JPH11228552A - エポキシ化合物の製造方法 - Google Patents
エポキシ化合物の製造方法Info
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- JPH11228552A JPH11228552A JP3568598A JP3568598A JPH11228552A JP H11228552 A JPH11228552 A JP H11228552A JP 3568598 A JP3568598 A JP 3568598A JP 3568598 A JP3568598 A JP 3568598A JP H11228552 A JPH11228552 A JP H11228552A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 不飽和2重結合を過酸化物により酸化して、
エポキシ化する際、爆発を防止して工業的有利に目的物
を製造する方法を提供する。 【解決手段】 エチレン性不飽和二重結合を有する化合
物を過酸化物と反応させて、不飽和二重結合を酸化して
対応するエポキシ化合物を製造する方法において、原料
のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を溶媒に溶
解し、フィルターで濾過した後、過酸化物と反応させる
ことを特徴とするエポキシ化合物の製造方法。
エポキシ化する際、爆発を防止して工業的有利に目的物
を製造する方法を提供する。 【解決手段】 エチレン性不飽和二重結合を有する化合
物を過酸化物と反応させて、不飽和二重結合を酸化して
対応するエポキシ化合物を製造する方法において、原料
のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を溶媒に溶
解し、フィルターで濾過した後、過酸化物と反応させる
ことを特徴とするエポキシ化合物の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエポキシ化合物の製
造方法に関する。詳しくは、過酸化物を用いる反応にお
いて、爆発の発生を防止して農薬として有用なスチレン
オキサイド類を製造する方法に関する。
造方法に関する。詳しくは、過酸化物を用いる反応にお
いて、爆発の発生を防止して農薬として有用なスチレン
オキサイド類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレンオキサイドの製造方法として、
スチレン類の過酸化物によるエポキシ化が一般的に知ら
れている。例えば、特開平2−304043号には、2
−(2−置換−2−プロペニル)インダン−1,3−ジ
オン類を過酢酸によってエポキシ化物にすることによっ
て、除草剤として有用な対応する2−(2−置換−2,
3−エポキシプロピル)インダン−1,3−ジオン類を
製造する方法を開示している。
スチレン類の過酸化物によるエポキシ化が一般的に知ら
れている。例えば、特開平2−304043号には、2
−(2−置換−2−プロペニル)インダン−1,3−ジ
オン類を過酢酸によってエポキシ化物にすることによっ
て、除草剤として有用な対応する2−(2−置換−2,
3−エポキシプロピル)インダン−1,3−ジオン類を
製造する方法を開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記製
造方法について、本発明者らが検討を行ったところ、エ
ポキシ化反応時に、主反応と並行して過酢酸が分解して
酸素が発生し、反応器の中で有機溶媒と爆発雰囲気を形
成する可能性があり、反応器内に窒素等の不活性ガスを
導入して酸素濃度を低下させる必要がある。また、過酢
酸の分解時には発熱を伴うため、分解量が多いと反応制
御も困難となることが分かった。そのため、反応系にピ
ロリン酸ナトリウム等の過酢酸安定化剤を添加して、過
酢酸の分解を抑制しているが、その効果は十分ではなか
った。何れも、工業的にスチレンオキサイド類を製造す
る場合には、障害となる課題である。本発明は、かかる
事情に鑑み成されたものであって、スチレン類を過酸化
物により酸化して、対応するスチレンオキサイドを製造
する工業的有利な方法を提供することを目的とする。
造方法について、本発明者らが検討を行ったところ、エ
ポキシ化反応時に、主反応と並行して過酢酸が分解して
酸素が発生し、反応器の中で有機溶媒と爆発雰囲気を形
成する可能性があり、反応器内に窒素等の不活性ガスを
導入して酸素濃度を低下させる必要がある。また、過酢
酸の分解時には発熱を伴うため、分解量が多いと反応制
御も困難となることが分かった。そのため、反応系にピ
ロリン酸ナトリウム等の過酢酸安定化剤を添加して、過
酢酸の分解を抑制しているが、その効果は十分ではなか
った。何れも、工業的にスチレンオキサイド類を製造す
る場合には、障害となる課題である。本発明は、かかる
事情に鑑み成されたものであって、スチレン類を過酸化
物により酸化して、対応するスチレンオキサイドを製造
する工業的有利な方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を行った結果、過酸化物の自己
分解による酸素の生成が、原料中に混入する固形物によ
り促進され、かかる混入物を除去することにより反応時
の過酸化物の分解を低減できることを見出した。本発明
は、かかる知見により達成されたものであり、その要旨
は、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物を過酸化
物と反応させて、不飽和二重結合を酸化して対応するエ
ポキシ化合物を製造する方法において、原料のエチレン
性不飽和二重結合を有する化合物を溶媒に溶解し、フィ
ルターで濾過した後、過酸化物と反応させることを特徴
とするエポキシ化合物の製造方法に存する。
解決するために鋭意検討を行った結果、過酸化物の自己
分解による酸素の生成が、原料中に混入する固形物によ
り促進され、かかる混入物を除去することにより反応時
の過酸化物の分解を低減できることを見出した。本発明
は、かかる知見により達成されたものであり、その要旨
は、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物を過酸化
物と反応させて、不飽和二重結合を酸化して対応するエ
ポキシ化合物を製造する方法において、原料のエチレン
性不飽和二重結合を有する化合物を溶媒に溶解し、フィ
ルターで濾過した後、過酸化物と反応させることを特徴
とするエポキシ化合物の製造方法に存する。
【0005】
【発明の実施形態】以下、本発明の好ましい実施態様に
ついて説明する。本発明方法は、特に下記一般式(1)
ついて説明する。本発明方法は、特に下記一般式(1)
【0006】
【化4】
【0007】(上記式中、Rは置換されていてもよい炭
化水素基を示し、Aは水素原子を含まない電子吸引性基
によって置換されていてもよいベンゼン環を示す。)で
表されるスチレン誘導体を過酸化物と反応させて下記一
般式(2)
化水素基を示し、Aは水素原子を含まない電子吸引性基
によって置換されていてもよいベンゼン環を示す。)で
表されるスチレン誘導体を過酸化物と反応させて下記一
般式(2)
【0008】
【化5】
【0009】(上記式中、RおよびAは一般式(1)と
同意義を有する。)で表されるスチレンオキサイド誘導
体を製造する方法において、好ましく適用される。上記
一般式(1)および(2)において、Aは水素を含まな
い電子吸引性基によって置換されていてもよいベンゼン
環である。水素原子を含まない電子吸引性基としては、
フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、ニトロ基、シアノ基等が挙げら
れる。また、Rは置換されていてもよい炭化水素基を示
し、エポキシ化反応条件において安定であれば特に制限
はないが、下記一般式(3)で表されるインダン−1,
3−ジオン類が好ましい。
同意義を有する。)で表されるスチレンオキサイド誘導
体を製造する方法において、好ましく適用される。上記
一般式(1)および(2)において、Aは水素を含まな
い電子吸引性基によって置換されていてもよいベンゼン
環である。水素原子を含まない電子吸引性基としては、
フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、ニトロ基、シアノ基等が挙げら
れる。また、Rは置換されていてもよい炭化水素基を示
し、エポキシ化反応条件において安定であれば特に制限
はないが、下記一般式(3)で表されるインダン−1,
3−ジオン類が好ましい。
【0010】
【化6】
【0011】(上記式中、R1 は水素原子または低級ア
ルキル基を示し、Bは置換されていても良いベンゼン環
を示す。) 上記式(3)において、R1 は、メチル基、エチル基等
の低級アルキル基が好ましい。また、Bは塩素原子、臭
素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチ
ル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基、これ
らアルキル基に対応する炭素数1〜3のハロアルキル
基、炭素数1〜2のアルコキシ基、炭素数1〜2のハロ
アルコキシ基、ニトロ基あるいはシアノ基等により置換
されていてもよいベンゼン環である。生成物の有用性を
考慮すると、無置換であるか、またはハロゲン原子によ
って置換されたベンゼン環が好ましい。
ルキル基を示し、Bは置換されていても良いベンゼン環
を示す。) 上記式(3)において、R1 は、メチル基、エチル基等
の低級アルキル基が好ましい。また、Bは塩素原子、臭
素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチ
ル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基、これ
らアルキル基に対応する炭素数1〜3のハロアルキル
基、炭素数1〜2のアルコキシ基、炭素数1〜2のハロ
アルコキシ基、ニトロ基あるいはシアノ基等により置換
されていてもよいベンゼン環である。生成物の有用性を
考慮すると、無置換であるか、またはハロゲン原子によ
って置換されたベンゼン環が好ましい。
【0012】本発明の出発原料である一般式(1)の化
合物の製法は特に限定されるものではなく、例えば、特
開平2−304043号記載の方法により製造したもの
でも或いは他の方法で製造したものであっても良い。本
発明者等の検討によれば、工業的規模で合成された一般
式(1)のスチレン誘導体中には、合成過程の試薬、触
媒或いは反応器などに由来する金属、カーボン、有機物
などの固形不純物が混入しており、これが過酸化物の自
己分解を促進する原因となっていると考えられる。従っ
て、本発明方法では先ず、一般式(1)で表される化合
物を反応溶媒に溶解した後、フィルターで濾過して反応
に用いる。用いられるフィルターの材質は、一般式
(1)で表される化合物および溶媒に対して溶解等を起
こさないものであればよく、例えばポリプロピレン、テ
フロン、SUS等が挙げられる。また、0.1〜10μ
mの濾過精度が得られるものであれば、フィルター形式
に特に制限はなく、例えばカートリッジタイプのフィル
ターを用いて加圧濾過する方法等が挙げられる。
合物の製法は特に限定されるものではなく、例えば、特
開平2−304043号記載の方法により製造したもの
でも或いは他の方法で製造したものであっても良い。本
発明者等の検討によれば、工業的規模で合成された一般
式(1)のスチレン誘導体中には、合成過程の試薬、触
媒或いは反応器などに由来する金属、カーボン、有機物
などの固形不純物が混入しており、これが過酸化物の自
己分解を促進する原因となっていると考えられる。従っ
て、本発明方法では先ず、一般式(1)で表される化合
物を反応溶媒に溶解した後、フィルターで濾過して反応
に用いる。用いられるフィルターの材質は、一般式
(1)で表される化合物および溶媒に対して溶解等を起
こさないものであればよく、例えばポリプロピレン、テ
フロン、SUS等が挙げられる。また、0.1〜10μ
mの濾過精度が得られるものであれば、フィルター形式
に特に制限はなく、例えばカートリッジタイプのフィル
ターを用いて加圧濾過する方法等が挙げられる。
【0013】溶媒は、エポキシ化反応の反応溶媒に用い
られるものが好ましく、クロロホルム、塩化メチレン、
四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、
キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の炭化水素
系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール等のアルコール系溶媒が挙げられる。溶媒の使用
量は特に制限されるものではないが、一般式(1)で表
される化合物に対して0.5〜100倍量(重量)、好
ましくは1〜30倍量、より好ましくは2〜10倍量の
範囲で実施される。
られるものが好ましく、クロロホルム、塩化メチレン、
四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、
キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の炭化水素
系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール等のアルコール系溶媒が挙げられる。溶媒の使用
量は特に制限されるものではないが、一般式(1)で表
される化合物に対して0.5〜100倍量(重量)、好
ましくは1〜30倍量、より好ましくは2〜10倍量の
範囲で実施される。
【0014】本発明方法で酸化剤として用いられる過酸
化物は、上記式(1)で表されるスチレン誘導体をエポ
キシ化して上記式(2)で表されるスチレンオキサイド
誘導体を得ることができるものであれば特に制限はな
く、過蟻酸、過酢酸、過プロピオン酸、過酸化水素等が
挙げられ、過酢酸が特に好ましい。酸化剤として過酢酸
を用いる場合には、一般的に知られているように、触媒
量の酸存在下、過酸化水素と酢酸より調製した平衡過酢
酸を使用することができる。使用する平衡過酢酸の過酢
酸濃度は5〜50%、好ましくは10〜40%の範囲で
あり、使用する過酢酸のモル比は一般式(1)で表され
る化合物に対して当量以上であれば特に問題はないが、
好ましくは1.1〜4当量の範囲である。
化物は、上記式(1)で表されるスチレン誘導体をエポ
キシ化して上記式(2)で表されるスチレンオキサイド
誘導体を得ることができるものであれば特に制限はな
く、過蟻酸、過酢酸、過プロピオン酸、過酸化水素等が
挙げられ、過酢酸が特に好ましい。酸化剤として過酢酸
を用いる場合には、一般的に知られているように、触媒
量の酸存在下、過酸化水素と酢酸より調製した平衡過酢
酸を使用することができる。使用する平衡過酢酸の過酢
酸濃度は5〜50%、好ましくは10〜40%の範囲で
あり、使用する過酢酸のモル比は一般式(1)で表され
る化合物に対して当量以上であれば特に問題はないが、
好ましくは1.1〜4当量の範囲である。
【0015】本発明方法では、反応時の生成物の分解を
抑制するために、平衡過酢酸中の硫酸を中和する目的で
アルカリを添加することが好ましい。使用されるアルカ
リは特に制限はなく、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。添加するアルカリ
のモル比は、平衡過酢酸中に含まれる酸類に対して当量
以上であれば特に制限はないが、アルカリ添加量が多く
なると反応時の過酢酸分解量が増加することから、好ま
しくは1〜3当量、さらに好ましくは1〜1.2当量の
範囲である。
抑制するために、平衡過酢酸中の硫酸を中和する目的で
アルカリを添加することが好ましい。使用されるアルカ
リは特に制限はなく、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。添加するアルカリ
のモル比は、平衡過酢酸中に含まれる酸類に対して当量
以上であれば特に制限はないが、アルカリ添加量が多く
なると反応時の過酢酸分解量が増加することから、好ま
しくは1〜3当量、さらに好ましくは1〜1.2当量の
範囲である。
【0016】本発明方法では、一般式(1)および反応
溶媒等に含まれる溶解重金属による反応時の過酢酸分解
を抑制するために、重金属のマスキング剤を添加するこ
とが好ましく、マスキング剤としてはピロリン酸ナトリ
ウム等が挙げられる。マスキング剤の添加方法は特に制
限されないが、反応開始前に平衡過酢酸と一般式(1)
で表される化合物を溶解した原料溶液中の両方に添加す
ることが望ましい。添加量は特に制限されないが、平衡
過酢酸に対して1ppm〜5%、好ましくは100pp
m〜1%(何れも重量基準)の範囲である。
溶媒等に含まれる溶解重金属による反応時の過酢酸分解
を抑制するために、重金属のマスキング剤を添加するこ
とが好ましく、マスキング剤としてはピロリン酸ナトリ
ウム等が挙げられる。マスキング剤の添加方法は特に制
限されないが、反応開始前に平衡過酢酸と一般式(1)
で表される化合物を溶解した原料溶液中の両方に添加す
ることが望ましい。添加量は特に制限されないが、平衡
過酢酸に対して1ppm〜5%、好ましくは100pp
m〜1%(何れも重量基準)の範囲である。
【0017】本発明方法は、一般式(1)で表される化
合物を反応溶媒に溶解してフィルターで濾過した後、反
応温度まで昇温し、攪拌下、平衡過酢酸とアルカリを5
分〜10時間かけて添加し、さらに2〜10時間攪拌し
て反応を完結させる。反応時、過酢酸の分解によって発
生する酸素量が多く、反応溶媒と爆発雰囲気を形成する
可能性がある場合は、窒素等の不活性ガスを反応器に導
入しながら反応を行い、酸素濃度が爆発限界以下になる
ように制御する必要がある。反応は30〜150℃、好
ましくは50〜100℃の温度範囲で行う。
合物を反応溶媒に溶解してフィルターで濾過した後、反
応温度まで昇温し、攪拌下、平衡過酢酸とアルカリを5
分〜10時間かけて添加し、さらに2〜10時間攪拌し
て反応を完結させる。反応時、過酢酸の分解によって発
生する酸素量が多く、反応溶媒と爆発雰囲気を形成する
可能性がある場合は、窒素等の不活性ガスを反応器に導
入しながら反応を行い、酸素濃度が爆発限界以下になる
ように制御する必要がある。反応は30〜150℃、好
ましくは50〜100℃の温度範囲で行う。
【0018】反応終了後は、水洗、アルカリ水溶液洗
浄、還元剤水溶液洗浄等を行った後、減圧濃縮等の手段
により溶媒を除去する。洗浄は0〜70℃、好ましくは
5〜30℃の温度範囲で行う。アルカリ洗浄で使用する
アルカリは特に制限はなく、水酸化ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム等が使用される。また、反応液中の過酸化
物を除去するためには、還元剤水溶液により洗浄する。
使用する還元剤としては、過酸化物を還元できるもので
あれば特に制限はないが、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸
ナトリウム等が挙げられる。
浄、還元剤水溶液洗浄等を行った後、減圧濃縮等の手段
により溶媒を除去する。洗浄は0〜70℃、好ましくは
5〜30℃の温度範囲で行う。アルカリ洗浄で使用する
アルカリは特に制限はなく、水酸化ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム等が使用される。また、反応液中の過酸化
物を除去するためには、還元剤水溶液により洗浄する。
使用する還元剤としては、過酸化物を還元できるもので
あれば特に制限はないが、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸
ナトリウム等が挙げられる。
【0019】溶媒除去後、生成物を含む濃縮液に晶析溶
媒を添加混合して、冷却することにより、目的の一般式
(2)で表される化合物の結晶を取り出すことができ
る。晶析溶媒としては、特に制限はないが、生成物の品
質および収率の観点からは、アルコール類と脂肪族アル
カンとの混合溶媒が好ましく、アルコール類としてはメ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコールが特に
好ましく、脂肪族アルカンとしてはn−ヘキサン、n−
ヘプタンが特に好ましい。
媒を添加混合して、冷却することにより、目的の一般式
(2)で表される化合物の結晶を取り出すことができ
る。晶析溶媒としては、特に制限はないが、生成物の品
質および収率の観点からは、アルコール類と脂肪族アル
カンとの混合溶媒が好ましく、アルコール類としてはメ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコールが特に
好ましく、脂肪族アルカンとしてはn−ヘキサン、n−
ヘプタンが特に好ましい。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例中の
「%」は特記しない限り、「重量%」を示す。 実施例1 2−(2−(3−クロロフェニル)−2−プロペニル)
−2−エチルインダン−1,3−ジオン(CPEDと略
記する)40g(0.123mol)をトルエン240
mlに溶解し、濾過精度0.5μmのテフロン製フィル
ターで濾過した後、500mlのセパラブルフラスコに
仕込んだ。さらに5%ピロリン酸ナトリウム水溶液0.
7g(0.00008mol)を添加した後、65℃に
昇温した。次いで、攪拌下、60%過酸化水素水、酢
酸、硫酸を30/69/1の重量比で混合して調製した
28%平衡過酢酸66.8g(0.246mol)と2
0%酢酸ナトリウム水溶液8.2g(0.02mol)
の混合液を2時間かけて滴下し、さらに5時間同温度で
攪拌し、反応を完結させた。反応中は、発生する酸素を
希釈するため、常時、窒素を20ml/分で流通させ
た。反応収率は94%で、反応時の過酸化物の分解によ
る酸素発生量は原料CPEDに対して0.03モル比で
あった。反応後、15℃まで冷却して、水48mlを添
加して攪拌洗浄し、次いで5%水酸化ナトリウム水溶液
96mlを添加して攪拌洗浄して、pHを5〜6に調整
した。次に10%亜硫酸ナトリウム水溶液96mlを添
加して攪拌洗浄し、反応液中の過酸化物を完全に除去し
た。最後に1%芒硝水溶液96mlを添加して攪拌洗浄
した。得られた有機相を50℃でトルエン濃度がを約6
%となるまで、減圧濃縮した後、温度40℃でエタノー
ル27mlとn−ヘプタン82mlを加えて攪拌混合
し、0℃まで冷却することにより、純度98%の2−
(2−(3−クロロフェニル)−2,3−エポキシプロ
ピル)−2−エチルインダン−1,3−ジオン36gを
得た。収率は84%であった。
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例中の
「%」は特記しない限り、「重量%」を示す。 実施例1 2−(2−(3−クロロフェニル)−2−プロペニル)
−2−エチルインダン−1,3−ジオン(CPEDと略
記する)40g(0.123mol)をトルエン240
mlに溶解し、濾過精度0.5μmのテフロン製フィル
ターで濾過した後、500mlのセパラブルフラスコに
仕込んだ。さらに5%ピロリン酸ナトリウム水溶液0.
7g(0.00008mol)を添加した後、65℃に
昇温した。次いで、攪拌下、60%過酸化水素水、酢
酸、硫酸を30/69/1の重量比で混合して調製した
28%平衡過酢酸66.8g(0.246mol)と2
0%酢酸ナトリウム水溶液8.2g(0.02mol)
の混合液を2時間かけて滴下し、さらに5時間同温度で
攪拌し、反応を完結させた。反応中は、発生する酸素を
希釈するため、常時、窒素を20ml/分で流通させ
た。反応収率は94%で、反応時の過酸化物の分解によ
る酸素発生量は原料CPEDに対して0.03モル比で
あった。反応後、15℃まで冷却して、水48mlを添
加して攪拌洗浄し、次いで5%水酸化ナトリウム水溶液
96mlを添加して攪拌洗浄して、pHを5〜6に調整
した。次に10%亜硫酸ナトリウム水溶液96mlを添
加して攪拌洗浄し、反応液中の過酸化物を完全に除去し
た。最後に1%芒硝水溶液96mlを添加して攪拌洗浄
した。得られた有機相を50℃でトルエン濃度がを約6
%となるまで、減圧濃縮した後、温度40℃でエタノー
ル27mlとn−ヘプタン82mlを加えて攪拌混合
し、0℃まで冷却することにより、純度98%の2−
(2−(3−クロロフェニル)−2,3−エポキシプロ
ピル)−2−エチルインダン−1,3−ジオン36gを
得た。収率は84%であった。
【0021】比較例1 2−(2−(3−クロロフェニル)−2−プロペニル)
−2−エチルインダン−1,3−ジオン(CPED)4
0g(0.123mol)とトルエン240mlをセパ
ラブルフラスコに仕込み、原料CPED溶液を濾過しな
い点を除いては実施例1と同様に反応を行った。反応収
率は94%で、反応時の過酸化物の分解による酸素発生
量は原料CPEDに対して0.14モル比で、原料CP
EDの濾過を行った場合の約4.7倍であった。
−2−エチルインダン−1,3−ジオン(CPED)4
0g(0.123mol)とトルエン240mlをセパ
ラブルフラスコに仕込み、原料CPED溶液を濾過しな
い点を除いては実施例1と同様に反応を行った。反応収
率は94%で、反応時の過酸化物の分解による酸素発生
量は原料CPEDに対して0.14モル比で、原料CP
EDの濾過を行った場合の約4.7倍であった。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、除草剤として有用スチ
レンオキサイド誘導体を製造するため、対応するスチレ
ン誘導体を、過酸化物を用いてエポキシ化する方法にお
いて、エポキシ化反応時の過酸化物の分解を大幅に抑制
することができ、安全性の面から、その工業的価値は非
常に高い。
レンオキサイド誘導体を製造するため、対応するスチレ
ン誘導体を、過酸化物を用いてエポキシ化する方法にお
いて、エポキシ化反応時の過酸化物の分解を大幅に抑制
することができ、安全性の面から、その工業的価値は非
常に高い。
Claims (4)
- 【請求項1】 エチレン性不飽和二重結合を有する化合
物を過酸化物と反応させて、不飽和二重結合を酸化して
対応するエポキシ化合物を製造する方法において、原料
のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を溶媒に溶
解し、フィルターで濾過した後、過酸化物と反応させる
ことを特徴とするエポキシ化合物の製造方法。 - 【請求項2】 エチレン性飽和二重結合を有する化合物
が下記一般式(1) 【化1】 (上記式中、Rは置換されていてもよい炭化水素基を示
し、Aは水素原子を含まない電子吸引性基によって置換
されていてもよいベンゼン環を示す。)で表されるスチ
レン誘導体であり、得られるエポキシ化合物が、下記一
般式(2) 【化2】 (上記式中、RおよびAは一般式(1)と同意義を有す
る。)で表されるスチレンオキサイド誘導体であること
を特徴とする請求項1記載のエポキシ化合物の製造方
法。 - 【請求項3】 過酸化物が過酢酸であることを特徴とす
る請求項2に記載のエポキシ化合物の製造方法。 - 【請求項4】 一般式(1)におけるRが、下記一般式
(3) 【化3】 (上記式中、R1 は水素原子または低級アルキル基を示
し、Bは置換されていてもよいベンゼン環を示す。)で
表されるインダン−1,3−ジオン残基であることを特
徴とする請求項2又は3に記載のエポキシ化合物の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3568598A JPH11228552A (ja) | 1998-02-18 | 1998-02-18 | エポキシ化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3568598A JPH11228552A (ja) | 1998-02-18 | 1998-02-18 | エポキシ化合物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11228552A true JPH11228552A (ja) | 1999-08-24 |
Family
ID=12448759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3568598A Pending JPH11228552A (ja) | 1998-02-18 | 1998-02-18 | エポキシ化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11228552A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016204364A (ja) * | 2015-04-16 | 2016-12-08 | 三菱化学株式会社 | エポキシ化合物の製造方法 |
-
1998
- 1998-02-18 JP JP3568598A patent/JPH11228552A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016204364A (ja) * | 2015-04-16 | 2016-12-08 | 三菱化学株式会社 | エポキシ化合物の製造方法 |
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