JPH11231795A - 単色液晶表示板におけるカラー画像表示方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単色液晶表示板においてカラー表示方法を可
能にする。 【解決手段】 バックライトパネル４を有する単色液晶
表示板２において、このバックライトパネル４と単色液
晶表示板２との間に、光透過性の優れたカラー画像シー
ト３を介装することにより、バックライトパネル４の点
灯に伴って単色液晶表示板２を通じて前記カラー画像シ
ート３を浮かび上がらせる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話、PHS(以
下携帯電話で総称する)等に見られる比較的安価な単色
液晶表示板において、バックライトパネルの点灯に伴っ
て特定の文字、マーク又はカラー画像を表示できるよう
にするカラー表示方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】携帯電話は、現在の使用状況や通信先の
電話番号等を表示するため、小型かつ軽量な液晶表示を
利用している。通常、表示したい情報は全て文字又はマ
ークで表現できることからカラー液晶表示板は使われ
ず、専らコスト安な単色液晶表示板が用いられる。た
だ、夜間や周囲が暗い場所での使用を考慮して、視認性
を高める目的からバックライトパネルを備えている携帯
電話が多い。バックライトパネルには白色光を放つ通常
タイプと、ELパネルを利用したバックライトパネルとが
あり、後者ではグリーンやブルーといった蛍光色の単色
液晶表示板となる。

【０００３】こうした携帯電話では、例えばこちらから
電話を掛けようとして番号ボタンを押したり、相手から
電話が着信した場合等に、バックライトパネルが点灯
し、単色液晶表示板では通信状況(感度や通信時間等)を
表示する。通信が終わると、携帯電話は待機状態に入
り、バックライトパネルも消灯する。このように、単色
液晶表示板は、電池駆動する携帯電話の消費電力を極力
抑えるために、バックライトパネルの点灯時間を限定
し、限られた情報のみを文字及びマークで表示するのみ
であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】携帯電話が急速に普及
した背景には、購入費用を格安に抑え、場合によっては
無料で配布したことによる。この結果、広く小中高校生
や大学生が携帯電話を持つに至った。これら学生は、携
帯電話を友達との簡易なコミュニュケーション手段とし
て持ち歩き、一種ファッションのように扱っている。こ
のため、携帯電話は持ち歩きに困らず、学生が持ってフ
ァッション性が感じられる外観を備えるようになった
が、表示部分は相変わらず単色液晶表示板を使用してい
る。

【０００５】今後、極めて大容量の電池が提供された
り、カラー液晶表示板が安価かつ大量に供給されない限
り、携帯電話における単色液晶表示板の地位は揺るがな
いように見える。しかし、上述のような普及の背景か
ら、できれば視覚に訴える表示部分にカラー表示機能を
付加し、カラー画像を表示したり、単色液晶表示板の表
示色を変更して、遊び心やファッション性を持たせた
い。こうした需要は、このほかカセットプレイヤーやＭ
Ｄプレイヤーのリモコン操作部の単色液晶表示板や、電
子回路を内蔵した各種機器の情報表示部の単色液晶表示
板にも当てはまる。そこで、単色液晶表示板におけるカ
ラー表示方法について検討することとした。

【０００６】

【課題を解決するための手段】検討の結果開発したもの
が、バックライトパネルを有する単色液晶表示板におい
て、このバックライトパネルと単色液晶表示板との間
に、光透過性に優れたカラー画像シートを介装すること
により、バックライトパネルの点灯に伴って単色液晶表
示板を通じて前記カラー画像シートを浮かび上がらせる
単色液晶表示板におけるカラー画像表示方法である。携
帯電話等に使用される液晶画面には、通常単色液晶表示
板の最背面に反射板を有するが、この反射板を薄くして
光透過性を高めるか、バックライトパネルの光のみ表面
に向けて放射する半透明鏡を反射板とするのがよい。

【０００７】本発明は、単色液晶表示板とバックライト
パネルとの間に介装したカラー画像シートを、バックラ
イトパネルからの光で液晶に投影し、カラー画像を表示
する。カラー画像シートには、光透過性のある透明フィ
ルムに写真を転写したものが好ましいが、完全に光を遮
断しない限り、例えば薄紙に着色したようなものであっ
てもよい。また、単色(セピア色等)画像シートを用いて
褪せた写真のイメージで画像を表示させたり、単なるカ
ラーフィルタを用いて液晶全面を好みで着色してもよ
い。このように様々な色を投影するため、バックライト
パネルには白色光を放つ通常タイプが好ましいが、ELバ
ックライトパネルも利用できる。

【０００８】カラー画像シートを交換可能にすると、使
用者が自らカラー画像シートを交換して表示するカラー
画像を変更できるようになる。この場合、交換後のカラ
ー画像シートの安定性を確保するため、シートはスライ
ドフィルムのように枠体で囲み、単色液晶表示板とバッ
クライトパネルとの間に前記枠体を挟持するフレームを
配設しておくとよい。この例では、装着する位置の一面
に挿入スロットを有し、対面にイジェクトボタンを設け
た装置に対して、まず装着済のシートをイジェクトボタ
ンで取り出し、新たなシートを挿入スロットから入れる
手順でカラー画像シートの交換ができる。挿入スロット
は、交換後、装置内部へ埃等が侵入しないように蓋を設
け、閉蓋可能にしておくとよい。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態について、
図を参照しながら説明する。図１は本発明を適用した携
帯電話１の正面図、図２は同携帯電話１における単色液
晶表示板２、カラー画像シート３とバックライトパネル
４との位置関係を表した分解斜視図、図３はバックライ
トパネル４を消灯時の液晶画面５を描き出した一部拡大
正面図であり、図４は図３の状態からバックライトパネ
ル４を点灯した状態を表した同一部拡大正面図である。
本発明は、単色液晶表示板２を使用した各種電子機器に
適用できるが、バックライトパネル４の点灯/消灯によ
ってカラー画像６を表示/非表示を選択実行する点か
ら、もっとも携帯電話１が好ましいので、以下では携帯
電話１を例示する。

【００１０】本発明では、バックライトパネル４(図２
参照)の点灯によって、図１に見られるようにカラー画
像６を表示する。前面には、携帯電話１の操作にかかる
内容が液晶表示(図示せず、図４参照)されており、カラ
ー画像６はこうした液晶表示の背景として浮かび上が
る。一般的な携帯電話１の液晶画面５は、図２に見られ
るように、単色液晶表示板２とバックライトパネル４と
からなり、カラー画像シート３は両者の間に介装する。
単色液晶表示板２は、透明電極を張り付けたガラスに液
晶を封入した本体７を、偏波面が直交する２枚の偏光板
８,９で挟み、更に背面側に反射板10を取り付けた構造
で、本発明ではカラー画像６の表示を鮮明にするため、
従来よりも薄い反射板か、背面側から表側に向けてのみ
光透過性のある半透明板を用いる。バックライトパネル
４は、側面から入射した光を拡散板11全域に行き渡らせ
て、カラー画像シート３を通して単色液晶表示板２を明
るくする。バックライトパネル４は、カラー画像シート
３を通して光が単色液晶表示板２へ到達するように、周
囲を遮蔽壁12で囲んでいる。

【００１１】このような携帯電話１の液晶画面５では、
バックライトパネル４が点灯しない限り、図３に見られ
るような液晶表示しか見ることができない。これは、カ
ラー画像を表示するには、光量が足りないためである。
ところが、バックライトパネル４が点灯すると、十分な
光量がカラー画像シート３(図２参照)を通じて液晶へ到
達するため、液晶表示と共にカラー画像６が写し出され
ることになる。単色液晶表示板２は、単に光の通過/遮
断の区別により、単色の文字又はマークを写し出すに過
ぎないが、カラー画像シート３は着色しており、各色が
バックライトパネル４の光を受けて発色するため、液晶
を通じたカラー画像６として見ることができるのであ
る。この携帯電話１の例では、カラー画像シート３に子
供の写真を用い、電話をする度に子供の顔(カラー画像
６)が浮かび上がるようにしている。

【００１２】図５はカラー画像シート３を交換可能にし
た携帯電話１の液晶画面５を描き出した図３相当一部拡
大正面図である。本例の携帯電話１では、上述の例示に
示した携帯電話１において、カラー画像シート３の周囲
を枠体13で囲むと共に、カラー画像シート３を装着する
位置に、単色液晶表示板２とバックライトパネル４との
間にフレーム14を配設し、携帯電話１側面に挿入スロッ
ト15を設けている。これにより、携帯電話１の使用者
は、複数のカラー画像シート３を用意すれば、それらを
交換して、楽しむことができる。この交換用カラー画像
シート３は、写真のフィルム、ポスターやシール写真を
透明フィルムに焼きつけたものを枠体13で囲み、スライ
ドフィルムのような形態に加工している。挿入スロット
15には、常時閉蓋している蓋16を設けてあり、カラー画
像シート３を押し込むと開くが、バネ等の働きで、カラ
ー画像シート３の装着が終わると閉じるようになってい
る。

【００１３】図６は携帯用カセットプレーヤーのリモコ
ン17における液晶画面５に本発明を適用した例を示した
一部正面図である。こうしたリモコン17の液晶画面５に
も、上述の携帯電話１同様に、カラー画像シートを装着
することで、バックライトパネルの点灯に合わせてカラ
ー画像６を表示させることができる。また、挿入スロッ
トを設けることで、カラー画像シートを交換し、趣味や
季節に合わせたカラー画像を表示させるようにすること
もできる。

【００１４】本発明は、単色液晶表示板に対してカラー
画像を表示することを目的としているが、別途表示させ
るものはフルカラー画像だけでなく、256色カラー画像
や単色カラー又は白黒画像であってもよい。例えば、企
業に導入した大量の携帯電話に対して、他の携帯電話と
の区別をするために、企業のマークを描いた白黒画像シ
ートを各携帯電話に装着し、電話を使う際に企業のマー
クを表示させるような使用形態が考えられる。また、カ
ラー液晶表示板に対して本発明を適用し、バックライト
パネルが点灯する度に、特定のカラー画像を別途表示さ
せるようにしてもよい。このように、本発明は極めて広
い使用形態が考えられる。

【００１５】

【発明の効果】本発明は、コスト等の関係から単色の文
字又はマークしか表示できなかった単色液晶表示板にお
いて、カラー画像の表示を可能にし、これまで無味乾燥
であった液晶表示を華やかにする効果を有する。これに
より、液晶表示に趣味性や楽しさを加えることができ、
単色液晶表示板といえどもカラー液晶表示板にひけを取
らない表示機能を持たせることができるようになる。

【００１６】カラー画像シートには、家族の写真を用い
ると、電話をする度に家族のことを思い出させて、帰宅
を促すようなメッセージ的な使用方法も可能である。直
接文字又はマークを用いたカラー画像により、直接メッ
セージを訴えるようにしてもよい。また、カラー画像シ
ートの交換は、上記効果を更に拡大し、より趣味性を高
めた液晶表示を可能にする。カラー画像を通しての前記
メッセージは、使用する画像によって変わるから、カラ
ー画像シートの交換はメッセージの交換といった意味合
いをも有する。

【００１７】このように、多義的な性格を有するカラー
画像シートを通しての単色液晶表示板におけるカラー画
像の表示は、なによりも簡易かつ安価な加工により、現
存する多くの電子機器に適用可能な点が見のがせない。
カラー画像シートの交換が可能な構造も、多くの改造を
要せず、比較的安価に実現できる。このように、本発明
は単色液晶表示板にカラー画像を表示することの効果に
対してコストが極めて抑えられることから、費用対効果
の高い技術ということができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した携帯電話の正面図である。

【図２】同携帯電話における単色液晶表示板、カラー画
像シート及びバックライトパネルとの位置関係を表した
分解斜視図である。

【図３】バックライトパネル消灯時の液晶画面を描き出
した一部拡大正面図である。

【図４】図３の状態からバックライトパネルを点灯した
状態を表した同一部拡大正面図である。

【図５】カラー画像シートを交換可能にした携帯電話の
液晶画面を描き出した図３相当一部拡大正面図である。

【図６】携帯用カセットプレーヤーのリモコンにおける
液晶画面に本発明を適用した例を示した一部正面図であ
る。

【符号の説明】

１ 携帯電話 ２ 単色液晶表示板 ３ カラー画像シート ４ バックライトパネル ５ 液晶画面 ６ カラー画像 ７ 本体 ８ 偏光板 ９ 偏光板 10 反射板 11 拡散板 12 遮蔽壁 13 枠体 14 フレーム 15 挿入スロット 16 蓋 17 リモコン

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バックライトパネルを有する単色液晶表
   示板において、バックライトパネルと単色液晶表示板と
   の間に、光透過性に優れたカラー画像シートを介装する
   ことにより、バックライトパネルの点灯に伴って単色液
   晶表示板を通じて前記カラー画像シートを浮かび上がら
   せることを特徴とする単色液晶表示板におけるカラー画
   像表示方法。
2. 【請求項２】 カラー画像シートを交換可能にしたこと
   を特徴とする請求項１記載の単色液晶表示板におけるカ
   ラー画像表示方法。