JPH11236915A - 画像形成装置の転写材 - Google Patents

画像形成装置の転写材

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JPH11236915A
JPH11236915A JP4201998A JP4201998A JPH11236915A JP H11236915 A JPH11236915 A JP H11236915A JP 4201998 A JP4201998 A JP 4201998A JP 4201998 A JP4201998 A JP 4201998A JP H11236915 A JPH11236915 A JP H11236915A
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JP
Japan
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transfer material
transfer
drum
dielectric layer
transfer drum
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Application number
JP4201998A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Toizumi
潔 戸泉
Yukikazu Kamei
幸和 亀井
Hideki Onishi
英樹 大西
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】転写ドラムの抵抗値及び転写材の表面抵抗値が
低下する高温度環境下又は高湿度環境下においても、転
写ドラムの表面に転写材を確実に吸着させる。 【構成】転写材Pの誘電体層28に接触する面の表面抵
抗値を1010Ω以上の十分に高い値とした。表面抵抗値
が低い転写材Pの誘電体層28に接触する面における電
荷の自由度は高く、転写材Pの誘電体層28に接触する
面に帯電した−電荷は導電体層26からの強力な+電界
によって導電体層26に流れ、転写材Pの表面において
保持できないが(図6(B))、転写材P′の誘電体層
28に接触する面における表面抵抗値を高くすると電荷
の自由度が低くなり、導電体層26から強力な+電界が
作用した場合にも、転写材P′の誘電体層28に接触す
る面に帯電した−電荷は誘電体層28側に移動すること
なく転写材P′に保持され(図6(C))、転写ドラム
11の表面に対する転写材Pの吸着状態を良好に維持で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子写真法を用いて
画像形成を行うレーザプリンタや複写機等の画像形成装
置に用いられる転写材に関し、特に、転写工程時に転写
ドラムに巻着する画像形成装置の転写材に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法を用いて画像形成を行う画像
形成装置として、転写材が巻回される転写ドラムを備
え、感光体の表面に担持したトナー像を転写ドラムの表
面に巻着した転写材の表面に転写するようにしたものが
ある。例えば、図9(A)に示すものでは、誘電体層1
01aを有する円筒形状の転写ドラム101の内部にコ
ロナ放電器102及び104を備え、コロナ放電器10
2のコロナ放電によって誘電体層101aに転写材Pを
吸着するための電荷を帯電させるとともに、コロナ放電
器104のコロナ放電によって感光体ドラム103の表
面に担持されたトナー像を転写ドラム101の表面に吸
着した転写材Pの表面に静電吸着させるための電荷を供
給するようにしている。即ち、図9(A)に示す構成で
は、転写ドラム101の表面に対する転写材Pの吸着と
転写材Pの表面に対するトナー像の転写とをコロナ放電
器102とコロナ放電器104とによって別々に行うよ
うにしている。
【0003】また、図9(B)に示すものでは、外側の
半導電体層201aと内側の基材201bとの2層構造
の部分円弧状を呈し、一部の平面部に転写材Pの端部を
挟持するグリップ機構202を備えた転写ドラム201
を備えている。図9(B)に示す構成では、グリップ機
構202により転写材Pの端部を挟持することにより転
写ドラム201の表面に転写材Pを沿わせた後、半導電
体層201aに電圧を印加するか、又は、内部に設けた
図外のコロナ放電器のコロナ放電により転写ドラム20
1の表面を帯電させて感光体ドラム103の表面に担持
されたトナー像を転写材Pの表面に転写するようにして
いる。
【0004】このような画像形成装置において、表面抵
抗が1013Ω以上の転写材を用いると、トナー像を転写
した後の転写材を転写ドラムの表面から分離する際に生
じる気中放電によってトナー像が乱れたり、転写ドラム
に転写材を巻回した状態で転写ドラムを複数回回転させ
て多重複写を行う場合に2〜3回目の転写後に画像濃度
が低下したり、トナー像が転写されなくなる問題が生じ
る。このため、従来の転写材として表面抵抗が1012Ω
以下の低抵抗層を設けたものが提案されている。
【0005】ところが、表面抵抗が1012Ω以下の転写
材を用いて転写ドラムによる画像形成を行うと、転写ド
ラムの表面に対する転写材の吸着力が低下し、転写材と
して比較的弾性力の強いOHPフィルムを用いた場合に
は、転写材の後端側が転写ドラムの表面から離れ、多重
複写時に複数の画像を正確に一致させることができなく
なる問題がある。
【0006】そこで、特開昭61−279859号公報
には、表面抵抗が略1012Ω以下の低抵抗層により被覆
し、かつ後端側に絶縁性領域を設けた構成が開示されて
おり、この絶縁性領域として転写材の基体上における導
電層を有しない部分、又は、基体の後端側の下面に取り
付けた絶縁シールによって構成することが開示されてい
る。
【0007】この構成により、転写ドラムの表面に対し
て転写材の後端側を確実に吸着させることができ、多重
転写時に転写材の後端側に複数の画像を正確に一致させ
て転写することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
61−279859号公報に開示された構成では、湿度
や温度等の外部環境の変化による転写ドラムの表面に対
する転写材の吸着性に関して考慮されておらず、高温度
環境下又は高湿度環境下において転写ドラムの抵抗値及
び転写材の表面抵抗値が低下した場合、転写材に付与さ
れた電荷が転写材の塗布層表面から転写ドラムの誘電体
層表面を経由して減衰する方向と転写材の塗布層表面か
ら誘電体層内部を経由して減衰する方向との2方向に減
衰し、転写材の静電吸着力が極端に低下することが考え
られ、このような環境下では、転写ドラムの表面に転写
材を確実に吸着させることができなくなる問題がある。
【0009】この発明の目的は、転写ドラムの抵抗値及
び転写材の表面抵抗値が低下する高温度環境下又は高湿
度環境下においても、転写ドラムの表面に確実に吸着さ
せることができる画像形成装置の転写材を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
は、単一極性の電荷が付与された状態で、該電荷と逆極
性の電界を発生する転写ドラムの表面に静電吸着する画
像形成装置の転写材において、転写ドラムに接触する面
の表面抵抗値を1010Ω以上に設定したことを特徴とす
る。
【0011】請求項1に記載した発明においては、表面
抵抗値が1010Ω以上に設定された面が転写ドラムに接
触した状態で転写材が転写ドラムの表面に静電吸着す
る。したがって、転写材の表面抵抗値が低下する高温度
環境下又は高湿度環境下において転写ドラムから帯電電
荷と逆極性の電界が継続して作用した場合にも、転写材
の転写ドラムに接触する面における帯電電荷の保持力が
確保され、転写ドラムから帯電電荷と逆極性の電界が作
用することによって転写材が転写ドラムの表面に確実に
静電吸着する。
【0012】請求項2に記載した発明は、前記転写ドラ
ムに接触する面に、抵抗値が1010Ω以上の塗布剤を塗
布したことを特徴とする。
【0013】請求項2に記載した発明においては、抵抗
値が1010Ω以上の塗布剤を塗布することによって転写
材の転写ドラムに接触する面の表面抵抗値が1010Ω以
上にされる。したがって、塗布剤を塗布することによっ
て転写材の転写ドラムに接触する面の表面抵抗値が容易
に設定される。
【0014】請求項3に記載した発明は、前記転写ドラ
ムに接触する面における非印字領域に対向する部分に、
表面抵抗値が1010Ω以上の領域を形成したことを特徴
とする。
【0015】請求項3に記載した発明においては、転写
材の転写ドラムに接触する面における周囲に位置する部
分である非印字領域に対向する部分の表面抵抗値が10
10Ω以上にされる。したがって、転写ドラムに接触する
面の周囲に位置する部分のみにおいて表面抵抗値が高く
され、複数枚の転写材を重ね合わせて保存した場合で
も、一方の転写材の印字領域が他方の転写材の表面抵抗
値の高い部分との間で影響を及ぼし合うことがない。
【0016】請求項4に記載した発明は、前記転写ドラ
ムに接触する面が、温度25°Cで湿度50%の環境下
における表面抵抗値と温度25°Cで湿度60%の環境
下における表面抵抗値との比が102 以内であることを
特徴とする。
【0017】請求項4に記載した発明においては、外部
環境が変化した場合にも転写材の表面抵抗等の変動が1
2 以下に抑えられる。したがって、外部環境の変化に
ともなって転写材の表面抵抗値が変動した場合にも、転
写ドラムに対する転写材の静電吸着状態が良好に維持さ
れる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の実施形態に係
る転写材が使用される画像形成装置の構成を示す図であ
る。画像形成装置50は、内部に給紙部1、転写部2、
現像部3及び定着部4を配置して構成されている。給紙
部1は、給紙カセット5に収納された転写材を送り出し
ローラ7及び給紙ローラ8の回転により、又は、手差し
口6から挿入された転写材を給紙ローラ9の回転によ
り、前端部がレジストローラ10に当接する位置まで給
紙する。
【0019】転写部2には、円筒形のアルミニウム基体
により構成された導電体層26の表面に、ウレタンゴム
やエラストマー等の発泡体により構成された弾性を有す
る半導電体層27、及び、PVDF(ポリフッ化ビニリ
デン)等の高分子フィルムにより構成された誘電体層2
8をこの順に形成した転写ドラム11が回転自在に支持
されている。給紙部1から給紙された転写材は、レジス
トローラ10の回転により転写ドラム11とグランドロ
ーラ12との間に導かれ、転写ドラム11は表面に転写
材を吸着した状態で回転する。
【0020】現像部3は、表面に光導電層を形成した感
光体ドラム15を回転自在に支持しており、この感光体
ドラム15の周面に対向する帯電器20、現像器16〜
19及びクリーナ21を備えている。感光体ドラム15
の表面は帯電器20により単一極性の電荷が均一に帯電
された後、図外のスキャナユニットから画像光が照射さ
れ、光導電作用により静電潜像が形成される。この静電
潜像に対して現像器16〜19からトナーが供給され、
静電潜像がトナー画像に顕像化される。このトナー像が
転写ドラム11の表面に吸着した転写材の表面に転写さ
れる。
【0021】現像器16〜19にはそれぞれイエロー、
マゼンタ、シアン及びブラックのトナーが収納されてお
り、転写ドラム11が1回転する毎に転写材の表面に1
色ずつトナー画像が転写され、転写ドラム11が4回転
することにより4色のトナー画像が転写材の表面に重ね
合わされて1つのカラー画像が形成される。なお、転写
部2には転写ドラム11の表面の一部に対向する剥離爪
14が設けられており、転写材に対する4色のトナー画
像の転写が終了した後に剥離爪14の先端が転写ドラム
11の表面に当接することにより、転写材が転写ドラム
11の表面から剥離して定着ローラ23の間に導かれ
る。
【0022】図2は、上記画像形成装置における転写部
の構成を示す図である。上述のように、転写ドラム11
は、導電体層26の表面に半導電体層27及び誘電体層
28をこの順に形成して構成されており、導電体層26
には電源32から電圧が印加される。転写ドラム11の
周面の一部には接地されたグランドローラ12の周面が
当接しており、転写材Pはレジストローラ10の回転に
より転写ドラム11とグランドローラ12との間に導か
れる。転写材Pは、転写ドラム11及びグランドローラ
12との間において接触帯電により転写ドラム11の周
面に静電吸着する。
【0023】図3は、上記画像形成装置の転写部におけ
る接触帯電時の状態を説明する図である。転写ドラム1
1及びグランドローラ12の間における転写材Pの接触
帯電は、パッシェン放電と電荷注入とからなる。パッシ
ェン放電は、転写ドラム11の表面を構成する誘電体層
28とグランドローラ12との距離が接近するにしたが
って両者の間の空隙における電界強度が高くなることに
より、空中絶縁破壊により生じる放電現象である(図3
に示す領域a)。図2に示したように、誘電体層28を
含む転写ドラム11とグランドローラ12との間には電
源32から+又は−極性の電圧が印加されており、この
間にパッシェン放電を生じると転写ドラム11により接
近している転写材Pに−又は+極性の電荷が蓄積され
る。
【0024】パッシェン放電により電荷を蓄積した転写
材Pは転写ドラム11とグランドローラ12とのニップ
位置(図3に示す領域b)において電荷注入を受け、転
写材Pにはさらに−又は+極性の電荷が蓄積される。こ
の電荷注入時の等価回路を図4に示す。図4において、
Vaは電源32の印加電圧、r1は半導体層27の抵抗
値、r2は半導体層27と誘電体層28との間の接触抵
抗値、r3は誘電体層28の抵抗値、r4は転写材Pの
抵抗値、r5は転写材Pとグランドローラ12との間の
接触抵抗値、c2は半導体層27と誘電体層28との間
の静電容量、c3は誘電体層28の静電容量、c4は転
写材Pの静電容量、c5は転写材Pとグランドローラ1
2との間の静電容量である。
【0025】上記のパッシェン放電及び電荷注入により
転写材Pに蓄積される電荷量は、図4に示す等価回路に
おいて、パッシェン放電により転写材Pが帯電した電位
を初期電位として、静電容量c5の両端の電位差Vを算
出する下記第1式により求まる。 V=A×(b′×eB −c′×eC ) ・・・第1式 ここに、A,B,C,b′及びc′は、いずれも図4に
示す等価回路中の抵抗値及び静電容量に依存した定数で
ある。このように、転写材Pに蓄積される電荷は転写ド
ラム11の導電体層26に印加される電圧と逆極性とな
るため、転写材Pと導電体層26との間に静電吸着力が
働き、転写ドラム11の表面に転写材Pが静電吸着す
る。したがって、転写材Pの帯電電位が高いほど転写ド
ラム11に対する吸着力が大きくなる。
【0026】また、転写ドラム11の表面に転写材Pを
安定した状態で静電吸着させるためには、転写材Pに蓄
積された電荷が転写工程を終了するまでの間において転
写材Pに保持されている必要があるが、転写材Pに蓄積
された電荷は下記第2式に示すように時間tの経過とと
もに減衰する。 pV+qlog(V)=−(t/εS)+N ・・・第2式 ここに、p及びqは各層の抵抗値に依存した定数、tは
転写材Pの電荷の減衰時間、εは各層の比誘電率、Sは
転写材Pの面積、Nは積分定数、Vは転写材Pの帯電電
位である。
【0027】上記第2式より明らかなように、転写材P
の帯電電位Vは時間tの経過とともに減衰し、その減衰
速度は各層の比誘電率及び抵抗値に依存し、各層の比誘
電率及び抵抗値が高いほど減衰速度が遅くなる。ところ
が、高温度環境下又は高湿度環境下で各層の表面抵抗が
低下すると、転写材Pに蓄積された電荷が誘電体層28
の表面及び内部を経由して導電体層26に移動し、転写
材Pに蓄積された電荷の減衰速度が上昇する。
【0028】図5は、温度25°C、湿度60%の高湿
度下において表面抵抗値が種々異なる転写材P(OHP
フィルム)の転写ドラムに対する静電吸着性を評価した
結果を示す図である。図5に明らかなように、高湿度下
では、転写材の表面抵抗を高くすることにより、転写ド
ラムに対する転写材の吸着状態が安定する。これは、グ
ランドローラにより転写材上に一旦帯電した電荷が誘電
体層の表面及び内部を経由して導電体層に流れるためで
あると考えられる。
【0029】より詳細には、グランドローラ12による
帯電の直後には、図6(A)に示すように、転写材Pの
表面に−電荷が帯電し、転写ドラム11の導電体層26
からの強力な+電界に−電荷が引かれて転写材Pが転写
ドラム11の表面に吸着する。また、分極により転写材
Pにおいて誘電体層28に接触する面に−電荷が帯電し
ていると考えられる。
【0030】このとき、転写材Pの表面抵抗値が低い場
合には、転写材Pの誘電体層28に接触する面における
電荷の自由度が高く、図6(B)に示すように、転写材
Pの誘電体層28に接触する面に帯電した−電荷は導電
体層26からの強力な+電界によって誘電体層28及び
半導体層27を経由して導電体層26に流れ、転写材P
を転写ドラム11の表面に静電吸着させるために必要な
−電荷を転写材Pの表面において保持できなくなる。
【0031】一方、表面抵抗値を1010Ω以上の十分に
高い値とした転写材P′では、転写材P′の誘電体層2
8に接触する面における電荷の自由度は低く、図6
(C)に示すように、導電体層26から強力な+電界が
作用した場合にも、転写材P′の誘電体層28に接触す
る面に帯電した−電荷は誘電体層28側に移動すること
なく転写材P′に保持される。
【0032】なお、上記の例では高湿度下における転写
材Pの電荷の減衰による吸着状態の変化を示したが、温
度変化にともなって電気的特性が変化する樹脂を素材と
したOHPフィルムを転写材Pとして用いる場合には、
高温度下においても同様に転写材Pの電荷の減衰による
吸着状態の変化を生じるものと考えられる。したがっ
て、高温高湿度下で転写ドラム11の導電体層26から
強力な電界が作用した場合にも、グランドローラ12に
より帯電した電荷を転写材Pに確実に保持させるために
は、転写材Pの誘電体層28に接触する面に抵抗値が1
10Ω以上の塗布剤を塗布することにより、転写材Pの
誘電体層28に接触する面の表面抵抗値を1010Ω以上
の十分に高い値とすることが考えられる。
【0033】しかし、転写材Pにおいて誘電体層28に
接触する面と反対側の面である感光体ドラム15に接触
する面は、感光体ドラム15の表面への吸着を防止する
ために表面抵抗値を低くする必要があり、転写材Pの誘
電体層28に接触する面の表面抵抗値のみを高くすると
転写材Pの表裏面において表面抵抗値が大きく異なるこ
ととなり、画像形成装置50における画像形成処理前に
複数枚の転写材Pが一方の転写材Pの表面と他方の転写
材Pの裏面とを接触させて保存されることを考慮する
と、保存中に転写材Pの表面抵抗値が表裏面ともに設定
値から変動し、転写材Pの表面におけるトナー画像の吸
着状態の維持、及び、転写ドラム11の表面に対する転
写材Pの吸着状態の維持の両方が実現できなくなる。
【0034】このため、複数枚の転写材Pを保存する際
に各転写材Pの間に半紙等の絶縁性シート材を挟み込む
ことも考えられるが、この方法では転写材Pの出荷時に
絶縁性シート材を挟み込む作業、及び、画像形成時に絶
縁性シート材を取り出す作業が必要になり、コストの上
昇及び取扱作業の煩雑化を招く。
【0035】そこで、図7に示すように、転写材Pの誘
電体層28に接触する面(図7(B)に示す面)におい
て、転写材Pの表面(図7(A)に示す面)の非印字領
域71に対向する部分72にのみ表面抵抗値の高い領域
を構成することが考えられる。転写材Pをこのように構
成することにより、転写材Pの誘電体層28に接触する
面において印字領域61に対向する部分62の表面抵抗
値を低くした場合であっても、少なくとも転写材Pの周
囲に形成される非印字領域に対向する部分72の表面抵
抗値を高くし、この部分に帯電している電荷の減衰を防
止することにより、コストの上昇や取扱作業の煩雑化を
招来することなく、転写ドラム11の表面に対する転写
材Pの全面の吸着状態を確実に維持することができる。
【0036】図8は、この発明の実施形態に係る転写材
の製造工程を説明する図である。上述したように、転写
材Pの誘電体層28に接触する面において周囲の非印字
領域に対向する部分72にのみ表面抵抗値の高い領域を
形成するため、先ず、転写材Pの誘電体層28に接触す
る面の全面に高抵抗の塗布剤を塗布する。この後、非画
像領域に対向する部分72をマスキングシート51によ
って被覆した状態で転写材Pの誘電体層28に接触する
面に低抵抗の塗布剤を塗布する。この処理により、転写
材Pの誘電体層28に接触する面における非印字領域に
対向する部分にのみ表面抵抗の高い領域を極めて容易に
形成することができ、転写材Pの製造コストの著しい上
昇を生じることがない。
【0037】また、転写材Pとして用いられるシート材
には、高温高湿度環境下で表面抵抗値の低下を生じるも
のもある。このようなシート材を転写材Pとして用いる
場合に、上記の方法によって転写材Pの誘電体層28に
接触する面における非印字領域に対向する部分の表面抵
抗値を常温低湿度下で高く設定したとしても、高温高湿
度下で画像形成処理を行う際には表面抵抗値が低下し、
転写ドラム11の表面に対する転写材Pの吸着状態の維
持の両方が実現できなくなる。
【0038】例えば、図5に示した評価結果から明らか
なように、転写材Pとして用いるシート材が常温低湿度
下における表面抵抗値と高温高湿度下における表面抵抗
値とが3桁以上変動する場合、転写材Pの誘電体層28
に接触する面における非印字領域に対向する部分の常温
低湿度下における表面抵抗値を1010Ωに設定したとし
ても、高温高湿度下で画像形成処理を行う際には表面抵
抗値が107 Ωとなり、転写ドラム11の表面に対する
転写材Pの吸着状態を良好に維持することができない。
【0039】そこで、転写材Pとして用いるシート材
は、常温低湿度下における表面抵抗値と高温高湿度下に
おける表面抵抗値との変化が2桁以内、好ましくは1桁
以内とすべきである。
【0040】
【発明の効果】請求項1に記載した発明によれば、表面
抵抗値が1010Ω以上に設定された面が転写ドラムの表
面に接触した状態で転写材を転写ドラムの表面に静電吸
着させることにより、転写材の表面抵抗値が低下する高
温度環境下又は高湿度環境下において転写ドラムから帯
電電荷と逆極性の電界が継続して作用した場合にも、転
写材の転写ドラムの表面に接触する面における帯電電荷
の保持力を確保することができ、トナー画像を確実に保
持するために転写ドラムに接触しない面の表面抵抗値を
十分に低く設定した際にも、転写材を転写ドラムの表面
に確実に静電吸着させることができる。
【0041】請求項2に記載した発明によれば、塗布剤
を塗布することによって転写材の転写ドラムの表面に接
触する面の表面抵抗値を容易に設定することができ、製
造コストの削減を図ることができる。
【0042】請求項3に記載した発明によれば、転写材
の転写ドラムに接触する面の周囲に位置する部分である
非印字領域に対向する部分の表面抵抗値を1010Ω以上
に設定することにより、転写ドラムの表面に接触する面
の周囲に位置する部分のみにおいて表面抵抗値を高くす
ることができ、複数枚の転写材を重ね合わせて保存した
場合でも、一方の転写材の印字領域が他方の転写材の表
面抵抗値の高い部分との間で影響を及ぼし合うことがな
く、転写ドラムに接触しない面におけるトナー画像の保
持状態、及び、転写ドラムに接触する面における転写ド
ラムへの吸着状態を良好に維持することができる。
【0043】請求項4に記載した発明によれば、外部環
境が変化した場合にも転写材の表面抵抗等の変動を10
2 以下に抑えることにより、外部環境の変化にともなっ
て転写材の表面抵抗値が変動した場合にも、転写ドラム
に対する転写材の静電吸着状態を良好に維持することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る転写材が使用される
画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】上記画像形成装置における転写部の構成を示す
図である。
【図3】上記画像形成装置の転写部における接触帯電時
の状態を説明する図である。
【図4】上記接触帯電における電荷注入時の等価回路を
示す図である。
【図5】温度25°C、湿度60%の高湿度下において
表面抵抗値が種々異なる転写材Pの転写ドラムに対する
静電吸着性を評価した結果を示す図である。
【図6】転写材に帯電した電荷の高湿度下における減衰
状態を説明する図である。
【図7】この発明の実施形態に係る転写材の構成を示す
図である。
【図8】この発明の実施形態に係る転写材の製造工程を
説明する図である。
【図9】この発明の実施形態に係る転写材を含む転写材
が静電吸着する転写ドラムの構成を示す図である。
【符号の説明】
1−給紙部 2−転写部 3−現像部 4−定着部 11−転写ドラム 12−グランドローラ 26−導電体層 27−半導電体層 28−誘電体層 50−画像形成装置 P−転写材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単一極性の電荷が付与された状態で、該電
    荷と逆極性の電界を発生する転写ドラムの表面に静電吸
    着する画像形成装置の転写材において、 転写ドラムに接触する面の表面抵抗値を1010Ω以上に
    設定したことを特徴とする画像形成装置の転写材。
  2. 【請求項2】前記転写ドラムに接触する面に、抵抗値が
    1010Ω以上の塗布剤を塗布した請求項1に記載の画像
    形成装置の転写材。
  3. 【請求項3】前記転写ドラムに接触する面における非印
    字領域に対向する部分に、表面抵抗値が1010Ω以上の
    領域を形成した請求項1又は2に記載の画像形成装置の
    転写材。
  4. 【請求項4】前記転写ドラムに接触する面が、温度25
    °Cで湿度50%の環境下における表面抵抗値と温度2
    5°Cで湿度60%の環境下における表面抵抗値との比
    が102 以内である請求項1、2又は3に記載の画像形
    成装置の転写材。
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