JPH11239962A - ラッピング定盤およびそれを用いたラッピング装置 - Google Patents

ラッピング定盤およびそれを用いたラッピング装置

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JPH11239962A
JPH11239962A JP4606198A JP4606198A JPH11239962A JP H11239962 A JPH11239962 A JP H11239962A JP 4606198 A JP4606198 A JP 4606198A JP 4606198 A JP4606198 A JP 4606198A JP H11239962 A JPH11239962 A JP H11239962A
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polishing plate
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラッピング定盤において、研磨面の耐磨耗性
の点からの平坦度維持を図った上で、熱変形に伴う平坦
度変化を抑制する。 【解決手段】 硬さがHv 250以上の高硬度材料からな
り、遊離砥粒と接触してラッピング面を提供する研磨プ
レート2と、この研磨プレート2を支持するベース部3
とを具備するラッピング定盤である。研磨プレート2は
複数のセグメント2a、2a…に分割されており、かつ
各セグメント2a、2a…の中央部付近のみがそれぞれ
ベース部3に連結固定されている。ベース部3は例えば
室温から 100℃の温度範囲の熱膨張係数が 7×10-6/K以
下の低熱膨張材料で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板、石英
ガラス、光学レンズなどのラッピングに用いられるラッ
ピング定盤、およびそれを用いたラッピング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、Siウエハ、GaAs、InP
などの半導体基板、LiTaO3 などの酸化物単結晶基
板、石英フォトマスクなどのラッピング加工において
は、上下のラッピング定盤と被加工物との間にスラリー
状の研磨砥粒を供給し、加工圧力を加えながらラッピン
グ定盤の回転運動を利用して、研磨材がもつ刃先で被加
工物から必要量の削り代を取り除き、これによりラッピ
ング定盤が有する平坦度を被加工物に転写する方法が採
用されている。ラッピング効率を高めるためには、研磨
砥粒の分布を適切化することが重要である。そのため
に、ラッピング定盤には球状黒鉛が均一に分散している
球状黒鉛鋳鉄が一般的に採用されており、黒鉛を砥粒の
保持サイトとして機能させている。
【0003】このようなラッピング加工はSiウエハな
どに限らず、ガラス、セラミックス、金属、宝石などの
表面を平坦化する目的で使用されている。特に最近、S
iウエハなどの半導体基板はULSIの急激な集積度の
増大に伴って、ますます平坦度が厳しく要求されるよう
になってきており、ラッピングに用いる定盤の平坦度維
持の重要性が増大している。
【0004】ところで、Siウエハの両面ラッピング用
の定盤は、Siウエハと同様に砥粒によって研磨されて
いくが、定盤の回転により砥粒量の分布と回転の角速度
は外周側が大きくなるため、特に下定盤の外周側がラッ
ピング作業時間の経過と共に大きく研磨される。つま
り、ラッピング作業時間の経過と共にラッピング定盤の
平坦度が変化し、特に下定盤のラッピング面は上に凸と
なるように変化する傾向を有している。
【0005】このように、ラッピング定盤の平坦度は研
磨作業時間の経過と共に変化する傾向があり、Siウエ
ハなどの被加工物の平坦度は定盤のそれに大きく影響を
受けることになる。上述したように、Siウエハなどの
平坦度要求が高まるにつれて、ラッピング定盤の平坦度
変化を低く抑えることが重要な技術課題となってきてい
る。このため、Siウエハ用のラッピング定盤における
従来の常識を覆して、硬さがHv 200以上の材質からなる
研磨定盤が提案されており(特公平 4- 80791号公報、
特開平6-212252号公報など参照)、実際にSiウエハの
研磨に実用化されている。
【0006】上述したように、ラッピング定盤の耐磨耗
性の面からの平坦度維持は、研磨面材質の硬さを高める
ことで解決がなされてきたが、最近では定盤の大型化に
伴って研磨熱によるラッピング定盤の熱変形が問題にな
ってきている。一般的なSiウエハのラッピングにおけ
る研磨面の温度上昇は 4℃ないし 7℃程度であり、その
ために直径1.5mのラッピング定盤は50μm から 100μm
程度の平坦度変化を示すことが測定されている。Siウ
エハ用ラッピング定盤の平坦度は通常数10μmのオーダ
ーで管理されているため、50μm 以上の熱変形はもはや
無視できない問題となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、Si
ウエハなどのラッピングにおける平坦度精度を高めるた
めには、ラッピング定盤の平坦度の維持が重要である。
そのために、ラッピング定盤の高硬度化などが実施され
ており、耐磨耗性の面からの平坦度維持が図られてい
る。しかしながら、ラッピング定盤の高硬度化とは別
に、定盤の大型化に伴ってラッピング時の研磨面温度の
上昇によるラッピング定盤の熱変形が無視できない問題
になってきている。
【0008】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、研磨面の耐磨耗性の面からの平坦度維
持を図ると共に、熱変形に伴う平坦度変化を抑えること
を可能にしたラッピング定盤、およびそれを用いたラッ
ピング装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のラッピング定盤
は、請求項1に記載したように、硬さ(ビッカース硬
度)がHv 250以上の高硬度材料からなり、遊離砥粒と接
触してラッピング面を提供する研磨プレートと、前記研
磨プレートを支持するベース部とを具備し、前記研磨プ
レートは複数のセグメントに分割されており、かつ各セ
グメントの中央部付近のみがそれぞれベース部に連結固
定されていることを特徴としている。
【0010】本発明の他のラッピング定盤は、請求項2
に記載したように、硬さ(ビッカース硬度)がHv 250以
上の高硬度材料からなり、遊離砥粒と接触してラッピン
グ面を提供する研磨プレートと、室温から 100℃の温度
範囲の熱膨張係数が 7×10-6/K以下である低熱膨張材料
からなり、前記研磨プレートを支持するベース部とを具
備することを特徴としている。このラッピング定盤は、
さらに請求項3に記載したように、前記研磨プレートは
複数のセグメントに分割されており、かつ各セグメント
の中央部付近のみがそれぞれ前記ベース部に連結固定さ
れていることを特徴としている。
【0011】さらに、本発明のラッピング定盤は、請求
項4に記載したように、前記研磨プレートのラッピング
面には複数の溝が形成されていること、請求項5に記載
したように、前記研磨プレートは伸びが1%以下の材料か
らなること、また請求項6に記載したように、前記研磨
プレートは前記ベース部に対して脱着可能に連結固定さ
れていることを、さらに特徴としている。
【0012】本発明のラッピング定盤において、前記ベ
ース部には例えば請求項7に記載したように、20〜40重
量% のNi、16重量% 以下のCo、 3重量% 以下のC、
1重量% 以下のSiおよび 1重量% 以下のMnを含有す
るFe合金が、また前記研磨プレートには例えば請求項
8に記載したように、硬さがHv 250以上に調整された球
状黒鉛鋳鉄が用いられる。なお、ベース部や研磨プレー
トには、セラミックス材料、玄武岩や大理石のような天
然石などを用いることも可能である。
【0013】本発明のラッピング装置は、請求項9に記
載したように、上記した本発明のラッピング定盤と、前
記ラッピング定盤に接続された駆動軸を介して、前記ラ
ッピング定盤を回転駆動させる駆動系と、前記ラッピン
グ定盤の研磨プレート上に研磨砥粒を供給する研磨砥粒
供給手段とを具備することを特徴としている。
【0014】本発明のラッピング装置のより具体的な構
成としては、請求項10に記載したように、前記ラッピ
ング定盤は被加工物を挟むように上下に配置されてお
り、これら上下一対のラッピング定盤のうち少なくとも
一方が請求項1または請求項2記載のラッピング定盤か
らなる構成が挙げられる。
【0015】本発明のラッピング定盤においては、高硬
度材料からなる研磨プレートを複数のセグメントに分割
していると共に、これら各セグメントをそれぞれ中央部
付近の 1個所のみでベース部に固定している。このた
め、研磨プレートがラッピング時の研磨面温度の上昇に
より熱膨張しても、これを半径方向や周方向に逃がすこ
とができる。すなわち、研磨プレートの熱膨張の拘束に
伴う熱変形を防止することできる。この研磨プレートの
熱変形の防止と高硬度化によって、ラッピング精度を大
幅に向上させることが可能となる。
【0016】また、本発明の他のラッピング定盤におい
ては、研磨プレートを支持するベース部を室温から 100
℃の温度範囲の熱膨張係数が 7×10-6/K以下の低熱膨張
材料で構成し、ベース部のラッピング作業時における熱
変形を防止している。このように、ベース部の熱変形を
防止することによって、その上に連結固定される研磨プ
レートは熱変形が制限され、高精度のラッピング面を提
供することが可能となる。また、複数のセグメントに分
割した研磨プレートにおいても、ベース部の熱変形を防
止することによって、各研磨プレートセグメントのラッ
ピング面精度を高めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0018】図1および図2は、本発明のラッピング定
盤の一実施形態の構成を示す図であり、図1(a)はこ
の実施形態のラッピング定盤の平面図、図1(b)はそ
の断面図、図2は図1に示すラッピング定盤の要部を示
す斜視図である。これらの図に示すラッピング定盤1
は、ラッピング面を提供する研磨プレート2と、この研
磨プレート2を一体回転可能なように支持するベース部
3とを有している。
【0019】研磨プレート2は、遊離砥粒と接触してラ
ッピング面を提供するものであり、硬さがHv 250(ビッ
カース硬度)以上の高硬度材料により構成されている。
このようなHv 250以上の高硬度材料からなる研磨プレー
ト2を用いることによって、ラッピング定盤1の平坦度
を耐磨耗性の面から高精度に維持することが可能とな
る。
【0020】そして、研磨プレート2は複数のセグメン
ト2a、2a…に分割されている。これら研磨プレート
セグメント2a、2a…は、それぞれ円盤を数等分した
扇形状を有しており、全体形状として円盤状の研磨プレ
ート2を構成している。ただし、各研磨プレートセグメ
ント2a、2a…間には、熱膨張した際にセグメント2
a同士が接触することを防ぐように、例えば 1〜 2mm程
度の間隙が設けられている。セグメント2a、2a…間
の間隔は、各セグメント2aの大きさおよび作業時の熱
膨張を考慮して設定される。
【0021】複数の研磨プレートセグメント2a、2a
…は、それぞれ中央部付近のみが円盤形状のベース部3
に連結固定されている。具体的には、研磨プレートセグ
メント2aは図1(b)および図2に示すように、その
重心位置で固定ボルト4をベース部3側から捩込むこと
によって、ベース部3に連結固定されている。なお、ベ
ース部3への研磨プレートセグメント2aの連結固定手
段は、固定ボルト4に限られるものではなく、各研磨プ
レートセグメント2aを中央部付近の 1個所のみでベー
ス部3に連結固定することが可能であれば、各種の固定
手段を使用することができる。
【0022】このように、複数に分割した研磨プレート
セグメント2a、2a…を、それぞれ中央部付近の 1個
所のみでベース部3に固定することによって、研磨プレ
ート2がラッピング時の研磨面温度の上昇により熱膨張
しても、これを半径方向や周方向に逃がすことができ
る。すなわち、研磨プレート2の熱膨張の拘束に伴う熱
変形を防止することができる。この研磨プレート2の熱
変形の防止と高硬度化によって、ラッピング精度を大幅
に向上させることが可能となる。
【0023】また、ベース部3は複数の研磨プレートセ
グメント2a、2a…を一体的に支持することが可能な
ものであればよいが、特に室温から 100℃の温度範囲の
熱膨張係数が 7×10-6/K以下の低熱膨張材料で構成する
ことが好ましい。このように、ベース部3を低熱膨張材
料で構成することによって、ラッピング定盤1全体とし
てラッピング時の研磨面温度の上昇による熱変形が抑制
される。
【0024】なお、高硬度材料からなる研磨プレートに
より耐磨耗性を向上させ、かつ低熱膨張材料からなるベ
ース部3により熱変形を抑制する構成は、複数のセグメ
ントに分割した研磨プレート2に限らず、一体化された
研磨プレートに対しても有効である。すなわち、高硬度
材料からなる一体型の円盤状研磨プレートを、低熱膨張
材料からなるベース部上に配置することによっても、低
熱膨張化したベース部によりラッピング定盤全体として
熱変形を抑制することが可能となる。
【0025】ここで、実際のSiウエハなどのラッピン
グでは、 50K以上の温度上昇が経験されているが、室温
から 100℃の温度範囲の熱膨張係数が 7×10-6/K以下の
低熱膨張材料であれば、ラッピング作業時のベース部3
の熱変形を防止することができる。このように、ベース
部3の熱変形を防止することによって、その上に連結固
定される研磨プレート2は熱変形が制限され、高精度の
ラッピング面を提供することが可能となる。複数のセグ
メントに分割した研磨プレート2の場合においても、ベ
ース部3の熱変形を防止することによって、各研磨プレ
ートセグメント2aのラッピング面精度を高めることが
できる。
【0026】ベース部3を構成する低熱膨張材料として
は、例えば20〜40重量% のNi、16重量% 以下のCo
(NiとCoの合計量は25〜45重量% の範囲が好まし
い)、 3重量% 以下のC、 1重量% 以下のSiおよび 1
重量% 以下のMnを含有するFe合金が用いられる。こ
のFe合金には 1重量% 以下のNbなどを添加してもよ
い。このようなFe合金は、例えばインバー合金系材
料、スーパーインバー合金系材料、低膨張鋳鉄系材料な
どとして得られる。特に、低膨張鋳鉄は大気中溶解、大
気中鋳造が容易で、切削加工性が他の 2つの材料に比べ
て著しく容易であり、経済的に有利であって実用性が高
い。
【0027】なお、ベース部3の熱変形を抑制する他の
対策として、ベース部3内に冷却ジャケット(図示せ
ず)を設置することも有効である。すなわち、ベース部
3内に冷却水の流入管と流出管を接続し、研磨プレート
2の直下に冷却ジャケットを設けることによって、ベー
ス部3並びに研磨プレート2の熱変形を抑制することが
できる。
【0028】上述した研磨プレート2の表面(ラッピン
グ面)には、砥粒液の均一供給(砥粒の均一分布)およ
び研磨屑の排出のために溝5が設けられている。この溝
5の寸法は、例えば幅 1〜 4mm、深さ10〜25mm程度とす
ることが好ましく、このような溝5が例えば30〜40mm程
度のピッチで格子状に設けられている。
【0029】研磨プレート2の構成材料としては、熱処
理により硬さをHv 250以上に調整した球状黒鉛鋳鉄が好
ましく用いられる。球状黒鉛鋳鉄は球状黒鉛が研磨砥粒
(遊離砥粒)のトラップ部として作用するための、ラッ
ピング効率の向上を図ることができる。鋳鉄組織中に分
散させる球状黒鉛は、ラッピングに用いる砥粒の平均寸
法に対しておよそ 1〜 4倍程度の断面直径を有している
ことが好ましく、これにより高いラッピング効率が得ら
れる。例えば、Siウエハのラッピングにおいては15〜
20μm 程度の砥粒が一般的に用いられるため、黒鉛寸法
が20〜60μm 程度の球状黒鉛鋳鉄が好適である。
【0030】研磨プレート2として用いる球状黒鉛鋳鉄
の熱処理は、溶体化熱処理した後に急冷処理することが
好ましい。このような熱処理によって、マルテンサイト
組織や焼戻しマルテンサイト、あるいはベイナイト組
織、微細パーライト組織として硬さをHv 250以上とす
る。なお、球状黒鉛鋳鉄の硬さの上限としてはHv 600程
度までの実績がある。
【0031】さらに、球状黒鉛鋳鉄は熱処理により高硬
度化するだけでなく、伸び(引張り試験で破断した際の
伸び)を1%以下とすることが好ましい。これは上記した
溝5の端部、さらには研磨プレートセグメント2aの端
部に生じるバリを抑制するためである。溝5の端部など
にバリなどが生じると、被研磨物の表面にキズなどを生
じさせる。このように、研磨プレート2の構成材料には
伸びが1%以下の材料(例えば鉄系材料)を用いることが
好ましい。
【0032】研磨プレート2には金属材料に限らず、ア
ルミナ系、シリカ系、マグネシア系などの酸化物、窒化
珪素、窒化アルミニウムなどの窒化物、炭化珪素などの
炭化物などのセラミックス材料を使用することもでき
る。また、玄武岩や大理石のような天然石などを用いて
もよい。ベース部3についても同様である。ここで、研
磨プレート2の場合には、鋳鉄の黒鉛が果たしている砥
粒サイトの代わりに、粉砕されやすい黒鉛粒子やBN粒
子などをセラミックス材料の成形工程で添加して分散さ
せておくことが有効である。
【0033】セラミックス材料や天然石材料は、伸びが
小さく、また熱膨張係数が小さいという特徴を有し、さ
らに酸系の研磨液に対する耐食性にも優れている。な
お、セラミックス材料の一体物では、大型化されたラッ
ピング定盤の研磨プレートを構成することが、コストや
製造技術などの点から難しく実用性は低いが、研磨プレ
ート2を複数のセグメントに分割している本発明では、
セラミックス材料によっても研磨プレート2を容易に作
製することができ、実用的である。
【0034】研磨プレート2は溝5の深さの約 80%程度
まで擦り減ると寿命となる。また、セラミックス材料な
どからなる研磨プレートは、ラッピング面に欠けなどの
キズの発生原因となる欠陥が生じることがある。従っ
て、研磨プレート2はベース部3に対して脱着可能とし
ておくことが好ましい。前述した固定ネジ4は、このよ
うな点からも好ましい固定手段であるということができ
る。
【0035】この実施形態のラッピング定盤において
は、高硬度材料からなる研磨プレート2を複数のセグメ
ント2a、2a…に分割していると共に、これら各セグ
メント2a、2a…を熱膨張を自由に逃がすように、そ
れぞれ中央部付近の 1個所のみでベース部3に固定して
いる。従って、研磨プレート2の熱変形を有効に防止す
ることできる。
【0036】そして、砥粒による偏磨耗などは研磨プレ
ート2の高硬度化により抑制しているため、研磨熱によ
る研磨プレート2の熱変形と砥粒による偏磨耗に基づく
研磨プレート2の平坦度の低下を低く抑えることができ
る。さらに、ベース部3に低熱膨張材料を適用すること
で、ラッピング定盤1全体としての熱変形をより一層低
く抑えることができる。これらによって、Siウエハを
はじめとする各種材料のラッピング精度を大幅に向上さ
せることが可能となる。
【0037】また、高硬度材料からなる研磨プレート2
と低熱膨張材料からなるベース部3との組合せによって
も、ラッピング定盤1全体としての熱変形の抑制および
研磨プレート2の偏磨耗の防止に基づいて、ラッピング
定盤1として平坦度の低下を抑制することができる。こ
れらによっても、Siウエハをはじめとする各種材料の
ラッピング精度を向上させることが可能となる。
【0038】図3は、上述した実施形態のラッピング定
盤1を両面研磨方式のラッピング装置に搭載した一構成
例、すなわち本発明のラッピング装置を両面研磨方式に
適用した一実施形態の要部概略構造を示す図である。
【0039】上述した研磨プレート(例えばセグメント
化したもの)2とベース部3とで構成した下部ラッピン
グ定盤1Aの下側、具体的にはベース部3の下側には図
示を省略した駆動軸が固着されている。この駆動軸は駆
動系としての例えばモータと接続されており、この駆動
系により下部ラッピング定盤1Aは所定の回転速度で回
転駆動される。
【0040】下部ラッピング定盤1Aの研磨プレート2
上には、キャリヤ11内に配置された状態で被研磨物1
2、例えばSiウエハがセットされる。キャリヤ11は
通常の両面ラッピング装置と同様に、図示を省略した中
心駆動軸の太陽歯車および外周部の内歯車と噛み合った
遊星歯車を有しており、中心駆動軸を回転駆動させるこ
とによりその回りを遊星運動するように構成されてい
る。
【0041】被研磨物12が配置されたキャリヤ11の
上側には、下部ラッピング定盤1Aと同様に、研磨プレ
ート2とベース部3とで構成された上部ラッピング定盤
1Bが配置されている。上部ラッピング定盤1Bは、下
部ラッピング定盤1Aとは別の駆動系を有しており、被
研磨物12に対して所定の圧力を加えつつ回転駆動され
る。
【0042】また、上下一対のラッピング定盤1A、1
Bの間には、スラリー状の研磨砥粒、例えば研磨砥粒
(遊離砥粒)とポリッシング液との混合スラリーなど
が、図示を省略した研磨砥粒供給装置から供給される。
そして、被研磨物12に上下一対のラッピング定盤1
A、1Bで所定の圧力を加え、この状態で上記研磨砥粒
を供給しつつ、下部および上部ラッピング定盤1A、1
Bを同方向もしくは逆方向に回転させると共に、被研磨
物12が配置されたキャリヤ11を遊星運動させる。こ
のようにして、Siウエハなどの被研磨物12のそれぞ
れの表面(両面)のラッピング加工が行われる。
【0043】この実施形態のラッピング装置において
は、研磨プレート2とベース部3とのハイブリッド構造
のラッピング定盤1を用いていることから、Siウエハ
などの被研磨物のラッピングを高精度に実施することが
できる。なお、この実施形態では下部および上部ラッピ
ング定盤1A、1B共にハイブリッド構造の定盤を用い
る場合について説明したが、一方のラッピング定盤(特
に下部定盤)のみに本発明のハイブリッド構造のラッピ
ング定盤を適用することも可能である。
【0044】上記実施形態のラッピング装置は、Siウ
エハなどのラッピングに限らず、GaAs、InPなど
の他の半導体ウエハ、LiTaO3 などの酸化物単結晶
基板、石英フォトマスクなどの石英ガラス基板、光学レ
ンズなどのラッピングに適用することができる。また、
本発明のラッピング装置は両面研磨方式に必ずしも限ら
れるものではなく、場合によっては片面研磨方式のラッ
ピング装置に適用することも可能である。
【0045】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0046】実施例1 まず、表1に組成を示す球状黒鉛鋳鉄を用いて、図1に
示した研磨プレート2を作製した。一方、表1に組成を
示す低膨張鋳鉄を用いて、図1に示したベース部3を作
製した。そして、これらから直径1400mmのラッピング定
盤1を作製し、それを用いて図3に示したような両面ラ
ッピング装置を構成した。なお、各材料の特性は表2に
示す通りである。
【0047】
【表1】
【表2】 ラッピング定盤の作製にあたっては、まず球状黒鉛鋳鉄
からなる研磨プレート2の鋳造において、黒鉛チラーを
用いて急冷凝固させ、黒鉛寸法を30〜45μm に微細化さ
せた。さらに粗面化し、 950℃の温度に保持した後に油
焼入れし、次いで 450℃で焼戻し処理を行って、Hv 460
の焼戻しマルテンサイト組織とした。この円盤に幅 1.5
mm、深さ17mmの溝をピッチ40mm角の格子状に加工した
後、 8個に等分してそれぞれ扇形のセグメントとした。
【0048】一方、ベース部の低膨張鋳鉄は鋳造後に 7
50℃から焼入れし、さらに機械加工した後に応力除去の
ための焼鈍を行った。このようなベース部に上記した各
研磨プレートセグメントを、その重心位置に固定ネジを
捩じ込むことにより固定した。研磨プレートセグメント
はそれぞれ 1つの固定ネジのみでベース部に連結固定さ
れている。また、セグメント間隔は 1.5mmとした。
【0049】また、本発明との比較例として、表1に組
成を示した球状黒鉛鋳鉄で研磨プレートおよびベース部
を共に形成したもの(比較例1)、および表1に組成を
示した低膨張鋳鉄で研磨プレートおよびベース部を共に
形成したもの(比較例2)をそれぞれ作製し、実施例と
同様にラッピング装置を構成した。
【0050】上述した実施例および比較例1、2の各ラ
ッピング装置を用いて、Siウエハ( 8インチウエハ)
のラッピング試験を実施し、定盤の平坦度を測定した。
その結果を表3に示す。
【0051】
【表3】 表3から明らかなように、実施例のラッピング装置で
は、研磨中の定盤の初期平坦度および温度上昇の抑制が
共に優れ、これらによりラッピング定盤の平坦度を高精
度に維持し得ることが分かる。従って、Siウエハなど
の研磨精度および作業効率を大幅に向上させることがで
きる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のラッピン
グ定盤によれば、研磨面の耐磨耗性の面からの平坦度維
持を図った上で、熱変形に伴う平坦度変化を抑制するこ
とができる。従って、ラッピング面の平坦度を高精度に
維持することが可能となる。そして、このようなラッピ
ング定盤を用いた本発明のラッピング装置によれば、各
種被研磨物のラッピング作業を高精度にかつ効率よく実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のラッピング定盤の一実施形態の構成
を示す図である。
【図2】 図1に示すラッピング定盤の要部を示す斜視
図である。
【図3】 図1に示すラッピング定盤を用いた本発明の
一実施形態のラッピング装置の要部概略構造を示す図で
ある。
【符号の説明】
1……ラッピング定盤 2……研磨プレート 2a…研磨プレートセグメント 3……ベース部 4……固定ネジ 5……溝 11……キャリヤ 12……被研磨物

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬さがHv 250以上の高硬度材料からな
    り、遊離砥粒と接触してラッピング面を提供する研磨プ
    レートと、前記研磨プレートを支持するベース部とを具
    備し、 前記研磨プレートは複数のセグメントに分割されてお
    り、かつ各セグメントの中央部付近のみがそれぞれ前記
    ベース部に連結固定されていることを特徴とするラッピ
    ング定盤。
  2. 【請求項2】 硬さがHv 250以上の高硬度材料からな
    り、遊離砥粒と接触してラッピング面を提供する研磨プ
    レートと、 室温から 100℃の温度範囲の熱膨張係数が 7×10-6/K以
    下である低熱膨張材料からなり、前記研磨プレートを支
    持するベース部とを具備することを特徴とするラッピン
    グ定盤。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のラッピング定盤におい
    て、 前記研磨プレートは複数のセグメントに分割されてお
    り、かつ各セグメントの中央付近のみがそれぞれ前記ベ
    ース部に連結固定されていることを特徴とするラッピン
    グ定盤。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載のラッピン
    グ定盤において、 前記研磨プレートのラッピング面には複数の溝が形成さ
    れていることを特徴とするラッピング定盤。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2記載のラッピン
    グ定盤において、 前記研磨プレートは伸びが1%以下の材料からなることを
    特徴とするラッピング定盤。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項2記載のラッピン
    グ定盤において、 前記研磨プレートは前記ベース部に対して脱着可能に連
    結固定されていることを特徴とするラッピング定盤。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項2記載のラッピン
    グ定盤において、 前記ベース部は、20〜40重量% のNi、16重量% 以下の
    Co、 3重量% 以下のC、 1重量% 以下のSiおよび 1
    重量% 以下のMnを含むFe合金からなることを特徴と
    するラッピング定盤。
  8. 【請求項8】 請求項1または請求項2記載のラッピン
    グ定盤において、 前記研磨プレートは、硬さがHv 250以上に調整された球
    状黒鉛鋳鉄からなることを特徴とするラッピング定盤。
  9. 【請求項9】 請求項1または請求項2記載のラッピン
    グ定盤と、 前記ラッピング定盤に接続された駆動軸を介して、前記
    ラッピング定盤を回転駆動させる駆動系と、 前記ラッピング定盤の前記研磨プレート上に研磨砥粒を
    供給する研磨砥粒供給手段とを具備することを特徴とす
    るラッピング装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のラッピング装置におい
    て、 前記ラッピング定盤は被加工物を挟むように上下に配置
    されており、これら上下一対のラッピング定盤のうち少
    なくとも一方が請求項1または請求項2記載のラッピン
    グ定盤からなることを特徴とするラッピング装置。
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