JPH11233323A - 異方性磁石材料の製造方法とそれを使用するボンド磁石の製造方法 - Google Patents

異方性磁石材料の製造方法とそれを使用するボンド磁石の製造方法

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JPH11233323A
JPH11233323A JP10031876A JP3187698A JPH11233323A JP H11233323 A JPH11233323 A JP H11233323A JP 10031876 A JP10031876 A JP 10031876A JP 3187698 A JP3187698 A JP 3187698A JP H11233323 A JPH11233323 A JP H11233323A
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magnet
powder
alloy
anisotropic
magnet material
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JP10031876A
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Yasuhiko Iriyama
恭彦 入山
Shinji Nakayama
信治 中山
Yasumasa Kasai
靖正 葛西
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 希土類−鉄−ボロン系の磁石合金の粉末を樹
脂バインダーで結合してなるボンド樹脂の製造に用いる
磁石粉末において、異方性化により高性能の磁石を与え
るものを、より簡単な工程で、従って低減されたコスト
で製造する方法を提供する。 【解決手段】 磁石合金の超急冷リボンから得た粉末を
金属筒内に充填して雰囲気制御可能な加熱プレス内に置
き、非酸化性雰囲気下に、温度650〜900℃で、こ
の金属筒ごと、上下のパンチでその軸方向に一軸圧縮し
て潰すことにより磁石合金の粒子に塑性変形を生じさせ
たのち、このようにして異方性化した磁石粉末の塊を取
り出して粉砕することからなる。 ボンド磁石は、この
磁石粉末を樹脂バインダーと混合し、磁場を印加して異
方性化した粉末を配向させた状態で成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類−鉄−ボロ
ン系磁石合金の粉末であって、異方性を有するものの製
造方法に関する。 本発明はまた、この異方性を有する
磁石粉末を使用するボンド磁石の製造方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】希土類−鉄−ボロン系磁石は、高い磁気
特性を有するため、各種のOA機器やAV装置を構成す
るモーターの部品として、広く使用されている。 よく
知られているように、希土類−鉄−ボロン系磁石は、そ
の使用の態様によって、焼結磁石、熱間加工磁石および
ボンド磁石に大別される。
【0003】焼結磁石は、磁場プレス装置を用い、磁場
を印加しながら磁石粉末をプレスすることにより、グリ
ーン成形体を得る。 希土類−鉄−ボロン系磁石は合金
結晶のc軸が磁化容易軸であるから、これを一方向に揃
えることにより、強い磁気異方性を生じさせることがで
きる。 続いて、グリーン成形体を高温で焼結して高密
度化することにより、強力な異方性磁石を製造すること
ができる。
【0004】熱間加工磁石は、ホットプレスや押出し成
形などの熱間加工工程をへて高密度化された磁石であ
る。 これもc軸が一方向に揃っていて強力であるが、
c軸が揃うメカニズムが上記の焼結磁石とは異なってい
る。 すなわち、希土類−鉄−ボロン系磁石は、熱間で
塑性加工を加えると、結晶の方向が歪みの加わる方向に
揃うという特殊な性質がある。 これを利用して、所定
の方向に磁気異方性をもつように塑性変形させて製造し
たのが、熱間加工磁石である。 この磁石は、磁場を印
加することなく異方性化できることが特徴である。
【0005】これら2種の磁石はエネルギー積がとくに
大きいのが特徴であり、高い磁束密度が要求される用途
に向けられる。
【0006】一方、ボンド磁石は、磁石粉末と樹脂バイ
ンダーとを混合して成形するという工程にしたがって製
造されるため、形状の自由度が大きく、寸法精度の高い
製品が得られるのが利点である。 上記したOA機器・
AV装置用のモーターの部品は、薄肉かつ精密なもので
なければならないので、ボンド磁石がよく用いられてい
る。 しかし、現在のボンド磁石は結晶の方向がランダ
ムな等方性磁石が主流であるから、異方性の磁石にくら
べて、磁石成分自体のエネルギー積が小さい。それに加
え、ボンド磁石はバインダーの介在により磁性相の体積
占有率が低くなることもあって、磁石としてのエネルギ
ー積は、焼結磁石や熱間加工磁石の20〜30%程度に
止まっているのが現状である。
【0007】そこで、ボンド磁石のエネルギー積を高め
ることが求められ、そのための方法が、種々検討されて
いる。 一例を挙げれば、希土類−鉄−ボロン系の熱間
加工磁石を粉砕して粉末としたものを、ボンド磁石の材
料として使用することである(J. Appl. Phys., 64, 1
0,5293−5295)。 この方法は、まず希土類−鉄−ボロ
ン系磁石合金の急冷リボンの粉末をプレスして高密度化
した素材を用意し、この素材を熱間で塑性変形させて、
磁気異方性が生じた合金塊とする。 これを再度粉砕
し、バインダーと混合して磁場中で成形する。 このよ
うにして、在来の等方性ボンド磁石よりも高いエネルギ
ー積をもつボンド磁石が得られるが、この方法は工程が
複雑で、コストがかかるのが難点である。
【0008】発明者らは、希土類−鉄−ボロン系磁石合
金が、熱間で塑性変形させると磁気異方性を生じるとい
う特徴を利用し、かつ工程を単純にしてコストを低減し
たボンド磁石の製造方法を提供することを意図して研究
し、さきに、希土類−鉄−ボロン系磁石合金の急冷リボ
ンから得た粉末を金属の容器に充填し、内部を真空にす
るか、または不活性ガス雰囲気にして密閉したものを、
温度650〜900℃で一軸方向に圧縮することにより
塑性変形を起こさせ、後に容器を開いて異方性をもった
磁石合金粉末を製造する方法を確立し、すでに提案した
(特願平8−359855)。
【0009】この方法は、上記した既知の方法のよう
に、いったん高密度化した素材を経ることがないので、
工程が単純になったという点で改良されているばかり
か、塑性変形後の磁石合金の粉末の集合体が、既知の方
法に従ったときに得られる合金塊よりも、容易に破砕で
きるという点でも有利である。 しかし、工業的実施に
当って、金属容器への粉末の充填−真空吸引−密閉の工
程を一層簡単にすること、およびワンバッチの生産量を
大きくすることが、次の課題として登場してきた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、上述の、発明者らが提案したボンド磁石用の異方
性磁石合金粉末を製造する方法を改良し、より低コスト
であって、かつ量産に好都合な製造方法を提供すること
にある。 その磁石合金の粉末を使用するボンド磁石の
製造方法を提供することもまた、本発明の目的に含まれ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のボンド磁石用の
異方性磁石材料の製造方法は、図1に示すように、希土
類−鉄−ボロン系磁石合金の超急冷リボンから得た粉末
(1)を金属筒(3)内に充填して雰囲気制御可能な加
熱プレス内に置き、非酸化性雰囲気下に、温度650〜
900℃で、この金属筒ごと、上下のパンチ(4,5)
でその軸方向に一軸圧縮して、図2のように潰すことに
より磁石合金の粒子に塑性変形を生じさせたのち、この
ようにして異方性化した磁石粉末の塊(2)を取り出し
て粉砕することからなる。
【0012】本発明のボンド磁石の製造方法は、上記の
ようにして製造した異方性磁石材料の粉末を、樹脂バイ
ンダーと混合し、この混合物に磁場を印加して磁石材料
の粉末を配向させた状態で成形することからなる。
【0013】
【発明の実施形態】本発明の対象とする希土類−鉄−ボ
ロン系磁石合金として好適なものは、下式であらわされ
る組成の磁石合金である。
【0014】RxFe(100-x-y-z-w)Coyzw (式中、RはYを含む希土類元素であり、TはGa,S
i,Al,C,Ni,Cu,Zn,In,Mn,Nb,
TaおよびTiから選ばれる1種または2種以上の元素
である。 x=12.5〜16,y=0〜10,z=
4.8〜6.5,w=0〜1) 上記の合金組成の限定理由を、以下に説明する。
【0015】Rは、12.5に満たないと塑性加工工程
における加工性が著しく低くなり、そのため異方性化の
度合いが小さい上に、磁石の保磁力が小さくなって実用
的でない。 16を超えると磁化が減少し、その結果、
エネルギー積が低下してしまう。 zの値つまりBの量
は、4.8〜6.5の範囲にあることが好ましい。4.
8未満では保磁力が低く、実用的でないし、6.5を超
えると、塑性加工が困難になる。
【0016】Coを添加すると、つまりyがゼロより大
きい合金組成を選ぶと、キュリー温度が上昇するので、
磁石の耐熱性が向上するという利点がある。 しかし、
yが10を超えると、磁化が減少するので好ましくな
い。
【0017】保磁力、残留磁化または最大エネルギー積
のいずれかの磁気特性を改善するためには、元素“T”
すなわちGa,Si,Al,C,Ni,Cu,Zn,I
n,Mn,Nb,TaおよびTiから選ばれる1種また
は2種以上を、微量添加することが効果的である。 1
%を超えるTの添加は、磁化の低下が大きくなるので好
ましくない。 添加効果は、元素の種類によって異な
り、Ga,Si,Alは残留磁化を向上させ、Cu,Z
nは保磁力を高める。 したがって、製品とする磁石に
要求される特性に応じて、任意添加元素の種類と添加量
を選択すべきである。 なお、製造工程においてN,
F,Mg,P,S,Caなどの不純物が不可避的に混入
してくるが、磁気特性への影響は小さい。
【0018】本発明の異方性磁石材料の製造は、高周波
溶解による磁石合金の製造、回転ロールによる溶湯の超
急冷および得られた超急冷リボンの粉砕から始まる。
これらの工程は、既知の技術にしたがって実施すること
ができるが、塑性加工による異方性の発現を効果的に行
なわせるには、超急冷リボンの結晶粒径を0.1nm〜1
μm程度に細かくすることが望ましい。 このような結
晶粒度を得るためには、ロール周速を15〜35m/秒
とするのが適当である。
【0019】合金磁石の粉末を充填する金属の筒の材料
は、熱間の組成加工の温度650〜900℃において溶
融しない金属であれば、とくに制限はないが、一般に、
軟鋼やステンレス鋼、またはCu,Ni,Al,Ti,
Cr,Mn,Coなどの金属またはこれらの合金が適当
である。 筒の形状は、任意であって、角筒でもよい
が、圧縮によっていずれは円筒に近い形に変形してしま
うので、もともと円筒であるものを使用するのが有利で
ある。 金属筒の圧縮前の高さをhとし、横断面の相当
直径をdとしたとき、h/dが0.1〜4.5の範囲に
あるものが好ましい。 この値が0.1より小さいと、
一軸圧縮による塑性加工の加工率が不足となって、異方
性化が十分に行なえない。 一方、あまり大きいと圧縮
を受けて座屈しやすく、通常4.5が限界である。 こ
こで「相当直径」dとは、金属筒が円筒でない場合に、
同じ断面積をもつ円の直径に換算した値を意味する。
【0020】筒は有底であっても、無底であってもよ
い。 ただし、無底では粉末の充填と熱プレスへのセッ
トに不便であるから、筒の一方の底に、熱間塑性加工の
条件で燃え尽きて影響のない材料、たとえば紙やプラス
チックで一時的な底を設けるとよい。
【0021】金属筒への磁石合金粉末の充填は、カサ密
度にして1〜4g/cm3となるように行なうのが適当であ
る。 低すぎては有効な圧縮ができないし、他方、高い
充填密度を実現することは容易でなく、手数をかけるほ
どの意味もない。
【0022】粉末を充填した金属筒は、制御された雰囲
気下に加熱加圧可能なプレスのダイの間に置き、周囲の
雰囲気を非酸化性にする。 非酸化性の雰囲気は、真空
吸引によるか、またはアルゴンや窒素のような不活性ガ
スで雰囲気を置き換えることのよって実現する。 雰囲
気を非酸化性にしたのち、温度を650〜900℃に高
めて、プレスを行なう。 650℃に至らない低温で
は、異方性化が十分に行なわれず、高いエネルギー積が
得られない。 一方、温度が900℃を超えると、合金
の保磁力が低くなってしまう。 加熱方法は、電気抵
抗、高周波加熱など種々の方法が可能である。
【0023】圧縮の度合いは、金属筒の圧縮前の高さを
hとし、圧縮後の高さをh’としたとき、圧縮比h/
h’が3.3〜20の範囲内で、できるだけ高いことが
好ましい。 この比が3.3未満では異方性化が不十分
に終わり、また20を超える圧縮は、通常の装置では実
現困難である。
【0024】一軸圧縮により、粉末を充填した金属筒は
ソロバン玉状に変形し、粉末は半径方向の塑性変形を受
ける。 冷却後取り出し、金属筒を切り開いて、粉末の
集合体を得る。 この粉末集合体は、前述のように、比
較的少ない力で粉砕することができる。
【0025】金属筒の圧縮前の高さhおよび圧縮後の高
さh’と、加工率rとの関係は、次の式で表される: r=(h−h’)/h 加工率が高いほど、磁気異方性の発現が顕著になり、従
って製品磁石の性能が向上する。 加工率rと最大エネ
ルギー積[BH]max とのの関係の一例をグラフに示せ
ば、図3のとおりである。
【0026】上述のようにして得た異方性磁石合金粉末
は、樹脂バインダーと混合し、磁場中で粉末を配向させ
て成形することにより、ボンド磁石とすることができ
る。このときに使用する樹脂バインダーには、とくに制
限はなく、エポキシ樹脂、フェノール樹脂のような熱硬
化性樹脂、ナイロンのような、常用の熱可塑性樹脂を使
用することができる。 エポキシ樹脂は圧縮成形に好適
であり、良好な磁気特性を得るためには、磁石粉末に対
し1〜5重量%のエポキシ樹脂が適切である。ナイロン
は、射出成形や押出し成形に好適であって、適切な樹脂
量は、磁石粉末に対し4〜8重量%である。 どちらの
場合も、シラン系またはチタン系のカップリング剤や、
ステアリン酸塩のような滑剤を添加することができる。
【0027】磁場中で成形するに当たり、磁石粉末を十
分に配向させるには、8kOe以上、好ましくは10kOe
以上の磁場を与える。 圧縮成形の場合は、成形後に1
50℃前後の温度に加熱して、熱硬化性樹脂のキュア処
理を行なうなど、この分野で既知の技術にしたがってボ
ンド樹脂を製造すればよい。
【0028】
【実施例】[実施例1]原子%で、Nd:13.33
%、Fe:74.96%、Co:6.06%およびB:
5.65%からなる組成の合金を、高周波加熱により1
500℃の溶湯とし、これを周速24m/秒で回転して
いる銅製単ロール上に注ぎ、超急冷リボンとした。 こ
のリボンを粒径300μm以下に粉砕して、磁化容易軸
および困難軸の磁気特性を、振動試料型磁力計(VS
M)を用いて測定した。 結果は、次のとおりであっ
て、 磁気等方性で特性の低いものに止まっている。
【0029】上記のリボンの粉末20gを、肉厚2mm、
内径20mm、高さ50mmのコップ状の容器に充填した。
この容器を真空ホットプレスにセットし、5x10-2
Torrまで真空吸引してからアルゴンガスを導入し、プレ
ス内の圧力を再び1気圧とした。 高周波加熱により、
上記の軟鋼容器とその中の粉末を加熱して800℃とし
たのち、圧縮比が2.5となるようにプレスした。 室
温まで冷却して容器を開いて異方性化Nd−Fe−Co
−B磁石合金を取り出し、300μm以下に粉砕した。
【0030】得られた粉末を15kOeの磁場で配向させ
ながら、ワックスで固めて磁気特性測定用の試料を得
た。 この試料の磁気特性は、下記のとおりである: 次に、この磁石粉末に対しエポキシ樹脂を2重量%の割
合で混合し、混合物を金型に充填して磁場プレスにセッ
トした。 15kOeの磁場を印加して磁石粉末を配向さ
せながら、10ton/cm2の圧力でプレスすることによ
り、圧縮成形体とした。 この成形体をアルゴン雰囲気
中150℃で1時間加熱してエポキシ樹脂を硬化させ、
ボンド磁石を得た。 得られたボンド磁石の特性をBH
トレーサーにより測定して、次の結果を得た: 残留磁化Br 保磁力iHc 最大エネルギー積[BH]max 8.8kG 15.2kOe 17.0MGOe。
【0031】[実施例2]実施例1で製造した超急冷リ
ボンの粉末を表1に示す条件で一軸圧縮し、塑性加工に
より得たものを粉砕して、異方性化磁石粉末とした。
この粉末を実施例1と同様に加工して、ボンド磁石を製
造した。 製品ボンド磁石の磁気特性を、あわせて表1
に示す。
【0032】 表 1 No. 一軸圧縮条 気特性 容器へのリボン h/s h/h’ 温度 Br iHc [BH]max 充填率(g/cm3) (℃) (kG) (kOe) (MGOe) 1 1.28 1.6 5 650 7.5 17.6 15.0 2 1.28 1.6 5 750 8.8 16.9 17.2 3 1.28 1.6 5 850 8.6 15.0 16.0 4 1.28 1.6 5 900 8.0 13.2 15.5 5 1.28 1.6 3.4 800 9.0 15.6 17.1 6 1.28 1.6 8 800 9.4 15.3 18.0 7 1.28 1.6 10 800 9.6 15.0 19.0 8 1.28 1.6 20 800 9.7 14.7 19.5 9 1.28 0.1 5 800 7.8 17.0 16.2 10 1.28 0.8 5 800 8.2 16.6 16.6 11 1.28 3.0 5 800 8.9 16.0 17.1 12 1.28 5.0 5 800 9.2 15.6 18.0 13 1.0 1.6 5 800 8.7 16.3 16.7 14 2.6 1.6 5 800 9.0 15.1 17.9 15 4.1 1.6 5 800 9.3 14.9 19.1。
【0033】[実施例3]表2に記載する合金組成の超
急冷リボンを、実施例1と同様にして用意し、実施例1
と同じ条件で塑性加工およびボンド磁石の製造を行なっ
た。 得られたボンド磁石の磁気特性を、表2に示す。
【0034】 表 2 No. 合金組成 磁気特性 R Fe Co B その他 Br iHc [BH]max (kG) (kOe) (MGOe) 21 Nd 13.58 80.17 − 6.25 − 8.6 14.0 15.7 22 Nd 14.10 80.96 − 4.94 − 8.0 15.3 13.6 23 Nd 12.84 74.96 6.53 5.73 − 8.9 13.4 16.3 24 Nd 14.21 73.66 7.74 5.39 − 8.2 16.5 14.0 25 Nd 15.39 72.37 6.82 5.42 − 7.6 18.3 12.5 26 Pr 14.20 76.60 3.84 5.36 − 7.9 15.3 14.0 27 Nd 7.65, Pr 14.20 72.35 6.54 5.63 − 8.1 17.5 14.1 28 Nd 10.77, Ce 4.64 72.06 6.84 5.69 − 8.0 16.9 14.3 29 Nd 13.65, Dy 1.49 72.49 6.81 5.56 − 7.5 19.3 12.5 30 Nd 13.90 73.46 6.66 5.37 Ga 0.61 9.8 15.1 20.1 31 Nd 13.81 73.16 6.66 5.33 Ga 1.00 9.6 15.5 19.5 32 Nd 13.77 73.23 6.68 5.37 Si 0.96 8.3 16.7 15.0 33 Nd 13.76 73.36 6.73 5.32 Al 0.83 8.8 15.3 15.1 34 Nd 13.81 73.24 6.85 5.38 C 0.72 8.7 15.0 17.0 35 Nd 13.80 73.62 6.78 5.35 Ni 0.45 8.5 13.5 14.3 36 Nd 13.86 73.86 6.76 5.32 Cu 0.20 7.7 16.5 12.9 37 Nd 13.67 73.73 6.72 5.33 Zn 0.55 7.6 17.3 12.3 38 Nd 13.64 74.02 6.84 5.29 In 0.21 8.6 13.9 15.0 39 Nd 13.84 73.83 6.79 5.25 Mn 0.29 8.4 16.5 15.3 40 Nd 13.77 74.02 6.79 5.28 Nb 0.14 8.3 17.3 15.9 41 Nd 13.90 73.79 6.81 5.32 Ta 0.16 8.3 15.1 15.3 42 Nd 13.82 73.65 6.88 5.39 Ti 0.26 8.0 14.9 15.0
【0035】
【発明の効果】本発明に従って異方性磁石粉末を製造す
れば、さきに提案した製造方法のもつ利益、すなわち従
来の技術よりも簡略化された工程で異方性の高い磁気特
性を持った磁石粉末が得られるという利益を享受した上
で、密閉容器の使用が不必要になり、大きなバッチで作
業をすることができるという効果を奏する。 これによ
り、高い性能を持ったボンド磁石が容易に製造でき、か
つそのコストを一層低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のボンド磁石用の異方性磁石材料の製
造方法を説明するための、装置の主要部を示した断面図
である。
【図2】 図1の装置によるプレスで得た、潰れた金属
筒とその中の、異方性化された磁石粉末の塊を示す断面
図。
【図3】 金属筒に充填した磁石粉末の加工率と磁石性
能向上の度合いとの関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 磁石合金の超急冷リボンから得た粉末 2 異方性化した磁石粉末の塊 3 金属筒 4,5 パンチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01F 1/08 C22C 38/00 303D // C22C 38/00 303 H01F 1/08 A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類−鉄−ボロン系磁石合金の超急冷
    リボンから得た粉末を金属筒内に充填して雰囲気制御可
    能な加熱プレス内に置き、非酸化性雰囲気下に、温度6
    50〜900℃で、この金属筒ごと、その軸方向に一軸
    圧縮して磁石合金の粒子に塑性変形を生じさせたのち、
    取り出して粉砕することからなるボンド磁石用の異方性
    磁石材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 希土類−鉄−ボロン系磁石合金として、
    下式であらわされる組成の合金を使用する請求項1の異
    方性磁石材料の製造方法 RxFe(100-x-y-z-w)Coyzw (式中、RはYを含む希土類元素であり、TはGa,S
    i,Al,C,Ni,Cu,Zn,In,Mn,Nb,
    TaおよびTiから選ばれる1種または2種以上の元素
    である。 x=12.5〜16,y=0〜10,z=
    4.8〜6.5,w=0〜1)
  3. 【請求項3】 金属筒の圧縮前の高さをhとし、横断面
    の相当直径をdとしたとき、h/dを0.1〜4.5の
    範囲にえらんで実施する請求項1の異方性磁石材料の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 金属筒の圧縮前の高さをhとし、圧縮後
    の高さをh’としたとき、h/h’を3.3〜20の範
    囲にえらんで実施する請求項1の異方性磁石材料の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の方
    法により製造された異方性磁石材料を、樹脂バインダー
    と混合し、この混合物に磁場を印加して磁石材料の粉末
    を配向させた状態で成形することからなるボンド磁石の
    製造方法。
JP10031876A 1998-02-13 1998-02-13 異方性磁石材料の製造方法とそれを使用するボンド磁石の製造方法 Withdrawn JPH11233323A (ja)

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