JPH08278284A - 酸化還元電流測定装置 - Google Patents

酸化還元電流測定装置

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JPH08278284A
JPH08278284A JP7103092A JP10309295A JPH08278284A JP H08278284 A JPH08278284 A JP H08278284A JP 7103092 A JP7103092 A JP 7103092A JP 10309295 A JP10309295 A JP 10309295A JP H08278284 A JPH08278284 A JP H08278284A
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counter electrode
sample liquid
detection electrode
filter
electrode
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JP7103092A
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English (en)
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Shinichi Akazawa
真一 赤沢
Mitsuru Goto
満 後藤
Toshiko Katou
逸子 加藤
Naomi Narasaki
直美 楢崎
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DKK Corp
Original Assignee
DKK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料液に含まれる測定対象成分の濃度を酸化
還元電流測定式によって求めるための酸化還元電流測定
装置において、検出極を強固に固定して装置の構造的強
度を高め、かつ検出極と対極との位置関係を安定させて
測定精度の安定性を高める。また、インライン用センサ
として使用でき、かつどのような向きでも設置できるよ
うにする。さらに、導電率の低い試料液中の成分の測定
や高濃度の成分の測定を行えるようにする。 【構成】 筒状フィルタ2の内側に試料液流路4、外側
に対極室6を形成し、試料液流路4に検出極8をフィル
タ2に接触させて配置する。そして、試料液の一部がフ
ィルタ2を介して検出極8と対極10との間に介在する
ことにより、両極8、10が電気的に接続するようにす
る。また、対極室6に電解質溶液を生成させる電解質供
給機構を設け、対極室6に生成した電解質溶液が検出極
8と対極10との間に介在することにより両極8、10
が電気的に接続するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料液に含まれる測定
対象成分の濃度を酸化還元電流測定式によって求めるた
めの酸化還元電流測定装置に関し、さらに詳しくは、筒
状フィルタの内側に試料液を流し、この試料液を検出極
に直接接触させて測定を行う内部流通型の酸化還元電流
測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】試料液
に含まれる測定対象成分の濃度を酸化還元電流測定式に
よって求めるための酸化還元電流測定装置として、従来
図6(a)、(b)に示すものが知られている。図6
(a)、(b)の装置において、100は測定槽、10
2は試料液導入管、104は試料液排出管であり、導入
管102から測定槽100内に導入された試料液106
は測定槽100内を流れて排出管104から排出され
る。108及び110はそれぞれ試料液106に浸漬さ
れた検出極及び対極を示す。本装置は、検出極108に
試料液106中の測定対象成分が接触したときに検出極
108と対極110との間に流れる酸化還元電流を検出
し、この電流値から測定対象成分の濃度を求めるもので
ある。なお、試料液106の導電率が低い場合には、試
料液106に予め電解質を混合してから測定を行う。
【0003】しかし、図6(a)、(b)に示した酸化
還元電流測定装置は、下記〜に示す欠点を有するも
のであった。 検出極及び対極の両極を測定槽内に配置する構造であ
るため、構造的に強度が低い。したがって、耐久性が低
い。 検出極と対極との位置関係が不安定になり易く、した
がって安定性に劣り、高精度測定を安定に行うことが難
しい。 測定槽に試料液を導入して測定を行う構造であるた
め、試料液が流れる管に介装して用いる簡便なインライ
ン用センサとして使用することができない。 試料液の導電率が低い場合には試料液に予め電解質を
混合しなければならず、そのための付加機構が必要とな
る。
【0004】これに対し、検出極及び対極を固定して動
きにくくした酸化還元電流測定装置として、図7に示す
ように、フローセル112に検出極及び対極を備えた電
極本体114の下部を挿入した構造のものが提案されて
いる。図7の装置の電極本体114は、下端部にフィル
タ116が取り付けられた支持管118と、支持管11
8の内部に固定されたカソード120と、フィルタ11
6の外面上に固定されたアノード122とを具備するも
ので、支持管内118内には塩化ナトリウム錠剤等の電
解質124が入れられている。本装置では、フローセル
112内を流れる試料液126の一部がフィルタ116
を通って電極本体内118に流入し、この試料液に電解
質124が溶解して電解液が生成し、この電解液がフィ
ルタ116を通ってフローセル112内の試料液126
中に滲み出すことにより、アノード122とカソード1
20とが電気的に導通して測定可能となる。
【0005】しかし、図7の装置は、フローセルに試料
液を導入して測定を行う構造であるため、試料液が流れ
る管に介装して用いる簡便なインライン用センサとして
使用することができず、プロセスへの設置工事が面倒で
あるという欠点があった。また、図7の装置は、フロー
セルを下、電極本体を上にした状態(図7の状態)でし
か使用することができないため、設置態様に制限があ
り、この点でも設置工事が面倒であった。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、検出極が強固に固定されていて構造的に強度が高
く、かつ検出極と対極との位置関係が安定していて測定
精度の点で優れた安定性を示し、しかも簡便なインライ
ン用センサとして用いることができるとともに、どのよ
うな向きでも設置することが可能な酸化還元電流測定装
置を提供することを第1の目的とする。また、本発明
は、上記の特徴を有する上、導電率の低い試料液中の成
分の測定や、高濃度の成分の測定を行うことができる酸
化還元電流測定装置を提供することを第2の目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、下記第1〜2発明を提供する。 (1)第1発明 内側に試料液流路、外側に対極室が形成された筒状フィ
ルタと、筒状フィルタに接触した状態で試料液流路に配
置された検出極と、対極室に配置された対極とを備え、
試料液の一部が検出極と対極との間に介在することによ
り、検出極と対極とが電気的に接続することを特徴とす
る酸化還元電流測定装置。
【0008】(2)第2発明 内側に試料液流路、外側に対極室が形成された筒状フィ
ルタと、筒状フィルタに接触した状態で試料液流路に配
置された検出極と、対極室に配置された対極と、対極室
に電解質溶液を生成させる電解質供給機構とを備え、対
極室に生成した電解質溶液が検出極と対極との間に介在
することにより、検出極と対極とが電気的に接続するこ
とを特徴とする酸化還元電流測定装置。
【0009】第1発明に用いる筒状フィルタの材質に特
に制限はなく、試料液の一部を検出極と対極との間に介
在させることができるものであればどのような材質であ
ってもよい。また、第2発明に用いる筒状フィルタの材
質にも制限はなく、対極室に生成した電解質溶液が滲み
出すことにより、該溶液を検出極と対極との間に介在さ
せることができるものであればどのような材質であって
もよい。なお、筒状フィルタの形状は円筒状であること
が好ましい。
【0010】第1発明及び第2発明において、検出極は
フィルタに接触していることが必要である。このように
することにより、検出極を強固に固定することができる
ため、装置の構造的な強度を高くすることが可能になる
とともに、検出極の位置合わせを容易に行うことがで
き、検出極と対極との位置関係を安定させることができ
るため、測定精度の安定性を高めることが可能になる。
また、第2発明において検出極がフィルタに接触してい
ない場合は、検出極とフィルタとの間に電解質を含まな
い試料液が入り込み検出極と対極とが電気的に遮断され
ることがある。
【0011】第1発明及び第2発明において、対極はフ
ィルタに接触していることが好ましい。このようにした
場合、検出極及び対極の両方を強固に固定することがで
きるため、装置の構造的な強度をさらに高くすることが
可能になるとともに、検出極及び対極の位置合わせを容
易に行って検出極と対極との位置関係を固定することが
できるため、測定精度の安定性をさらに高めることが可
能になる。
【0012】第2発明において電解質供給手段を構成す
る方法としては、例えば、塩化ナトリウム錠剤、塩化カ
リウム錠剤等の試料液に溶解して電解質溶液を生成させ
る電解質を対極室に入れておき、試料液流路からフィル
タを通って対極室に流入する試料液の一部に上記電解質
を溶解させることにより対極室に電解質溶液を生成させ
る方法、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の電解質の溶
液やゲルを対極室に入れておく方法などを採用すること
ができる。
【0013】本発明の酸化還元電流測定装置は、例えば
遊離塩素、溶存酸素、溶存水素、溶存オゾン、ヒドラジ
ンの測定装置に構成することができるが、測定対象成分
はこれらに限定されるものではない。また、検出極及び
対極の材質は目的に応じて適宜選択することができる。
【0014】なお、本発明の酸化還元電流測定装置は、
必要に応じて検出極と対極の間に一定の測定電圧をかけ
ることも可能である。この場合、測定電圧の値は測定対
象等を考慮して適宜設定することができる。
【0015】
【作用】第1発明の酸化還元電流測定装置は、図1に示
すように、筒状フィルタ2の内側を試料液流路4、外側
を対極室6に構成してフィルタ2で試料液流路4と対極
室6とを仕切るとともに、試料液流路4に検出極8、対
極室6に対極10をそれぞれ配置し、試料液流路4を流
れる試料液の一部がフィルタ2を介し検出極8と対極1
0との間に介在することにより、検出極8と対極10と
が電気的に接続するようにしたので、試料液流路4に試
料液を流すことにより、試料液を検出極8に直接接触さ
せて酸化還元電流測定式で試料液に含まれる測定対象成
分の濃度を測定することができる。
【0016】第2発明の酸化還元電流測定装置は、図1
の装置において、対極室6に電解質溶液を生成させる電
解質供給手段を設け、対極室6に生成した電解質溶液が
フィルタ2に染み込んで検出極8と対極10との間に介
在することにより、検出極8と対極10とが電気的に接
続するようにしたので、試料液流路4に試料液を流すこ
とにより、試料液を検出極8に直接接触させて酸化還元
電流測定式で試料液に含まれる測定対象成分の濃度を測
定することができる。
【0017】この場合、第1発明及び第2発明の装置で
は、検出極8を筒状フィルタ2の内側に接触させて配置
してあるので、検出極8が強固に固定され構造的に強度
が高く、しかも検出極8と対極10との位置関係が安定
しているので測定精度の点で優れた安定性を示す。ま
た、筒状フィルタ2の内側に試料液を流して測定を行う
ため、試料液が流れる管に介装することができ、したが
って設置工事の簡単なインライン用センサとして使用す
ることができる。
【0018】第2発明の装置では、対極室6に電解質供
給手段を設けてあるので、純水のように導電率の低い試
料液や、高濃度の測定対象成分を含み測定電流の値が大
きくなる試料液でも、液抵抗と測定電流の積による電圧
降下(iRドロップ)を抑えて正確に測定することがで
きる。
【0019】すなわち、酸化還元電流測定装置において
は、検出極の電位が多少変動してもほぼ一定の測定電流
が得られる電位を測定電圧として印加することが必要に
応じて行われるが、iRドロップが大きいと測定電圧と
検出極の電位がずれてしまう。このため、通常試料液に
電解質溶液を予め添加してから測定することが行われる
が、多量の電解質溶液の添加を必要とするとともに、高
濃度の試料液の場合iRドロップが抑えきれず測定がで
きない場合がある。
【0020】第2発明の装置では、対極室に生成した電
解質溶液はフィルタを介して試料液流路側に滲み出てい
くことができるので、試料液流路側もフィルタの近傍に
関する限り電解質溶液が存在する状態となっている。こ
こで、検出極はフィルタに接触した状態で配置されてお
り、検出極と対極との間に試料液が入り込む余地はな
い。したがって、検出極と対極の間は液抵抗の低い電解
質溶液を介して電気的に接続されることになる。この電
解質溶液は、試料液流路側に流出はするもののその量は
ごく僅かなので、iRドロップがほぼゼロとなる状態
が、少量の電解質の使用で容易に得られるものである。
したがって、導電率の低い試料液や、高濃度の測定対象
成分を含み測定電流の値が大きくなる試料液でも、低い
装置コスト、運転コストで簡便に測定することが可能と
なる。
【0021】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に示す
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0022】第1実施例 図2は第1発明の酸化還元電流測定装置の一実施例を示
す。本装置において、22は円筒状の支持管、24は支
持管22内に配設された円筒状フィルタ、26はフィル
タ24の内面に接触した状態でフィルタ24に取り付け
られた検出極、28はフィルタ24の外面に接触した状
態でフィルタ24に巻き付けられた対極を示す。対極2
8は、支持管22の内面に形成された凹部30内に配置
されている。
【0023】本実施例の装置では、支持管22の一端が
試料液流入口32、他端が試料液流出口34に形成さ
れ、フィルタ24の内側が試料液流路36に構成されて
いる。また、フィルタ24の外側が対極室(凹部30
内)38に形成され、試料液流路36と対極室38とが
フィルタ24によって仕切られている。本実施例の装置
では、試料液流路36からフィルタ24を通って試料液
の一部が対極室38に流入することにより、検出極26
と対極28とが電気的に接続するようになっている。
【0024】本実施例の装置を用いて試料液に含まれる
測定対象成分の濃度を測定する場合、支持管22内に試
料液を連続的に導入し、試料液流路36に試料液を連続
的に流すとともに、検出極26と対極28との間に測定
電圧を印加する。これにより、試料液の一部がフィルタ
24を通って対極室38に流入し、試料液流路36を流
れる試料液に含まれる測定対象成分の濃度に対応する電
流が検出極26と対極28との間に流れる。したがっ
て、この電流を検出することにより測定対象成分の濃度
を求めることができる。
【0025】本実施例の酸化還元電流測定装置は、筒状
フィルタ24の内面に検出極26、外面に対極28を接
触させて両極26、28を強固に固定してあるので、構
造的に強度が高く、メンテナンスも容易であり、しかも
両極26、28の位置関係が固定されているので、測定
精度の点で優れた安定性を示す。また、筒状フィルタ2
4の内側を試料液流路36に構成してあるので、支持管
22を試料液が流れる管に介装することによりインライ
ン用センサとして使用することができる。さらに、試料
液を検出極26に直接接触させて測定を行うので、感度
が高く、応答速度も速くなる。
【0026】第2実施例 図3は第2発明の酸化還元電流測定装置の一実施例を示
す。本装置は、図2の装置において、支持管22にリザ
ーバタンク40をその先端開口部を凹部30に連通させ
た状態で固定するとともに、タンク40内に塩化ナトリ
ウム錠剤42を入れたものである(44はタンク40の
蓋を示す)。したがって、本実施例の装置では、凹部3
0内及びタンク40内が対極室38を形成している。な
お、図3において図2の装置と同一構成の部分には同一
参照符号を付してその説明を省略する。
【0027】本実施例の装置では、試料液流路36から
フィルタ24を通って試料液の一部が対極室38に流入
し、この試料液に塩化ナトリウム錠剤42が溶解して対
極室38に電解質溶液46が生成し、生成した電解質溶
液46がフィルタ24に染み込んで検出極26と対極2
8との間に介在することにより、検出極26と対極28
とが電気的に接続するようになっている。
【0028】本実施例の装置を用いて試料液に含まれる
測定対象成分の濃度を測定する操作は第1実施例の装置
と同じであるが、本装置では試料液の一部がフィルタ2
4を通って対極室38に流入し、この試料液が電解質溶
液46になるとともに、試料液流路36を流れる試料液
中の測定対象成分の濃度に対応する電流が検出極26と
対極28との間に流れる。したがって、この電流を検出
することにより測定対象成分の濃度を求めることができ
る。なお、本実施例において予め対極室に電解質の錠剤
と電解質溶液あるいは電解質溶液のみを入れておくこと
も可能である。この場合、試料液が対極室へ流入するこ
とによらずに検出極と対極との間に電解質溶液を介在さ
せることができる。
【0029】本実施例の酸化還元電流測定装置は、実施
例1の装置と同様の効果に加え、導電率の低い試料液や
高濃度の測定対象成分を含む試料液の場合にも、液抵抗
による電圧降下の問題を回避して、低コストで簡便に測
定できるという効果を有する。
【0030】第3実施例 図4は第1発明の酸化還元電流測定装置の他の実施例を
示す。本装置において、50は下側セル、52は下側セ
ル50に固定された上側セル、54は下側セル50と上
側セル52との間のOリング、56は下側セル50に取
り付けられた密閉型ケーブルコネクタ、58は上側セル
52の中空部60に配置された内径6mmの円筒状フィ
ルタ、62はフィルタ58の内面に接触した状態でフィ
ルタ58に取り付けられた検出極(白金線)、64はフ
ィルタ58の外面に接触した状態でフィルタ58に巻き
付けられた対極(銀線)、63は検出極62のリード
線、65は対極64のリード線、66は上側セル52の
中空部60に配置されたフィルタ押さえ、68はケーブ
ルコネクタ56に取り付けられたサーミスタを示す。
【0031】本実施例の装置では、下側セル50の下端
が試料液流入口70、上側セル52の上端が試料液流出
口72に形成され、フィルタ58の内側が試料液流路7
4に構成されている。また、上側セル52の中空部60
内のフィルタ58の外側が対極室76に形成され、試料
液流路74と対極室76とがフィルタ58によって仕切
られている。さらに、本実施例の装置では、試料液流入
口70から対極室76に至る1本の上流側バイパス78
が下側セル50に形成されているとともに、対極室76
から試料液流出口72に至る2本の下流側バイパス8
0、80が上側セル52に形成されている。本実施例の
装置では、試料液の一部がバイパス78から直接対極室
76に供給され、検出極62と対極64との間にフィル
タ58を介して試料液が介在することにより、検出極6
2と対極64とが電気的に接続するようになっている。
【0032】本実施例の装置を用いて試料液に含まれる
測定対象成分の濃度を測定する場合、試料液流入口70
から試料液流出口72に至る流路に試料液を連続的に流
すとともに、検出極62と対極64との間に測定電圧を
印加する。その作用効果は第1実施例と同じであるから
説明を省略する。ただし、本実施例では、上流側バイパ
ス78及び下流側バイパス80を設けて試料液の一部が
対極室76に流れるようにしてある。これは、バイパス
を設けずにフィルタ58を通してのみ試料液流路74と
対極室76との間の試料液の流通が行われるようにする
と、対極室76の試料液が置換されず、検出極62と対
極64との間の電解質が次第に不足して測定に支障をき
たすおそれがあるので、それを防止するためである。な
お、本実施例の装置は、フィルタ58の内径を6mmと
してあるため、試料流量20〜50ml/分の測定に好
適に使用される。試料流量が100ml/分程度の場合
には、フィルタ58の内径を10mmとすればよい。
【0033】第4実施例 図5は第2発明の酸化還元電流測定装置の他の実施例を
示す。本装置において、下側セル50、Oリング54、
ケーブルコネクタ56、円筒状フィルタ58、検出極
(白金線)62、対極(銀線)64、フィルタ押さえ6
6、サーミスタ68、試料液流入口70、試料液流出口
72に関しては第3実施例と同様である。ただし、バイ
パスは設けられていない。
【0034】本実施例の装置では、上側セル52の中空
部60に4個の試料液流通口88を有する仕切り壁82
が設けられ、この仕切り壁82によって対極室76が内
側対極室84と外側対極室86とに分割されている。ま
た、上側セル52には外側対極室86を開閉する蓋90
が取り付けられている。そして、外側対極室86内に塩
化ナトリウム錠剤92が入れられている。
【0035】本実施例の装置では、試料液流路74から
フィルタ58、仕切り壁82の試料液流通口88を通っ
て試料液の一部が外側対極室86に流入し、この試料液
に塩化ナトリウム錠剤92が溶解して外側対極室86に
電解質溶液94が生成する。そして、生成した電解質溶
液94が内側対極室84に入り、この電解質溶液94が
フィルタ58に染み込んで検出極62と対極64との間
に介在することにより、両極62、64が電気的に接続
するようになっている。この場合、外側対極室86の水
面は、上部の試料液流通口88の位置が上限となる。な
お、本実施例において予め対極室に電解質の錠剤と電解
質溶液あるいは電解質溶液のみを入れておくことも可能
である。この場合、試料液が対極室へ流入することによ
らずに検出極と対極との間に電解質溶液を介在させるこ
とができる。
【0036】本実施例の装置を用いて試料液に含まれる
測定対象成分の濃度を測定する操作は第3実施例の装置
と同じであるが、本装置では試料液の一部がフィルタ5
8を通って外側対極室86に流入し、この試料液が電解
質溶液94になるとともに、試料液流路74を流れる試
料液中の測定対象成分の濃度に対応する電流が検出極6
2と対極64との間に流れる。したがって、この電流を
検出することにより測定対象成分の濃度を求めることが
できる。
【0037】本実施例の酸化還元電流測定装置は、実施
例3の装置と同様の効果に加え、導電率の低い試料液や
高濃度の測定対象成分を含む試料液の場合にも、液抵抗
による電圧降下の問題を回避して、低コストで簡便に測
定できるという効果を有する。
【0038】
【発明の効果】第1発明の酸化還元電流測定装置は、検
出極が強固に固定されているため構造的に強度が高く、
また検出極と対極との位置関係が安定しているため測定
精度の点で優れた安定性を示す。また、インライン用セ
ンサとして用いることができ、かつどのような向きでも
設置することができるため、設置工事が非常に簡単にな
る。第2発明の酸化還元電流測定装置は、第1発明の装
置の効果に加え、導電率の低い試料液中の成分の測定や
高濃度の成分の測定を行うことができるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化還元電流測定装置の測定原理を示
す説明図である。
【図2】第1発明の酸化還元電流測定装置の一実施例を
示す断面図である。
【図3】第2発明の酸化還元電流測定装置の一実施例を
示す断面図である。
【図4】第1発明の酸化還元電流測定装置の他の実施例
を示す断面図である。
【図5】第2発明の酸化還元電流測定装置の他の実施例
を示す断面図である。
【図6】従来の酸化還元電流測定装置の一例を示す概略
図である。
【図7】従来の酸化還元電流測定装置の他の例を示す概
略図である。
【符号の説明】
2 筒状フィルタ 4 試料液流路 6 対極室 8 検出極 10 対極 24 筒状フィルタ 26 検出極 28 対極 36 試料液流路 38 対極室 42 塩化ナトリウム錠剤 46 電解質溶液 50 下側セル 52 上側セル 58 円筒状フィルタ 62 検出極(白金線) 64 対極(銀線) 74 試料液流路 76 対極室 82 仕切り壁 84 内側対極室 86 外側対極室 92 塩化ナトリウム錠剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楢崎 直美 東京都武蔵野市吉祥寺北町4丁目13番14号 電気化学計器株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側に試料液流路、外側に対極室が形成
    された筒状フィルタと、筒状フィルタに接触した状態で
    試料液流路に配置された検出極と、対極室に配置された
    対極とを備え、試料液の一部が検出極と対極との間に介
    在することにより、検出極と対極とが電気的に接続する
    ことを特徴とする酸化還元電流測定装置。
  2. 【請求項2】 内側に試料液流路、外側に対極室が形成
    された筒状フィルタと、筒状フィルタに接触した状態で
    試料液流路に配置された検出極と、対極室に配置された
    対極と、対極室に電解質溶液を生成させる電解質供給機
    構とを備え、対極室に生成した電解質溶液が検出極と対
    極との間に介在することにより、検出極と対極とが電気
    的に接続することを特徴とする酸化還元電流測定装置。
JP7103092A 1995-04-04 1995-04-04 酸化還元電流測定装置 Pending JPH08278284A (ja)

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