JPH11236249A - ガラス繊維用集束剤及びそれを付着させたガラス繊維製品 - Google Patents
ガラス繊維用集束剤及びそれを付着させたガラス繊維製品Info
- Publication number
- JPH11236249A JPH11236249A JP10059102A JP5910298A JPH11236249A JP H11236249 A JPH11236249 A JP H11236249A JP 10059102 A JP10059102 A JP 10059102A JP 5910298 A JP5910298 A JP 5910298A JP H11236249 A JPH11236249 A JP H11236249A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass fiber
- resin
- urethane resin
- silane coupling
- coupling agent
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- Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 酢酸ビニル樹脂を皮膜形成剤として使用する
集束剤を付与したガラス繊維を補強材とした熱硬化性樹
脂成形体は、厳しい使用条件の下では耐水性、耐煮沸性
が不足し成型品に白化したり、膨れた部分が生じ外観上
問題となる。 【解決手段】ビニル基含有反応性ウレタン樹脂を含むガ
ラス繊維集束剤は、マトリックス樹脂とガラス繊維表面
の間に存在する集束剤皮膜との接着性を改良し、成型品
の耐水性、耐煮沸性を改良することができる。
集束剤を付与したガラス繊維を補強材とした熱硬化性樹
脂成形体は、厳しい使用条件の下では耐水性、耐煮沸性
が不足し成型品に白化したり、膨れた部分が生じ外観上
問題となる。 【解決手段】ビニル基含有反応性ウレタン樹脂を含むガ
ラス繊維集束剤は、マトリックス樹脂とガラス繊維表面
の間に存在する集束剤皮膜との接着性を改良し、成型品
の耐水性、耐煮沸性を改良することができる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、補強用ガラス繊維
を用いた熱硬化性樹脂のＦＲＰの耐水性を向上させるガ
ラス繊維用集束剤に関するものである。
を用いた熱硬化性樹脂のＦＲＰの耐水性を向上させるガ
ラス繊維用集束剤に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】熱硬化性樹脂の補強には主としてガラス
繊維ロ−ビングおよびその加工品であるチョップドスト
ランド、チョップドストランドマット、ロ−ビングクロ
スなどが使用されている。これらの製品にはガラス繊維
ストランドを集束し、脆いガラス繊維を保護するため集
束剤が付与されている。ＦＲＰ用のガラス繊維の集束剤
として、一般的に使用される原料には、皮膜形成剤、潤
滑剤、柔軟剤、表面処理剤及び帯電防止剤などがある。
皮膜形成剤としては酢酸ビニル樹脂や酢酸ビニル共重合
体樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等がよく使われて
いる。これらの皮膜形成剤は単独あるいは２種類以上を
混合して使う事が一般的である。
繊維ロ−ビングおよびその加工品であるチョップドスト
ランド、チョップドストランドマット、ロ−ビングクロ
スなどが使用されている。これらの製品にはガラス繊維
ストランドを集束し、脆いガラス繊維を保護するため集
束剤が付与されている。ＦＲＰ用のガラス繊維の集束剤
として、一般的に使用される原料には、皮膜形成剤、潤
滑剤、柔軟剤、表面処理剤及び帯電防止剤などがある。
皮膜形成剤としては酢酸ビニル樹脂や酢酸ビニル共重合
体樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等がよく使われて
いる。これらの皮膜形成剤は単独あるいは２種類以上を
混合して使う事が一般的である。
【０００３】潤滑剤はストランドに滑りを与え、機械上
での摩擦を減少し糸を保護するために使われている。潤
滑剤の種類としては、変性シリコーンオイル、動植物油
に水素添加した硬化油、及び高級飽和脂肪酸と高級飽和
アルコールの縮合物のような合成油等がよく用いられて
いる。カチオン系柔軟剤は、硬いガラスの糸を柔軟に
し、更にストランド中フィラメント同士の摩擦等を減少
させるために、ガラス表面上に選択的に吸着し、更にあ
る程度の潤滑性を示す物が使われている。例えば、テト
ラエチレンペンタミンとステアリン酸とを反応させて得
られるアマイドまたはイミダゾリン等が用いられてい
る。界面活性剤は主に潤滑剤の乳化剤として使われてお
り、例えばポリオキシエチレンポリアルキルエーテルも
しくはポリオキシエチレンアルキルエーテル等がよく用
いられている。
での摩擦を減少し糸を保護するために使われている。潤
滑剤の種類としては、変性シリコーンオイル、動植物油
に水素添加した硬化油、及び高級飽和脂肪酸と高級飽和
アルコールの縮合物のような合成油等がよく用いられて
いる。カチオン系柔軟剤は、硬いガラスの糸を柔軟に
し、更にストランド中フィラメント同士の摩擦等を減少
させるために、ガラス表面上に選択的に吸着し、更にあ
る程度の潤滑性を示す物が使われている。例えば、テト
ラエチレンペンタミンとステアリン酸とを反応させて得
られるアマイドまたはイミダゾリン等が用いられてい
る。界面活性剤は主に潤滑剤の乳化剤として使われてお
り、例えばポリオキシエチレンポリアルキルエーテルも
しくはポリオキシエチレンアルキルエーテル等がよく用
いられている。
【０００４】帯電防止剤はストランドの走行あるいはカ
ット時に発生する静電気を取り除く働きをするが、材料
としては硝酸リチウム、塩化リチウム等の無機塩、ある
いは四級アンモニウム塩が用いられている。表面処理剤
としては、二重結合を有し不飽和ポリエステル樹脂ある
いは樹脂中のスチレン及びガラス繊維表面と化学結合す
るものが使われ、メタクリルシラン、アクリルシラン、
ビニルベンジルアミノシラン等が好適に使用されてい
る。
ット時に発生する静電気を取り除く働きをするが、材料
としては硝酸リチウム、塩化リチウム等の無機塩、ある
いは四級アンモニウム塩が用いられている。表面処理剤
としては、二重結合を有し不飽和ポリエステル樹脂ある
いは樹脂中のスチレン及びガラス繊維表面と化学結合す
るものが使われ、メタクリルシラン、アクリルシラン、
ビニルベンジルアミノシラン等が好適に使用されてい
る。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】このような原料で構成
されたロービング集束剤は、かなり優れた特性を持って
おり、現在も使用されている。しかし、これらの集束剤
を付着させたガラス繊維を用いたＦＲＰ製品、特にＳＭ
Ｃ等で作られたバスユニット等の水周りに使用される製
品においては、年々要求される品質が厳しくなり、すべ
てを満足する事が難しくなっている。特に２４時間風呂
のごとく、長時間温水に接している成型品の表面に白
化、表面平滑性の悪化などの現象が起きることがあり、
長時間の耐水性が要求されている事や、人工大理石調の
透明感のある成形品の透明度の維持が望まれている事か
ら、ガラス繊維集束剤の更なる改良が望まれている。本
発明は、上記のような問題を解決し、ＦＲＰ成形品にし
た時に耐水性が良好で透明感の有る成形品を得、且つ従
来求められている諸特性をバランス良く得ることのでき
る集束剤を提供する事を目的としている。
されたロービング集束剤は、かなり優れた特性を持って
おり、現在も使用されている。しかし、これらの集束剤
を付着させたガラス繊維を用いたＦＲＰ製品、特にＳＭ
Ｃ等で作られたバスユニット等の水周りに使用される製
品においては、年々要求される品質が厳しくなり、すべ
てを満足する事が難しくなっている。特に２４時間風呂
のごとく、長時間温水に接している成型品の表面に白
化、表面平滑性の悪化などの現象が起きることがあり、
長時間の耐水性が要求されている事や、人工大理石調の
透明感のある成形品の透明度の維持が望まれている事か
ら、ガラス繊維集束剤の更なる改良が望まれている。本
発明は、上記のような問題を解決し、ＦＲＰ成形品にし
た時に耐水性が良好で透明感の有る成形品を得、且つ従
来求められている諸特性をバランス良く得ることのでき
る集束剤を提供する事を目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は皮膜形成剤に分子中にビニル基を含む反応
性ウレタン樹脂と同じくビニル基を有するシランカップ
リング剤を必須成分として、集束剤有効成分のうち５−
９０重量％含むことを特徴とするガラス繊維用集束剤を
第１の要旨とし、前記集束剤を０．１−５．０重量％付
着させたことを特徴とするガラス繊維ストランドを第２
の要旨とする。本発明の集束剤はガラス繊維ストランド
の集束力を向上させ、ガラス繊維の毛羽立ちや切断の防
止、あるいは静電気によるさまざまな不具合発生を抑え
るなど、使用する際の作業性を向上する。また同時に、
これを用いてＦＲＰ成形品を作る際に、マトリックスと
なる不飽和ポリエステル樹脂の含浸性を向上させ、樹脂
と反応し、含まれるシランカップリング剤の働きでマト
リックス樹脂とガラス繊維表面を化学結合する事で、耐
水性、機械的強度、耐熱性等の特性をさらに向上させる
事を目的とするものである。
に、本発明は皮膜形成剤に分子中にビニル基を含む反応
性ウレタン樹脂と同じくビニル基を有するシランカップ
リング剤を必須成分として、集束剤有効成分のうち５−
９０重量％含むことを特徴とするガラス繊維用集束剤を
第１の要旨とし、前記集束剤を０．１−５．０重量％付
着させたことを特徴とするガラス繊維ストランドを第２
の要旨とする。本発明の集束剤はガラス繊維ストランド
の集束力を向上させ、ガラス繊維の毛羽立ちや切断の防
止、あるいは静電気によるさまざまな不具合発生を抑え
るなど、使用する際の作業性を向上する。また同時に、
これを用いてＦＲＰ成形品を作る際に、マトリックスと
なる不飽和ポリエステル樹脂の含浸性を向上させ、樹脂
と反応し、含まれるシランカップリング剤の働きでマト
リックス樹脂とガラス繊維表面を化学結合する事で、耐
水性、機械的強度、耐熱性等の特性をさらに向上させる
事を目的とするものである。
【０００７】従来、熱硬化性樹脂の補強に使用するガラ
ス繊維ストランドの集束剤中に配合する皮膜形成剤に用
いられている酢酸ビニル樹脂等は、本来不飽和ポリエス
テル樹脂などの熱硬化性樹脂と化学反応性を持っていな
い熱可塑性の樹脂であり、マトリックス樹脂とは物理的
なからみあいや、相溶性によって接着が維持されるもの
である。従ってその接着力は弱いものであり、ガラス繊
維表面に付着しているので、シランカップリング剤とマ
トリックス樹脂との結合を邪魔するため、特に吸水等の
外圧が加わると、マトリックス樹脂とガラス繊維表面の
間に水が侵入し、白化やフクレ等の不良を起こしやす
い。本発明のビニル基を含む反応性ウレタン樹脂は、分
子中にビニル基を含み、かつ分子の両端に水酸基を有す
る化合物類とイソシアネ−ト類の反応により製造される
水溶性あるいは水分散可能な樹脂である。以後、本発明
で使用するこのウレタン樹脂をビニル基含有反応性ウレ
タン樹脂と呼ぶ。
ス繊維ストランドの集束剤中に配合する皮膜形成剤に用
いられている酢酸ビニル樹脂等は、本来不飽和ポリエス
テル樹脂などの熱硬化性樹脂と化学反応性を持っていな
い熱可塑性の樹脂であり、マトリックス樹脂とは物理的
なからみあいや、相溶性によって接着が維持されるもの
である。従ってその接着力は弱いものであり、ガラス繊
維表面に付着しているので、シランカップリング剤とマ
トリックス樹脂との結合を邪魔するため、特に吸水等の
外圧が加わると、マトリックス樹脂とガラス繊維表面の
間に水が侵入し、白化やフクレ等の不良を起こしやす
い。本発明のビニル基を含む反応性ウレタン樹脂は、分
子中にビニル基を含み、かつ分子の両端に水酸基を有す
る化合物類とイソシアネ−ト類の反応により製造される
水溶性あるいは水分散可能な樹脂である。以後、本発明
で使用するこのウレタン樹脂をビニル基含有反応性ウレ
タン樹脂と呼ぶ。
【０００８】本発明に使用されるビニル基含有反応性ウ
レタン樹脂の分子中にビニル基を含み、かつ分子の両端
に水酸基を有する化合物類の原料としては分子の末端に
複数の水酸基を有するビニル化合物類、ポリエステルポ
リオ−ル、ポリエ−テルポリオ−ル類の分子中にビニル
基を有するもので、たとえばポリアルキレングリコ−ル
のモノ（メタ）アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパン
のモノ（メタ）アクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ル
のモノ（メタ）アクリレ−トやビスフェノ−ルＡとグリ
シジルメタアクリレ−トとの反応物、フマル酸とエチレ
ングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ネオペンチルグ
リコ−ル等のグリコ−ル類との反応物、無水マレイン酸
と前記グリコ−ル類との反応物などがあげられる。また
イソシアネ−ト類としては、脂肪族イソシアネ−ト、芳
香族イソシアネ−ト等のイソシアネ−ト類で例えば、ヘ
キサメチレンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシア
ネ−ト、２，２，４−トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネ−ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−ト
などが好適である。これらの分子中にビニル基を含み、
かつ分子の両端に水酸基を有する化合物類とイソシアネ
−ト類から常法によりビニル基含有反応性ウレタン樹脂
を製造する。
レタン樹脂の分子中にビニル基を含み、かつ分子の両端
に水酸基を有する化合物類の原料としては分子の末端に
複数の水酸基を有するビニル化合物類、ポリエステルポ
リオ−ル、ポリエ−テルポリオ−ル類の分子中にビニル
基を有するもので、たとえばポリアルキレングリコ−ル
のモノ（メタ）アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパン
のモノ（メタ）アクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ル
のモノ（メタ）アクリレ−トやビスフェノ−ルＡとグリ
シジルメタアクリレ−トとの反応物、フマル酸とエチレ
ングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ネオペンチルグ
リコ−ル等のグリコ−ル類との反応物、無水マレイン酸
と前記グリコ−ル類との反応物などがあげられる。また
イソシアネ−ト類としては、脂肪族イソシアネ−ト、芳
香族イソシアネ−ト等のイソシアネ−ト類で例えば、ヘ
キサメチレンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシア
ネ−ト、２，２，４−トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネ−ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−ト
などが好適である。これらの分子中にビニル基を含み、
かつ分子の両端に水酸基を有する化合物類とイソシアネ
−ト類から常法によりビニル基含有反応性ウレタン樹脂
を製造する。
【０００９】樹脂とガラス繊維の結合を改善するために
併用されるシランカップリング剤は、不飽和ポリエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂などとの化学結合性の有るメタク
リルシラン、アクリルシラン、ビニルベンジルアミノシ
ラン等のビニル基を含有するシランカップリング剤が使
用される。好ましくは集束剤固形分のうち０．１−１０
重量％で、特に好ましくは０．５−５重量％である。本
発明の反応性ウレタン樹脂を、集束剤有効成分のうち５
−９０重量％含むことを特徴とするガラス繊維用集束剤
を紡糸と同時に付与し集束されたガラス繊維ストランド
は、主として熱硬化性樹脂の補強に使用される。その製
品の形態には、ガラス繊維ストランド、ガラスロービン
グ、ロ−ビングクロス、チョップドストランド、チョッ
プドストランドマットなどがある。これら本発明の集束
剤を付与する製品はガラス組成、フィラメントの直径、
フィラメントの断面形状、ストランドを構成するフィラ
メント数等により限定されず、任意のガラス繊維製品に
適用可能である。ガラス繊維ストランドに付着させる集
束剤の量は、０．１−５．０重量％で、特に好ましくは
０．３−３．０重量％である。
併用されるシランカップリング剤は、不飽和ポリエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂などとの化学結合性の有るメタク
リルシラン、アクリルシラン、ビニルベンジルアミノシ
ラン等のビニル基を含有するシランカップリング剤が使
用される。好ましくは集束剤固形分のうち０．１−１０
重量％で、特に好ましくは０．５−５重量％である。本
発明の反応性ウレタン樹脂を、集束剤有効成分のうち５
−９０重量％含むことを特徴とするガラス繊維用集束剤
を紡糸と同時に付与し集束されたガラス繊維ストランド
は、主として熱硬化性樹脂の補強に使用される。その製
品の形態には、ガラス繊維ストランド、ガラスロービン
グ、ロ−ビングクロス、チョップドストランド、チョッ
プドストランドマットなどがある。これら本発明の集束
剤を付与する製品はガラス組成、フィラメントの直径、
フィラメントの断面形状、ストランドを構成するフィラ
メント数等により限定されず、任意のガラス繊維製品に
適用可能である。ガラス繊維ストランドに付着させる集
束剤の量は、０．１−５．０重量％で、特に好ましくは
０．３−３．０重量％である。
【００１０】
【作用】本発明の反応性ウレタン樹脂は、分子中のビニ
ル基が不飽和ポリエステル樹脂などのマトリックス樹脂
と結合しやすく、ガラス繊維表面とはシランカップリン
グ剤を介して結合する。従来、皮膜形成剤として使用し
ていた酢酸ビニル系ラテックスはマトリックス樹脂およ
びガラス繊維表面とは接着しないので、集束剤の主たる
目的はガラス繊維の集束と保護であった。しかしながら
本発明の皮膜形成剤はマトリックス樹脂およびガラス繊
維表面と結合したシランカップリング剤の両方と反応す
るので、ガラス繊維表面とマトリックス樹脂との接着性
が向上し、従来の集束剤の機能に加えて成型品の耐水性
が大幅に向上する。
ル基が不飽和ポリエステル樹脂などのマトリックス樹脂
と結合しやすく、ガラス繊維表面とはシランカップリン
グ剤を介して結合する。従来、皮膜形成剤として使用し
ていた酢酸ビニル系ラテックスはマトリックス樹脂およ
びガラス繊維表面とは接着しないので、集束剤の主たる
目的はガラス繊維の集束と保護であった。しかしながら
本発明の皮膜形成剤はマトリックス樹脂およびガラス繊
維表面と結合したシランカップリング剤の両方と反応す
るので、ガラス繊維表面とマトリックス樹脂との接着性
が向上し、従来の集束剤の機能に加えて成型品の耐水性
が大幅に向上する。
【００１１】
【実施例】以下、本発明の集束剤を実施例により具体的
に説明する。 実施例１（以下、ｋｇは純水を除き、固形分あるいは有
効性分重量を表す。） 酢酸を０．１ｋｇ計量し、８Ｏｋｇの純水に添加しｐＨ
を３．５に調整する。シランカップリング剤であるメタ
クリルシランを０．３ｋｇ計量添加する。充分に撹拌溶
解した後、ビニル基含有反応性ウレタン樹脂エマルジョ
ン（第一工業製薬社製 商品名：ス−パ−フレックス−
Ｒ５０００ 固形分５０重量％）を６ｋｇ秤量し、分散
する。これに、別容器にテトラエチレンペンタミンとス
テアリン酸の縮合物の酢酸活性化物を０．１ｋｇ、変性
シリコーンオイルを０．１ｋｇ、帯電防止剤として硝酸
リチウムを０．２ｋｇ順次加え、純水を加え総重量１０
０ｋｇに合わせる。この様に調製した、本発明の集束剤
を繊維径１３μｍ、集束本数８００本（２７０ｔｅｘ）
のガラス繊維に０．９５重量％付着させストランドと
し、更に複数本合糸してガラスロービングを作成した。
ロービングを作成する際の毛羽立ち、静電気の発生など
は見られず作業性は良好であった。このガラスロービン
グを切断し、ＳＭＣシートを下記仕様で作成し、加熱加
圧プレスで成形し平板状のＳＭＣ成形品（厚さ３ｍｍ）
を得て各種の試験をした。その結果を表１に示す。 ＳＭＣ配合: 不飽和ポリエステル樹脂 ８０重量部 低収縮剤 ２０重量部 炭酸カルシウム ７０重量部 水酸化アルミニウム ７０重量部 酸化マグネシウム ０．８重量部 ステアリン酸亜鉛 ５重量部 スチレンモノマ− ４重量部 パーオキシベンゾエート １重量部 ガラスロービング（２５ｍｍ） ８０重量部
に説明する。 実施例１（以下、ｋｇは純水を除き、固形分あるいは有
効性分重量を表す。） 酢酸を０．１ｋｇ計量し、８Ｏｋｇの純水に添加しｐＨ
を３．５に調整する。シランカップリング剤であるメタ
クリルシランを０．３ｋｇ計量添加する。充分に撹拌溶
解した後、ビニル基含有反応性ウレタン樹脂エマルジョ
ン（第一工業製薬社製 商品名：ス−パ−フレックス−
Ｒ５０００ 固形分５０重量％）を６ｋｇ秤量し、分散
する。これに、別容器にテトラエチレンペンタミンとス
テアリン酸の縮合物の酢酸活性化物を０．１ｋｇ、変性
シリコーンオイルを０．１ｋｇ、帯電防止剤として硝酸
リチウムを０．２ｋｇ順次加え、純水を加え総重量１０
０ｋｇに合わせる。この様に調製した、本発明の集束剤
を繊維径１３μｍ、集束本数８００本（２７０ｔｅｘ）
のガラス繊維に０．９５重量％付着させストランドと
し、更に複数本合糸してガラスロービングを作成した。
ロービングを作成する際の毛羽立ち、静電気の発生など
は見られず作業性は良好であった。このガラスロービン
グを切断し、ＳＭＣシートを下記仕様で作成し、加熱加
圧プレスで成形し平板状のＳＭＣ成形品（厚さ３ｍｍ）
を得て各種の試験をした。その結果を表１に示す。 ＳＭＣ配合: 不飽和ポリエステル樹脂 ８０重量部 低収縮剤 ２０重量部 炭酸カルシウム ７０重量部 水酸化アルミニウム ７０重量部 酸化マグネシウム ０．８重量部 ステアリン酸亜鉛 ５重量部 スチレンモノマ− ４重量部 パーオキシベンゾエート １重量部 ガラスロービング（２５ｍｍ） ８０重量部
【００１２】実施例２ 集束性を補助する目的でビニル基含有反応性ウレタン樹
脂の他に、酢酸ビニル樹脂（固形分５０％）を１ｋｇ添
加した以外は実施例１と同様にしてガラスロービングを
製造した。更に実施例１と同じ条件でＳＭＣ成形品を作
成し特性を評価した。その結果を表１に示す。
脂の他に、酢酸ビニル樹脂（固形分５０％）を１ｋｇ添
加した以外は実施例１と同様にしてガラスロービングを
製造した。更に実施例１と同じ条件でＳＭＣ成形品を作
成し特性を評価した。その結果を表１に示す。
【００１３】比較例１ 反応性ウレタン樹脂の代わりに同量の酢酸ビニル樹脂
（固形分５０％）を用いた事を除いては、実施例１と同
様の方法にて得られたＳＭＣ成形品の特性を表１に示
す。
（固形分５０％）を用いた事を除いては、実施例１と同
様の方法にて得られたＳＭＣ成形品の特性を表１に示
す。
【００１４】試験方法 曲げ強度：ＪＩＳ−Ｒ−３４２０ 耐水性 ：沸騰水中で１００時間処理後の吸水曲げ強度
及び吸水率 耐煮沸性：沸騰水中で煮沸してフクレの発生するまでの
時間を測定。
及び吸水率 耐煮沸性：沸騰水中で煮沸してフクレの発生するまでの
時間を測定。
【００１５】
【表１】
【０００１６】
【発明の効果】本発明のビニル基含有反応性ウレタン樹
脂を含むガラス繊維集束剤は熱硬化性樹脂の補強材とし
て使用した場合、表１の結果からわかるように、マトリ
ックス樹脂とガラス繊維表面の間に存在する集束剤皮膜
との接着性が改良され、成型品の耐水性、耐煮沸性を改
良することができる。その結果、成形品の白化、ふくれ
現象が大幅に減少し、成形品の外観の悪化防止、人工大
理石などの透明性の維持に効果的である。
脂を含むガラス繊維集束剤は熱硬化性樹脂の補強材とし
て使用した場合、表１の結果からわかるように、マトリ
ックス樹脂とガラス繊維表面の間に存在する集束剤皮膜
との接着性が改良され、成型品の耐水性、耐煮沸性を改
良することができる。その結果、成形品の白化、ふくれ
現象が大幅に減少し、成形品の外観の悪化防止、人工大
理石などの透明性の維持に効果的である。
Claims (2)
- 【請求項１】ガラス繊維の集束剤中に分子中にビニル基
を含む反応性ウレタン樹脂と分子中にビニル基を有する
シランカップリング剤を含むことを特徴とするガラス繊
維用集束剤。 - 【請求項２】請求項１記載の集束剤を０．１重量％−
５．０重量％付着させたことを特徴とするガラス繊維製
品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10059102A JPH11236249A (ja) | 1998-02-25 | 1998-02-25 | ガラス繊維用集束剤及びそれを付着させたガラス繊維製品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10059102A JPH11236249A (ja) | 1998-02-25 | 1998-02-25 | ガラス繊維用集束剤及びそれを付着させたガラス繊維製品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11236249A true JPH11236249A (ja) | 1999-08-31 |
Family
ID=13103636
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10059102A Pending JPH11236249A (ja) | 1998-02-25 | 1998-02-25 | ガラス繊維用集束剤及びそれを付着させたガラス繊維製品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11236249A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113914099A (zh) * | 2021-11-30 | 2022-01-11 | 泰山玻璃纤维邹城有限公司 | 电子级低介电玻璃纤维布处理剂及其制备方法 |
-
1998
- 1998-02-25 JP JP10059102A patent/JPH11236249A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113914099A (zh) * | 2021-11-30 | 2022-01-11 | 泰山玻璃纤维邹城有限公司 | 电子级低介电玻璃纤维布处理剂及其制备方法 |
| WO2022247607A1 (zh) * | 2021-11-30 | 2022-12-01 | 泰山玻璃纤维邹城有限公司 | 电子级低介电玻璃纤维布处理剂及其制备方法 |
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