JPH11236832A - 内燃機関のノッキング防止装置 - Google Patents

内燃機関のノッキング防止装置

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JPH11236832A
JPH11236832A JP4003098A JP4003098A JPH11236832A JP H11236832 A JPH11236832 A JP H11236832A JP 4003098 A JP4003098 A JP 4003098A JP 4003098 A JP4003098 A JP 4003098A JP H11236832 A JPH11236832 A JP H11236832A
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JP
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ignition timing
engine
exhaust valve
knocking
timing
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JP4003098A
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English (en)
Inventor
Eiichi Kamiyama
栄一 神山
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F7/00Casings, e.g. crankcases or frames
    • F02F7/0002Cylinder arrangements
    • F02F7/0019Cylinders and crankshaft not in one plane (deaxation)
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B2275/00Other engines, components or details, not provided for in other groups of this subclass
    • F02B2275/18DOHC [Double overhead camshaft]

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】複雑な切替機構等を要することなく、耐ノッキ
ング性能と出力性能との両立を図ることのできる内燃機
関のノッキング防止装置を提供する。 【解決手段】エンジン11のクランクシャフト17は、
軸心がシリンダ13の中心線上の位置から回転方向とは
逆の方向に所定量オフセットして配置されている。エン
ジン11には、ノックセンサ18、回転数センサ20、
吸気圧力センサ29、可変バルブタイミング機構(排気
VVT)30、及びイグナイタ34が配設されている。
排気VVT30の近傍には同排気VVT30を駆動する
オイルコントロールバルブ(OCV)31が配設され、
各センサ18,20,29、OCV31、及びイグナイ
タ34は電子制御装置(ECU)40に電気的に接続さ
れている。ECU40は、エンジン11にノッキングが
発生した際に、ECU40によって点火時期及び排気弁
25の開タイミングを遅角制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関にあって
そのノッキングの発生を防止する内燃機関のノッキング
防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、内燃機関においては、燃
焼室内の圧縮比を高めれば、燃焼圧力が高くなり熱効率
が上昇して出力が向上する。しかしその反面、上記圧縮
比を過剰に高くすると、燃焼圧力が高くなりすぎてノッ
キングを生じる要因となってしまう。特に内燃機関の高
負荷運転状態においては燃焼圧力が高くなるため、ノッ
キングを生じやすい。
【0003】こうした実情から、従来の内燃機関におい
ては、点火時期を制御することによってノッキングの発
生を防止することが行われている。これは点火時期を遅
らせると燃焼室内の最高燃焼圧力が低くなることを利用
するものである。このような内燃機関においては、その
燃焼室内の圧縮比が予め高めに設定されており、通常運
転時には熱効率を上昇させて出力を向上させている。そ
して、ノッキングの発生しやすい高負荷運転時には点火
時期を遅らせてノッキングの発生を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、点火時期
を遅らせることで、ノッキングの発生は確かに防止され
る。しかしながら、こうして点火時期を遅らせると、燃
焼室内の膨脹比が小さくなるため熱効率が低下し、排気
損失が増大して出力が低下することとなる。すなわち、
耐ノッキング性能と出力性能との両立は困難とされてい
た。
【0005】なお従来、例えば特開平6−137176
号公報に示されるように、圧縮比を可変として耐ノッキ
ング性能及び出力性能の両立を図る技術も提案はされて
いるが、これは運動部品に切替機構を設けて機械的に圧
縮比を可変とするものであり、構造的に極めて複雑であ
るとともに、実用性にも乏しいものとなっている。
【0006】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、複雑な切替機構等を要する
ことなく、耐ノッキング性能と出力性能との両立を図る
ことのできる内燃機関のノッキング防止装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明では、機関出力軸であるク
ランクシャフトがシリンダボアの中心からその回転方向
とは逆の方向に所定量だけオフセットされたオフセット
クランク構造と、ノッキングの発生しやすい運転領域で
当該機関の点火時期を遅角側に制御する第1の制御手段
と、該点火時期制御に伴い当該機関の排気弁の開弁時期
を遅角側に制御する第2の制御手段と、を備えることを
その要旨とする。
【0008】こうした構成によれば、内燃機関にノッキ
ングが発生した際には、点火時期を遅角制御することに
よってノッキングが抑制される。このとき、熱効率が低
下して出力が低下することとなるが、オフセットクラン
ク構造を用いることにより時間損失が低減されるため、
点火時期遅角制御に起因する出力の低下が抑制される。
しかも、この時間損失は点火時期を遅角制御するほど低
減されるため、こうした点火時期遅角制御を行った場合
においては、熱効率の低下に起因する出力の低下が好適
に低減される。また、こうした点火時期遅角制御に伴っ
て排気弁の開弁時期を遅らせることにより、点火時期遅
角制御に起因する排気損失の増加も抑制される。したが
って、点火時期遅角制御によってノッキングが防止され
つつ、同点火時期遅角制御に起因する出力の低下がさら
に好適に抑制される。その結果、内燃機関に複雑な切替
機構等を要することなく、耐ノッキング性能と出力性能
との両立を図ることができるようになる。
【0009】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の内燃機関のノッキング防止装置において、前記第2
の制御手段は、前記第1の制御手段による制御量に対応
して前記排気弁開弁時期の遅角制御量を決定するもので
あることをその要旨とする。
【0010】こうした構成によれば、点火時期の変化に
応じたタイミングで排気弁を開くことが可能となり、よ
り好適な排気損失の抑制を可能にすることができるよう
になる。
【0011】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の内燃機関のノッキング防止装置において、前記第2
の制御手段は、前記排気弁の開弁に伴う燃焼室内圧力が
当該機関の基本点火時期での同排気弁の開弁に伴う燃焼
室内圧力と同等の圧力に維持される態様で前記排気弁開
弁時期の遅角制御量を決定することをその要旨とする。
【0012】こうした構成によれば、点火時期を遅角制
御した場合においても、常に基本点火時期と同等の排気
損失に抑制することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図面に従って説明する。図1に示すように、内燃
機関としてのエンジン11は、シリンダブロック12内
に形成されたシリンダ13と、そのシリンダ13内を上
下方向に往復移動するピストン15と、シリンダ13及
びシリンダヘッド14とピストン15の上面とによって
区画形成される燃焼室16と、エンジン11の出力軸で
あるクランクシャフト17と、ピストン15の往復運動
をクランクシャフト17の回転運動に変換するコネクテ
ィングロッド19とを備えている。燃焼室16内の圧縮
比は、エンジン11が低〜中回転及び軽〜中負荷域で熱
効率を最大限に引き出すように高めに設定されている。
シリンダ13の外壁には、エンジン11のノッキングを
検知するノックセンサ18が配設されている。また、ク
ランクシャフト17の近傍には、クランクシャフト17
の回転数を検出する回転数センサ20が配設されてい
る。
【0014】一方、シリンダヘッド14には、燃焼室1
6と連通する吸気ポート22及び排気ポート23が設け
られている。吸気ポート22及び排気ポート23には、
それぞれ吸気弁24及び排気弁25が設けられている。
吸気ポート22にはインテークマニホルド26が接続さ
れ、インテークマニホールド26内は吸気通路26aと
なっている。また、インテークマニホールド26にはサ
ージタンク27が設けられるとともに、同インテークマ
ニホールド26におけるシリンダヘッド14側の端部に
は、吸気ポート22へ燃料を噴射供給するための燃料噴
射弁28が設けられている。サージタンク27には、サ
ージタンク27内における吸気圧力を検出する吸気圧力
センサ29が配設されている。
【0015】また、シリンダヘッド14の上方には、タ
イミングベルト(図示略)を介して上記クランクシャフ
ト17と連結された2本のカムシャフト21a,21b
が配設されている。これら各カムシャフト21a,21
bのうち、排気弁25側のカムシャフト21bの軸端部
には、同排気弁25の開閉タイミングを可変とするため
の可変バルブタイミング機構(以下単に「排気VVT」
という)30が配設されている。この排気VVT30は
油圧によって駆動され、その近傍には同排気VVT30
を駆動するオイルコントロールバルブ(OCV:Oil Co
ntrol Valve )31が配設されている。
【0016】また、シリンダヘッド14には、燃焼室1
6内に吸入された混合気に点火するための点火プラグ3
2が設けられている。この点火プラグ32には、イグニ
ッションコイル33及びイグナイタ34が電気的に接続
されている。イグナイタ34は電子制御装置(以下単に
「ECU」という)40から出力される点火信号に基づ
いてイグニッションコイル33の1次コイルに対する電
流の通電及び遮断を行い、イグニッションコイル33は
この1次電流の遮断時に2次コイル側に誘起される高電
圧によって点火プラグ32に火花放電をおこさせる。す
なわち、点火プラグ32は、ECU40からイグナイタ
34へ出力される点火信号に従って点火を行う。
【0017】こうした構造を有するエンジン11にあっ
ては、その動力を得るために、上記燃焼室16内におい
て、吸気、圧縮、燃焼・膨張、排気の4行程が行われ
る。すなわち、まず吸気行程において、上記燃料噴射弁
28から噴射された燃料とインテークマニホールド26
から吸入された空気との混合ガスが、上記吸気弁24の
開弁及び上記ピストン15の下動によって上記吸気ポー
ト22を通って燃焼室16内に吸入される。次に、圧縮
行程において、吸気弁24の閉弁とともに下死点に達し
たピストン15が上動する。これにより燃焼室16の容
積は小さくなり、同燃焼室16内に充満した混合ガスが
圧縮される。続く燃焼・膨張行程において、上記点火プ
ラグ32から所定の点火時期にて火花が発火され、圧縮
された混合ガスに点火される。これにより燃焼室16内
の混合ガスは爆発し、同混合ガスの燃焼膨張によってピ
ストン15が下死点方向に押し下げられ、エンジン11
に動力が付与される。そして、燃焼後の混合ガスは、排
気行程において、排気弁25の所定のタイミングでの開
弁及びピストン15の上動に伴い、排気ガスとして排気
ポート23から送り出される。
【0018】また、上記エンジン11においては、上記
ノックセンサ18、回転数センサ20、吸気圧力センサ
29、及びOCV31が、上記イグナイタ34共々EC
U40に電気的に接続されている。かかるECU40の
構成について、図2に従って説明する。
【0019】ECU40は、ROM(Read Only Memor
y)41を有し、そのROM41には所定の制御アルゴ
リズム等が記録されている。また、ECU40は、RO
M41に記録された各種制御アルゴリズムに基づいて演
算処理を実行するCPU42及びそのCPU42での演
算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記
憶するRAM(Random Access Memory)43を有してい
る。さらに、ECU40は、エンジン11の停止時に保
存すべきデータを記憶するバックアップRAM44を有
している。
【0020】そして、CPU42、ROM41、RAM
43、及びバックアップRAM44は、バス45を介し
て互いに接続されるとともに、入力インターフェース4
6及び出力インターフェース47と接続されている。入
力インターフェース46には、回転数センサ20、吸気
圧力センサ29、及びノックセンサ18が接続されてい
る。また、出力インターフェイス47にはOCV31及
びイグナイタ34が接続されている。これらOCV31
及びイグナイタ34は、CPU42において実行される
制御アルゴリズムに基づいて出力される出力信号によっ
て作動制御される。したがって、OCV31が作動制御
されることによって上記排気弁25の開閉タイミングが
可変となり、イグナイタ34が作動制御されることによ
って上記点火プラグ32の点火時期が可変となる。
【0021】また、本実施形態のエンジン11は、図3
に示すように、上記クランクシャフト17の軸心が上記
シリンダ13の中心線上の位置から所定量dだけ回転方
向とは逆の方向にオフセットして配置されたオフセット
クランクエンジンとなっている。かかるオフセットクラ
ンクエンジン11の特性を図4〜図6に従って説明す
る。なお、上記所定量dは実験等により最適化されてい
る。
【0022】図4に模式的に示すように、その膨脹行程
においてピストン15が上死点(TDC:Top Dead Cen
ter )から下死点(BDC:Bottom Dead Center)へ移
動するために必要なクランクシャフト17の回転角θ1
は、その圧縮行程においてピストン15が下死点(BD
C)から上死点(TDC)へ移動するために必要なクラ
ンクシャフト17の回転角θ2よりも大きくなる。この
ため、クランクシャフト17が等速回転すると仮定する
と、膨張行程に要する時間が圧縮行程に要する時間より
も長くなる。そして、上下動するピストン15の速度
も、図5に示すように、クランクシャフトがオフセット
配置されていない通常のエンジン(以下単に「通常エン
ジン」という)のピストン速度と比較して、圧縮行程で
速く、膨張行程で遅くなる。
【0023】そして、オフセットクランクエンジン11
の圧縮及び燃焼・膨張時の燃焼室16内の圧力と容積と
の関係(P−V特性)は、図6に破線で示す同一の点火
時期における上記通常エンジンのP−V特性と比較する
と、エンジン11の最高燃焼圧力Pmax1が通常エンジン
の最高燃焼圧力Pmax2よりも高くなる。また、それら各
最高燃焼圧力Pmax1,Pmax2に達した時点の燃焼室内の
容積は、エンジン11の容積V1が通常エンジンの容積
V2よりも小さい。すなわち、所定の点火時期(基本点
火時期)にて燃焼室16内の混合ガスが点火された際
に、燃焼室16内の圧力が最大燃焼圧力Pmax1に達した
ときのピストン15の位置は上記通常エンジンの同状態
におけるピストンの位置よりもTDC側にある。このた
め、エンジン11においては、燃焼した混合ガスの火炎
速度が上記通常エンジンよりも速くなることと等しくな
り、混合ガスが点火されてから燃焼して最高燃焼圧力P
max1に達するまでの立上がりが通常エンジンのそれより
も速くなることとなる。したがって、混合ガスが点火さ
れて燃焼膨脹するまでに必要な時間が短縮されることと
なり、時間損失が低減される。また、燃焼室16内が最
高燃焼圧力Pmax1に達した後、同燃焼室16内の圧力は
通常エンジンの燃焼室内の圧力よりも低くなる。すなわ
ち、エンジン11においては燃焼室16内の温度が速く
低下する。
【0024】こうしたオフセットクランクエンジン11
の特性から、本実施形態にかかるエンジン11にあって
はその通常運転状態において、時間損失を低減して出力
を向上させることができるようになる。
【0025】なお、上記オフセットクランクエンジン1
1におけるノック限界は、上記通常エンジンにおけるノ
ック限界とほぼ同等であることが発明者によって確認さ
れている。ちなみに、その要因としては以下のことが推
測される。
【0026】通常、一定の負荷及び点火時期において
は、ピストン速度が速い(エンジン回転数が高い)とき
の方が、ピストン速度が遅い(エンジン回転数が低い)
ときよりもノッキングが発生しにくい傾向にある。この
ことから、上記エンジン11の圧縮行程においては、ピ
ストン速度が速くなるためノッキングが発生しにくい傾
向となる。また、同エンジン11の膨張行程において
は、ピストン速度が遅くなるためノッキングが発生しや
すい傾向となる。そして、この両傾向が相殺されること
によって、オフセットクランクエンジン11におけるノ
ック限界が上記通常エンジンにおけるノック限界と同等
になるものと推測される。
【0027】ところで、本実施形態のエンジン11にお
いては、上述したように燃焼室16内の圧縮比が高めに
設定されているため、高負荷運転時にノッキングが発生
しやすくなる。そこで、当該エンジン11においては点
火時期制御を行い、ノッキングが発生しやすくなる領域
では点火時期を遅らせること(点火時期遅角制御)によ
って同ノッキングの発生を防止している。なお、この点
火時期遅角制御とは上述した上記イグナイタ34の作動
時期を制御することにより行われる。
【0028】前述したように、内燃機関においては点火
時期を遅らせると最高燃焼圧力が低くなる。したがっ
て、図7に示すように、点火時期遅角制御された本実施
形態にかかるオフセットクランクエンジン11の燃焼室
16内の最高燃焼圧力Pmax1'は、同図に2点鎖線で示
す同エンジン11の基本点火時期における同燃焼室16
内の最高燃焼圧力Pmax1よりも低くなり、熱効率が低下
する。しかし、同図に破線で示すように、同じ遅角量で
点火時期遅角制御された上記通常エンジンの燃焼室内の
最高燃焼圧力Pmax2' は上記圧力Pmax1' よりもさらに
低くなる。このため、本実施形態のエンジン11におい
ては、点火時期遅角制御に起因する熱効率の低下度合い
が小さくなり、出力の低下が抑制される。しかも、同エ
ンジン11においては、点火から最大燃焼圧力に達する
時間も短いため時間損失も低減され、出力の低下がより
抑制される。
【0029】また、図5に示したように、オフセットク
ランクエンジン11と上記通常エンジンとのピストン速
度の差はTDCとBDCとの中間時で最大となる。この
ため、点火時期遅角制御時においては、図7に示すよう
に、当該エンジン11の燃焼室16内が最大燃焼圧力P
max1' になる時点の容積V1’と、上記通常エンジンの
燃焼室内が最大燃焼圧力Pmax2' になる時点の容積V
2’との差が、図6に示した基本点火時期における上記
各容積V1,V2との差よりも大きくなる。すなわち、
同エンジン11においては、点火時期遅角制御を行った
方が点火から最大燃焼圧力に達する時間がより短くな
り、時間損失がより低減される。したがって、こうした
オフセットクランクエンジン11によれば、時間損失の
より好適な低減と、上記熱効率の低下度合いが小さくな
ることとによって点火時期遅角制御に起因する出力の低
下が抑制されることとなる。
【0030】一方、前述したように、内燃機関において
は点火時期を遅らせると排気損失が増加して出力が低下
する。詳しくは図7及び図8に示すように、点火時期遅
角制御時におけるオフセットクランクエンジン11及び
上記通常エンジンにおいては、それぞれ最高燃焼圧力P
max1' ,Pmax2' になった後の圧力の低下度合いが、同
図7及び図8に2点鎖線で示すエンジン11の基本点火
時期における該圧力の低下度合いよりも小さくなる。こ
のため、上記排気弁25の開タイミングを一定とした場
合、点火時期遅角制御時におけるエンジン11の排気弁
25の開位置は、図8(a)に示すように、上記基本点
火時期におけるエンジン11の排気弁25の開位置(同
図中における容積V3の位置)となり、この位置で燃焼
ガスが排出され始める。しかしながら、点火時期遅角制
御時のエンジン11においては、この容積V3の位置に
おける燃焼室16内の圧力P4が、基本点火時期におけ
る同燃焼室16内の圧力P3よりも高くなる。したがっ
て、点火時期遅角制御時のエンジン11においては、容
積P3の位置で排気弁25を開くと、まだ温度の高い燃
焼ガスが上記ピストン15に対して十分に仕事を行う前
に排出されてしまうことになり、排気損失が増加してし
まう。なお、点火時期遅角量が増える程こうした排気損
失は増す傾向にある。
【0031】また、上記通常エンジンを点火時期遅角制
御した場合には、同図8(a)に破線で示すように、容
積V3の位置における圧力P5は上記点火時期遅角制御
時におけるエンジン11の燃焼室16内の圧力P4より
もさらに高いため、排気損失がさらに増加してしまう。
【0032】そこで、本実施形態においては、エンジン
11の点火時期遅角制御時に、排気弁25を開くタイミ
ング(開タイミング)を遅らせる制御(排気弁開遅角制
御)を併せて行っている。この排気弁開遅角制御も上記
ECU40を通じて行われる。すなわちECU40は、
OCV31を介して上記排気VVT30の作動量を制御
することによって排気弁25の開タイミングを可変とし
ている。ECU40のROM41には、各種制御アルゴ
リズムとともに、点火時期遅角制御時の遅角量に伴う燃
焼室16内の圧力変動に対応した排気弁25の最適開タ
イミングを示すマップが予め記録されており、CPU4
2はこのマップを参照して点火時期の遅角量に対応した
排気弁25の開タイミングの遅角量を算出する。なお、
排気弁25の開タイミングを遅らせすぎると、ピストン
15がBDCに達した後に排気弁が開き始めてしまい、
逆に出力の低下を招くこととなるため、少なくともピス
トン15がBDCに達する前に排気弁25を開く必要が
ある。
【0033】こうした排気弁開遅角制御において、本実
施形態では、エンジン11の燃焼室16内の圧力が上記
基本点火時期における圧力P3と同等となるタイミング
で排気弁25を開くようにしている。すなわち、図8
(b)に示すように、排気弁25の開タイミングは、燃
焼室16内の容積が容積V4となるタイミングに遅角制
御される。このため、エンジン11を点火時期遅角制御
した場合でも、まだ温度が高くピストン15に対して十
分に仕事を行っていない燃焼ガスが排出されることがな
くなり、排気損失の増加が抑制される。したがって、本
実施形態のオフセットクランクエンジン11によれば、
点火時期遅角制御時において、上述した時間損失のより
好適な低減とともに排気損失の増加を抑制することがで
き、点火時期遅角制御に起因する出力の低下がより好適
に抑制されることとなる。
【0034】なお、クランクシャフトがオフセット配置
されていない通常のエンジン(通常エンジン)において
も、図8(b)に示すように、点火時期遅角制御時に排
気弁の開タイミングを上記圧力P3と同等となるタイミ
ング(燃焼室の容積が容積V5となるタイミング)に遅
角制御すれば、排気損失の増加を抑制することが可能で
あるが、その抑制効果という点では本実施形態のオフセ
ットクランクエンジン11には及ばない。
【0035】すなわち、図8(b)に示すように、この
通常エンジンにおける排気弁の開遅角量(容積V5−容
積V3に相当)と、上記エンジン11における排気弁2
5の開遅角量(容積V4−容積V3に相当)とを比較す
ると、同一の点火時期遅角量にもかかわらず通常エンジ
ンにおける排気弁開遅角量の方が多くなる。このため、
通常エンジンにおいては、点火時期遅角量がさらに増大
すると、同図8(b)に1点鎖線で示すように、ピスト
ンがBDCに達するタイミングに排気弁の開タイミング
を遅角制御しても燃焼室内の圧力が上記圧力P3よりも
高い圧力P6となってしまい、排気損失の低減が十分に
なされなくなってしまう。こうした不都合はオフセット
クランクエンジン11においても生じるが、同エンジン
11においては、点火時期遅角量に対して必要な排気弁
開遅角量が通常エンジンにおけるそれよりも少なくすむ
ため、この不都合の発生を抑制することができる。
【0036】次に、上述した本実施形態における点火時
期遅角制御において算出される最終点火時期AOP、及
び排気弁25の開遅角制御において算出される排気弁2
5の開遅角量を算出する手順を、図9に示すフローチャ
ートに従って説明する。なお、このルーチンは上記EC
U40のROM41内に記録された制御アルゴリズムに
基づき、CPU42の制御下で例えば所定時間毎に繰り
返し実行される。
【0037】CPU42は、まずステップS1におい
て、上記回転数センサ20、吸気圧センサ29、及びノ
ックセンサ18から検出されるエンジン回転数NE、吸
気圧力PM、及びノック信号NKSを読み込みステップ
S2へ移行する。
【0038】続くステップS2においては、エンジン回
転数NE及び吸気圧力PMを用いた周知のマップに基づ
いて基本点火時期ABSEを算出し、ステップS3へ移
行する。なお、ここでは、出力及び燃料消費率が最良と
なる点火時期(MBT:Minimum advance for the Best
Torque )を基本点火時期ABSEとして算出する。ま
た、本実施形態においては、後記する補正量K1,K2
を加えると点火時期が進角され、同補正量K1,K2を
減じると点火時期が遅角されるようになっている。
【0039】ステップS3においてCPU42は、上記
基本点火時期ABSEが、前回このルーチンで算出した
最終点火時期AOPOよりも遅角側にあるか否かを判断
する。そして、基本点火時期ABSEが前回の最終点火
時期AOPOよりも遅角側にあれば、ステップS4へ移
行して基本点火時期ABSEを最終点火時期AOPOと
してステップS5へ移行する。また、基本点火時期AB
SEが前回の最終点火時期AOPOよりも遅角側になけ
ればそのままステップS5へ移行する。
【0040】次に、ステップS5において、エンジン回
転数NE及び吸気圧力PMを用いた周知のマップに基づ
いて基本排気弁開タイミングBEVOを算出し、ステッ
プS6へ移行する。
【0041】ステップS6においてCPU42は、ノッ
ク信号NKSに基づいてノッキングの有無を判断する。
そして、ノッキングがあると判断した場合にはステップ
S7へ移行する。
【0042】このステップS7においては、前回の最終
点火時期AOPOに所定の補正量K1を減じた値を最終
点火時期AOPとして設定し、ステップS11へ移行す
る。すなわちここでは、エンジン11にノッキングが生
じた際の点火時期補正を行って、前回の最終点火時期A
OPOを所定量K1だけ遅角する処理を行う。なお、上
記所定の補正量K1は、予め実験等によって求められた
ノッキングを抑制するのに十分な遅角量である。そし
て、こうした点火時期補正を行うことにより、図7に示
したように燃焼室16内の最高燃焼圧力Pmax1を最高燃
焼圧力Pmax1' に低下させることによって熱効率を低下
させ、ノッキングを抑制するようにしている。しかも、
エンジン11はクランクシャフト17がオフセット配置
されたオフセットクランクエンジンであるため、上述し
たように点火時期遅角を行うほど時間損失が低減されて
出力の低下が抑制される。
【0043】また、上記ステップS6においてノッキン
グがないと判断した場合、CPU42は、ステップS8
において、前回の最終点火時期AOPOが基本点火時期
ABSEよりも遅れているか否かを判断する。
【0044】そして、前回の最終点火時期AOPOが、
基本点火時期ABSEよりも遅れていればステップS9
へ移行し、前回の最終点火時期AOPOから所定の補正
量K2を加えた値を最終点火時期AOPとして設定し、
ステップS9へ移行する。すなわちここでは、エンジン
11にノッキングが生じていない際の点火時期補正を行
って、前回の最終点火時期AOPOを所定量K2だけ進
角する処理を行う。なお、上記所定の補正量K2は上記
補正量K1よりも少ない量に設定されている。そして、
こうした点火時期補正により、今回算出した基本点火時
期ABSEが前回の最終点火時期AOPOよりも進角側
にあるときには、ノッキングが発生するまで、もしくは
前回の最終点火時期AOPOが基本点火時期ABSEと
同等となるまで前回の最終点火時期AOPOを補正量K
2ずつ進角し、その値を最終点火時期AOPとして設定
し、出力の低下を抑制するようにしている。
【0045】また、上記ステップS8において前回の最
終点火時期AOPOが基本点火時期ABSEと同じかこ
れよりも進んでいればステップS10へ移行する。そし
て、CPU42はステップS10において、上記ステッ
プS2で算出した基本点火時期ABSEを最終点火時期
AOPとして設定し、ステップS11へ移行する。すな
わち、上述したように基本点火時期ABSEは上記MB
Tに設定されているため、これ以上に最終点火時期AO
Pを進角すると逆に出力性能が低下してしまうことか
ら、このステップS10の処理を行うことによって最終
点火時期AOPの過剰な進角を抑制して出力の低下を抑
制している。
【0046】ステップS11においてCPU42は、上
記ROM41に記録されたマップを参照し、上記ステッ
プS7,S9,S10にて設定された最終点火時期AO
Pと上記基本点火時期ABSEとの差の絶対値に基づい
て排気弁開遅角量ΔEVOを算出する。すなわち、この
ステップS11においては、基本点火時期ABSEに対
する点火時期遅角量に対応する排気弁開遅角量ΔEVO
を算出する。
【0047】そしてCPU42は、続くステップS12
において、この排気弁開遅角量ΔEVOを上記ステップ
S5で算出した基本排気弁開タイミングBEVOから減
じた値を最終排気弁開タイミングEVOとして設定し、
このルーチンでの処理を一旦終了する。すなわち、この
処理によって、上述した燃焼室16内の圧力が圧力P3
になったときに排気弁25を開き始めるようにしてい
る。上述したように、上記ピストン15がBDCに達す
るまでに排気弁25を開き始める必要がある。本実施形
態のエンジン11はオフセットクランクエンジンであ
り、排気弁開遅角量ΔEVOが上記通常エンジンの場合
よりも少なくてすむため、最終排気弁開タイミングEV
Oの設定範囲を広くすることができるようになる。
【0048】こうしたステップS1〜S12の処理を通
じて算出された最終点火時期AOP及び最終排気弁開タ
イミングEVOは、図示しない周知の点火時期制御ルー
チン及び排気弁開遅角制御ルーチンにおいてその都度参
照され、点火時期及び排気弁開タイミングがそれぞれ制
御される。
【0049】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、以下のような効果を得ることができる。 (1)エンジン11にノッキングが発生した際には、点
火時期を遅角制御することによってこのノッキングを抑
制することができる。このとき、熱効率が低下して出力
が低下することとなるが、クランクシャフト17を軸回
転方向とは逆の方向に対して所定量オフセット配置した
エンジン11を用いることにより、時間損失を低減する
ことができ、出力の低下を抑制することができる。しか
も、この時間損失は点火時期を遅角制御するほど低減さ
れるため、こうした点火時期遅角制御を行った場合にお
いては、熱効率の低下に起因する出力の低下を好適に低
減することができる。
【0050】また、こうした点火時期遅角制御時の点火
時期遅角量に応じて排気弁25の開タイミングを遅らせ
ることによって、点火時期遅角制御に起因する排気損失
の増加も抑制することができる。したがって、点火時期
遅角制御によってノッキングの発生を抑制しつつ、出力
の低下をさらに好適に抑制することができる。その結
果、エンジン11に複雑な切替機構等を要することな
く、耐ノッキング性能と出力性能との両立を図ることが
できる。
【0051】(2)点火時期遅角制御及び排気弁開遅角
制御については、エンジン11の運転状態に応じてその
都度最適となる制御量をそれぞれ設定することとしたた
め、ノッキングの発生を確実に抑制しつつ、最小限の出
力低下に抑えることができる。
【0052】なお、本発明の実施形態は以下のように変
更してもよい。 ・ 図8(b)に示したように、上記実施形態の排気弁
開遅角制御では、基本点火時期での排気弁の開タイミン
グ時における燃焼室16内の圧力と同等の圧力P3で排
気弁25を開くように制御したが、厳密に同圧力P3と
なるタイミングで排気弁25を開くことに限定しない。
要するに、燃焼室16内の圧力が該圧力P3に近似する
圧力となるタイミングで排気弁25を開くようにすれば
排気損失は確実に低減され、上記効果を得ることができ
る。
【0053】・ 上記実施形態では、基本点火時期AB
SEに対する点火時期遅角量に対応する排気弁開遅角量
ΔEVOにて排気弁25の開タイミングを遅角制御して
いるが、この排気弁開遅角量ΔEVOを予め設定された
所定の量にて排気弁25の開タイミングを遅角制御する
ようにする。このようにしても、点火時期が遅角制御さ
れたときに排気弁25の開タイミングを遅角制御するこ
とに変わりないため、排気損失を低減して出力の低下を
低減することができる。
【0054】・ 上記実施形態では、エンジン11の基
本点火時期ABSE及び排気弁25の基本排気弁開タイ
ミングBEVOを、エンジン回転数NE及び吸気圧力P
M等の運転状態に基づいてその都度算出しているが、こ
の基本点火時期ABSE及び基本排気弁開タイミングB
EVOをそれぞれ予め設定した所定の基本点火時期及び
排気弁開タイミングとする。または、どちらか一方のみ
を所定の基本点火時期及び基本排気弁開タイミングとし
てもよい。
【0055】・ 上記実施形態では、ノックセンサ18
を用いることによってノッキングが発生したときに点火
時期遅角制御及び排気弁開遅角制御を行うようにしてい
るが、これら各制御を、ノックセンサ18を用いずに、
ノッキングの発生しやすい運転領域をエンジン回転数N
E及び吸気圧力PM等に基づく経験値によって見込み的
に行うようにする。なお、この場合には、エンジン回転
数NE及び吸気圧力PM等に基づくノック限界を実験等
により求めたマップがECU40のROM41に記録さ
れ、このマップを参照して制御が行われる。
【0056】・ 上記実施形態では、オフセットクラン
クエンジン11を用いるとともに、排気弁開遅角制御を
行うことにより、点火時期遅角制御時の出力低下を抑制
しているが、点火時期遅角制御と、オフセットクランク
エンジン11と排気弁開遅角制御のうちのどちらか一方
のみとの構成も可能であり、このようにしても、ある程
度の出力低下の抑制を図ることができる。
【0057】次に、前記各実施形態から把握できる請求
項に記載した発明以外の技術的思想について、それらの
効果と共に以下に記載する。 (1)機関出力軸であるクランクシャフトがシリンダボ
アの中心からその回転方向とは逆の方向に所定量だけオ
フセットされたオフセットクランク構造と、ノッキング
の発生しやすい運転領域で当該機関の点火時期を遅角側
に制御する制御手段とを備えることを特徴とする内燃機
関のノッキング防止装置。
【0058】このようにすれば、内燃機関にノッキング
が発生しやすい運転領域で点火時期の遅角制御を行うこ
とにより、ノッキングを防止することができる。また、
オフセットクランク構造によれば、内燃機関の圧縮、燃
焼・膨脹行程において火炎速度が増して時間損失が低減
され、出力性能が向上するという特性を持ち、点火時期
を遅角側に制御するほどこの特性が顕著にあらわれる。
このため、点火時期の遅角制御を行うことによって熱効
率が低下して出力が低下しても、上記時間損失の好適な
低減によってこの出力低下を低減することができる。
【0059】(2)ノッキングの発生しやすい運転領域
で当該機関の点火時期を遅角側に制御する第1の制御手
段と、該点火時期制御に伴い当該機関の排気弁の開時期
を遅角側に制御する第2の制御手段とを備えることを特
徴とする内燃機関のノッキング防止装置。
【0060】このようにすれば、内燃機関にノッキング
が発生しやすい運転領域で点火時期の遅角制御を行うこ
とにより、ノッキングを防止することができる。また、
この点火時期遅角制御によって熱効率が低下して出力が
低下しても、排気弁の開示機を遅角制御することによっ
て排気損失を低減して出力の低減を好適に抑制すること
ができる。
【0061】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、内燃機
関にノッキングが発生した際には、点火時期を遅角制御
することによってノッキングを防止することができる。
このとき、熱効率が低下して出力が低下することとなる
が、オフセットクランク構造を用いることにより時間損
失を低減することができるため、点火時期遅角制御に起
因する出力の低下を抑制することができる。しかも、こ
の時間損失は点火時期を遅角制御するほど低減されるた
め、こうした点火時期遅角制御を行った場合において
は、熱効率の低下に起因する出力の低下を好適に低減す
ることができる。また、こうした点火時期遅角制御に伴
って排気弁の開弁時期を遅らせることにより、点火時期
遅角制御に起因する排気損失の増加も抑制することがで
きる。したがって、点火時期遅角制御によってノッキン
グを防止しつつ、同点火時期遅角制御に起因する出力の
低下をさらに好適に抑制することができる。その結果、
内燃機関に複雑な切替機構等を要することなく、耐ノッ
キング性能と出力性能との両立を図ることができる。
【0062】請求項2に記載の発明によれば、点火時期
の変化に応じたタイミングで排気弁を開くことが可能と
なり、より好適な排気損失の抑制を可能にすることがで
きる。
【0063】請求項3に記載の発明によれば、点火時期
を遅角制御した場合においても、常に基本点火時期と同
等の排気損失に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のノッキング防止装置の一実施形態につ
いての基本構成を示す断面略図及びブロック図。
【図2】本実施形態のECUの電気的構成を示すブロッ
ク図。
【図3】本実施形態のオフセットクランクエンジンの構
造を示す概略断面図。
【図4】同エンジンの作用概念を示す略図。
【図5】オフセットクランクシャフトのピストン速度特
性を示すグラフ。
【図6】オフセットクランクシャフトのP−V特性線
図。
【図7】オフセットクランクシャフトのP−V特性線
図。
【図8】図7の一部を拡大して示すP−V特性線図。
【図9】本実施形態による点火時期及び排気弁開遅角量
の算出手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…エンジン(オフセットクランクエンジン)、13
…シリンダ、15…ピストン、16…燃焼室、17…ク
ランクシャフト、18…ノックセンサ、20…回転数セ
ンサ、21a,21b…カムシャフト、25…排気弁、
29…吸気圧力センサ、30…排気VVT(可変バルブ
タイミング機構)、40…電子制御装置(ECU)。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02P 5/152 F02P 5/15 D 5/153

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関出力軸であるクランクシャフトがシ
    リンダボアの中心からその回転方向とは逆の方向に所定
    量だけオフセットされたオフセットクランク構造と、 ノッキングの発生しやすい運転領域で当該機関の点火時
    期を遅角側に制御する第1の制御手段と、 該点火時期制御に伴い当該機関の排気弁の開弁時期を遅
    角側に制御する第2の制御手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関のノッキング防止装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第2の制御手段は、前記第1の制御
    手段による制御量に対応して前記排気弁開弁時期の遅角
    制御量を決定するものである 請求項1記載の内燃機関のノッキング防止装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の制御手段は、前記排気弁の開
    弁に伴う燃焼室内圧力が当該機関の基本点火時期での同
    排気弁の開弁に伴う燃焼室内圧力と同等の圧力に維持さ
    れる態様で前記排気弁開弁時期の遅角制御量を決定する 請求項2記載の内燃機関のノッキング防止装置。
JP4003098A 1998-02-23 1998-02-23 内燃機関のノッキング防止装置 Pending JPH11236832A (ja)

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Cited By (5)

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