JPH11235659A - 摩擦によって誘起される化学的除去加工方法およびその加工装置 - Google Patents

摩擦によって誘起される化学的除去加工方法およびその加工装置

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JPH11235659A
JPH11235659A JP3572398A JP3572398A JPH11235659A JP H11235659 A JPH11235659 A JP H11235659A JP 3572398 A JP3572398 A JP 3572398A JP 3572398 A JP3572398 A JP 3572398A JP H11235659 A JPH11235659 A JP H11235659A
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JP
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solid
workpiece
chemical
processing
abrasive grains
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Application number
JP3572398A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Okubo
克之 大窪
Nobuo Yasunaga
暢男 安永
Kenichi Hiratsuka
健一 平塚
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、砥粒と被加工物固体の接触点のみ
に化学的な相互作用を発生させるようにして、小型、か
つ低コストな構成で被加工物固体の加工精度および加工
効率を向上させることができるとともに、安全に作業を
行うことができ、かつ環境にも優しい新規な摩擦によっ
て誘起される化学的除去加工方法およびその加工装置を
提供するものである。 【解決手段】 ワーク3(被加工物固体)としてサファ
イヤ基板を用いるとともに、砥粒としてワーク3よりも
機械的強度が低いシリカパウダーを用い、化学加工種と
してワーク3表面層の機械的特性が砥粒よりも低下する
ような化学反応を発生させるCHF3を加工領域に供給
することにより、ワーク3表面層の機械特性が低下する
ようにその化学状態を変化させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摩擦によって誘起
される化学的除去加工方法およびその加工装置に関し、
特に、半導体や磁気ディスク等の平坦化加工、サファイ
ア基板の仕上げ加工、シビアな環境下で用いられる金型
鏡面の仕上げ加工、高負荷または高速で用いられる軸受
表面の仕上げ加工に適用することができ、被加工物固体
の加工部位に活性化した加工化学種を発生させて除去加
工するようにした摩擦によって誘起される化学的除去加
工方法およびその加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、精密生産技術が必要とする寸法精
度として0.1μmオーダーであり、これを達成するに
は加工単位としてその1/100、すなわち1nm単位
での加工が必要とされる。このオーダーの超微小領域の
加工においては材料バルクの機械的・物理的性質よりも
加工界面での化学的な相互作用の方が支配的要因となる
可能性が高い。すなわち、超精密加工を実現するために
は、接触界面で生ずる化学現象を良く理解し、化学的効
果を積極的に利用してより高精度の加工を指向すること
が重要である。
【0003】特に半導体や磁気ディスク基板の最終仕上
げ加工として用いられる研磨加工はその表面性状がその
後のプロセスに大きく影響を及ぼす。このため従来の微
細ダイヤモンドによるラッピングやポリッシングなどの
純粋な機械的加工だけでは、要求される面粗さや加工変
質層や残留スクラッチなどの点で必ずしも満足すべき結
果が得られていないのが実状である。
【0004】そこで、このような超精密ポリッシングで
化学的効果を積極的に利用する技術としてメカノケミカ
ルポリッシングが開発されてきている。この研磨方法は
「加えられた機械的エネルギーにより誘起される化学反
応や相変化」として定義される「メカノケミカル現象」
を利用して、ワークとワークより軟質の砥粒との真実接
触点にて微小化学反応層を形成させ、これを除去する加
工方法である。この微小化学反応層はワークのバルク構
造と異なるので、砥粒の運動に伴う摩擦力により引きず
られて容易に剥離・除去され、結果的に軟質粒子によっ
て硬質材料が研磨される。
【0005】これまで開発されてきたメカノケミカルポ
リッシングを図6のように示した。こうした研磨方法は
従来の機械的作用によってのみ行う研磨に比べて加工面
性状が優れている上に、加工速度が高くなっているもの
が多い。サファイア基板をシリカパウダーを用いて石英
ガラスポリッシャで研磨した場合、ダイヤモンド砥粒で
の研磨に比べて最大2.5倍の加工速度が得られる。
【0006】これらの研磨方法はそのプロセス上大きく
分けて3種類に分類される。 砥粒とワークの真実接触点で両者の直接的な固相反応
が生じ、この反応層が摩擦力によって脱落する。反応速
度向上のために加熱する試みもなされている。 雰囲気ガスや加工液の作用でワーク表面に酸化膜や水
和膜が形成され、この生成膜と砥粒において上記と同
じ様なプロセスで除去加工が行われる。
【0007】ワーク表面で軟質砥粒が触媒的な作用を
営んで、真実接触点の酸化を促進し、この酸化層が除去
される。軟質砥粒として、化学的な活性の高い酸化クロ
ムが用いられる場合が多い。こうしたメカノケミカルポ
リッシングは固体同士の反応性に強く依存する加工法で
あり、反応能率は必ずしも高くない。したがって、メカ
ノケミカルポリッシングでは通常の研磨に比べて加工時
の面圧を高く設定して加工領域を発熱しやすい環境にし
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな高面圧条件では薄膜ワークでは接触のばらつきが起
こると割れの可能性があり、対応が困難である。また、
化学反応によって機械的歪みはないものの熱歪みをもた
らす危険性をはらみ、エピタキシャル成長用基板などの
場合は加工速度を思うように上げることができない。
【0009】このため、のプロセスでは反応速度、す
なわち加工速度の観点からは乾式の方が熱の集中が起こ
り易く望ましいにもかかわらず、実際は湿式で加工が行
われている場合が多い。こうした加工速度の低下を解決
するためにワーク表面や砥粒の反応性を上げる試みがな
されている。では、いったん気相や液相との化学反応
を用いてワーク表面に別の反応層を作るプロセスを経て
いる。これは固相反応に比べて反応能率が桁違いに高
く、加工効率向上にとって有効であることは間違いな
い。
【0010】しかしながら、気相や液層の反応性物質に
はワークとの反応に対して空間選択性がなく、加工した
くないところまで加工が進んでしまう可能性がある。こ
れを防ぐためにマスクを用いるなどの別工程が必要にな
る場合が多い。また、このような反応性の高い物質を使
うと、装置が冒されないようにそれなりの対策が必要で
あり、作業者の安全性の確保や、環境保全のための除害
設備なども考慮する必要がある。これらはすべて加工コ
ストとなって跳ね返ってくるため、結果的に加工対象が
高付加価値なものに限定されてしまう。
【0011】また、については、砥粒として化学反応
性が高いものを用いる加工法であり、において気相や
液相がもつ反応性物質の機能を砥粒の中に入れ込んであ
り、では反応の空間選択性がなかったものを加工点に
限定することができるようになっている。その点でメカ
ノケミカルポリッシングとして現在最も進歩したものと
いえる。
【0012】しかしながら、砥粒自身に機械的除去に関
する機能と化学的反応性に関する機能の両方を持たせて
いるために使用できる砥粒種類が限定され、加工対象範
囲(ワーク種類)が限定される可能性もある。また、砥
粒にすべての機能を負わせているので砥粒の供給などが
変動してワークとポリッシャ内での砥粒の状態などが変
化すると、それが加工効率の変動に直結してしまう。
【0013】そこで本発明は、砥粒と被加工物固体の接
触点のみに化学的な相互作用を発生させるようにして、
小型、かつ低コストな構成で被加工物固体の加工精度お
よび加工効率を向上させることができるとともに、安全
に作業を行うことができ、かつ環境にも優しい新規な摩
擦によって誘起される化学的除去加工方法およびその加
工装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を解決するために、砥粒を有する工具固体と被
加工物固体を接触させ、この両者の相対運動によってこ
の接触点近傍の空間で物理現象を発生させてこれを励起
源とし、この接触点近傍に供給された化学加工種を含む
雰囲気を活性化させることにより、被加工物表面層と化
学的な相互作用を行い、該被加工物表面層の機械特性が
低下するようにその化学状態を変化せしめ、これを機械
的歪みを残さずに除去加工にするようにした摩擦によっ
て誘起される化学的除去加工方法であって、前記被加工
物固体として無機物を用いるとともに、前記砥粒として
前記被加工物固体よりも機械的強度が低い酸化物を用
い、化学加工種として前記被加工物表面層の機械的特性
が工具固体よりも低下するような化学反応を発生させる
ハロゲン元素を含んだものを供給するようにしたことを
特徴としている。
【0015】その場合、砥粒と被加工物固体の接触点に
化学加工種を供給することにより、砥粒と被加工物固体
の接触点に限定して雰囲気が化学的活性を持つことで被
加工物固体表面に反応層が形成され、これが砥粒に移着
して除去されるプロセスによって研磨加工が進行する。
そして、この研磨加工は高い反応速度で被加工物に加工
歪みを残さずに行なわれるので、被加工物固体の加工精
度および加工効率を向上させることができる。
【0016】また、雰囲気が接触点に限定して被加工物
固体に対する反応性を持つため、加工の空間選択性を向
上させることができる。また、接触点以外では活性を持
たないので環境に優しく、装置化を簡便に行うことがで
きる。さらに、砥粒は化学的な作用の機能をすべて持た
せず、雰囲気の活性化を促す機能と、被加工物固体の反
応層の除去効率を促進する機能しか持っていない。最も
重要な化学反応そのものは被加工物固体と雰囲気によっ
て発生する。したがって砥粒の依存性を低くすることが
でき、結果として加工における管理を簡単にすることが
できる。
【0017】また、加工範囲を限定された砥粒と被加工
物固体の接触箇所に化学加工種を供給すれば良いため、
供給される化学加工種の量も少なくすることができ、環
境および人体に安全な化学加工種を使用することで、被
加工物固体を加工することができる。請求項2記載の発
明は、上記課題を解決するために、請求項1記載の発明
において、前記被加工物固体として酸化物セラミックス
を用いるとともに、前記砥粒としてシリカパウダーを用
い、前記化学加工種として200Pa以上の濃度のCH
3を用いたことを特徴としている。
【0018】その場合、砥粒と被加工物固体の接触点に
化学加工種を供給することにより、砥粒と被加工物固体
の接触点に限定して雰囲気が化学的活性を持つことで被
加工物固体表面に反応層が形成され、これが砥粒に移着
して除去されるプロセスによって研磨加工が進行する。
そして、この研磨加工は高い反応速度で被加工物に加工
歪みを残さずに行なわれるので、被加工物固体の加工精
度および加工効率を向上させることができる。
【0019】また、摩擦化学反応を制御性良く発生させ
るために必要な化学加工種の最低濃度は200Paであ
り、大気圧まで供給することなく、化学加工種の使用量
を低く抑えることができる。請求項3記載の発明は、上
記課題を解決するために、請求項1または2記載の発明
において、前記砥粒と被加工物固体を0.8ms-1
上、かつ、0.2ms -1以下を除いた範囲の平均相対速
度で接触させることを特徴としている。
【0020】このような範囲を除いた平均相対速度にす
ることにより、CHF3雰囲気下で被加工物固体表面と
の衝突によって砥粒酸化物表面の微小破壊が発生する
と、破断面の極近傍でCHF3が非常に強く活性化して
被加工物固体表面に還元反応による機械的強度の低い表
面層を発生させ、該表面層を砥粒が除去することで速や
かに被加工物固体表面を加工することができる。
【0021】ここで、砥粒と被加工物固体の平均相対速
度を0.8ms-1以上に設定すると、摩擦熱が高くなり
従来の固相反応が支配的になって本発明の除去メカニズ
ムは固相反応に隠れてしまい、また、砥粒と被加工物固
体の平均相対速度を0.2ms-1以下に設定すると、砥
粒の破壊が不十分でCHF3の活性化がうまく進まず、
本発明の除去メカニズムによる加工が十分に行なわれな
いという不具合が発生してしまう。
【0022】請求項4記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項1または2記載の摩擦除去加工を行な
う化学除去加工装置であって、前記砥粒を有する工具固
体と被加工物固体を弾性接触させ、この両者を相対運動
させる接触相対運動手段と、前記砥粒と被加工物固体の
接触点近傍の接触相対運動によって誘起された活性化状
態に加工化学種を供給する加工化学種供給手段と、を備
えたことを特徴としている。
【0023】その場合、砥粒と被加工物固体の接触点に
化学加工種を供給することにより、砥粒と被加工物固体
の接触点に限定して雰囲気が化学的活性を持つことで被
加工物固体表面に反応層が形成され、これが砥粒に移着
して除去されるプロセスによって研磨加工が進行する。
そして、この研磨加工は高い反応速度で被加工物に加工
歪みを残さずに行なわれるので、被加工物固体の加工精
度および加工効率を向上させることができる。
【0024】また、雰囲気が接触点に限定して被加工物
固体に対する反応性を持つため、加工の空間選択性を向
上させることができる。また、接触点以外では活性を持
たないので環境に優しく、装置化を簡便に行うことがで
きる。さらに、砥粒は化学的な作用の機能をすべて持た
せず、雰囲気の活性化を促す機能と、被加工物固体の反
応層の除去効率を促進する機能しか持っていない。最も
重要な化学反応そのものは被加工物固体と雰囲気によっ
て発生する。したがって砥粒の依存性を低くすることが
でき、結果として加工における管理を簡単にすることが
できる。
【0025】また、加工範囲が限定された砥粒と被加工
物固体の接触箇所に化学加工種を供給すれば良いため、
供給される化学加工種の量も少なくすることができ、環
境および人体に安全な化学加工種を使用することで、被
加工物固体を加工することができる。請求項5記載の発
明は、上記課題を解決するために、請求項4記載の発明
において、前記相対接触運動手段が、前記工具固体を保
持する工具保持部材と、前記被加工物固体を保持する被
加工物保持部材と、前記工具保持部材の外周部に設けら
れ、前記被加工物固体と工具固体との間に閉空間を構成
するスカート部材と、を有し、前記化学加工種供給手段
が、前記工具保持部材に形成され、前記閉空間内に化学
加工種を供給する供給通路を有し、前記被加工物保持部
材が、前記供給通路を通して閉空間に供給された化学加
工種を回収する回収手段を有することを特徴としてい
る。
【0026】その場合、スカート部材によって密閉され
た被加工物固体と砥粒との間の閉空間に化学加工種を供
給するため、化学加工種の供給量を大幅に低減すること
ができ、加工コスト低減に大きく寄与させることができ
る。また、被加工物固体と砥粒との間の閉空間に供給さ
れた化学加工種を回収するようにしたため、SF6等の
地球温暖化係数が高い気体を用いたときにはこの気体を
回収して、地球温暖化防止に寄与することができる。
【0027】請求項6記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項4または5何れかに記載の発明におい
て、前記相対接触運動手段は、前記砥粒と被加工物固体
を0.8ms-1以上、かつ、0.2ms-1以下を除いた
平均相対速度で接触させることを特徴としている。その
場合、このような範囲を除いた平均相対速度にすること
により、CHF3雰囲気下で被加工物固体表面との衝突
によって砥粒酸化物表面の微小破壊が発生すると、破断
面の極近傍でCHF3が非常に強く活性化して被加工物
固体表面に還元反応による機械的強度の低い表面層を発
生させ、該表面層を砥粒が除去することで速やかに被加
工物固体表面を加工することができる。
【0028】ここで、砥粒と被加工物固体の平均相対速
度を0.8ms-1以上に設定すると、摩擦熱が高くなり
従来の固相反応が支配的になって本発明の除去メカニズ
ムは固相反応に隠れてしまい、また、砥粒と被加工物固
体の平均相対速度を0.2ms-1以下に設定すると、砥
粒の破壊が不十分でCHF3の活性化がうまく進まず、
本発明の除去メカニズムによる加工が十分に行なわれな
いという不具合が発生してしまう。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1〜4は本発明に係る摩擦によっ
て誘起される化学的除去加工方法およびその加工装置の
第1実施形態を示す図であり、請求項1〜5何れかに記
載の発明に対応している。
【0030】まず、構成を説明する。図1において、1
は回転する定盤上10に貼られたクロスポリッシャ(工具
固体)であり、このポリッシャ1上にはワークホルダー
2によって固定された3つのワーク(被加工物固体)3
が周上等分で配置されている。また、クロスポリッシャ
1の表面には任意の砥粒が含まれている。また、ワーク
ホルダー2上には重り4が取付けられており、この重り
4はワークホルダー2を介してワーク3を一定の面圧
(接触圧)でポリッシャ1に接触させるようになってい
る。また、ワークホルダー3は自動調心ベアリング5を
介してホルダー回転シャフト6に連結されており、この
回転シャフト6によって重り4と共に回転するようにな
っている。
【0031】また、ワークホルダー2とポリッシャ1の
間にはノズル7が設けられており、このノズル7は図示
しないボンベからレギュレーターを介してワーク3とポ
リッシャ1の間に化学加工種として200Pa以上の濃
度のCHF3を加工領域に供給するようになっている。
なお、本実施形態では、底盤10とワークホルダー2が相
対接触運動手段を構成し、ノズル7が化学加工種供給手
段を構成している。
【0032】次に、作用を説明する。本実施形態では、
最も基本的なメカノケミカルポリッシングを行なうに際
して、ワーク3としてサファイア基板を用い、砥粒とし
てシリカパウダー(20nmサイズ)を用い、乾式研磨
する系を選択した。この系ではシリカパウダーとサファ
イア基板が直接的な固相反応を起こし、基板表面にアル
ミとシリコンの複合酸化物が形成され、これが除去され
て研磨加工が進行することが知られている。固相反応を
効率よく行うために面圧は0.1MPa程度の比較的高
く設定され、熱の集中が起こるときに高い加工速度が得
られる。
【0033】本実施形態では、図1に示す装置により、
典型的な研磨条件(面圧;0.1MPa(=1kgf/
cm2 )、ワーク3とポリッシャ1(すなわち、砥粒)
の平均相対速度;0.4ms-1、)で研磨加工を行った
ところ、3〜4μmh-1程度の加工速度でサファイア基
板の除去加工を行うことができた。本実施形態が達成す
べき目的は加工面圧の低減であるから面圧を1/2,1
/4にして研磨加工を行うと面圧の低下にほぼ対応して
加工速度も低下した。
【0034】この加工装置の加工領域に向けてノズルを
取り付け、ここから少量のCHF3を噴出させた。その
結果、図2に示すように何れの加工面圧でも加工速度の
向上が認められた。大気中では0.1MPaで達成され
た加工速度がCHF3雰囲気では1/4の0.025M
Paで達成できたことは注目に値する。CHF3の促進
効果をさらに確認するために除去量比(CHF3/大
気)をプロットしてみると(図3参照)、特に面圧の低
い条件で促進効果が顕著であった。これは低面圧では熱
の集中が起こらないために通常のメカノケミカルポリッ
シングの除去メカニズムである固相反応が進行しにくい
が、CHF3雰囲気での除去メカニズムは後述するよう
に熱を必要とせず、面圧依存性も比較的低いために特に
低面圧で現象が顕著になったものと考えている。
【0035】また、面圧を固定して相対速度を変えて実
験した結果を図4に示した。大気中では速度を高く設定
したときのみ加工速度が促進されるが、CHF3雰囲気
では、大気中では促進されない低速においても加工速度
が著しく促進されることがわかる。これは本発明による
除去メカニズムがマイルドな条件でも反応促進効果が現
れることを如実に示している。なお、図4において、●
はCHF3雰囲気を示し、×は大気中を示す。
【0036】CHF3による除去プロセスはこれまでの
本発明者らの研究により、以下のようになっているもの
と考えられている。CHF3の雰囲気化で酸化物表面の
微小破壊によって破断面が発生すると破断面の極近傍で
CHF3が非常に強く活性化し、酸化物の還元反応を起
こすことがこれまでの発明者らの実験によって知られて
いる。
【0037】活性化に必要なのは表面破壊であるから、
これを実現できる面圧条件内であれば面圧による依存性
は比較的低い。このような接触条件にしたとき、濃度に
して1%以上のCHF3がある環境ではアルミナボール
とガラスディスクの摺動によってアルミナボールが非常
に均一に加工される。活性化する雰囲気濃度もある条件
内で有れば依存性は低く管理は簡便である。
【0038】同様の効果を持つ気体として、SF6のよ
うな含フッ素不活性気体、CF4,C2F6などのフルオ
ロカーボン、CF22,CF3CFH2などのハイドロフ
ルオロカーボンなどが挙げられ、これらにエーテル基や
水酸基などの変性基が入っていても良い。こうした気体
はフッ素を含みながら極めて安定な化合物であり、窒素
などと同様の扱いが可能である。フルオロカーボンは人
工血液の溶媒として用いられるほどの安全性を持つ。
【0039】したがって、加熱水蒸気や加熱水素のよう
に加工領域を特別な空間で覆う必要もなく、酸溶液やア
ルカリ溶液のように人体に影響を与えないように注意し
ながら取り扱う必要もない。本実施形態のようにボンベ
からレギュレーターを介して気体を取り出し、従来と全
く同じ構成で研磨しているワークの近くに吹き付けてや
るだけで飛躍的な加工効率の向上が得られるのである。
【0040】本実施形態で特にCHF3を用いているの
は、こうした気体の中でCHF3は地球温暖化係数も比
較的低く、環境に特に優しい物質だからである。また、
ワークとしてサファイア基板以外に化学組成の同じアル
ミナ焼結体、異なるジルコニアなどの酸化物を用いて同
じように研磨を行ったところ、いずれについても本実施
形態のような加工の促進効果が得られた。
【0041】上記結果は還元すると同じ加工速度なら加
工負荷を下げることができることを示している。これま
で不可能であった薄膜対応への可能性を開く上に装置の
軽量化などに効果がある。雰囲気を追加するだけで加工
効率が向上するので、現在の加工システムでも簡単に今
回の発明の効果を享受できることも重要な効果である。
これまでのような砥粒の開発などでは加工条件等をすべ
てやり直さなくてはならない。場合によっては装置全体
の再構築も必要になってくる。
【0042】加工領域に限定して雰囲気が活性化するの
で気体そのものの危険性はない。したがって、大がかり
な囲いなどは必要ない。地球温暖化係数が高い気体を用
いたときはその回収を目的にした設備が有ればいい。以
上まとめると、本実施形態では、ワーク3と砥粒を接触
させ、この両者の相対運動によってこの接触点近傍の空
間で物理現象を発生させてこれを励起源とし、この接触
点近傍に供給されたCHF3を含む雰囲気を活性化させ
ることにより、ワーク3表面層と化学的な相互作用を行
い、ワーク3表面層の機械特性が低下するようにその化
学状態を変化せしめ、これを機械的歪みを残さずに除去
加工にするようものであって、ワーク3としてサファイ
ア基板を用いるとともに、砥粒としてワーク3よりも機
械的強度が低いシリカパウダーを用い、化学加工種とし
てワーク3表面層の機械的特性が砥粒よりも低下するよ
うな化学反応を発生させるCHF3を加工領域に供給す
るようにした。
【0043】このため、砥粒とワーク3の接触点に限定
して雰囲気が化学的活性を持つことでワーク3の表面層
に反応層を形成して、これが砥粒に移着して除去される
プロセスによって研磨加工を進行させることができる。
そして、この研磨加工は高い反応速度でワーク3に加工
歪みを残さずに行なわれるので、ワーク3の加工精度お
よび加工効率を向上させることができる。
【0044】また、雰囲気が接触点に限定してワーク3
に対する反応性を持つため、加工の空間選択性を向上さ
せることができる。また、接触点以外では活性を持たな
いので環境に優しく、装置化を簡便に行うことができ
る。さらに、砥粒は化学的な作用の機能をすべて持たせ
ず、雰囲気の活性化を促す機能と、ワーク3の反応層の
除去効率を促進する機能しか持っていない。最も重要な
化学反応そのものはワーク3と雰囲気によって発生す
る。したがって、砥粒の依存性を低くすることができ、
結果として加工における管理を簡単にすることができ
る。
【0045】また、加工範囲が限定された砥粒とワーク
3の接触箇所にCHF3を供給すれば良いため、供給さ
れるCHF3の量も少なくすることができ、環境および
人体に安全な化学加工種を使用することで、ワーク3を
加工することができる。また、摩擦化学反応を制御性良
く発生させるために必要な化学加工種の最低濃度は20
0Paであることから、本実施形態では、CHF3の濃
度を200Pa以上にすることにより、化学加工種の使
用量を低く抑えることができる。
【0046】さらに、砥粒とワーク3を0.4ms-1
平均相対速度で接触させたため、CHF3雰囲気下で酸
化物表面の微小破壊が発生させたときに破断面の極近傍
でCHF3が非常に強く活性化して、酸化物の還元反応
を起すことができ、速い加工速度でワーク3の表面を研
削することができる。なお、砥粒とワーク3を平均相対
速度は0.8ms-1以上、かつ、0.2ms -1以下を除
いた範囲に設定されるのが好ましい。すなわち、砥粒と
ワーク3の平均相対速度を0.8ms-1以上に設定する
と、摩擦熱が高くなり従来の固相反応が支配的になって
本発明の除去メカニズムは固相反応に隠れてしまい、ま
た、砥粒とワーク3の平均相対速度を0.2ms-1以下
に設定すると、砥粒の破壊が不十分でCHF3の活性化
がうまく進まず、本発明の除去メカニズムによる加工が
十分に行なわれないという不具合が発生してしまうから
である。
【0047】図5、6は本発明に係る摩擦によって誘起
される化学的除去加工方法およびその加工装置の第2実
施形態を示す図であり、請求項6記載の発明に対応して
いる。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様の構
成には同一番号を付して説明を省略する。まず、構成を
説明する。図1において、工具保持部材を構成する表面
に砥粒が含まれるポリッシャ1上にはワークホルダー11
によって固定された3つのワーク(被加工物固体)11a
が対向している。なお、本実施形態ではワーク11aを2
つ図示しているが、図示しない残りの1つのワークはワ
ークホルダー11の図5中、奥側の取付けられており、ワ
ークホルダー11は3つのワーク11aを正三角形の対角線
状に位置するように保持している。
【0048】また、ワークホルダー11は重り12が取付け
られており、この重り12はワークホルダー11を介してワ
ーク11aを一定の面圧(接触圧)でポリッシャ1に接触
させるようになっている。なお、ワークホルダー11は被
加工物保持部材を構成している。また、ワークホルダー
11は自動調心ベアリング13を介してホルダー回転シャフ
トに連結されており、この回転シャフト14によって重り
12と共に回転するようになっている。
【0049】また、ワークホルダー11、重り13およびシ
ャフト14の中心部には供給通路15が形成されており、こ
の供給通路15は図示しないボンベからレギュレーターを
介してワーク11aとポリッシャ1の間に化学加工種とし
て200Pa以上の濃度のCHF3を供給するようにな
っている。なお、本実施形態では、底盤10とワークホル
ダー11が相対接触運動手段を構成し、供給通路15が化学
加工種供給手段を構成している。
【0050】また、ワークホルダー11の外周部にはゴム
やクロスからなるスカート部材16が設けられており、こ
のスカート部材16はポリッシャ1とワーク11aとの間に
閉空間を構成するようになっている。このため、CHF
3が供給通路15を通してスカート部材16によって画成さ
れた閉空間に供給される。また、底盤10の外周部には砥
粒受け17が設けられており、この砥粒受け17は砥粒を受
けるようになっている。また、底盤10の外周部背面には
閉塞部材18が形成されており、この閉塞部材18は砥粒受
け17とポリッシャ1の間に形成されたスリット17aを通
してスカート部材16によって密閉された閉空間に連通さ
れている。なお、本実施形態では底盤10および閉塞部材
18が工具保持部材を構成している。
【0051】また、閉塞部材18には排気管(回収手段)
19が取付けられており、この排気管19はポリッシャ1と
ワーク11aとの間に画成された閉空間に供給されたCH
3を閉塞部材18を通して回収するようになっている。
また、砥粒受け17の外周部にはゴムカバー20が設けられ
ており、このゴムカバー20はスリット17aを閉塞するよ
うに砥粒受け17の外周部に延在し、ポリッシャ1とワー
ク11aとの間に画成された閉空間と閉塞部材18の密閉性
を高めるようになっている。
【0052】本実施形態では、第1実施形態と同様の方
法でワーク11aの研削を行なって第1実施形態と同様の
効果を得ることができる上に、供給通路15からスカート
部材16およびゴムカバー20によって密閉された閉空間に
CHF3を供給した後、スリット17aおよび閉塞部材18
を通して排気管19に回収することができるため、CHF
3の供給量を極めて少なく設定することができ、加工コ
スト低減に大きく寄与させることができた。また、使用
したCHF3をほとんど外部に出すことなく回収するこ
とができ、コストメリットもさることながら、雰囲気と
して地球温暖化係数が高いSF6やCF4のようなフルオ
ロカーボンを用いるときは重要な機構といえる。
【0053】また、本実施形態では、第1実施形態のよ
うにシリカパウダーを用いてサファイア基板の加工を行
った結果、同様の加工効率の促進効果が得られ、雰囲気
として加圧(0.5気圧程度)して供給したCHF3
ほとんど消費されなかった。
【0054】
【発明の効果】請求項1、4記載の発明によれば、砥粒
と被加工物固体の接触点に化学加工種を供給することに
より、砥粒と被加工物固体の接触点に限定して雰囲気が
化学的活性を持つことで被加工物固体表面に反応層が形
成され、これが砥粒に移着して除去されるプロセスによ
って研磨加工が進行する。そして、この研磨加工は高い
反応速度で被加工物に加工歪みを残さずに行なわれるの
で、被加工物固体の加工精度および加工効率を向上させ
ることができる。
【0055】また、雰囲気が接触点に限定して被加工物
固体に対する反応性を持つため、加工の空間選択性を向
上させることができる。また、接触点以外では活性を持
たないので環境に優しく、装置化を簡便に行うことがで
きる。さらに、砥粒は化学的な作用の機能をすべて持た
せず、雰囲気の活性化を促す機能と、被加工物固体の反
応層の除去効率を促進する機能しか持っていない。最も
重要な化学反応そのものは被加工物固体と雰囲気によっ
て発生する。したがって砥粒の依存性を低くすることが
でき、結果として加工における管理を簡単にすることが
できる。
【0056】また、加工範囲が限定された砥粒と被加工
物固体の接触箇所に化学加工種を供給すれば良いため、
供給される化学加工種の量も少なくすることができ、環
境および人体に安全な化学加工種を使用することで、被
加工物固体を加工することができる。請求項2記載の発
明によれば、砥粒と被加工物固体の接触点に化学加工種
を供給することにより、砥粒と被加工物固体の接触点に
限定して雰囲気が化学的活性を持つことで被加工物固体
表面に反応層が形成され、これが砥粒に移着して除去さ
れるプロセスによって研磨加工が進行する。そして、こ
の研磨加工は高い反応速度で被加工物に加工歪みを残さ
ずに行なわれるので、被加工物固体の加工精度および加
工効率を向上させることができる。
【0057】また、摩擦化学反応を制御性良く発生させ
るために必要な化学加工種の最低濃度は200Paであ
り、大気圧まで供給することなく、化学加工種の使用量
を低く抑えることができる。請求項3、6記載の発明に
よれば、砥粒と被加工物固体を0.8ms-1以上、か
つ、0.2ms-1以下を除いた範囲の平均相対速度で接
触させるようにしたので、CHF3雰囲気下で被加工物
固体表面との衝突によって砥粒酸化物表面の微小破壊が
発生すると、破断面の極近傍でCHF3が非常に強く活
性化して被加工物固体表面に還元反応による機械的強度
の低い表面層を発生させ、該表面層を砥粒が除去するこ
とで速やかに被加工物固体表面を加工することができ
る。
【0058】請求項5記載の発明によれば、スカート部
材によって密閉された被加工物固体と工具固体との間の
閉空間に化学加工種を供給するため、化学加工種の供給
量を大幅に低減することができ、加工コスト低減に大き
く寄与させることができる。また、被加工物固体と工具
固体との間の閉空間に供給された化学加工種を回収する
ようにしたため、SF6等の地球温暖化係数が高い気体
を用いたときにはこの気体を回収して、地球温暖化防止
に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る摩擦によって誘起される化学的除
去加工方法およびその加工装置の第1実施形態を示す図
であり、その加工装置の概略構成図である。
【図2】第1実施形態の大気中とCHF3雰囲気におけ
る単位時間当たりの研磨除去量の面圧依存性を示す図で
ある。
【図3】第1実施形態の研磨除去量に与えるCHF3
囲気の効果の面圧依存性を示す図である。
【図4】第1実施形態の研磨除去量の速度依存性の比較
を示す図である。
【図5】本発明に係る摩擦によって誘起される化学的除
去加工方法およびその加工装置の第2実施形態を示す図
であり、その加工装置の概略構成図である。
【図6】第2実施形態の加工装置の要部上面図である。
【図7】これまで開発されてきたメカノケミカルポリッ
シングの一覧を示す図である。
【符号の説明】
1 クロスポリッシャ(工具固体) 2 ワークワルダー(相対接触運動手段) 3 ワーク(被加工物固体) 7 ノズル(化学加工種供給手段) 10 底盤(相対接触運動手段、工具保持部材) 11 ワークホルダー(相対接触運動手段、被加工物保
持部材) 15 供給通路(化学加工種供給手段) 16 スカート部材 19 排気管(回収手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】砥粒を有する工具固体と被加工物固体を接
    触させ、この両者の相対運動によってこの接触点近傍の
    空間で物理現象を発生させてこれを励起源とし、この接
    触点近傍に供給された化学加工種を含む雰囲気を活性化
    させることにより、被加工物表面層と化学的な相互作用
    を行い、該被加工物表面層の機械特性が低下するように
    その化学状態を変化せしめ、これを機械的歪みを残さず
    に除去加工にするようにした摩擦によって誘起される化
    学的除去加工方法であって、 前記被加工物固体として無機物を用いるとともに、前記
    砥粒として前記被加工物固体よりも機械的強度が低い酸
    化物を用い、化学加工種として前記被加工物表面層の機
    械的特性が砥粒よりも低下するような化学反応を発生さ
    せるハロゲン元素を含んだものを供給するようにしたこ
    とを特徴とする摩擦によって誘起される化学除去加工方
    法。
  2. 【請求項2】前記被加工物固体として酸化物セラミック
    スを用いるとともに、前記砥粒としてシリカパウダーを
    用い、前記化学加工種として200Pa以上の濃度のC
    HF 3を用いたことを特徴とする請求項1記載の摩擦に
    よって誘起される化学除去加工方法。
  3. 【請求項3】前記砥粒と被加工物固体を0.8ms-1
    上、かつ、0.2ms-1以下を除いた範囲の平均相対速
    度で接触させることを特徴とする請求項1または2記載
    の摩擦によって誘起される化学除去加工方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の摩擦除去加工を行
    なう化学除去加工装置であって、 前記砥粒を有する工具固体と被加工物固体を弾性接触さ
    せ、この両者を相対運動させる接触相対運動手段と、前
    記工具固体と被加工物固体の接触点近傍の接触相対運動
    によって誘起された活性化状態に加工化学種を供給する
    加工化学種供給手段と、を備えたことを特徴とする摩擦
    によって誘起される化学除去加工装置。
  5. 【請求項5】前記相対接触運動手段が、前記工具固体を
    保持する工具保持部材と、前記被加工物固体を保持する
    被加工物保持部材と、前記工具保持部材の外周部に設け
    られ、前記被加工物固体と工具固体との間に閉空間を構
    成するスカート部材と、を有し、 前記化学加工種供給手段が、前記工具保持部材に形成さ
    れ、前記閉空間内に化学加工種を供給する供給通路を有
    し、 前記被加工物保持部材が、前記供給通路を通して閉空間
    に供給された化学加工種を回収する回収手段を有するこ
    とを特徴とする請求項4記載の摩擦によって誘起される
    化学除去加工装置。
  6. 【請求項6】前記相対接触運動手段は、前記砥粒と被加
    工物固体を0.8ms-1以上、かつ、0.2ms-1以下
    を除いた平均相対速度で接触させることを特徴とする請
    求項4または5記載の摩擦によって誘起される化学除去
    加工装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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