JPH11239455A - 米飯ソフト成形装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソフトで食感、味の良い高品質の成形米飯を
効率良く成形できるようにする。 【解決手段】 定間隔に複数の成形型７ａを上下方向へ
貫設したターンテーブル２等の移動成形型と、移動成形
型の上方に配置し、定量米飯ａを成形型７ａに供給する
米飯供給機構と、移動成形型７ａ内に配置した下型１０
と、米飯ａが供給された成形型７ａの上方に配置した上
型１５と、上型１５、下型１０の駆動機構２７とを具備
し、駆動機構２７による動力が、成形型７ａ内の米飯ａ
に対し弾力的圧縮力として伝達されるよう、駆動機構２
７と、上型の昇降機構１６、下型の昇降機構１３を圧縮
バネ３５、４２を介在して連動連結して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、おむすびや握り寿
司等を握る際に、米飯や寿司飯を所定の形状、大きさに
成形（握り固める）するための自動化された米飯ソフト
成形装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば握り寿司を握る際に、寿司
飯を図５に示したような形状の成形米飯Ａに成形するた
めの米飯成形装置としては、図６に示したように、ター
ンテーブルａに凹設した成形型ｂ内に所定量の米飯ｃを
供給し、これを成形型ｂ内でプレスヘッドｄにてプレス
して成形する装置と、図７に示したように、ターンテー
ブルａに上下方向へ貫通して形成した成形型ｂ₁ 内に下
型ｅを挿入した状態にて、当該成形型ｂ₁ 内に所定量の
米飯ｃを供給し、これを上型ｆと下型ｅにて上下両方向
からプレスして成形する装置が知られている。

【０００３】即ち、上記した両装置によれば、プレスヘ
ッドｄ及び上下両型ｆ、ｅを図示しない駆動機構と直結
し、該駆動機構による動力を、プレスヘッドｄ及び上下
両型ｆ、ｅを介して米飯ｃに直接圧縮力として伝達し、
成形を行なっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、上記した
従来の成形装置においては、駆動機構と昇降機構を介し
て直結したプレスヘッド、または上下両型にて米飯を圧
縮成形するので、米飯に対し、圧縮力が急激、かつ強力
に作用することとなって、米飯が圧縮過多により潰れた
り、固くなり、成形米飯の表部と内部とでは米飯圧縮密
度が相違し、均一米飯密度の成形品が得難くなり、その
結果、商品価値が低下することになる。

【０００５】

【目的】本発明は、上記従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたもので、ターンテーブル等、移
動成形型の成形型内の米飯を、上型と下型とで同時に上
下方向から圧縮して成形するようにした装置において、
駆動機構と上下両型を、圧縮バネを介在して間接的に連
動連結したことにより、米飯に対する圧縮力が、初期成
形動作時は緩徐に作用し、次いで強く作用することと
で、恰も職人が手で握るのと同様にソフトで程よい固さ
の食感、味の良い高品質の成形米飯を容易、確実に成形
できるようにした米飯ソフト成形装置を提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の米飯ソフト成形装置は、所定方向へ一定の
間隔をおいて複数の成形型を上下方向へ貫通して形成し
た間欠移動するターンテーブル等の移動成形型と、前記
移動成形型の上方に配置され、成形型内へ米飯を一定量
づつ供給する米飯供給機構と、前記移動成形型の各成形
型内へ配置され、昇降機構によって昇降動作される下型
と、米飯が供給された成形型の上方に配置され、昇降機
構によって昇降動作される上型と、上型、下型を同時に
対向及び対称方向へ昇降動作する上型、下型の駆動機構
とを具備し、前記駆動機構による動力が成形型内の米飯
に対し、弾力的圧縮力として伝達されるよう、当該駆動
機構と上型、下型両昇降機構を圧縮バネを介在して連動
連結してなることを特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る米飯ソフト成
形装置の一実施形態につき図面を参照して説明する。図
１は移動成形型としてのターンテーブルの成形型内に一
定量の米飯を供給した状態の一部切欠した縦断正面図を
示し、図２は全体の平面図を示し、図３は米飯成形状態
の一部切欠した縦断正面図を示す。

【０００８】図１ないし図３において、１は基板、２は
これの上面に水平にして回転自在に軸支されているター
ンテーブルを示す。上記ターンテーブル２は、図１及び
図３に示したように、回転円盤３上から立設した中心軸
４と、周辺部の２本の固定用ピン５に挿通し、固定用ネ
ジ６にて中心軸４に固定することで回転円盤３上へ脱着
自在に固定されている。

【０００９】上記回転円盤３は図示しない軸にて基板１
に回転自在に軸支され、該基板１上に搭載された図示し
ないモータに連動連結されたギヤ減速伝動機構によって
図２に示した矢印イ方向へ、後述する複数の成形型間の
ピッチに対応して間欠回転される。

【００１０】図１ないし図３に示したように、上記ター
ンテーブル２の同一円周線上には、複数（図示例では６
個）の成形型７、７ａ、７ｂ、７ｃ、７ｄ、７ｅを周方
向へ一定の間隔をおいて、上下方向へ貫通して形成させ
てある。

【００１１】図２に示したように、上記ターンテーブル
２の上部、つまり上記成形型７の上方部に位置して米飯
供給機構８を背板９に固定して配置してある。この米飯
供給機構８は、米飯ホッパー８ａと、この下部に連設し
た米飯供給部と、この下部の開口部に配置した左右方向
へ開閉自在なシャッターとで形成され、米飯ホッパー８
ａは、米飯を下方へ掻き出すための対向回転する一対の
撹拌バーを備えている。

【００１２】上記米飯供給部は、米飯を下方へ送り出す
ための対向回転する複数のローラを軸支して形成され、
このローラと上記した一対の撹拌バーは、図示しないモ
ータ等の駆動源によって回転される。

【００１３】上記米飯供給機構８は、ターンテーブル２
の間欠回転に対応して米飯を一定量づつ成形型７、７
ｅ、７ｄ、７ｃ、７ｂ、７ａ内へ順次供給する。

【００１４】ターンテーブル２の各成形型７〜７ｅ内に
は下型１０を昇降動自在に挿入配置させてあり、該各下
型１０は、下端にガイドローラ１１をピン１２にて回転
自在に支持して後述する下型ガイドレール上を円滑に回
転移動できるように形成させてある。

【００１５】図１及び図３に示したように、上記基板１
の一側上部、つまり、上記したターンテーブル２の成形
型７ａと対応する位置には、下型の昇降機構１３を配置
してある。この昇降機構１３は、起立板部１４ａと、こ
れの上下両端から対称に延設した上部平板部１４ｂと下
部平板部１４ｃとで側面略半クランク形状に形成した上
下動板１４の中間部を、基板１上に立設したブラケット
１４ｅに支軸１４ｆにてシーソー式に揺動自在に軸支し
て形成されている。

【００１６】上記昇降機構１３は、その上下動板１４の
下部平板部１４ｃ上に上記したローラ１１を載置した状
態にて、当該上下動板１４の上下方向への揺動によって
下型１０を昇降動作する。

【００１７】図１ないし図３に示したように、ターンテ
ーブル２の一側上部、つまり成形型７ａの上方部には上
型１５を、その昇降機構１６に支持して昇降動自在に配
置させてある。

【００１８】上記した上型１５の昇降機構１６は、上端
と下端を上部支持板１７と下部支持板１８に各固定し
て、所定の間隔をおいて並設した２本で一対の昇降軸１
９、１９を、背板９にボルト２０、２０にて固定した軸
受２１にブッシュ２２を介在して昇降動自在に挿通して
配置し、上部支持板１７に取付アーム２３の基端部を固
定ネジ２４にて水平に固定して形成されている。

【００１９】上記上型１５は、これより上方へ突設した
ネジ棒１５ａを、上記取付アーム２３の先端部に上下方
向へ貫通して形成したネジ孔２３ａに下方から螺挿し、
ネジ棒１５ａの突出端部にワッシャ２５を介してナット
２６を螺着することで上下方向へ移動調整自在に吊持さ
れている。

【００２０】上記した各昇降機構１３、１６を介して下
型１０、上型１５を昇降動作する駆動機構２７は次のよ
うに構成されている。図１ないし図３に示したように、
背板９にインダクションモータ２８と共にボルト２９・
・・にて固定したギヤボックス３０内のギヤ減速伝動機
構の駆動軸３１に、リンク３２ａ、３２ｂの各端部をボ
ルト３２ｃにて回転自在に軸支して形成したリンク機構
３２の一端を固定して形成させてある。

【００２１】そして、本発明では、上記駆動機構２７
と、上記した上型１６、下型１０の各昇降機構１６、１
３を次のようにして間接的に連動連結させてある。

【００２２】図１及び図３に示したように、上記した軸
受２１の下端に形成した開口部２１ａに、上記した一対
の昇降軸１９、１９と、下部支持板１８を昇降動自在に
内装し、該下部支持板１８の中央部に、上下方向へ貫通
して形成した軸孔１８ａへ摺動軸３３を上下方向へ摺動
自在に挿通させてある。

【００２３】上記摺動軸３３の上端から延設したネジ軸
３３ａにはバネ受３４を上下方向へ移動調整自在に螺合
させてあり、該バネ受３４と、上記した下部支持板１８
の上面に端部を支持して圧縮バネ３５を当該摺動軸３３
に外装させてある。

【００２４】上記摺動軸３３は、ほぼ中間部に下部支持
板１８の裏面を当接して当該下部支持板１８を押し上げ
上昇させるためのフランジ３６を設けてあると共に、下
端を、上記した駆動機構２７におけるクランク機構３２
の他端とボルト３７等にて回転自在に軸支させてある。

【００２５】即ち、上記昇降機構１６は、駆動機構２７
による動力が下方向へ直接伝達されることなく、圧縮バ
ネ３５を介して間接的に伝達されるよう駆動機構２７と
連動連結されている。

【００２６】摺動軸３３の上部と圧縮バネ３５は、軸受
２１に設けた下向き開口の凹部２１ｂ内に挿入される。

【００２７】下型１０の昇降機構１３における上下動板
１４の上部平板部１４ｂ先端近くにはガイド孔１４ｄを
上下方向へ貫通して形成してあり、該ガイド孔１４ｄ
に、基板１に固定して起立した垂直なガイド枠３８を摺
動自在に挿通させてある。

【００２８】上記ガイド棒３８の上端部は、上記した摺
動軸３３の下端に、図４に示したボルト３９にて固定し
た水平な駆動板４０に、上下方向へ貫通して形成したガ
イド孔４０ａへ摺動自在に挿通させてある。

【００２９】上記ガイド棒３８は、その下部に、端部を
上記した上下動板１４の上部平板部１４ｂ裏面と、基板
１上面に支持して、上下動板復帰用の圧縮バネ４１を外
装させてあると共に、上部には、上記上下動板１４の上
部平板部１４ｂ上面に下端を突接して、上下動板押し下
げ用の圧縮バネ４２を外装させてある。

【００３０】即ち、上記した駆動機構２７による動力
が、上記摺動軸３３、駆動板４０、圧縮バネ４２を介し
て下型１０の昇降機構１３へ押し下げ力として間接的に
伝達されるよう構成されている。

【００３１】図１ないし図３において、４３は下型ガイ
ドレールを示す。この下型ガイドレール４３は、ターン
テーブル２の間欠回転による各下型１０・・・の回転移
動軌跡に沿って、平面略環状にターンテーブル２の下部
に配置してあると共に、図２に明示した如く、成形型７
ａ内の下型１５と対応する部分は切欠部４３ａに形成さ
れ、該切欠部４３ａの一側端部は、上部水平板部４３ｂ
へ傾斜上昇する傾斜上昇部４３ｃに、また他端部は、上
部水平板部４３ｂから傾斜下降する傾斜下降部４３ｂに
各形成されている。

【００３２】即ち、上記ガイドレール４３は、成形型７
ａ内にて上下両型１５、１０により定量米飯ａが所定形
状に成形された後、ターンテーブル２の間欠回転によっ
て回転移動される下型１０を、傾斜上昇部４３ｃ上部水
平板部４３ｂにてお仕上げ、成形米飯Ａを脱型し、その
取り出しを容易にすると共に、次いで、傾斜下降部４３
ｄで下型１０を下降して成形型内に定量米飯が供給され
るように、下型１０の昇降動作を行なうものである。

【００３３】さらに、本発明は、図４に明示した如く、
一半を半径の大きい半円形状部４４ａに、他半を半径の
小さい半円形状部４４ｂとした円板状にして、外周の対
称位置に段差部４４ｃ、４４ｄを設けて形成した信号カ
ム４４を、上記した駆動軸３１に固定し、この信号カム
４４を検知するフォトマイクロセンサ４５、４６を正面
略ハの字形状に配置し、信号カム４４をフォトマイクロ
センサ４５、４６で検知し、この検出信号を図示しない
制御盤へ送信するようにして、駆動軸３１の回転角度及
び正転、逆転並びにインダクションモータ２８の始動、
停止を行ない、上型１５、下型１０で２回、または２回
以上連続して成形動作を行なうように構成することも可
能である。このように構成すると、米飯ａをよりソフト
に成形することができる。

【００３４】図示した実施形態は、移動成形型としてタ
ーンテーブルを示しているが、これ以外に、各成形型を
設けた複数の図示しないブロックを、図示しない搬送ベ
ルトコンベアのコンベアベルト上に固定し、一定方向へ
間欠回転するよう形成したものを使用することもでき
る。

【００３５】

【発明の効果】本発明に係る米飯ソフト成形装置は、以
上説明したように構成されているので、ターンテーブル
等、移動成形型の成形型内の定量米飯を、上、下両型で
同時に上下から圧縮して成形するようにしたものにおい
て、上型と下型を、これらの駆動機構と直結することな
く、圧縮バネを介して間接的に連動連結してなるもので
あるから、初期成形動作時は駆動機構による動力が圧縮
バネの圧縮によって吸収され、米飯に対し急激、かつ強
力に圧縮力が与えられることはなく、成形動作の前半で
は緩徐にして弱力の圧縮力が与えられ、後半に強い圧縮
力が与えられるようになるので、米飯が潰れたり、固ま
ることなく、恰も職人等が手で握るのと同様に、米飯圧
縮密度が均一で、かつソフトで、食感、味の良い商品価
値の高い定形成形米飯を容易確実にして、効率よく成形
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る米飯ソフト成形装置の一実施形態
を一部切欠して示す縦断正面図である。

【図２】同上装置を示す全体の平面図である。

【図３】同上装置の米飯成形状態を一部切欠して示す縦
断正面図である。

【図４】同上装置の駆動機構と信号カムを示す正面図で
ある。

【図５】成形米飯を例示した斜視図である。

【図６】従来の米飯成形装置の一部を示す断面図であ
る。

【図７】従来の他の米飯成形装置の一部を示す断面図で
ある。

【符号の説明】

２ テーンテーブル ７〜７ｅ 成形型 ８ 米飯供給機構 １０ 下型 １３ 下型の昇降機構 １５ 上型 １６ 上型の昇降機構 ２７ 駆動機構 ３５、４２ 圧縮バネ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定方向へ一定の間隔をおいて複数の成
   形型を上下方向へ貫通して形成した間欠移動するターン
   テーブル等の移動成形型と、前記移動成形型の上方に配
   置され、成形型内へ米飯を一定量づつ供給する米飯供給
   機構と、前記移動成形型の各成形型内へ配置され、昇降
   機構によって昇降動作される下型と、米飯が供給された
   成形型の上方に配置され、昇降機構によって昇降動作さ
   れる上型と、上型、下型を同時に対向及び対称方向へ昇
   降動作する上型、下型の駆動機構とを具備し、前記駆動
   機構による動力が成形型内の米飯に対し、弾力的圧縮力
   として伝達されるよう、当該駆動機構と下型、下型両昇
   降機構を圧縮バネを介在して連動連結してなることを特
   徴とする米飯ソフト成形装置。