JPH10247752A - 熱電変換素子およびその製造方法 - Google Patents

熱電変換素子およびその製造方法

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JPH10247752A
JPH10247752A JP9050715A JP5071597A JPH10247752A JP H10247752 A JPH10247752 A JP H10247752A JP 9050715 A JP9050715 A JP 9050715A JP 5071597 A JP5071597 A JP 5071597A JP H10247752 A JPH10247752 A JP H10247752A
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JP
Japan
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substrate
thermoelectric conversion
forming
conversion element
thermoelectric
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JP9050715A
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Inventor
Matsuo Kishi
松雄 岸
Minao Yamamoto
三七男 山本
Yoshifumi Yoshida
宜史 吉田
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S I I R D CENTER KK
Original Assignee
S I I R D CENTER KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型π型熱電変換素子において、別体の温度
検出装置を搭載せずに、温度検出、温度制御を行うと同
時に熱電変換素子が本来有する冷却および冷却速度等の
能力を発揮する。 【解決手段】 π型熱電変換素子を構成する少なくとも
一方の基板上にサーミスタ膜や拡散抵抗型温度センサー
等を温度検出装置として基板に直接形成する。例えば、
単結晶シリコンウエハを熱電変換素子の基板として用
い、イオン注入・熱拡散等の工程により基板表面にシリ
コンの半導体特性である拡散抵抗を利用した温度検出装
置15を形成する。これにより、熱電変換素子に熱負荷
となる別体の温度検出装置を搭載する必要がなくなり、
温度検出、温度制御が出来ると同時に熱電変換素子が本
来有する冷却および冷却速度等の能力を発揮することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペルチェ効果によ
る冷却、発熱およびゼーベック効果による熱発電を行う
熱電変換素子(ペルチェ素子あるいは電子冷却装置等と
も称されるが、以降これらを含めて熱電変換素子と称す
る)に関する。
【0002】
【従来の技術】熱電変換素子は、一般にp型熱電材料チ
ップとn型熱電材料チップが二枚の基板に挟まれ、か
つ、基板上でp型熱電材料チップとn型熱電材料チップ
が金属等の導電性物質を介してpn接合されている構造
を有している。従来このような構造の熱電変換素子にお
いては、基板の温度を検出したり、その温度を制御する
ために、基板の上に別体の部品であるサーミスタ等の温
度検出装置を接着等により取り付け搭載し、温度検出装
置の入出力電極と外部の制御装置等とリード線等により
接続していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
熱電変換素子では、正確な温度検出や温度制御を行うた
めには基板上に別体のチップ部品であるサーミスタ等の
温度検出装置等を搭載する必要があった。このため、熱
電変換素子の基板に温度検出装置を搭載する領域を設け
る必要があるとともに温度検出装置の熱容量の影響を考
える必要があり、本来必要とする性能以上の仕様を熱電
変換素子に要求せざるをえないという問題点があった。
さらに、この構造をとるために温度検出装置と外部の制
御装置とを接続する、いわゆる実装工程においても立体
構造体どうしの接続といった複雑な工程をとるためコス
トや歩留まりといった点においても好ましい構造とは言
い難かった。
【0004】このような問題は、特に小型の熱電変換素
子で著しく、例えば、光通信で用いられる半導体レーザ
ーはその発熱のために熱電変換素子による冷却が必要と
されているが、使われる熱電変換素子は、その大きさが
数mm角と小さいため温度制御用のセンサー等が搭載さ
れることにより、その大きさや冷却性能に大きな影響を
与えてしまい、全体としての小型化・小電力化という点
に対して問題を与えていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の熱電変換素子
は、熱電変換素子を構成する2枚の基板のうち少なくと
も一方の基板表面に基板と一体形成された温度検出装置
を備えることとした。このため、基板上に別部品からな
る温度検出装置を搭載する必要がなくなる。すなわち、
熱電変換素子に対して熱負荷となる搭載部品がなくなる
ため、従来のように本来必要とする以上の大きさや性能
を熱電変換素子に求めなくてもよい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の熱電変換素子では、熱電
変換素子を構成する基板上に設けられた温度検出装置が
厚膜および薄膜技術や半導体技術等により基板上に直接
形成されている。これにより、基板と一体化した温度検
出装置を有する熱電変換素子が得られることとなる。基
板と温度検出装置が一体化しているので、チップ部品と
して供給される温度検出装置を基板に搭載する必要がな
くなり、上述した問題点、すなわち、熱電変換素子を不
必要に大きくしたり、過剰な性能を持たせる必要がなく
なるのである。さらに、熱電変換素子の基板に一体形成
する温度検出装置をサーミスタ材料で膜状に形成するこ
ととした。これにより、熱電変換素子の基板に広く使わ
れているアルミナ基板上に容易に作り込むことが可能と
なる。一般に、サーミスタは、Mn−Ni系酸化物等に
代表されるNTC(negative tempera
ture coefficient)サーミスタ材料や
Ba−Ti−Nb−Mn系酸化物のようなPTC(po
sitive temperature coeffi
cient)サーミスタ材料で形成される。これらの材
料をアルミナのような絶縁性基板の上に形成するには、
スパッタリング等により薄膜として形成した後でエッチ
ング等により必要な形状に加工したり、あるいはペース
ト状の原料を印刷等により所望の形状にしたのち焼成す
ることにより容易に実現できる。このように、サーミス
タを熱電変換素子の基板上に一体化して作り込むことが
できる。
【0007】また、熱電変換素子を構成する基板をシリ
コンとし、シリコンの表面近傍にシリコンが有する半導
体特性を利用した温度検出装置を形成することとした。
例えば、シリコンはその表面近傍に不純物を適宜拡散ド
ーピングする等により、温度変化に対して抵抗率が大き
く変化する特性を持つようになる。このような領域を熱
電材料の基板であるシリコン基板の一部に形成すること
により、温度検出装置が一体的に形成された熱電変換素
子を作製することができる。たとえば、特開平8−97
472号公報に記載されたような、数mm角程度の基板
に数十から数百の熱電材料チップが接合されているよう
な非常に小さな熱電変換素子に対して、基板をシリコン
とすることにより、温度センサーを備えた熱電変換素子
を一枚の基板から同時に多数作ることが可能となり、容
易にかつ低コストで温度検出装置付きの熱電変換素子を
提供することができる。
【0008】
【実施例】以下、本願発明の実施例を、図面を参照して
詳細に説明する。 (実施例1)本発明の熱電変換素子の主要部の位置関係
を図1に示す。すなわち、基板上面から透視した主要部
の配置を基板面に平行な平面上に示した模式図である。
図1の破線A−A’における断面を図2に示す。
【0009】本実施例の熱電変換素子の基本構成は従来
のπ型素子と呼ばれる構造を有している。すなわち、熱
電変換素子の基本構成としては、図1、2に示すよう
に、上部基板1および下部基板2上に形成された下部p
n接合用電極3および上部pn接合用電極4、さらにp
型Bi−Te系熱電材料チップからなるp型エレメント
5とn型Bi−Te系熱電材料チップからなるn型エレ
メント6から構成されている。なお、いうまでもなく熱
電変換素子の基板に上下はないが、実施例を説明するに
あたり、ここでは上部および下部基板を便宜上定義し
た。本実施例で作製した本願発明の熱電変換素子は、こ
のようなπ型熱電変換素子の基本的な構造に加え、上部
基板1上に形成されたサーミスタ7と、サーミスタの抵
抗値を測定するための電極8で構成されている。このよ
うな構成・構造を有する熱電変換素子を作製するための
具体的な工程を以下に記す。まず、ニッケルめっきが施
された銅電極が片面に直接接合されている高熱伝導性を
有するアルミナ基板の、電極が接合されていない側の基
板面に薄膜サーミスタ材料(特性としてはNTC)であ
るSiC薄膜をスパッタリングにより形成した。スパッ
タリングの際、SiC膜がサーミスタとしての形状を確
保するように、メタルマスクによるマスキングを行なっ
た。これにより、図1および図2に示したサーミスタ7
が形成され、次に、SiCを形成するのと同様にメタル
マスクでマスキングしたスパッタリングによりCr、N
i、Auからなる電極8を形成した。なお、ここで作製
したサーミスタの特性は、25℃において、R=15k
Ω、B定数=4100Kを有するものとした。このよう
に、薄膜型サーミスタが形成された電極付き基板と、単
に電極が形成された対向基板との間に、大きさ0.6m
m×0.6mm、高さ1mmのBi−Te系熱電材料か
らなるp型エレメント5およびn型エレメント6を挟み
込み、ハンダによる接合を行なうことにより、最終的に
はpn接合数7対(エレメント数14本)、基板外形寸
法4.5mm×4.5mm、総厚み2.3mの熱電変換
素子を作製した。 このようにして作製した熱電変換素子のサーミスタ7側
を冷却面とし、反対面に放熱板を取り付けることによ
り、真空中でその冷却特性を調べた。放熱側の温度を3
0℃一定となるように十分放熱しながら、熱電変換素子
に電流を流したところ、冷却面のサーミスタ7が示す温
度値は電流値の増加とともに低下し、電流値が1.2A
のとき−37℃(ΔT=67℃)となり最低温度を示し
た。その後さらに電流値を増加したところ、通電による
ジュール熱の発生が優勢となり、サーミスタ7が示す温
度値は徐々に上昇した。一方、比較として、実施例の熱
電変換素子と同型(サイズ、pn接合数)の従来型の熱
電変換素子にチップ状のサーミスタ(約2mm×3mm
×1mmt)を接着し、同様の性能評価を行なったとこ
ろ、熱電変換素子に流した電流が1.2Aのとき最低温
度−32℃(ΔT=62℃)を示した。さらに、図3
に、これら2つの熱電変換素子(本発明に係わる熱電変
換素子と比較のために作製した従来型の熱電変換素子)
の冷却性能を比較するために、最大温度差を示す電流値
である1.2Aを通電し、時間変化に対して各サーミス
タが示した温度を示す。従来型のサーミスタ部品を接着
搭載した熱電変換素子の冷却特性を示す曲線Bでは、最
大温度差ΔT=62℃を示すまで約10秒要している。
これに対して、本発明による薄膜サーミスタを基板に直
接形成した熱電変換素子では、曲線Aで示したように最
大温度差であるΔT=67℃を示すのに要する時間は約
5秒である。以上示したように、本発明による熱電変換
素子は、チップ状サーミスタを接着することにより搭載
した従来型の熱電変換素子と比べて、最大温度差で約5
℃勝り、最大温度差を得るまでの時間も約1/2となっ
ており、非常に優れた性能を有するものであった。 (実施例2)実施例2では、熱電変換素子を構成する熱
電材料がBi−Te系焼結材料、エレメントの大きさが
120μm×120μm、高さ(厚み)が600μm、
エレメント数が102本(pn51対)であり、素子の
外形寸法が3mm×3mm、厚みが約1.3mmである
超小型熱電変換素子に本発明を適用した例について記
す。このような超小型熱電変換素子を、従来のように治
具等を用いてエレメントを基板に挟み込む方法で作製す
ることは非常に困難であり、不可能といっても過言では
ない。そこで、本実施例においては、素子を構成する基
板にシリコンウエハを用い、微細加工技術の一つである
薄膜形成技術とフォトリソグラフィー技術により基板上
の電極等を作製すると同時に、基板であるシリコンが有
する半導体特性を利用して温度検出装置が一体化されて
いる熱電変換素子を作製した。すなわち、シリコン基板
に不純物を適宜拡散させることにより作製される拡散抵
抗の温度特性を利用することにより、温度検出装置を構
成する。以下にこの温度検出装置及び熱電素子について
実施例を基に説明する。図4に本実施例の熱電変換素子
の主要部の位置関係を示す。すなわち、図4は基板上面
から透視した主要部の配置を基板面に平行な平面上に示
した模式図である。また、図4の破線A−A’における
断面を図5に示す。ただし、図4では温度検出装置が省
略されている。図5に示すように、実際にはシリコン基
板表面に拡散抵抗15が温度検出装置として形成されて
いる。本実施例の熱電変換素子の基本構成も実施例1と
同様、従来のπ型素子と呼ばれる構造を有している。図
4、5に示すように、基本的な構造は実施例1で作製し
た熱電変換素子と同様であるが、pn接合を行なうため
の電極11および12の配置、エレメント13および1
4の並び等の位置関係等が異なっているとともに、温度
検出装置がサーミスタではなく拡散抵抗15となってい
る。このような構造を有する熱電変換素子の製造方法
は、基板に温度検出部と電極層を形成する上部基板作製
工程と、対向基板に電極層を形成する下部基板作製工程
と、熱電材料焼結体にハンダバンプを形成するハンダバ
ンプ形成工程と、それぞれの基板に熱電材料を接合する
基板−熱電材料接合工程と、熱電材料を切断(ダイシン
グ)して基板上にエレメントを形成するエレメント構成
工程と、エレメントが形成された2枚の基板を張り合わ
せる組み立て工程と、を備えている。以下にこれらの工
程を詳細に説明する。図6は本実施例の熱電変換素子の
製造方法における上部基板作製工程のうち、温度検出部
の製造方法の概略を記した図である。まず、熱酸化によ
り、比抵抗値10kΩcmのシリコンウエハ17表面に
熱酸化膜18を形成する(図6b)。この熱酸化膜18
が形成されたシリコンウエハ17の一方の面に、温度検
出装置となるべき部分(拡散抵抗を形成すべき部分)に
開口部を有するフォトレジスト19でマスキングする
(図6c)。このときのフォトレジスト19の開口部の
大きさは、10μm×200μmとした。次に、このフ
ォトレジスト開口部に不純物を拡散させるために、イオ
ン注入法によりリンを10−13cm−2注入する。こ
れにより、イオン注入層20が形成される(図6d)。
さらに、イオン注入により生じたイオン注入層20のダ
メージを取り除くために、熱拡散(950℃)を行い、
それにより拡散抵抗層21が形成される(図6e)。こ
の拡散抵抗層21が温度検出を行う部分であり、500
0オングストロームの深さで形成される。このように、
温度検出を行う拡散抵抗層21を形成した後、SiO2
系保護層22をCVD法により形成する(図6f)。
さらに、温度検出装置としての取り出し電極を設けるた
めに、フォトリソグラフィー(ドライエッチング法)に
よりSiO2 系保護層22に開口部を形成する(図6
g)。この開口部とその周囲のSiO2 系保護層22
の上にアルミニウム電極23をスパッタリング法とフォ
トリソグラフィーにより形成し(図6h)、さらに、ア
ルミニウム電極23の外部との接続部のみが露出するよ
うに窒化ケイ素系保護層24をCVD法により形成する
(図6i)。ここで、200μmの長さで形成された拡
散抵抗層21は、アルミニウム電極23が接続して形成
されることにより、実施的な抵抗としての長さが100
μmとなる。以上により、長さ100μm、幅10μ
m、深さ0.5μmで、抵抗400kΩを有する拡散抵
抗による温度検出装置を作り上げることが出来た。この
ようにして作製された温度検出装置を有するシリコンウ
エハを、図5における熱電変換素子の上部基板10とす
る工程を図7に示す。まず、温度検出装置が形成された
シリコンウエハ(図7a)の両面にウエハ側からCr−
Ni−Auの3層からなる層25をスパッタリング法に
より形成する(図7b)。この層25は、開口部に露出
したアルミニウム電極19を保護するとともに、拡散抵
抗温度検出装置と外部機器とをワイヤーボンディング等
で接続するための層としての役割を果たす。一方、これ
まで処理してきた面の反対面においては、以後に行なう
熱電変換素子の形成のためのエレメントのpn接合用電
極層としての働きをするものである。これらの3層から
電極を形成するために、拡散抵抗層21を形成した面で
は、アルミニウム電極23の開口部とその周囲(窒化ケ
イ素保護層24上)に電極26を残すようなパターンを
有するフォトマスクを用い、他方の面では、図4に示し
た上部基板10上の電極14のパターンを有するフォト
マスクを用いることにより、各々の面にエッチング用レ
ジスト層を形成し、Au、Ni、Crの順でエッチング
を行うことにより温度検出装置用電極26と上部基板に
おけるpn接合用電極27を形成する(図7c)。次
に、下部基板作製工程を図8に基づいて説明する。下部
基板にはシリコンウエハ28表面に熱酸化層29を形成
したものを使用した。まず、スパッタリング法により基
板側から順にCr−Ni−Auの3層からなる層30を
形成する(図8b)。次に、図4及び図5に示した下部
基板電極パターンとなるようにフォトエッチングにより
下部基板用pn接合用電極31を形成した(図8c)。
次に、Bi−Te系熱電材料焼結体上へのハンダバンプ
形成工程について、図9に従って説明する。なお、この
ハンダバンプ形成工程は、p型およびn型のいずれの熱
電材料についても共通の工程である。厚さ600μmに
研磨した板状のBi−Te系熱電材料焼結体32(図9
a)の両面に円形で径110μm、中心間距離320μ
mの開口部を有する厚さ40μmのフォトレジスト層3
3を形成する(図9b)。この時、各面の開口部が正確
にアライメントされるようにフォト工程は両面アライナ
ーを用いて行った。次に、この開口部にフォトレジスト
層33の厚みと同じ厚みである40μmのNiバンプ3
4を湿式めっき法により形成した(図9c)。さらに、
ハンダバンプとなるべきハンダめっき(Sn:Pb=
6:4)35を湿式ハンダめっき法により30μmの厚
みとなるように形成し(図9d)、その後、フォトレジ
ストを剥離してロジン系ハンダフラックスをハンダめっ
き35に塗布し、250℃に加熱設定されたリフロー炉
に通すことによりハンダめっき35をリフローする。こ
れにより、熱電材料の両面にNiバンプを“土台”と
し、高さ100μmのほぼ球形なハンダバンプ36を3
20μmピッチで作製することが出来た(図9f)。こ
のようにして作製したハンダバンプ付き熱電材料を、ダ
イシング装置を用いてハンダバンプ36の数が7×8個
(片面)となるように切断し、一個の熱電変換素子に使
用されるエレメントの試料とした。次に、基板―熱電材
料接合工程について、図10に示した概略図を基に説明
する。なお、この工程においてもp型およびn型熱電材
料にかかわらず同様に行われるので一方について説明す
る。まず、下部基板作製工程で作製した下部基板37と
ハンダバンプが両面に形成されたエレメント作製用p型
熱電材料38を治具を用いてアライメントする。すなわ
ち、下部基板37のpn接合用電極39とハンダバンプ
40とをアライメントする。この状態で、250℃で加
熱することにより基板−熱電材料の接合を行った。この
とき、下部基板37と熱電材料38との間には、熱電材
料38に形成した高さ40μmのNiバンプにより、こ
の高さ(40μm)に、ほぼ等しい間隙を有している。
この間隙を利用して基板に接合されたエレメントの作製
が以下に説明するように行われる。図10に示した熱電
材料が接合されている基板において、シリコン半導体な
どをチップ状に切断するために用いるダイシング装置に
刃の厚み200μmのダイシングブレードを取り付け、
下部基板37と熱電材料38との間に存在するNiバン
プにより作られた約40μmの間隙を利用し、シリコン
基板37およびpn接合用電極39を切断しないように
刃先を設定し、ハンダバンプ間の熱電材料38のみを切
断する。これにより、図11に示すような、ハンダバン
プ44の付いたエレメント43が接合された基板40が
作製される。このようにして、p型エレメントが接合さ
れた下部基板を作製する。同様にして、n型エレメント
が接合された上部基板も作製すことができる。このエレ
メントが接合された基板の作製に際しては、熱電変換素
子1個分の大きさで作製してもよいが、複数個分をまと
めて作製し、その後、1個の熱電変換素子の大きさにシ
リコン基板を切断してもよい。次に、最後の工程である
エレメントが接合されている2枚の基板の張り合わせ
(組み立て)工程について図12に基づいて説明する。
図12(a)に示したように、上部基板46と下部基板
47をエレメント48が接合されている面を向かい合わ
せると同時にエレメントの先端に付いているハンダバン
プ49を対向する基板のpn接合用電極50にあわせ、
基板外部より適宜加圧しながら、全体を250℃に加熱
する。このようにして、エレメントと基板を接合し、目
的とする熱電変換素子を作製した(図12b)。以上の
ようにして作製された本実施例の熱電変換素子、すなわ
ち、拡散抵抗を利用した温度検出装置を備えたシリコン
基板で構成された熱電変換素子の性能は次の通りであっ
た。
【0010】下部基板の表面(放熱面)の温度を30℃
一定に保ち、各電流値に対する上部基板の表面(冷却
面)と下部基板との温度差を上部基板に作り込んだ拡散
抵抗を利用した温度検出装置により測定した結果を図1
3に示す。本実施例では、熱電変換素子を冷却に用いる
ため、温度検出装置を冷却面に設けることが好ましい。
この図から、最大温度差は電流値80〜100mAのと
き約60℃であることが読み取れる。また、通電開始か
ら各電流値における定常状態にいたるまでの時間は、約
3秒であることがわかる。一方、この熱電変換素子にチ
ップ状サーミスタを接着搭載して、同様の測定を行った
ところ、最大温度差は電流値80mAのとき得られ、そ
の温度差はサーミスタでは53℃、拡散抵抗を利用した
温度検出装置では55℃の温度差を示した。また、通電
開始から各電流値における定常状態にいたるまでの時間
は、各電流値で大きなバラツキが認められサーミスタで
は5〜15秒、拡散抵抗温度検出装置では5〜12秒で
あった。以上のように、熱電変換素子にサーミスタを接
着取り付けした場合(従来の場合)、サーミスタ自身が
熱負荷となり熱電変換素子の持つ本来の性能が発揮され
ていないことがわかる。したがって、従来のように熱電
変換素子に被冷却物を搭載する場合、サーミスタの熱負
荷をも加味する必要があり、本来必要とされる熱電変換
素子の能力以上の素子を使用する必要があるという欠点
をあらためて確認できたと同時に本実施例で作製した熱
電変換素子では、サーミスタのように熱負荷となるチッ
プ部品が搭載されないので、不必要に大きな熱電変換素
子を被冷却物に適用することが無くなると同時に非常に
安定した冷却状態を作り出すことが出来ることが確認で
きた。なお、実施例1及び2では温度検出装置を上部基
板(冷却面)に形成したと説明しているが、言うまでも
なく熱電変換素子は上下の規定はなく、また、冷却面お
よび放熱面は通電方向を変えることにより任意に変更で
きる。
【0011】
【発明の効果】二枚の基板に挟まれたp型熱電材料エレ
メントとn型熱電材料エレメントが導体を介してpn接
合されてなる熱電変換素子において、この熱電変換素子
を構成する基板の、少なくとも一方に温度検出装置を一
体的に形成したので、サーミスタのように熱負荷となる
チップ部品を温度検出装置として搭載する必要がないの
で、被冷却物に対して不必要に大きな熱電変換素子を適
用することが無くなると同時に非常に安定した冷却状態
を作り出すことができる。
【0012】このような特徴は、特に、小型の熱電変換
素子で著しく有効である。例えば、光通信で用いられる
半導体レーザーはその発熱のために熱電変換素子による
冷却が必要とされているが、ここに用いられる熱電変換
素子は大きさが数mm角と小さいため、温度制御用のセ
ンサー等が搭載されると、その大きさや冷却性能に大き
な影響を与えてることとなる。そのため、全体としての
小型化・小電力化という点に対して問題を生じていた
が、本発明の熱電変換素子によれば、これらの問題は飛
躍的に改善される。
【0013】また、熱電変換素子に一体化して形成され
る温度検出装置が直接基板に薄膜法や厚膜法で一体化形
成されたサーミスタであることにより、アルミナ基板や
絶縁を施したシリコン基板上の任意の位置に温度検出装
置を形成することが出来ると同時に安価に作製すること
ができる。さらに、表面に絶縁層が形成されたシリコン
基板を熱電変換素子の基板として用い、かつ、温度検出
装置がシリコンに形成された拡散抵抗の変化を検出する
ことにより温度を測定することにより、従来の方法では
作製できない温度検出装置付きの高性能超小型熱電変換
素子を作製することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による熱電変換素子の主要部の位置関係
を示す基板上面からの透視図。
【図2】図1の破線Aによる縦断面を示す断面図。
【図3】通電時間に対する本発明の熱電変換素子と従来
型の熱電変換素子の各サーミスタが示した温度の測定結
果を示すグラフ。
【図4】本発明の第2実施例による熱電変換素子の主要
部の位置関係を示す、基板上面からの透視図。
【図5】図4において示した破線Aにおける縦断面を示
す断面図。
【図6】第2実施例における、基板上に温度検出装置部
を形成する製造工程を表す概略図。
【図7】第2実施例における、温度検出装置が形成され
た基板を熱電変換素子の上面基板として加工する工程を
表す概略図。
【図8】第2実施例における下面基板作製工程を表す概
略図。
【図9】第2実施例における、Bi−Te系熱電材料焼
結体上へのハンダバンプ形成工程を表す概略図。
【図10】第2実施例における、基板に熱電材料が接合
されている状態を示した図。
【図11】ハンダバンプが形成されたエレメントと基板
とが接合された状態を示した図。
【図12】第2実施例における、エレメントが接合され
ている2枚の基板を張り合わせる(組み立て)工程を表
す概略図。
【図13】拡散抵抗を利用した温度検出装置による、各
電流値ごとの放熱面と冷却面との温度差の測定結果を示
す図。
【符号の説明】
1、9 上部基板 2、10 下部基板 3、11 下部pn接合用電極 4、12 上部pn接合用電極 5、13 p型エレメント 6、14 n型エレメント 7 サーミスタ膜 8 サーミスタ抵抗値測定用電極 15 拡散抵抗 16、26 拡散抵抗の抵抗値測定用電極 17 シリコン基板 18 熱酸化膜 19 フォトレジスト 20 イオン注入層 21 拡散抵抗層 22 SiO2系保護層 23 アルミニウム電極 24 窒化ケイ素系保護層 25 Cr−Ni−Auの3層からなる金属層 27 、31 pn接合用電極 28 シリコン基板 29 熱酸化層 30 Cr−Ni−Auの3層からなる層 32 Bi−Te系熱電材料焼結体 33 フォトレジスト層 34 Niバンプ 35 ハンダめっき 36 ハンダバンプ 37、45 基板 38 エレメント作製用p型熱電材料 39、41、50 pn接合用電極 40、43、49 ハンダバンプ 42 Niバンプ 44、48 エレメント 46 上部基板 47 対向基板 51 拡散抵抗 52 拡散抵抗の抵抗値測定用電極 14
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 宜史 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型熱電材料エレメントとn型熱電材料
    エレメントが二枚の基板に挟まれ、基板上でp型熱電材
    料エレメントとn型熱電材料エレメントが金属等の導電
    性物質を介してpn接合されている熱電変換素子におい
    て、 少なくとも一方の基板上に、基板と一体形成された温度
    検出装置を具備することを特徴とする熱電変換素子。
  2. 【請求項2】 前記温度検出装置がサーミスタ材で膜状
    に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の熱電変
    換素子。
  3. 【請求項3】 前記基板が表面に絶縁層が形成されたシ
    リコン基板であるとともに、前記温度検出装置が、シリ
    コン基板の層内に設けられた拡散抵抗からなることを特
    徴とする請求項1に記載の熱電変換素子。
  4. 【請求項4】 基板に温度検出部と電極層を形成する基
    板作製工程と、前記基板と相対する対向基板に電極層を
    形成する対向基板作製工程と、熱電材料にハンダバンプ
    を形成するバンプ形成工程と、 バンプが形成された熱電材料とそれぞれの基板を接続す
    る接合工程と、熱電材料を切断して基板上にエレメント
    を形成するエレメント構成工程と、エレメントが形成さ
    れた2枚の基板を接合する組み立て工程と、を備えるこ
    とを特徴とする熱電素子の製造方法。
  5. 【請求項5】前記基板作製工程が、アルミナ基板上にサ
    ーミスタ膜を形成する温度検出部形成工程と、熱電材料
    と接続するための電極を形成する電極層形成工程を含む
    ことを特徴とする請求項4に記載の熱電素子の製造方
    法。
  6. 【請求項6】前記基板作製工程が、シリコン基板表面に
    不純物を拡散させて拡散抵抗層を形成する温度検出部形
    成工程と、熱電材料と接続するための電極を形成する電
    極層形成工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の
    熱電素子の製造方法。
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