JPH11240399A - 自動車用プラスチック製バンパの加工装置 - Google Patents

自動車用プラスチック製バンパの加工装置

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JPH11240399A
JPH11240399A JP10045585A JP4558598A JPH11240399A JP H11240399 A JPH11240399 A JP H11240399A JP 10045585 A JP10045585 A JP 10045585A JP 4558598 A JP4558598 A JP 4558598A JP H11240399 A JPH11240399 A JP H11240399A
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NAKATANI KOUUN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汎用性と経済性とを兼ね備えた自動車用プラ
スチック製バンパの孔開け又は切除作業用の加工装置を
開発する。 【解決手段】 塗装済、組立前の自動車用プラスチック
製バンパに異なる仕様の孔開け又は切除加工を施す装置
であって、搬入ライン2からバンパ1を受け取って一定
数のバンパ1を確保する搬入搬出部3と、前記搬入搬出
部3と後記支持台5との間でバンパ1を受け渡す受渡部
4と、バンパ1を保持する2基以上の支持台5,5と、
各支持台5から略等距離の位置に配設し、バンパ1の種
類及び仕様別のプログラミングに従って各支持台5に保
持したバンパ1の孔開け又は切除加工を実施する1基以
上のレーザ加工機6,6とから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多種多様な自動車
用プラスチック製バンパに対し、バンパの種類別又は仕
様別の孔開け又は切除加工(切除加工には、不要部位を
切り除くほか、バンパに切れ込みを加える加工を含む)
を正確かつ迅速に施す加工装置に関する。
【0002】なお、実際の自動車用バンパは、化粧メン
バ(プラスチックカバー)で強度メンバ(バンパ補強材)を
覆う形態になっているが、一般にプラスチックカバーを
「バンパ」と呼称する。本発明では、前記プラスチックカ
バーを自動車用プラスチック製バンパ、又は略してバン
パと呼ぶことにする。
【0003】
【従来の技術】自動車は、同一車種であってもグレード
や仕様に合わせて内外の装備品が異なり、自動車用プラ
スチック製バンパも例外ではない。従来より、自動車用
プラスチック製バンパは型成形時においては取付孔や切
れ込みがなく、塗装を終えて組立に入る前に、孔開け装
置や切除装置を用いてグレードや仕様毎に異なる孔開け
又は切除加工を別途実施していた。このように、塗装を
終えて組立に入る直前に孔開け又は切除加工を実施する
のは、中間仕掛かりを少なくするためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の孔開け装置や切
除装置は、バンパを傷つけずに保持する位置固定治具と
孔開け又は切除用のパンチ及びダイとからなる。これら
位置固定治具、パンチ及びダイは、バンパが車種毎、そ
してフロント又はリアでも異なるため、バンパの種類と
同じ数だけ用意しなければならない。このため、同時に
多種類のバンパを扱う場合、バンパの種類と同数の孔開
け装置や切除装置が必要となり、初期投資が膨れ、各装
置を設置するための据付面積が増大する問題があった。
これは、新車種の生産立ち上がりに際して、生産設備を
整える準備に手間がかかり、臨機応変な生産体制を迅速
に構成することができない問題にもつながっていた。
【0005】また、上記生産立ち上がり準備の遅延とい
った時間的な問題を抜きにしても、自動車は数年に1度
の大幅なメジャーチェンジのほか、期間の短いマイナー
チェンジが繰り返されるので、各チェンジの度に改めて
初期投資が必要となるというコスト的な問題があった。
しかも、生産終了した車種であっても、保守用バンパを
供給する目的で、長期にわたって孔開け装置や切除装置
を据えつけておかねばならず、据付面積の増大が工場を
圧迫する事態も度々見られていた。
【0006】そこで、メジャーチェンジ、マイナーチェ
ンジに伴う初期投資を削減しつつ、生産立ち上がり準備
の遅延を最低限に抑え、また据付面積の増加を抑える目
的から、バンパの種類に左右されず、孔開け又は切除加
工を共に実施可能な汎用性を有する加工装置を開発する
こととして検討した。
【0007】
【課題を解決するための手段】検討の結果、開発したも
のが、塗装済、組立前の自動車用プラスチック製バンパ
に異なる仕様の孔開け又は切除加工を施す装置であっ
て、搬入ラインからバンパを受け取って一定数のバンパ
を確保する搬入搬出部と、前記搬入搬出部と後記支持台
との間でバンパを受け渡す受渡部と、バンパを保持する
2基以上の支持台と、各支持台から略等距離の位置に配
設し、バンパの種類及び仕様別のプログラミングに従っ
て各支持台に保持したバンパの孔開け又は切除加工を実
施する1基以上のレーザ加工機とから構成される自動車
用プラスチック製バンパの加工装置である。
【0008】搬入搬出部は、ラインと切り離した位置関
係で加工装置の設置を可能にするもので、ラインから流
れてくる多数のバンパを一定数溜め、装置全体に対する
バッファとして機能する。具体的には、ラインと受渡部
とを結ぶベルトコンベア又はチェーンコンベアにバンパ
の載置台を取り付け、受渡部へとバンパを受け渡す位置
に移動した載置台に対してバンパの位置矯正機構を配設
してなり、載置台は前記コンベアのベルト又はチェーン
に回動基部を軸着し、この回動基部から離れた部位と載
置台先端付近とに両端部をそれぞれ軸着して架け渡した
支持枠によって略水平に保たれ、位置矯正機構は直交す
る2方向で載置台上のバンパを囲む固定片又は可動片を
配し、対向する固定片に可動片を接近又は可動片同士を
接近させてバンパを挟み込むことでこのバンパの載置位
置を矯正する搬入搬出部がある。
【0009】上記搬入搬出部は、ベルトコンベア又はチ
ェーンコンベアにより、ラインから上方に設置した受渡
部へとバンパを移送する場合に適している。載置台は、
回動基部とコンベアに対する支持枠の軸着部位との位置
関係が変化すると揺動する。これにより、コンベアの折
返端における回転半径が小さくても載置台は揺動しなが
ら移動でき、しかもコンベアの直線部位では載置台を安
定して略水平に保ちながら移動させることができる。こ
れは、コンベアの厚みを薄くして搬入搬出部の設置面積
を軽減し、バンパの搬入出時における受渡部の作動領域
の拡大を抑える効果がある。位置矯正機構は、固定片に
当接する位置又は可動片同士の中間線上にバンパを揃え
ることで、載置台上のバンパの位置を一定の範囲に納
め、受渡部によりバンパが確実に吸着されて受け渡され
るようにする。直交方向の一方に固定片と可動片、他方
に可動片同士を対峙させ、まず固定片に対して可動片を
接近させてバンパを固定片に当接させ、次いで可動片同
士を接近させてバンパの位置決めを図るとよい。
【0010】受渡部は、搬入搬出部からバンパを受け取
り、支持台に合わせたバンパの方向転換を図りながら、
2基以上の支持台に対するバンパの振り分けを実施す
る。具体的には、水平回動する多関節ロボットアームに
バンパの吸着ハンドを取り付けてなり、吸着ハンドは軸
線方向を中心として回動する棒状本体から円周方向略等
間隔に半径方向の吸着指を2本以上取り付けた受渡部が
ある。多関節ロボットアームは、吸着ハンドでバンパを
傷つけずに保持し、バンパの方向転換を図りながら周囲
の障害物(搬入搬出部や支持台の突起等)を避けてバンパ
を支持台に受け渡す。円周方向に略等間隔で吸着指を2
本以上取り付けた吸着ハンドは、1本の吸着指を残して
残余の吸着指に支持台へ渡す未加工のバンパを保持する
ことで、タイミングのよい搬入又は搬出のいずれかを即
座に実施できるようになる。棒状本体に取り付ける2本
以上の吸着指を円周方向略等間隔にすることで、吸着ハ
ンドの慣性モーメントを小さくし、迅速な吸着ハンドの
回転を可能にする。
【0011】支持台は、レーザ加工機に対するバンパの
姿勢を決定、保持するもので、必ずしもバンパを頑強に
固定する必要はない。具体的には、バンパの姿勢を決定
する嵌込治具とバンパの保持機構とからなり、嵌込治具
は各バンパの断面に相似な複数の型枠を該断面の間隔又
は方向に配列したものを組単位に扱い、保持機構はバン
パを下方から支持する嵌込治具に対してバンパを上方か
ら挟みつける支持台がある。
【0012】嵌込治具は、バンパに嵌め込んで支持台に
対するバンパの姿勢を一義的に決定する。一般にバンパ
の断面形状は複雑で、ある断面は位置又は向きが異なる
と、もはやバンパに嵌合しえない。この断面と相似な型
枠をこの断面の間隔又は方向に配列して組単位で扱うこ
とにより、嵌込治具に適合するバンパ及びそのバンパの
姿勢が一義的に定まるのである。保持機構は、孔開け作
業又は切除作業中、バンパと嵌込治具との位置関係がず
れないように、一義的に定まったバンパの姿勢を保持す
るもので、バンパを嵌込治具に対して強固に押さえ付け
るのではなく、嵌込治具と一体となってバンパを挟持す
ることで、バンパに偏った負荷をかけずにバンパの姿勢
の安定性を確保する。
【0013】レーザ加工機は、機械的には非接触でバン
パに孔開け又は切除をするものである。具体的には、多
関節ロボットアームにレーザ照射ノズルを取り付けてな
り、このレーザ照射ノズルにノズル先端から切れ込みを
刻設し、ノズル先端が被加工物に密着した場合でも前記
切れ込みから切り粉と共に加工ガスを逃がすことができ
るようにしたレーザ加工機がある。レーザ照射ノズルを
多関節ロボットアームに取り付けたことにより、複雑な
曲面を有するバンパのいずれの面に対してもレーザを直
交して照射することができる。ノズルは原則バンパに非
接触であるが、各バンパが有する微妙な形状の違いから
ノズル先端がバンパ表面に接触することがあり、とりわ
け加工開始時のピアシングの際にノズル先端がバンパ表
面に接触すると略閉塞状態が発生し、切り粉がノズル内
へ逆流して不具合を引き起こす虞がある。ノズル先端に
刻設した切れ込みは、前記略閉塞状況下において切り粉
を吹き飛ばす加工ガスの流路を確保するもので、常にノ
ズル先端から加工ガスが放出されるようにすることで、
切り粉がノズル内へ逆流することを防止し、不具合の発
生を回避する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図を参照しながら説明する。図1は本発明による自
動車用プラスチック製バンパの加工装置の一実施態様を
示す全体構成の斜視図である。本例では、装置を二階層
に分散して配置し、下層(1階)において異なるバンパ1
が入り乱れて流れてくる搬入ライン2から垂直方向の搬
入搬出部3が上層へとバンパ1を運び、上層(2階)にお
いてバンパ1を受け取った受渡部4がバンパ1を振り分
けて各支持台5,5に保持させ、レーザ加工機6,6が車
種及び仕様に合わせた孔開け又は切除加工を実施する。
加工済のバンパ1は、再び逆の過程を辿って搬入搬出部
3により下層(1階)へ降ろされ、搬出ライン7により送
り出される。
【0015】図2は搬入搬出部3における位置矯正機構
8付近を表した拡大斜視図、図3はチェーンコンベア11
上端縁で折り返す載置台10を表した一部側面図である。
バンパ1は、図1に見られるように、連動する左右のベ
ルトコンベア9,9からなる搬入ライン2に架け渡した
状態で、搬入搬出部3へと運ばれてくる。搬出ライン7
は、搬入ライン2と同構成で、搬入搬出部3から降ろさ
れたバンパ1を架け渡した状態で受け取り、送り出す。
バンパ1は、既に塗装済、組立前の半完成品であるため
に傷つけることができず、このような搬送形態を採る。
このため、搬入搬出部3も、図2に見られるように、枠
構造からなる載置台10でバンパ1の内側を支持するよう
に搬入ライン2からバンパ1を受け取り、またバンパ1
を搬出ライン7へと受け渡すことになる。
【0016】搬入搬出部3は、垂直方向に延設したチェ
ーンコンベア11,11を左右に配し、各チェーンコンベア1
1,11に載置台10を架設した構造で、上端に位置矯正機構
8を配し、受渡部4にバンパ1を渡す前に、載置台10上
のバンパ1の載置位置を、左右チェーンコンベア11,11
の中心線上でチェーンコンベア11に寄せた位置へと矯正
する。載置台10は、図3に見られるように、回動基部12
をローラリンク13に軸着し、載置台10単体ではチェーン
コンベア11に対して自由回動できるようになっている。
しかし、チェーンコンベア11の上昇方向に対して後方の
ローラリンク14及び載置台10それぞれに軸着して架け渡
した支持枠15によって、載置台10の動きを拘束してい
る。これにより、チェーンコンベア11の上端又は下端の
回転半径が小さくても、載置台10はチェーンコンベア11
の折れ曲がりに追随して移動することができる。本例で
は、チェーンコンベア11の上昇方向及び下降方向に対し
て一対の載置台10,10を有しており、加工済バンパ34は
裏面に位置する載置台10に受け取って搬出ライン7へと
戻すようにしている。
【0017】位置矯正機構8は、載置台10上のバンパ1
に対して、回動基部12側に前固定片16、この前固定片16
に対して後方から接近する後可動片17と、左右から互い
に接近する左右可動片18,19とからなる。まず、図2に
見られるように、前固定片16に向けて後可動片17を接近
させ、バンパ1を載置台10上チェーンコンベア11に寄せ
た位置へと矯正する。次に、前固定片16と後可動片17と
でバンパ1を挟持するように左右可動片18,19を互いに
接近させると、バンパ1は左右チェーンコンベア11,11
の中心線上に寄せられる。こうして、バンパの大きさ、
形状を問わず、いずれのバンパ1も、常にチェーンコン
ベア11に寄り、かつチェーンコンベア11,11の中心線を
挟む位置へと矯正される。このバンパ1の位置矯正は、
所定位置(矯正後の位置)で受渡部4がバンパを吸着でき
るようにするためのもので、逆に受渡部が自らバンパの
載置位置をセンサ等で認識できるようにすれば、位置矯
正機構は必須ではない。
【0018】図4は受渡部4が吸着ハンド20の一方の吸
着指23に未加工バンパ1を吸着して旋回し、他方の吸着
指23に加工済バンパ34を吸着して、支持台5(図1参照)
に対して両バンパ1,34を交換している状態を表した斜
視図である。搬入搬出部3の位置矯正機構8で載置位置
を矯正されたバンパ1は、受渡部4の吸着ハンド20に前
面を吸着され、主として水平旋回運動しながら移動し、
支持台5へと渡す。吸着ハンド20は、多関節ロボットア
ーム21先端から突出した棒状本体22に180度間隔で取り
付けた吸着指23,23からなり、軸線方向を中心として回
動する。こうして、吸着ハンド20は、多関節ロボットア
ーム21により、受渡部4の周囲、とりわけ水平旋回軌道
上に障害物(搬入搬出部3や支持台5の突起等)を避けな
がらバンパ1を傷つけずに運ぶことができる。
【0019】受渡部4は、図4に見られるように、吸着
ハンド20の棒状本体22に取り付けた吸着指23,23にそれ
ぞれバンパ1を吸着して、未加工バンパ1と加工済バン
パ34の交換に要する時間を短縮する。吸着ハンド20は、
まず、搬入搬出部3(図1参照)から一方の吸着指23に未
加工バンパ1を吸着して受け取り、旋回しながら支持台
5(図1参照)へと向きを変える。このとき、支持台5
(図1参照)に加工済バンパ34があれば、棒状本体22を18
0度回転させ、前記未加工バンパ1を上に、空いた他方
の吸着指23を下にする。そして、加工済バンパ34を吸着
して回収した後に再度棒状本体22を180度回転させて未
加工バンパ1を支持台5(図1参照)へと搬入する。この
ように、未加工バンパ1と加工済バンパ34とを交換する
に際し、吸着ハンド20の往復の必要がないことから、未
加工バンパ1と加工済バンパ34の交換に要する時間を従
来の約1/2に短縮できるのである。これに対し、支持台
5(図1参照)に加工済バンパ34がなければ、棒状本体22
は回転することなく、未加工バンパ1を下に向けたまま
搬入する。
【0020】図5は支持台5,5とレーザ加工機6,6と
の配置関係を表した斜視図、図6は2基のレーザ加工機
6,6の位置をずらし、支持台5,5に対して1基のレー
ザ加工機6を割り当てた状態を表した図5相当斜視図、
図7はバンパ1を保持した支持台5を表した斜視図であ
り、図8はレーザ加工機6が孔開け又は切除作業のため
にレーザビーム24を照射している最中におけるレーザ照
射ノズル25近傍の部分破断拡大斜視図である。
【0021】図5に見られるように、受渡部4により運
ばれてきたバンパ1は支持台5上に備えつけた嵌込治具
26に嵌め込み、保持機構27によって姿勢の安定性が確保
された後、2基のレーザ加工機6,6によって孔開け又
は切除作業が施される。本例では、2基の支持台5,5
の中間線上を移動可能な2基のレーザ加工機6,6を配
し、一方の支持台5上に保持したバンパ1の孔開け又は
切除作業中に他方の支持台5から加工済バンパ34を搬出
して、新たに未加工バンパ1を搬入できるようにしてい
る。また、通常1体のバンパ1に対して2基のレーザ加
工機6,6で孔開け又は切除作業にあたることで作業時
間を短縮しているが、いずれかのレーザ加工機が故障し
たり、保守のため運転停止をせざるを得ない場合には、
両レーザ加工機6,6の位置をずらし、図6に見られる
ように、両支持台5,5の中央に移動させた1基のレー
ザ加工機6だけで孔開け又は切除作業をさせることもで
きる。
【0022】支持台5は、図7に見られるように、バン
パ1の断面形状に相似な型枠28を組単位で取り扱えるよ
うにした嵌込治具26を回転基台29の側面に複数種類固定
した構造で、嵌込治具26にはバンパ前面を掛止して嵌込
治具26と共にバンパ1を挟持する保持機構27を一体に取
り付けている。本例は、この嵌込治具26及び保持機構27
が一体となっており、上述の受渡部4による未加工バン
パ1と加工済バンパ34との交換に際し、棒状本体22が18
0度回転している間に回転基台29を回転させ、次の加工
作業に対応した嵌込治具26及び保持機構27を準備する。
嵌込治具26は、型枠28に適合しないバンパ1を排除し、
適合するバンパ1の姿勢を一義的に定める機能も有して
いる。また、保持機構27は、嵌込治具26と一体となって
バンパ1を挟持し、嵌込治具26に嵌め込まれたバンパ1
の姿勢を安定させる。本発明は、非接触のレーザ照射に
よる孔開け又は切除加工をするために、孔開け又は切除
作業中はバンパ1に機械的外力が加わらないので、簡易
な姿勢保持で充分なのである。
【0023】レーザ照射による孔開け又は切除加工は、
図8に見られるように、原則バンパ1とノズル先端30と
は非接触で実施する。レーザ照射ノズル25は、レーザビ
ーム24の焦点を被加工物表面に結ぶため、ノズル先端30
とバンパ1表面との隙間tを一定に保つ必要がある。図
5に見られるように、多関節ロボットアーム21先端にレ
ーザ照射ノズル25を取り付けると、複雑な曲面を有する
バンパ1のいずれの面に対しても前記隙間を一定に保っ
てレーザ照射ノズル25を移動させることができるが、実
際には各バンパ1の個体差に伴う微妙な形状の違いか
ら、ノズル先端30がバンパ1表面に接触し、略閉塞状態
が発生する場合がある。通常、ノズル先端30から噴出す
る加工ガス31がレーザビーム24により溶融したバンパ1
の加工部位から発生した切り粉33を形成した孔又は溝か
らバンパ1の背面へと吹き飛ばすのであるが、とりわけ
加工開始時のピアシングの際に前記略閉塞状態が生じ、
加工ガス31の噴出が遮られ、切り粉33がノズル先端から
レーザ照射ノズル25内へと逆流してしまう(図8中破線
参照)。こうして逆流した切り粉33は、レーザ照射ノズ
ル25内に配されたレンズ保護カバー(図示せず)等に付着
し、焼き付いてしまうのである。ノズル先端30に刻設し
た切れ込み32は、図8に見られるように、前記閉塞状態
下にあっても加工ガス31の流路を確保することにより、
切り粉33のレーザ照射ノズル25内への逆流、ひいてはレ
ンズ保護カバーの焼き付けを防止するのである。このノ
ズル先端30に切れ込み32を設けることは、他のレーザ加
工機を利用した加工作業にも適用できる。
【0024】
【発明の効果】本発明の自動車用プラスチック製バンパ
の加工装置は、従来、高価かつ汎用性の乏しかった孔開
け又は切除加工から、低廉かつ汎用性のある孔開け又は
切除加工へと移行させ、多品種少量生産の生産形態へと
移りつつある自動車の製造業において、バンパの生産性
を高めることができる。また、製造業主側にとっても、
大型の金型の保管場所等の問題から解放され、ニーズに
即応した生産体制を確立できるようになる効果がある。
【0025】この加工装置は、例示のように、現行の製
造ラインに対して搬入搬出部を割り込ませるように配置
して、据付面積の増加を抑えることができる利点があ
る。また、搬入搬出部、受渡部、そして支持台がそれぞ
れ複数のバンパを載置又は保持できることから、これら
が実際上バッファとして機能し、製造ラインを流れてく
るバンパの連続性を問わずに常に一定のタイミングでバ
ンパの孔開け又は切除加工が実施できる。このほか、支
持台及びレーザ加工機の数は自由であるから、より多く
の支持台又はレーザ加工機を配置して、並行して複数の
バンパの孔開け又は切除加工を実施することもできる。
【0026】本発明の最も大きな効果として挙げられる
のは、嵌込治具及び保持機構を交換するだけで車種及び
仕様の異なるバンパのいずれにも対応可能な汎用性のあ
る加工装置が提供できることである。これにより、一度
きりの初期設備投資(固定費)が大幅に節減され、簡易か
つ安価嵌込治具及び保持機構の製造のみで済むという低
廉な運用費用(変動費)という高い経済性が実現される。
また、新車種の生産立ち上がり準備の遅延も最小限に抑
えられ、迅速な生産体制の確立に貢献できるようになる
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動車用プラスチック製バンパの
加工装置の一実施態様を示す全体構成の斜視図である。
【図2】搬入搬出部における位置矯正機構付近を表した
拡大斜視図である。
【図3】チェーンコンベア上端縁で折り返す載置台を表
した一部側面図である。
【図4】受渡部が支持台に対して未加工バンパと加工済
バンパとを交換している状態を表した斜視図である。
【図5】支持台とレーザ加工機との配置関係を表した斜
視図である。
【図6】2基のレーザ加工機の位置をずらし、支持台に
対して1基のレーザ加工機を割り当てた状態を表した図
5相当斜視図である。
【図7】バンパを保持した支持台を表した斜視図であ
る。
【図8】レーザ加工機が孔開け又は切除作業のためにレ
ーザビームを照射している最中におけるレーザ照射ノズ
ル近傍の部分破断拡大斜視図である。
【符号の説明】
3 搬入搬出部 4 受渡部 5 支持台 6 レーザ加工機 8 位置矯正機構 10 載置台 11 チェーンコンベア 12 回動基部 15 支持枠 16 前固定片 17 後可動片 18 左可動片 19 右可動片 20 吸着ハンド 21 多関節ロボットアーム 22 棒状本体 23 吸着指 25 レーザ照射ノズル 26 嵌込治具 27 保持機構 28 型枠 30 ノズル先端 31 加工ガス 32 切れ込み 33 切り粉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B62D 65/00 B62D 65/00 A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗装済、組立前の自動車用プラスチック
    製バンパに異なる仕様の孔開け又は切除加工を施す装置
    であって、搬入ラインからバンパを受け取って一定数の
    バンパを確保する搬入搬出部と、前記搬入搬出部と後記
    支持台との間でバンパを受け渡す受渡部と、バンパを保
    持する2基以上の支持台と、各支持台から略等距離の位
    置に配設し、バンパの種類及び仕様別のプログラミング
    に従って各支持台に保持したバンパの孔開け又は切除加
    工を実施する1基以上のレーザ加工機とから構成される
    ことを特徴とする自動車用プラスチック製バンパの加工
    装置。
  2. 【請求項2】 搬入搬出部は、ラインと受渡部とを結ぶ
    ベルトコンベア又はチェーンコンベアにバンパの載置台
    を取り付け、受渡部へとバンパを受け渡す位置に移動し
    た載置台に対してバンパの位置矯正機構を配設してな
    り、載置台は前記コンベアのベルト又はチェーンに回動
    基部を軸着し、該回動基部から離れた部位と載置台先端
    付近とに両端部をそれぞれ軸着して架け渡した支持枠に
    よって略水平に保たれ、位置矯正機構は直交する2方向
    で載置台上のバンパを囲む固定片又は可動片を配し、対
    向する固定片に可動片を接近又は可動片同士を接近させ
    てバンパを挟み込むことにより該バンパの載置位置を矯
    正することを特徴とする請求項1記載の自動車用プラス
    チック製バンパの加工装置。
  3. 【請求項3】 受渡部は、水平回動する多関節ロボット
    アームにバンパの吸着ハンドを取り付けてなり、吸着ハ
    ンドは軸線方向を中心として回動する棒状本体から円周
    方向略等間隔に半径方向の吸着指を2本以上取り付けた
    ことを特徴とする請求項1記載の自動車用プラスチック
    製バンパの加工装置。
  4. 【請求項4】 支持台は、バンパの姿勢を決定する嵌込
    治具とバンパの保持機構とからなり、嵌込治具は各バン
    パの断面に相似な複数の型枠を該断面の間隔又は方向に
    配列したものを組単位に扱い、保持機構はバンパを下方
    から支持する嵌込治具に対してバンパを上方から挟みつ
    けることを特徴とする請求項1記載の自動車用プラスチ
    ック製バンパの加工装置。
  5. 【請求項5】 レーザ加工機は、多関節ロボットアーム
    にレーザ照射ノズルを取り付けてなり、該レーザ照射ノ
    ズルにはノズル先端から切れ込みを刻設し、ノズル先端
    が被加工物に密着した場合でも前記切れ込みから切り粉
    と共に加工ガスを逃がすことができるようにしたことを
    特徴とする請求項1記載の自動車用プラスチック製バン
    パの加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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