JPH1123514A - 酸化還元電流測定装置 - Google Patents

酸化還元電流測定装置

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JPH1123514A
JPH1123514A JP9189106A JP18910697A JPH1123514A JP H1123514 A JPH1123514 A JP H1123514A JP 9189106 A JP9189106 A JP 9189106A JP 18910697 A JP18910697 A JP 18910697A JP H1123514 A JPH1123514 A JP H1123514A
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counter electrode
sample liquid
oxidation
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JP9189106A
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Yoko Hayashi
陽子 林
Masashi Kakehi
正志 筧
Shinichi Akazawa
真一 赤沢
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DKK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄、製作が容易で、安定した測定に不可欠
である試料液の安定した流れを確保しやすく、検出極と
対極との位置関係を固定しやすく、装置全体が大型化せ
ず、しかも簡易な構成の静止電極型装置を提供する 【解決手段】 外側に試料液流路2、内側内部に対極室
3が形成された筒状フィルタ4と、筒状フィルタに接触
した状態で試料液流路に配置された検出極5と、対極室
3に配置された対極6とを備え、試料液の一部が検出極
と対極との間に介在することにより、検出極5と対極6
とが電気的に接続することを特徴とする。検出極5は筒
状フィルタ4に螺旋状に巻回す。また、対極6を取り付
けた支持棒8と筒状フィルタ4とを、それぞれの両端部
において互いに固定具9,10で固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静止した検出極に
試料液の流れを接触させて試料液中に含まれる成分の濃
度を求める酸化還元電流測定装置(以下「静止電極型装
置」という。)に関し、さらに詳しくは、水道水等のよ
うに試料液がある程度以上の濃度の電解質を含む場合に
好適に使用できる改良された静止電極型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来水道水中の残留塩素(主として遊離
塩素)等を測定する目的で、回転電極型又は振動電極型
の酸化還元電流測定装置が用いられている。しかし、こ
れらは、検出極を回転又は振動させるための駆動源(モ
ーター等)を備えているので、装置が大型でかつ消費電
力が大きいため、小型で軽量なハンディタイプの測定装
置とすることが難しかった。このため、厨房やプール等
で水道水中の残留塩素濃度を簡便に測定する等の用途に
は適さないものであった。
【0003】そこで、本出願人は先に図4に示すインラ
イン用の静止電極型装置を提案した(特開平8−278
284号公報参照)。静止電極型装置とは、検出極を動
かすのではなく、試料液が流れることにより検出極に接
する試料液が絶えず置換され、これにより、試料液中の
測定対象成分の濃度に応じた酸化還元電流を測定できる
ようにした装置である。
【0004】図4において、22は、円筒状の支持管、
24は支持管22内に設置された円筒状フィルタ、26
はフイルタ24の内面に接触した状態でフィルタ24に
取り付けられた検出極、28はフイルタ24の外面に接
触した状態でフィルタ24に巻き付けられた対極を示
す。対極28は、支持管22内面に形成された凹部30
内に配置されている。
【0005】本装置では、支持管22の一端が試料液流
入口32、他端が試料液流出口34に形成され、フィル
タ24の内側が試料液流路36に構成されている。ま
た、フイルタ24の外側が対極室(凹部30内)38に
形成され、試料液流路36と対極室38とがフィルタ2
4によって仕切られている。本装置では試料液流路36
からフィルタ24を通って試料液の一部が対極室に流入
することにより、検出極26と対極28とが電気的に接
続するようになっている。
【0006】本装置を用いて試料液中に含まれる測定対
象成分の濃度を測定する場合、支持管22内に試料液を
連続的に導入し、試料液流路36に試料液を連続的に流
すとともに、検出極26と対極28との間に測定電圧を
印可する。これにより、測定対象成分の濃度に応じた電
流が検出極26と対極28との間に流れる。従って、こ
の電流を検出することにより測定対象成分の濃度を求め
ることができる。
【0007】一方、本出願人は図5に示す静止電極型装
置も先に提案している(特開平8−278283号公報
参照)。本装置は、図5に示すように、フローセル11
2に検出極及び対極を備えた電極本体114の下部を挿
入した構造である。図5において、電極本体114は、
下端部にフィルタ116が取り付けられた支持管118
と、支持管118の内部に固定された対極120と、フ
ィルタ116の外面上に固定された検出極122とを具
備するもので、支持管118内には塩化ナトリウム錠剤
等の電解質124が入れられている。本装置では、フロ
ーセル112内を流れる試料液126の一部がフィルタ
116を通って電極本体内に流入し、この試料液に電解
質124が溶解して電解液が生成し、この電解液がフィ
ルタ116を通って滲み出すことにより、検出極と対極
とが電気的に導通して測定可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者ら
は、上記図4、図5に示す装置には、以下のように改良
すべき点があることを見いだした。
【0009】まず、図4に示す装置について検討した結
果、本発明者らは検知極の試料液による汚れが、測定値
に対して誤差を与えやすいことを見いだした。これは、
汚れにより、有効に酸化還元反応が起きる面積が減少す
ることに基づくものと考えられる。これに対して、対極
は一定の電位さえ得られればよいので、汚れによる測定
値への影響が検知極の場合より小さい。従って、検出極
の洗浄を行いやすいことが重要であるが、上記インライ
ン用装置のように筒状フィルタの内部に検知極を設けた
場合では、洗浄が困難である。
【0010】また、検知極には金、白金等の高価な金属
を用いる場合が多いので、通常線状のものを用いる。一
方、検知極は対極との距離を一定に保つため、筒状フィ
ルタに密着して配置しなくてはならない。しかしなが
ら、線状の検知極を筒状フィルタの内側内部に密着して
配置することは製作上困難である。
【0011】一方図5に示す装置の場合、検出極が電極
本体の外部に設けられているため、洗浄が容易であり製
作上の問題も少ない。しかし、本装置の場合、対極室は
筒状フィルタの内部を一部含むものの、基本的にその上
端部よりも上方に接続された大径の支持管内部に設けら
れている。このため、対極室に電解質を供給するために
は利用しやすいが装置が大型化しやすい。また、試料液
が直線的に流れる部分を確保して安定な試料液の流れを
得ようとすると、フィルタとフローセルを上下方向に長
くしなければならず、これも装置の大型化につながって
いた。さらに、対極は対極室上部において繋止されてい
るのみで、検出極に近い下端部は繋止されていない状態
である。このため、検出極と対極との位置関係が不安定
になりやすく測定精度上問題が生じやすい。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、第1の課題は洗浄が容易であり、長期間安定した測
定が可能な静止電極型装置を提供することにある。ま
た、第2の課題は、製作が容易な静止電極型装置を提供
することにある。また、第3の課題は、安定した測定に
不可欠である試料液の安定した流れを確保しやすい静止
電極型装置を提供することにある。また、第4の課題
は、検出極と対極との位置関係を固定しやすく安定な測
定が可能な静止電極型装置を提供することにある。さら
に、第5の課題は装置全体が大型化せず簡易な構成の静
止電極型装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、筒状フィルタの外側に検出極を配置する
とともに、筒状フィルタの内側内部に対極を配置するこ
とに想到した。すなわち、請求項1に記載の酸化還元電
流測定装置は、外側に試料液流路、内側内部に対極室が
形成された筒状フィルタと、筒状フィルタに接触した状
態で試料液流路に配置された検出極と、対極室に配置さ
れた対極とを備え、試料液の一部が検出極と対極との間
に介在することにより、検出極と対極とが電気的に接続
することを特徴とする。
【0014】本発明の酸化還元電流測定装置に用いる筒
状フィルタは、試料液が筒状という簡易な構造のフィル
タ外部を流れるため、途中で遮断されることなく安定し
た流れを確保しやすい。なお、試料液流路は、本発明の
酸化還元電流測定装置を試料液流の中に挿入した際に筒
状フィルタの外側に形成されるものであるが、この筒状
フイルタの外面形状に沿った形状のフローセル内に挿入
して使用することが好ましい。例えば、筒状フィルタの
形状が円筒状の場合、円筒状のフローセルに挿入するこ
とにより、断面が輪状の均一な試料液流路が確保でき
る。
【0015】また、フィルタの材質は、形状が容易に変
形しないものであれば特に制限はないが、試料液の一部
を試料液流路から対極室へと浸透させ、検出極と対極と
の間に介在させることができることが必要である。ま
た、フィルター内に試料液がスムーズに浸透するために
は、親水性の材質であることが好ましい。なお、フィル
タの全体を試料液が浸透可能な材質で製作するほか、一
部を試料液が浸透できない材質とし、浸透可能な材質と
組み合わせて筒状に製作してもよい。
【0016】本発明において検出極は、フィルタに接し
ていることが必要である。これは、検出極を強固に固定
し、装置の構造的な強度を高くすると共に、検出極と対
極の位置関係を安定させて測定精度の安定性を高めるた
めであるが、本装置では、検出極をフィルタの外側に設
けたため検出極をフィルタに密着させて製作することが
容易である。また、検出極の洗浄も容易に行うことがで
きるので、汚れが測定値に影響を与えにくい。
【0017】検出極を筒状フィルタに接触した状態で試
料液流路に配置する方法としては、筒状フィルタの外周
に螺旋状に巻き付ける方法の他、網状の検出極をフィル
タの外周にかぶせる方法や、フィルタの一部に面状の検
出極を張り付ける方法等が考えられる。
【0018】また、対極室を筒状フィルタの内側内部に
配置している。内側内部とは、筒状フィルタの外側に別
途大径の支持管等を接続してその内部に対極室を配置す
る構造とせず、ほぼ筒の両端の範囲内に配置するという
意味である。このため、全体の構成を小さくすることが
できる。また、対極室内に配置された対極と筒状フィル
タとを互いに繋止しやすいので、両者の位置関係、すな
わち、対極と検出極との位置関係を固定しやすい。
【0019】対極室には、例えば塩化ナトリウム錠剤、
塩化カリウム錠剤等の試料液に溶解して電解質溶液を生
成させる電解質を入れておいたり、外部の電解質溶液か
らの電解質溶液を供給できるように電解質溶液供給口を
設けておいたりすることも可能である。しかしながら、
試料液自体にある程度の電解質が含まれる場合、具体的
には導電率にして数10μS/cm以上、望ましくは1
00μS/cm以上の場合には、そのような電解質供給
手段が不要のため対極室には対極のみを配置すれば足
り、対極室を小さく形成することができる。
【0020】対極を対極室に配置する方法としては、フ
ィルタの内周に対極を取り付ける方法も考えられるが、
製作の容易性を考慮するとフィルタの内部に棒状の対極
又は対極を取り付けた支持棒を挿入する方法が便利であ
る。ここで、棒状の対極とは、棒状体全体が対極の材質
で形成されているものをいい、対極を取り付けた支持棒
とは、支持棒の表面に対極材質の線状体を巻回したり、
面状の対極材質を張り付けたりしたものをいう。いずれ
の方法にせよ、検出極との間に安定した位置関係を保て
る構造が望ましい。
【0021】本発明の酸化還元電流測定装置は、例えば
遊離塩素、溶存酸素、溶存水素、溶存オゾン、ヒドラジ
ンの測定装置に構成することができるが、測定対象成分
はこれらに限定されるものではない。また、検出極及び
対極の材質は目的に応じて適宜選択することができる。
なお、本発明の酸化還元電流測定装置は、必要に応じて
検出極と対極との間に一定の測定電圧をかけることも可
能である。この場合、測定電圧の値は測定対象等を考慮
して適宜設定することができる。
【0022】本発明の酸化還元電流測定装置によれば、
試料液が流れることにより検出極に接した試料液が絶え
ず置換されるので、試料液の性状に対応した酸化還元電
流が検出極において発生可能となる。そして、試料液流
路を流れる試料液の一部がフィルタを介して検出極と対
極との間に介在することにより検出極と対極との間の電
気的接続が得られるので、酸化還元電流が測定できるも
のである。
【0023】また、請求項2に記載の酸化還元電流測定
装置は、請求項1に記載の装置の特徴に加えて前記検出
極が前記筒状フィルタに螺旋状に巻回した線状の検出極
であることを特徴とする。
【0024】本発明の酸化還元電流測定装置では、検出
極をフィルタに巻き付けて両端部のみ接着剤や留め具で
固定しておけば、容易にフィルタに密着させて位置を固
定することができる。すなわち、検出極の位置が固定さ
れて安定な測定が可能である装置を容易に製作できる。
【0025】また、フィルタの全面に検出極を平面状に
設けた場合は、試料液の流れが層流となり、検出極に直
接接している試料液が置き換わりにくいので充分な酸化
還元反応が得られない。しかし、本装置によれば、検出
極の太さ分の凹凸が検出極の外側とフィルタ間に存在す
るので、直進してきた試料液の流れがこの凹凸に当た
り、検出極に接している試料液が特に外側において置換
されやすくなる。従って、充分な酸化還元反応とそれに
よる酸化還元電流が得られ、感度が向上する。
【0026】また、上記凹凸は螺旋状に存在するので、
全体として試料液の流れを妨げることがない。従って、
試料液の安定した流れを確保しやすい。なお、巻き数を
適宜増やすことにより測定感度の向上が図れる。
【0027】また、請求項3に記載の酸化還元電流測定
装置は、請求項1又は請求項2に記載の装置の特徴に加
えて、前記対極が棒状の対極または支持棒の表面に取り
付けた対極であって、前記棒状の対極又は前記対極を取
り付けた支持棒と、前記筒状フィルタとを、それぞれの
両端部において互いに固定具で固定したことを特徴とす
る。
【0028】本発明の酸化還元電流測定装置によれば、
検出極と対極の位置関係が固定されるので、安定した測
定が可能である。対極と筒状フィルタの互いの位置関係
を固定する態様としては、対極を筒状フィルタに接触し
た状態で取り付ける態様等も考えられるが、製作の容易
性を考慮すると、請求項3記載の態様のように棒状の対
極又は対極を取り付けた支持棒を筒状フィルタの内部に
挿入して筒状フィルタとの間を固定する方法が好まし
い。
【0029】この場合、棒状の対極等の外径を筒状フィ
ルタの内径とほぼ同一としてフィルタ内部に嵌挿するこ
ともできるが、筒状フィルタとの間に間隙が形成できる
ように筒状フィルタの内径よりやや小径とすることが特
に支持棒に対極を取り付けた場合に好ましい。これによ
り、フィルタ内部に緩挿できるので挿入時に対極に余分
な力が加わらないのという効果が得られる。
【0030】また、固定する場所は、筒状フィルタ内の
複数の箇所に棒状の対極等を固定することができるが、
請求項3記載の態様のように、棒状の対極又は前記対極
を取り付けた支持棒と、筒状フィルタとを、それぞれの
両端部において互いに固定具で固定することが好まし
い。これにより、対極全体を安定に配置できると共に、
製作も容易となる。
【0031】棒状の対極等と筒状フィルタを固定具で互
いに固定する方法としては、固定具とそれぞれの部材と
を接着、圧接、螺合、嵌合若しくは一体成型する等、又
はこれらの方法を組み合わせる等適宜の方法で行うこと
ができる。
【0032】また、請求項4に記載の酸化還元電流測定
装置は請求項3に記載の装置の特徴に加えて、前記試料
液流路の上流側に配置された前記固定具が、試料液の上
流方向に向かうに従い断面積が減少するテーパー部を有
することを特徴とする。本発明の酸化還元電流測定装置
によれば、固定具により試料液の流れを妨げることがな
いので試料液の安定した流れを確保することができる。
【0033】また、請求項5に記載の酸化還元電流測定
装置は請求項3又は請求項4のいずれかに記載の装置の
特徴に加えて、前記試料液流路の下流側に配置された前
記固定具の内部を通して検出極リード線と対極リード線
とを導出したことを特徴とする。
【0034】本発明の酸化還元電流測定装置では、検出
極リード線と対極リード線の双方を同一箇所から導出す
るようにしたので、測定信号を簡便に取り出すことがで
きる。また、試料液流路の上流側の固定具からはリード
線を導出しないので、上流側固定具は試料液中に露出す
ることができる。このため、試料液の安定した流れを得
やすい。
【0035】また、請求項6に記載の酸化還元電流測定
装置は請求項1から請求項5のいずれかに記載の装置の
特徴に加えて、前記筒状フィルタの両端部の内、上方に
配置される端部の近傍において空気孔を設けたことを特
徴とする。
【0036】本発明の酸化還元電流測定装置では、筒状
フィルタの内側内部に試料液が流入しやすくなる。ま
た、フィルタの外側に比べて試料液の動きが緩慢である
ことによりフィルタ内部で気泡が発生しても、空気孔か
ら外部に逃がすことができる。従って、検出極と対極と
の間の電気的接続が安定に確保できる。
【0037】前述の従来例(図5)のように、フィルタ
の上端部よりも上方に接続された大径の支持管内部に対
極室が形成されている場合には、気泡が対極室上部で開
放されるものであるが、本発明のように、筒状フィルタ
の内側内部という細長い空間に対極室を形成した場合に
は、このような空気孔を設けることが好ましい。対極室
内に電解質溶液を供給するために塩化ナトリウムの錠剤
を配置する等の必要がない場合には対極室を非常に小径
に形成できるので、特に空気孔が必要となる。
【0038】なお、空気孔をフィルタの端部近傍に設け
たのは、フィルタの外側に配置した検出極が対極とフィ
ルタを介して電気的に接続する状態を崩さないためであ
る。また、両端部の内、上方に配置する端部の近傍とし
たのは、気泡の逃げ出しを容易にするためである。
【0039】また、請求項7に記載の酸化還元電流測定
装置は請求項1から請求項6のいずれかに記載の装置の
特徴に加えて、試料液が水道水であることを特徴とす
る。ここで水道水とは、生活用水、工業用水等の目的で
水道を通って供給される水のことをいう。また、蛇口か
ら供給された直後の水道水だけでなく、供給途中の水道
水や供給後使用中の水道水も含むものである。
【0040】本発明の酸化還元電流測定装置では、試料
液自体がある程度の電解質を含んでいる。例えば、各家
庭等に供給された直後の水道水中の電解質は通常導電率
にして100μS/cm〜300μS/cm程度の電解
質を含む。このため、対極室に塩化ナトリウムの錠剤を
入れておいたり、外部のタンクから電解質溶液を対極室
に供給したりする必要がない。すなわち、対極室には対
極を配置できる大きさがあれば足り、また、外部からの
配管を取り付ける必要もない。従って、装置全体を小さ
く簡易な構成とすることができる。
【0041】また、請求項8記載の酸化還元電流測定装
置は請求項1から請求項6のいずれかに記載の装置の特
徴に加えて、試料液がプール用水であることを特徴とす
る。ここで、プール用水とは水道水や井戸水等に塩素殺
菌剤を投入して水泳用のプール内で使用する水をいう。
【0042】本発明の酸化還元電流測定装置でも、試料
液自体がある程度の電解質を含んでいる。(通常導電率
にして100μS/cm〜500μS/cm程度)この
ため、装置全体を小さく簡易な構成とすることができ
る。
【0043】
【発明の実施の形態】以下図に沿って本発明の実施の形
態を説明する。図1〜図3は、本発明に係る水道水又は
プール用水中の遊離塩素を測定するための酸化還元電流
測定装置の一実施形態例を示すもので、図1は要部断面
図、図2は全体の一部断面図、図3は使用状態を示す図
である。
【0044】本実施形態例に係る酸化還元電流測定装置
1は、図1に示すように、外側に試料液流路2、内側内
部に対極室3が形成された筒状フィルタ4と、筒状フィ
ルタに接触した状態で試料液流路に配置された検出極5
と、対極室3に配置された対極6とを基本的に備えてい
る。
【0045】ここで、検出極5は筒状フィルタ4に螺旋
状に巻回した線状の検出極である。また、対極6は筒状
フィルタ4内に挿入された支持棒8の表面に螺旋状に取
り付けられている。そして、支持棒8と筒状フィルタ4
はその上端部において固定具9で、下端部において固定
具10でそれぞれ固定されている。固定具10は下部に
向かうに従い(換言すれば試料液の上流方向に向かうに
従い)断面積が減少するテーパー部を有している(後述
するように、固定具10は、試料液流に対向する形で設
置されることを想定している。)。
【0046】本実施形態例では、固定具9と支持棒8は
一体に成型されている。そして、支持棒8の下端部には
雄ネジ8aが設けられており、固定具10の対極室に面
する箇所に設けられた雌ネジ10aに螺合できるように
なっている。固定具10を支持棒8に螺合するに先立ち
支持棒8を筒状フィルタ4に挿入し、その後に固定具1
0を螺合すると、固定具9と固定具10の間に筒状フィ
ルタ4が挟み込まれることにより固定されるようになっ
てぃる。
【0047】図2に示すように、固定具9の内部を通し
て検出極リード線11と対極リード線12とが導出され
ている。なお、検出極リード線11に接続された検出極
5は、固定具9に穿設された小孔を通じてフィルタ4の
近傍において外部に取り出され、その後、筒状フィルタ
4の外周面に巻き付けられている。また、筒状フィルタ
4の上端部近傍において対極室3から試料液流路2に通
じる空気孔13が設けられている。
【0048】本実施形態例においてはまた、対極室3内
に温度検出素子14が設けられている。温度検出素子1
4のリード線15もまた、固定具9の内部を通して導出
されている。
【0049】試料液流路2は、例えば図3に示すように
フローセル16の中に酸化還元電流測定装置1を挿入す
ることにより、フローセル16の内壁と、筒状フィルタ
4の間に形成される。ここで、16aは試料液入口、1
6bは試料液出口であり酸化還元電流測定装置1の下方
から上方に向かう流れが形成されるようになっている。
【0050】また、酸化還元電流測定装置1は、試料出
口16bよりも上方で固定具9の鍔部分に形成された溝
9aにおいて、環状パッキング18を介してフローセル
16に水密に装着されている。なお、19はリード線束
で、検出極リード線11、対極リード線12、及び温度
検出素子14のリード線15を内部に収納した状態でリ
ード線束取り付け部材19aを固定具9に螺合して取り
付けられている。
【0051】本実施形態例において、検出極は白金、対
極は銀/塩化銀電極である。また、測定電圧は、0.1
5〜0.3ボルトであるが、0〜0.35ボルトの範囲
で設定することも可能である。
【0052】本実施形態例の酸化還元電流測定装置で測
定する場合、試料液は、フローセル16と筒状フィルタ
4の間に形成された試料液流路2を図3の下方から上方
に向かって流れる。その過程で試料液の一部はフィルタ
を通り対極室3に導入されるので、検出極と対極とが電
気的に接続される。また、検出極6に接する試料液は常
に置換されるので、試料液中の遊離塩素に対応した酸化
還元電流が検出極と対極との間に流れる。この酸化還元
電流から遊離塩素の濃度を求めることができる。
【0053】本実施形態例の酸化還元電流測定装置によ
れば、フィルタ部分を例えば長さ2cm、直径10〜2
0mm、検出極の太さを直径0.4mm、長さを7cm
として、20〜200ml/分程度で試料液を流してや
れば、水道水又はプール用水中に含まれる。0.2〜
2.0mg/l程度の遊離塩素を充分に測定できるの
で、指示変換器まで考慮しても装置全体を非常に小さく
形成できる。従って、ハンディタイプの遊離塩素測定装
置として構成し、複数の場所に携帯して順次測定に供す
ることが可能である。
【0054】
【発明の効果】本発明の酸化還元電流測定装置によれ
ば、洗浄が容易であり長期間安定した測定が可能である
とともに製作が容易である。また、精密な測定に不可欠
である試料液の安定した流れを確保しやすい。また、検
出極と対極との位置関係を固定しやすく安定な測定が可
能である。さらに、装置全体を簡易な構成で非常にコン
パクトに構成することができるので、ハンディタイプの
装置として構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る酸化還元電流測定装置の一実施形
態例を示す要部断面図である。
【図2】本発明に係る酸化還元電流測定装置の一実施形
態例を示す一部断面図である。
【図3】本発明に係る酸化還元電流測定装置の一実施形
態例の使用状態を示す図である。
【図4】従来の酸化還元電流測定装置を示す断面図であ
る。
【図5】従来の他の酸化還元電流測定装置を示す概略図
である。
【符号の説明】
1 酸化還元電流測定装置 2 試料液流路 3 対極室 4 筒状フィルタ 5 検出極 6 対極 8 支持棒 9 固定具 10 固定具 11 検出極リード線 12 対極リード線 13 空気孔 14 温度検出素子 15 リード線 16 フローセル 18 環状パッキング 19 リード線束

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外側に試料液流路、内側内部に対極室が
    形成された筒状フィルタと、筒状フィルタに接触した状
    態で試料液流路に配置された検出極と、対極室に配置さ
    れた対極とを備え、試料液の一部が検出極と対極との間
    に介在することにより、検出極と対極とが電気的に接続
    することを特徴とする酸化還元電流測定装置。
  2. 【請求項2】 前記検出極が前記筒状フィルタに螺旋状
    に巻回した線状の検出極であることを特徴とする請求項
    1記載の酸化還元電流測定装置。
  3. 【請求項3】 前記対極が棒状の対極または支持棒の表
    面に取り付けた対極であって、前記棒状の対極又は前記
    対極を取り付けた支持棒と、前記筒状フィルタとを、そ
    れぞれの両端部において互いに固定具で固定したことを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載の酸化還元電流測
    定装置。
  4. 【請求項4】 前記試料液流路の上流側に配置された前
    記固定具が、試料液の上流方向に向かうに従い断面積が
    減少するテーパー部を有することを特徴とする請求項3
    記載の酸化還元電流測定装置。
  5. 【請求項5】 前記試料液流路の下流側に配置された前
    記固定具の内部を通して検出極リード線と対極リード線
    とを導出したことを特徴とする請求項3又は請求項4記
    載の酸化還元電流測定装置。
  6. 【請求項6】 前記筒状フィルタの両端部の内、上方に
    配置される端部の近傍において空気孔を設けたことを特
    徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項
    4又は請求項5記載の酸化還元電流測定装置。
  7. 【請求項7】 試料液が水道水であることを特徴とする
    請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請
    求項5又は請求項6記載の酸化還元電流測定装置。
  8. 【請求項8】 試料液がプール用水であることを特徴と
    する請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又
    は請求項5又は請求項6記載の酸化還元電流測定装置。
JP9189106A 1997-06-30 1997-06-30 酸化還元電流測定装置 Pending JPH1123514A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009017149A (ja) * 2007-07-04 2009-01-22 Nec Commun Syst Ltd 転送装置及びそれに用いるフレーム無終端中継方法
JP2018017581A (ja) * 2016-07-27 2018-02-01 水青工業株式会社 オゾン水濃度センサーおよびオゾン水濃度測定装置

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