JPH11240250A - 光学的情報記録用媒体 - Google Patents

光学的情報記録用媒体

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JPH11240250A
JPH11240250A JP10043556A JP4355698A JPH11240250A JP H11240250 A JPH11240250 A JP H11240250A JP 10043556 A JP10043556 A JP 10043556A JP 4355698 A JP4355698 A JP 4355698A JP H11240250 A JPH11240250 A JP H11240250A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度記録に適した光記録媒体を提供する。 【構成】 基板上に、少なくとも下部保護層、相変化型
光記録層、上部保護層、反射層からなる多層構成を有し
てなり、結晶状態を未記録状態、非晶質状態を記録状態
として光強度の2値以上の変調によりオーバーライト記
録を行う光学的情報記録用媒体であって、該相変化型光
記録層がMz y (Sbx Te1-x 1-y z (ただし、
MはAgもしくはZnの少なくとも1種であり、NはS
i、Sn、Pbのすくなくとも1種であり、0.65≦
x≦0.80、0.01≦y≦0.20、0.01≦z
≦0.15である)なる組成を有することを特徴とする
光学的情報記録用媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光照射に
よる相変化によって生じる反射率差または反射光位相差
を利用した記録消去可能な光学的情報記録用媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光ディスクは再生専用型、記録可能型
(書換可能型を含む)に分けられ、再生専用型はビデオ
ディスク、オーディオディスク、さらには大容量コンピ
ューター用ディスクメモリーとしてすでに実用化されて
いる。記録可能型の代表的なものには孔あけ・変形型、
有機色素型、光磁気型、相変化型がある。孔あけ・変形
型としてはTe等の低融点金属または染料等の記録層が
用いられ、レーザー光照射により局所的に加熱され、孔
もしくは凹凸部が形成される。
【0003】有機色素型としては色素または色素を含む
ポリマー等からなる記録層が用いられ、記録前後で反射
率(屈折率)が変化する。CDフォーマット信号の記録
をおこなう光記録媒体として実用化されている。光磁気
型は記録層の磁化の向きにより記録や消去を行い、磁気
光学効果によって再生を行う。
【0004】一方、相変化型は相変化前後で反射率また
は反射光の位相が変化することを利用するものであり、
外部磁界を必要とせず反射光量の違いを検出して再生を
行う。相変化型は光磁気型と比較すると、磁石を必要と
しない、光学系が単純である等の理由によりドライブ作
製が容易で、小型化、低コスト化にも有利である。さら
に、レーザー光のパワーを変調するだけで、記録・消去
が可能であり、消去と再記録を単一ビームで同時に行
う、1ビームオーバーライトも可能であるという利点を
有する。
【0005】相変化記録方式に用いられる記録層材料と
しては、カルコゲン系合金薄膜を用いることが多い。例
えば、Ge−Te系、Ge−Te−Sb系、In−Sb
−Te系、Ge−Sn−Te系、Ag−In−Sb−T
e系合金薄膜等の使用が試みられている。1ビームオー
バーライト可能な相変化記録方式では、結晶状態の記録
膜を非晶質化させることによって記録ビットを形成し、
結晶化させることによって消去を行う場合が一般的であ
る。この場合、as−depo状態はアモルファスであ
る場合が一般的であるため、初期状態を結晶状態とする
ために媒体全面を短時間で結晶化させる。この工程を初
期結晶化とよぶ。通常この初期結晶化は数十〜百μm程
度に絞ったレーザービームを回転する媒体に照射するこ
とにより行なう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、共晶組成近傍の
合金材料は、非晶質形成能は高いものの結晶化の際に相
分離を伴うため、100ナノ秒未満の短時間の加熱では
結晶化できず、オーバーライト可能な光記録媒体の記録
層としては不適当であると考えられてきた(文献Appl.
Phys. Lett., vol.49(1986), p502等)。特に、GeS
bTe3元合金に注目した場合、Te85Ge15共晶組成
近傍では実用的な結晶化速度は得られていない。
【0007】一方、Sb70Te30共晶組成近傍では、反
射率変化のみをモニタした極めて初歩的な方法であるけ
れども、Sbx Te1-x (0.58<x<0.75)2
元合金が結晶−非晶質状態間で繰り返し記録消去可能で
あることが米国特許第5015548号において開示さ
れている。しかし、本発明者らによれば、この組成範囲
の2元合金の結晶化温度は高々120℃で非晶質状態の
安定性に問題があった。Sb70Te30に第3元素、特に
Geを加えた組成範囲を含む先願としては特開平1−1
15685、特開平1−251342、特開平1−30
3643、特開平4−28587各号公報等が挙げられ
る。
【0008】しかしながら、それ以後SbTe共晶組成
近傍の相変化媒体に関しては実用化にむけての進展はな
かった。殊に、成膜後の記録層を結晶化させる初期化操
作が困難であるために生産性が低く実用に供されないと
いう深刻な問題があった。このため、初期化の容易な金
属間化合物組成近傍の材料、あるいはその擬似2元合金
のみが実用的な特性を示すと考えられていた(特開平2
−243388、特開平2−243389、特開平2−
243390、特開平2−255378、特開昭63−
228433、特開昭61−89889各号公報、文献
Jpn. J. Appl. Phys., vol.69(1991), p2849 )。
【0009】例えばGeSbTe3元合金については、
近年、GeTe−Sb2 Te3 擬似2元合金近傍組成の
みが注目され実用化されてきた。こうした動向は、例え
ば1991年より毎年開催されている「相変化光メモリ
シンポジウム」の発表論文(予稿集に掲載されている)
に顕著にあらわれている。
【0010】本発明者らは、単純化のためSbTeから
なる2元合金に注目し、従来の説にとらわれず共晶組成
組成近傍の結晶化/非晶質化特性につき、より高密度記
録に適した光ディスク評価機を用い、マーク長記録への
適性の観点から再検討を行った。その結果、Sb70Te
30共晶組成近傍のSbTe合金を主成分とする記録層
は、初期結晶化は困難であるものの一旦初期結晶化して
しまえば以後の非晶質−結晶相変化による記録消去は極
めて高速に行なうことができることを見出した。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、基板上
に、少なくとも下部保護層、相変化型光記録層、上部保
護層、反射層からなる多層構成を有してなり、結晶状態
を未記録状態、非晶質状態を記録状態として光強度の2
値以上の変調によりオーバーライト記録を行う光学的情
報記録用媒体であって、該相変化型光記録層がMz y
(Sbx Te1- x 1-y-z (ただし、MはAgもしくは
Znの少なくとも1種であり、NはSi、Sn、Pbの
すくなくとも1種であり、0.65≦x≦0.80、
0.01≦y≦0.20、0.01≦z≦0.15であ
る)なる組成を有することを特徴とする光学的情報記録
用媒体に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。図1は本発明の光学的情報記録用媒体の記録層の
(N+M)、Sb、Teの組成範囲を示している。本発
明におけるMNSbTe(MはAgもしくはZnの少な
くとも1種、NはSi、Sn、Pbのすくなくとも1
種)合金薄膜の組成範囲は、Sb70Te30共晶組成近傍
をベースに図1に示すようにN=Si,SnもしくはP
bを添加し、さらにAgもしくはZnを所定量添加した
ものである。
【0013】本記録層材料を用いる最大の利点は、非晶
質マークの周辺部あるいは消去されたマーク内に、初期
化状態と反射率の異なる粗大グレインが生じにくいとい
うことである。これは結晶成長が相分離によって律速さ
れている共晶点近傍の合金に特有の現象である。しか
し、この記録層には、固相での結晶化速度を高めると非
晶質マーク形成時の再凝固時の再結晶速度まで極端に速
くなってしまい、溶融領域の外周部が再結晶化して非晶
質マークの形成が不十分になりやすいという特徴があ
る。
【0014】すなわちこの記録層は共晶点近傍の組成で
あるため、結晶化速度は相分離のための原子の拡散速度
によって支配されており、拡散速度が最大となる融点直
下まで加熱しないと結晶化による高速消去ができない。
つまり、現在広く使用されているGeTe−Sb2 Te
3 擬似2元合金組成近傍の記録層にくらべて、高結晶化
速度が得られる温度範囲が狭く、かつ高温に偏っている
のである。
【0015】従って本記録層を光記録媒体に適用するた
めには、高結晶化速度と十分な大きさの非晶質マークの
形成とを両立させるため、再凝固時の融点近傍での冷却
速度をとりわけ大きくしてやる必要がある。そこで、本
発明の光学的情報記録用媒体においては、記録層材料が
Sb7 Te 3 比を一定とする線上では基本的にSb相と
Sb2 Te3 相とに相分離することを利用した。平衡状
態で熱アニールした場合には、相分離がX線回折で確認
できる。
【0016】しかし、光記録媒体において非晶質マーク
を形成するような非平衡な過冷却状態では、過剰のSb
が含まれると再凝固時にまず微小Sbクラスタが析出す
る。このSbクラスタが結晶核となって非晶質マーク中
に残存するため、以後の非晶質膜の消去(再結晶化)は
相分離に時間をかけることなく短時間で終了するものと
考えられる(過剰Sbの添加効果については、奥田等、
Proc. Int. Symp. onOptical Memory, 1991, p73 に詳
しい)。
【0017】本発明は、本記録層組成のこうした特徴に
関する考察に基づいてなされた。本発明記録媒体は前述
のようにSb70Te302元共晶組成をベースにしてお
り、これにSi、Sn、Pbの少なくとも1種と、Ag
又はZnの少なくとも一方を所定量添加する。本発明の
記録用媒体の記録特性すなわち非晶質および結晶化の可
逆的プロセスは、ほとんどSb/Te比、すなわち母体
となるSb70Te30共晶組成に含まれる過剰Sb量で決
まる。
【0018】Sbが多くなれば急冷状態で析出するSb
クラスタサイトが増え、結晶核生成が促進されると考え
られる。これは、各結晶核から同一結晶成長速度を仮定
しても、成長した結晶粒で埋め尽くされるに要する時間
が短縮され、結果として非晶質マークを結晶化するに要
する時間が短縮されることを意味する。従って、高線速
度で短時間のレーザー光照射で消去する場合に有利であ
る。
【0019】一方、記録層の冷却速度は記録時の線速度
にも依存する。すなわち、同一層構成であっても低線速
度ほど冷却速度は低下する。従って、低線速度ほど非晶
質形成のための臨界冷却速度が小さい組成、すなわち過
剰Sb量の少ない組成が望ましい。まとめると、Sb70
Te30共晶組成を基準として、過剰Sb量が多い組成ほ
ど高線速度に適している。
【0020】Si、Sn、Pbのうちの1種を添加する
ことは特に、ガラス転移温度を高め非晶質状態の熱的安
定性を改善する効果がある。N(=Si、Sn、Pbの
うちの1種)の添加量に関しては、20原子%を越える
とN−Te、N−Sb2元合金の金属間化合物組成が相
分離しやすくなり、繰り返しオーバーライトによる組成
変動の原因となるので好ましくない。より好ましくは1
5原子%以下とする。なお、1原子%未満では、添加効
果がほとんど得られない。
【0021】また、後に詳しく述べるがAgもしくはZ
nを添加することにより後述の初期化操作における結晶
化時間が短縮される。AgとZnを併せ用いても良い。
Si、Sn、Pb、Ag、Znの添加により、母体とな
るSbTeが共晶となるのはSb60Te40からSb65
35程度にずれるようである。さて、本発明の(Ag、
Zn)NSbTe(=Si、Sn、Pbのうちの1種)
合金全体としての線速依存性は、上記のようにこの組成
をベースに過剰のSbをどれだけ含むかによって決ま
る。
【0022】高線速に対応させるには、前述のように過
剰なSb量を増やせばよいが、あまり増やすと非晶質ビ
ットの安定性が損なわれるので、Sbx Te1-x の比か
らいえば、0.65≦x≦0.80である。好ましくは
0.70≦x≦0.75である。さらに繰り返しオーバ
ーライトによるSbもしくはN−Sb合金の析出を防ぐ
には0.70≦x≦0.73が望ましい。
【0023】本発明における光学的情報記録用媒体の層
構成は、基板上に少なくとも下部保護層、相変化型記録
層、上部保護層、反射層を設けてなる。保護層、記録
層、反射層はスパッタリング法などによって形成され
る。記録膜用ターゲット、保護膜用ターゲット、必要な
場合には反射層材料用ターゲットを同一真空チャンバー
内に設置したインライン装置で膜形成を行うことが各層
間の酸化や汚染を防ぐ点で望ましい。また、生産性の面
からもすぐれている。
【0024】本発明における記録媒体の基板としては、
ガラス、プラスチック、ガラス上に光硬化性樹脂を設け
たもの等のいずれであってもよいが、コストを含む生産
性の面ではプラスチックが好ましく、中でもポリカーボ
ネート樹脂が好ましい。記録層の膜厚は好ましくは15
nm以上、30nm以下である。15nm未満ではコン
トラストが取りにくく、また結晶化速度が遅く、消去が
困難となる。30nmを超えるとやはりコントラストが
得にくく、また記録感度が悪くなる。
【0025】上下の保護層の材料は、屈折率、熱伝導
率、化学的安定性、機械的強度、密着性等に留意して決
定される。一般的には透明性が高く高融点であるMg、
Ca、Sr、Y、La、Ce、Ho、Er、Yb、T
i、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Zn、Al、Si、
Ge、Pb等の酸化物、硫化物、窒化物やCa、Mg、
Li等のフッ化物を用いることができる。これらの酸化
物、硫化物、窒化物、フッ化物は必ずしも化学量論的組
成をとる必要はなく、屈折率等の制御のために組成を制
御したり、混合して用いることも有効である。
【0026】繰返し記録特性を考慮すると誘電体混合物
が好ましい。具体的にはZnSや希土類硫化物と酸化
物、窒化物、炭化物等の耐熱化合物の混合物が挙げられ
る。下部保護層は特に、プラスチック基板の熱変形を抑
える機能も求められるので、少なくともその膜厚は50
nm以上が好ましい。また、500nmを超えると内部
応力によりクラックが生じ易くなるので500nm以下
であるのが好ましい。好ましい膜厚範囲は50nm以上
500nm以下と広いが、通常はこの範囲から、光干渉
効果を考慮して反射率や、記録前後の反射率差、位相差
が適当な値になるように選ばれる。
【0027】特に好ましい構造としては、該下部保護層
の記録層に接する側の1nm以上10nm以下の部分が
カルコゲン化合物と分解温度または融点が1000℃以
上のカルコゲン化物ではない耐熱性化合物との混合物か
らなり、残部が上記耐熱性化合物と異種又は同種の耐熱
性化合物からなるものが挙げられる。カルコゲン化合物
としては、MgS、CaS、SrS、BaSなどのIIa
属元素の硫化物や、MgSe、CaSe、SrSe、B
aSeなどのIIa属元素のセレン化物が挙げられる。
【0028】上記硫化物又はセレン化物はカルコゲン元
素を含むため相変化型記録層に主として含まれるカルコ
ゲン及びその周辺元素との密着性も良い。単なる酸化物
よりなる誘電体層を用いた場合に比べ大幅な改善が見ら
れる。カルコゲン化物ではない耐熱性化合物としては、
Al、Si、Ge、Y、Zr、Ba、Ta、Nb、V、
W、Hf、Sc又はランタノイドの酸化物、Al、S
i、Ge、Ta、Bの窒化物、Mg、Ca、Nd、T
b、Laの弗化物、Si、Bの炭化物等が挙げられる。
【0029】これらのうち、弗化物を用いる場合には、
酸化物も合わせて用いた方が脆性が改善される傾向にあ
るので好ましい。コスト、ターゲット製造の容易さ等の
観点から、二酸化珪素、酸化イットリウム、酸化バリウ
ム、酸化タンタル、LaF3 、NdF3 、TbF3 、S
iC、Si3 4 、AlNを用いるが好ましい。
【0030】上記2種の物質の膜中の合計量は含有率に
して50mol%以上が好ましく、さらに好ましくは8
0mol%以上である。この含有率が50mol%を下
回ると、基板や記録膜の変形防止効果が不十分であり、
保護層としての役目をなさない傾向がある。またカルコ
ゲン化合物の含有率は保護層全体の10mol%以上、
95mol%以下が好ましい。10mol%未満では望
みの特性が発揮されない。また95mol%を超えると
光学吸収係数が大きくなり、好ましくなく、より好まし
くは15mol%以上90mol%以下である。
【0031】また上記耐熱性化合物の含有率は誘電体層
全体の5mol%以上、90mol%以下が好ましく、
より好ましくは10mol%以上である。これ以外の範
囲では望みの特性が得られないことがある。耐熱性化合
物は1000℃以上の耐熱性と共に記録再生に用いるレ
ーザー光に対して光学的に十分透明であることが必要と
なる。
【0032】すなわち、50nm程度の厚さで約600
nm以上の波長領域で複素屈折率の虚部が0.05以下
であることが望ましい。この光学的透明性を得るため
に、スパッタ成膜時に、Arと酸素及び/又は窒素との
混合ガスを用いると好ましい。特に、硫化物、及びセレ
ン化物中のSやSeは蒸気圧が高いために、スパッタ中
に一部が分解、蒸発する傾向がある。このように、保護
層中にSやSeの欠損が多いと、光吸収性の欠陥とな
り、また、化学的にも不安定であるために好ましくな
い。
【0033】上記のように、酸素や窒素をスパッタガス
に添加することは、この欠損を酸素や窒素で置き換える
ことを目的としている。このとき上記カルコゲン化合物
の金属元素の酸化物や窒化物が膜中に一部形成される
が、耐熱性化合物の一部として働くために、膜の特性は
特に損なわれない。ところで、本誘電体層は、一般に高
周波放電スパッタで製造されるため、成膜速度が遅い傾
向があり、生産性の面からは200nm以上の厚膜を設
けることは好ましくはない。
【0034】従って、厚膜を形成する必要がある場合に
は、全膜厚のうち記録層に接する側の1nm以上10n
m以下の部分がカルコゲン化合物と分解温度または融点
が1000℃以上のカルコゲン化物ではない耐熱性化合
物との混合物からなり、残部が上記耐熱性化合物と異種
又は同種の耐熱性化合物からなる保護膜とするのがよ
い。少なくとも記録層界面側に本組成の誘電体層を適用
すれば、全膜厚を本発明で特徴とする組成の誘電体層と
した場合と同様の効果が得られる。
【0035】ただし、記録層界面側の複合誘電体層と、
その上に設ける耐熱化合物保護膜との密着性が良くなけ
れば、剥離を生じやすいので、両者の組み合わせには注
意を要する。最も問題の少ない組み合わせは、記録層界
面側の複合誘電体層に含まれる耐熱性化合物と同種の材
料を上に設ける耐熱性化合物保護膜として用いることで
ある。
【0036】上部保護層にも上述のような材料が使用さ
れるが、その膜厚範囲は10nm以上、30nm以下が
好ましい。その最大の理由は、反射層への放熱を有効に
作用させるためである。放熱を促進し、記録層再凝固時
の冷却速度を高める層構成を採用することで、再結晶化
の問題を回避しつつ、高速結晶化による高消去比を実現
する。
【0037】上部保護層の膜厚が30nmより厚くなる
と、記録層の熱が反射層に到達する時間が長くなり、反
射層による放熱効果が有効に作用しにくい。すなわち、
反射層は熱をくみ出すポンプであり、上部保護層はポン
プへ熱流を伝える配管であると見なせる。保護層が厚い
ということは配管が長いということであり、いくらポン
プの性能が高くても(反射層の熱伝導が大きくても)、
有効に作用しない。配管の流量は配管の太さ、つまり上
部保護層の熱伝導率にも作用されるが、一般に、100
nm未満の薄膜の熱伝導率は同じ物質のバルクの熱伝導
率より2−3桁以上小さく、物質による差が小さくなる
から、厚さが重要な因子となる。
【0038】一方、上部保護層が10nmより薄いと、
記録層溶融時の変形等によって破壊されやすく好ましく
ない。また、放熱効果が大きすぎて記録に要するパワー
が不必要に大きくなる点でも好ましくない。ここで提案
した層構成は、相変化媒体では「急冷構造」と呼ばれ、
それ自体は公知である(特開平2−56746号公報、
文献Jpn. J. Appl. Phys., Vol.28(1989), suppl.28-3,
p123 )。
【0039】ただし、本発明記録層にとっては、この層
構成は従来のGeTe−Sb2 Te 3 系にくらべ必然性
が高く、急冷の範囲がより限定され、より急冷であるこ
とが必要である。反射層は反射率の大きい物質が好まし
く、本発明では特に熱伝導率が大きく上部誘電体層を介
しても、放熱効果が期待できるAu、Ag、Alを85
原子%以上含む金属が好ましく用いられる。
【0040】反射層自体の熱伝導度制御、耐腐食性改善
のためTa、Ti、Cr、Mo、Mg、V、Nb、Zr
等を少量加えてもよい。特にAlv Ta1-v (0<v≦
0.15)なる合金は、耐腐食性に優れており本光学的
情報記録用媒体の信頼性を向上させる上で効果がある。
反射層の膜厚としては、透過光がなく完全に入射光を反
射させるために50nm以上が望ましい。膜厚500n
mより大では、放熱効果に変化はなくいたずらに生産性
を悪くし、また、クラックが発生しやすくなるので50
0nm以下とするのが望ましい。
【0041】本発明では、この急冷構造にさらに、以下
の記録方法を合わせ用い、記録層の再凝固時の冷却速度
を正確に制御することで、マーク長記録に適した本発明
記録層材料の特徴をいかんなく発揮させることが可能と
なる。図2は、光記録時のレーザーパワーの照射パター
ンの一例を示す図である。長さnT(Tは基準クロック
周期、nはマーク長変調記録において取りうるマーク長
であり、2以上の自然数をとる)にマーク長変調された
非晶質マークを形成する。図では例としてn=7の場合
を示している。
【0042】本発明記録媒体に対しては、長さnTのマ
ークに記録する際に、m=n−k(0≦k≦2なる整
数、ただしnの最小値をnminとしてnmin −k≧1)
個の記録パルスに分割し、個々の記録パルス幅をαiT
とし、個々の記録パルスにβiT(ただし、2≦i≦m
−1においてαi≦βi)なる時間のオフパルス区間が
付随する。オフパルス区間では0<Pb≦0.5Peな
るバイアスパワーを照射する。ここで、マーク長を検出
した際に、正確なnTマークが得られるよう、Σαi+
Σβiはn−j(jは0≦j≦2なる実数)のように調
整できるものとする。
【0043】本発明媒体は、これまでGeTe−Sb2
Te3 擬似2元合金系で用いられてきたような記録パワ
ーPwと消去パワーPeの2値変調よりも、上記オフパ
ルス区間を設けバイアスパワーPbを照射する3値変調
により記録消去を行うことが望ましい。2値変調のオー
バーライトも可能ではあるが、3値変調方式を用いるこ
とで、パワーマージン、記録時線速マージンを広げるこ
とができる。
【0044】特に本発明記録層ではオフパルス時のバイ
アスパワーPbを0<Pb≦0.5Peなるように十分
低くとることが必要である。ただし、βmTにおいては
0<Pb≦Peとなってよい。なお、消去パワーPeは
非晶質マーク部を100ナノ秒未満の照射で再結晶化さ
せうるパワー、記録パワーPwはαiTなる時間で記録
層を溶融させるに足るパワーであり、Pw>Peであ
る。
【0045】図3は、本発明の媒体に光記録を行ったと
きの記録層の温度変化の模式図である。記録パルス幅を
m=2として分割し、1番目の記録パルス(記録パワ
ー)、1番目のオフパルス(バイアスパワー)、2番目
の記録パルス、2番目のオフパルスを順に照射して非晶
質マークを形成する場合であって、(a)αi=βi=
0.5でPb=Peとした場合と、(b)αi=βi=
0.5でPb*0(≠0)とした場合である。
【0046】記録層の位置としては、1番目の記録パル
スの後端が照射される位置の記録層を想定している。
(a)ではオフパルス区間でもPeが照射されるため、
後続の記録パルスによる加熱の影響が前方に及び、1番
目の記録パルス照射後の冷却速度が遅く、かつオフパル
ス区間での温度降下で到達する最低温度TLaが融点近傍
に留まっている。一方(b)では、オフパルス区間のP
bがほとんど0のため、最低温度TLbは融点より十分低
い点まで下がり、かつ途中の冷却速度も大きい。非晶質
マークは1番目の記録パルス照射時に溶解し、その後の
オフパルス時の急冷によって形成される。
【0047】前述のように、本発明媒体における記録層
は融点近傍でのみ大きな結晶化速度を示す。従って図3
(b)に示す温度プロファイルをとることは、再結晶化
を抑制し、良好な非晶質マークを得る上で重要なことで
ある。逆に、冷却速度及び最低温度TLを制御すること
で再結晶化をほぼ完全に抑制し、溶融領域とほぼ一致す
るクリアな輪郭を有する非晶質マークが得られるためマ
ーク端において低ジッタが得られる。
【0048】一方、GeTe−Sb2 Te3 擬似2元系
合金では、図3(a)、(b)いずれの温度プロファイ
ルでも非晶質マーク形成プロセスに大差がない。なぜな
ら、広い温度範囲で速度は若干遅いものの再結晶化を示
すからである。この場合、パルス分割方法によらずある
程度の再結晶化が生じ、これが非晶質マーク周辺の粗大
グレインとなってマーク端でのジッタを悪化させる傾向
がある。この記録層組成では、オフパルスを行うより、
むしろ従来の2値変調によるオーバーライトが単純で望
ましい。
【0049】すなわち、本発明記録層にとってオフパル
スは好適であるが、従来のGeTe−Sb2 Te3 系記
録層あるいは本記録層を特開平1−303643号公報
の実施例に示されたようなマーク位置記録に適用した場
合にとっては必ずしも好ましいものではない。さて、本
発明媒体は記録層を結晶化温度以上で固相にて結晶化さ
せる初期結晶化では結晶化が遅く生産性が良くないこと
は既に述べた。これは、本記録層組成は成膜直後の非晶
質状態から、いったん相分離させ安定な結晶状態を形成
する必要があるためと考えられ、この相分離には通常、
固相(融点以下)では1μ秒以上の加熱が必要である。
【0050】例えば記録層としてGe2 Sb2 Te5
用いた場合にas−depo状態の媒体を十分高速に結
晶化できる条件で、Ge10Sb66Te24等の記録層の媒
体の初期結晶化を試みると多くの部分が結晶化しないま
まアモルファス状態として残ってしまう。この操作を数
十回繰り返すことにより相分離が完了し、初期化できる
場合もあるがこれでは生産性が低く実用的でない。しか
しながら、いったん初期化してしまえば、以後は高速で
結晶化(消去)できるようになる。
【0051】as−depo状態の膜が結晶化しにくい
原因の一つは、as−depoのアモルファスの状態が
記録マークのアモルファスの状態と異なり結晶化しにく
いためと考えられる。また、結晶核がas−depo状
態の記録層にはほとんどないことが結晶化しにくい原因
となっていることも考えられる。実際、光学顕微鏡で初
期結晶化を試みた部分の観察をすると、結晶化のすすん
だ部分が高反射率の島状に観察される。これは結晶核の
できた部分でのみ結晶化がすすんでいるとすれば理解で
きる。このように初期結晶化が困難である場合、生産性
は著しく悪化する。
【0052】本発明では、Ny (Sbx Te1-x 1-y
合金(N=Si、Sn、Pbのうちの1種)にさらに、
AgもしくはZnを適量添加することにより上記初期化
の困難さを解決した。添加するAg、Znの量は、単独
もしくはあわせて、1原子%以上、15原子%以下であ
る。1原子%未満では添加効果不十分で、15原子%を
超えると、N添加による非晶質ビット安定化効果が失わ
れてしまう。また、新たな合金相が析出するためと考え
られるが、記録マーク端のジッタが悪化するので好まし
くはない。好ましくは10原子%以下である。
【0053】発明者らはさらに、初期化に要する時間を
短縮し、確実に1回の光ビームの照射で初期化するため
の一つの方法として、本発明記録層には溶融初期化が有
効なことを見出した。上記層構成を有する限り、溶融し
たからといって記録媒体がただちに破壊されるものでは
ない。例えば、直径100μm程度に集束した光ビーム
(ガスもしくは半導体レーザー光)を用いて局所的に加
熱し、ビーム中心部に限定して溶融させれば、記録媒体
は破壊されることはない。加えて、ビーム周辺部の加熱
により、溶融部が余熱されるため冷却速度が遅くなり、
良好な再結晶化が行われる。溶融初期化自体は公知の方
法であるが、本発明記録媒体にとっては非常に好適な手
法であることを見出した。この方法を用いれば、例え
ば、従来の固相結晶化に対して10分の1の初期化時間
を短縮でき、生産性が大幅に短縮できるとともに、オー
バーライト後の消去時における結晶性の変化を防止でき
る。
【0054】従来、GeSbTe3元合金が相変化媒体
に適用された例があるが、基本的にSb2 Te3 −Ge
Te擬似2元合金をベースとしたもの(特開昭61−8
9889、特開昭62−53886、特開昭62−15
2786各号公報等)であって本発明の組成範囲とは大
きく異なり、本発明組成範囲は実用的な光記録媒体への
応用検討からは実際上、見捨てられていたのである。
【0055】一部の特許で前述のように、SbTe共晶
近傍組成の合金が開示されている(米国特許46703
45号、特開平1−115685、特開平1−2513
42、特開平1−303643、特開平4−28587
各号公報)が、本発明で開示したマーク長記録に適した
記録方法を適用することについては述べられていない。
【0056】従って、本発明媒体の組成・層構成はSb
70Te30共晶組成近傍の合金を実用的相変化媒体とする
ための欠くべからざる進歩改良である。また、従来、省
みられることの少ない組成でも、いったん初期化し、本
発明の記録方法と組み合わせて使用すればむしろ高密度
記録に適していることを見出したことは、一定の思想の
飛躍が必要であることは言うまでもない。さらに、短時
間で初期化するために本発明記録媒体に適した初期化方
法を組み合わせたことも産業上重要なことである。
【0057】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り、実施例に限定
されるものではない。以下で示す合金記録層の検討にあ
たっては、Ag5 5 Sb68Te22の4元合金ターゲッ
トとSb2 Te3 のコスパッタを利用した。各ターゲッ
トの放電パワーを調整することで組成の調整を行った。
得られた合金薄膜の組成は、化学分析によって校正され
た蛍光X線強度で測定した。なお、下記においてSb2
Te3を添加したにもかかわらずAg5 5 組成が維持
されているのは、ターゲット組成と膜組成の差、及び測
定誤差の影響である。結晶化温度は、ガラス基板上に成
膜した記録層をヒーターで昇温した時の反射(透過)率
の急激な変化を生じる温度として測定した。
【0058】(実施例1)ポリカーボネート基板上に
(ZnS)80(SiO2 )20層を100nm、記録層と
してN=Snとした記録層Ag5 Sn5 Sb63Te27
18nm、(ZnS)80(SiO2 20層を40nm、
Al99.0Ta1.0 合金層を250nm、順次マグネトロ
ンスパッタリング法にて積層し、さらに紫外線硬化樹脂
層を4μm設け光ディスクを作製した。
【0059】この光ディスクを、楕円形の照射ビームの
長軸の長さを50μm程度とした光ディスク初期化装置
を用い、線速度4.5m/s、ビーム送り速度5μm/
回転、レーザーパワー250mWで溶融初期結晶化を試
みたところ、初期結晶化が可能であった。光ディスク評
価装置(レーザー波長780nm、NA0.55)を用
いて、2.8m/sの線速度でEFMランダム信号(C
Dで用いられる変調方式、ここでのクロック周波数は1
15ナノ秒)の記録を行なった。記録時にはα1 =1、
αi =0.5(i≧2)、βi =0.5とし、Pw=1
3mW、Pe=6.5mW、Pb=0.8mWとした。
実際の信号特性を示すジッタの値は最短マーク長でクロ
ック周期の10%未満となり良好な値が得られた。同様
の特性は最適線速度は1.2m/sから7m/sまで変
化するもののAg5 Sn5 Sb61Te29,Ag5 Sn5
Sb66Te24でも得られた。この場合、Sbリッチほ
ど、高線速に有利である。また、上記Ag5 Sn5 Sb
63Te27を中心として、Sbが−3原子%(Teが+3
原子%)からSbが+6原子%(Te−6原子%)の範
囲に対して、全ての実施例において結晶化温度は140
℃以上であった。Ag5原子%をZn5原子%で置換し
たZn5 Sn5 場合にも同様の特性が得られた。
【0060】(実施例2)N=Siとして実施例1と全
く同様に実験を行ったところAg5 Si5 Sb62Te37
記録層に対して、同様の特性が得られた。上記組成に対
してSb,Te量が±3%程度ふれた組成においても全
く同様の特性が得られた。また、結晶化温度は、やはり
上記組成に対しSbが−3原子%(Teが+3原子%)
からSbが+7原子%(Te−7原子%)の範囲に対し
て、全て160℃以上であった。尚、N=Pbについて
も同じ組成で良好な特性が及び結晶化温度160℃以上
が得られた。
【0061】(比較例1)Sb70Te30ターゲットをス
パッタして記録層を成膜した。層構成を実施例1と同様
の構成とした場合、記録消去は可能であった。しかし、
Tgは120℃で非晶質マークの安定性に問題があっ
た。
【0062】(比較例2)Ag4 Sn4 Sb76Te16
成の記録層を得たが、あまりにも再結晶化速度が速いた
めに、非晶質マークの形成が不十分で、EFM変調にお
いて11Tのような長マークがうまく形成できなかっ
た。Si,Pbの場合でもここまでSb量が多いと再結
晶化が著しいので良好な非晶質マーク形成は困難であ
る。
【0063】
【発明の効果】本発明により、より高密度化記録、マー
ク長記録に適した相変化型光記録媒体を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で用いる記録層の組成範囲を説
明する図である。
【図2】図2は、本発明で用いられる光記録時のレーザ
ー照射パターンの一例を説明する図である。
【図3】図3は、本発明の媒体に光り記録を行った場合
の温度変化の模式図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、少なくとも下部保護層、相変
    化型光記録層、上部保護層、反射層からなる多層構成を
    有してなり、結晶状態を未記録状態、非晶質状態を記録
    状態として光強度の2値以上の変調によりオーバーライ
    ト記録を行う光学的情報記録用媒体であって、該相変化
    型光記録層がMz y (Sbx Te1-x )1-y-z (ただ
    し、MはAgもしくはZnの少なくとも1種であり、N
    はSi、Sn、Pbのすくなくとも1種であり、0.6
    5≦x≦0.80、0.01≦y≦0.20、0.01
    ≦z≦0.15である)なる組成を有することを特徴と
    する光学的情報記録用媒体。
  2. 【請求項2】 0.70≦x≦0.75、0.01≦y
    ≦0.15、0.01≦z≦0.10である請求項1記
    載の光学的情報記録用媒体。
  3. 【請求項3】 相変化型光記録層の膜厚が15nm以上
    30nm以下、上部保護層の膜厚が10nm以上30n
    m以下であり、反射層が膜厚50nm以上500nm以
    下であって、Au、AgまたはAlを85原子%以上含
    む金属からなる請求項1または2記載の光学的情報記録
    用媒体。
  4. 【請求項4】 下部保護層の膜厚が50nm以上500
    nm以下であり、記録層に接する側の1nm以上10n
    m以下の部分がカルコゲン化合物と分解温度または融点
    が1000℃以上のカルコゲン化物ではない耐熱性化合
    物との混合物からなり、残部が該耐熱性化合物と異種又
    は同種の耐熱性化合物からなる請求項1乃至3のいずれ
    か記載の光学的情報記録用媒体。
  5. 【請求項5】 相変化型光記録層を成膜後、エネルギー
    ビームを照射して結晶化せしめる初期化操作を行うにあ
    たり、該記録層を局所的に溶融せしめ、再凝固の際に結
    晶化させる請求項1乃至4のいずれか記載の光学的情報
    記録用媒体。
  6. 【請求項6】 線速度1m/s以上7m/s以下におい
    て、レーザーパワーをクロック周期Tに従って少なくと
    も3値の間で変調することでマーク長変調記録及び消去
    を行う光学的情報記録用媒体であって、 マーク間部を形成する際には非晶質マーク部を再結晶化
    させうる消去パワーPeを照射し、 長さnT(nは2以上の整数)のマーク部を形成する際
    には、記録パワーPwを印加する期間をα1T、α2
    T、・・・、αmTとし、かつバイアスパワーPbを印
    加する期間をβ1T、β2T、・・・、βmTとして、
    レーザパワーのための印加期間を順次にα1T、β1
    T、α2T、β2T、・・・・、αmT、βmTとして
    レーザーパワーをm個のパルスに分割するとともに、 2≦i≦m−1においてはαi≦βiとし、 kを0から2までの整数からなるパラメータ、jを0か
    ら2までの実数からなるパラメータとし、かつ前記nの
    最小値をnmin として nmin −k≧1、m=n−k、α1+β1+・・・・・
    +αm+βm=n−jとしたとき、 Pw>Pe、0<Pb≦0.5Pe(ただし、βmTに
    おいては0<Pb≦Peとなりうる)であることを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれか記載の光学的情報記録
    用媒体。
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