JPH11237358A - アルミニウムの腐食センサ - Google Patents

アルミニウムの腐食センサ

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JPH11237358A
JPH11237358A JP3823998A JP3823998A JPH11237358A JP H11237358 A JPH11237358 A JP H11237358A JP 3823998 A JP3823998 A JP 3823998A JP 3823998 A JP3823998 A JP 3823998A JP H11237358 A JPH11237358 A JP H11237358A
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光彦 植木
Masataka Kumada
正隆 熊田
Shuichi Murooka
秀一 室岡
Kazuhiro Kobori
一博 小堀
Masahiro Kojima
正博 小島
Takashi Terada
隆 寺田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウムの腐食程度を的確に評価できる
腐食センサの提供を目的とする。 【解決手段】アルミニウム基材2 に孔3 が設けられると
ともに該孔3 以外の部分が厚さ5〜50μmの絶縁層4
に被覆され、かつ前記孔3 内に塩化物6 が充填され、前
記アルミニウム基材2 よりも電位の貴なる材料により形
成されて前記孔3内に配置された導電電極5 を、前記ア
ルミニウム基材2 に短絡させ、無抵抗電流計8 により前
記導電電極5 とアルミニウム基材2 の孔3 内露出部との
間の腐食電流を検出するものとなされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱交換器等の自
動車用部品や建築用材料などのアルミニウム製品が使用
される環境において腐食程度を把握し、あるいは腐食促
進試験における腐食の促進度を把握するアルミニウムの
腐食センサに関する。
【0002】
【従来の技術】上述のようなアルミニウム製品の耐食性
を詳細に把握するためには、製品の使用環境での曝露試
験が不可欠である。しかしながら、実使用環境下での曝
露試験結果から耐食性を評価しようとすれば、少なくと
も数年の長期にわたる試験期間が必要となる。
【0003】そのため、短期間で耐食性を評価すべく、
腐食促進環境下に曝露する試験方法が採用されている。
例えば、塩水噴霧試験方法(JIS Z2371)、キ
ャス試験(JIS H8681)、ASTM G85−
85,Method G43SWAAT、特に自動車用
部品の試験方法では(財)自動車技術会制定の自動車規
格JASO M609−91 自動車用材料腐食試験方
法、M610−92自動車部品外観腐食試験法などの腐
食促進試験方法がある。
【0004】また一方、実機を使用環境下あるいは腐食
促進環境下に曝露して耐食性を評価するのではなく、腐
食センサを用いて使用環境が腐食影響程度を調査し、そ
の結果に基づいて市場における耐食性を評価することも
行われている。
【0005】このような腐食センサの一つとしてACM
(アトモスフェリック・コロージョン・モニタ)センサ
がある。このACMセンサは、鋼板を基材としてその一
部を露出させた状態で絶縁塗料を介して銀含有導電塗料
を塗布し、鉄と銀とのカップリング電流、即ち鉄の腐食
電流を無抵抗電流計で検出するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記A
CMセンサは鉄または鉄合金のように面腐食する材料の
試験には適しているが、アルミニウムのように孔食を主
体とする腐食に対しては必ずしも市場における耐食性と
相関性のある試験結果が得られないという問題点があっ
た。
【0007】この発明はこのような技術背景に鑑み、ア
ルミニウムの腐食程度を評価できる腐食センサの提供を
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明の第1のアルミニウムの腐食センサは、ア
ルミニウム基材(2) に孔(3) が設けられるとともに該孔
(3) 以外の部分が厚さ5〜50μmの絶縁層(4) に被覆
され、かつ前記孔(3) 内に塩化物(6) が充填され、前記
アルミニウム基材(2) よりも電位の貴なる材料により形
成されて前記孔(3) 内に配置された導電電極(5) を、前
記アルミニウム基材(2) に短絡させ、無抵抗電流計(8)
により前記導電電極(5) とアルミニウム基材(2) の孔
(3) 内露出部との間の腐食電流を検出するものとなされ
ていることを基本要旨とする。
【0009】また、第2のアルミニウムの腐食センサ
は、アルミニウム基材(12)の表面の一部を露出させて厚
さ10μm〜1mmの絶縁層(14)が形成され、さらに該絶
縁層(14)の表面の一部に前記アルミニウム基材(12)より
も電位の貴なる材料で形成された厚さ10μm〜1mmの
導電層(15)が設けられ、前記アルミニウム基材(12)と導
電層(15)とを短絡させ、無抵抗電流計(8) により前記導
電層(15)とアルミニウム基材(12)の露出部(13)との間の
腐食電流を検出するものとなされていること基本要旨と
する。
【0010】まず、第1の腐食センサについて詳述す
る。
【0011】前記アルミニウム基材(2) は、実機の耐食
性を的確に予測するために、実機と同一の材質で形成す
ることが好ましく、その他JIS A1100以上の純
アルミニウムを推奨できる。また、アルミニウム基材
(2) の寸法は、5mm×5mm×5mm〜30mm×30mm×3
0mmが好ましい。上述の下限値より小さくなると、孔
(3) を設けて内部に電極(5) を配置し孔(3) 内に塩化物
を充填するといった作業がしづらくなる。また上限値以
上に大きくしてもセンサの製作においても腐食試験にお
いても格別に有利な点はない。アルミニウム基材(2) の
特に好ましい寸法は、10mm×10mm×10mm〜20mm
×20mm×20mmである。
【0012】前記アルミニウム基材(2) に設ける孔(3)
の寸法は、前記アルミニウム基材(2) の寸法や内部に導
電電極(5) を配置することを考慮して、口径が1〜10
mmφで深さが2〜20mmが好ましく、特に口径が2〜5
mmφで深さが4〜10mmが好ましい。さらに、孔(3) の
口径と深さの比が1:1〜1:10の範囲が好ましく、
特に1:2〜1:5が好ましい。
【0013】前記絶縁層(4) を形成する理由は、アルミ
ニウム基材(2) と貴な導電電極(5)との間の局部短絡を
防止し、短絡腐食電流をすべて無抵抗電流計で検出する
ためである。また、曝露雰囲気からの腐食影響を孔(3)
以外の部分から受けないように、絶縁層(4) は孔(3) を
除くアルミニウム基材(2) の全体に形成することが好ま
しい。そのため、絶縁層(4) の材質は、体積固有抵抗が
107 Ω・cm以上、特に1011Ω・cm以上のものが好ま
しく、具体的にはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコ
ン樹脂、塩化ビニル樹脂等を例示できる。絶縁層(4) の
厚さは、5μm未満では樹脂の欠陥、ピンホール等によ
るアルミニウムと貴な導電電極との短絡が問題であり、
50μmを超えると絶縁層(4) に工数がかかるため5〜
50μmとする必要があり、特に10μm〜30μmが
好ましい。絶縁層(4) の形成方法は、ペースト状の絶縁
物質の塗着や絶縁フィルムの接着を例示できる。前記絶
縁層(4) は孔(3) 以外の部分に孔(3) の内面が露出する
ように形成するが、内面全体を 露出させても良いし、
図1に示すように孔(3) の開口部の周縁にも形成しても
良い。
【0014】前記導電電極(5) は、孔食電位または自然
電位が前記アルミニウム基材(2) よりも30mV以上貴
であるものを使用する。例えば、基材(2) よりも貴であ
るアルミニウム、金、銀、白金、パラジウム、カーボン
を好適に使用することができる。例えば、熱交換器の耐
食性を評価する場合、チューブ用合金またはフィン用合
金のうちの電位の卑な方でアルミニウム基材(2) を形成
し、電位の貴な方で導電電極(5) を形成すれば、試験結
果を実機の腐食形態に近付けることができる。導電電極
(5) の寸法は、上述の孔(3) の寸法に基づき0.2〜2
mmφが好ましく、特に0.5〜1mmφが好ましい。ま
た、導電電極(5) は先端部以外を絶縁被覆しても良い。
【0015】前記孔(3) に充填する塩化物(6) は、Na
Cl、あるいはNaClを主成分とし、AlCl3 、A
l(OH)3 の1種または2種を混合した塩化物を使用
する。混合塩化物の場合、混合比は1(NaCl):0
〜1(AlCl3 ):0〜1(Al(OH)3 )が好ま
しい。
【0016】次に、第2の腐食センサについて詳述す
る。
【0017】前記アルミニウム基材(12)の材質は、第1
の腐食センサと同様に、実機と同一のアルミニウムまた
はJIS A1100以上の純アルミニウムを使用す
る。
【0018】また、前記絶縁層(14)の材質は第1の腐食
センサの絶縁層(4) と同様の107Ω・cm以上、特に1
11Ω・cm以上の体積固有抵抗を有するものが好ましい
が、厚さは、アルミニウム基材(12)と貴な導電層(15)と
が絶縁層(14)を介して積層されているため一か所でも欠
陥があると短絡してしまうため、第1の腐食センサより
も厚い、10μm〜1mmとする必要があり、特に20μ
m〜0.5mmが好ましい。また、このような絶縁層(14)
は、アルミニウム基材(12)の表面の一部に形成し、一部
はアルミニウム基材(12)を露出させて露出部(13)を形成
する。また、絶縁層(14)の形成方法は、絶縁ペーストの
塗着や絶縁フィルムの接着の他、絶縁物質を接着剤とし
て導電層を貼付けるようにしても良い。
【0019】前記露出部(13)の形状は、図3に示す円形
(13)や図6に示すスリット状(23a)(23b)(23c) を例示で
きる。露出部(13)の面積は1mm2 〜1000mm2 は好ま
しい。1mm2 未満では腐食電流を十分検出できず、10
00mm2 を超えると露出アルミニウム表面の中で局部電
池を形成してしまい、アルミニウム(12)と貴な導電層(1
5)との間の正しい腐食電流を検出できない。露出部(13)
の特に好ましい下限値は2mm2 であり上限値は300mm
2 である。
【0020】さらに、前記導電層(15)は前記絶縁層(14)
の表面の一部に形成される。形成位置は、図3および図
4に示すように露出部(13)が円形の場合は露出部(13)を
取り囲むように円形(14)に形成し、図6および図7に示
すようにスリット状の露出部(23a)(23b)(23c) の場合は
露出部(23a)(23b),(23b)(23c) 間の絶縁層上に帯状(25
a)(25b)に形成する。また、前記導電層の材質は、第1
の腐食センサにおける導電電極(5) と同じく、孔食電位
または自然電位が前記アルミニウム基材よりも30mV
以上貴であるアルミニウム、または他の金属を使用す
る。導電層(15)(25a)(25b)の厚さは、10μm未満では
無抵抗電流計のリード線接合部で断線しやすく、また1
mmを超えると貴な導電層(15)(25a)(25b)のコストが高く
なり高価なものになるため10μm〜1mmが好ましい。
導電層(15)(25a)(25b)の厚さの特に好ましい下限値20
μmであり上限値は0.5mmである。また、導電層(15)
(25a) (25b)の面積は、2mm2 未満では十分な短絡腐食
電流が検出できず2000mm2 を超えると貴な導電層(1
5)(25a)(25b)の表面内で局部電池を形成し、正確な腐食
電流が検出できないため、2〜2000mm2 の範囲が好
ましい。導電層(15)(25a)(25b)の面積の特に好ましい下
限値は4mm2 であり、上限値は600mm2 である。ま
た、露出部(23a)(23b)(23c) の形状がスリット状であれ
ば導電層(25a)(25b)はスリット間に形成されて複数の平
行な帯状となるが、これらの導電層(25a)(25b)の間隔は
0.5〜3mmが好ましく、特に1〜2mmが好ましい。ま
た、このような導電層(15)(25a)(25b)の形成方法は、前
記絶縁層上に導電フィルムの接着や導電ペーストの塗
布、蒸着による導電皮膜の形成、絶縁層を接着材として
導電フィルムの接着等を例示できる。
【0021】さらに、前記アルミニウム基材(12)(22)の
露出部(13)(23a)(23b)(23c) と導電層(15)(25a)(25b)の
面積比は、1:1〜1:10が好ましく、特に1:2〜
1:5が好ましい。
【0022】この発明のアルミニウムの腐食センサは、
アルミニウム製品の使用環境あるいは腐食促進環境にお
ける腐食電流を検出し、その大小により腐食の促進性を
評価することができる。特に、孔内に塩化物を充填した
第1の腐食センサは、特に孔食形態の腐食促進性が大き
く、孔食促進性を短時間で評価できる。また、第2の腐
食センサは、特に初期の腐食促進性が大きく初期腐食促
進性を短時間で評価できる。
【0023】
【実施例】(実施例1)図1に第1の腐食センサの具体
例を示す。
【0024】前記腐食センサ(1) において、アルミニウ
ム基材(2) は幅20mm×奥行20mm×厚さ20mmのJI
S A1050により形成され、中央に直径4mm×深さ
10mmの孔(3) が形成されている。また、前記アルミニ
ウム基材(2) は外周面全体と孔(3) の開口縁部とにエポ
キシ樹脂からなる絶縁ペーストが塗布されて厚さ30μ
mの絶縁層(4) が形成され、孔(3) の底部のみが露出し
ている。そして、前記孔(3) 内に、腐食電位が前記アル
ミニウム基材よりも2500mV高い金(Au)からなる
線状の導電電極(5) が挿入配置され、孔(3) 内に塩化物
(6) として塩化ナトリウムが充填されている。また、前
記導電電極(5) はリード線(7) により前記アルミニウム
基材(2) に短絡され、無抵抗電流計(8) により導電電極
(5) とアルミニウム基材(2) の孔(3) 内露出部との間の
腐食電流を検出するようになされている。
【0025】次に、前記腐食センサ(1) を用いて、塩水
噴霧−乾燥−湿潤のサイクル試験における腐食電流の変
化を観察した。サイクル試験は、塩水噴霧ステップにお
いて5%塩化ナトリウム水溶液を40℃で1時間噴霧
し、乾燥ステップにおいて50℃、湿度30%RHで2
時間保持し、湿潤ステップにおいて50℃、湿度95%
RHで21時間保持するものとした。このサイクル試験
における腐食電流の変化を図2に示す。
【0026】図2の結果にもとづき、腐食電流は、乾燥
直後に腐食電流が最大となる他、湿潤環境において高い
値を持続していることから、湿潤環境において腐食の促
進性が大きく、孔食の促進に効果のあることがわかる。
【0027】(実施例2)図3および図4に第2の腐食
センサの具体例を示す。
【0028】前記腐食センサ(11)において、アルミニウ
ム基材(12)は幅20mm×奥行20mm×厚さ10mmのJI
S A1050により形成されている。また、前記アル
ミニウム基材(12)は、中央部において直径5mmの円形の
露出部(13)を残して外周面全体にアクリル樹脂からなる
絶縁ペーストが塗布されて厚さ0.1mmの絶縁層(14)が
形成されている。さらに、前記絶縁層上において前記露
出部を縁取るようにして金(Au)ペーストを塗布して
厚さ0.05mm×幅2mmの円形の導電層(15)が形成され
ている。また、前記導電層(15)はリード線(7) により前
記アルミニウム基材(12)に短絡され、無抵抗電流計(8)
により導電電極(15)とアルミニウム基材(12)の露出部(1
3)との間の腐食電流を検出するようになされている。
【0029】次に、前記腐食センサ(11)を用いて、実施
例1と同じ塩水噴霧−乾燥−湿潤のサイクル試験におけ
る腐食電流の変化を観察した。このサイクル試験におけ
る腐食電流の変化を図5に示す。
【0030】図5の結果にもとづき、腐食電流は、乾燥
開始直後と湿潤開始直後に腐食電流がピークとなること
から、湿潤環境において腐食の促進性が大きく、初期腐
食の促進に適することがわかる。
【0031】(実施例3)図6および図7に、第2の腐
食センサの他の例を示す。この腐食センサ(21)は、実施
例2の腐食センサ(11)とは露出部および導電層の形状の
みが異なり、他の構成は実施例2と同じ構成である。
【0032】前記腐食センサ(21)は、アルミニウム基材
(22)が絶縁層(24)に被覆されない露出部(23a)(23b)(23
c) が、幅1mm×長さ10mmの3本のスリット状に形成
されている。また、導電層(25a)(25b)は、前記露出部(2
3a)(23b)(23c) の間の絶縁層上に幅2mm×長さ10mmの
帯状に形成されている。また、一方の導電層(25a) とア
ルミニウム基材(22)とがリード線(7) で短絡されてい
る。
【0033】
【発明の効果】以上の次第で、この発明の第1のアルミ
ニウムの腐食センサは、アルミニウム基材に孔が設けら
れるとともに該孔以外の部分が厚さ5〜50μmの絶縁
層に被覆され、かつ前記孔内に塩化物が充填され、前記
アルミニウム基材よりも電位の貴なる材料により形成さ
れて前記孔内に配置された導電電極を、前記アルミニウ
ム基材に短絡させ、無抵抗電流計により前記導電電極と
アルミニウム基材の孔内露出部との間の腐食電流を検出
するものとなされているから、アルミニウムの腐食形態
である孔食の腐食促進性が大きく、実機を用いることな
くアルミニウムの耐食性を短時間で評価できる。
【0034】また、この第1の腐食センサにおいて、前
記孔の寸法を、口径1〜10mmφ、深さ2〜20mmであ
り、かつ口径と深さの比が1:1〜1:10に形成す
る、あるいは前記塩化物として、塩化ナトリウム、ある
いは塩化ナトリウムを主成分としAlCl3 、Al(O
H)3 の1種または2種を混合した混合塩化物を用いる
ことにより、より的確に耐食性を評価することができ
る。
【0035】また、第2のアルミニウムの腐食センサ
は、アルミニウム基材の表面の一部を露出させて厚さ1
0μm〜1mmの絶縁層が形成され、さらに該絶縁層の表
面の一部に前記アルミニウム基材よりも電位の貴なる材
料で形成された厚さ10μm〜1mmの導電層が設けら
れ、前記アルミニウム基材と導電層とを短絡させ、無抵
抗電流計により前記導電層とアルミニウム基材の露出部
との間の腐食電流を検出するものとなされているから、
アルミニウムの初期の腐食促進性が大きく、実機を用い
ることなくアルミニウムの耐食性を短時間で評価でき
る。
【0036】また、この第2の腐食センサにおいて、前
記露出部を円形またはスリット状に形成すること、ある
いは前記露出部の面積は1〜1000mm2 、前記導電層
の面積は2〜2000mm2 であり、かつ露出部と導電層
の面積比を1:1〜1:10に形成することにより、よ
り的確に耐食性を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の腐食センサの断面図である。
【図2】腐食促進サイクル試験において、図1の腐食セ
ンサにより測定した腐食電流を示すグラフである。
【図3】この発明の第2の腐食センサの一例の斜視図で
ある。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】腐食促進サイクル試験において、図3の腐食セ
ンサにより測定した腐食電流を示すグラフである。
【図6】この発明の第2の腐食センサの他の例の斜視図
である。
【図7】図6のVII −VII 線断面図である。
【符号の説明】
1,11,21 …腐食センサ 2,12,22 …アルミニウム基材 3 …孔 13,23a,23b,23c…露出部 4,14,24 …絶縁層 5 …導電電極 15,25a,25b…導電層 6 …塩化物 8 …無抵抗電流計
フロントページの続き (72)発明者 室岡 秀一 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内 (72)発明者 小堀 一博 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内 (72)発明者 小島 正博 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内 (72)発明者 寺田 隆 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム基材(2) に孔(3) が設けら
    れるとともに該孔(3) 以外の部分が厚さ5〜50μmの
    絶縁層(4) に被覆され、かつ前記孔(3) 内に塩化物(6)
    が充填され、前記アルミニウム基材(2) よりも電位の貴
    なる材料により形成されて前記孔(3) 内に配置された導
    電電極(5) を、前記アルミニウム基材(2) に短絡させ、
    無抵抗電流計(8) により前記導電電極(5) とアルミニウ
    ム基材(2) の孔(3) 内露出部との間の腐食電流を検出す
    るものとなされていることを特徴とするアルミニウムの
    腐食センサ。
  2. 【請求項2】 前記孔(3) の寸法は、口径1〜10mm
    φ、深さ2〜20mmであり、かつ口径と深さの比が1:
    1〜1:10である請求項2に記載のアルミニウムの腐
    食センサ。
  3. 【請求項3】 前記塩化物(6) は、塩化ナトリウム、あ
    るいは塩化ナトリウムを主成分としAlCl3 、Al
    (OH)3 の1種または2種を混合した混合塩化物であ
    る請求項1または2に記載のアルミニウムの腐食セン
    サ。
  4. 【請求項4】 アルミニウム基材(12)の表面の一部を露
    出させて厚さ10μm〜1mmの絶縁層(14)が形成され、
    さらに該絶縁層(14)の表面の一部に前記アルミニウム基
    材(12)よりも電位の貴なる材料で形成された厚さ10μ
    m〜1mmの導電層(15)が設けられ、前記アルミニウム基
    材(12)と導電層(15)とを短絡させ、無抵抗電流計(8) に
    より前記導電層(15)とアルミニウム基材(12)の露出部(1
    3)との間の腐食電流を検出するものとなされていること
    を特徴とするアルミニウムの腐食センサ。
  5. 【請求項5】 前記露出部(13)は、円形(13)またはスリ
    ット状(23a)(23b)(23c) である請求項4に記載のアルミ
    ニウムの腐食センサ。
  6. 【請求項6】 前記露出部(13)の面積は1〜1000mm
    2 、前記導電層の面積は2〜2000mm2 であり、かつ
    露出部(13)と導電層(15)の面積比は1:1〜1:10で
    ある請求項4または5に記載のアルミニウムの腐食セン
    サ。
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