JPH11233838A - 熱電素子、及びその製造方法 - Google Patents

熱電素子、及びその製造方法

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JPH11233838A
JPH11233838A JP10036180A JP3618098A JPH11233838A JP H11233838 A JPH11233838 A JP H11233838A JP 10036180 A JP10036180 A JP 10036180A JP 3618098 A JP3618098 A JP 3618098A JP H11233838 A JPH11233838 A JP H11233838A
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metal electrode
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bonding
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JP10036180A
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English (en)
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Hirohiko Nemoto
裕彦 根本
Matsuo Kishi
松雄 岸
Minao Yamamoto
三七男 山本
Hisanori Hamao
尚範 濱尾
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Seiko Instruments Inc
SII R&D Center Inc
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Seiko Instruments Inc
SII R&D Center Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱電素子に備わるエレメントと金属電極との
接合強度を高め、製造時の歩留まりを向上させる。 【解決手段】 P型熱電半導体材料からなるP型エレメ
ント3と、N型熱電半導体材料からなるN型エレメント
4と、これらP型及びN型の異種エレメント3、4を一
対ずつ接合してPN接合対を形成可能な金属電極5を有
する基板2B、2Aと、を備えた熱電素子1である。金
属電極5上の、P型及びN型エレメント3、4との接合
面の一方の縁部には、所定の高さを有するリング7が形
成され、該リング7の側壁面には、当該リングが形成さ
れた金属電極5の中心側に、切欠部7bが形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、P型及びN型熱電
半導体材料からなるP型及びN型エレメントを備え、ゼ
ーベック効果による温度差発電(熱発電)や、ペルチェ
効果による電子冷却・発熱を可能とする熱電素子、及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱電素子は、P型熱電半導体材料とN型
熱電半導体材料とを、金属電極を介して接合し、PN接
合対を形成することにより作製される。この熱電素子
は、接合対間に温度差を与えることによりゼーベック効
果に基づく電力を発生することから発電装置として、ま
た、素子に電流を流すことにより接合部の一方で冷却、
他方で発熱が起こるいわゆるぺルチェ効果を利用した冷
却装置や精密温度制御装置などとしての用途がある。こ
の熱電素子は、素子としての性能を高めるために数十か
ら数百個といった複数個のPN接合対を直列に形成した
サーモモジュールとして作製使用されるのが一般的であ
る。このサーモモジュールとしての熱電素子は、構造体
としての形を維持するとともに、PN接合対を形成する
ための金属電極を有する2枚の基板と、その間に挟まれ
た複数個のP型及びN型熱電半導体材料と、 P型及び
N型エレメントと金属電極を接合するための接合材から
構成されている。この熱電素子は、例えば、所定の形状
・大きさに予め切断されたP型及びN型熱電半導体材料
片(以下、エレメントと呼ぶ)をそれぞれ所定の位置に
治具等で配置してから、該配置したエレメントをハンダ
等の接合材で金属電極に接合し、2枚の基板で挟み込む
ことによって、製造することができる。ここで、接合材
として用いられるハンダ等は、基板上の金属電極に、予
め印刷やメッキ等の方法により形成される。また、この
ような製造方法以外にも、例えば、特開平8−9747
2に開示されているように、ウェハー状(板状或いは棒
状)のP型及びN型熱電半導体材料各々の端面上にハン
ダバンプを形成する工程、基板上に電極配線(金属電
極)及び構造体(構造体)を形成する工程、ハンダバン
プが形成された熱電半導体材料と基板との接合を行う工
程、基板に接合された熱電半導体材料の不要部を切断し
て熱電半導体材料チップ(エレメント)を形成する工
程、さらにP型とN型の熱電半導体材料チップがそれぞ
れ形成された基板を接合する工程を経て製造する方法も
ある。この方法の場合、金属電極と熱電半導体材料チッ
プとは、接合強度を向上させるために、構造体を介在さ
せた状態で接合されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の製造方
法では、基板に熱電半導体材料(又は、エレメント)を
接合する際に、接合材として用いるハンダの量が適量を
超えてしまうと、上記構造体を介在させたとしても、金
属電極の外にハンダが飛び出して、金属電極同士又はエ
レメント同士がつながってしまい、ショート不良を生じ
させることがあった。一方、接合に用いるハンダの量が
少なすぎると金属電極と熱電半導体材料(又はエレメン
ト)との接合が不十分となり、エレメントが金属電極か
ら倒れたり、離れた状態となって、断線等の不具合を生
じさせることがあった。そして、このように、接合材の
量の多寡により生じる種々の不具合によって、熱電素子
作製の歩留まりが低下していた。また、前記構造体を介
在させないで、金属電極とエレメントとをハンダ等によ
って接合する場合には、上記のような問題点に加え、接
合強度が低いという問題点も有していた。
【0004】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、基板上の金属電極とエレメン
トとの接合強度が高く、歩留まりを向上させることが可
能な熱電素子、及びその製造方法を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明による熱電素子は、互いに対向する2枚の基
板に設けられた金属電極とP型エレメントおよびN型エ
レメントを接合材を介してPN接合対が構成された熱電
素子において、前記金属電極上の、前記P型及びN型エ
レメントとの接合面の一方の縁部に設けられた所定の高
さを有する構造体を備え、当該構造体が形成された金属
電極の中心側の構造体の側壁面に切欠部が形成された構
成とした。
【0006】このような構成によれば、金属電極の中心
側の側壁面に切欠部が形成された構造体が、金属電極と
P型及びN型エレメントとの接合に用いるハンダ等の接
合材の流れを制御することとなり、金属電極とP型及び
N型エレメントとの接合強度を高めることが可能になる
とともに、前記接合材の量が原因で生じる接合不良を低
減して、歩留まりを向上させることが可能となる。即
ち、例えば、前記接合材の量が適量を超えたとしても、
構造体から溢れた接合材が、切欠部を介して、当該構造
体が設けられた金属電極の中心方向に流出されるため、
絶縁されるべき他の金属電極へと流出してショート不良
が発生することを低減することができる。また、接合材
の量が多くとも上記のような不具合が生じ難い構成とな
るため、接合材の量を適量よりやや多めに設定しておく
ことにより、接合材の量が不十分であることにより生じ
る接合不良を低減させることが可能となる。さらに、構
造体によって、P型及びN型エレメントの配設位置が明
示されるため、金属電極とP型及びN型エレメントとの
接合時における、位置合わせの精度を向上させることも
可能となる。
【0007】具体的に、P型及びN型熱電半導体材料と
しては、Bi−Te系材料、Fe−Si系材料、Si−
Ge系材料、Co−Sb系材料などが挙げられる。ま
た、構造体は、例えば、フォトリソグラフィー法によっ
て、厚膜のフォトレジストにより形成することが可能で
ある。
【0008】さらに、本発明による熱電素子によれば、
前記2枚の基板のうち、一方の基板に形成された前記金
属電極上の前記P型エレメントとの接合面の縁部、並び
に、もう一方の基板に形成された前記金属電極上の前記
N型エレメントとの接合面の縁部に、それぞれ前記構造
体が形成されている構成とした。
【0009】このような構成によれば、一方の基板に形
成された金属電極上のP型エレメントとの接合面の縁
部、並びに、他方の基板に形成された金属電極上のN型
エレメントとの接合面の縁部に、それぞれ構造体が形成
されているため、一方の基板の金属電極に構造体を介し
てP型エレメントを接合し、他方の基板の金属電極に構
造体を介してN型エレメントを接合してから、これら2
枚の基板を接合することが可能となり、当該熱電素子の
製造が容易となる。
【0010】さらに、本願発明の製造方法は、基板に設
けられた金属電極上の一端側に当該金属電極の中心側に
切欠部を有する略円筒状の構造体を形成し、一方の基板
の構造体を介してP型エレメント及びN型エレメントを
接合してから、他方の基板と対向させ、前記P型及びN
型エレメントの先端部と、該先端部と対向する他方の基
板の金属電極とを固着して、これら基板を接合すること
とした。
【0011】このような製造方法によれば、P型及びN
型エレメントは、一端が構造体を介して2枚の基板の何
れか一方に接合された状態で、他端がもう一方の基板の
金属電極に接合されることとなる。従って、P型及びN
型エレメントを、切欠部を介して接合材の流れ方向の制
御が可能な構造体によって、確実にかつ強固に、一方の
基板に接合した状態としてから、2枚の基板を接合する
ことが可能となる。即ち、エレメントと基板との接合時
における、ショート不良やオープン不良といった不具合
を低減して、熱電素子製造における歩留まりを向上させ
ることが可能となる。また、P型及びN型エレメントの
配設位置が構造体によって明示されるため、P型及びN
型エレメントの接合精度を向上させることも可能とな
る。
【0012】また、本願発明による他の製造方法は、P
型熱電半導体材料からなるP型エレメントと、N型熱電
半導体材料からなるN型エレメントと、これらP型及び
N型の異種のエレメントを一対ずつ接合してPN接合対
を形成可能な金属電極を有する2枚の基板と、P型及び
N型エレメントと金属電極を接合するための接合材を備
えた熱電素子の製造方法であって、前記基板に設けられ
た金属電極上の一端側に当該金属電極の中心側に切欠部
を有する略円筒状の構造体を形成し、一方の基板の該構
造体を介してP型熱電半導体材料をこの基板に接合し、
他方の基板の該構造体を介してN型熱電半導体材料をこ
の基板に接合し、該P型及びN型熱電半導体材料を切断
して基板上に複数のP型及びN型エレメントを形成して
から、一方の基板と他方の基板を向かい合わせ、各エレ
メントの先端部と、この先端部が対向する基板上の金属
電極とを固着しすることにより、これら基板を接合する
こととした。
【0013】このような製造方法によれば、2枚の基板
は、それぞれP型及びN型エレメントの一方が構造体を
介して固着された状態に形成されてから、接合されるこ
ととなる。即ち、P型及びN型熱電半導体材料と基板と
の接合時における、ショート不良やオープン不良といっ
た不具合を低減して、熱電素子製造における歩留まりを
向上させることが可能となる。また、P型及びN型熱電
半導体材料の配設位置が構造体によって明示されるた
め、P型及びN型熱電半導体材料の接合精度を向上させ
ることも可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。
【0015】図1は本発明に係る熱電素子の概観を示す
斜視図、図2は基板に形成された構造体パターンを示す
平面図である。また、図3は、一方の基板にエレメント
が接合された状態を示す断面図である。
【0016】この実施の形態の熱電素子1は、図1に示
すように、P型熱電半導体材料3A(図8〜図12)か
らなるP型エレメント3と、N型熱電半導体材料4A
(図8〜図12)からなるN型エレメント4と、これら
P型及びN型の異種のエレメント3、4 を一対ずつ接
合してPN接合対を形成可能な金属電極5を有する基板
2A、2B等、から構成されている。
【0017】P型エレメント3及びN型エレメント4
は、例えば、Bi−Te系材料の焼結体により構成され
ている。個々のエレメント3(4)は、図3に示すよう
に、底面3b(4b)と、該底面3b(4b)と平行な
上面3a(4a)とを有し、これら底面3b(4b)及
び上面3a(4a)と平行な断面の面積が、底面3b
(4b)から上面3a(4a)に向けて連続的に減少す
る形状に形成されている。このエレメント3(4)は、
その底面3b(4b)が基板2B(2A)の金属電極5
に、構造体7(後述)を介して接合されている。この構
造体7(後述)の中空部7aには、Ni6a及びハンダ
6bから構成される接合材6が充填された状態となって
いて、エレメント3(4)と金属電極5とが電気的に接
続されるようになっている。一方、エレメント3(4)
の上面3a(4a)は、接合材6によって、直接、図3
に示すように、基板2A(2B)の金属電極5に固着さ
れている。
【0018】このように、P型エレメント3及びN型エ
レメント4は、2枚の基板2A、2Bに挟み込まれ、一
端が基板2Aの金属電極5に、他端が基板2Bの金属電
極5にそれぞれ接合された状態において、該金属電極5
を介してPN接合対が形成されるとともに、これらPN
接合対が直列につながれるようになっている。
【0019】基板2A、2B上には、図2に示すよう
に、P型及びN型の異種のエレメント3、4を一対ずつ
接合可能な小判型の金属電極5が設けられ、該金属電極
5上の一端側には、例えば、樹脂材により略円筒状に形
成され、その内周側に中空部7aを有する構造体7が設
けられている。これら構造体7は、エレメント3、4の
底面3b、4bと金属電極5との間に介在して、接合時
に起こる接合材6の流れを制御して両者の接合強度を高
めるためのもので、ここでは、基板2Bの金属電極5上
の、P型エレメント3の底面3bとの接合面の縁部、並
びに、基板2Aの金属電極5上の、N型エレメント4の
底面4bとの接合面の縁部、に設けられている。これら
構造体7の大きさは、エレメント3、4の底面3b、4
b(構造体7への接合面)の大きさに基づき設定されて
いる。ここで、例えば、エレメント3、4の底面3b、
4bの形状が正方形である場合、構造体7の大きさは、
少なくともその中空部7aが底面3b、4bによって覆
われる大きさ、即ち、その内径が、底面3b、4bの一
辺の長さより小さい値に設定されるようになっている。
また、各構造体7は、それぞれ隣接する構造体7と、連
結壁7cを介して連結され、それにより、個々の構造体
7の強度が増強されている。
【0020】これら構造体7の側壁部には、当該構造体
7が設けられた金属電極5の中心側に、中空部7aに収
容しきれない接合材6(主にハンダ6b)を金属電極5
の中心方向に流出させるための切欠部7bが形成されて
いる。そのため、例えば、接合材6の量が適量を超えた
としても、構造体7の中空部7aから溢れた接合材6
が、切欠部7bを介して、当該構造体7が設けられた金
属電極5の中心方向に流出されるため、絶縁されるべき
他の金属電極5へと流出してショート不良が発生するこ
とを低減することができる。また、接合材6の量が多く
とも、上記のような不具合が生じ難い構成となっている
ため、接合材6の量を適量よりやや多めに設定しておく
ことにより、接合材6の量が不十分であることによる接
合不良を低減させることが可能となる。さらに、構造体
7によって、各エレメント3、4の配設位置が明示され
るため、金属電極5とエレメント3、4との接合時にお
ける、位置合わせの精度を向上させることも可能とな
る。
【0021】次に、このように構成される熱電素子1の
製造方法の一例について、図4〜図14を参照しなが
ら、順を追って説明する。
【0022】図4〜図14は、熱電素子1の各製造工程
を示す断面図で、図4は絶縁膜作製工程、図5は成膜工
程、図6は電極作製工程、図7は構造体作製工程、図8
はマスク形成工程、図9はNi及びハンダメッキ工程、
図10はマスク除去工程、図11はバンプ形成工程、図
12は接合工程、図13は切断・除去工程(柱立て工
程)、図14は組立工程、をそれぞれ示している。
【0023】先ず、絶縁膜作製工程では、図4に示すよ
うに、基板2A、2B(例えば、単結晶シリコンウェハ
ー)の表面に絶縁性の熱酸化膜8(例えば、酸化ケイ
素)を所定の厚さ(例えば、1μm)で形成する。
【0024】成膜工程では、図5に示すように、基板2
A、2Bの一端面(絶縁膜作製工程において形成された
熱酸化膜8の表面)に、例えば、スパッター法により、
金属膜(例えば、クロム、ニッケル及び金からなる三層
膜5をそれぞれ0.1μm、3μm、1μm )を形成
する。
【0025】電極作製工程では、図6に示すように、フ
ォトリソグラフィー法により、成膜工程(図5)で形成
された金属膜から電極配線パターン(金属電極5及び入
出力用電極)を作製する。
【0026】構造体作製工程では、図7に示すように、
電極作製工程(図6)で形成された金属電極5上に、厚
膜のフォトレジストにより、複数の構造体7(例えば、
内径100μm、外径150μm、高さ50μmの円筒
形状)からなる構造体パターンを形成する。ここで、構
造体パターンは、構造体7が、P型及びN型エレメント
3、4の配設位置に形成され、各構造体7の切欠部7b
が、当該構造体7が設けられた金属電極5の中心側に形
成されるように、設計されている。
【0027】形成工程では、図8に示すように、例え
ば、Bi−Te系の焼結体からなる、P型熱電半導体材
料3A及びN型熱電半導体材料4Aのウェハーの両面
に、コーターによりフィルムフォトレジスト9を塗布す
る。次に、後で行われる接合工程(図12)や切断・除
去工程(図13)を考慮したP型及びN型配置となるよ
うなパターンで、フォトレジストにハンダバンプ6Aを
形成するための開口部ができるように、フォトリソグラ
フィ法によって作製する。
【0028】図9に示すように、Ni及びハンダメッキ
工程では酸(例えば、10%硫酸)などによりフォトレ
ジストの開口部を洗浄し、該開口部にニッケルメッキ1
0(例えば、厚さ15μm)を形成し、次いでハンダメ
ッキ11(例えば、SnとPbの組成比が6:4、厚さ
50μm)を形成する。なお、この工程におけるニッケ
ルメッキは、ハンダと熱電半導体材料3A、4Aとの密
着性を高めると同時に、後工程である接合工程(図1
2)や切断・除去工程(図13)において、基板2A、
2Bと熱電半導体材料3A、4Aとの間に所定の隙間を
形成する役目を持っている。
【0029】マスク除去工程では、図10に示すよう
に、フォトレジストを、例えば、アセトンを溶媒として
用いて、熱電半導体材料3A、4Aから剥離する。
【0030】バンプ形成工程では、図11に示すよう
に、ロジン系ハンダフラックスをハンダメッキ層の表面
に塗布してから、リフロー処理(例えば、230℃)を
行い、半球状のハンダバンプ6Aを形成する。
【0031】図12に示すように、接合工程では、構造
体作製工程(図7)において基板2A、2B上に形成さ
れた構造体7と、熱電半導体材料3A、4Aに形成され
たハンダバンプ6Aとを基準にして位置合わせを行い、
基板2BとP型熱電半導体材料3A、及び、基板2Aと
N型熱電半導体材料4A、をそれぞれ重ね合わせる。そ
して、接合方向に加圧しながら、ハンダバンプ6Aを加
熱(例えば、230℃)して溶融させることにより、基
板2BとP型熱電半導体材料3A、及び、基板2AとN
型熱電半導体材料4A、をそれぞれ構造体7を介して固
着させる。ここで、接合の強度を高めるために、ハンダ
バンプ6Aの先端には、ロジン系フラックスを薄く塗布
しておく。
【0032】切断・除去工程(柱立て工程)では、図1
3に示すように、接合工程(図12)において、それぞ
れ基板2A、2Bに接合された熱電半導体材料3A、4
Aの切断及び不要部分の除去を行い、エレメント3、4
を形成する。この工程では、例えば、シリコン半導体な
どの切断に使用されるダイシングブレードが用いられ
る。熱電半導体材料3A、4Aを切断・除去するには、
熱電半導体材料3A、4Aの端面に形成されたハンダバ
ンプ6Aの間にダイシングブレードを通過させ、そのと
きの切断の深さを、熱電半導体材料3A、4Aのみが切
断される深さ、即ち基板2A、2Bの表面と熱電半導体
材料3A、4Aとの間に形成される隙間までとすること
により、図3に示すような、底面3b、4bが基板2
A、2B上に構造体7を介して接合され、上面3a、4
aにハンダバンプ6Aが形成された状態の、エレメント
3、4を形成することができる。
【0033】組立工程では、図14に示すように、切断
・除去工程(図13)において、P型及びN型のエレメ
ント3、4がそれぞれ形成された基板2A、2Bを、エ
レメント3、4側の面を向かい合わせ、エレメント3、
4の上面3a、4aのハンダバンプ6A、を他方の基板
2B、2Aの金属電極5上に当接させてから、基板2
A、2Bを接合方向に適度に加圧しながら加熱(例え
ば、230℃)してハンダバンプ6Aを溶融させること
により、エレメント3、4を介して基板2A、2Bを接
合させ、熱電素子1を完成させることができる。ここ
で、接合の強度を高めるために、ハンダバンプ6Aの先
端には、ロジン系フラックスを薄く塗布しておく。
【0034】このような製造方法により、例えば、厚さ
600μmの熱電半導体材料3A、4Aから、刃の厚さ
140μmのダイシングブレードを使用して、外形寸法
が1.3mm×2mm×2.5mm、エレメントの数が
P型及びN型を合わせて102本、内部抵抗が約70Ω
である、熱電素子1を製造することができた。ここで、
熱電半導体材料3A、4Aには、Bi−Te系の焼結体
であり、その主な特性は、P型熱電半導体材料3Aが、
ゼーベック係数が202μV/K、比抵抗率が0.93
mΩcm、熱伝導率が1.46W/mK、一方、N型熱
電半導体材料4Aが、ゼーベック係数が−188μV/
K、比抵抗率が0.97mΩcm、熱伝導率が1.61
W/mKのものを使用した。
【0035】このように、P型及びN型エレメント3、
4を構造体7を介して2枚の基板2A、2Bにそれぞれ
接合した状態としてから、これら基板2A、2Bを接合
するようにしたため、これら基板2A、2Bを組み合わ
せる前に、P型及びN型エレメント3、4は、構造体7
によって、正確に位置合わせが行われ、かつ、切欠部7
bによる接合材6の流出方向の制御により基板2A、2
Bへの接合が確実に行われた状態とすることができる。
即ち、熱電素子1製造において、ショート不良やオープ
ン不良といった不具合を低減することが可能となり、歩
留まりを向上させることが可能となる。
【0036】また、構造体7によって、エレメント3、
4と基板2B、2Aとの接合強度が向上するため、エレ
メント3、4を小型化することが可能となり、同じ大き
さの熱電素子1に、より多くのPN接合対を形成するこ
とが可能となる。そのため、小温度差においても、大き
な電力を発生させることが可能となり、熱電素子1を、
例えば、電子式腕時計などの各種携帯用電子機器の発電
に使用することが可能となる。また、熱電素子1は、冷
却素子として用いる場合においても、絶大なる効果を発
揮する。即ち、冷却性能は熱電素子1に入力する電力に
よって決まるが、この熱電素子1の場合、所定の電力を
低電流で供給することが可能となる。これにより、入出
力用の配線を太くしたり、使用する電源を電流型の大き
なものにする必要がなくなる。従って、この熱電素子1
を、例えば、半導体レーザをはじめ、各種電子機器の冷
却等に使用することが可能となる。
【0037】なお、この実施の形態で示したエレメント
3、4の大きさ及び材料、或いは特性については、これ
に限定されるものではない。例えば、大きさについて
は、一般的な大きさである数百μmからミリオーダーの
ものについても適用可能である。また、エレメント3、
4の材料として、Bi−Te系材料の焼結体を例として
挙げたが、例えば、Fe−Si系材料、Si−Ge系材
料、Co−Sb系材料等の各種熱電半導体材料について
も適用可能である。また、熱電素子1の製造方法で示し
たエレメント3、4の形成方法についても、従来の方法
で行われてきたように、個々のエレメント3、4を形成
してから、各々の基板2A、2Bの構造体7が形成され
る位置に、配設するようにしてもよい。その他、具体的
に示した細部構成、方法等は、本発明の主旨を逸脱しな
い範囲で変更可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明の熱電素子によれば、金属電極上
の、P型及びN型エレメントとの接合面の一方の縁部に
は、所定の高さを有する構造体が形成され、該構造体の
側壁面には、当該構造体が形成された金属電極の中心側
に、切欠部が形成されているため、構造体によって、金
属電極とP型及びN型エレメントとの接合に用いる、例
えば、ハンダ等の接合材の流れを制御して、金属電極と
P型及びN型エレメントとの接合強度を高めることが可
能になるとともに、前記接合材の量が原因で生じる接合
不良を低減して、歩留まりを向上させることが可能とな
る。即ち、例えば、前記接合材の量が適量を超えたとし
ても、構造体から溢れた接合材が、切欠部を介して、当
該構造体が設けられた金属電極の中心方向に流出される
ため、絶縁されるべき他の金属電極へと流出してショー
ト不良が発生することを低減することができる。また、
接合材の量が多くとも、上記のような不具合が生じ難い
構成となるため、接合材の量を適量よりやや多めに設定
しておくことにより、接合材の量が不十分であることに
より生じる接合不良を低減させることが可能となる。さ
らに、構造体によって、P型及びN型エレメントの配設
位置が明示されるため、金属電極とP型及びN型エレメ
ントとの接合時における、位置合わせの精度を向上させ
ることも可能となる。
【0039】さらに、2枚の基板のうち、一方の基板に
形成された金属電極上の、P型エレメントとの接合面の
縁部、並びに、もう一方の基板に形成された金属電極上
の、N型エレメントとの接合面の縁部に、それぞれ構造
体が形成されているため、一方の基板の金属電極に構造
体を介してP型エレメントを接合し、他方の基板の金属
電極に構造体を介してN型エレメントを接合してから、
これら2枚の基板を接合することが可能となり、当該熱
電素子の製造が容易となる。
【0040】また、本願発明の製造方法によれば、金属
電極上の一端側に、当該金属電極の中心側に切欠部を有
する略円筒状の構造体を形成し、該構造体を介して、2
枚の基板の何れかにP型及びN型エレメントを接合して
から、該2枚の基板を向かい合わせ、P型及びN型エレ
メントの先端部と、該先端部と対向する基板の金属電極
とを固着して、これら基板を接合するようにしたため、
P型及びN型エレメントは、一端が構造体を介して2枚
の基板の何れか一方に接合された状態で、他端がもう一
方の基板の金属電極に接合されることとなる。従って、
P型及びN型エレメントを、切欠部を介して接合材の流
れ方向の制御が可能な構造体によって、確実にかつ強固
に、一方の基板に接合した状態としてから、2枚の基板
を接合することが可能となる。即ち、エレメントと基板
との接合時における、ショート不良やオープン不良とい
った不具合を低減して、熱電素子製造における歩留まり
を向上させることが可能となる。また、P型及びN型エ
レメントの配設位置が構造体によって明示されるため、
P型及びN型エレメントの接合精度を向上させることも
可能となる。
【0041】さらに、本願発明の製造方法によれば、金
属電極上の一端側に、当該金属電極の中心側に切欠部を
有する略円筒状の構造体を形成し、該構造体を介して、
P型熱電半導体材料及びN型熱電半導体材料を別々の基
板に接合し、該P型及びN型熱電半導体材料を切断し
て、基板上に複数のP型及びN型エレメントを形成して
から、2枚の基板を向かい合わせ、P型及びN型エレメ
ントの先端部と、対向する基板の金属電極とを固着し
て、これら基板を接合するようにしたため、2枚の基板
は、それぞれにP型及びN型エレメントの一方が構造体
を介して固着された状態に形成されてから、接合される
こととなる。即ち、P型及びN型熱電半導体材料と基板
との接合時における、ショート不良やオープン不良とい
った不具合を低減して、熱電素子製造における歩留まり
を向上させることが可能となる。また、P型及びN型熱
電半導体材料の配設位置が構造体によって明示されるた
め、P型及びN型熱電半導体材料の接合精度を向上させ
ることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱電素子の概観を示す斜視図であ
る。
【図2】図1の熱電素子を構成する基板に形成された構
造体パターンを示す平面図である。
【図3】一方の基板にエレメントが接合された状態を示
す断面図である。
【図4】熱電素子の製造方法の1例における、絶縁膜作
製工程を示す断面図である。
【図5】同、成膜工程を示す断面図である。
【図6】同、電極作製工程を示す断面図である。
【図7】同、構造体作製工程を示す断面図である。
【図8】同、マスク形成工程を示す断面図である。
【図9】同、Ni及びハンダメッキ工程を示す断面図で
ある。
【図10】同、マスク除去工程を示す断面図である。
【図11】同、バンプ形成工程を示す断面図である。
【図12】同、接合工程を示す断面図である。
【図13】同、切断・除去工程(柱立て工程)工程を示
す断面図である。
【図14】同、組み立て工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 熱電素子 2A、2B 基板 3 P型エレメント 3A P型熱電半導体材料 4 N型エレメント 4A N型熱電半導体材料 5 金属電極 6 接合材 7 構造体 7b 切欠部 8 酸化膜 9 フォトレジスト 10 ニッケル 11 ハンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸 松雄 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 山本 三七男 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 濱尾 尚範 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 P型熱電半導体材料からなるP型エレメ
    ントと、 N型熱電半導体材料からなるN型エレメント
    と、 これらP型及びN型の異種のエレメントを一対ず
    つ接合してPN接合対を形成する金属電極を有し、前記
    P型及びN型エレメントを挟み込む状態に対向配置され
    た2枚の基板と、 P型及びN型エレメントと金属電極
    を接合するための接合材を備えた熱電素子において、 前記金属電極上の前記P型及びN型エレメントとの接合
    面の一方の縁部には、所定の高さを有する構造体が形成
    され、該構造体の側壁面には、当該構造体が形成された
    前記金属電極の中心側に、切欠部が形成されていること
    を特徴とする熱電素子。
  2. 【請求項2】 前記2枚の基板のうち、一方の基板に形
    成された前記金属電極上の、前記P型エレメントとの接
    合面の縁部、並びに、もう一方の基板に形成された前記
    金属電極上の、前記N型エレメントとの接合面の縁部
    に、それぞれ前記構造体が形成されていることを特徴と
    する請求項1記載の熱電素子。
  3. 【請求項3】 P型熱電半導体材料からなるP型エレメ
    ントと、 N型熱電半導体材料からなるN型エレメント
    と、 これらP型及びN型の異種のエレメントを一対ず
    つ接合してPN接合対を形成する金属電極を有する2枚
    の基板と、P型及びN型エレメントと金属電極を接合す
    るための接合材と、を備えた熱電素子の製造方法であっ
    て、 前記金属電極上の一端側に当該金属電極の中心側に切欠
    部を有する略円筒状の構造体を形成し、該構造体を介し
    て前記2枚の基板の何れかに前記P型及びN型エレメン
    トを接合し、該基板と他方の基板とを向かい合わせて前
    記P型及びN型エレメントの先端部と、該先端部と対向
    する他方の基板の金属電極とを固着することにより、こ
    れら基板を接合することを特徴とする熱電素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 P型熱電半導体材料からなるP型エレメ
    ントと、 N型熱電半導体材料からなるN型エレメント
    と、 これらP型及びN型の異種のエレメントを一対ず
    つ接合してPN接合対を形成する金属電極を有する2枚
    の基板と、P型及びN型エレメントと金属電極を接合す
    るための接合材と、を備えた熱電素子の製造方法であっ
    て、 前記金属電極上の一端側に当該金属電極の中心側に切欠
    部を有する略円筒状の構造体を形成し、前記P型熱電半
    導体材料及び前記N型熱電半導体材料を別々の前記基板
    にそれぞれの構造体を介して接合し、該P型及びN型熱
    電半導体材料を切断して前記基板上に複数の前記P型及
    びN型エレメントを形成してから、前記2枚の基板を向
    かい合わせ、前記P型及びN型エレメントの先端部とこ
    の先端部に対向する基板の金属電極とを固着して、これ
    ら基板を接合することを特徴とする熱電素子の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110000224A1 (en) * 2008-03-19 2011-01-06 Uttam Ghoshal Metal-core thermoelectric cooling and power generation device
US9435571B2 (en) 2008-03-05 2016-09-06 Sheetak Inc. Method and apparatus for switched thermoelectric cooling of fluids

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9435571B2 (en) 2008-03-05 2016-09-06 Sheetak Inc. Method and apparatus for switched thermoelectric cooling of fluids
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