JPH11233894A - 波長可変外部共振器型レーザ - Google Patents

波長可変外部共振器型レーザ

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JPH11233894A
JPH11233894A JP3617798A JP3617798A JPH11233894A JP H11233894 A JPH11233894 A JP H11233894A JP 3617798 A JP3617798 A JP 3617798A JP 3617798 A JP3617798 A JP 3617798A JP H11233894 A JPH11233894 A JP H11233894A
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laser
wavelength
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light
external
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JP3617798A
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English (en)
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Hideyuki Nasu
秀行 那須
Hideyuki Omura
英之 大村
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発振波長の設定が簡便で、かつ装置構成を小
さくする。 【解決手段】 所定波長のレーザ光を発振するレーザダ
イオードからなるレーザ発光素子11と、ポッケルス効
果を有する結晶からなるとともにグレーティング21が
形成された外部分布反射器15とを光結合する。外部分
布反射器には、直流電圧源16から電圧を印加し、その
印加電圧を可変に制御することで結晶の実効屈折率を変
化させ、反射する光波のブラッグ波長を変化させること
によって、単一縦モードで発振するレーザ光の発振波長
を可変に制御し、共振器長を短くして緩和振動周波数を
高くし、直接変調を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長が可変のレー
ザ光のうちから単一モードの所望波長のレーザ光を発振
する波長可変外部共振器型レーザに関する。
【0002】
【関連する背景技術】従来、この種のレーザには、外部
共振器型の単一縦モードのレーザがあり、例えば図9に
示すように、外部分布反射器10にグレーティング(回
析格子)を用い、このグレーティング10をレーザダイ
オードからなるレーザ発光素子11外部に配置し、グレ
ーティング10と低反射面12との間で生じた光波を共
振させるとともに、グレーティング10の角度θを変化
させることによって反射波長を変化させ、導光路である
光ファイバ20に発振するレーザ光の発振波長を調整し
ていた。なお、13,14は、光波を集光するための光
学レンズである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記レーザ
では、グレーティングの角度を機械的に動かす必要があ
る。すなわち、グレーティングは、例えば手動によって
マイクロメータヘッドやネジを用いて角度調整される場
合がある。このような場合には、微調整を行うのが難し
く、任意の波長に設定することは困難であり、かつ簡便
ではないという問題点があった。
【0004】また、波長設定の簡便性を向上させるため
に、モータ等の駆動系を用いてグレーティングを駆動し
て、角度調整するものもあったが、安定性が悪く、かつ
モータ等の駆動系であるため、装置が大きくなり製作コ
ストが高くなるという問題点があった。さらに、光学系
と駆動系の構成が大きいために、グレーティングとレー
ザ発光素子の反射面とで構成される共振器の長さが長く
なって、光子寿命が長くなる。その結果として、緩和振
動周波数が低周波に発生し、上記レーザ発光素子に直接
変調信号を印加して光信号を変調することができないと
いう問題点もあった。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、発振波長の設定が簡便で、かつ装置構成を小さくで
きる波長可変外部共振器型レーザを提供することを目的
とする。また、本発明の他の目的は、共振器長を短くし
て緩和振動周波数を高くでき、直接変調ができる波長可
変外部共振器型レーザを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、光波の伝送が可能なように光ファイバ
と光結合され、波長が可変のレーザ光のうちから単一モ
ードのレーザ光を発振して前記光ファイバに伝送する波
長可変外部共振器型レーザにおいて、印加される電圧に
応じて、異なるブラッグ波長の光波を反射するグレーテ
ィングが形成された材質、例えば電気光学1次効果(い
わゆるポッケルス効果)を有する結晶からなる外部分布
反射器と、前記外部分布反射器に印加する電圧を可変に
制御する直流電圧源からなる電圧制御手段と、前記生じ
た光波を反射する反射面を有し、該反射面と前記グレー
ティングとの間で該光波を共振させて所定波長のレーザ
光を発振するレーザダイオードからなるレーザ発光素子
とを備えた波長可変外部共振器型レーザが提供される。
【0007】すなわち、前記ポッケルス効果を有するリ
チウムナイオベイト等の結晶に紫外光照射によりグレー
ティングを形成させるとともに、この結晶とレーザ発光
素子を光結合する。結晶には、直流電圧源から電圧を印
加し、その印加電圧を可変に制御することで結晶の実効
屈折率を変化させ、これにより反射する光波のブラッグ
波長を変化させて、単一縦モードで発振するレーザ光の
発振波長を可変に制御する。
【0008】また、前記波長可変外部共振器型レーザ
は、前記外部分布反射器の温度を検出する例えばサーミ
スタ等の温度センサからなる温度検出手段と、前記検出
された温度に応じて、前記外部分布反射器の温度を所定
温度に制御するペルチェ素子及び温度制御回路からなる
温度制御手段とを備え、外部分布反射器の温度を一定に
することが好ましい。
【0009】また、本発明に係る波長可変外部共振器型
レーザは、温度に応じて、異なるブラッグ波長の光波を
反射するグレーティングが形成されたリチウムナイオベ
イト等の結晶からなる外部分布反射器と、前記外部分布
反射器の温度を検出する温度センサと、前記検出された
温度に応じて、前記外部分布反射器の温度を可変に制御
するペルチェ素子及び温度制御回路とを備え、外部分布
反射器の温度を可変に制御することでブラッグ波長を変
化させて、単一縦モードで発振するレーザ光の発振波長
を可変に制御することが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係る波長可変外部共振器
型レーザを図1乃至図8の図面に基づいて説明する。図
1は、本発明に係る波長可変外部共振器型レーザの第1
実施例の構成を示す構成図である。なお、以下の図にお
いて、図9と同様の構成部分に関しては、説明の都合
上、同一符号を付記する。
【0011】図1において、波長可変外部共振器型レー
ザは、光源であるレーザダイオードからなるレーザ発光
素子11と、光学レンズ13,14と、レーザ発光素子
11と光ファイバ20との間に配置される結晶からなる
外部分布反射器15と、本発明に係る電圧制御手段を構
成し、外部分布反射器15に印加する電圧を可変に制御
する直流電圧源16とから構成される。
【0012】レーザ発光素子11は、例えば多重量子井
戸構造を持つ活性層17と、活性層17を挟んで形成さ
れる無反射端面18及び高反射端面19とを有し、外部
分布反射器15には、ポッケルス効果を有する例えばリ
チウムナイオベイト(LiNbO3)の結晶が用いられ、この
結晶に紫外光を照射することにより、グレーティング2
1が形成されている。この結晶(外部分布反射器15)
とレーザ発光素子11及び光ファイバ20は、光学レン
ズ13,14を介して光結合されており、注入される電
流によって活性層17に光波が生じ、その光波が高反射
端面19とグレーティング21間で形成される共振器に
よって反射共振され、光ファイバ20にレーザ光として
出力されている。また、外部分布反射器15には、直流
電圧源16から電圧が印加されており、この印加電圧を
可変に制御することで結晶の実効屈折率を変化させてい
る。このため、グレーティング21で反射する光波のブ
ラッグ波長は、上記印加電圧に応じて変化し、光ファイ
バ20には、可変制御された単一縦モードの所望発振波
長のレーザ光が発振されることとなる。
【0013】なお、本実施例では、レーザ発光素子11
前面の無反射端面18の反射率は、10-4以下となるよ
うに、AR(Anti Reflection)コーティングし、また
後面の高反射端面19の反射率は、無反射端面18に光
出力が集中できるように、0.9以上とする。上記構成
の波長可変外部共振器型レーザにおいて、レーザ発光素
子11前面の無反射端面18から出力された光波は、光
学レンズ13を通過してグレーティングが形成された外
部分布反射器15に入射される。ここで、外部分布反射
器15のリチウムナイオベイトの透過率は、入射光の偏
波依存性があり、TEモードの光のみが上記リチウムナ
イオベイトを透過しうる。また、上記多重量子井戸構造
を持つレーザ発光素子11の活性層17における利得に
も、偏波依存性がある。
【0014】従って、TEモードのみ利得を有するレー
ザ発光素子11からは、TEモードの光波が出力され、
直流電圧源16では、このTEモードの光波が透過する
ように電圧を外部分布反射器15に印加し、上記リチウ
ムナイオベイトの結晶方向を調整して固定する。結晶に
入射された光波は、グレーティング21におけるブラッ
グ波長で決まる任意の波長成分のみ反射し、光学レンズ
13を逆に通過してレーザ発光素子11に戻る。この結
果、共振器構造で決まる縦モードのうち、ブラッグ波長
に最も近い単一縦モードの光波が発振し、結晶を通過し
てレーザ光として光ファイバ20に出力される。すなわ
ち、レーザ光の発振波長は、結晶に形成されたグレーテ
ィング21におけるブラッグ波長に依存することとな
る。
【0015】ここで、上記結晶の平均屈折率をnav、グ
レーティングの周期(ピッチ)をΛとすると、ブラッグ
波長λBは、 λB=2navΛ …(1) となる。また、上記結晶に形成されたグレーティングの
ブラッグ波長におけるパワー反射率RBには、次の関係
がある。
【0016】RB=tanh2(πΔnL/λB) なお、ここでΔnは、グレーティングの屈折率変化幅、
Lは、グレーティングの長さを表す。従って、反射率R
Bは、これら屈折率変化幅Δn、グレーティングの長さ
Lを調節することで選択することができる。次に、この
パワー反射率RBと結合効率Cout 2の関係について、図
2から図4の図面を用いて説明する。図2は、歪多重量
子井戸レーザからなる波長可変外部共振器型レーザを用
いた実験における、レーザの発振しきい電流の変化を示
す関係図である。図2において、しきい電流は、パワー
反射率RBと結合効率Cout 2によって変化する。
【0017】上記しきい電流は、結合効率Cout 2が大き
く、かつ反射率RBが大きいほど小さくなる。一般的に
しきい電流は、低い方のが良い。一方、電流−出力特性
(以下、「I−L特性」という)は、レーザへの注入電
流と光出力パワーの関係であり、その傾きは,W/Aで
表される。実験に用いたレーザにおいて、グレーティン
グのブラッグ波長における反射率RBを、0.22で一
定とし、結合効率Cout 2をパラメータとした時の電流−
出力特性が図3である。図3では、I−L特性の傾き
は、結合効率Cout 2が小さい方が大きいが、図2では、
結合効率Cout 2が小さい方がしきい電流が大きくなるこ
とが判る。
【0018】また、図4は、結合効率Cout 2を0.6と
し、反射率RBをパラメータとした時のI−L特性を示
す。図3では、反射率RBが小さいほど、I−L特性の
傾きが大きいが、図2では、反射率RBが小さい方がし
きい電流が大きくなることが判る。このことから、しき
い電流を小さくすることと、これらI−L特性の傾きを
大きくすることは、相互に交換関係となっていることが
判る。つまり、しきい電流が大きいほど、I−L特性の
傾きは、大きいのであるから、所望なしきい電流の上限
を決め、それを満たすような結合効率Cout 2及び反射率
Bが規定されれば良い。
【0019】ここで、結合効率Cout 2は、光モジュール
の光学系によって決まる。これによって選られる結合効
率は、0.6〜0.8程度である。また、通信用レーザ
のしきい電流は、通常5〜20mAの範囲内であるか
ら、まず、しきい電流を20mA以下にするには、結合
効率が0.8の場合には、反射率が0.1以上、結合効
率が0.6の場合には、反射率が0.2以上必要である
(図2参照)。
【0020】一方、反射率が大きいと、I−L特性の傾
きが小さくなり、効率良くレーザを発振できない。その
ため、結合効率0.6において、しきい電流が5mAと
なる反射率0.6を上限とする(図4参照)。以上のこ
とより、通常の光学系を用いて選られる結合効率0.6
〜0.8の場合において、グレーティングのブラッグ波
長における反射率は、0.1〜0.6の範囲にすると、
レーザを効率良く安定させることが可能となる。なお、
本実施例では、レーザをさらに効率良く安定させるため
に、結合効率0.6〜0.8の場合のグレーティングの
ブラッグ波長における反射率RBは、0.2〜0.4の
範囲内で選ぶものとする。
【0021】また、上述したI−L特性の変化は、以下
のように式で表すことができる。すなわち、レーザのし
きい電流Ithは、 Ith=eVaeff{[α11/Г+(1/ГL1)ln (1/ta 2out 2hB)]/g’+Ng} …(2) となる。ここで、eは電子電荷、Cout 2は結合効率、r
hは上記高反射端面の電界反射率、taは上記無反射端面
の電界透過率、Гは上記活性層横方向光閉じ込め係数、
α1は上記活性層内の伝搬損失、L1は上記活性層の長
さ、Beffは実効再結合係数、Ngは反転分布キャリア密
度、g’は微分利得である。また、Vaは活性層体積で
あり、活性層幅ωと活性層厚さtと活性層の長さL1
積で表され、Va=L1tωとなる。rBはブラッグ波長
における電界反射率でrB 2=RBの関係にある。
【0022】また、自然放出光を無視すると、注入電流
Iに対するレーザの全光出力P0は、 P0=ηdg(I−Ith) Eg=hν …(3) となる。ここで、hはプランク定数、νは光波の振動
数、ηdは外部微分量子効率である。このηdはレーザの
内部量子効率ηinを用いて表すと、 ηd=ηinαm/(α1+αm) =ηin{(1/L1)ln(1/ta 2out 2hB)/[α1+ (1/L1)ln(1/ta 2out 2hB)]} …(4) となる。ここで、αmはミラー損失である。さらに、レ
ーザから外部に取り出される光出力は、後面及び前面に
分かれて出力される。この時、前面の光出力を
front、後面の光出力をPbackとして表すと、 Pfront/Pback=[(1−RB)/(1−Rh)]√(Rh/RB)…(5) となる。ここで、RBは前面ミラーのパワー反射率、Rh
は後面ミラーのパワー反射率である。
【0023】なお、この実験に用いた歪多重量子井戸構
造を持つレーザ発光素子11の特性パラメータ値は、表
1に示すものである。
【0024】
【表1】 本発明では、I−L特性に関する(2)〜(5)式に表
1の上記値を代入しても、図3、図4に示すI−L特性
を得ることができた。
【0025】次に、印加電圧と屈折率変化の関係につい
て説明する。ポッケルス効果は、電界に比例して屈折率
が変化する現象であり、中心対称性を持たない結晶で
は、この効果が見られる。例えば1軸性結晶のリチウム
ナイオベイトでは、光軸のz軸(c軸ともいう)方向に
電界Eを加える場合、x軸、y軸方向の電界は0であ
る。そこで、z軸方向の屈折率変化Δneは、 Δne=−ne 3γ33E/2 と表される。ここで、neは、電界を印加しない時のリ
チウムナイオベイトのz軸方向の屈折率であり、ne
2.2程度の値が知られている。γ33は、1次光学係数
であり、γ33=32×10-12m/V程度が知られてい
る。この効果により、z軸方向の屈折率が電界によっ
て、ne+Δneに変化することになる。印加電圧Vと電
界Eには、V=Ed(dは電極間の距離)の関係がある
から、屈折率は、印加電圧に比例して変わることにな
る。
【0026】上述したごとく、ブラッグ波長λBは、
(1)式に示した関係にあり、上記(1)式におけるn
avが、ne+Δneであるから、ブラッグ波長λBが電圧
印加によって変化することになる。また、結晶は、共振
器の構成要素の1つであり、結晶の屈折率が変化する
と、レーザ発振の位相条件も変わり、発振しうる縦モー
ドも変わる。このため、結晶への電圧印加は、ブラッグ
波長の変化、縦モード条件の変化をもたらす。上記レー
ザは、ブラッグ波長に最も近い縦モードで発振するか
ら、任意の電圧を印加した時の位相条件、ブラッグ波長
で決まる単一縦モードのレーザ光が発振する。
【0027】従って、本実施例では、直流電圧源の出力
電圧を調整して、結晶への印加電圧を変化させてブラッ
グ波長を調整するので、レーザの発振波長を変化させる
ことができ、発振波長の設定が簡便になり、かつ機械的
な駆動系を用いないので、装置構成を小さくできる。さ
らに、本実施例では、上記駆動系が不要になるため、グ
レーティングとレーザ発光素子の反射面とで構成される
共振器の長さが短くなって、光子寿命が短くなり、その
結果として、緩和振動周波数が高い周波数帯に発生し、
上記レーザ発光素子に直接変調信号を印加して光信号を
変調することが可能になる。
【0028】図5は、本発明に係る波長可変外部共振器
型レーザの第2実施例の構成を示す構成図である。図5
において、図1の第1実施例と異なる点は、レーザ発光
素子11の後面側にグレーティングが形成された結晶を
配置して外部分布反射器15を構成し、上記外部分布反
射器15に直流電圧源16から電圧を印加して、ブラッ
グ波長を可変制御することで、単一縦モードの所望発振
波長のレーザ光を発振させることである。
【0029】また、上述したI−L特性の変化は、以下
のように式で表すことができる。すなわち、レーザのし
きい電流Ithは、 Ith=eVaeff{[α11/Г+(1/ГL1)ln (1/la 2out 2lB)]/g’+Ng} …(6) となる。ここで、rlは上記無反射端面の電界反射率
で、他のパラメータは(2)〜(5)式のパラメータと
同様である。また、自然放出光を無視すると、注入電流
Iに対するレーザの全光出力P0は、(3)式と同様、 P0=ηdg(I−Ith) Eg=hν …(7) である。ここで、ηdをレーザの内部量子効率ηinを用
いて表すと、ηd=ηinαm/(α1+αm) =ηin{(1/L1)ln(1/ta 2out 2lB)/[α1+ (1/L1)ln(1/ta 2out 2lB)]} …(8) となる。さらに、レーザから外部に取り出される光出力
は、後面及び前面に分かれて出力される。この時、前面
の光出力をPfront、後面の光出力をPbackとして表す
と、 Pfront/Pback=[(1−Rl)/(1−RB)]√(RB/Rl)…(9) となる。ここで、RBはグレーティングのブラッグ波長
におけるパワー反射率、Rlは前面ミラーのパワー反射
率である。本実施例でも、(6)〜(9)式に表1の上
記値を代入することで、良好なI−L特性を得ることが
できた。
【0030】本実施例では、この構成に伴って、レーザ
発光素子11の後面を反射率10-4以下の無反射端面1
8とし、前面を反射率0.2〜0.4の間の高反射端面
19とし、外部分布反射器15であるグレーティングの
ブラッグ波長における反射率を0.9以上として、外部
分布反射器15と反対側へ所望発振波長のレーザ光を発
振することを可能としている。なお、本実施例におい
て、結晶への電圧印加のみで発振波長が変化する原理
は、第1実施例と同様である。
【0031】従って、本実施例でも、ブラッグ波長を調
整することができるので、第1実施例と同様に、レーザ
の発振波長を変化させることができ、発振波長の設定が
簡便になり、かつ装置構成を小さくできる。ところで、
上述したリチウムナイオベイトのような結晶に形成され
たグレーティングのブラッグ波長は、図6の実験結果に
示すような温度依存性を持っている。上記実験では、結
晶の温度を10〜30℃の範囲で変化させると、ブラッ
グ波長は、その温度変化に比例して変化し、温度上昇に
伴って長波長へとほぼ直線的にシフトする。この特性か
ら変化の傾きは、0.006nm/℃である。従って、
結晶への印加電圧のみで波長可変を実現するためには、
温度変化による影響を削減する必要がある。
【0032】そこで、図7の第3実施例では、第1又は
第2の実施例に、以下に示す構成部分を付加して構成さ
れる。すなわち、上記結晶からなる外部分布反射器15
の下方に導電性金属22を介して、本発明に係る温度制
御手段を構成する素子、例えばペルチェ素子23を配置
して結晶の温度を調整するものとする。さらに、上記結
晶には、本発明に係る温度検出手段を構成する温度セン
サ24、例えばサーミスタを取り付けて結晶の温度を検
出し、上記検出された温度に応じて、本発明に係る温度
制御手段を構成する自動温度制御回路25が、ペルチェ
素子23の温度を制御するものとする。すなわち、サー
ミスタ24では、検出温度を電圧信号に変換して自動温
度制御回路25に出力しており、自動温度制御回路25
では、基準温度を基準電圧として設定し、入力する上記
電圧信号と基準電圧との差をとり、この差に応じて外部
分布反射器15の温度が一定になるように、ペルチェ素
子23に流す電流のフィードバック制御を行っている。
【0033】従って、本実施例では、結晶の温度を一定
に保つことが可能となり、グレーティングのブラッグ波
長の温度変化による影響を削減して、上記ブラッグ波長
を調整することができるので、さらに的確にレーザの発
振波長を変化させることができ、発振波長の設定が簡便
になり、かつ装置構成を小さくできる。なお、これら実
施例において、レーザ光の発振波長を可変制御するため
には、例えば光ファイバのレーザ光出力側に光カプラ
(図示せず)を取り付け、出力されるレーザ光を分離
し、その波長をモニタして直流電圧源にフィードバック
し、印加電圧を調整すれば、グレーティングのブラッグ
波長を調整することができ、レーザ光の発振波長を精度
良く選別することができる。
【0034】また、図6から判るように、結晶の温度を
変化させることでブラッグ波長を変化させることも可能
である。そこで、図8に本発明に係る波長可変外部共振
器型レーザの第4実施例の構成図を示す。第4実施例で
は、第3実施例に示した直流電圧源16による結晶への
電圧印加を削除し、ペルチェ素子23に流す電流のフィ
ードバック制御のみを行って、外部分布反射器15の温
度が可変に調整されるようにし、ブラッグ波長を可変制
御することで、単一縦モードの所望発振波長のレーザ光
を発振させる。
【0035】従って、本実施例では、外部分布反射器の
温度を可変調整することによって、ブラッグ波長が調整
されてレーザの発振周波数を変化させることができるの
で、発振波長の設定が簡便で、かつ装置構成を小さくで
きる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、光波
の伝送が可能なように光ファイバと光結合され、波長が
可変の光波のうちから単一モードのレーザ光を発振して
前記光ファイバに伝送する波長可変外部共振器型レーザ
において、印加される電圧に応じて、異なるブラッグ波
長の光波を反射するグレーティングが形成された材質で
ある電気光学効果を有する結晶からなる外部分布反射器
と、前記外部分布反射器に印加する電圧を可変に制御す
る電圧制御手段と、生じた光波を反射する反射面を有
し、該反射面と前記グレーティングとの間で該光波を共
振させて所定波長のレーザ光を発振するレーザ発光素子
とを備えたので、発振波長の設定が簡便で、かつ装置構
成を小さくできるとともに、共振器長を短くして緩和振
動周波数を高くでき、直接変調ができる。
【0037】また、前記波長可変外部共振器型レーザ
は、前記外部分布反射器の温度を検出する温度検出手段
と、前記検出された温度に応じて、前記外部分布反射器
の温度を所定温度に制御する温度制御手段とを備え、外
部分布反射器の温度を一定にするので、さらに発振波長
の設定を簡便にできる。また、本発明に係る波長可変外
部共振器型レーザは、温度に応じて、異なるブラッグ波
長の光波を反射するグレーティングが形成された結晶か
らなる外部分布反射器と、前記外部分布反射器の温度を
検出する温度検出手段と、前記検出された温度に応じ
て、前記外部分布反射器の温度を可変に制御する温度制
御手段とを備え、外部分布反射器の温度を可変に制御す
ることでブラッグ波長を変化させて、単一縦モードで発
振するレーザ光の発振波長を可変に制御するので、発振
波長の設定が簡便で、かつ装置構成を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る波長可変外部共振器型レーザの第
1実施例の構成を示す構成図である。
【図2】歪多重量子井戸レーザからなる波長可変外部共
振器型レーザを用いた実験における、レーザの発振しき
い電流の変化を示す関係図である。
【図3】上記実験における反射率RBを0.22で一定
とし、結合効率Cout 2をパラメータとした時のI−L特
性を示す特性図である。
【図4】上記実験における結合効率Cout 2を0.6と
し、反射率RBをパラメータとした時のI−L特性を示
す特性図である。
【図5】本発明に係る波長可変外部共振器型レーザの第
2実施例の構成を示す構成図である。
【図6】ブラッグ波長の温度特性を示す特性図である。
【図7】本発明に係る波長可変外部共振器型レーザの第
3実施例の構成を示す構成図である。
【図8】本発明に係る波長可変外部共振器型レーザの第
4実施例の構成を示す構成図である。
【図9】従来の波長可変外部共振器型レーザの構成を示
す構成図である。
【符号の説明】
11レーザ発光素子 13,14 光学レンズ 15 外部分布反射器 16 直流電圧源 17 活性層 18 無反射端面 19 高反射端面 20 光ファイバ 21 グレーティング 23 ペルチェ素子 24 サーミスタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光波の伝送が可能なように光ファイバと
    光結合され、波長が可変の光波のうちから単一モードの
    レーザ光を発振して前記光ファイバに伝送する波長可変
    外部共振器型レーザにおいて、 印加される電圧に応じて、異なるブラッグ波長の光波を
    反射するグレーティングが形成された材質からなる外部
    分布反射器と、 前記外部分布反射器に印加する電圧を可変に制御する電
    圧制御手段と、 生じた光波を反射する反射面を有し、該反射面と前記グ
    レーティングとの間で該光波を共振させて所定波長のレ
    ーザ光を発振するレーザ発光素子とを備えたことを特徴
    とする波長可変外部共振器型レーザ。
  2. 【請求項2】 前記波長可変外部共振器型レーザは、前
    記外部分布反射器の温度を検出する温度検出手段と、前
    記検出された温度に応じて、前記外部分布反射器の温度
    を所定温度に制御する温度制御手段とを備えたことを特
    徴とする請求項1に記載の波長可変外部共振器型レー
    ザ。
  3. 【請求項3】 光波の伝送が可能なように光ファイバと
    光結合され、波長が可変の光波のうちから単一モードの
    レーザ光を発振して前記光ファイバに伝送する波長可変
    外部共振器型レーザにおいて、 温度に応じて、異なるブラッグ波長の光波を反射するグ
    レーティングが形成された材質からなる外部分布反射器
    と、 前記外部分布反射器の温度を検出する温度検出手段と、 前記検出された温度に応じて、前記外部分布反射器の温
    度を可変に制御する温度制御手段と、 生じた光波を反射する反射面を有し、該反射面と前記グ
    レーティングとの間で該光波を共振させて所定波長のレ
    ーザ光を発振するレーザ発光素子とを備えたことを特徴
    とする波長可変外部共振器型レーザ。
  4. 【請求項4】 前記外部分布反射器の材質は、電気光学
    効果を有する結晶からなることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載の波長可変外部共振器型レーザ。
  5. 【請求項5】 前記レーザ発光素子のしきい電流I
    thを、 Ith=eVaeff{[α11/Г+(1/ГL1)ln
    (1/ta 2out 2hB)]/g’+Ng} とし、注入電流Iに対するレーザの全光出力P0は、 P0dg(I−Ith) Eg=hν とし、外部微分量子効率ηdはレーザの内部量子効率η
    inを用いて、 ηd=ηinαm/(α1+αm) =ηin{(1/L1)ln(1/ta 2out 2hB)/
    [α1+(1/L1)ln(1/ta 2out 2hB)]} と表し、この時、前面の光出力をPfront、後面の光出
    力をPbackとして表すと、 Pfront/Pback=[(1−RB)/(1−Rh)]√
    (Rh/RB) となることを特徴とする請求項1又は2に記載の波長可
    変外部共振器型レーザ。
  6. 【請求項6】 前記レーザ発光素子のしきい電流I
    thを、 Ith=eVaeff{[α11/Г+(1/ГL1)ln
    (1/ta 2out 2lB)]/g’+Ng} とし、注入電流Iに対するレーザの全光出力P0は、 P0dg(I−Ith) Eg=hν とし、外部微分量子効率ηdはレーザの内部量子効率η
    inを用いて、 ηd=ηinαm/(α1+αm) =ηin{(1/L1)ln(1/ta 2out 2lB)/
    [α1+(1/L1)ln(1/ta 2out 2lB)]} と表し、この時、前面の光出力をPfront、後面の光出
    力をPbackとして表すと、 Pfront/Pback=[(1−Rl)/(1−RB)]√
    (RB/Rl) となることを特徴とする請求項1又は2に記載の波長可
    変外部共振器型レーザ。
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