JPH11238085A - 検査系列生成方法 - Google Patents

検査系列生成方法

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JPH11238085A
JPH11238085A JP10311948A JP31194898A JPH11238085A JP H11238085 A JPH11238085 A JP H11238085A JP 10311948 A JP10311948 A JP 10311948A JP 31194898 A JP31194898 A JP 31194898A JP H11238085 A JPH11238085 A JP H11238085A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検査容易化されたRTL回路に対して検査系
列を容易に生成可能な検査系列生成方法を提供する。 【解決手段】 RTL回路に対して、検査容易である回
路構造になるようにスキャン化するレジスタを決定す
る。このRTL回路に対して所定の評価指標を基にして
時間軸展開を行う(S20)とともに、論理合成を行っ
て(S31)、時間軸展開されたゲートレベルの回路で
ある時間軸展開組合せ回路を検査系列生成用回路として
生成する(S32)。この時間軸展開組合せ回路に対し
て多重縮退故障を対象とした検査入力を生成し(S3
3)、各外部入力および擬似外部入力が存在するタイム
フレームの情報を基に検査系列に変換し、さらにスキャ
ンのシフト動作を考慮したスキャン用検査系列に変換す
る(S34,S35)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集積回路(LS
I)の検査系列生成に関するものであり、特にレジスタ
トランスファレベル(RTL,Register Transfer Leve
l )で設計された集積回路であるRTL回路に対して検
査系列生成を行う技術に属するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の検査容易化設計の手法の代表的な
ものとして、スキャン設計方法がある。スキャン設計方
法とは、論理設計された集積回路内のフリップフロップ
(FF)を、外部から直接に制御(スキャンイン)およ
び観測(スキャンアウト)可能なスキャンFFに置き換
え、順序回路の検査入力生成問題を組合せ回路の問題に
簡略化することによって、検査系列の生成が容易になる
ようにするものである(1990年,コンピュータサイエン
スプレス(Computer Science Press)社発行,「Digita
l Systems Tesing and Testable DESIGN」,9章デザイ
ンフォーテスタビリティ(Design For Testability)参
照)。
【0003】従来のスキャン設計方法としては、全ての
FFをスキャンFFに置き換えるフルスキャン設計手法
や、前記フルスキャン設計手法における面積オーバヘッ
ド大などの問題点を解消すべく、観測・制御が困難な箇
所のみをスキャンFFに置き換えるパーシャルスキャン
設計手法があり、主としてゲートレベルで行われてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のゲー
トレベルにおけるパーシャルスキャン設計手法による
と、論理合成によって生成したゲートレベルの回路の動
作タイミングがスキャン設計によって影響を受けてしま
い、正常な動作が保証されなくなる場合があった。この
ため、設計の手戻りが生じ、設計期間が長期化するとい
う問題があった。
【0005】そこで最近では、ゲートレベルよりも抽象
度が高いレジスタトランスファレベル(RTL)におい
て、パーシャルスキャン設計を行う手法が提案されてい
る。
【0006】例えば、RTLで設計された集積回路(R
TL回路)に対して、指定されたスキャン化割合の範囲
の中で、可検査性尺度などを用いて、スキャン化するレ
ジスタを決定するという方法が提案されている(1995
年,ASPDAC(Asia and South Pasific Design Au
tomation Conference ),pp209〜216,「Design For T
estability Using register Transfer Level Partial S
can Selection」)。
【0007】ところが前記のRTLにおけるパーシャル
スキャン設計手法によると、RTLにおいて、高い故障
検出率を保証することは困難であった。すなわち、前記
のRTLにおけるパーシャルスキャン設計手法では、指
定されたスキャン化割合の範囲の中でできるだけ故障検
出率を上げるというスタンスをとるので、スキャン化す
るレジスタの決定、論理合成、スキャンパス挿入、検査
系列生成という一連の工程を、高い故障検出率が得られ
るまで、繰り返し行わなければならない。このため、ス
キャン化設計全体としては時間がかかり、結果としてテ
スト設計コストが大きくなるという問題があった。
【0008】前記の問題に鑑み、本発明は、検査容易で
ある構造を有するRTL回路に対して、検査系列を容易
に生成することができる検査系列生成方法を提供するこ
とを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1の発明が講じた解決手段は、レジスタトラ
ンスファレベル(RTL,Register Transfer Level )
で設計された集積回路であるRTL回路に対して、検査
系列を生成する検査系列生成方法として、前記RTL回
路は、検査時において無閉路構造であるか、または、ス
キャン化するレジスタが決定されており、かつ、検査時
において、スキャン化するレジスタの通常データ入力を
擬似外部出力とみなし、データ出力を擬似外部入力とみ
なしたとき無閉路構造となるものとし、前記RTL回路
を、時間軸展開されたゲートレベルの回路である時間軸
展開組合せ回路に変換する第1の工程と、前記第1の工
程において生成した時間軸展開組合せ回路に対して、検
査入力を生成する第2の工程と、前記第2の工程におい
て生成した検査入力を、前記第1の工程において生成し
た時間軸展開組合せ回路における各外部入力および擬似
外部入力が属するタイムフレームの情報を基に、前記R
TL回路を論理合成して得られるゲートレベル回路に対
する検査系列に変換する第3の工程とを備えているもの
である。
【0010】請求項1の発明によると、第1の工程にお
いて、RTL回路を、容易に検査入力生成可能なゲート
レベルの時間軸展開組合せ回路に変換し、第2の工程に
おいて、この時間軸展開組合せ回路に対して組合せ回路
用の検査入力を生成し、第3の工程において、前記検査
入力を、スキャン化された順序回路用の検査系列に変換
する。これによって、RTL回路を論理合成して得られ
るゲートレベル回路に対する検査系列を容易に生成する
ことができる。
【0011】そして、請求項2の発明では、前記請求項
1の検査系列生成方法における第1の工程は、前記RT
L回路に対して所定の評価指標を基に時間軸展開を行う
RTL時間軸展開処理と、前記RTL回路に対して論理
合成を行いゲートレベルの回路に変換する論理合成処理
と、前記RTL時間軸展開処理において求めた時間軸展
開されたRTL回路と、前記論理合成処理において生成
したゲートレベルの回路とを基にして、前記時間軸展開
組合せ回路を生成する検査系列生成用回路生成処理とを
備えているものとする。
【0012】さらに、請求項3の発明では、前記請求項
2の検査系列生成方法におけるRTL時間軸展開処理
は、各タイムフレームに存在する組合せ機能部品の個数
の総和または各タイムフレームに存在する組合せ機能部
品の見積もりゲート数の総和を前記所定の評価指標とし
て用いて、この評価指標がより小さくなるように前記R
TL回路に対して時間軸展開を行うものとする。
【0013】また、請求項4の発明では、前記請求項2
の検査系列生成方法におけるRTL時間軸展開処理は、
擬似外部入力または擬似外部出力が存在するタイムフレ
ームの個数を前記所定の評価指標として用いて、この評
価指標がより小さくなるよう前記RTL回路に対して時
間軸展開を行うものとする。
【0014】また、請求項5の発明では、前記請求項2
の検査系列生成方法におけるRTL時間軸展開処理は、
各擬似外部入力が存在するタイムフレーム数の総和と各
擬似外部出力が存在するタイムフレーム数の総和との和
から、対応する擬似外部出力が存在するタイムフレーム
の次のタイムフレームに,対応する擬似外部入力が存在
するレジスタの個数を減じたものを、前記所定の評価指
標として用いて、この評価指標がより小さくなるよう前
記RTL回路に対して時間軸展開を行うものとする。
【0015】また、請求項6の発明では、前記請求項2
の検査系列生成方法におけるRTL時間軸展開処理は、
各タイムフレームに存在する外部入力の個数の総和を前
記所定の評価指標として用いて、この評価指標がより大
きくなるよう前記RTL回路に対して時間軸展開を行う
ものとする。
【0016】そして、請求項7の発明では、前記請求項
2の検査系列生成方法におけるRTL時間軸展開処理
は、前記RTL回路の各外部出力および擬似外部出力に
ついて、それぞれ、最大順序深度を求める第1の処理
と、前記RTL回路の各外部出力および擬似外部出力
を、前記第1の処理において計算した最大順序深度の大
きい順にソートする第2の処理と、前記第1の処理で計
算した最大順序深度の最大値に1を加えた値を、時間軸
展開のタイムフレーム数として設定する第3の処理と、
各外部出力または擬似外部出力について、前記第2の処
理におけるソート結果の順に、所定の評価指標に基づい
て時間軸展開を行う第4の処理とを備えているものとす
る。
【0017】また、請求項8の発明では、前記請求項2
の検査系列生成方法において、前記第1の工程は、前記
RTL回路について、互いを結ぶ経路にレジスタ、外部
入力および外部出力がいずれも属さない組合せ機能部品
をグループ化する前処理を有し、かつ、前記RTL時間
軸展開処理は、前記前処理でグループ化した組合せ機能
部品を1つの組合せ機能部品として時間軸展開を行うも
のであり、前記論理合成処理は、前記前処理でグループ
化した組合せ機能部品を単位として論理合成を行うもの
とする。
【0018】また、請求項9の発明では、前記請求項1
の検査系列生成方法における第1の工程は、前記RTL
回路に対して論理合成を行う論理合成処理と、前記論理
合成処理で生成されたゲートレベルの回路に対して、所
定の評価指標を基にして時間軸展開を行い、前記時間軸
展開組合せ回路を生成するゲートレベル時間軸展開処理
とを備えているものとする。
【0019】そして、請求項10の発明では、前記請求
項9の検査系列生成方法におけるゲートレベル時間軸展
開処理は、各タイムフレームに存在するゲートの個数の
総和を前記所定の評価指標として用いて、この評価指標
がより小さくなるよう前記ゲートレベルの回路に対して
時間軸展開を行うものとする。
【0020】また、請求項11の発明では、前記請求項
1の検査系列生成方法における第3の工程は、一のタイ
ムフレームに存在する擬似外部出力に対応するレジスタ
を構成するスキャンFF、および前記一のタイムフレー
ムの次のタイムフレームに存在する擬似外部入力に対応
するレジスタを構成するスキャンFFによって、一個の
スキャンパスを構成して、前記検査入力を検査系列に変
換するものとする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0022】(第1の参考例)図1は本発明の第1の参
考例に係る検査容易化設計方法における処理の流れを示
すフローチャートである。図1において、S11は検査
容易である回路構造を指定する第1の工程としてのステ
ップ、S12はレジスタトランスファレベル(RTL,
Register Transfer Level )で設計された集積回路であ
るRTL回路についてRTL設計データから有向グラフ
を生成するステップ、S13は検査時における前記RT
L回路の回路構造が、スキャン化するレジスタの通常デ
ータ入力を擬似外部出力とみなし、データ出力を擬似外
部入力とみなしたときに、ステップS11で指定した回
路構造になるように、ステップS12で生成した有向グ
ラフ上でスキャンレジスタに置換すべきレジスタ(スキ
ャン化するレジスタ)を決定する第2の工程としてのス
テップである。
【0023】ステップS11では、検査容易である回路
構造として、無閉路構造、n重整列構造(nは自然数)
または組合せ検査入力生成複雑度を持つ構造を指定す
る。
【0024】無閉路構造とは、回路中にフィードバック
ループを含まない構造のことをいう。n重整列構造と
は、回路中のレジスタと外部出力または擬似外部出力と
の任意の対について、この対をなすレジスタと外部出力
または擬似外部出力との間の各経路の順序深度はn通り
以下である構造のことをいう。n重整列構造を持つ回路
は、任意の外部出力または擬似外部出力に対して時間軸
展開したとき、各レジスタが存在するタイムフレームの
個数はそれぞれn以下に限定されるという性質を持つ。
また、組合せ検査入力生成複雑度を持つ構造とは、組合
せ回路に対する検査系列生成アルゴリズムが適用可能な
程度の複雑度を持つ構造のことをいう。
【0025】図2は構造による同期式順序回路の分類を
表す図である。図2に示すように、無閉路構造はn重整
列構造を含み、n重整列構造は組合せ検査入力生成複雑
度を持つ構造を含む。
【0026】またステップS12で生成する有向グラフ
は、組合せ機能部品やレジスタなどの機能部品をノード
で表し、各ノード間のデータ転送をエッジで表すもので
ある。なおファイナイトステートマシンを含むRTL回
路については、ファイナイトステートマシンのみを論理
合成してRTL回路全体をレジスタと組合せ機能部品の
接続で表現した後に、有向グラフを生成する。または、
ファイナイトステートマシーンに含まれるレジスタはス
キャン化されるものとして、レジスタと組合せ機能部品
で有向グラフを生成する。
【0027】本参考例に係る検査容易化設計方法につい
て、具体的な回路を例にとって、図3〜図6を参照して
説明する。
【0028】図3はステップS12においてRTL設計
データから生成した,本参考例に係る検査容易化設計方
法が対象とするRTL回路の一例を表す有向グラフであ
る。図3において、A〜Kは組合せ機能部品、reg1
〜reg9はレジスタ、PI1,PI2は外部入力、P
O1,PO2は外部出力をそれぞれ示している。図3に
示すような有向グラフは、実際の検査容易化設計におい
て、図で記述される場合もあるし、Verilog-HDL などの
機能記述言語で記述される場合もある。
【0029】図4はステップS11で検査容易である回
路構造として無閉路構造を指定した場合において、ステ
ップS13において図3に示すRTL回路に対してスキ
ャン化するレジスタを決定した結果を示す図である。図
4に示すように、元の有向グラフには、レジスタreg
1,reg2,reg6および組合せ機能部品A,B,
Fからなるループ1と、レジスタreg1,reg2,
reg8および組合せ機能部品A,B,Hからなるルー
プ2と、レジスタreg4および組合せ機能部品Dから
なるループ3の3つのフィードバックループが存在す
る。ループ1,ループ2はともにレジスタreg1,r
eg2を含むので、レジスタreg1,reg2のいず
れかをスキャンレジスタに置換すればループ1,ループ
2はともにブレイクできる。またループ3はレジスタr
eg4をスキャンレジスタに置換すればブレイクでき
る。このため、図4に示すように、ハッチを付している
レジスタreg2,reg4をスキャン化するレジスタ
として決定する。
【0030】図5はステップS11で検査容易である回
路構造として1重整列構造を指定した場合において、ス
テップS13において図3に示すRTL回路に対してス
キャン化するレジスタを決定した結果を示す図である。
1重整列構造とは、n重整列構造においてn=1とした
もの、すなわち、あるレジスタからある外部出力または
擬似外部出力までの各経路の順序深度は1通りである構
造をいう。言い換えると、1重整列構造では、各レジス
タは、ある外部出力または擬似外部出力までの経路が自
己を通らず、かつ前記各経路におけるレジスタの個数が
1通りである。
【0031】図5に示すように、元の有向グラフにおい
て、レジスタreg1,reg2,reg4,reg
6,reg8はフィードバックループの存在によって外
部出力PO1,PO2までの自己を通る経路が存在する
ものであり、レジスタreg3は外部出力PO1までの
経路においてレジスタの個数が2通り(2個と1個)で
ある。したがって、元のRTL回路は1重整列構造では
ない。そこで、レジスタreg2,reg4をスキャン
レジスタに置換すると自己を通る経路を持つレジスタが
なくなり、レジスタreg3をスキャンレジスタに置換
すると、各レジスタは外部出力または擬似外部出力まで
の経路においてレジスタの個数が1通りになり、RTL
回路は1重整列構造になる。このため、図5に示すよう
に、ハッチを付しているレジスタreg2,reg3,
reg4をスキャン化するレジスタとして決定する。
【0032】図6はステップS11で検査容易である回
路構造として組合せ検査入力生成複雑度を持つ構造(平
衡構造)を指定した場合において、ステップS13にお
いて図3に示すRTL回路に対してスキャン化するレジ
スタを決定した結果を示す図である。図6において、外
部入力PI1から外部出力PO1までのレジスタの個数
は1通りでなく、外部入力PI2から外部出力PO2ま
でのレジスタの個数は1通りでない。また外部入力PI
2から外部出力PO1までのレジスタの個数も1通りで
ない。レジスタreg2,reg4,reg7をスキャ
ンレジスタに置換すると、回路は平衡構造になる。この
ため、図6に示すように、ハッチを付しているレジスタ
reg2,reg4,reg7をスキャン化するレジス
タとして決定する。
【0033】このように、RTL回路の構造が、スキャ
ン化するレジスタの通常データ入力を擬似外部出力とみ
なし、データ出力を擬似外部入力とみなしたとき、無閉
路構造、n重整列構造、組合せ検査入力生成複雑度をも
つ構造などの検査容易である回路構造になるように、ス
キャン化するレジスタを決定するので、上流設計段階に
おいて高い故障検出率を保証することができる。また論
理合成の際にはスキャン化するレジスタがすでに決定さ
れているため、論理合成によって生成したゲートレベル
の回路の動作タイミングが、以降のスキャン設計によっ
て影響を受けることがなくなるので、設計の手戻りが大
幅に減少する。
【0034】(第2の参考例)図7は本発明の第2の参
考例に係る検査容易化設計方法における処理の流れを示
すフローチャートである。図7に示す本参考例に係る検
査容易化設計方法は、図1に示す第1の参考例に係る検
査容易化設計方法に、スキャン化するレジスタを追加決
定する第3の工程としてのステップS14を追加したも
のである。
【0035】ステップS14は、ステップS13でスキ
ャン化するレジスタを決定したRTL回路に対して、ス
キャン化するレジスタの通常データ入力を擬似外部出力
とみなし、データ出力を擬似外部入力とみなしたとき、
一の擬似外部入力から、外部出力または擬似外部出力ま
での各経路について、レジスタの個数が同一になるよ
う、スキャン化するレジスタを追加決定する処理であ
る。
【0036】図8はステップS12においてRTL設計
データから生成した,本参考例に係る検査容易化設計方
法が対象とするRTL回路の一例を表す有向グラフであ
る。図8において、A〜Dは組合せ機能部品、reg1
〜reg4はレジスタ、PI1,PI2は外部入力、P
O1は外部出力をそれぞれ示している。図8ではステッ
プS11で検査容易である構造として無閉路構造を指定
したものとしており、元の有向グラフではレジスタre
g1,reg3および組合せ機能部品B,Cからなるル
ープが存在するので、このループをブレイクすべく、ハ
ッチを付しているレジスタreg1をスキャン化するレ
ジスタとして決定する。
【0037】図9は図8に示すRTL回路を、スキャン
化するレジスタとして決定したレジスタreg1の通常
データ入力を擬似外部出力PPO1と、データ出力を擬
似外部入力PPI1として変換した結果を示す図であ
る。図9において、擬似外部入力PPI1から外部入力
PO1までの各経路のレジスタの個数は2通り(1個と
2個)であるので、これを1通りにするために、ステッ
プS14において、ハッチを付しているレジスタreg
4をスキャン化するレジスタとして追加決定する。
【0038】このように、スキャン化するレジスタの通
常データ入力を擬似外部出力とみなし、データ出力を擬
似外部入力とみなしたとき、一の擬似外部入力から外部
出力または擬似外部出力までの各経路について、レジス
タの個数が同一になるよう、スキャン化するレジスタを
追加決定することによって、ある故障についてのスキャ
ン用検査系列においてシフト動作を限定することができ
るので、検査系列を短縮することができる。
【0039】(第1の実施形態)本発明の第1の実施形
態は、RTL回路に対して検査系列を生成する検査系列
生成方法に関するものである。本実施形態に係る検査系
列生成方法は、第1または第2の参考例に係る検査容易
化設計方法によって、スキャン化するレジスタが決定さ
れたRTL回路を対象とするものである。ただし、検査
時において、もともと無閉路構造であるRTL回路や、
スキャン化するレジスタが決定されており、かつ、検査
時において、スキャン化するレジスタの通常データ入力
を擬似外部出力とみなし、データ出力を擬似外部入力と
みなしたとき無閉路構造になるRTL回路も、本実施形
態に係る検査系列生成方法の対象とすることができる。
【0040】図10は本発明の第1の実施形態に係る検
査系列生成方法における処理の流れを示すフローチャー
トである。図10において、S20は対象とするRTL
回路に対して時間軸展開を行い、時間軸展開RTL回路
を生成するとともに、各外部出力および擬似外部出力が
存在するタイムフレームを記憶するステップ、S31は
前記RTL回路を論理合成してゲートレベルの回路を生
成するステップ、S32はステップS20で記憶した各
外部出力および擬似外部出力のタイムフレームからそれ
ぞれゲートレベル回路の時間軸展開を行ない、時間軸展
開されたゲートレベルの回路である時間軸展開組合せ回
路を検査系列生成用回路として生成し、各外部入力およ
び擬似外部入力が存在するタイムフレームを記憶するス
テップ、S33はステップS32で生成した時間軸展開
組合せ回路に対して、多重縮退故障を対象とした組合せ
回路用の検査入力を生成するステップ、S34はステッ
プS33で生成した検査入力を、ステップS32で記憶
した各外部入力及び擬似外部入力が存在するタイムフレ
ームの情報を基に、順序回路用の検査系列に変換するス
テップ、S35はステップS34で変換した検査系列を
スキャンのシフト動作を考慮したスキャン用検査系列に
変換するステップである。ステップS20,S31,S
32によって第1の工程が構成されており、ステップS
33によって第2の工程が構成されており、ステップS
34,S35によって第3の工程が構成されている。
【0041】まずステップS20について、図11〜図
20を参照しながら説明する。
【0042】図11は図10に示す本実施形態に係る検
査系列生成方法におけるステップS20の詳細な処理の
流れを示すフローチャートである。図11において、S
21は各外部出力および擬似外部出力について、外部入
力または擬似外部入力までの順序深度の最大値すなわち
最大順序深度をそれぞれ求めるステップ、S22は最大
順序深度の大きい順に各外部出力および擬似外部出力を
ソートするステップ、S23は時間軸展開のタイムフレ
ーム数を設定するステップ、S24〜S26は各外部出
力および擬似外部出力について、ステップS22におけ
るソート結果の順に、所定の評価指標に基づいて、時間
軸展開を行うステップである。
【0043】図12は本実施形態に係る検査系列生成方
法が対象とするRTL回路の一例を表す有向グラフであ
る。図12において、A〜Iは組合せ機能部品、reg
1〜reg7はレジスタ、PI1〜PI3は外部入力、
PPI1は擬似外部入力、PO1は外部出力、PPO1
は擬似外部出力をそれぞれ示している。
【0044】まずステップS21において、外部出力P
O1および擬似外部出力PPO1について、それぞれ最
大順序深度を求める。外部出力PO1については、外部
入力PI1までの順序深度は2、外部入力PI2までの
順序深度は2、擬似外部入力PPI1までの順序深度は
3であるので、最大順序深度は3である。また擬似外部
出力PPO1については、外部入力PI1までの順序深
度は3、外部入力PI2までの順序深度は3、擬似外部
入力PPI1までの順序深度は4であるので、最大順序
深度は4である。
【0045】次にステップS22において、外部出力P
O1および擬似外部出力PPO1を最大順序深度の大き
い順にソートする。ソートの結果、擬似外部出力PPO
1、外部出力PO1の順になる。
【0046】次にステップS23において、時間軸展開
のタイムフレーム数を設定する。時間軸展開に必要なタ
イムフレームの数は、各外部出力および擬似外部出力の
最大順序深度の最大値に1を加えたもので与えられるの
で、ソートした結果の先頭の擬似外部出力PPO1の最
大順序深度に1を加えた値すなわち5を、タイムフレー
ム数として設定する。
【0047】以下、ステップS24〜S26においてR
TL回路の時間軸展開を行う。ここでの時間軸展開は、
外部出力または擬似外部出力毎に、ステップS22でソ
ートした順に行う。すなわち、まず擬似外部出力PPO
1について時間軸展開を行い、次いで外部出力PO1に
ついて時間軸展開を行う。また時間軸展開の際に、外部
出力または擬似外部出力をいずれのタイムフレームに配
置するかは、所定の評価指標を基に決定する。
【0048】ここでは、各タイムフレームに存在する組
合せ機能部品の個数の総和を所定の評価指標として用い
るものとする。そしてこの評価指標が、より小さくなる
ように時間軸展開を行う。検査系列生成用回路の規模は
各タイムフレームに存在する組合せ機能部品の個数の総
和にほぼ比例し、また検査系列生成は回路規模が小さい
ほど容易であるので、各タイムフレームに存在する組合
せ機能部品の個数の総和を評価指標として用いて時間軸
展開を行うことによって、検査系列の生成をより容易に
することができる。
【0049】図13は擬似外部出力PPO1について時
間軸展開を行った結果を示す図である。擬似外部出力P
PO1の最大順序深度は4であるのでこの時間軸展開に
必要なタイムフレーム数は5であり、ステップS23で
設定したタイムフレーム数と等しい。このため、擬似外
部出力PPO1の位置は必然的にタイムフレーム5に決
定される。
【0050】次に外部出力PO1について時間軸展開を
行うが、外部出力PO1の最大順序深度は3であるので
この時間軸展開に必要なタイムフレーム数は4となる。
このため、外部出力PO1の位置はタイムフレーム4ま
たはタイムフレーム5になるが、前記の評価指標に基づ
いて、タイムフレーム4およびタイムフレーム5のいず
れに外部出力PO1を配置するのかを決定する。
【0051】図14は外部出力PO1をタイムフレーム
5に配置したときの図である。擬似外部出力PPO1に
ついての時間軸展開に係る組合せ機能部品の個数は10
であり、外部出力PO1についての時間軸展開に係る組
合せ機能部品の個数は7であるので、各タイムフレーム
において組合せ機能部品の重複がなければ、前記所定の
評価指標としての各タイムフレームに存在する組合せ機
能部品の個数の総和は17になる。図14においては、
タイムフレーム2では組合せ機能部品Fが重複し、タイ
ムフレーム3では組合せ機能部品Aが重複するので、重
複した組合せ機能部品の個数は2である。したがって、
外部出力PO1をタイムフレーム5に配置したときの前
記所定の評価指標の値は、重複がないときの各タイムフ
レームに存在する組合せ機能部品の個数の総和である1
7から、重複した組合せ機能部品の個数である2を減じ
た15となる。
【0052】図15は外部出力PO1をタイムフレーム
4に配置したときの図である。図15においては、タイ
ムフレーム1では組合せ機能部品Fが重複し、タイムフ
レーム2では組合せ機能部品A,F,Gが重複し、タイ
ムフレーム3では組合せ機能部品B,Hが重複するの
で、重複した組合せ機能部品の個数は6である。したが
って、外部出力PO1をタイムフレーム4に配置したと
きの前記所定の評価指標の値は、重複がないときの各タ
イムフレームに存在する組合せ機能部品の個数の総和で
ある17から、重複した組合せ機能部品の個数である6
を減じた11となる。
【0053】よって、外部出力PO1の位置はタイムフ
レーム4に決定する。この結果、図12に示すRTL回
路の時間軸展開の結果(時間軸展開RTL回路)は図1
6のようになる。ステップS20において、擬似外部出
力PPO1の位置はタイムフレーム5、外部出力PO1
の位置はタイムフレーム4と記憶する。
【0054】次にステップS31において、RTL回路
の論理合成を行い、ゲートレベルの回路を生成する。図
17は図12に示すRTL回路に対して論理合成を行っ
て生成したゲートレベルの回路を示す図である。
【0055】次にステップS32において、ステップS
20で求めた時間軸展開RTL回路と、ステップS31
で生成したゲートレベルの回路とから、検査系列生成用
の時間軸展開されたゲートレベルの回路(時間軸展開組
合せ回路)を生成する。具体的には、対象とするRTL
回路の各外部出力および擬似外部出力をステップS20
で記憶したタイムフレームにそれぞれ配置し、ステップ
S31で生成したゲートレベルの回路情報を基にして、
配置した各外部出力および擬似外部出力からゲートレベ
ルで時間軸展開することによって、時間軸展開組合せ回
路を生成する。図18は図16に示す時間軸展開RTL
回路および図17に示すゲートレベル回路を基にして、
ステップS32において生成した時間軸展開組合せ回路
を示す図である。
【0056】次にステップS33において、ステップS
32で生成した時間軸展開組合せ回路に対して、多重の
組合せ回路用の検査入力を生成する。例えば、図18の
時間軸展開組合せ回路について、次のような故障検出の
ための検査入力を生成する。 PI1(2)=0,PI1(3)=1,PI2(2)=0,PI3(4)=1 PPI1(1)=0,PPI1(2)=1 ここで、括弧内の数字はタイムフレームの番号である。
例えば「PPI1(1)=0」は、タイムフレーム1に
おける擬似外部入力PPI1についての検査入力は
“0”であることを示す。
【0057】次にステップS34において、ステップS
33で生成した検査入力を、各外部入力および擬似外部
入力のタイムフレームの位置に従って、順序回路用の検
査系列に変換する。図18の時間軸展開組合せ回路につ
いての前記の検査入力は、以下のような検査系列に変換
される。ただし、Xはドントケアを表す。 PI1=X01XX,PI2=X0XXX,PI3=XXX1X PPI1=01XXX
【0058】さらにステップS35において、擬似外部
入力についての検査系列をスキャンパスのシフト動作を
考慮に入れてスキャン用検査系列に変換する。図18の
時間軸展開組合せ回路については、擬似外部入力PPI
1についての検査系列がスキャン用検査系列に変換され
る。
【0059】以上のように、各タイムフレームに存在す
る組合せ機能部品の個数の総和を評価指標として用い
て、この評価指標がより小さくなるようにRTLにおけ
る時間軸展開を行い、時間軸展開組合せ回路を生成する
ことによって、検査入力生成用の組合せ回路がより小規
模になるので、検査系列生成が容易になる。
【0060】なおここでは、各タイムフレームに存在す
る組合せ機能部品の個数の総和を評価指標として用いた
が、各組合せ機能部品に対しその種類に応じて重み付け
した上で足し合わせた値を評価指標として用いてもよ
い。また、各組合せ機能部品に対して予めゲート数を見
積もっておき、各タイムフレームに存在する組合せ機能
部品の見積もりゲート数の総和を評価指標として用いて
もよい。
【0061】またステップS20のRTL時間軸展開に
おいて、一の外部出力または擬似外部出力のタイムフレ
ーム位置を決定する際、すでに決定した外部出力または
擬似外部出力のタイムフレーム位置を変えないで、評価
指標が最適になるようにタイムフレーム位置を決定して
もよいし、すでに決定した外部出力または擬似外部出力
のタイムフレーム位置の変更も含めて、評価指標が最適
になるようにタイムフレーム位置を決定してもかまわな
い。
【0062】なおRTLにおける時間軸展開に用いる評
価指標は、前述の各タイムフレームに存在する組合せ機
能部品の個数の総和のみに限られるものではない。
【0063】ここでは他の評価指標の例として、擬似外
部入力または擬似外部出力が存在するタイムフレームの
個数を用いるものとする。擬似外部入力または擬似外部
出力が存在するタイムフレームの個数はある故障検出の
ための検査系列に必要となるシフト動作の回数に相当す
るので、この評価指標の値が小さいほどシフト動作の回
数が減ることになり、これにより、検査系列の長さが短
くなる。したがって、この評価指標の値がより小さくな
るように、時間軸展開を行うことによって、検査系列を
短縮することができる。
【0064】図19および図20は図12のRTL回路
に対して時間軸展開を行った結果を示す図であり、図1
9は外部出力PO1をタイムフレーム5に配置したとき
の図、図20は外部出力PO1をタイムフレーム4に配
置したときの図である。図19に示すように、外部出力
PO1をタイムフレーム5に配置したときは、擬似外部
入力PPI1または擬似外部出力PPO1が存在するタ
イムフレームは4個(タイムフレーム1,2,3,5)
なので、評価指標の値は4である。一方、図20に示す
ように、外部出力PO1をタイムフレーム4に配置した
ときは、擬似外部入力PPI1または擬似外部出力PP
O1が存在するタイムフレームは3個(タイムフレーム
1,2,5)なので、評価指標の値は3である。
【0065】よって、外部出力PO1の位置は評価指標
の値がより小さくなるタイムフレーム4に決定する。こ
の場合も図12に示すRTL回路の時間軸展開の結果は
図16のようになる。
【0066】以上のように、所定の評価指標を基にRT
L回路を時間軸展開して、検査系列生成用の時間軸展開
組合せ回路を生成することによって、検査系列の生成を
容易にしたり、検査系列を短縮したりすることができ
る。
【0067】(第2の実施形態)本発明の第2の実施形
態は、第1の実施形態と同様に、検査時において無閉路
構造であるRTL回路や、スキャン化するレジスタが決
定されており、かつ、検査時において、スキャン化する
レジスタの通常データ入力を擬似外部出力とみなし、デ
ータ出力を擬似外部入力とみなしたとき無閉路構造にな
るRTL回路に対して、検査系列を生成する検査系列生
成方法に関するものである。
【0068】図21は本発明の第2の実施形態に係る検
査系列生成方法における処理の流れを示すフローチャー
トである。図21に示すように、本実施形態に係る検査
系列生成方法は、図10に示す第1の実施形態に係る検
査系列生成方法とステップS33〜S35は共通する。
【0069】S40は対象とするRTL回路について、
互いを結ぶ経路にレジスタ、外部入力および外部出力が
いずれも属さない組合せ機能部品をグループ化する前処
理としてのステップ、S41はステップS40でグルー
プ化した組合せ機能部品を1個の組合せ機能部品とし
て、前記RTL回路に対して時間軸展開を行い、時間軸
展開RTL回路を生成するステップ、S42はステップ
S40でグループ化した組合せ機能部品を単位として論
理合成を行い、ゲートレベルの回路を生成するステッ
プ、S43はステップS41で生成した時間軸展開RT
L回路とステップS42で生成したグループ毎のゲート
レベルの回路とから、検査系列生成用の時間軸展開組合
せ回路を生成し、各外部入力および擬似外部入力が存在
するタイムフレームを記憶するステップである。ステッ
プS40,S41,S42,S43によって第1の工程
が構成されている。
【0070】図22は本実施形態に係る検査系列生成方
法が対象とするRTL回路の一例を表す有向グラフであ
る。図22において、A〜Iは組合せ機能部品、reg
1〜reg6はレジスタ、PI1は外部入力、PPI1
は擬似外部入力、PO1は外部出力、PPO1は擬似外
部出力ををそれぞれ示している。
【0071】まずステップS40において、各組合せ機
能部品A〜Iをグループ化する。図22では、組合せ機
能部品A,BによってグループP1が、組合せ機能部品
C,D,E,FによってグループP2が、組合せ機能部
品H,G,IによってそれぞれグループP3,P4,P
5が生成されている。図23はステップS40による各
組合せ機能部品のグループ化の結果を示す図である。
【0072】次にステップS41において、図23に示
すRTL回路に対して、第3の実施形態におけるステッ
プS20と同様に、時間軸展開を行う。図24はステッ
プS41における時間軸展開の結果得られた時間軸展開
RTL回路を示す図である。
【0073】次にステップS42において、ステップS
40においてグループ化した結果の各グループP1〜P
5を単位として、論理合成を行い、各グループP1〜P
5に対応するゲートレベルの組合せ回路を生成する。そ
してステップS43において、図24に示すステップS
41で生成した時間軸展開RTL回路の各グループP1
〜P5に、ステップS42で生成したゲートレベルの組
合せ回路を割り付けることによって、図25に示すよう
な時間軸展開組合せ回路を検査系列生成用回路として生
成する。以降の処理は、第1の実施形態と同様である。
【0074】(第3の実施形態)本発明の第3の実施形
態は、第1および第2の実施形態と同様に、検査時にお
いて無閉路構造であるRTL回路や、スキャン化するレ
ジスタが決定されており、かつ、検査時において、スキ
ャン化するレジスタの通常データ入力を擬似外部出力と
みなし、データ出力を擬似外部入力とみなしたとき無閉
路構造になるRTL回路に対して、検査系列を生成する
検査系列生成方法に関するものである。
【0075】図26は本発明の第3の実施形態に係る検
査系列生成方法における処理の流れを示すフローチャー
トである。図26に示すように、本実施形態に係る検査
系列生成方法は、第1および第2の実施形態に係る検査
系列生成方法とステップS33〜S35が共通する。
【0076】S51は対象とするRTL回路を論理合成
してゲートレベルの回路を生成するステップ、S52は
ステップS51で生成したゲートレベル回路に対して時
間軸展開を行い、検査系列生成用の時間軸展開組合せ回
路を生成し、各外部入力および擬似外部入力が存在する
タイムフレームを記憶するステップである。ステップS
51,S52によって第1の工程が構成されている。
【0077】ステップS52におけるゲートレベルの時
間軸展開は、第1の実施形態のステップS20における
RTL時間軸展開と同様に、所定の評価指標を基にして
行うものとする。
【0078】例えば、各タイムフレームに存在するゲー
トの個数の総和を評価指標として用いて、この評価指標
がより小さくなるようにゲートレベルにおける時間軸展
開を行い、時間軸展開組合せ回路を生成することによっ
て、検査入力生成用の組合せ回路がより小規模になるの
で、検査系列生成が容易になる。また、擬似外部入力ま
たは擬似外部出力が存在するタイムフレームの個数を評
価指標として用いることによって、検査系列を短縮する
ことができる。
【0079】(第4の実施形態)本発明の第4の実施形
態は、第1および第2の実施形態と同様に、検査時にお
いて無閉路構造であるRTL回路や、スキャン化するレ
ジスタが決定されており、かつ、検査時において、スキ
ャン化するレジスタの通常データ入力を擬似外部出力と
みなし、データ出力を擬似外部入力とみなしたとき無閉
路構造になるRTL回路に対して、検査系列を生成する
検査系列生成方法に関するものであり、第1の実施形態
で示したものとは異なる評価指標を基にして、時間軸展
開を行うものである。
【0080】本実施形態では、各擬似外部出力につい
て、存在するタイムフレームの数ができるだけ少なくな
るような評価指標を用いる。具体的には、各擬似外部入
力が存在するタイムフレーム数の総和と各擬似外部出力
が存在するタイムフレーム数の総和との和を評価指標と
する。ただし、対応する擬似外部出力が属するタイムフ
レームの次のタイムフレームに、対応する擬似外部入力
が属するレジスタがあるときは、そのレジスタの個数を
前記評価指標から減じる。このとき、最終のタイムフレ
ームについては、次のタイムフレームとは最初のタイム
フレームを意味するものとする。
【0081】また、一のタイムフレームに存在する擬似
外部出力に対応するレジスタを構成するスキャンFF、
および前記一のタイムフレームの次のタイムフレームに
存在する擬似外部入力に対応するレジスタを構成するス
キャンFFによって、一個のスキャンパスを構成して、
前記検査入力を検査系列に変換することによって、検査
系列の長さを短縮することができる。
【0082】図27は本実施形態に係る検査系列生成方
法が対象とするRTL回路の一例を表す有向グラフであ
る。図27において、A〜Gは組合せ機能部品、reg
1〜reg5はレジスタ、PI1,PI2は外部入力、
PO1,PO2は外部出力をそれぞれ示している。図2
7に示すRTL回路は2つのフィードバックループを有
しているので、無閉路構造となるように2つのフィード
バックループをブレイクすべく、レジスタreg4,r
eg5をスキャン化するレジスタとして決定する。
【0083】図28は図27に示すRTL回路におい
て、スキャン化するレジスタを擬似外部入力および擬似
外部出力に置換した結果を示す図である。図28では、
レジスタreg4は擬似外部入力PPIr4および擬似
外部出力PPOr4に置換されており、レジスタreg
5は擬似外部入力PPIr5および擬似外部出力PPO
r5に置換されている。
【0084】図29は図28に示すRTL回路に対する
本実施形態に係る時間軸展開を示す図である。図28に
示すRTL回路の順序深度(すなわち各外部出力および
擬似外部出力の最大順序深度の最大値)は3であるの
で、図29に示すように、時間軸展開の際のタイムフレ
ーム数を4に設定する。そして、まず最大順序深度が最
大である擬似外部出力PPOr4について、時間軸展開
する。
【0085】次に最大順序深度が1である擬似外部出力
PPOr5について、時間軸展開を行う。
【0086】擬似外部出力PPOr5をタイムフレーム
4に配置したとき(図29の(i))は、擬似外部入力
についてはPPIr4がタイムフレーム1,3に存在す
るとともにPPIr5がタイムフレーム4に存在し、擬
似外部出力についてはPPOr4,PPOr5はともに
タイムフレーム4に存在し、かつレジスタreg4につ
いて擬似外部出力PPOr4がタイムフレーム4に、擬
似外部入力PPIr4がタイムフレーム1に存在するの
で、評価指標の値は4(=3+2−1)である。
【0087】擬似外部出力PPOr5をタイムフレーム
3に配置したとき(図29の(ii))は、擬似外部入
力についてはPPIr4がタイムフレーム1,2に存在
するとともにPPIr5がタイムフレーム3に存在し、
擬似外部出力についてはPPOr4はタイムフレーム4
に存在するとともにPPOr5はタイムフレーム3に存
在し、かつレジスタreg4について擬似外部出力PP
Or4がタイムフレーム4に、擬似外部入力PPIr4
がタイムフレーム1に存在するので、評価指標の値は4
(=3+2−1)である。
【0088】擬似外部出力PPOr5をタイムフレーム
2に配置したとき(図29の(iii))は、擬似外部
入力についてはPPIr4がタイムフレーム1に存在す
るとともにPPIr5がタイムフレーム2に存在し、擬
似外部出力についてはPPOr4はタイムフレーム4に
存在するとともにPPOr5はタイムフレーム2に存在
し、かつレジスタreg4について擬似外部出力PPO
r4がタイムフレーム4に、擬似外部入力PPIr4が
タイムフレーム1に存在するので、評価指標の値は3
(=2+2−1)である。
【0089】そこで、擬似外部出力PPOr5の配置位
置は、評価指標の値が最小になるタイムフレーム2に決
定する。同様にして、外部出力PO1の配置位置はタイ
ムフレーム1に、外部出力PO2の配置位置はタイムフ
レーム3に決定する。
【0090】この結果、図30に示すような時間軸展開
RTL回路が生成される。図30において、各擬似外部
入力および擬似外部出力は、タイムフレーム1にはPP
Ir4のみが、タイムフレーム2にはPPIr5,PP
Or5のみが、タイムフレーム3にはPPIr5のみ
が、タイムフレーム4にはPPOr4のみが存在する。
【0091】図30に示す時間軸展開RTL回路を基に
して生成された検査系列生成用の時間軸展開組合せ回路
について、レジスタreg4によって一のスキャンパス
を、レジスタreg5によって他のスキャンパスを構成
するものとする。
【0092】例えばレジスタreg4が8ビット、レジ
スタreg5が4ビットのデータ幅を持つと仮定する。
この場合、レジスタreg4,reg5を構成するFF
の個数は12となる。
【0093】ここで、単純に6個のスキャンFFからな
るスキャンパスを2本構成し、各スキャンパスにはレジ
スタreg4とレジスタreg5のスキャンFFが混在
しているものとすると、タイムフレーム1,2,3にお
いてシフト動作が必要であるので、1個の検査入力につ
き必要になるシフトのための検査系列の長さは18(=
6・3)となる。
【0094】一方、レジスタreg4を構成する8個の
スキャンFFによって一のスキャンパスを、レジスタr
eg5を構成する4個のスキャンFFによって他のスキ
ャンパスを構成したとき、1個の検査入力につき必要に
なるシフトのための検査系列の長さは16(=8+4・
2)となる。
【0095】このように、各擬似外部出力について、存
在するタイムフレームの数ができるだけ少なくなるよう
な評価指標を用いて時間軸展開を行うことによって、検
査系列を短縮することができる。
【0096】(第5の実施形態)本発明の第5の実施形
態は、第1および第2の実施形態と同様に、検査時にお
いて無閉路構造であるRTL回路や、スキャン化するレ
ジスタが決定されており、かつ、検査時において、スキ
ャン化するレジスタの通常データ入力を擬似外部出力と
みなし、データ出力を擬似外部入力とみなしたとき無閉
路構造になるRTL回路に対して、検査系列を生成する
検査系列生成方法に関するものであり、第1の実施形態
で示したものとは異なる評価指標を基にして、時間軸展
開を行うものである。
【0097】本実施形態では、各タイムフレームに存在
する外部入力の個数の総和を評価指標とする。そしてこ
の評価指標の値が最大になるように、時間軸展開を行
う。
【0098】図31は本実施形態に係る検査系列生成方
法が対象とする,無閉路構造であるRTL回路の一例を
表す有向グラフである。図31において、A〜Fは組合
せ機能部品、reg1〜reg4はレジスタ、PI1,
PI2は外部入力、PO1,PO2は外部出力をそれぞ
れ示している。
【0099】図32は図31に示すRTL回路に対する
本実施形態に係る時間軸展開を示す図である。図31に
示すRTL回路の順序深度(すなわち各外部出力および
擬似外部出力の最大順序深度の最大値)は3であるの
で、図32に示すように、時間軸展開の際のタイムフレ
ーム数を4に設定する。そして、まず最大順序深度が最
大である外部出力PO1について、時間軸展開する。
【0100】次に外部出力PO2について、時間軸展開
を行う。外部出力PO2をタイムフレーム4に配置した
とき(図32の(i))は、タイムフレーム1に外部入
力PI1が、タイムフレーム2に外部入力PI1が、タ
イムフレーム3に外部入力PI1,PI2が存在するの
で、評価指標の値は4(=1+1+2)である。一方、
外部出力PO2をタイムフレーム3に配置したとき(図
32の(ii))は、タイムフレーム1に外部入力PI
1が、タイムフレーム2に外部入力PI1,PI2が存
在するので、評価指標の値は3(=1+2)である。そ
こで、外部出力PO2の配置位置は、評価指標の値が最
大になるタイムフレーム4に決定する。
【0101】図33は図31に示すRTL回路に対する
本実施形態に係る時間軸展開によって生成された時間軸
展開RTL回路を示す図である。同図中、(a)は外部
出力PO2をタイムフレーム4に配置したときの図、
(b)は外部出力PO2をタイムフレーム3に配置した
ときの図である。
【0102】図34は図33に示す時間軸展開RTL回
路をゲートレベルに変換した結果を示す図である。同図
中、(a)は外部出力PO2をタイムフレーム4に配置
した図33(a)の変換結果を示す図、(b)は外部出
力PO2をタイムフレーム3に配置した図33(b)の
変換結果を示す図である。図34において、組合せ機能
部品Aは1個のNOTゲートgaに、組合せ機能部品B
は1個のNOTゲートgbに、組合せ機能部品Cは1個
のNANDゲートgcに、組合せ機能部品Dは1個のN
OTゲートgdに、組合せ機能部品Eは1個のNORゲ
ートgeに、組合せ機能部品Fは1個のANDゲートg
fに置換されている。
【0103】図34(a)の回路において、NANDゲ
ートgcの出力における0縮退故障(s・a−0)を検
出するための検査入力は、 PI1(0)=0,PI1(1)=1,PI1(2)=0,PI2(2)=1 となり、この検査入力によって、NORゲートgeの出
力の1縮退故障も併せて検出することができる。一方、
図34(b)の回路において、NANDゲートgcの出
力における0縮退故障を検出するための検査入力は、 PI1(0)=0,PI1(1)=1,PI2(1)=1 となる。この検査入力によると、PI1(1)=1であ
るためにANDゲートgfの一方の入力は常に“0”に
なるため、ANDゲートgfの出力は常に“0”になる
ので、NORゲートgeの出力の1縮退故障は検出する
ことができない。
【0104】このように、各タイムフレームに存在する
外部入力の個数が多い方が、一の検査入力によって検出
可能な故障の数が多くなるので、必要となる検査系列長
が短くなる。したがって、本実施形態に示すような評価
指標に基づいて、時間軸展開を行うことによって、検査
系列の長さを短くすることができる。
【0105】なお、第4および第5の実施形態において
示した評価指標は、第3の実施形態のようにゲートレベ
ルで時間軸展開を行う場合においても、用いることがで
きる。
【0106】(第3の参考例)本発明の第3の参考例
は、第1の参考例と同様の検査容易化設計方法に係るも
のであり、RTL回路を複数のブロックに分割し、各ブ
ロックごとに、検査容易である回路構造になるようにス
キャン化するレジスタを決定するものである。
【0107】図35は複数のブロックに分割されたRT
L回路を模式的に示す図である。図35に示すRTL回
路はA,B,Cの3つのブロックに分割されている。た
だし、各ブロックA,B,Cによってフィードバックル
ープが構成されているので、各ブロックA,B,Cを検
査容易である回路構造にするだけでは、RTL回路全体
として検査容易にはならない。検査系列の生成はLSI
全体に対して行うので、LSI全体で検査容易でなけれ
ば高い故障検出率が得られない。
【0108】そこで、各ブロックにおいて、当該ブロッ
クの出力から入力側に遡って組合せ機能部品のみを通っ
て到達するレジスタを、スキャン化するレジスタとして
決定する。そして、その後、各ブロックが検査容易であ
る回路構造になるように、スキャン化するレジスタを決
定する。
【0109】図36は図35に示すRTL回路の各ブロ
ックの構成を示す有向グラフである。同図中、(a)は
ブロックAを、(b)はブロックBを、(c)はブロッ
クCをそれぞれ示している。図36において、a〜nは
組合せ機能部品、reg0〜reg11はレジスタ、I
1〜I7はブロックの入力、O1〜O7はブロックの出
力である。
【0110】まず各ブロックA,B,Cにおいて、当該
ブロックの出力から入力側に遡って組合せ機能部品のみ
を通って到達するレジスタを、スキャン化するレジスタ
として決定する。ブロックAについては、図36(a)
に示すように、出力O1から直接到達するレジスタre
g3および出力O2から組合せ機能部品cを通って到達
するレジスタreg2を、ブロックBについては、図3
6(b)に示すように、出力O3から直接到達するレジ
スタreg6、出力O4から直接到達するレジスタre
g7および出力O5から直接到達するレジスタreg8
を、ブロックCについては、図36(c)に示すよう
に、出力O6,O7から直接到達するレジスタreg1
1を、スキャン化するレジスタとしてまず決定する。
【0111】その後、各ブロックA,B,Cが検査容易
である回路構造になるように、スキャン化するレジスタ
を決定する。ここでは検査容易である回路構造として、
無閉路構造を指定するものとする。この場合、ブロック
Aにまだブレイクされていない、レジスタreg0,r
eg1および組合せ機能部品a,b,dからなるループ
が存在するので、このループをブレイクするためにレジ
スタreg0をスキャン化するレジスタとして決定す
る。
【0112】この結果、図36においてハッチを付した
レジスタreg0,reg2,reg3,reg6,r
eg7,reg8,reg11がスキャン化するレジス
タとして決定される。これによって、RTL回路全体が
検査容易化されたことになり、高い故障検出率を保証す
ることができる。
【0113】(第4の参考例)本発明の第4の参考例
は、第1の参考例と同様の検査容易化設計方法に係るも
のであり、検査容易である回路構造として、第1の参考
例とは異なる回路構造を指定するものである。
【0114】本参考例では、時間軸展開したときに多重
度がn(nは自然数)になるような回路構造を、検査容
易である回路構造として指定する。具体的には、スキャ
ン化するレジスタの通常データ入力を擬似外部出力とみ
なし、データ出力を擬似外部入力とみなしたときに、外
部入力または擬似外部入力から外部出力または擬似外部
出力までの各経路において、スキャン化しないレジスタ
の個数がn以下である構造を、検査容易である回路構造
として指定する。前記の回路構造のことを、本明細書で
は「n重無閉路構造」と呼ぶことにする。nが1のと
き、n重無閉路構造は平衡構造と同義になる。
【0115】図37は本参考例に係る検査容易化設計方
法が対象とするRTL回路の一例を表す有向グラフであ
る。図37において、A〜Kは組合せ機能部品、reg
1〜reg8はレジスタ、PI1,PI2は外部入力、
PO1,PO2は外部出力をそれぞれ示している。
【0116】図37に示すRTL回路に対して、2重無
閉路構造を検査容易である回路構造として指定して検査
容易化するものとする。図37に示すように、元の有向
グラフには、レジスタreg1,reg5および組合せ
機能部品A,B,Fからなるループと、レジスタreg
1,reg7および組合せ機能部品A,B,Hからなる
ループと、レジスタreg3および組合せ機能部品Dか
らなるループの3つのフィードバックループが存在する
ので、各ループをブレイクするために、まずレジスタr
eg1,reg3をスキャン化するレジスタとして決定
する。
【0117】このとき、外部入力PI1から外部出力P
O1までについて、3個のスキャン化しないレジスタr
eg2,reg6,reg8が存在する経路があるの
で、このRTL回路は3重無閉路構造である。このRT
L回路を2重無閉路構造にするために、レジスタreg
6をスキャン化するレジスタとして決定する。
【0118】以上のような処理の結果、図37のRTL
回路は図38のように検査容易化される。図38のRT
L回路は、ハッチを付したレジスタreg1,reg
3,reg6をスキャン化するレジスタとして決定した
ことによって、2重無閉路構造になっている。図38の
RTL回路を時間軸展開したとき、その多重度は2にな
るので、多重故障検査入力を生成する際には、2重故障
まで考慮すれば足りることになる。このように、検査容
易である回路構造としてn重無閉路構造を指定すること
によって、多重故障検査入力生成の際に加味すべき多重
度がnに限定されるので、検査系列の生成が容易にな
る。
【0119】(第5の参考例)本発明の第5の参考例
は、第1の参考例と同様の検査容易化設計方法に係るも
のであり、検査容易である回路構造として、第1の参考
例とは異なる回路構造を指定するものである。
【0120】本参考例では、スキャン化するレジスタの
通常データ入力を擬似外部出力とみなし、データ出力を
擬似外部入力とみなしたときに、外部入力または擬似外
部入力から外部出力または擬似外部出力までの各経路に
おいて、ゲートの段数がn(nは0または自然数)以下
である構造を、検査容易である回路構造として指定す
る。この前提としては、RTL回路の各組合せ機能部品
について、ゲート段数が見積もられている必要がある。
【0121】図39は本参考例に係る検査容易化設計方
法が対象とするRTL回路の一例を表す有向グラフであ
る。図39において、A〜Kは組合せ機能部品、reg
1〜reg9はレジスタ、PI1,PI2は外部入力、
PO1,PO2は外部出力をそれぞれ示している。図3
9に示すように、各組合せ機能部品A〜Kについては、
ゲート段数がそれぞれ見積もられている。例えば組合せ
機能部品Aについては、2つの経路について、それぞれ
ゲート段数が2,1と見積もられている。
【0122】図39に示すRTL回路に対して、外部入
力または擬似外部入力から外部出力または擬似外部出力
までの各経路においてゲートの段数が5以下である構造
を検査容易である回路構造として指定して、検査容易化
するものとする。
【0123】まずレジスタreg4および組合せ機能部
品Dからなるループをブレイクするために、レジスタr
eg4をスキャン化するレジスタとして決定する。
【0124】次に、レジスタreg1,reg2,re
g6および組合せ機能部品A,B,Fからなるループを
ブレイクするために、レジスタreg1,reg2,r
eg6のいずれかをスキャン化するレジスタとして決定
する。
【0125】レジスタreg1をスキャン化するレジス
タとして決定したとすると、最大ゲート段数が5を越え
る経路は、レジスタreg1から外部出力PO1まで
(ゲート段数7)、レジスタreg1からレジスタre
g1まで(ゲート段数7)、レジスタreg1から外部
出力PO2まで(ゲート段数8)、外部入力PI1から
外部出力PO1まで(ゲート段数6)、外部入力PI1
から外部出力PO2まで(ゲート段数7)の5つであ
る。
【0126】レジスタreg2をスキャン化するレジス
タとして決定したとすると、最大ゲート段数が5を越え
る経路は、レジスタreg2からレジスタreg2まで
(ゲート段数7)、外部入力PI1から外部出力PO1
まで(ゲート段数6)、レジスタreg4からレジスタ
reg2まで(ゲート段数6)の3つである。
【0127】レジスタreg6をスキャン化するレジス
タとして決定したとすると、最大ゲート段数が5を越え
る経路は、レジスタreg6からレジスタreg6まで
(ゲート段数7)、外部入力PI1から外部出力PO1
まで(ゲート段数6)、外部入力PI1から外部出力P
O2まで(ゲート段数7)、レジスタreg4から外部
出力PO1まで(ゲート段数10)、レジスタreg4
から外部出力PO2まで(ゲート段数無限大)の5つで
ある。
【0128】そこで、最大ゲート段数が5を越える経路
の個数が最も少なくなるレジスタreg2を、スキャン
化するレジスタとして決定する。レジスタreg2をス
キャン化するレジスタとして決定したことによって、レ
ジスタreg1,reg2,reg8および組合せ機能
部品A,B,Hからなるループもまたブレイクされるこ
とになる。
【0129】次に、ゲート段数が5を越える経路がなく
なるように、ゲート段数が5を越える残りの経路に属す
るレジスタのいずれかをスキャン化するレジスタとして
決定する。レジスタreg2からレジスタreg6,r
eg1を通ってレジスタreg2までの経路(ゲート段
数7)、外部入力PI1からレジスタreg3,reg
5を通って外部出力PO1までの経路(ゲート段数
6)、およびレジスタreg4からレジスタreg8,
reg1を通ってレジスタreg2までの経路(ゲート
段数6)がゲート段数が5を越える経路として残ってい
るので、レジスタreg1,reg3,reg5,re
g6,reg8のいずれかをスキャン化するレジスタと
して決定する。
【0130】ゲート段数が5を越える経路は、レジスタ
reg1をスキャン化するレジスタとして決定したとす
ると残り1個になり、他のレジスタreg3,reg
5,reg6,reg8のいずれか1つをスキャン化す
るレジスタとして決定したとすると、残り2個になるの
で、ここではレジスタreg1をスキャン化するレジス
タとして決定する。
【0131】ゲート段数が5を越える経路として残った
のは、外部入力PI1からレジスタreg3,reg5
を通って外部出力PO1までの経路(ゲート段数6)の
みであるので、レジスタreg3,reg5のいずれか
をスキャン化するレジスタとして決定すると、RTL回
路内にゲート段数が5を越える経路がなくなることにな
る。ここではレジスタreg5をスキャン化するレジス
タとして決定する。
【0132】以上のような処理の結果、図39のRTL
回路は図40のように検査容易化かされる。図40のR
TL回路は、ハッチを付したレジスタreg1,reg
2,reg4,reg5をスキャン化するレジスタとし
て決定したことによって、外部入力または擬似外部入力
から外部出力または擬似外部出力までの各経路におい
て、ゲートの段数が5以下である構造になっている。図
40のRTL回路を時間軸展開したとき、各タイムフレ
ームのゲート段数は5以下になる可能性が高い。組合せ
回路に対する検査入力の生成は、一般にゲート段数が大
きいほど困難になる。したがって、本実施形態のよう
に、検査容易である回路構造として、外部入力または擬
似外部入力から外部出力または擬似外部出力までの各経
路においてゲートの段数がn以下である構造を指定する
ことによって、検査入力の生成が容易になる。
【0133】
【発明の効果】以上のように本発明によると、検査容易
化されたRTL回路に対し、時間軸展開組合せ回路に変
換した上で検査入力を生成し、この検査入力から検査系
列を生成するので、検査系列の生成が容易になる。ま
た、RTL回路の時間軸展開を所定の評価指標を基に行
うことによって、検査系列の生成をより容易にしたり、
検査系列を短縮したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の参考例に係る検査容易化設計方
法における処理の流れを示すフローチャートである。
【図2】構造による同期式順序回路の分類を表す図であ
る。
【図3】本発明の第1の参考例に係る検査容易化設計方
法が対象とするRTL回路の一例を示す有向グラフであ
る。
【図4】検査容易である回路構造として無閉路構造を指
定した場合において、図3に示すRTL回路についてス
キャン化するレジスタを決定した結果を示す図である。
【図5】検査容易である回路構造として1重整列構造を
指定した場合において、図3に示すRTL回路について
スキャン化するレジスタを決定した結果を示す図であ
る。
【図6】検査容易である回路構造として組合せ検査入力
生成複雑度を持つ構造(平衡構造)を指定した場合にお
いて、図3に示すRTL回路についてスキャン化するレ
ジスタを決定した結果を示す図である。
【図7】本発明の第2の参考例に係る検査容易化設計方
法における処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の参考例に係る検査容易化設計方
法が対象とするRTL回路の一例を表す有向グラフであ
る。
【図9】図8に示すRTL回路を、スキャン化するレジ
スタの通常データ入力を擬似外部出力とみなし、データ
出力を擬似外部入力として、変換した結果を示す図であ
る。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る検査系列生成
方法における処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】図10に示す本発明の第1の実施形態に係る
検査系列生成方法におけるRTL時間軸展開S20の詳
細な処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る検査系列生成
方法が対象とするRTL回路の一例を示す有向グラフで
ある。
【図13】図12に示すRTL回路に対して、擬似外部
出力PPO1について時間軸展開を行った図である。
【図14】図13に対して、外部出力PO1をタイムフ
レーム5に配置して時間軸展開を行った図である。
【図15】図13に対して、外部出力PO1をタイムフ
レーム4に配置して時間軸展開を行った図である。
【図16】図12に示すRTL回路に対して、時間軸展
開を行った結果を示す図である。
【図17】図12に示すRTL回路に対して、論理合成
を行って生成したゲートレベルの回路を示す図である。
【図18】図12に示すRTL回路に対して、図16に
示す時間軸展開RTL回路および図17に示すゲートレ
ベル回路を基にして生成した、時間軸展開組合せ回路で
ある。
【図19】図12に示すRTL回路に対する時間軸展開
を示す図であり、外部出力PO1をタイムフレーム5に
配置したときの図である。
【図20】図12に示すRTL回路に対する時間軸展開
を示す図であり、外部出力PO1をタイムフレーム4に
配置したときの図である。
【図21】本発明の第2の実施形態に係る検査系列生成
方法における処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】本発明の第2の実施形態に係る検査系列生成
方法が対象とするRTL回路の一例を示す有向グラフで
ある。
【図23】図22に示すRTL回路に対して、組合せ機
能部品のグループ化を行った結果を示す図である。
【図24】図23に示すRTL回路に対して、時間軸展
開を行った結果を示す図である。
【図25】図22に示すRTL回路に対して、図24に
示す時間軸展開RTL回路を基に生成した、時間軸展開
組合せ回路を示す図である。
【図26】本発明の第3の実施形態に係る検査系列生成
方法における処理の流れを示すフローチャートである。
【図27】本発明の第4の実施形態に係る検査系列生成
方法が対象とするRTL回路の一例を表す有向グラフで
ある。
【図28】図27に示すRTL回路において、スキャン
化するレジスタを擬似外部入力おおよび擬似外部出力に
置換した結果を示す図である。
【図29】図28に示すRTL回路に対する、本発明の
第4の実施形態に係る時間軸展開を示す図である。
【図30】図28に示すRTL回路に対して、本発明の
第4の実施形態に係る時間軸展開が行われた結果を示す
図である。
【図31】本発明の第5の実施形態に係る検査系列生成
方法が対象とするRTL回路の一例を表す有向グラフで
ある。
【図32】図31に示すRTL回路に対する、本発明の
第5の実施形態に係る時間軸展開を示す図である。
【図33】図31に示すRTL回路に対して、本発明の
第5の実施形態に係る時間軸展開が行われた結果を示す
図であり、(a)は外部出力PO2をタイムフレーム4
に配置したときの図、(b)は外部出力PO2をタイム
フレーム3に配置したときの図である。
【図34】図33に示す時間軸展開RTL回路をゲート
レベルに変換した結果を示す図であり、(a)は図33
(a)の変換結果を示す図、(b)は図33(b)の変
換結果を示す図である。
【図35】本発明の第3の参考例に係る検査容易化設計
方法が対象とするRTL回路の一例を模式的に示す図で
ある。
【図36】図35に示すRTL回路の各ブロックの構成
を示す有向グラフであり、(a)はブロックAを、
(b)はブロックBを、(c)はブロックCをそれぞれ
示す図である。
【図37】本発明の第4の参考例に係る検査容易化設計
方法が対象とするRTL回路の一例を表す有向グラフで
ある。
【図38】図37に示すRTL回路に対して、本発明の
第4の参考例に係る検査容易化が行われた結果を示す図
である。
【図39】本発明の第5の参考例に係る検査容易化設計
方法が対象とするRTL回路の一例を示す有向グラフで
ある。
【図40】図39に示すRTL回路に対して、本発明の
第5の参考例に係る検査容易化が行われた結果を示す図
である。
【符号の説明】
reg1〜reg11 レジスタ A〜K,a〜n 組合せ機能部品 PI1,PI2,PI3 外部入力 PO1,PO2 外部出力 PPI1,PPIr4,PPIr5 擬似外部入力 PPO1,PPOr4,PPOr5 擬似外部出力 O1〜O7 ブロックの出力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G06F 15/60 654N

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レジスタトランスファレベル(RTL,
    Register TransferLevel )で設計された集積回路であ
    るRTL回路に対して、検査系列を生成する検査系列生
    成方法であって、 前記RTL回路は、検査時において無閉路構造である
    か、または、スキャン化するレジスタが決定されてお
    り、かつ、検査時において、スキャン化するレジスタの
    通常データ入力を擬似外部出力とみなし、データ出力を
    擬似外部入力とみなしたとき無閉路構造となるものと
    し、 前記RTL回路を、時間軸展開されたゲートレベルの回
    路である時間軸展開組合せ回路に変換する第1の工程
    と、 前記第1の工程において生成した時間軸展開組合せ回路
    に対して、検査入力を生成する第2の工程と、 前記第2の工程において生成した検査入力を、前記第1
    の工程において生成した時間軸展開組合せ回路における
    各外部入力および擬似外部入力が属するタイムフレーム
    の情報を基に、前記RTL回路を論理合成して得られる
    ゲートレベル回路に対する検査系列に変換する第3の工
    程とを備えていることを特徴とする検査系列生成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の検査系列生成方法におい
    て、 前記第1の工程は、 前記RTL回路に対して、所定の評価指標を基に、時間
    軸展開を行うRTL時間軸展開処理と、 前記RTL回路に対して論理合成を行い、ゲートレベル
    の回路に変換する論理合成処理と、 前記RTL時間軸展開処理において求めた時間軸展開さ
    れたRTL回路と、前記論理合成処理において生成した
    ゲートレベルの回路とを基にして、前記時間軸展開組合
    せ回路を生成する検査系列生成用回路生成処理とを備え
    ていることを特徴とする検査系列生成方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の検査系列生成方法におい
    て、 前記RTL時間軸展開処理は、 各タイムフレームに存在する組合せ機能部品の個数の総
    和、または各タイムフレームに存在する組合せ機能部品
    の見積もりゲート数の総和を、前記所定の評価指標とし
    て用いて、この評価指標がより小さくなるように、前記
    RTL回路に対して時間軸展開を行うものであることを
    特徴とする検査系列生成方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の検査系列生成方法におい
    て、 前記RTL時間軸展開処理は、 擬似外部入力または擬似外部出力が存在するタイムフレ
    ームの個数を、前記所定の評価指標として用いて、この
    評価指標がより小さくなるよう、前記RTL回路に対し
    て時間軸展開を行うものであることを特徴とする検査系
    列生成方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の検査系列生成方法におい
    て、 前記RTL時間軸展開処理は、 各擬似外部入力が存在するタイムフレーム数の総和と各
    擬似外部出力が存在するタイムフレーム数の総和との和
    から、対応する擬似外部出力が存在するタイムフレーム
    の次のタイムフレームに,対応する擬似外部入力が存在
    するレジスタの個数を減じたものを、前記所定の評価指
    標として用いて、この評価指標がより小さくなるよう、
    前記RTL回路に対して時間軸展開を行うものであるこ
    とを特徴とする検査系列生成方法。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の検査系列生成方法におい
    て、 前記RTL時間軸展開処理は、 各タイムフレームに存在する外部入力の個数の総和を、
    前記所定の評価指標として用いて、この評価指標がより
    大きくなるよう、前記RTL回路に対して時間軸展開を
    行うものであることを特徴とする検査系列生成方法。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の検査系列生成方法におい
    て、 前記RTL時間軸展開処理は、 前記RTL回路の各外部出力および擬似外部出力につい
    て、それぞれ、最大順序深度を求める第1の処理と、 前記RTL回路の各外部出力および擬似外部出力を、前
    記第1の処理において計算した最大順序深度の大きい順
    にソートする第2の処理と、 前記第1の処理で計算した最大順序深度の最大値に1を
    加えた値を、時間軸展開のタイムフレーム数として設定
    する第3の処理と、 各外部出力または擬似外部出力について、前記第2の処
    理におけるソート結果の順に、所定の評価指標に基づい
    て、時間軸展開を行う第4の処理とを備えていることを
    特徴とする検査系列生成方法。
  8. 【請求項8】 請求項2記載の検査系列生成方法におい
    て、 前記第1の工程は、前記RTL回路について、互いを結
    ぶ経路にレジスタ、外部入力および外部出力がいずれも
    属さない組合せ機能部品をグループ化する前処理を有
    し、かつ、 前記RTL時間軸展開処理は、前記前処理でグループ化
    した組合せ機能部品を1つの組合せ機能部品として、時
    間軸展開を行うものであり、 前記論理合成処理は、前記前処理でグループ化した組合
    せ機能部品を単位として、論理合成を行うものであるこ
    とを特徴とする検査系列生成方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の検査系列生成方法におい
    て、 前記第1の工程は、 前記RTL回路に対して、論理合成を行う論理合成処理
    と、 前記論理合成処理で生成されたゲートレベルの回路に対
    して、所定の評価指標を基にして時間軸展開を行い、前
    記時間軸展開組合せ回路を生成するゲートレベル時間軸
    展開処理とを備えていることを特徴とする検査系列生成
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の検査系列生成方法にお
    いて、 前記ゲートレベル時間軸展開処理は、 各タイムフレームに存在するゲートの個数の総和を、前
    記所定の評価指標として用いて、この評価指標がより小
    さくなるよう、前記ゲートレベルの回路に対して時間軸
    展開を行うものであることを特徴とする検査系列生成方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の検査系列生成方法にお
    いて、 前記第3の工程は、 一のタイムフレームに存在する擬似外部出力に対応する
    レジスタを構成するスキャンFF、および前記一のタイ
    ムフレームの次のタイムフレームに存在する擬似外部入
    力に対応するレジスタを構成するスキャンFFによっ
    て、一個のスキャンパスを構成して、前記検査入力を検
    査系列に変換するものであることを特徴とする検査系列
    生成方法。
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