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のプラズマアドレス型液晶表示
装置の駆動回路を示すブロック線図である。
【図2】実施例で使用するプラズマアドレス型液晶表示
装置を示す分解斜視図である。
【図3】実施例で使用するプラズマアドレス型液晶表示
素子を示す一部を切り欠いた斜視図である。
【図4】プラズマ放電によるプラズマチャンネルの発生
の説明のためのプラズマアドレス型液晶表示素子を示す
一部を切り欠いた斜視図である。
【図5】A プラズマチャンネルを示す回路図である。 B そのプラズマチャンネルの等価回路を示す回路図で
ある。
【図6】実施例で用いられるプラズマ放電ドライバの回
路を示す回路図である。
【図7】液晶表示素子への書き込み映像データとプラズ
マ放電パルスの位相関係を示す図タイミングチャートで
ある。 A D/A変換された映像出力データを示す波形図であ
る。 B 1ライン目のNMOSトランジスタのゲート電圧を
示す波形図である。 C 1ライン目のカソード波形を示す波形図である。 D 2ライン目のNMOSトランジスタのゲート電圧を
示す波形図である。 E 2ライン目のNMOSトランジスタのカソード電圧
を示す波形図である。
【図8】実施例に用いられるチャージ&ホールド型D/
A変換器を示す回路図である。
【図9】映像データが125のときのD/A変換器の動
作時のタイミングチャートである。 A カウントクロックを示す波形図である。 B D/A変換出力を示す波形図である。 C コンパレータ出力を示す波形図である。
【図10】コモンアノード反転駆動方式の動作原理を示
すタイミングチャートで、輝度が0IREの場合の実際
の駆動波形を示す図である。 A ITO駆動電圧の波形である。 B アノード反転駆動電圧の波形である。
【図11】コモンアノード反転駆動方式の動作原理を示
すタイミングチャートで、アノード電位を基準にしあ場
合の液晶駆動電圧波形を示す図である。 A 輝度が0IREの場合の実際の駆動波形を示す図で
ある。 B アノード電位を基準にした場合の液晶駆動電圧波形
を示す図である。
【図12】従来のシステムにおける輝度が100IRE
の場合の駆動波形を示すタイミングチャートである。 A ITO駆動電圧波形を示す図である。 B 非反転データ側アノード駆動電圧の波形を示す図で
ある。
【図13】アノード電位を基準にした場合の液晶に印加
される駆動電圧波形を示す図である。
【図14】実施例による輝度が0IREの場合の駆動波
形を示すタイミングチャートである。 A ITO駆動電圧の波形を示す図である。 B 非反転側アノード駆動電圧の波形を示す図である。
【図15】アノード電位を基準にした実際の液晶に印加
される駆動電圧波形を示す図である。
【図16】実施例における輝度100IREの信号の場
合における駆動波形を示すタイミングチャートである。 A ITO駆動電圧の波形を示す図である。 B 非反転側アノード駆動電圧の波形を示す図である。 C
【図17】従来システムにおけるコラム電極駆動波形の
立ち下がり区間の鈍りとしての、バイアス電流50μA
時の輝度が0IRE信号のITO駆動電圧の波形を示す
図である。
【図18】従来システムにおけるコラム電極駆動波形の
立ち下がり区間の鈍りによる非対称残留DC成分として
の、アノード電位を基準にした液晶の駆動電圧の波形を
示す図である。
【図19】実施例におけるバイアス電圧増加による動作
を示し波形図である。
【図20】実施例における検出抵抗におけるバイアス電
流増加回路を示す図である。
【符号の説明】
1 PALC液晶表示素子、2 バックライト、3、4
偏光フィルタ、5プラズマ基板(背面ガラス)、6
隔壁(リブ)、7 走査溝(プラズマチャンネル)、8
アノード電極、9 カソード電極、10 絶縁層(薄
板ガラス)、11 液晶層、12 カラーフィルタ、1
3 透明電極(ITO薄膜)、14前面ガラス、21
NTSC復調部、22 フレーム倍速変換回路、23
映像信号処理回路、24 A/D変換器、25 誤差拡
散処理部、26 ホワイトバランス調整回路、27 液
晶コラムドライバ、28 D/A変換器、29 LCD
コントローラ、30 ランプ波形発生回路、31 アノ
ード反転駆動回路、32 プラズマドライバ、33 操
作部、34 マイコン制御部、35 電源回路、36
バックライトピクチャー調整回路、37 プラズマアド
レス型液晶表示素子(PALC)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマアドレス型液晶表示素子の第1
    の面側に配置されている透明な第1の走査電極群と、 上記プラズマアドレス型液晶表示素子の第2の面側に配
    置され、上記第1の走査電極群と直交して対向するよう
    に配置された複数のプラズマ放電チャンネルを形成する
    それぞれアノード電極及びカソード電極の対からなる第
    2の走査電極群とを備えたプラズマアドレス型液晶表示
    装置において、 1水平周期毎に交互に反転及び非反転された映像信号電
    圧によって上記第1の走査電極群を駆動する第1の駆動
    手段と、 プラズマ放電パルスによって上記第2の走査電極群を駆
    動する第2の駆動手段とを設けてなり、 上記第2の駆動手段の電源電圧にコモンアノード反転駆
    動電圧を印加し、該コモンアノード反転駆動電圧のデー
    タ反転側の波形を、上記第1の駆動手段によって最小輝
    度の上記映像信号電圧で上記第1の走査電極群を駆動す
    る場合の映像信号電圧の波形と同一もしくは相似の形状
    に設定し、上記プラズマアドレス型液晶表示素子の駆動
    電圧の波形に正負両方向で非対称成分が生じないように
    したことを特徴とするプラズマアドレス型液晶駆動回
    路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプラズマアドレス型液
    晶駆動回路において、 上記第1の駆動手段は上記映像信号電圧を1水平周期分
    ずつホールドするホールド回路及び該ホールド回路によ
    ってホールドされた上記映像信号電圧をD/A変換する
    チャージ及びホールド型D/A変換器を備え、 該D/A変換器の出力段のバイアス電流を、立ち下がり
    期間のみ所定量増加させると共に、定常動作区間のバイ
    アス電流を限界まで減らすようにしたことを特徴とする
    プラズマアドレス型液晶駆動回路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002215116A (ja) * 2001-01-23 2002-07-31 Sony Corp 液晶表示装置及びその駆動方法

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JP2002215116A (ja) * 2001-01-23 2002-07-31 Sony Corp 液晶表示装置及びその駆動方法

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