JPH11227180A - 異なる解像度でのマルチヘッドプリント - Google Patents

異なる解像度でのマルチヘッドプリント

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JPH11227180A
JPH11227180A JP10324727A JP32472798A JPH11227180A JP H11227180 A JPH11227180 A JP H11227180A JP 10324727 A JP10324727 A JP 10324727A JP 32472798 A JP32472798 A JP 32472798A JP H11227180 A JPH11227180 A JP H11227180A
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    • G06K15/02Arrangements for producing a permanent visual presentation of the output data, e.g. computer output printers using printers
    • G06K15/10Arrangements for producing a permanent visual presentation of the output data, e.g. computer output printers using printers by matrix printers
    • G06K15/102Arrangements for producing a permanent visual presentation of the output data, e.g. computer output printers using printers by matrix printers using ink jet print heads

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各記録ヘッドの解像度を独立に制御すること
により、複数の記録ヘッドを有したプリンタのプリント
効率を高めることである。 【解決手段】 互いに独立に記録解像度を制御可能な少
なくとも第1及び第2の記録ヘッドをもつプリンタで
は、第1の解像度で文字データを第2の解像度で文字で
はないデータを記録するように制御する。そのプリンタ
には、プリントバッファに格納されたデジタルデジタル
に基づいて複数のノズルを介してインク液滴を吐出する
第1及び第2のインクジェット記録ヘッドが含まれてい
ることが好適である。解像度は、インク液滴サイズ、ノ
ズル駆動順序、プリントバッファからのデータ読み出し
順序を制御することによって、制御される。液滴サイ
ズ、駆動順序、読み出し順序全ては各記録ヘッドに対し
て独立に制御される。ユーザインタフェースにより、ユ
ーザは文字と文字ではないデータの解像度を独立に制御
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、解像度が
互いに独立に制御される2つのインクジェット記録ヘッ
ドを搭載したプリンタのようなマルチヘッドプリンタに
よるプリント出力に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1つの記録ヘッドを搭載したインクジェ
ットプリンタのような従来のプリンタでは、解像度を変
えて連続するページをプリントすることが可能である。
具体的には、各頁のプリント出力の開始にあたり、低記
録解像度(例えば、360dpi×360dpi)或は
高記録解像度(例えば、720dpi×720dpiや
720dpi×1440dpi)のような記録解像度を
指定することができる。その結果、ある頁については第
1の解像度でプリント情報を記録し、続く頁では異なる
解像度でプリント情報を記録することが可能である。
【0003】任意の1頁のプリント情報には、しばし
ば、高解像度でプリントされることが好ましい情報と、
必ずしも高解像度でプリントされる必要はない情報とが
混在していることがある。例えば、1頁分のプリント情
報が低解像度でも十分な文字情報と、高解像度が好まし
い画像や線画のような文字ではない情報とから成り立っ
ていることがあるかもしれない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
システムでは、各頁を1つの解像度でしかプリントする
ことができないために、そのような種類の異なる情報が
混在したものは、高解像度でプリントしなければなら
ず、そのため、低い解像度が適当なページ情報をプリン
トするときに、プリント効率が低下してしまうという結
果になる。
【0005】近年になって提案されているプリントに
は、例えば、2つ以上の記録ヘッドをもつものがある。
その代表的な例が、米国特許出願第08/901719
号(カラープリンタ用プリントドライバ“Print Driver
For A Color Printer”)、米国特許出願第08/90
1560号(プリンタ機器のための自動位置合わせシス
テム“Auto-Alignment System For A Printing Devic
e”)で説明されている。これらの出願は本特許出願の
共通の譲渡人となっており、これらはここで十分に説明
がなされているかのように参照として組み込まれてい
る。これら参照された出願は、2つの記録ヘッドを搭載
したインクジェットプリンタについて説明しており、プ
リント情報はホストコンピュータからのコマンドによっ
て各記録ヘッドによってプリントされる。複数の記録ヘ
ッドをもつプリンタは、プリント効率を十分に高めるこ
とができる。しかしながら、発明者の知る限り、上述し
たように種類の異なるプリントデータをプリントすると
きに、プリント効率を高めることについての考慮は今ま
でされていなかった。
【0006】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
で、各記録ヘッドの解像度を独立に制御することによ
り、複数の記録ヘッドを有したプリンタのプリント効率
を高めることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明を1つの面から見れば、本発明は少なくとも第
1及び第2の記録ヘッドをもつプリンタに適用可能であ
り、本発明によれば、互いに対して独立に第1及び第2
の記録ヘッドの記録解像度を制御する。これら記録ヘッ
ドが、プリントバッファに格納されたデジタルデータに
基づいてインク液滴を吐出するインクジェット記録ヘッ
ドである場合、その解像度は、インク液滴のサイズを制
御し、プリントバッファからの読み出し順序を制御する
ことにより制御され、その液滴サイズや読み出し順序
は、各記録ヘッドに対して独立に制御される。各記録ヘ
ッドが制御される解像度は、ユーザによってマニュアル
に決定されても良いし、ホストコンピュータによって自
動的に決められても良い。記録ヘッドの解像度の自動的
な決定は、記録ヘッドの相対的な構成(例えば、これら
の記録ヘッドが同じものであるか、或は、異なるか)に
基づいて、プリントデータの内容に基づいて、また、記
録媒体の種類に基づいて、なされることが好ましい。
【0008】各記録ヘッドの解像度が独立に制御される
ために、1頁のプリント情報が高解像度が望ましいプリ
ント情報とより低い解像度が適切である他のプリント情
報とが混合されたものである場合に、プリント効率を向
上させることができる。そのような状況では、1つの記
録ヘッドが高解像度で記録するように制御され、もう1
つの記録ヘッドがより低い解像度で記録するように制御
される。そのとき、各記録ヘッドは記録解像度特性をマ
ッチさせてそのプリント情報を記録ヘッドする。これに
より、全体的なプリントプロセスをスピードアップす
る。
【0009】また、本発明を別の面から見ると、本発明
は互いに独立に制御可能な記録解像度をもつ少なくとも
第1及び第2の記録ヘッドをもつプリンタである。その
プリンタでは、各記録ヘッドに独立に記録解像度をセッ
トするコマンドを受信し、そのコマンドにより命令され
た解像度に従ってプリント出力を実行する。
【0010】特に、好適な実施形態では、そのプリント
には、構成が異なる複数の記録ヘッドを含み、例えば、
第1の記録ヘッドでは高解像度のカラー画像を記録する
ようにし、第2の記録ヘッドではモノトーン(例えば、
黒)画像を第1の記録ヘッドよりも広い記録幅にわたっ
て記録するようにする。この構成において、第1の記録
ヘッドには高解像度で文字ではない画像がプリントされ
るように命令され、一方、第2の記録ヘッドにはより低
い解像度で文字画像をプリントするように命令される。
その記録ヘッドには、プリントバッファのデジタルデー
タに基づいてインク液滴を吐出するインクジェット記録
ヘッドが含まれているなら、解像度は、異なるサイズの
インク液滴を吐出するよう命令することにより、そし
て、各プリントバッファのデジタルデータに異なる読み
出し順序を命令することにより、変更される。
【0011】本発明をさらに別の面から見ると、本発明
はユーザが文字のプリントデータと文字ではないプリン
トデータとが混合した1頁分のプリント情報の記録解像
度を指定できるようにするインタフェースを含んでい
る。そのユーザインタフェースによれば、ユーザは文字
に対する解像度と文字ではない記録についての解像度と
を異ならせて指定することができる。
【0012】さて、このように本発明の主旨をすばやく
理解できるように本発明の概要について説明した。しか
しながら、本発明の完全な理解は、添付図面に関連して
説明した好適な実施形態を参照することによって得られ
るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して本発明の
好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0014】好適な実施形態についての詳細な説明は、
以下のように各節に構成されている。 1.0 機械的構成 1.1 構造 1.2 機能 1.2.1 手動清掃 1.2.2 カートリッジ交換 1.3 インクカートリッジ 1.4 記録ヘッドの構造 1.5 記録モード 2.0 電気的構成 2.1 システムアーキテクチャ 2.2 システムの機能 2.3 制御論理 2.4 一般的な動作 3.0 プリンタソフトウェアのアーキテクチャ 3.1 オペレーティングシステム 3.2 初期設定 3.3 タスク 3.4 割込みハンドラ 3.5 サイクリックハンドラ 3.6 ホストプロセッサへのコマンドおよびホストプ
ロセッサからのコマンド 3.6.1 制御コマンド 3.6.2 設定コマンド 3.6.3 メンテナンスコマンド 3.7 プリンタエンジンへのコマンドおよびプリンタ
エンジンからのコマンド 4.0 用紙排出トレイ 4.1 第1の実施形態 4.2 第2の実施形態 5.0 インク清掃機構 6.0 プリンタプロファイルパラメータの記憶 7.0 記録ヘッドの清掃のスケジューリング 7.1 清掃スケジュールプロセス 7.2 自動清掃プロセス 7.3 記録ヘッドの清掃 8.0 記録ヘッド駆動パラメータの設定および修正 9.0 プリントバッファの動作 9.1 単一のプリントバッファ 9.2 バッファ制御についての一般的な説明 10.0 いくつかの異なる解像度によるマルチヘッド
印刷 11.0 代替インクの選択 11.1 CMYK黒または顔料黒の選択 11.2 境界領域印刷 11.3 いくつかの異なる解像度でのいくつかの異な
るインクによる印刷1.0機械的構成 この節では、本明細書で説明する本発明を含むプリンタ
の機械的配置および機能について説明する。 1.1 構造 図1は、本明細書で説明する本発明と共に使用されるコ
ンピュータ装置の外観を示す図である。コンピュータ装
置20はホストプロセッサ23を含む。ホストプロセッ
サ23はパーソナル・コンピュータ(以下では「PC」
と呼ぶ)、好ましくはMicrosoft(登録商標)
Windows95などのウィンドウ環境を有するIB
M PC互換コンピュータを備える。コンピュータ装置
20は、カラー・モニタなどを備えるディスプレイ画面
22と、テキスト・データおよびユーザ・コマンドを入
力するためのキーボード26と、ポインティング・デバ
イス27とを備える。ポインティング・デバイス27は
好ましくは、ディスプレイ画面22上に表示されたオブ
ジェクトを操作するためのマウスを備える。
【0015】コンピュータ装置20は、固定コンピュー
タ・ディスク25などのコンピュータ読取り可能メモリ
媒体と、フロッピィディスク・インタフェース24とを
含む。フロッピィディスク・インタフェース24は、コ
ンピュータ装置20がフロッピィディスクに記憶されて
いるデータ、アプリケーション・プログラムなどの情報
にアクセスするための手段を提供する。コンピュータ装
置20は同様なCD−ROMインタフェース(図示せ
ず)を備えることができ、このインタフェースを通じ
て、コンピュータ装置20は、CD−ROM上に記憶さ
れている情報にアクセスすることができる。
【0016】ディスク25は特に、アプリケーション・
プログラムを記憶し、このプログラムによって、ホスト
プロセッサ23はファイルを生成し、そのファイルを処
理してディスク25上に記憶し、ファイル内のデータを
ディスプレイ画面22を介してオペレータに与え、ファ
イル内のデータをプリンタ30を介して印刷する。ディ
スク25はオペレーティングシステム、すなわち上記で
指摘したように、好ましくはWindows95などの
ウィンドウ・オペレーティングシステムも記憶する。デ
ィスク25にはデバイスドライバも記憶される。少なく
とも1つのデバイスドライバは、プリンタ30内のファ
ームウェアにソフトウェア・インタフェースを与えるプ
リンタドライバを備える。ホストプロセッサ23とプリ
ンタ30との間のデータ交換について以下で詳しく説明
する。
【0017】本発明の好ましい実施形態では、プリンタ
30はマルチヘッド・シリアル・プリンタである。した
がって、本明細書で説明する本発明はそのようなプリン
タとの併用に限らないが、本発明についてはそのような
プリンタに関して説明する。
【0018】なお、図2および図3はそれぞれ、プリン
タ30の詳細な斜視正面図および斜視背面図を示す。こ
れらの図に示したように、プリンタ30は、ハウジング
31と、アクセスドア32と、自動フィーダ34と、自
動送りアジャスタ36と、手動フィーダ37と、手動送
りアジャスタ39と、媒体排出ポート40と、排出トレ
イ41と、トレイ・リセプタクル(受容部)42と、イン
ジケータ・ライト43と、電源ボタン44と、再開ボタ
ン46と、電源47と、電源コード49と、パラレルポ
ートコネクタ50とを含む。
【0019】ハウジング31は、約幅498mm、奥行
き271mm、高さ219mmであり、記録媒体上に画
像を印刷する後述のプリンタエンジンを含めプリンタ3
0の内部機構を収容する。ハウジング31上にはアクセ
スドア32が含まれる。アクセスドア32は、ユーザが
プリンタ30の内部機構にアクセスし、特に、プリンタ
30に設置された印刷カートリッジにアクセスできるよ
うに手動で開閉可能である。したがって、プリンタ30
は、アクセスドア32が開閉されたときにそれを検知す
るセンサ(図示せず)も含む。アクセスドア32が開放
されたことが検知されると、カートリッジをプリンタ3
0内で解放可能に保持するカートリッジ・リセプタクル
(受容部)が、開放されたアクセスドア32に対応する
位置へ移動する。この機能の詳細については以下で説明
する。
【0020】アクセスドア32上に、インジケータ・ラ
イト43と電源ボタン44と再開ボタン46とを備える
フロント・パネルが配設される。電源ボタン44は、ユ
ーザがプリンタ30のオンとオフを切り替えることので
きるつまみである。しかし、電源ボタン44を介して他
の機能を使用することもできる。たとえば、プリンタ3
0内のスピーカ(図示せず)が1回のビープ音などの音
声を発するまで電源ボタン44を押し続けることによっ
て試験印刷機能を選択することができる。この試験印刷
機能に応答して、プリンタ30は試験パターンを印刷す
る。
【0021】再開ボタン46は、エラー状態が発生した
後にオペレータが印刷を再開することのできる制御を行
う。また、再開ボタン46を使用して他の機能を起動す
ることができる。たとえば、プリンタ30内のスピーカ
がビープ音を生成するまで再開ボタン46を押し続ける
ことによって記録ヘッド清掃機能を起動することができ
る。
【0022】なお、プリンタ30は様々な連続ビープ音
を与えることができる。これらの音声はそれぞれ、用紙
なしや紙詰まりなど異なる種類のエラーを示す。
【0023】インジケータ・ライト43は、単一の光導
体と、緑発光ダイオード(以下では「LED」と呼ぶ)
と、オレンジLEDとで構成される。インジケータ・ラ
イト43は、プリンタ30の動作状態の表示をユーザに
与える。具体的には、インジケータ・ライト43がオフ
であるとき、これは、プリンタ30の電源がオフである
ことを示す。インジケータ・ライト43が緑色に点灯し
ている(すなわち、緑LEDが作動している)とき、こ
れは、プリンタ30の電源がオンであり、印刷準備が完
了していることを示す。インジケータ・ライト43が緑
色に点滅しているとき、これは、プリンタの電源が現在
オンであることなど、プリンタの動作状態を示す。
【0024】インジケータ・ライト43は、オレンジL
EDによってオレンジ色に点灯させることもできる。イ
ンジケータ・ライト43がオレンジ色に点灯していると
き、これは、プリンタ30内で回復可能なエラー、すな
わちオペレータ・コール・エラーが発生したことを示
す。回復可能なエラーは、用紙なし、紙詰まり、プリン
タ30に設置されたカートリッジの欠陥、使用中のカー
トリッジの交換などを含む。プリンタ30のスピーカか
らの何回かのビープ音に基づいて回復可能なエラーの種
類を区別することが可能である。ユーザは、インジケー
タLEDが連続的にオレンジ色であるときにこれらのビ
ープを数えることによって、どのエラーが発生したかを
判定し、それに応じて処置することができる。
【0025】インジケータ・ライト43がオレンジ色に
点滅しているとき、これは、プリンタ30内で致命的な
エラー、すなわちサービス・コール・エラーが発生した
ことを示す。ただオレンジ・ライトが何回点滅したかを
数えることによって、発生した致命的なエラーの種類を
区別することが可能である。
【0026】図2および図3に示したように、プリンタ
30のハウジング31上には自動フィーダ34も含まれ
る。自動フィーダ34は、プリンタ30の媒体送り部を
規定している。すなわち、自動フィーダ34は記録媒体
を格納し、プリンタ30はこの媒体上に画像を印刷す
る。なお、プリンタ30は、様々な種類の記録媒体上に
画像を印刷することができる。これらの媒体には、普通
紙、高解像度紙、透明フィルム、光沢紙、光沢フィル
ム、バックプリントフィルム、ファブリックシート、T
シャツ転写、バブルジェット用紙、挨拶状、パンフレッ
ト用紙、バナーペーパ、厚紙などが含まれるが、それだ
けには限らない。
【0027】自動フィーダ34は、厚さが約13mmの
記録媒体スタックを収容することができる。これは、自
動フィーダ34がたとえば、密度が64g/m2の約1
30枚の用紙、または約15枚の封筒を保持できること
を意味する。印刷時に、自動フィーダ34内に積み重ね
られた個々のシートは自動フィーダ34からプリンタ3
0内で送られる。具体的には、プリンタ30内のローラ
(後述)が個々の媒体を自動フィーダ34からプリンタ
30に引き込む。これらの個々の媒体は次いで、「J」
型経路へ送られ、ローラを通して、図2に示した排出ポ
ート40へ送られる。
【0028】自動フィーダ34は、自動送りアジャスタ
36を含む。自動送りアジャスタ36は自動フィーダ3
4内にいくつかの異なる媒体サイズを収容するように横
方向へ移動することができる。自動フィーダ34はバッ
キング55も含み、バッキングは、自動フィーダ34に
保持された記録媒体を支持するように延ばすことができ
る。バッキング55は、使用されないときには、図2に
示したように自動フィーダ34のスロット内に格納され
る。延ばされたバッキング55の例を以下の図24に示
す。
【0029】個別のシートは、図3に示した手動フィー
ダ37を介してプリンタ30内で送ることもできる。手
動フィーダもプリンタ30の媒体送り部を画定する。好
ましい実施形態では、手動フィーダ37は、密度が少な
くとも64g/m2ないし550g/m2であり、厚さが
0.8mmである媒体を収容することができる。手動フ
ィーダ37を通して送られたシートは、そのままプリン
タ30内のローラを通して排出ポート40へ送られる。
自動フィーダ34の場合と同様に、手動フィーダ37は
手動送りアジャスタ39を含む。ユーザは、手動送りア
ジャスタ39を横方向へ摺動させることによって、手動
フィーダ37が収容することのできる媒体を変更するこ
とができる。
【0030】プリンタ30は、手動フィーダ37および
自動フィーダ34を使用して、様々な異なるサイズを有
する媒体上に画像を印刷することができる。これらのサ
イズは、手紙と、リーガルと、A4と、A3と、A5
と、B4と、B5と、タブロイドと、No.10サイズ
の封筒と、DLサイズの封筒と、バナーと、ワイド・バ
ナーと、レターサイズのフル・ブリードとを含むが、こ
れらに限らない。カスタム・サイズの記録媒体をプリン
タ30と共に使用することもできる。
【0031】上記で指摘したように、媒体はプリンタ3
0内で送られ、排出ポート40から排出トレイ41に排
出される。以下の第4.0節で詳しく説明するように、
排出トレイ41はばねフラップを含み、このばねフラッ
プは、プリンタ30から排出された媒体を支持し、フラ
ップ上により多くの媒体が積み重ねられると下向きに移
動する。排出トレイ41は、使用されないときには、図
2に示したようにプリンタ30のトレイ・リセプタクル
42内に格納される。
【0032】電源コード49はプリンタ30を外部AC
電源に接続する。電源47は、外部電源からのAC電力
を変換し、変換した電力をプリンタ30に供給するため
に使用される。パラレル・ポート50はプリンタ30を
ホストプロセッサ23に接続する。パラレル・ポート5
0は好ましくは、IEEE−1284規格の双方向ポー
トを備え、このポートを介して、以下の第3.0節で説
明するようなデータやコマンドがプリンタ30とホスト
プロセッサ23との間で伝送される。
【0033】図4および図5はそれぞれ、プリンタ30
の背面切取斜視図および正面切取斜視図を示す。図5に
示したように、プリンタ30は、媒体を自動フィーダ3
4または手動フィーダ37からプリンタ30を通して媒
体排出ポート40へ搬送する、上記で指摘したローラを
含む。ローラ60は、図5に示した矢印60aで示した
ように、媒体搬送時に逆時計回り方向へ回転する。
【0034】ラインフィードモータ61はローラ60の
回転を制御する。ラインフィードモータ61は、96ス
テップ2−2位相パルスモータを備え、回路ボード62
から受信されたコマンドに応答して制御される。ライン
フィードモータ61は、4レベル電流制御を有するモー
タドライバによって駆動される。
【0035】好ましい実施形態では、ラインフィードモ
ータ61は、記録媒体がプリンタ30内で120mm/
秒で送られるようにローラ60を回転させることができ
る。ラインフィード解像度は、プリンタ30の一次動作
モードでは(1/720)インチ/パルス(2−2位
相)であり、1440dpiモードでは(1/144
0)インチ/パルス(1−2位相)である。印刷モード
については以下で詳しく説明する。
【0036】図4に示したように、プリンタ30は、2
つの記録ヘッドを使用して画像を印刷するデュアルカー
トリッジ・プリンタである(すなわち、カートリッジ当
たり1ヘッド)。具体的には、これらのカートリッジ
は、カートリッジ上のそれぞれの記録ヘッドが互いに水
平方向へずれるようにカートリッジ・リセプタクル64
aおよび64bによって並べて保持される。図5に示し
たキャリッジモータ66は、回路ボード62から受信さ
れたコマンドに応答してカートリッジ・リセプタクル6
4aおよび64bの動きを制御する。具体的には、キャ
リッジモータ66はベルト67の動きを制御し、ベルト
67はキャリッジ69に沿ったカートリッジ・リセプタ
クル64aおよび64bの移動を制御する。なお、キャ
リッジモータ66はベルト67、したがってカートリッ
ジ・リセプタクル64aおよび64bの2方向運動を可
能にする。この機能によって、プリンタ30は画像を左
から右に印刷すると共に右から左に印刷することができ
る。
【0037】キャリッジモータ66は、キャリッジ解像
度が(9/360)インチ/パルスである96ステップ
2−2位相パルス・モータを備える。キャリッジモータ
66は、4レベル電流制御を有するモータドライバによ
って駆動される。プリンタ30が360dpiモードで
印刷しているとき、キャリッジモータ66は、カートリ
ッジ・リセプタクル64aおよび64bをキャリッジ6
9に沿ってデフォルト速度459.32mm/秒(10
Khz)で移動させるように駆動される。一方、プリン
タ30が720dpiモードで印刷しているときには、
キャリッジモータ66は、カートリッジ・リセプタクル
64aおよび64bをキャリッジ69に沿って229.
66mm/秒(5.0KHz)のデフォルト速度で移動
させるように駆動される。以下の第3.6.2節に記載
するように、印刷速度を3.26Khzに低減すること
もできる。
【0038】図6Aは、図4のカートリッジ・リセプタ
クル64bの詳細な斜視図である。カートリッジ・リセ
プタクル64aとカートリッジ・リセプタクル64b
は、自動位置合わせ(「AA(Auto Alignment)」)セ
ンサの存在を除いて共に同じ構造を有する。自動位置合
わせセンサはカートリッジ・リセプタクル64bにのみ
含まれる。したがって、話を簡潔にするために、本明細
書ではカートリッジ・リセプタクル64bについてのみ
詳しく説明する。
【0039】カートリッジ・リセプタクル64bは、プ
リンタ30内で(記録ヘッドを含み、インクを貯蔵する
1つまたは複数の取外し可能なインク容器を含むことの
できる)インクカートリッジを保持するために使用され
る。なお、図7Aおよび図7Bは、カートリッジ・リセ
プタクル64b内に設置することのできるインクカート
リッジ300bの構成を示す(図4参照)。図7Aおよ
び図7Bに示したように、インクカートリッジ300b
は、記録ヘッド80と、インク容器83と、カートリッ
ジ回路接点81と、穴90とを備える。この点で、取外
し可能なインク容器を含まず、その代わりにすべてのイ
ンクを内部に貯蔵するインクカートリッジと共に本発明
を使用することもできることに留意されたい。
【0040】インク容器83は、インクカートリッジ3
00bから取外し可能であり、画像を印刷するためにプ
リンタ30によって使用されるインクを貯蔵する。具体
的には、インク容器83をカートリッジ300b内に挿
入し、図7Bに示したように矢印85の方向に沿って引
くことによって取り外すことができる。容器83は、以
下で詳しく説明するように、カラー(たとえば、シア
ン、マゼンタ、イエロ)インクおよび/または黒インク
を貯蔵することができる。記録ヘッド80は、印刷時に
インク容器83からインクを排出する複数のノズル(図
示せず)を含む。カートリッジ回路接点81は、後述す
るように、インクカートリッジ清掃をトリガするために
プリンタ30によって使用される。カートリッジ穴90
は、インクカートリッジ300bを所定の位置に保持す
るようにカートリッジ・リセプタクル64b上のピン9
3に対合する。
【0041】図6Aにおいて、カートリッジ・リセプタ
クル64bはその底部に開口部79を含む。設置された
カートリッジの記録ヘッド80などの記録ヘッドは開口
部79を通して突き出る。この構成によって、カートリ
ッジの記録ヘッドはプリンタ30内の記録媒体に接触す
ることができる。カートリッジ・リセプタクル64bは
レバー72とカプセル73も含む。以下の第5.0節で
詳しく説明するように、レバー72は、インク容器の少
なくとも一部の上方で延びるようにカートリッジ・リセ
プタクル64bに貯蔵されたインクカートリッジのイン
ク容器に対して旋回し、ユーザがインク容器にアクセス
するのを可能にするようにインク容器から離れる方向へ
旋回する。
【0042】カプセル73は、カートリッジ・リセプタ
クル64b内にインクカートリッジ(記録ヘッドとイン
ク容器とを含む)を保持し、レバー72の旋回に応答し
てカートリッジ・リセプタクル64b内で横方向へ移動
することができる。この横方向運動時に、カプセル73
上のフィンガ282は固定部502上のスリーブ284
に摺動可能に係合する。この横方向運動によって、イン
クカートリッジ300b上のカートリッジ回路接点81
などのカートリッジ回路接点は、カートリッジ・リセプ
タクル64b上の回路接点、すなわち装置回路接点71
に係合しこの接点から係合解除する。このプロセスは、
記録ヘッドの清掃を指示する信号を出力するために使用
され、このプロセスについては以下で詳しく説明する。
【0043】図6Bは、カートリッジ・リセプタクル6
4bの構成の背面図を示す。具体的には、図6Bは、カ
プセル73と、レバー72と、バック・ピース501
と、固定部502(2点鎖線で示されている)の相互接
続を示す。なお、レバー72は、バック・ピース501
の対応する穴504に接続するフィンガ507を含む。
この構成によって、レバー72が下向きに、図6Bに示
した矢印A1の方向へ旋回すると、バック・ピース50
1は上向きに、やはり図6Bに示した矢印A2の方向へ
移動する。逆に、レバー72が上向きに、矢印B1の方
向へ旋回すると、バック・ピース501は下向きに、矢
印B2の方向へ移動する。バック・ピース501のこの
上下移動は、前述のカプセル73の横方向移動を制御す
る。
【0044】したがって、バック・ピース501は、レ
バー/バック・ピース・アセンブリが固定部502に設
置されたときにばね装荷プッシュ・ロッド510と相互
作用するカム表面509を含む。具体的には、レバー/
バック・ピース・アセンブリは、フィンガ508および
対応する穴506を介して固定部502に接続される。
このように接続されると、バック・ピース501のカム
表面509はカプセル73の背部上のばねプッシュ・ロ
ッド510に接触する。この接続によって、レバー72
が旋回したときにカプセル73は横方向へ移動する。
【0045】具体的には、カム表面509が傾斜側面5
11と直線状側面512とを含むので、カム表面509
が上向きに移動すると(すなわち、レバー72がカプセ
ル73の方に矢印A1の方向へ旋回し、それによってバ
ック・ピース501、したがってカム表面509を上向
きに矢印A2の方向へ移動させると)、プッシュ・ロッ
ド510は、カム表面509の傾斜側面511によって
矢印A4の方向に押される。この動きによって、カプセ
ル73は、図6Bに示した矢印A3の方向へ移動する。
【0046】逆に、カム表面が下向きに移動すると(す
なわち、レバー72がカプセル73から離れ矢印B1の
方向へ旋回し、それによってバック・ピース501、し
たがってカム表面509を下向きに矢印B2の方向へ移
動させると)、プッシュ・ロッド510はもはや傾斜側
面511には接触しない。その代わり、カム表面509
は、プッシュ・ロッド510が直線状側面512に対応
するように移動する。この位置で、ばね513は、カプ
セル73の下方に配設され、カプセル73を固定部50
2に対してバイアスさせ、図6Bに示した矢印B3の方
向へカプセル73を移動させる。
【0047】図6Bに示したように、レバー72は、カ
プセル/固定部アセンブリ上のショルダ286に接触す
るフランジ287も含む。以下で詳しく説明するよう
に、この接触によって、レバー72がカートリッジ・リ
セプタクル64b内のカートリッジおよび/またはイン
ク容器に係合する可能性は低減する。
【0048】図6Aに示したように、カートリッジ・リ
セプタクル64bは自動位置合わせセンサ82を含む。
自動位置合わせセンサ82は、プリンタ30によって形
成されたドット・パターンの位置を検知する。この情報
は、プリンタ30内のすべての記録ヘッドを位置合わせ
するために使用される。カートリッジ・リセプタクル6
4aおよび64bに関連してホーム位置センサ(図示せ
ず)も含まれる。ホーム位置センサは、カートリッジ・
リセプタクル64aおよび64bがカートリッジ69に
対するホーム位置にあるときにそれを検出するために使
用される。ホーム位置の位置および意義については以下
で詳しく説明する。
【0049】図4に戻るとわかるように、プリンタ30
はワイパ84aおよび84bとインク清掃機構86とを
含む。インク清掃機構86は、ホーム位置87に配設さ
れ、回転ポンプ(図示せず)と記録ヘッド接続キャップ
88aおよび88bとを備える。プリンタ30の電源を
オフにしたときなど記録ヘッド清掃時およびその他の時
に、記録ヘッド接続キャップはそれぞれ、カートリッジ
・リセプタクル64aおよび64bに設置されたカート
リッジの記録ヘッドに接続される。
【0050】ラインフィードモータ61は、記録ヘッド
接続キャップ88aに接続された記録ヘッドから余分の
インクを吸引するようにインク清掃機構86の回転ポン
プを駆動する。以下の第5.0節で詳しく説明するよう
に、インクはユーザが指定した一方のカートリッジまた
は両方のカートリッジからのみ吸引される。ユーザ指定
については以下で説明する。
【0051】ワイパ84aおよび84bは、カートリッ
ジ記録ヘッドから余分のインクをふき取るためにキャリ
ッジモータ66によって駆動されるブレードなどを備え
ることができる。具体的には、ワイパ84aおよび84
bは、所定の条件が確立された後に記録ヘッドに接触す
るように持ち上げられる。たとえば、記録ヘッドによっ
て所定数のドットが印刷された後にワイパ84aおよび
84bを持ち上げることができる。 1.2 機能 プリンタ30は、アクセスドア32およびプリンタ30
のフロント・パネルを介して使用することのできる様々
な機能を含む。それらの機能の説明を次に行う。 1.2.1 手動清掃 プリンタ30は、そのフロント・パネルを介して起動す
ることのできる手動清掃機能を含む。具体的には、手動
清掃は、2秒間続くビープをプリンタ30が発するまで
再開ボタン46を押し続けることによって起動される。
手動清掃が起動されたことを示すために、インジケータ
・ライト43が点滅する。次いで、印刷プロセス中の媒
体が排出ポート40から排出される。インク清掃機構8
6は次いで、カートリッジ・リセプタクル64aおよび
64bに格納されたインクカートリッジの記録ヘッドを
清掃し、たとえば記録ヘッドからインクを吸引しインク
をふき取り、吸引されふき取られたインクは廃棄インク
貯蔵領域に貯蔵される。その後、インジケータ・ライト
43は、点滅を停止し、エラーが発生しなかった場合に
はオンに切り替えられる。廃棄インク・エラーが発生し
た場合、たとえば、廃棄インク貯蔵領域がほぼ満杯であ
る場合は、オレンジLEDがインジケータ・ライト43
を照明し、プリンタ30がビープ音を6回発する。 1.2.2 カートリッジ交換 プリンタ30の電源がオフであるか、あるいは記録媒体
がシート・フィーダから送られるか、あるいはプリンタ
30が印刷中であるかホストプロセッサ23からデータ
を受信したか、あるいは用紙なしエラーまたは紙詰まり
エラーが発生するか、あるいはプリンタ30内の記録ヘ
ッドの温度が過度に高いか、あるいは致命的なエラーが
発生するなどの条件が存在しないかぎり、プリンタ30
は、アクセスドア32が開放された後カートリッジ交換
モードに入る。
【0052】なお、一般に、プリンタ・セットアップ時
にインクカートリッジまたはインク容器全体を設置する
ときにも、あるいはプリンタが装置としての寿命がある
間に、使用済みのカートリッジまたは容器あるいは欠陥
のあるカートリッジまたは容器を交換するときにも、カ
ートリッジ交換モードに入る。初期プリンタ・セットア
ップ時に、一方のカートリッジ・リセプタクル64aま
たは64bにはインクカートリッジまたは容器がない。
このことを知らせるために、インジケータ・ライト43
が点滅する。カートリッジまたは容器を設置するとき、
ユーザはアクセスドア32を開放し、それによって、後
述のようにカートリッジ・リセプタクル64aおよび6
4bをキャリッジ69に沿って中央位置へ移動させる。
この位置で、ユーザは、単にカートリッジ・リセプタク
ル64aおよび64bのレバー72を持ち上げ、カート
リッジを記録ヘッドの方からカートリッジ・リセプタク
ル64aおよび64b内に落下させ、レバー72を閉じ
ることによってインクカートリッジを設置することがで
きる。空のインクカートリッジまたは欠陥のあるインク
カートリッジを交換するプロセスは、本節で説明するプ
ロセスと同じである。インク容器を交換するとき、ユー
ザは欠陥のあるインク容器または空のインク容器をカー
トリッジから引き離し、その位置に新しいインク容器を
挿入することができる。
【0053】カートリッジ交換モードを終了するには、
ユーザはアクセスドア32を閉鎖するだけでよい。交換
モードが終了した後、プリンタ30は、新たに設置され
たカートリッジを検査して、正しく設置されているかど
うかを判定する。カートリッジまたは容器が正しく設置
されている場合、プリンタ30はカートリッジ・リセプ
タクル64aおよび64bをホーム位置87へ移動させ
る。一方、カートリッジまたは容器が正しく設置されて
いないか、あるいは何らかの理由で使用することができ
ない(たとえば、カートリッジまたは容器に欠陥があ
る)場合、インジケータ・ライト43がオレンジ色に点
灯する。また、プリンタ30は、カートリッジ・リセプ
タクル64b内のインクカートリッジに問題があること
を示すときはビープを3回発し、カートリッジ・リセプ
タクル64a内のインクカートリッジに問題があること
を示すときはビープを4回発する。 1.3 インクカートリッジ 本明細書で説明するプリンタは、いくつかの異なる種類
のインクを貯蔵する取外し可能なインク容器を含むイン
クカートリッジを使用することができる。そのようなカ
ートリッジの例を図7Bおよび図7Cに示す。しかし、
上記で指摘したように、取外し可能なインク容器を含ま
ず、その代わりにすべてのインクを内部に貯蔵する使い
捨てインクカートリッジと共に本発明を使用することも
できる。そのようなカートリッジの例を図7Aに示す。
【0054】一般に、プリンタ30は様々な異なるカー
トリッジタイプと共に動作することができる。たとえ
ば、プリンタ30は、染料ベースの黒インクを貯蔵し、
垂直方向へ延びる128個のノズルを含む記録ヘッドを
有するカートリッジを使用することができる。そのよう
なカートリッジの例はCanon BC−20カートリ
ッジである。顔料黒インクを貯蔵する同様な種類のカー
トリッジを使用することもできる。なお、一般的に言え
ば、染料ベースの黒インクは、記録媒体に対する高浸透
特性を有する。一方、顔料ベースの黒インクは一般に、
記録媒体に対する低浸透(場合によっては非浸透)特性
を有する。
【0055】プリンタ30は、カラーインクカートリッ
ジと共に動作することもできる。たとえば、プリンタ3
0は、シアンインク、マゼンタインク、イエロインク、
黒インクを貯蔵し、垂直方向へ延びる136個のノズル
を含むインクカートリッジと共に動作することができ
る。そのようなカートリッジでは、24個のノズルがシ
アンインクの印刷を行い、24個のノズルがマゼンタイ
ンクの印刷を行い、24個のノズルがイエロインクの印
刷を行い、64個のノズルが黒インクの印刷を行う。そ
のようなカートリッジの例はCanon BC−21
(e)カートリッジである。
【0056】プリンタ30と共に使用できるさらに他の
例のインクカートリッジでは、低光学濃度(たとえば、
「写真」)インクを貯蔵し、垂直方向に配置された13
6個のカートリッジを含む。そのようなカートリッジ
も、前述のカラーカートリッジと同じノズル構成を有す
る。 1.4 記録ヘッドの構造 本発明と共に使用できるカートリッジの記録ヘッドの物
理構成に関して、図8は、プリンタ30が記録ヘッド9
8を含み、記録ヘッドが128個のノズルを有しほぼ垂
直に構成され、各ノズルが、隣接するノズルに近接して
離間される場合のノズル構成の詳細な正面図を示す。そ
のような構成は単色(黒など)印刷に好ましい。記録ヘ
ッドが記録媒体を横切って移動する際にノズルからすべ
てのインクを一度に射出するのではなく、インクを短い
間隔を置いて連続して射出して垂直線を印刷することが
可能になるように、ノズルは好ましくはわずかに斜めに
傾斜した角度に配置される。ノズルからインクを短い間
隔を置いて連続して射出するための電力要件および制御
要件は、すべてのインクを一度に射出するための電力要
件および制御要件と比べて著しく低減される。1つの好
ましい構成のノズル列の傾斜角度は、360dpi解像
度であれば、垂直方向に16ノズル毎に水平方向には1
画素分だけずれるような角度に対応している。
【0057】記録ヘッド99は、垂直に対してわずかに
傾斜した角度に重なり合うように配置された、好ましく
はイエロインク用の24個のノズルと、好ましくはマゼ
ンタインク用の24個のノズルと、好ましくはシアンイ
ンク用の24個のノズルと、好ましくは黒インク用の6
4個のノズルとを含む136個のノズルを有する。ノズ
ルの各色群は、8つのノズルに対応する垂直ギャップだ
け、隣接する群から分離される。わずかに斜めの角度は
この場合も、360dpiの解像度であれば、垂直方向
に16ノズル毎に水平方向には1画素分だけずれるよう
な傾きをもつように配置される。 1.5 印刷モード プリンタ30は、その動作時に、ホストプロセッサ23
(図1参照)からプリンタ30に発行されたコマンドを
介して設定できるいくつかの異なるモードを含む。これ
らのモードでは、プリンタ30に設置されたカートリッ
ジは、それぞれの異なるサイズのインク滴を吐出し、そ
れぞれの異なる解像度を有する画像を形成することがで
きる。プリンタ30のあるモードが利用できるかどうか
は、1つにはプリンタ30に設置されたカートリッジの
種類に依存する。すなわち、ある種のカートリッジ上の
記録ヘッドは、いくつかの異なるサイズの液滴、たとえ
ば大きなインク滴または小さなインク滴を吐出すること
ができ、それに対して他の種類のカートリッジ上の記録
ヘッドは、単一のサイズを有する液滴を吐出することが
できる。
【0058】上記指摘したように、それぞれの異なるプ
リンタ動作モード中にそれぞれサイズの異なるインク滴
を使用して、それぞれの異なる解像度を有する画像が形
成される。具体的には、インクジェットプリンタはペー
ジ上にドットを形成することによって画像を生成する。
形成される画像の解像度は、1つには形成されるドット
の数に対応し、1つにはそれらのドットが形成される構
成に対応する。本発明のプリンタでは、前述の大きなイ
ンク滴と小さなインク滴のどちらかを使用して様々な異
なる解像度で画像を形成することができる。
【0059】この点で、印刷時のドット割振りおよび配
置が、1つには、印刷時に使用される用紙の種類に基づ
いて制限されることに留意されたい。具体的には、普通
紙は、360dpi画素中に最大で約4つの小さな液滴
を吸収することができ、それに対して高解像度(以
下、"HR−101"と呼ぶ)紙は、360dpi画素中
に最大で6つの小さな液滴を吸収することができる。
【0060】前述のことを考慮すると、図9は、通常の
(すなわち、ノンフォト)インクと任意の種類の用紙を
使用した180ドット水平方向(H)×180ライン垂
直方向(V)ラスタ化における各画素についての液滴配
置を示す。図9に示したように、この配置は、3つのレ
ベルを可能にし、大きな液滴を使用して360ドット
(H)×360ライン(V)dpiプリントアウトを達
成することができる。 2.0電気的構成 第1.0節で説明したように、プリンタ30は複数の記
録ヘッドを黒−黒、黒−カラー、カラー−カラー、カラ
ー−フォトなどいくつかの異なる組合せで使用すること
ができ、それによっていくつかの印刷モードをそれぞれ
の異なる解像度(たとえば、180dpi、360dp
i、720dpi)で実行することができる。さらに、
テキスト、テキストおよびカラー、カラーおよび高品質
カラーなどそれぞれの異なる印刷モードごとに記録ヘッ
ドの組合せを変更することができる。その結果、それぞ
れの異なるモード用の印刷タスクは、記録ヘッドの組合
せ、記録媒体、画質に基づいて異なる複雑な操作を必要
とする。図1の情報処理システムでは、記録ヘッドの構
成、記録ヘッドの位置合わせなどに関するプリンタ・パ
ラメータは、プリンタ30内に記憶され、プリンタ30
によって得られたデータに基づいてホストプロセッサ2
3へ送信される。したがって、ホストプロセッサ23内
のプリンタドライバは、印刷データの複雑な処理および
様々な印刷モードに対するプリンタのセットアップを実
行し、印刷の実行を簡略化する指示コマンド・シーケン
スをプリンタへ送信する。この利点としては、プリンタ
のアーキテクチャが簡略化され、同時に、ホストプロセ
ッサ23に対する印刷処理の要求は、ホストプロセッサ
23の動作にほとんどあるいはまったく影響を与えない
ことがある。 2.1 システムアーキテクチャ 図10は、ホストプロセッサ23およびプリンタ30の
内部構造を示すブロック図である。図10で、ホストプ
ロセッサ23は、コンピュータバス101と相互接続さ
れたプログラム可能なマイクロプロセッサなどの中央演
算処理装置(CPU)100を含む。コンピュータバス
101には、ディスプレイ22とのインタフェースをと
るディスプレイ・インタフェース102と、双方向通信
回線106を通してプリンタ30とのインタフェースを
とるプリンタ・インタフェース104と、フロッピィデ
ィスク107とのインタフェースをとるフロッピィディ
スク・インタフェース24と、キーボード26とのイン
タフェースをとるキーボード・インタフェース109
と、ポインティングデバイス27とのインタフェースを
とるポインティングデバイス・インタフェース110も
結合される。ディスク25は、オペレーティングシステ
ム111を記憶するオペレーティングシステム部と、ア
プリケーション112を記憶するアプリケーション部
と、プリンタドライバ114を記憶するプリンタドライ
バ部とを含む。
【0061】ランダム・アクセス・メイン・メモリ(以
下、"RAM"と呼ぶ)116はコンピュータバス101
とのインタフェースをとり、CPU100がメモリ記憶
域にアクセスすることを可能にする。特に、ディスク2
5のアプリケーション部112に記憶されているアプリ
ケーション・プログラムに関連する命令シーケンスなど
記憶されているアプリケーション・プログラム命令シー
ケンスを実行する際に、CPU100がそのようなアプ
リケーション命令シーケンスをディスク25(あるいは
ネットワークまたはフロッピィディスク・ドライブ24
を介してアクセスされた媒体などの他の記憶媒体)から
RAM116にロードし、そのような記憶されているプ
ログラム命令シーケンスをRAM116から実行する。
RAM116は、以下で詳しく説明するように、本発明
によるプリンタドライバ114によって使用される印刷
データ・バッファを備える。ウィンドウ・オペレーティ
ングシステムの下で使用できる標準的なディスク・スワ
ッピング技術によって、前述の印刷データ・バッファを
含めてメモリのセグメントをディスク25との間でスワ
ップできることも認識されたい。ホストプロセッサ23
内の読取り専用メモリ(以下、"ROM"と呼ぶ)43
は、キーボード26の操作に関する立上げ命令シーケン
スや基本入出力オペレーティングシステム(BIOS)
シーケンスなどの不変的な命令シーケンスを記憶する。
【0062】図10に示し、上記で述べたように、ディ
スク25は、ウィンドウ・オペレーティングシステムに
関するプログラム命令シーケンスと、グラフィックス・
アプリケーション・プログラム、描画アプリケーション
・プログラム、デスクトップ・パブリッシング・アプリ
ケーション・プログラムなど様々なアプリケーション・
プログラムに関するプログラム命令シーケンスとを記憶
する。ディスク25は、指定されたアプリケーション・
プログラムの制御下でディスプレイ22によって表示し
プリンタ30によって印刷することのできるようなカラ
ー画像ファイルも記憶する。ディスク25はまた、マル
チレベルRGB原色をどのようにディスプレイ・インタ
フェース102に与えるかを制御するカラーモニタドラ
イバを他のドライバ部119に記憶する。プリンタドラ
イバ114は、プリンタ30を白黒およびカラー印刷で
きるように制御し、印刷データをプリンタ30の構成に
従ってプリントアウトできるように供給する。印刷デー
タはプリンタ30へ転送され、プリンタドライバ114
の制御下で、回線106に接続されたプリンタ・インタ
フェース104を通し、ホストプロセッサ23とプリン
タ30との間で制御信号が交換される。ホストプロセッ
サ23に接続されたネットワーク装置やファクシミリ装
置など様々な装置に適切な信号を与える他のデバイスド
ライバもディスク25に記憶される。
【0063】通常、ディスク25上に記憶されているア
プリケーションプログラムおよびドライバはまず、それ
らのプログラムおよびドライバが最初に記憶された他の
コンピュータ読取り可能な媒体からディスク25上にユ
ーザによってインストールされる必要がある。たとえ
ば、ユーザは通常、プリンタドライバのコピーが記憶さ
れている、フロッピィディスク、またはCD−ROMな
ど他のコンピュータ読取り可能な媒体を購入する。ユー
ザは次いで、プリンタドライバをディスク25上にコピ
ーする周知技術を通してプリンタドライバをディスク2
5上にインストールする。同時に、ユーザは、モデム・
インタフェース(図示せず)またはネットワーク(図示
せず)を介して、ファイル・サーバまたはコンピュータ
化された掲示板からのダウンロードなどによってプリン
タドライバをダウンロードすることも可能である。
【0064】再び図10を参照するとわかるように、プ
リンタ30は、バス126に接続された、プログラム可
能なタイマと割込みコントローラとを含む8ビット・マ
イクロプロセッサまたは16ビット・マイクロプロセッ
サなどのCPU121と、ROM122と、制御論理1
24と、入出力ポート・ユニット127とを含む。制御
論理124にはRAM126も接続される。制御論理1
24は、ラインフィードモータ61用のコントローラ
と、RAM129内の印刷画像バッファ記憶域用のコン
トローラと、加熱パルス生成用のコントローラと、ヘッ
ド・データ用のコントローラとを含む。制御論理124
はまた、プリンタエンジン131の記録ヘッド130a
および130b内のノズル、キャリッジモータ66、ラ
インフィードモータ61に対する制御信号と、記録ヘッ
ド130aおよび130bに関する印刷データを与え、
記録ヘッド130aおよび130bの位置合わせに関す
る情報を入出力ポート・ユニット127を通してプリン
タエンジン131から受信する。EEPROM132は
入出力ポート・ユニット127に接続され、記録ヘッド
構成パラメータや記録ヘッド位置合わせパラメータなど
のプリンタ情報用の非揮発性メモリを形成する。EEP
ROM132は、プリンタ30の動作パラメータをホス
トプロセッサ23に知らせるためにホストプロセッサ2
3のプリンタドライバ114へ送信される、プリンタ、
ドライバ、記録ヘッド、記録ヘッドの位置合わせ、カー
トリッジ内のインクの状況などを識別するパラメータも
記憶する。
【0065】入出力ポート・ユニット127はプリンタ
エンジン131に結合され、プリンタエンジン内で、
(それぞれ、カートリッジ・リセプタクル64aおよび
64bに格納される)一対の記録ヘッド130aおよび
130bは、記録媒体を走査し、同時にRAM129内
のプリントバッファから得た印刷データを使用して印刷
を行うことによって記録媒体上で記録を行う。制御論理
124は、通信回線106を介してホストプロセッサ2
3のプリンタ・インタフェース104にも結合され、制
御信号を交換し、印刷データおよび印刷データ・アドレ
スを受信する。ROM122は、フォントデータと、プ
リンタ30を制御するために使用されるプログラム命令
シーケンスと、プリンタの動作に関するその他の不変デ
ータを記憶する。RAM129は、記録ヘッド130a
および130b用のプリンタドライバ114によって定
義されたプリントバッファに印刷データを記憶し、かつ
プリンタの動作に関するその他の情報を記憶する。
【0066】プリンタエンジン131の記録ヘッド13
0aおよび130bは、それぞれ、カートリッジ・リセ
プタクル64aおよび64bに記憶されているインクカ
ートリッジに対応する。参照番号134で総称されるセ
ンサ群は、プリンタの状況を検出し、温度を測定し、印
刷に影響を与えるその他の数量を検出するように配置さ
れる。カートリッジ・リセプタクル64内の光センサ
(たとえば、図6Aに示したセンサ82)は、自動位置
合わせのために印刷濃度およびドット位置を測定する。
センサ群134はまた、アクセス・カバー32の開閉状
況、記録媒体の存在などその他の状態を検出するように
プリンタエンジン131内に配置される。また、ダイオ
ードセンサは、サーミスタを含み、記録ヘッド130a
および130bに配置され、記録ヘッド温度を測定す
る。この温度は入出力ポート・ユニット127へ送信さ
れる。
【0067】入出力ポート・ユニット127はまた、電
源ボタン44や再開ボタン46などのスイッチ133か
ら入力を受信し、LED135、インジケータ・ライト
43、ブザー128へ制御信号を送信し、それぞれ、ラ
インフィードモータ・ドライバ61aおよびキャリッジ
モータ・ドライバ66aを介してラインフィードモータ
61、キャリッジモータ66に制御信号を送信する。前
述のように、ブザー128はスピーカを備えることがで
きる。
【0068】図10はプリンタ30の個々の構成要素を
互いに別々で異なるものとして示しているが、いくつか
の構成要素を組み合わせられることが好ましい。たとえ
ば、制御論理124をASICの入出力ポート127と
組み合わせて、プリンタ30の機能のための相互接続を
簡略化するようにしても良い。 2.2 システムの機能 図11は、ホストプロセッサ23とプリンタ30との間
の相互作用を示すハイレベル機能ブロック図である。図
11に示したように、ディスク25のアプリケーション
部112に記憶されており画像処理アプリケーションプ
ログラム112aから印刷命令が発行されると、オペレ
ーティングシステム111はプリンタドライバ114に
グラフィックスデバイスインタフェース呼出しを発行す
る。プリンタドライバ114は、印刷命令に対応する印
刷データを生成することによって応答し、この印刷デー
タを印刷データ・ストア136に記憶する。印刷データ
・ストア136は、RAM116またはディスク25に
存在することができ、あるいはオペレーティングシステ
ム111のディスク・スワッピング動作によって、印刷
データ・ストア136を最初にRAM116に記憶して
おきディスク25との間でスワップすることができる。
その後、プリンタドライバ114は、印刷データを印刷
データ・ストア136から得て、プリンタ・インタフェ
ース104を通して双方向通信回線106へ送信し、プ
リンタ制御機構140を通してプリントバッファ139
へ送信する。プリントバッファ139はRAM129に
存在し、プリンタ制御機構140は図10の制御論理機
構124およびCPU121に存在する。プリンタ制御
機構140は、ホストプロセッサ23から受信されたコ
マンドに応答してプリントバッファ139内の印刷デー
タを処理し、ROM122(図10参照)に記憶されて
いる命令の制御下で印刷タスクを実行し、記録媒体上に
画像を記録するのに適切な記録ヘッド制御信号およびそ
の他の制御信号をプリンタエンジン131に与える。
【0069】プリントバッファ139は、記録ヘッド1
30aおよび130bのうちの一方によって印刷すべき
印刷データを記憶する第1の部分と、記録ヘッド130
aおよび130bのうちの他方によって印刷すべき印刷
データを記憶する第2の部分とを有する。各プリントバ
ッファ部は、関連する記録ヘッドの印刷位置の数に対応
する記憶位置を有する。これらの記憶位置は、印刷につ
いて選択された解像度に従ってプリンタドライバ114
によって定義される。各プリントバッファ部は、記録ヘ
ッド130aおよび130bの印刷速度へのランプアッ
プ時に印刷データを転送するための追加の記憶位置も含
む。印刷データは、ホストプロセッサ23内の印刷デー
タ・ストア136から、プリンタドライバ114からア
ドレスされたプリントバッファ139の記憶位置へ送信
される。その結果、ランプアップ時にも現在の走査によ
る印刷時にも、次に走査される印刷データをプリントバ
ッファ139内の空記憶位置に挿入することができる。 2.3 制御論理 図12は、図10の制御論理124および入出力ポート
・ユニット127のブロック図を示す。前述のように、
入出力ポート・ユニットは制御論理124内に含めるこ
ともできる。図10で、ユーザ論理バス146は、プリ
ンタCPU121と通信できるようにプリンタ・バス1
26に接続される。バス146は、IEEE−1284
規格のプロトコル通信などの双方向通信を行うために双
方向回線106に接続されたホストコンピュータ・イン
タフェース141に結合される。したがって、双方向通
信回線106はホストプロセッサ23のプリンタ・イン
タフェース104にも結合される。ホストコンピュータ
・インタフェース141はバス146に接続され、プリ
ントバッファ139(図10および図11参照)を含む
RAM129を制御するためにDRAMバス・アービタ
/コントローラ144に接続される。データ圧縮器14
8は、バス146とDRAMバス・アービタ/コントロ
ーラ144との間に接続され、処理時に印刷データを伸
張する。バス146には、図10のラインフィードモー
タ・ドライバ61aに接続されたラインフィードモータ
・コントローラ147と、記録ヘッド130aおよび1
30bのそれぞれに対するシリアル制御信号およびヘッ
ド・データ信号を与える画像バッファ・コントローラ1
52と、記録ヘッド130aおよび130bのそれぞれ
に対するブロック制御信号およびアナログ加熱パルスを
与える加熱パルス生成装置154も結合される。ライン
フィードモータ61とキャリッジモータ66が並行して
動作できるので、キャリッジモータ制御は入出力ポート
・ユニット127およびキャリッジモータ・ドライバ6
6aを通してCPU121によって実行される。
【0070】制御論理124は、ホストコンピュータ・
インタフェース141および双方向通信回線106を通
して、CPU121で使用できるコマンドをホストプロ
セッサ23から受信し、プリンタ状況信号およびその他
の応答信号をホストプロセッサ23へ送信するように動
作する。ホストプロセッサ23から受信された印刷デー
タおよび印刷データに関するプリントバッファ・メモリ
・アドレスは、DRAMバス・アービタ/コントローラ
144を介してRAM129内のプリントバッファ13
9へ送信され、プリントバッファ139から得たアドレ
スされた印刷データは、コントローラ144を通してプ
リンタエンジン131へ転送され、記録ヘッド130a
および130bによって印刷される。なお、加熱パルス
生成装置154は、印刷データを印刷するために必要な
アナログ加熱パルスを生成する。
【0071】図13は、プリンタ30用のメモリアーキ
テクチャを示す。図13に示したように、EEPROM
132と、RAM129と、ROM122と、制御論理
124用の一時記憶域161は、単一アドレス指定構成
を有するメモリ構造を形成する。図13を参照するとわ
かるように、非揮発性メモリ部159として示したEE
PROM132は1組のパラメータを記憶し、これらの
パラメータは、ホストプロセッサ23によって使用さ
れ、プリンタおよび記録ヘッドと、記録ヘッドの状況
と、記録ヘッドの位置合わせと、記録ヘッドのその他の
特性を識別する。EEPROM132も、プリンタ30
によって使用される、清掃時間、自動位置合わせセンサ
・データなど他の1組のパラメータを記憶する。ROM
122は、メモリ部160として示されており、プリン
タ・タスクのプログラム・シーケンス、ノズル加熱パル
スの生成などを制御するために使用される記録ヘッド動
作温度テーブルなど、プリンタの動作に関する不変の情
報を記憶する。ランダム・アクセス・メモリ部161
は、制御論理124に関する一時動作情報を記憶し、R
AM129に対応するメモリ部162は、プリンタ・タ
スクに関する可変動作データ用の記憶域とプリントバッ
ファ139とを含む。 2.4 一般的な動作 図14は、図10のブロック図に示した情報処理システ
ムの一般的な動作を示すフローチャートである。図14
のステップS1401でプリンタ30の電源がオンに切
り替えられた後、ステップS1402でプリンタ70が
初期設定される。初期設定時には、以下の第3.2節で
詳しく論じ図19および図20に示すように、CPU1
21、制御論理124、システム・タイマが初期状態に
設定される。また、プリンタ30のROM121、RA
M129、EEPROM132が検査され、プリンタ3
0に電源が投入されたときにCPU121の割込み要求
レベルが割り当てられる。プリンタ30がそのオン状態
に設定されると、プリンタドライバ114によってEE
PROM132が読み取られ、プリンタをリセットする
こと、記録ヘッド清掃を行うべきであるかどうかをシス
テム・タイマに基づいて判定することなどのコントロー
ラ・タスクがプリンタCPU121によって開始され
る。また、ステップS1402の初期設定プロセスで
は、データ圧縮モードが選択され、記録ヘッド130a
および130bに対する加熱パルスが定義され、バッフ
ァ制御が定義され、プリントバッファ139がクリアさ
れ、プリンタ30の状況を示すメッセージが表示され
る。
【0072】次に、ステップS1403が実行される。
ステップS1403で、記録ヘッドの構成が変更されて
いると判定された場合、プリンタドライバ114は、ヘ
ッドの構成および位置合わせに関するプリンタの測定に
基づいてプリンタCPU121から得られたデータから
プリンタ・パラメータを算出する。位置合わせシステム
は、1997年7月28日に出願され参照として本明細
書に組み込まれた「プリンタ装置のための自動位置合わ
せシステム(Auto-Alignment System For A Printing D
evice)」と題する米国特許出願第08/901560
号に詳しく記載されている。
【0073】ステップS1403に続いて、処理はステ
ップS1404に進み、プリンタ30がオンラインであ
るかどうかが判定される。プリンタ30がオンラインで
あると判定された後、処理はステップS1405に進
み、算出されたプリンタ・パラメータがプリンタEEP
ROM132に登録される。
【0074】具体的には、プリンタ30がオンラインで
あると判定されると、ステップS1405で、EEPR
OM132に記憶されているプリンタ・パラメータがプ
リンタドライバ114によって登録される。次いでステ
ップS1405で、このパラメータが、ホストプロセッ
サ23に記憶できるようにCPU121によって送信さ
れ、それによってプリンタドライバ114はプリンタの
動作に適切なコマンドを生成することができる。そのよ
うなコマンドは、図14の破線ボックスのステップに示
されており、プリンタ30の現在のIDと、記録ヘッド
の構成と、記録ヘッドの位置合わせと、カートリッジ・
インクの状況を考慮に入れている。
【0075】ステップS1405によるパラメータを送
信する方法は、現在のヘッド構成に関するプリンタ・パ
ラメータを表すデータをホストプロセッサへ送信するこ
とを含む。ホストプロセッサ内のプリンタドライバは、
接続された記録装置の特性に応じてプリンタの機能を制
御するコマンドを生成し、生成したコマンドをプリンタ
・コントローラへ送信する。このようなコマンドには、
様々な複数の記録装置構成に関してプリンタの動作を制
御することを可能にする接続された記録装置の特性に対
応するパラメータが含まれる。プリンタ・パラメータ・
データの、ホストプロセッサ内のプリンタドライバへの
送信と、コマンドの生成および送信については、第6.
0節で詳しく説明する。
【0076】記録ヘッドの清掃に関しては、ステップS
1405Aのように、プリンタの動作中の様々な時間に
清掃をスケジュールすることができる。ステップS14
05Aに従って記録ヘッドの清掃をスケジュールする方
法は、外部情報源からリアルタイム/日付(時間および
/または日付)情報を受信することと、リアルタイム/
日付情報を揮発性メモリに記憶することと、インクジェ
ットプリンタ内の少なくとも1つの記録ヘッドに関する
最後の清掃時間を不揮発性RAMに記憶することと、記
憶されているリアルタイム/日付情報と記憶されている
最後の清掃時間との減算を行うことによって経過時間を
算出することとを含む。この方法はさらに、算出された
経過時間を所定の経過時間と比較することと、算出され
た経過時間が所定の経過時間以上であるときに少なくと
も1つの記録ヘッドを清掃プロセスを実行するように制
御することと、この少なくとも1つの記録ヘッドを清掃
した最近の最終時間を非揮発性メモリに記憶することと
を含む。算出された経過時間が所定の経過時間よりも短
いとき、この方法は、内部経過時間と、次のダウンロー
ド時間の比較と、記録ヘッドの交換などの清掃イベント
の実行のどれかに基づいて清掃を実行するように待機す
る。記録ヘッドの清掃のスケジューリングについては以
下の第7.0節で詳しく説明する。
【0077】ステップS1405で登録されたパラメー
タは、記録ヘッドの動作を制御するために使用される。
少なくとも1つの記録ヘッドを有する画像記録装置の記
録ヘッドを制御する、ステップS1405による方法
は、ステップS1405で登録されたパラメータを含
む、少なくとも1つの記録ヘッドのプロファイル情報を
得ることを含む。この方法は、プロファイル・パラメー
タを不揮発性RAMに記憶することと、要求に応じて、
画像記録装置に接続されたホストプロセッサにプロファ
イル情報を出力することとを含む。ホストプロセッサ
は、記録ヘッド・プロファイル情報を使用して補償パラ
メータを生成し、この補償パラメータは、ホストプロセ
ッサから印刷のため記録ヘッドへ送信するべき印刷情報
を補償する。この方法については第8.0節で詳しく説
明する。
【0078】ステップS1405でプリンタパラメータ
情報が登録され、ステップS1405Aで清掃スケジュ
ーリングが行われた後、ステップS1406で、記録ヘ
ッド・カートリッジ300aおよび300b(図4参
照)のそれぞれの状況が検査される。これは、アクセス
ドア32が開閉されたかどうかを確認し、1つまたは複
数のインクカートリッジまたはインク容器が交換された
かどうかを検出することによって行われる。カートリッ
ジまたは容器が交換されている場合、対応する記録ヘッ
ドに対して清掃動作が実行され、その場合、記録ヘッド
のノズルが清掃される。
【0079】インク容器/カートリッジ交換時に記録ヘ
ッドを清掃するためにステップS1406で使用される
装置は、記録ヘッドと少なくとも1つの取外し可能なイ
ンク容器とを有するカートリッジを解放可能に受容する
ためにカートリッジ上に取り付けられたカートリッジ・
リセプタクルを備える。このリセプタクルは、少なくと
も1つのインク容器の取外しを可能にする旋回レバーを
含む。このレバーは少なくとも1つのインク容器の少な
くとも1部を越えて上方に伸長しており、レバー自体が
その少なくとも1つのインク容器から離れる方向に旋回
されるまで少なくとも1つのインク容器へのアクセスを
防止するようにしている。レバーが、少なくとも1つの
インク容器から離れる方向に旋回され、次いで少なくと
も1つのインク容器の少なくとも一部の上方で旋回され
ると、記録ヘッドの清掃を促す信号が出力される。記録
ヘッド清掃構成については、第5.0節で詳しく説明す
る。
【0080】ステップS1406でカートリッジ交換処
理が実行された後、処理はステップS1407に進む。
ステップS1407で、記録ヘッド・ヒータ制御などの
動作のためにプリンタ30によって割込みが要求されて
いるかどうかが判定される。そのような割込み要求に応
答して、要求されたプリンタ動作がステップS1408
で実行される。その後、処理はステップS1406に戻
る。
【0081】ステップS1407でプリンタによって割
込みが要求されなかった場合、処理はステップS140
9に進む。ステップS1409で、プリンタドライバ1
14がコマンド・シーケンスを要求したかどうかが判定
される。図10のシステムでは、プリンタ30から受信
されたパラメータおよび状況情報に応じて生成されたプ
リンタドライバ114からのコマンドによって、プリン
タ30のタスクが制御される。ユーザインタフェース・
シーケンスが選択されると、ステップS1414に入
り、図15に示した処理が実行される。
【0082】ステップS1501でユーザインタフェー
スが選択されると、プリンタ30の現在の状況が要求さ
れ、双方向通信回線106を介してプリンタ30から受
信される。次いでステップS1502で、プリンタ30
が新しい記録ヘッドを有するかどうかが判定される。新
しい記録ヘッドが検出されると、ステップS1503で
自動位置合わせが実行され、ステップS1504でプリ
ンタ30の状況情報がプリンタドライバ114に記憶さ
れる。新しい記録ヘッドが検出されなかった場合、ステ
ップS1505でユーザのために最新のプリンタドライ
バ情報が得られる。いずれの場合も、ステップS150
6で、印刷すべきページがヘッド交換および/またはヘ
ッド位置合わせに関するユーティリティ・ページである
か、それとも文書のトップ・ページであるかどうかが判
定される。ユーティリティ・ページが選択されると、ス
テップS1507で現在のヘッド構成が表示され、ユー
ザはステップS1508で、プリンタ30をイネーブル
すべきか、それともディスエーブルすべきかを選択す
る。次いで、選択ステップS1509に入り、ユーザ
は、ステップS1510による位置合わせ、ステップS
1510およびS1511によるヘッド交換および位置
合わせとその後に続くステップS1512でのプリンタ
状況情報の記憶、ステップS1513による記録ヘッド
130aおよび130bを清掃する回復動作、またはス
テップS1514でのユーザインタフェースの取消しを
選択することができる。ステップS1509で選択され
たタスクが実行された後、図14のステップS1409
に制御が返される。
【0083】図15のステップS1506で印刷モード
が選択されると、ユーザに対して現在のヘッド構成が表
示される(ステップS1515)。ユーザは、ステップ
S1516でイネーブル−ディスエーブル・ボタンを操
作した後、ステップS1517で、印刷、媒体タイプ、
媒体サイズ、目的の画像、カスタム・ページ設定、ユー
ティリティ動作、または取消し動作を選択することがで
きる。媒体タイプ(ステップS1518)、媒体サイズ
(ステップS1519)、目的の画像(ステップS15
20)、(すなわち、テキストおよびカラーまたはフォ
トカラー)、カスタム用紙サイズ(ステップS152
1)、カスタム設定ページ(ステップS1522)を選
択すると、実行すべき印刷シーケンスに関する印刷パラ
メータおよび印刷データを制御する情報がプリンタドラ
イバ114に記憶される。キーボードおよびポインタに
よるユーザインタフェース・ディスプレイ上での入力に
よるユーザの選択が完了すると、制御は、ステップS1
409に戻され、ステップS1410で印刷コマンド・
シーケンスを使用するよう指示される。
【0084】ステップS1409で印刷シーケンスが選
択されると、処理はステップS1410に進む。ステッ
プS1410で、プリンタドライバ114は、それ自体
に記憶されている、記録ヘッドの構成、記録ヘッドの位
置合わせ、媒体のタイプおよびサイズ、目標画像に関す
る情報に基づいてコマンドのシーケンスを生成する。こ
れらのコマンドはプリンタ30内のプリンタ制御機構1
40(図11参照)へ送信される。プリンタ内で、プリ
ンタ制御機構140は、これらのコマンドとプリンタR
OM122からのファームウェアとを受信し、プリンタ
エンジン131でコマンド・タスクを実行させる。
【0085】印刷コマンド・シーケンスは、各印刷ジョ
ブごとに定義された印刷データをプリンタドライバ11
4からプリントバッファ139へ転送することを含む。
印刷データの転送は、プリンタ30内の受信バッファな
しで実行される。次のスキャンに関する印刷データは、
現在の走査における記録ヘッドのランプアップ時にプリ
ントバッファ139内の現在のスキャンの空記憶位置へ
送信される。
【0086】簡単に言えば、ステップS1410でコマ
ンドが転送されるプリントバッファは、各記録ヘッドご
との現在の走査による印刷位置に対応する1組の記憶位
置を含む。プリンタドライバは、プリントバッファ内の
現在の走査による空記憶位置を識別し、記録ヘッドの現
在の走査ためのランプアップ期間中に、記録ヘッドの次
の走査に関する印刷データを、識別された空記憶位置へ
送信する。本発明による印刷コマンド・シーケンスでの
印刷データ転送については第9.0節で詳しく説明す
る。
【0087】ステップS1410のコマンド・シーケン
スは、記録ヘッド130aおよび130bの印刷解像度
を設定するコマンドを含む。このようなコマンドは、記
録ヘッド用のプリントバッファに記憶されているデジタ
ルデータに基づいてインク滴のサイズを制御し、記録ヘ
ッド用のプリントバッファから印刷データを読み取る順
序を制御することによって設定される。具体的には、第
1および第2の記録ヘッドを有するプリンタで印刷解像
度を制御する方法は、第1および第2の記録ヘッドの解
像度を互いに独立に制御することを含む。プリントバッ
ファに記憶されているデジタルデータに基づいてインク
滴を吐出するインクジェット記録ヘッドでは、インク滴
サイズを制御しプリントバッファからの読出し順序を制
御することによって解像度が制御され、液滴のサイズお
よび読出し順序は各記録ヘッドごとに独立に制御され
る。印刷解像度の制御については第10.0節で詳しく
説明する。
【0088】さらに、ステップS1410の印刷コマン
ド・シーケンスで、プリンタドライバ114は、隣接す
る画素のマルチレベル画像データの分析に基づいて、目
標の画素を印刷する際に使用すべきインクの種類を選択
する。一例を挙げれば、画像中の色画素に囲まれた黒目
標画素については染料ベースのインクを選択することが
でき、それに対して黒画素に囲まれた黒目標画素につい
ては顔料ベースのインクを選択することができる。
【0089】簡単に言えば、本発明に従うマルチレベル
画像に対応する画素の印刷を制御する方法は、目標画素
に関するマルチレベル画像データと目標画素に隣接する
画素に関するマルチレベル画像データとに基づいて、目
標画素を染料ベースのインクを使用して印刷すべきか、
それとも顔料ベースのインクを使用して印刷すべきかを
判定することと、染料ベースのインクを使用して目標画
素を印刷すべきであると判定された場合に染料ベースの
インクを使用して目標画素を印刷するようプリンタに命
令することと、顔料ベースのインクを使用して目標画素
を印刷すべきであると判定された場合に顔料ベースのイ
ンクを使用して目標画素を印刷するようプリンタに命令
することとを含む。画素印刷の制御については第11.
0節で詳しく説明する。
【0090】1ページの印刷が完了すると、フローは図
14のステップS1411に進み、用紙排出コマンドに
応答してプリンタ30からそのページが出力される。プ
リンタ30は次いで、第4.0節で説明するようにトレ
イ上のばねによって調節可能に位置決めされた一対の傾
斜した引込み可能フラップにこのページを排出する。あ
るページが、印刷時にトレイ上に移動する際、すでに排
出されているページ上に摺動するレベルは、そのページ
が記録ヘッド領域で湾曲しないようにフラップの下向き
移動によって維持される。そのような湾曲によって、印
刷中の画像が歪む恐れがある。さらに、用紙排出トレイ
は、格納およびセットアップを容易にする構造を有す
る。
【0091】したがって、本発明に従うこの態様は、媒
体送り部および媒体排出ポートを規定するハウジングを
有するプリンタ用の排出トレイであり、この場合、ハウ
ジングは、プリンタエンジンを記録媒体上への印刷が可
能になるように収納するように構成される。この排出ト
レイは、プリンタのハウジングの、媒体排出ポートから
横方向に離れた位置に摺動可能に受容することのできる
べースを含む。ベースは、その摺動方向へ延びる少なく
とも一対の凹部を含む。排出トレイには一対のフラップ
も含まれる。一対のフラップはそれぞれ、ベースと排出
ポートとの間の横方向距離に対応する少なくとも1つの
幅部分を有する。各フラップは、ベースの対応する凹部
にヒンジ止めされ、ばねを介して上向きにバイアスされ
る。このばねは、ベースに対するフラップの斜め方向の
運動を可能にする。ベースがハウジングから摺動する
と、フラップが凹部から上向きに、媒体排出ポートの位
置に対応する高さにバイアスされる。
【0092】図16は、印刷を行いプリンタ30を操作
するためにプリンタドライバ114によって生成される
コマンド・シーケンスを詳しく示すフローチャートであ
る。図16において、ステップS1601でプリンタ初
期設定コマンドによって印刷コマンド・シーケンスが開
始され、このコマンドがプリンタ制御機構140へ送信
されプリンタ動作がリセットされる。次いで、用紙装填
コマンド(ステップS1602)がプリンタ制御機構1
40に与えられ、プリンタ制御機構は、選択ステップS
1603で用紙装填動作を選択し、用紙装填開始を実行
する(ステップS1604)。ステップS1605で、
プリンタ制御機構140で用紙装填終了が検出される
と、用紙装填終了を示す信号がプリンタドライバ114
へ送信され、ステップS1606で記録ヘッド130a
および130bの第1のスキャンに関する印刷データが
作成される。プリンタ制御機構140は、このスキャン
準備についての通知を受ける。プリンタドライバ114
での印刷データの準備は、1997年7月28日に出願
された「カラープリンタのためのプリントドライバ(Pr
int Driver For A Color Printer)」と題する米国特許
出願第08/901719号に詳しく記載されている。
決定ステップであるステップS1607ではスキャンに
関する印刷データが決定されない場合、ステップS16
08で、プリンタドライバ114で仮想スキップが実行
される。ステップS1609でページ終了が検出されな
いとき、制御はステップS1607に戻される。ページ
終了が検出されるまで、ステップS1610〜S161
4およびS1608が実行される。
【0093】ステップ1610で、正しい印刷データを
印刷できるようにプリンタドライバ114からプリンタ
制御機構140に実際のスキップ・コマンドが与えられ
る。プリンタ制御機構140は、実際のスキップ動作を
選択し(ステップS1603)、実際のスキップを実行
する(ステップS1615)。次いで、プリンタドライ
バ114でスキャン設定が実行され(ステップS161
1)、プリンタ制御機構140が通知を受ける。次に、
プリンタドライバ114で生成された印刷データおよび
印刷データに関するプリントバッファ・アドレスがプリ
ンタ制御機構140へ転送され、プリンタ制御機構はこ
の情報をプリントバッファ139に記憶する(ステップ
S1612)。次いで、プリンタドライバ114で次の
スキャンが準備され、プリンタ制御機構140が通知を
受ける(ステップS1613)。次いで、プリンタドラ
イバ114で生成された印刷コマンドがプリンタ制御機
構140へ送信される。これに応答して、プリンタ制御
機構140は、ステップS1619で印刷動作を選択
し、ステップS1614で印刷タスクを実行する。次い
で、ステップS1608でプリンタドライバ114によ
って仮想スキップが実行され、印刷中のページの行が追
跡される。決定ステップであるステップS1609にお
いてページ終了が判定されると、プリンタドライバ11
4からプリンタ制御機構140へページ排出コマンドが
送信され、プリンタ制御機構はページ排出動作を選択し
(ステップS1616)、ページ排出を開始する(ステ
ップS1617)。ページ排出が完了すると(ステップ
S1618)、プリンタドライバ114が、ページ排出
が完了したという通知を受け、制御が図14のステップ
S1409に渡される。
【0094】図17は、スキャン設定ステップS161
1で図16の現在の走査に使用される1組のコマンドを
示すフローチャートである。図17を参照するとわかる
ように、ステップS1701で[SPEED]コマンド
が発行されて走査速度が設定され、[DROP]コマン
ドが発行されて(ステップS1702)一方の記録ヘッ
ド(A)に対する液滴サイズが設定され、別の[DRO
P]コマンドが発行されて(ステップS1703)もう
一方の記録ヘッド(B)に対する液滴サイズが設定され
る。ステップS1704およびS1705で、[SEL
ECT_PULSE]コマンドが発行されて印刷に関す
る加熱パルスが設定され、[PCR]コマンドが発行さ
れて温度テーブル調整のためのパルス制御比が設定され
る。ステップS1706およびS1707で[SELE
CT_CONTROL]コマンドが発行されて各記録ヘ
ッド用のバッファ制御機構が選択され、記録ヘッド・ノ
ズルの射出時間が決定される。ステップS1708およ
びS1709で[DEFINE_BUF]コマンドが発
行され、記録ヘッド130aおよび130bのそれぞれ
のプリントバッファが定義される。したがって、スキャ
ン設定などのプリンタ動作の各態様は、記録ヘッドの構
成および印刷モードを考慮に入れてホストプロセッサ・
プリンタドライバ114によって制御される。それによ
って、プリンタ30によって実行されるタスクは、プリ
ンタ・アーキテクチャが大幅に簡略化されコストが低減
するようにプリンタドライバ114によって詳しく定義
される。
【0095】ページを2色記録ヘッドでカラー・モード
で印刷するためのホストプロセッサ32からプリンタ3
0へのコマンド・シーケンスの例は、図18に示した表
Aに記載されている。最初に、表Aに示したように、現
在時刻が[UCT]コマンドによって設定され、プリン
タ30が[RESET]コマンドによってリセットされ
る。[COMPRESS]コマンドによってデータ圧縮
が選択され、印刷データがパックされる。[DEFIN
E_BUF]コマンドによって記録ヘッド130aおよ
び130b用のプリントバッファが定義される。[DE
FINE_PULSE]コマンドおよび[DEFINE
_CONTROL]コマンドによって、記録ヘッド構成
のカラーモードに関する加熱パルスおよびバッファ制御
テーブルが定義される。
【0096】前述の初期設定コマンドに関するプリンタ
・タスクが実行された後、ページまたはその他の記録媒
体を装填するための用紙装填コマンド[LOAD]と、
第1の記録ヘッド・スキャンの印刷位置にスキップする
ためのラスタ・スキップ・コマンド[SKIP]がプリ
ンタ30へ送信され、記録ヘッド130aおよび130
bの印刷の印刷方向およびエッジが第1のスキャン向け
に設定される。次いで、コマンドのループが送信され、
ページの行を印刷するプリンタ・タスクが制御される。
各行についてのループの第1の部分で、その行に関する
スキャン・パラメータは図17に関して説明するように
設定される。バッファ制御テーブル選択コマンド[SE
LECT_CONTROL]に関するプリンタ・タスク
が完了した後、[BLOCK]コマンドによって印刷デ
ータ・ブロックが選択され、記録ヘッド130aおよび
130bの決定された印刷領域に応じて色選択コマンド
[COLOR]およびデータ伝送コマンド[DATA]
を繰り返すことによって、印刷色が選択され伝送され
る。
【0097】次いで、[DIRECTION]コマンド
および[EDGE]コマンドによって第2の走査の方向
ならびに第2の走査の印刷領域の左エッジおよび右エッ
ジが設定される。この時点で、ホストプロセッサ23か
らプリンタ30へ[PRINT]コマンドが転送されて
第1のスキャンの印刷が実行され、[SKIP]コマン
ドが送信されて第2のスキャンの印刷位置へのスキップ
が行われる。最後の行が印刷されると、プリンタ30に
用紙排出コマンドが与えられ、用紙排出が実行される。
【0098】スキャン設定動作のコマンド・シーケンス
と、本発明による印刷動作の例からわかるように、スキ
ャン設定や印刷など印刷動作の各態様は、記録ヘッドの
構成および印刷モードを考慮に入れてプリンタドライバ
114によって制御される。それによって、プリンタ3
0によって実行されるタスクは、プリンタ・アーキテク
チャが大幅に簡略化されコストが低減するようにプリン
タドライバ114によって詳しく定義される。
【0099】図14に戻るとわかるように、ステップS
1409でプリンタ状況要求が判定されると、フローは
ステップS1412に進む。ステップS1412で、プ
リンタ状況コマンド・シーケンスが実行される。プリン
タ状況情報を求める要求を与える状況コマンドについて
は第3.6節で詳しく説明する。一般に、各状況コマン
ドは、プリンタ動作に関する情報、またはプリンタ30
に記憶されている情報を要求するためにホストプロセッ
サ23からプリンタ30へ送信される。たとえば、ベー
ス状況コマンド[BASE−STATUS]はプリンタ
の現在の状況を要求する。これに応答して、プリンタ3
0は、印刷状況、プリントバッファ139がデータを受
信できるか否か、プリンタ30が立上げを実行中である
かどうか、カートリッジ交換、記録ヘッドの清掃、試験
印刷、エラーまたはアラームが検出されたかどうかなど
のうちの1つを示す1データ・バイトを返す。[HEA
D]コマンドは、記録ヘッドの構成を返すよう要求し、
[DATA_SEND]コマンドは、EEPROMデー
タをホストプロセッサ23に返すよう要求する。ステッ
プS1412で、要求されたデータが返された後、制御
はステップS1406に戻される。 3.0 プリンタソフトウェアのアーキテクチャ プリンタ30の機能に対する制御は、CPU121上で
実行される個別のプログラムによって行われる。このよ
うな個別のプログラムには、電源オン時に実行されるル
ーチンなどの初期設定ルーチンと、ホストプロセッサ2
3から受信されたコマンドに割り込むタスクと、リアル
タイム・ハードウェア割込みを処理するハンドラなどの
割込みハンドラと、ホストプロセッサ23との双方向通
信を制御するハンドラなどサイクリックプロセスを処理
するサイクリックハンドラとが含まれる。
【0100】プリンタCPU121はさらに、個別の各
プログラム(すなわち、初期設定ルーチン、タスク、割
込みハンドラ、サイクリックハンドラ)の実行を調整す
るようにオペレーティングシステムを実行する。オペレ
ーティングシステムは、メッセージなどを通してプログ
ラム間通信に責任を負い、必要に応じてあるプログラム
からの実行を他のプログラムに切り替えるようにプログ
ラム間切替えに責任を負う。オペレーティングシステム
の詳細を以下に記載する。 3.1 オペレーティングシステム オペレーティングシステムは、プリンタ制御プログラム
をモジュール化し、保守、継承、拡張を推進するように
作成されたリアルタイム・オペレーティングシステム
(あるいは「カーネル」または「モニタ」)である。リ
アルタイム・オペレーティングシステムは、プリエンプ
ティブ・マルチタスク・ソフトウェア環境を与えるシス
テムソフトウェアであり、この環境では、現在実行中の
プログラムをより優先順位の高い他のプログラムに切り
替えるために中止することができる。
【0101】オペレーティングシステムによって4つの
異なる種類のプログラムを使用することができ、これら
のプログラムはそれぞれ、プログラムの特定の種類に応
じてオペレーティングシステムによって実行される。こ
れらの種類には、初期設定ルーチンと、タスクと、割込
みハンドラと、サイクリックハンドラとが含まれる。初
期設定ルーチンとは、プリンタ30がリセットされた直
後に、オペレーティングシステムがそれ自体を初期設定
した後にオペレーティングシステムによってスケジュー
リングされるルーチンである。タスクとは、順次実行さ
れる連続処理の通常のプログラム(場合によっては「実
行ユニット」と呼ばれる)である。したがって、タスク
は、多重プログラミング環境または多重処理環境でCP
U121によって実行される作業単位としてオペレーテ
ィングシステムによって処理される1つまたは複数の命
令シーケンスである。並行処理が見掛け上実行されてい
るようにみえるのは、オペレーティングシステムが処理
を個別のタスク単位でスケジューリングすることによっ
てなされるためである。
【0102】割込みハンドラとは、(通常は短い)プロ
グラム単位であり、ハードウェア割込みを受信した直後
にオペレーティングシステムによって起動される。サイ
クリックハンドラは割込みハンドラに類似しているが、
ハードウェア割込みによって起動されるのではなく、オ
ペレーティングシステムのタイマ割込みによって起動さ
れる。
【0103】プリンタ30がリセットされたとき、CP
U121によって最初に実行されるソフトウェアはオペ
レーティングシステムである。所定の要件に従ってCP
Uレジスタが設定され、次いで、ユーザ定義初期設定ル
ーチンが存在する場合にはそのルーチンが実行される。
その後、制御がオペレーティングシステムに戻り、オペ
レーティングシステムはシステム内の各タスクを起動す
る。そのような1つのタスクは開始タスクである。開始
タスクが開始した後、システムコールが発行されるか、
あるいは割込みが行われるたびにオペレーティングシス
テムが起動される。システムコールが実行されるか、あ
るいは割込みが処理された後、実行がオペレーティング
システムに戻り、オペレーティングシステムは、最高優
先順位の実行可能なタスクを実行するようにタスクをス
ケジューリングする。
【0104】タスクのスケジューリングでは、現在実行
される資格を有する複数のタスクがある場合にどのタス
クを実行するかが判定される。より優先順位の高いタス
クが、より優先順位の低い他のすべてのタスクより前に
実行されるように割り当てられた優先順位に従って、タ
スクがスケジューリングされる。実行される資格を有す
るが、優先順位レベルが低いために現在実行されていな
いタスクは、その優先順位に基づいて準備完了待ち行列
に入れられる。
【0105】各タスクは、新たに実行される資格を有す
ると、準備完了待ち行列の最後に置かれる。次いで、タ
スクから発行されたシステムコールからリターンしたと
き、または割込み処理からタスクにリターンしたときに
スケジューリングが実行される。いずれの場合も、新し
いタスクを待ち行列に入力するか、あるいはすでに待ち
行列に存在しているタスクの優先順位を変更することが
できる。スケジューリングによって、各タスクの優先順
位に基づいてタスク待ち行列内のタスクが順序付けさ
れ、最高優先順位のタスクが、現在実行可能な実行タス
クになる。準備完了待ち行列内に同じ優先順位のタスク
が2つ以上ある場合、どのタスクを選択すべきかに関す
る決定は、どのタスクが最初に待ち行列に入力されたか
に基づいて下される。
【0106】オペレーティングシステムは、セマフォを
1つの基本的なタスク間通信手段として使用し、かつタ
スク間の制御または同期に使用する。タスクは、メッセ
ージを使用してタスク同士の間でデータを伝達し転送す
ることもできる。あるタスクによってメールボックスへ
メッセージが送信され、そのメッセージを受信する必要
のあるタスクが、そのメッセージを得られるようにメー
ルボックスに受信要求を発行する。
【0107】オペレーティングシステムはさらに、イベ
ントフラグを使用してタスクを同期させる。あるイベン
トに基づいて待機状態から解除される必要のあるタスク
は、イベントフラグパターンを登録することができ、オ
ペレーティングシステムは、そのフラグパターンが発生
したときにそのタスクを待機状態から解除する。
【0108】オペレーティングシステムによる割込み管
理は、割込みハンドラおよび割込み許可レベル設定によ
って行われる。時間管理は、オペレーティングシステム
がシステムタイマに基づいて割込みハンドラを起動する
ことによって行われる。
【0109】サイクリックハンドラは、オペレーティン
グシステムに登録されているサイクリックハンドラに基
づいて、指定された各時間間隔に処理を実行する。通
常、サイクリックハンドラは短いプログラムであり、指
定された各時間間隔に実行されるタスクを指定する。
【0110】プリンタ30に好ましい初期設定ルーチ
ン、タスク、割込みハンドラ、サイクリックハンドラに
ついては以下の節で説明する。 3.2 初期設定 電源投入時に、初期設定機能が実行され、制御論理12
4の初期設定、ROM122の検査、RAM129の検
査、EEPROM132の検査など、プリンタ30が初
期設定される。
【0111】図19および図20はそれぞれ、ハード電
源オン・シーケンスとソフト電源オン・シーケンスを示
す。なお、プリンタ30に電力が供給されるかぎり、電
源ボタン44の状況にかかわらずCPU121がソフト
ウェアを実行することに留意されたい。したがって、
「ハード電源オン」は、最初にプリンタ30に電源を投
入することを指す。その後、ユーザが電源ボタン44を
作動させることによって、ソフト電源オンまたはソフト
電源オフが行われるに過ぎない。この構成は、プリンタ
30が、「オフ」であるときでも実行中のイベント(経
過時間など)を監視することができるので好ましい。
【0112】ハード電源オン・シーケンスを示す図19
において、最初に電源が投入された後、ステップS19
01で、ROM検査、RAM検査、EEPROM検査な
どのメモリ検査が実行される。ステップS1902でソ
フトウェア・タスクが初期設定され、ステップS190
3で、CPU121がアイドル・ループに入り、ソフト
電源オンを待つ。
【0113】図20は、ソフト電源オン・シーケンスを
示す。ステップS2001で、ホーム位置へのリセット
などプリンタエンジン131の機械的初期設定が実行さ
れ、ステップS2002で、セントロニクス通信タスク
を含むソフトウェア制御タスクが開始され、ステップS
2003で主処理モードに入る。
【0114】図21はソフト電源オフ・シーケンスを詳
しく示す。ステップS2101ですべてのソフトウェア
・タスクが終了し、ステップS2102でアイドル・ル
ープに入り、その間ステップS2103で、プリンタ3
0は次のソフト電源オン・シーケンスを待つ。3.3
タスク本発明の好適な実施形態では、プリンタ・タスク
は、各タスクがプリンタ制御の単一のコヒーシブ態様に
責任を負うように機能を分離するように設計される。一
般的に言えば、タスクは3つの概念群、すなわちエンジ
ンタスク、コントローラタスク、その他のタスクに分割
することができる。
【0115】エンジン関連タスクに関しては、キャリッ
ジを移動させるキャリッジモータ66を制御するタスク
と、用紙を進めるラインフィードモータ61を制御する
タスクと、インク吸入、パージなど、記録ヘッド130
aおよび130bの紙送り動作と清掃動作の両方を制御
するタスクが与えられる。他のタスクは、プリンタエン
ジン131から他のタスクへメッセージを伝送し、他の
タスクからのメッセージに基づいてプリンタエンジン1
31を制御する。
【0116】制御タスクに関しては、ホストプロセッサ
23から受信されたコマンドを解釈するタスクが与えら
れる。このようなコマンドについては以下の第3.6節
で詳しく説明する。必要に応じて試験関連タスクを与え
ることができる。
【0117】その他のタスクに関しては、上記第3.2
節で論じた初期設定タスクがプリンタ30を初期設定す
る。プリンタ30に関する表示を制御し、プリンタ30
のフロントパネル上のボタンに対応するキー・スイッチ
を走査してその状況を検出し、ホストコンピュータ・イ
ンタフェース141および入出力ポート・ユニット12
7に関するハードウェアを初期設定し、セントロニクス
出力信号を制御し、このような信号に割り込みその信号
を他のタスクに伝送する他のタスクが与えられる。エン
ジン制御タスクおよび通信タスクを制御するタスクが与
えられる。また、このタスクは他のタスクを開始し、中
止し、再開する。アイドル・タスクは、基本的に何もせ
ず、他のタスクが待機状態でないときにオペレーティン
グシステムによって使用できるように与えられる。
【0118】タスク同士の間のインタフェースおよびそ
の他の通信は、メッセージが入れられるメールボックス
とセマフォを使用してメッセージ通信を調整することに
よって行われる。この構成を図22に示す。図22に
は、コントローラタスク201、ユーザインタフェース
・タスク202、双方向通信タスク204、その他のタ
スク205、エンジンタスク206が示されている。タ
スク群中の各タスクは、関連するメールボックスを有す
る。メールボックスは図22に概略的に示されており、
この図で、210は、コントローラタスク201中の各
タスク用のメールボックスを示し、213は、ユーザイ
ンタフェース・タスク202中の各タスク用のメールボ
ックスを示し、215は、通信タスク204中の各タス
ク用のメールボックスを示し、217は、その他のタス
ク205中の各タスク用のメールボックスを示し、21
9は、エンジンタスク206中の各タスク用のメールボ
ックスを示す。エンジンタスク206を除いて、メール
ボックスへ送信されるメッセージおよびメールボックス
から検索されるメッセージの調整はセマフォによって制
御される。エンジンタスク206の場合、メモリ使用状
況を検出すれば十分であるのでセマフォは使用されな
い。
【0119】各メールボックスは、他の各タスクからメ
ッセージを受信するように構成され、さらに、関連する
タスクへメッセージを転送するように構成される。した
がって、メールボックス210は、ユーザインタフェー
ス・タスク202、通信タスク204、その他のタスク
205、エンジンタスク206からメッセージを受信す
ることができ、そのメッセージをタスク群201中の関
連するタスクへ送達することができる。同様に、メール
ボックス213は、コントローラタスク201、通信タ
スク204、その他のタスク205、エンジンタスク2
06からメッセージを受信し、そのメッセージをユーザ
インタフェース・タスク202中の関連するタスクへ送
達するように構成される。同様に、メールボックス21
5は、コントローラタスク201、ユーザインタフェー
ス・タスク202、その他のタスク205、エンジンタ
スク206からメッセージを受信し、そのメッセージを
通信タスク204へ送達するように構成される。同様
に、メールボックス217は、コントローラタスク20
1、ユーザインタフェース・タスク、通信タスク20
4、エンジンタスク206からメッセージを受信し、そ
のメッセージをその他のタスク群205中の関連するタ
スクへ送達するように構成される。最後に、メールボッ
クス219は、コントローラタスク201、ユーザイン
タフェース・タスク、通信タスク204、その他のタス
ク205からメッセージを受信し、そのメッセージをエ
ンジンタスク206中の関連するタスクへ送達するよう
に構成される。 3.4 割込みハンドラ オペレーティングシステムは、定期的なクロック割込み
に関するハンドラなどの割込みハンドラに対処できる
が、そのようなサイクリックイベントをサイクリックハ
ンドラを用いて処理することもできる。 3.5 サイクリックハンドラ 図示し、上記で図22に関連して説明したように、通信
タスク204およびユーザインタフェース・タスク20
2に関するサイクリックハンドラが与えられる。
【0120】コントローラタイマ動作に関するサイクリ
ックハンドラも与えられる。図23は、このサイクリッ
クハンドラによるコントローラタイマ制御を示すフロー
チャートである。図23に示したように、10ms割込
みが受信されると、サブヒータ制御が実行される。サブ
ヒータ制御の目的は、プリンタ30内の各記録ヘッド
(すなわち、記録ヘッド130aおよび130b)の温
度を目標温度に調整することである。これは、計算ヘッ
ド温度と目標ヘッド温度との間の差に基づいてサブヒー
タ駆動時間を設定することによって行われる。
【0121】図23に示した50ms毎の割込みは、各
ヘッドで供給されるヘッド駆動パルスの量に基づいて、
各ヘッドごとにヘッド温度を算出する。計算は、ROM
122内の事前に記憶されたテーブルに基づいて行わ
れ、このテーブルは、ヘッドの射出に基づいて温度の増
減を計算する際に使用できる定数を提供する。
【0122】50ms毎の割込みはさらに、各印刷ノズ
ルに対する予熱パルスと各ノズルに対する実際の主パル
ス幅を設定するようにROM122内の事前に記憶され
たテーブルに従ってパルス幅変調制御を行う。その場
合、パルスパラメータは制御論理124へ送信される。
【0123】50ms毎の割込みはさらに、予熱パルス
の幅および主パルスの幅が、記録ヘッドを損傷する限界
を超えないようにヘッド保護制御を行う。
【0124】図23に示したように、500ms毎の割
込みは主加熱制御を行う。やはり図23に示したよう
に、1秒毎の割り込みは、環境の温度を算出し、次いで
算出した環境の温度に基づいて目標温度を更新する。
【0125】10msという時間間隔、50msという
時間間隔、500msという時間間隔、1秒という時間
間隔がそれぞれ、例示的なものに過ぎず、変更できるこ
とに留意されたい。 3.6 ホストプロセッサへのコマンドおよびホストプ
ロセッサからのコマンド 以下に、双方向プリンタインタフェース104を介して
ホストプロセッサ23との間で送信されるコマンドにつ
いて要約する。一般的に言えば、各コマンドは1つまた
は複数のパラメータを含み、いくつかのコマンド([D
ATA]画像データ伝送コマンドなど)はデータも含
む。
【0126】状況要求コマンド[STATUS]は汎用
コマンドであり、双方向インタフェース104を介して
プリンタ30に応答を要求する。ホストプロセッサ23
は、状況要求コマンドを使用することによって、EEP
ROM132の内容、位置合わせセンサおよび密度セン
サの結果など、プリンタ30に関する詳細な情報を得る
ことができる。したがって、状況要求コマンドについて
以下で詳しく論じる。
【0127】以下の節では、各コマンドの略号が、角括
弧("[ ]")に囲まれて示されている。以下に示す略
号は一例に過ぎない。コマンド略号を形成するために使
用される文字の実際のシーケンスおよび組合せは、プリ
ンタ側とホストプロセッサ側の一方から送信されたコマ
ンドを他方が理解できるように使用法が両方の側で整合
しているかぎり重要ではない。 3.6.1 制御コマンド 制御コマンドは、プリンタ30の印刷動作を制御する働
きをする。以下に、様々な制御コマンドについて説明す
る。 [LOAD]−用紙装填 装填コマンドは、用紙を装填させるが、現在装填されて
いる記録媒体を排出することはない。媒体がすでに手動
で装填されているときでも、このコマンドをプリンタ3
0へ送信しなければならない。 [EJECT]−用紙排出 このコマンドは、プリントバッファに残っているすべて
のデータを印刷し、次いで現在装填されている媒体を排
出する。 [PRINT]−印刷実行 印刷実行コマンドは、現在装填されている記録媒体上に
プリントバッファ内のデータを印刷させる。印刷領域
は、後述の[EDGE]コマンドの左パラメータおよび
右パラメータによって指定された各プリントバッファの
左縁から右縁まで延びる。 [CARRIAGE]−キャリッジ移動 キャリッジ移動コマンドは、キャリッジの位置を列位置
単位で指定する位置パラメータを含む。このコマンド
は、往路方向および復路方向シークに使用される。 [SKIP]−ラスタスキップ ラスタスキップ・コマンドは、スキップ・パラメータに
よって指定されたラスタ行の数だけ垂直印刷位置を進め
るために使用される。 [DATA]−画像データ伝送 このコマンドは、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シア
ン(C)、または黒(BkまたはK)のビット画像デー
タを個別に列画像フォーマットでプリンタ30へ伝送す
るために使用される。このコマンドの複数のシーケンス
を発行して単一の走査ラインを生成することができる。
ビット画像データは、後述のブロックコマンド[BLO
CK]およびカラーコマンド[COLOR]によって指
定された領域に記憶される。プリンタ30は実際には、
[PRINT]コマンドを受信したときに印刷を開始す
る。 3.6.2 設定コマンド 設定コマンドは、プリンタ30によって実行される印刷
動作の設定を指定する。このコマンドは、設定された
後、他のコマンドによって設定が変更されるまで有効で
ある。ページに関する設定が与えられない場合、設定は
省略時設定にリセットされる。設定コマンドについて以
下で詳しく説明する。 [RESET]−プリンタリセット モード・パラメータは、プリンタリセット・コマンドを
定義しリセットモードを指定する。データ圧縮フラグ、
バッファサイズ、液滴サイズ、印刷速度、パルス制御テ
ーブル、バッファ制御テーブルなどの省略時設定が含ま
れる。 [COMPRESS]−選択データ圧縮 データ圧縮選択コマンドのモード・パラメータは、画像
データを圧縮するかどうかを指定する。「圧縮しない」
が省略時設定である。 [DEFINE_BUF]−プリントバッファ定義 プリントバッファ定義コマンドは、ヘッドAおよびBの
それぞれについて共通的にメモリサイズおよびプリント
バッファ139の構成を定義するために使用される。 [DROP]−液滴サイズ選択 このコマンドは、各記録ヘッドごとにインク滴サイズ
(大小)を指定するために使用される。 [SPEED]−印刷速度選択 このコマンドは印刷速度を指定するために使用される。 [DIRECTION]−印刷方向設定 このコマンドの方向パラメータは、印刷を往路方向に
(左から右へ)行うか、それとも復路方向(右から左
へ)へ行うかを指定する。 [EDGE]−印刷エッジ設定 印刷エッジ設定コマンドは、印刷位置の左縁および右縁
を列位置単位で指定する。左縁は右縁よりも小さな値で
なければならない。 [BLOCK]−印刷ブロック選択 このコマンドは、データブロックの左縁および右縁を各
プリントバッファの頂部からの列位置単位で指定するた
めに使用される。[BLOCK]コマンドは、[DAT
A]コマンド(前述)の後に続くビット画像をどこに記
憶するかも指定する。 [COLOR]−印刷色選択 このコマンドは、[DATA]コマンド(前述)の後に
続くビット画像が記憶される、色に対応したプリントバ
ッファ139内の位置を指定するために使用される。 [DEFINE_PULSE]−加熱パルステーブル定
義 [DEFINE_PULSE]コマンドは、複数の異な
る加熱パルス・ブロックテーブルを定義するために使用
される。パルス・ブロックテーブルは、プリンタ30が
後述の[SELECT_PULSE]コマンドを受信す
る前に定義しておかなければならない。 [SELECT_PULSE]−加熱パルステーブル選
択 加熱パルス・テーブル選択コマンドは、前述の[DEF
INE_PULSE]コマンドによって定義された複数
のテーブルから、すべてのヘッドに共通する1つの加熱
パルスブロックテーブルを選択するために使用される。 [DEFINE_CONTROL]−バッファ制御テー
ブル定義 このコマンドは、複数の異なるプリントバッファ制御テ
ーブルを定義するために使用される。プリントバッファ
制御テーブルは、プリンタが[SELECT_CONT
ROL]コマンド(後述)を受信する前に定義しておか
なければならない。 [SELECT_CONTROL]−バッファ制御テー
ブル選択 このコマンドは、[DEFINE_CONTROL]コ
マンドによって定義された複数のテーブルから、記録ヘ
ッド130aおよび130bのそれぞれについてのプリ
ントバッファ制御テーブルを選択するために使用され
る。 3.6.3 保守コマンド 保守コマンドは、プリンタ30の印刷動作を保守する働
きをする。このコマンドについて以下で詳しく説明す
る。 [RECOVER]−ヘッド回復 このコマンドを受信すると、プリンタ30は、清掃動作
やインク吸入動作などのヘッド回復モードに入る。 [PCR]−パルス制御比変更 このコマンドは、パルス制御テーブルの比率を変更する
ために使用される。各比率は1ないし200に設定する
ことができ、これは1%ないし200%を意味する。省
略時設定は100であり、これは100%を意味する。 [UCT]−協定世界時 このコマンドは、プリンタ30内の現在時間を設定する
ために使用され、印刷ジョブ開始時にプリンタ30へ送
信しなければならない。プリンタ30はこの時間を使用
して、記録ヘッドを回復すべきかどうかを判定する。こ
の時間値は、ホストプロセッサ23のシステム・クロッ
クによる、1970年1月1日の深夜12時(00:0
0:00)からの経過秒数、すなわち標準座標時間(U
CT)として表される。 [SCAN]−スキャン・センサ このコマンドは、自動位置合わせセンサ値を読み取り、
結果をホストプロセッサ23へ送り返すために使用され
る。スキャン速度、方向、解像度、面積はそれぞれ、前
述のように[SPEED]コマンド、[DIRECTI
ON]コマンド、[DEFINE_BUF]コマンド、
[EDGE]コマンドによって定義される。 [NVRAM]−NV−RAM制御 このコマンドは、EEPROM132からデータを読み
取り、読み取ったデータをホストプロセッサ23へ送り
返すために使用される。 [STATUS]−状況要求 このコマンドは、プリンタ30へ状況要求を送信するた
めのプレフィックス・コマンドとして使用される。基本
設定、主要状況、詳細状況を求める要求を出すことがで
きる。
【0128】基本設定コマンドは、プリンタ30を設定
するためにホストプロセッサ23によって使用されるコ
マンドであり、必ずしもプリンタ30からの応答を必要
としない。
【0129】主要状況要求/応答コマンドは、通常モー
ドで状況情報を得るために使用され、基本状況[BAS
E_STATUS]と、エコー・コマンド[ECHO]
と、記録ヘッド構成[HEAD]と、位置合わせセンサ
結果[SENSOR_RESULTS]と、ホストへの
EEPROMデータ送信[DATA_SEND]と、ホ
ストへのシフトバッファサイズ送信[BUFFER_S
IZE]とを含む。主要状況要求/応答コマンドが発行
されるたびに、応答が自動的にホストプロセッサ23に
返される。
【0130】詳細状況要求/応答コマンドは、詳細な状
況情報を得るために使用される。このコマンドには、詳
細ジョブ状況[JOB_STATUS]と、詳細ビジー
状況[BUSY_STATUS]と、詳細警告状況[W
ARNING_STATUS]と、詳細オペレータ・コ
ール状況[OPERATOR_CALL]と、詳細サー
ビス・コール状況[SERVICE_CALL]とが含
まれる。主要状況要求/応答コマンドと同様に、詳細状
況要求/応答コマンドが発行されるたびに、応答が自動
的にホストプロセッサ23に返される。 3.7 プリンタエンジンへのコマンドおよびプリンタ
エンジンからのコマンド ホストプロセッサ23およびプリンタ30は、メールボ
ックス219にメッセージを挿入することによってプリ
ンタエンジン131へコマンドを送信する(図22参
照)。メッセージはエンジンタスク206によって処理
される。 4.0 用紙排出トレイ 簡単に言えば、本発明のこの態様は、本明細書で説明す
るプリンタと共に使用される排出トレイである。構造的
には、プリンタは、媒体送り部と媒体排出ポートとを規
定するハウジングを含み、その場合、ハウジングは、記
録媒体上への印刷を行うプリンタエンジンを収納するす
るように構成される。排出トレイは、プリンタのハウジ
ング内の、媒体排出ポートからシート排出方向に離れた
位置で摺動可能に受容することのできるベースを含む。
ベースは、その摺動方向へ延びる少なくとも一対の凹部
を含む。排出トレイには一対のフラップも含まれる。一
対のフラップはそれぞれ、ベースと排出ポートとの間の
シート排出方向の距離に対応する少なくとも1つの幅部
分を有する。各フラップは、ベースの対応する凹部にヒ
ンジ止めされ、ばねを介して上向きにバイアスされる。
このばねは、ベースに対するフラップの斜め方向の運動
を可能にする。ベースがハウジングから摺動すると、フ
ラップが凹部から上向きに、媒体排出ポートの位置に対
応する高さにバイアスされる。
【0131】以下で詳しく説明するように、前述の構成
は用紙排出トレイの容易なセットアップおよび格納を可
能にする。また、前述の構成は、プリンタから排出され
た用紙がプリンタの排出領域をブロックして塞ぐ可能性
を低減する。 4.1 第1の実施形態 図24は、用紙排出トレイ41が使用できるようにセッ
トアップされたプリンタ30の斜視図である。この点で
は、図1および図24に示したプリンタ30に関して本
発明の用紙排出トレイについて説明するが、任意の種類
の装置(たとえば、ファクシミリ装置など)から排出さ
れた紙または他の種類の記録媒体を受容するために本発
明の用紙排出トレイを使用できることに留意されたい。
なお、説明を容易にするために、本発明については他の
種類の記録媒体ではなく紙に関して説明する。
【0132】図25Aは、用紙排出トレイ41の詳細な
斜視図である。図に示したように、用紙排出トレイ41
は、ベース240と、2つのフラップ241aおよび2
41bと、ばね242aおよび242bと、トレー延長
部244とを含む。フラップ241aおよび241bは
それぞれ、以下で詳しく説明するように、ベース240
の凹部264aおよび264bのうちの一方に一方の縁
部でヒンジ止めされる。また、フラップ241aおよび
241bはそれぞれ、ばね242aおよび242bを介
してベース240に対して上向きにバイアスされる。ま
た、ばね242aおよび242bは、フラップ241a
および241bのベース240に対する制御された上斜
め方向への運動および下斜め方向への運動を可能にす
る。
【0133】図26は、フラップ241bとベース24
0との接続の詳細な側面図である。なお、フラップ24
1aとフラップ241bは共に、ベース240に同様に
ヒンジ止めされる。したがって、本明細書ではフラップ
241bの接続についてのみ説明する。具体的には、フ
ラップ241bは、その各端部に配設され、ベース24
0の凹部264bの対応する受容穴(図示せず)にはま
るダウエル246および247を介してヒンジ止めされ
る。これらのダウエルは、その周りをフラップ241b
がベース240に対して斜めに回転する軸を形成する。
【0134】図26に示したように、フラップ241b
上には中央ロッド248も含まれる。ばね242bは、
中央ロッド248の周りに巻かれ、フラップ241bと
ベース240の両方に接続される。ばね242bの固有
の張力のために、用紙排出トレイ41がハウジング31
の外側にあるとき、フラップ241bは凹部264bか
ら上向きにバイアスされる。したがって、フラップ24
1bは、下向きの力を受けないときにはベース240に
対して初期角度をなす。この初期角度の例を参照符号2
49aおよび249bで表し、図24に示す。本発明の
好ましい実施形態では、初期角度は90度よりも小さ
い。
【0135】フラップ241aおよび241bに下向き
の圧力が加わると、ばね242aおよび242bが圧縮
される。しかし、ばね242aおよび242bは、少な
くとも所定の量の圧力がフラップ241aおよび242
bに加えられるまでフラップ241aおよび241bが
ベース240に接触するのを妨げる。したがって、フラ
ップ241aおよび241bに圧力が加わると、フラッ
プ241aおよび241bは斜め下向きにベース240
の方へ移動するが、制御された仕方でこれを行う。この
運動中に、フラップ241aおよび241bのそれぞれ
とベース240との間の角度は、圧力が十分に大きい場
合は初期角度から最終的に0度に減少する。なお、フラ
ップ241aおよび241bのそれぞれを0度に移動す
るのに必要な圧力の量は、ばね242aおよび242b
のうちの対応するばねの張力に基づいて決定される。
【0136】好ましくは、フラップ241aおよび24
1bはそれぞれ、ベース240と媒体排出ポート40と
の間の横方向距離にほぼ対応する幅部を有する。このこ
とを例示するために、図27は、ベース240に対して
平坦なフラップ241aおよび241bを示す。具体的
には、図27に示したように、フラップ241aは、4
つの縁部、すなわちプリンタ30から排出された用紙を
支持する頂縁部250と、ベース240に接続する底縁
部251と、側縁部254および252(すなわち、上
記で指摘した幅部)とをそれぞれ含む。
【0137】好ましくは、プリンタ30に面する各フラ
ップの縁部、すなわちフラップ241aの側縁部252
およびフラップ241bの側縁部252bは面取りされ
(たとえば、テーパ付けされ)、図25Aに示したよう
にプリンタ30から離れる方向へ角度付けされる。具体
的には、縁部252および252bが面取りされるの
で、これらの縁部がプリンタ30のハウジング31に接
触すると、縁部がハウジング31に対して摺動し、フラ
ップ241aおよび241bが折り畳まれる。したがっ
て、フラップ241aおよび241bは、正面方向に押
す力によってプリンタ30のトレイ・リセプタクル42
に押し込まれるほど折り畳まれる。この特徴について以
下で詳しく説明する。
【0138】図25Bは、フラップ241bの縁部25
2bの詳細図である。上記で指摘し、図25Bに示した
ように、縁部252bは面取りされ、このことは、縁部
252bが頂縁部250bおよびベース240に対して
斜めであることを意味する。図25Cおよび図25Dは
さらにこの特徴を示す。なお、図25Cはフラップ24
1bの詳細な側面図である。図25Dは、点線63に沿
ったフラップ241bの断面図の、位置A−Aからとっ
た図である。したがって、図25Dに示したように、面
取りされた縁部252bは頂縁部250bおよびベース
240に対して斜めである。この角度は、図25Dでは
255で示され、本発明の好ましい実施形態では約45
度である。
【0139】したがって、トレイ41を格納する際と同
様に、排出トレイ41をプリンタ30の方へ押すと、フ
ラップ141aおよび141bの面取りされた縁部が、
特定の外縁部272でプリンタ30のハウジング31に
接触する。この接触に応答して、横方向に押す追加の力
が加わったときに、外縁部272と面取りされた縁部と
の間の接触によって、フラップ241aおよび241b
が下向きにベース240の凹部の方へ押し込まれる。十
分な力が加わった場合、フラップ241aおよび241
bは、下方の外縁部272をトレイ・リセプタクル42
内へ摺動させるほど下向きに押し込まれる。本発明のこ
の特徴について以下で詳しく説明する。
【0140】側縁部252は部分253も含み(対応す
る側縁部252bも同様な部分253bを含む)、この
部分は好ましくは面取りもまたは角度付けも施されな
い。そのような構成は、フラップ241aおよび241
bのそれぞれをダウエル(回転軸ピン)246を介して
ベース240に係合させ、それによって係合時の構造強
度を高めるための平坦な表面を形成する。側縁部253
および253bは、下方の外縁部272に密着し、した
がって排出トレイ41のリセプタクル42への格納に悪
影響を与えない。
【0141】側縁部254は、図示した例では、角度付
けもあるいは面取りも施されていない。しかし、必要に
応じて用紙排出トレイ41をプリンタ30から引くこと
を容易にするように縁部254に角度付けおよび面取り
を施すことができる。
【0142】排出された用紙が湾曲する可能性を低減す
るために頂縁部250および底縁部251は好ましくは
互いに平行にされない。すなわち、本発明の好適な実施
形態では、排出された用紙の下向きの移動を容易にする
ために頂縁部250が底縁部251およびベース240
に対してわずかに上向きに角度付けされる。したがっ
て、頂縁部250と底縁部251との間の距離は、側縁
部252(面取りされた縁部)と頂縁部250との間の
交差点260で最小である。この距離は、交差点260
から離れる方向へ増加し、交差点261、すなわち側縁
部254が頂縁部250に交差する点で最大になる。底
縁部251に対する頂縁部250のこの斜め構成によっ
て、排出中に用紙がフラップ241aおよび241bか
ら落下する可能性が低減される。
【0143】上記で指摘したように、ベース240は凹
部264aおよび264b(図24および図25参照)
も含み、凹部264aおよび264bは、それぞれのフ
ラップ241aおよび241bに対応し、ベース240
の摺動方向へ延びる。好適な実施形態では、凹部264
aおよび264bのそれぞれは、フラップ241aおよ
び241bのそれぞれの形状に対応する形状を有する。
この構成によって、フラップ241aなどのフラップと
ベース240との間の角度がほぼ0度であるとき、フラ
ップは、それに対応する凹部内にほぼ完全にはまること
ができる。両方のフラップをこのようにはめ込むと、図
27に示したように、フラップ241aおよび241b
を含めてベース240の頂面266はほぼ平坦になる。
これによって、後述のように用紙排出トレイ41がリセ
プタクル42内に摺動するのが容易になる。
【0144】具体的には、上記で指摘したように、プリ
ンタ30は、それを使用していないときに用紙排出トレ
イ41を格納するトレイ・リセプタクル42(図24参
照)を含む。図28は、プリンタ30の下面図であり、
トレイ・リセプタクル42を示す。図のように、トレイ
・リセプタクル42は、プリンタ30の下面上にスロッ
トなどを備え、このスロットに用紙排出トレイ41(ト
レイ延長部244を含む)がはめ込まれる。フラップ2
41aおよび241bが、ベース240に対して0度で
あるかあるいはほぼ0度に近いとき、用紙排出トレイ4
1はトレイ・リセプタクル42内で摺動することができ
る。なお、図1は、プリンタ30内に格納された用紙排
出トレイ41の正面図である。
【0145】用紙排出トレイ41は、上記で指摘したト
レイ延長部244を含むこともできる。図24に示した
ように、トレイ延長部244は好ましくは、ベース24
0内のスロットに滑りこみ、このスロットから滑り出
る。これによって、用紙排出トレイ41をプリンタ30
内に格納することが容易になる。また、トレイ延長部2
44は手動ストップ269を含む。手動ストップ269
は、トレイ延長部244を排出トレイ41のスロットに
滑りこませ、かつこのスロットから滑り出させるために
使用され、かつ排出された用紙を用紙排出トレイ41か
ら落下しないようにするために使用される。
【0146】また、手動ストップ269は、用紙排出ト
レイ41をセットアップし格納する際に有用である。す
なわち、図1に示したように、トレイ・リセプタクル4
2内に用紙排出トレイ41を格納しても、手動ストップ
269はトレイ・リセプタクル42内に完全にはまるわ
けではなく、したがって依然としてユーザから手動スト
ップにアクセスすることができる。ユーザは、手動スト
ップ269をつかみプリンタ30から引き離すことによ
って、用紙排出トレイ41を動作できるようにセットア
ップすることができる。逆に、ユーザは、手動ストップ
269をプリンタ30の方へ押し込むことによって、用
紙排出トレイ41をプリンタ30内に格納することがで
きる。これらの動作について以下で詳しく説明する。
【0147】図29A〜図29Dは、使用時の用紙排出
トレイ41の動作を示す。用紙排出トレイ41のセット
アップおよび格納を説明するために図2および図24も
参照する。まず、図1は、使用されていないときのプリ
ンタ30を示す。この構成では、用紙排出トレイ41は
リセプタクル42内に格納される。好ましくは、プリン
タ30を使用していないときには用紙排出トレイ41を
格納する。というのは、格納することによって、用紙排
出トレイ41が誤って損傷される可能性が低減されるか
らである。
【0148】用紙排出トレイ41をセットアップするた
め、ユーザはただプリンタ30から用紙排出トレイ41
を引き出し、それによって用紙排出トレイ41をハウジ
ング31のリセプタクル42から滑り出させる。これは
通常、手動ストップ269を引くことによって行われ
る。ただし、用紙排出トレイ41の他の部分を引いても
同じ結果が達成される。この引張り動作中、フラップ2
41aおよび241bは、トレイ・リセプタクル42か
ら解放されるまでべース240に対して比較的平坦なま
まである。
【0149】フラップ241aおよび241bは、トレ
イ・リセプタクル42から一旦解放されると、それぞれ
凹部264aおよび264bから、媒体排出ポート40
の位置に対応する高さへ上向きにバイアスされる。すな
わち、フラップ241aおよび241bをトレイ・リセ
プタクル42から解放すると、もはやフラップ241a
および241bをベース240に対して保持するものは
なくなる。したがって、ばね242aおよび242bに
よって、フラップ241aおよび241bが上向きにバ
イアスされ、そのためフラップは、正面から見てほぼ
“V”字形になる。上記で指摘したように、この点で、
フラップ241aおよび241bはそれぞれ、ベース2
40に対する角度が好ましくは90度よりも小さい。フ
ラップ241aおよび241bがこの位置に来ると、プ
リンタ30は用紙の用紙排出トレイ41上への排出を開
始することができる。
【0150】図29A〜図29Dは、プリンタ30から
排出された用紙を受容するようにセットアップされた用
紙排出トレイ41の正面図である。図29Aに示したよ
うに、角度249aおよび249bは、上記では初期角
度と呼ばれ、ベース240に対して90度未満である。
角度249aおよび249bが90度未満であるので、
フラップ241aおよび241b上に排出された用紙の
重量によってフラップが下向きに移動し、それによって
角度249aおよび249bがそれぞれ減少する。これ
を図29Bに示す。
【0151】具体的には、図29Bは、プリンタ30か
ら排出された数枚の用紙270を用紙排出トレイ41が
受容した場合を示す。図のように、用紙270からの重
量によってフラップ241aおよび241bは下向きに
ベース240の方へ移動する。そのため、フラップとベ
ースとの間の角度249aおよび249bは初期角度か
ら減少する。図29Cは、用紙排出トレイ41にずっと
多くのシートが追加され、したがってフラップ241a
および241bがさらに下向きに押し込まれ、したがっ
て角度249aおよび249bがさらに減少する場合を
示す。この動作は、媒体排出ポート40から排出された
用紙がプリンタ30の動作時に媒体排出ポート40を閉
塞する可能性を低減する。
【0152】図29Dは、フラップ241aおよび24
1bからさらに多くの用紙を受容した場合を示す。この
場合、フラップ241aおよび241b上の用紙270
の重量は、フラップ241aおよび241bをベース2
40に対する角度がほぼ0度になるように押し付けるの
に十分である。そのため、フラップ241aおよび24
1bはそれぞれ、凹部264aおよび264bのうちの
対応する凹部に押し込まれる。したがって、従来型のプ
リンタとは異なり、プリンタ30は、ほぼ媒体排出ポー
ト40を閉塞せずにより多くの用紙を印刷することがで
きる。
【0153】前述のように、加えられた力に応答してフ
ラップ241aおよび241bが下向きに移動する度合
いは、フラップ241aおよび241bをベース240
に対してバイアスさせるばね242aおよび242bの
張力に依存する。上記で指摘したように、本発明の好適
な実施形態では、ばね242aおよび242bは、媒体
排出ポート40上に用紙が排出されないときにフラップ
241aおよび241bが媒体排出ポート40の高さに
バイアスされるような張力を有する。特に本発明の好適
な実施形態では、用紙が排出される位置はすべての用紙
について相対的に同じままである。
【0154】さらに、本発明の好適な実施形態では、フ
ラップ241aとフラップ241bは共に、ほぼ同じ形
状を有し、上記で指摘したように、ベース240との同
じ接続を有する。フラップ241aおよび241bの両
方に接続されたばね242aおよび242bも好ましく
は、ほぼ同じ張力を有する。この対称性のために、本発
明はより多くの用紙を保持することができ、機械的誤動
作をより少なくできる。なお、フラップ241aおよび
241bがそれぞれの異なる形状を有し、ばね242a
および242bがそれぞれの異なるバイアスを発生させ
る場合でも用紙排出トレイ41が動作することに留意さ
れたい。
【0155】次に、プリンタ30内の用紙排出トレイ4
1の格納について図2および図24を参照して説明す
る。なお、図24に示したように、プリンタ30上のリ
セプタクル42は外縁部272を含む。また、フラップ
241aおよび241bはそれぞれ、側縁部(すなわ
ち、図25および図27に示した側縁部252および2
52b)を含み、この側縁部は、プリンタ30に面し、
プリンタ30から離れる方向へ角度付けされ、上記で図
25B、図25C、図25Dを参照して説明したよう
に、ほぼ平坦になり、かつ頂縁部およびベースに対して
斜めになるように面取りされる。後述のように、このよ
うな側縁部、すなわち側縁部252および252bは、
用紙排出トレイ41のトレイ・リセプタクル42内への
格納を容易にするように上記のように構成される。
【0156】具体的には、用紙排出トレイ41をトレイ
・リセプタクル42内に格納するには、ユーザはベース
240(またはトレー延長部269)を横方向へ押し込
むだけでよい。このように横方向へ押すことによって、
フラップは、ハウジング31と協働し、ハウジング31
内への摺動時に凹部に畳み込まれる。具体的には、横方
向へ押す動作によって、トレイ・リセプタクル42の下
方の部分253が押し込まれ、側縁部252および25
2bがトレイ・リセプタクル42の外縁部272に押し
付けられる。外縁部272は、側縁部に対する等しいが
逆方向の力で「応答」する。側縁部252および252
bは面取りされ角度付けされているので(たとえば、図
25B参照)、この等しいが逆方向の力には、フラップ
241aおよび241bを下向きにベース240の方へ
移動させる下向き成分を含む。排出トレイ41に横方向
に押す追加の力が加わると、側縁部252および252
bが、外縁部272に対して摺動し、フラップをさらに
下向きに押す。
【0157】上記の場合と同様に、フラップ241aお
よび241bが下向きに移動するにつれて、フラップ2
41aおよび241bとベース240との間の角度が減
少する。側縁部の角度のために、側縁部にさらなる力が
加わるにつれて、フラップ241aおよび241bは引
き続き外縁部272に沿って摺動し、したがってさらに
下向きに押し込まれる。最終的に、十分な横方向に押す
力が加わった場合、フラップ241aおよび241b
は、凹部249aおよび249b内に畳み込まれるよう
に下向きに押し込まれる。したがって、用紙排出トレイ
41は容易にトレイ・リセプタクル42内に摺動する。
図1は、プリンタ30のトレイ・リセプタクル42内に
格納された用紙排出トレイ41を示す。
【0158】したがって、従来技術とは異なり、本発明
は、ユーザによる物理的な操作をそれほど必要としない
用紙排出トレイ41を格納する手段を提供する。さら
に、用紙排出トレイ41を容易に格納できるかどうかは
主としてフラップ241aおよび241bおよびハウジ
ング31の形状によって決まるので、用紙排出トレイ4
1上における付加的な機械的構成要素の数が削減され
る。
【0159】この点で、記録材料を保持するために使用
される保持部材(たとえば、フラップ)の形状が異なる
形状でもよいことに留意されたい。なお、本発明は、2
つよりも多くの保持部材からなる単一の保持部材を使用
して実施することもできる。たとえば、本発明は、保持
部材の対向するアーム同士の間に1つまたは複数のバイ
アスばねが位置決めされた単一の“V”字形保持部材を
使用して実施することができる。プリンタ2460と共
に使用することのできる本発明の用紙排出トレイの第2
の実施形態の例を図29Eに示す。 4.2 第2の実施形態 図29Eに示したように、用紙排出トレイ2400は単
一のフラップ、すなわちフラップ2410を含む。フラ
ップ2410は、単一の凹部2440内部にヒンジ止め
され、ばね(図示せず)によって凹部2440に対して
バイアスされる。フラップ2410は、上記で第1の実
施形態で説明したフラップと同様に動作する。したがっ
て、話を簡単にするために詳細な説明を省略する。フラ
ップ2410が凹部2440内に折り畳まれるように、
トレイ2400がプリンタ2460の方へ押しこまれる
ときにフラップ2410の頂面2450がプリンタ24
60と協働すると言えば十分であろう。これによって、
プリンタ2460内にフラップ2410を格納すること
ができる。同様に、トレイ2400がプリンタ2460
から引き出されると、フラップ2410の下方のばね
(図示せず)が、プリンタ2460の媒体排出ポート2
465の高さにほぼ等しい高さにフラップ2410をバ
イアスさせる。
【0160】印刷時に、フラップ2410は、第1の実
施形態で説明したフラップと同様に動作する。具体的に
は、フラップ2410上に用紙が排出されると、フラッ
プ2410は下向きに凹部2440の方へ移動し、最終
的に十分な用紙が排出されると凹部2440に入る。上
記の場合と同様に、フラップ2410の下向きの運動
は、フラップ2410を凹部2440に対してバイアス
させるばね(図示せず)を介して制御される。
【0161】最後に、本発明の用紙排出トレイについて
単一のフラップおよび一対のフラップに関して説明した
が、本発明を複数のフラップと共に使用するようにして
も良い。 5.0 インク清掃機構 簡単に言えば、本発明のこの態様は、記録ヘッドと少な
くとも1つの取外し可能なインク容器とを有するカート
リッジを解放可能に受容するキャリッジ上に取り付けら
れたキャリッジ・リセプタクルである。このリセプタク
ルは、少なくとも1つのインク容器の取外しを可能にす
る旋回レバーを含む。このレバーは、それが少なくとも
1つの容器から離れる方向へ旋回するようなときまで少
なくとも1つのインク容器へのアクセスを妨げるように
少なくとも1つのインク容器の少なくとも一部の上方へ
延びる。レバーが、少なくとも1つのインク容器から離
れる方向へ旋回し、次いで少なくとも1つのインク容器
の少なくとも一部の上方へ旋回すると、記録ヘッドの清
掃を促す信号が出力される。
【0162】上記で図4に関して説明したように、プリ
ンタ30はカートリッジ・リセプタクル64aおよび6
4bを含む。カートリッジ・リセプタクル64aおよび
64b内のインクカートリッジ(したがって、このカー
トリッジ内のインク容器)へのアクセスは、図2に示し
たアクセスドア32を介して自動的に行われる。具体的
には、上記で指摘したように、プリンタ30は、アクセ
スドア32が開放または閉鎖されたときにそれを検知す
るセンサを含む。アクセスドア32が開放されたことを
このセンサが検知したことに応答して、カートリッジ・
リセプタクル64aおよび64bがほぼキャリッジ69
の中央、すなわちほぼ図4に示した位置へ移動するよう
にキャリッジモータ66が駆動される。プリンタ30の
この領域は、アクセスドア32が開放されたときにアク
セスできるプリンタ30の内部に対応する。したがっ
て、単にアクセスドア32を開放することによってカー
トリッジ・リセプタクル64にアクセスすることが可能
である。このことの重要性は以下で明らかになろう。
【0163】前述の図6Aおよび図6Bは、カートリッ
ジ・リセプタクル64bの物理的構成を示す。前述の図
7Aおよび図7Bは、カートリッジ・リセプタクル64
b内に設置することのできるインク・カートリッジ30
0bの物理的構成を示す。上記で指摘したように、図6
Aおよび図6Bに示したカートリッジ・リセプタクルな
らびに図7Aおよび図7Bに示したインクカートリッジ
用の回路接点は、インクカートリッジの清掃に関連して
使用される。具体的には、本発明によれば、カートリッ
ジ・リセプタクル上の回路接点は、カートリッジ・リセ
プタクルのレバーの開閉に応答してインクカートリッジ
上の回路接点に係合し、かつこの接点から係合解除され
る。
【0164】動作時の図6Aおよび図6Bに示したカー
トリッジ・リセプタクルの正面図を図30(A)および
図30(B)に示す。図30(A)および図30(B)
に示したように、カートリッジ・リセプタクル64bは
特に、カプセル73とレバー72とを含む。レバー72
は、カプセル73に対して旋回するようにヒンジ止めさ
れる。この旋回動作によって、ユーザは、カートリッジ
・リセプタクル64b内のインクカートリッジ全体とイ
ンク容器のみのどちらかにアクセスしカートリッジから
取り外すことができる。
【0165】レバー72はまた、上記で図6Bに関して
詳しく説明したように、レバー72が旋回し、たとえば
開放または閉鎖されたときに、カプセル73が横方向へ
移動するようにカプセル73に接続される。具体的に
は、図30(B)に示した開放位置から図30(A)に
示した閉鎖位置へレバー72が旋回すると、カプセル7
3はカートリッジ・リセプタクル64b内の横方向に矢
印280の方向へ移動する(図30(A)参照)。この
移動によって、カプセル73の側壁75がカートリッジ
・リセプタクル64bの側壁78に接触する。一方、図
30(A)に示した閉鎖位置から図30(B)に示した
開放位置へレバー72が移動すると、カプセル73はカ
ートリッジ・リセプタクル64b内の横方向に矢印28
1の方向へ移動する(図30(B)参照)。この移動に
よって、カプセル73の側壁75がカートリッジ・リセ
プタクル64bの側壁78から離れる方向へ移動する。
【0166】前述の運動時に、すなわち図30(A)に
示した位置と図30(B)に示した位置との間でカプセ
ル73が移動する際に、カプセル73上のフィンガ28
2がスリーブ28に摺動可能に係合する。図30(A)
および図30(B)にも示したように、カプセル73は
ショルダ286を含み、レバー72はフランジ287を
含む。したがって、図30(A)に示したようにレバー
72を閉鎖すると、フランジ287はショルダ286に
接触し、設置済みのインクカートリッジやインク容器に
は接触しない。これらの特徴により、レバー72との誤
った接触によって起こるカートリッジの移動を低減する
ことができる。
【0167】図31(A)および図31(B)は、カー
トリッジ300bが設置されたカートリッジ・リセプタ
クル64bの図である。図31(A)に示したように、
レバー72がインク容器83の一部の上方へ旋回し、す
なわちレバー72が閉鎖位置に来ると、オペレータがイ
ンク容器83にアクセスすることが妨げられる。すなわ
ち、この位置では、インク容器83の頂部が少なくとも
部分的にレバー72で覆われ、それによってインク容器
へのアクセスが制限される。また、この位置では、イン
クカートリッジ300b上のカートリッジ回路接点81
がカートリッジ・リセプタクル64b上の装置回路接点
71に係合する。これに対して、レバー72がインク容
器83のから離れる方向へ旋回し、すなわちレバー72
が開放位置に来ると、オペレータはインク容器83にア
クセスすることができる。この位置では、インク・カー
トリッジ300b上のカートリッジ回路接点81がカー
トリッジ・リセプタクル64b上の装置回路接点71か
ら係合解除される。
【0168】したがって、上記で図30(A)および図
30(B)に関して説明したカプセル64bの横方向運
動時には、回路接点71と回路接点81が係合し、かつ
係合解除される。具体的には、回路接点71と回路接点
81は、レバー72が開放されると係合解除され、レバ
ー72が閉鎖されると係合する。回路接点のこの係合お
よび係合解除は、ユーザが、清掃すべき記録ヘッド30
0bを指定し、記録ヘッド300bの清掃を促す信号を
出力させる手段である。プリンタ30内のコントローラ
(前述のCPU121など)は、この信号を受信し、後
述の清掃プロセスを開始する。
【0169】なお、プリンタ30内のインクカートリッ
ジの一方または両方を、前述のように、清掃すべきイン
クカートリッジとして指定できる。さらに、インク清掃
が、このように指定されたカートリッジにのみ実行され
る。
【0170】インクカートリッジが指定された後、実際
にはアクセスドア32が閉鎖されるまでインクの清掃は
行われない。すなわち、インクカートリッジを指定する
際、アクセスドア32は開放されていなければならな
い。インクの清掃は、上記で指摘したアクセス・ドア・
センサが、アクセスドア32が閉鎖されたことを検知す
るまで行われない。なお、アクセスドア32が閉鎖され
たことが検知された後、カートリッジ・リセプタクル6
4aおよび64bが自動的にホーム位置87、すなわち
インク清掃機構86に対応する位置へ移動する。次い
で、インク清掃機構86を使用して、指定されたカート
リッジの記録ヘッドからインクが除去(すなわち、吸
引)される。
【0171】したがって、インク清掃機構86は2つの
記録ヘッド接続キャップ88aおよび88b(図4参
照)を含む。これらの記録ヘッド接続キャップはそれぞ
れ、カートリッジ・リセプタクル64aおよび64bの
うちの一方のインクカートリッジの記録ヘッドに対応す
る。しかし、記録ヘッドからインクを除去(すなわち、
吸引)する回転ポンプには一方の記録ヘッドの接続キャ
ップ、すなわちキャップ88aのみが接続される。この
構成の例を図32に示す。図32で、記録ヘッドの接続
キャップ88aはポンプ294に接続されている。
【0172】したがって、アクセスドア32を閉鎖する
と、清掃すべきインクカートリッジとして指定されたイ
ンクカートリッジの記録ヘッドが記録ヘッド接続キャッ
プ88aに接続される。たとえば、図33(A)のブロ
ック図に示したように、インクカートリッジ300bを
清掃すべきインクカートリッジとして指定した場合、イ
ンクカートリッジ300bはキャップ88aに接触する
ように移動される。一方、インクカートリッジ300a
を清掃すべきインクカートリッジとして指定した場合、
インクカートリッジ300aは、図33Bに示したブロ
ック図に示したように、アクセスドア32が閉鎖された
ときにキャップ88aに接触するように移動される。両
方のインクカートリッジを、前述のように清掃すべきイ
ンクカートリッジとして指定した場合、インクカートリ
ッジは順次キャップ88aに接続される。
【0173】上記で指摘したホーム位置センサを介して
接続が検知されると、ポンプ294によってカートリッ
ジの記録ヘッドのノズルまたは穴からインクが引込まれ
る(すなわち、吸引される)。この清掃動作の後に続い
て、カートリッジを使用して印刷を行うことができる。
6.0 プリンタ・プロファイル・パラメータの記憶簡
単に言えば、本発明のこの態様は、少なくとも1つの記
録ヘッドを有する画像記録装置の記録ヘッドを制御する
方法である。この方法は、少なくとも1つの記録ヘッド
のプロファイル情報を得るステップと、プロファイル・
パラメータを不揮発性RAMに記憶するステップと、要
求に応じて、画像記録装置に接続されたホストプロセッ
サにプロファイル情報を出力し、そのホストプロセッサ
が、記録ヘッドのプロファイル情報を使用して、印刷の
ためにホストプロセッサから記録ヘッドへ送信すべき印
刷情報を補償する補償パラメータを作成するステップと
を含む。
【0174】詳細には、電力を投入しハード電源オンを
実行すると、プリンタ30はオフラインモードに入る。
このモードでは、プリンタ30内のCPU121が、R
OM122から初期設定ソフトウェアを検索し、電源オ
ン自己試験プログラム(POST)を実行する。CPU
121は、それが実行する多数の自己試験プログラムお
よび状況検査プログラムのうちで、記録ヘッド130a
および記録ヘッド130bの状況を検査し、プリンタ3
0にいずれかの記録ヘッドが設置されているか、それと
も両方の記録ヘッドが設置されているかを判定する。C
PU121がこの状況を検査する1つの方法は、アクセ
スドア32が開放されているかどうかを判定し、そうで
ある場合に、EEPROM132に記憶されている記録
ヘッド初期設定(ID)情報を現在の記録ヘッドのID
と比較することである。新しい記録ヘッドが設置された
後、この変更は、後述のように、記憶されている他のプ
リンタ・プロファイル・パラメータと共にEEPROM
132に記録される。
【0175】しかし、CPU121は、最初のインスト
ールおよび電源オン時に、プリンタ30に関する様々な
プロファイル・パラメータをプリンタの設置プログラミ
ングの一部として収集する。たとえば、CPU121
は、プリンタIDと、記録ヘッドID情報(または複数
の記録ヘッドが設置されている場合はすべての記録ヘッ
ド分のプリンタID)と、プリンタ30ならびに記録ヘ
ッド130aおよび130bの現在の状況(この機能
は、以後の電源オンの後と特定の所定の時間およびイベ
ント時にも実行される。これについては以下で詳しく論
じる)を得る。
【0176】POST処理が実行された後、プリンタ3
0は、オンライン・モードに入り、ホストプロセッサ2
3からのコマンドを待つ。図10に示したように、ホス
トプロセッサ23は、プリンタ・インタフェース104
を通して直接、プリンタ30の制御論理124へコマン
ドを送信する。ホストプロセッサ23からプリンタ30
の読取り/書込みEEPROM132へのコマンドも、
プリンタ・インタフェース104および制御論理124
を通して送られる。
【0177】通常、ホストプロセッサ23は、オンライ
ンになった後、状況要求コマンド[STATUS]を制
御論理124を介してプリンタ30へ送信する。プリン
タ30のCPU121は、そのような状況要求コマンド
を受信した後、記憶されているプリンタ・プロファイル
・パラメータをEEPROM132、入出力ポート・ユ
ニット127、制御論理124からホストプロセッサ2
3へ送信する。EEPROM132の特定の領域に記憶
されホストプロセッサ23に登録されているプリンタ・
プロファイル・パラメータの例を以下の表1に示す。
【0178】 これらの前述のプリンタ・プロファイル・パラメータ
は、印刷動作時に記録ヘッド・コマンド・データを補償
するためにホストプロセッサ23によって使用される。
【0179】したがって、図34に示したフローチャー
トを参照するとわかるように、ステップS3401で、
プリンタ30は、ハード電源オンを実行した後にオフラ
インモードに入る。このオフラインモード中にステップ
S3402で、プリンタ30はPOST動作を実行して
状況および機能データを収集し、ハードウェア障害また
はソフトウェア障害がないかどうかを検査する。初期化
後、ステップS3403で、プリンタ30のCPU12
1は、新しい記録ヘッドが装着されているかどうかを判
定する。プリンタ30とインストールした後の初期電源
オン中にステップS3403が開始され、1つ以上の記
録ヘッドを有する1つ以上のインクカートリッジがイン
ストールされた場合、CPU121は、新たに挿入され
た記録ヘッドから情報を得て、その情報をEEPROM
132に記憶し、次のソフト電源オン時に清掃プロセス
を命令する。しかし、ユーザがアクセスドア32を開放
し新しい記録ヘッドをインストールしたためにプリンタ
30がオフラインになっているに過ぎない場合、ステッ
プS3404で、CPU121は記録ヘッドIDを収集
し、記録ヘッドが変更されたことを示すEEPROM1
32内のフラグをセットする。このフラグによって、イ
ンクカートリッジが変更されたことをホストプロセッサ
23に示す。このプロセスが実行されるのは、記録ヘッ
ドが初めてインストールされたときと、記録ヘッドがそ
の後交換されたときである。
【0180】なお、EEPROM132は、記録ヘッド
カートリッジ内の記録ヘッドとインクの両方の物理的特
性を補償するために使用される補償パラメータをホスト
プロセッサ23に与えることなど様々な目的のために、
ホストプロセッサ23に登録された複数のプリンタ・プ
ロファイル・パラメータを記憶する。たとえば、以下の
表2に示したように、EEPROM132は、記録ヘッ
ド位置合わせ情報および光学濃度情報だけでなく、廃棄
インク量、記録ヘッド交換数、記録ヘッド清掃回数、記
録ヘッドID、記録ヘッド・タイプなどに関する情報お
よびパラメータも記憶する。
【0181】 図34に戻るとわかるように、新しいインクカートリッ
ジが設置されていない場合、プリンタ30はステップS
3405でオンライン・モードに入り、このモードでプ
リンタ30は、ホストプロセッサ23と通信することが
でき、あるいはネットワーク化されている場合はホスト
サーバと通信することができる。オンラインになった
後、プリンタ30はホストプロセッサ23からコマンド
を受信するのを待つ。このようなコマンドは、そのいく
つかが上記のようにリストされているが、プリンタ30
がオンラインになった後にプリンタ30へ送信できるコ
マンドの典型的なものである。なお、通常、オンライン
になった後、ホストプロセッサ23は状況要求[STA
TUS]コマンドをプリンタ30へ送信し、新しい情
報、またはプリンタがオフラインであった間に変更され
たパラメータを得る。これに応答して、ステップS34
06で、プリンタ30は、EEPROM132に記憶さ
れているプリンタ・プロファイル・パラメータをホスト
プロセッサ23へ送信する。ホストプロセッサ23は、
パラメータを受信した後、そのパラメータ、特に記録ヘ
ッドに関するパラメータを確認し、記録ヘッドが交換さ
れているかどうかを判定する。記録ヘッドが交換されて
いると判定された場合、ステップS3407で、ホスト
プロセッサ23は、試験パターンを要求すべきかどうか
を判定する。通常、試験パターンは、記録ヘッドの位置
合わせおよび印刷された画像の光学濃度が測定できるよ
うに印刷される。記録ヘッドが交換されており試験パタ
ーンが必要である場合、ステップS3408で、ホスト
プロセッサ23は1つまたは複数のコマンドをプリンタ
・インタフェース104および制御論理124を通して
プリンタエンジン131へ送信する。たとえば、ホスト
プロセッサ23は、以下の表3に示した一連のコマンド
を送信することができる。これらのコマンドは、走査す
べき試験パターンを印刷するように印刷データと共にプ
リンタエンジン131へ送信することができる。
【0182】 <表3> ──────────────────────────────────── テストパターンとスキャンコマンドフローの例 BC−21を2ユニット、カラーモード、360dpi、8.5インチのプリン トバッファ139を用いた場合のサンプルコマンド フローは以下のとおりである。 [UCT] 標準座標時 (現在時刻をセット) [RESET] プリンタリセット(ソフトウェアリセット) [COMPRESS] 選択データ圧縮(バイトパックモード) [DEFINE_BUF] プリントバッファAを定義 (360dpi,12bytes x 3,060 columns, ...) [DEFINE_BUF] プリントバッファBを定義 (360dpi,12bytes x 3,060 columns, ...) [DEFINE_PULSE] ヒートパルステーブルを定義 (16パーティション) [DEFINE_CONTROL] バッファコントロールテーブルを定義 (BC-21カラーモード) [LOAD] 用紙ロード (レターサイズの普通紙、 8.5インチ×11インチ) [SKIP] 第1走査のプリント位置までラスタスキップ [DIRECTION] 第1走査のプリント方向をセット [EDGE] 第1走査のためにヘッドAの左右端をセット [EDGE] 第1走査のためにヘッドBの左右端をセット Loop 1: Begin [EJECT] コマンドまで繰り返し [SPEED] 第1走査のプリント速度を選択(6.51 KHz) [DROP] 第1走査のためにヘッドAの液滴サイズを選択 [DROP] 第1走査のためにヘッドBの液滴サイズを選択 [SELECT_PULSE] ヒートパルステーブルを次の走査ために選択 [SELECT_CONTROL] 第1走査のためにヘッドAのバッファ コントロールテーブルを選択 [SELECT_CONTROL] 第1走査のためにヘッドBのバッファ コントロールテーブルを選択 Loop 2: Begin 9ブロック(4.5インチ/0.5インチ)× 2ヘッド(ヘッドAとヘッドB)のため 18回繰り返し [BLOCK] プリントブロックを選択 Loop 3: Begin 4色(イエロ、マゼンタ、シアン、ブラック) のために4回繰り返し [COLOR] プリント色を選択 [DATA] 画像データ伝送(540バイト/ブロック) Loop 3: End Loop 2: End [DIRECTION] 第2走査のためのプリント方向をセット [EDGE] 第2走査のためのヘッドAの左右端をセット [EDGE] 第2走査のためのヘッドBの左右端をセット [PRINT] 第1走査のプリント実行 [SKIP] 第2走査のためにプリント位置までラスタスキップ (24ラスタ) [SCAN] テストパターンを走査し、データをRAMに格納 [SENSOR_RESULTS] 走査結果を伝送 [NVRAM] 補償パラメータをEEPROMに書込み [EJECT] 用紙排出(排出のみ) ─────────────────────────────────── 試験パターンが印刷された後、ステップS3409で、
ホストプロセッサ23は、記録ヘッド130aおよび1
30b上のセンサ82による印刷された試験パターンの
スキャンを開始するスキャン[SCAN]コマンドをプ
リンタ30に出力する。具体的には、[SCAN]コマ
ンドを受信すると、記録ヘッド130aおよび130b
がそれぞれホーム位置87に戻り、その時点で各センサ
82のキャップが外され、印刷された試験パターンをセ
ンサ82と位置合わせするために、試験パターンが印刷
された用紙が搬送される。
【0183】各センサ82は、対応する記録ヘッドによ
って印刷された印刷済み試験パターンの一部を走査し、
その結果得られた試験パターンデータ(たとえば、位置
合わせ測定値)をRAM129に記憶する。この試験パ
ターンデータは、センサ82の出力電圧レベルをアナロ
グ・デジタル変換することによって得られる8ビット・
デジタル化データである。
【0184】RAM129に記憶されている試験パター
ンデータは、ホストプロセッサ23が状況要求[SES
NOR_RESULTS]コマンドをプリンタ30へ送
信するまでRAM129に残る。プリンタ30は、ステ
ップS3410で[SENSOR_RESULTS]コ
マンドを受信すると、RAM129に記憶されている試
験パターンデータをホストプロセッサ23へ送信する。
データが受信されると、ホストプロセッサ23は、ディ
スク25から補償式を検索し、この数式を受信データと
共に使用して補償パラメータを得る。補償パラメータが
算出された後、ホストプロセッサ23は[NVRAM]
制御コマンドをプリンタ30へ送信し、それによってプ
リンタ30はステップS3411でEEPROM132
に補償パラメータを書込む。
【0185】前述のように、EEPROM132は記録
ヘッド130aおよび130bのそれぞれごとに別々の
パラメータおよび測定値を記憶し、補償パラメータは各
記録ヘッドの位置合わせおよび光学濃度に基づいて別々
に算出されダウンロードされる。ホストプロセッサ23
によってダウンロードされる補償パラメータの種類の例
を以下の表4に示す。
【0186】 上記に示した情報およびパラメータは、記録ヘッド13
0aおよび130bの位置合わせと、記録ヘッド130
aおよび130bのそれぞれによって印刷された画像の
光学濃度に関するものである。この情報は、印刷動作中
に記録ヘッド・コマンド信号を記録ヘッド130aおよ
び130bへ送信する際にホストプロセッサ23によっ
て使用される。
【0187】図34に示すフローチャートに戻るとわか
るように、ステップS3411で、プリンタ30はホス
トプロセッサ23からの他のコマンドを待つ。
【0188】ステップS3413で、ホストプロセッサ
23は状況要求[DATA_SEND]コマンドをプリ
ンタ30へ送信し、プリンタ・プロファイル・パラメー
タが再びホストプロセッサ23に登録される。[STA
TUS]コマンドは、特定の時間間隔でプリンタ30へ
送信することも、あるいは記録ヘッドの交換など特定の
プリンタ・イベントの後にプリンタ30へ送信すること
もできる。次にステップS3414で、ホストプロセッ
サ23は、記録ヘッド130aおよび130bのそれぞ
れへ印刷情報を送信する際に、プリンタ・プロファイル
・パラメータを使用して記録ヘッド130aおよび13
0bのそれぞれの物理的特性および変動と、記録ヘッド
130aおよび130bのそれぞれに取り付けられたイ
ンクカートリッジ内のインクの物理的特性および変動を
補償する。
【0189】したがって、プリンタ30はプロファイル
を個別に、あるいはホストプロセッサ23とは別に記憶
する。このため、他のホストプロセッサは、プリンタ3
0から登録されたプロファイルを読み取り、プリンタ3
0に関する物理的特性を補償することができる。 7.0 記録ヘッドの清掃のスケジューリング 簡単に言えば、この実施形態で開示する本発明の一態様
は、ホストプロセッサとのインタフェースをとり、印刷
データ、印刷コマンド、リアルタイム/日付情報をホス
トプロセッサから受信するインタフェースと、印刷デー
タ、印刷コマンド、リアルタイム/日付情報を記憶する
メモリと、印刷データおよび印刷コマンドに応じて画像
を印刷し、少なくとも1つの記録ヘッドを画像を印刷す
るように制御するプリンタエンジンと、インタフェース
を介してホストプロセッサから受信したリアルタイム/
日付情報に基づきプリンタ関連イベントに基づいてプリ
ンタエンジンの処理イベントを制御するプロセッサとを
含むインクジェットプリンタである。
【0190】具体的には、ノズルに捕捉された気泡又は
乾燥インクのために記録ヘッドのノズルが詰まるので、
プリンタ30の記録ヘッド130aおよび130bを清
掃しなければならない。この清掃プロセスは、記録ヘッ
ドをそのホーム位置へ移動させ、そこで回転ポンプ29
4が記録ヘッドからインクを吸引することからなる。こ
の結果得られる廃棄インクは廃棄物受けなどの廃棄物貯
蔵領域に堆積され、そこで最終的に、時間の経過と共に
蒸発する。所定の時間の後に記録ヘッド130aおよび
130bを清掃することが重要であり、この所定の時間
は本発明では、最後の清掃から73時間の経過時間とし
て決定されている。これを行わない場合、記録ヘッドの
ノズルが詰まり、それによって画質が悪影響を受けるこ
とがある。また、インクジェットプリンタ30の適切な
動作を補償するために、記録ヘッド130aおよび13
0bはそれぞれ、インクカートリッジを設置する際に清
掃され、かつインクカートリッジを交換するたびに清掃
される。
【0191】前述のように、イベントに基づいてスジュ
ーリングされた清掃を除いて、プリンタ30は経過時間
に基づいて記録ヘッドの清掃を行う。この経過時間は、
最後の清掃からどれだけの時間が経過したかを求めるこ
とによって算出される。清掃動作の手動開始の例につい
ては、上記の第5.0節で説明した。経過時間の判定
は、あらゆる印刷ジョブの開始時にホストプロセッサ2
3からダウンロードされるリアルタイム/日付スタンプ
に基づいて行われる。このように、プリンタ30は、最
後の清掃プロセスからどれだけの時間が経過したかを追
跡することができる。
【0192】次に、前述のプロセスについて、図35の
フローチャートを参照して詳しく論じる。記録ヘッドが
インストールされ、ステップS3501でプリンタ30
に電力が初めて投入された後、ハード電源オンによっ
て、プリンタ30の清掃スケジュールプロセスが開始さ
れる。ステップS3502およびS3503で、プリン
タ30のCPU121は、ROM122に記憶されてい
るプロセスステップを実行することによって電源オン自
己試験初期設定プログラムを実行する。CPU121
は、このプログラムを使用して様々なハードウェアパラ
メータを検査しかつ定義する。ステップS3504で、
CPU121は、EEPROM132に記憶されている
様々なパラメータを読み取る。これらのパラメータにつ
いては上記の第6.0節で詳しく論じた。本発明のこの
態様では、CPU121は、記録ヘッド130aおよび
130bのそれぞれについてリストされた最後の清掃時
間を調べる。この情報は、次の清掃時間をスケジューリ
ングするために必要である。しかし、EEPROM13
2がまだ初期化されていない場合、最後の清掃時間は零
(ゼロ)に設定される。
【0193】前述のように、EEPROM132は、プ
リンタ30内で使用されるすべての記録ヘッドに関する
プロファイル情報を維持する。したがって、現在開示し
ている実施形態では、EEPROM132は、記録ヘッ
ド130aおよび130bの最後の清掃時間を別々のメ
モリ位置に維持する。各清掃時間はまた、チェック・サ
ム値と共に記憶される。すなわち、清掃時間は、チェッ
ク・サム処理またはCRC検査処理によるデータエラー
補正と共に確保される。偶発的な電源遮断時に起こる清
掃時間の喪失、あるいはEEPROM132への書込み
動作の間にハードオン・リセットが行われた場合に起こ
る清掃時間の喪失を防止するために、清掃時間とチェッ
ク・サムは共に、EEPROM132の別々のメモリ位
置でミラーリングされる。そのため、事故が発生した場
合でも、少なくとも1組の清掃時間が保証される。
【0194】ステップS3505で、CPU121は、
記録ヘッドA(たとえば、図10の記録ヘッド130
a)が最後に清掃されてからの経過時間を表す変数De
ltaT_Aを再設定する。この変数は、イネーブルさ
れると、1秒間隔で増分され、あらゆるハード電源オフ
後にクリアされる。同様に、CPU121は、記録ヘッ
ドB(たとえば、図10の記録ヘッド130b)に関す
る変数Delta T_Bも再設定する。CPU121
はこの時点で、リアルタイムが設定されているかどうか
を示すFlagRealTimeActive、リアル
タイムが再設定されているかどうかを示すFlagRe
alTimeReset、リアルタイムがまだ設定され
ていないときにのみDelta T_A値が記録ヘッド
Aの最後の清掃の時間を示すことを示すFlagRec
ordYet_A、記録ヘッドBからの同様な情報を示
すFlagRecordYet_Bなど他のインジケー
タ・フラグをリセットする。本発明の清掃スケジューリ
ング・プロセス中に設定され再設定される各変数および
フラグを以下の表5にリストする。
【0195】 ステップS3506で、CPU121は、各記録ヘッド
の最後の清掃時間が零に等しいかどうかを判定する。な
お、プリンタを新たにインストールする場合、これらの
変数は零になる。したがって、ステップS3507で、
記録ヘッドAを清掃してからの経過時間が所定の時間、
すなわち、上記で指摘したように"73時間"に設定され
る。そのため、プリンタ30は、ソフト電源オンを行う
際、記録ヘッドAに対して清掃動作を実行する。ステッ
プS3508およびS3509で、記録ヘッドBに対し
て同様な処理が実行される。
【0196】ステップS3510で、CPU121は清
掃スケジュールプロセスをイネーブルする。ステップS
3511で、CPU121はソフト電源オンおよびホス
トプロセッサ23からのコマンドを待つ。最初の設置の
場合、このステップで各記録ヘッドに対して清掃プロセ
スが実行される。 7.1 清掃スケジュールプロセス 前述のように、初期設定後に、CPU121は図35の
ステップS3510で清掃スケジュールをイネーブルす
る。次に、経過時間スケジュールを維持する方法につい
て、図36に示したフローチャートに関して詳しく論じ
る。図のプロセスは、清掃プロセスが割込みプロセスと
してイネーブルされている場合に1秒おきに実行され
る。
【0197】具体的には、ステップS3601で、清掃
スケジュールプロセスがイネーブルされ、記録ヘッドA
と記録ヘッドBの両方に関して経過時間が1秒おきに増
分される。ステップS3602で、FlagRealT
imeActiveがセットされているかどうかが判定
される。このフラグは、ホストプロセッサ23からリア
ルタイムがダウンロードされたかどうかを示す。このフ
ラグがセットされていない場合、フローはステップS3
603に進み、記録ヘッドAの最後の清掃からの経過時
間が所定の最大時間の73時間またはその変数範囲の最
大値に達したかどうかが判定される。達している場合、
フローは後述の自動清掃プロセスに進む。或は別の方法
として、DeltaT_Aの値が最大値に達した場合
に、それを無視し再設定しても良い。これによって、メ
モリ内で値がオーバフローするのが防止される。
【0198】最後の清掃からの時間が最大時間に達して
いない場合、ステップS3604でDeltaT_Aが
1秒だけ増分される。このプロセスが実行されるのは、
プリンタ30がリアルタイムを受信する前に73時間よ
りも長い間アイドル状態のままである恐れがあるからで
ある。この場合、清掃は、プリンタ30の内部クロック
からの経過時間に基づいて行われるか、あるいは後でソ
フト電源オン時に行われるか、あるいは自動清掃手順時
に行われる。ステップS3605およびS3606で記
録ヘッドBに対して同様なプロセスが実行される。
【0199】FlagRealTimeActiveが
セットされており、ホストプロセッサ23が時間/日付
スタンプをダウンロードしていることを示す場合、ステ
ップS3607で、RealTimeが最大値の73時
間またはその変数範囲の最大値に達しているかどうかが
判定される。ここで、達していると判定された場合、フ
ローは後述の自動清掃シーケンスに進む。或は別の方法
として、RealTimeの値が最大値に達した場合
に、それを無視し再設定するようにしても良い。これに
よって、メモリ内で値がオーバフローするのが防止され
る。一方、リアルタイムは、最大値に達していない場
合、ステップS3608で1秒だけ増分される。
【0200】フローは、ソフト電源オン時に図35のス
テップS3511に戻り、図37のステップS3701
に進み、ソフト電源オンを待つ。次にステップS370
2で、CPU121は、ユーザがソフト電源オンを要求
しているかどうかを判定する。この答えが肯定的(ye
s)である場合、ステップS3703およびS3704
で、CPU121が各ソフトウェア・プログラムおよび
プリンタユニット装置の初期化を行う。その初期化が完
了すると、CPU121はステップS3705で、各記
録ヘッドに必要に応じて自動清掃動作を実行させる(自
動清掃動作については以下で詳しく論じる)。
【0201】プリンタ30は、自動清掃動作を実行した
後、ステップS3706でオンラインになり、ステップ
S3707でホストプロセッサ23からの印刷コマンド
と、ユーザから入力されるソフト電源オフのどちらかを
待つ。これらのイベントがどちらも起こらない場合、プ
リンタ30は、ホストプロセッサ23からのコマンドに
対する待機状態のままになる。一方、ソフト電源オフ要
求が受信された場合、プリンタ30はステップS370
8で、状況検査を実行し、プリンタ30の現在の状況に
基づいてEEPROM132内のパラメータを更新する
ことによってソフト電源オフ・プロセスを実行する。
【0202】本発明では、プリンタ30は、試験パター
ンを印刷するコマンド、試験パターンを走査するコマン
ドなど、ホストプロセッサ23からのコマンドを待つ。
プリンタ30が予期する1つのコマンドは、プリンタ3
0に時刻/日付スタンプを与える協定世界時(UCT)
である。UCTコマンドは、プリンタ30内の現在時刻
を設定するために使用され、印刷ジョブ開始時にプリン
タ30へ送信しなければならない。プリンタ30はこの
時刻を使用して、記録ヘッドを回復すべきであるか否か
を判定する。この時刻の値は、1970年1月1日の深
夜12時(00:00:00)からの経過秒数、すなわ
ちホストプロセッサ23のシステムクロックによる協定
世界時(UCT)として表される。なお、UCTコマン
ドは、各印刷コマンドがUCTコマンドの前に送信され
るように各印刷コマンドの開始時にダウンロードされ
る。しかし、プリンタ30自体の内部クロックによって
増分された時間はハード電源オフ時にメモリからクリア
されるので、ダウンロードされた時刻/日付スタンプを
記憶する必要があるのはハード電源オフの後だけである
ことに留意されたい。
【0203】したがって、図38のフローチャートを参
照するとわかるように、ステップS3801で、ホスト
プロセッサ23はUCTコマンドを送信する。ステップ
S3802で、時刻および日付が有効であるかどうかが
判定される。なお、たとえば、ホストプロセッサ23の
リアルタイムクロックよりも進んだ内部クロックを有す
るホストプロセッサにプリンタ30が接続されている場
合、ダウンロードされた時刻/日付スタンプが無効にな
る恐れがある。いくつかの例では、時刻および日付は、
プリンタ30に記憶されている実際の最後の時刻および
日付よりも後の時刻および日付であってよい。データフ
ォーマットエラーまたは範囲外の値などのために時刻/
日付が有効でない場合、フローは、以下で詳しく説明す
る自動清掃プロセスに進む。或は別の方法として、その
時間が無効である場合、エラー処理プログラムを実行す
るか、あるいはこの無効な時間を無視しても良い。
【0204】ステップS3802で、現在の時刻および
日付が有効であると判定された場合、フローはステップ
S3803に進む。ステップS3803で、リアルタイ
ムが実際にプリンタ30に記憶されているかどうかが判
定される。たとえば、FlagRealTimeAct
iveがセットされていないことがある。これは、まだ
プリンタ30内でリアルタイムが設定されていない場合
であり、通常は、プリンタ30を使用するのが初めてで
あり、印刷ジョブがまったく印刷されていないときに起
こる。FlagRealTimeActiveがセット
されていない場合、ステップS3804で、印刷ジョブ
の開始時に与えられた現在時刻および日付がリアルタイ
ムとして設定される。
【0205】フローは次いで、ステップS3805に進
む。ステップS3805で、CPU121は、リアルタ
イムが設定されていない場合には、図10の記録ヘッド
130aなどの記録ヘッドAに関する経過時間が記録ヘ
ッドAの最後の清掃の時間に対応するかどうかを判定す
る。経過時間が記録されていると判定された場合、ステ
ップS3806で、プリンタ30は、記憶されている経
過時間からリアルタイムを減じることによって最後の清
掃時間を求める。ステップS3807で、最後の清掃時
間がEEPROM132に書き込まれ、ステップS38
08で、記録ヘッドAに関してFlagRecordY
et_Aがリセットされる。ステップS3809ないし
S3812で、図10の記録ヘッド130bなどの記録
ヘッドBに対して同様な処理が実行される。このよう
に、最後の清掃時間およびチェック・サムが更新され、
EEPROM132の、記録ヘッドAおよびBのそれぞ
れについての別々のメモリ位置に書きこまれる。
【0206】処理はステップS3805に戻り、Fla
gRecordYet_AおよびFlagRecord
Yet_Bがセットされていない場合、フローはステッ
プS3813に進み、FlagRealTimeAct
iveが、リアルタイムが設定されていることを示すよ
うにセットされる。
【0207】処理はステップS3803に戻り、前の印
刷動作のリアルタイムが記憶されており、それが有効な
時間であると判定された場合、フローはステップS38
14に進み、すでにダウンロードされている新しい時間
データがリアルタイム・データと比較される。ステップ
S3815で新しい時間データとリアルタイムデータと
の間の差が受け入れられるものである場合、ステップS
3818でこの差が無視され、フローは先へ進む。
【0208】一方、ステップS3815で、ホストのリ
アルタイムクロックの変化またはプリンタの内部クロッ
クのエラーのために差が受け入れられないものである場
合、ステップS3816で、新しい時間データを用いて
リアルタイムが再設定される。ステップS3817で、
FlagRealTimeResetが、リアルタイム
が再設定されたことを示すようにセットされる。そのた
め、新しい時間データを使用して、記録ヘッドAおよび
Bに対していつ自動清掃をスケジューリングすべきかが
算出される。これによって、ユーザがホストコンピュー
タのリアルタイムクロックを未来のある時間に再設定
し、その後に印刷ジョブおよび[UCT]コマンドを実
行し、次いで実際の現在時間に再設定した場合でも、清
掃プロセスの実行が妨げられる。 7.2 自動清掃プロセス 図39は、自動清掃プロセスを示す。清掃がプリンタ3
0の初期使用の結果であるか、あるいは時間に基づいて
スケジューリングされた清掃の結果である場合には、ス
テップS3901で、プリンタ内に記録ヘッドAが存在
するかどうかが判定される。ステップS3901で記録
ヘッドAが存在する場合、CPU121は、FlagR
ealTimeActiveがセットされているかどう
かを確認する。ここで、"Yes"、即ち、これが設定さ
れている場合、フローはステップS3902に進み、F
lagRealTimeResetがセットされている
かどうかを確認する。これに対して、"No"、即ち、こ
れが設定されていない場合、CPU121は、リアルタ
イムから、EEPROM132に記憶されている記録ヘ
ッドAの最後の清掃時間を減じることによって清掃時間
を算出する。この差が、設定済みの清掃時間の73時間
よりも大きい場合、ステップS3905で記録ヘッドA
が清掃される。しかし、この差が設定済みの清掃時間よ
りも小さい場合、フローはステップS3903に進み、
新しい時間データがリアルタイムとして設定されるよう
にFlagRealTimeResetがセットされ
る。この場合、ステップS3817でリアルタイムがリ
セットされているので、記録ヘッドAが強制的に清掃さ
れる。
【0209】ステップS3902に戻り、FlagRe
alTimeActiveがセットされていない場合、
フローはステップS3906に進む。ステップS390
6で、記録ヘッドAに関する経過時間が清掃時間と比較
される。記録ヘッドAが清掃されてから73時間以上が
経過しており、かつ記録ヘッドBがインストールされて
いない場合、フローはステップS3913に進み、Fl
agRealTimeResetがリセットされる。ス
テップS3913は通常、ハード電源オンからプリンタ
30が使用されていないときに実行される。
【0210】記録ヘッドBがインストールされている場
合、ステップS3907〜ステップS3912で記録ヘ
ッドBに対して同様な処理が実行される。 7.3 A記録ヘッドの清掃 図40は、図39のステップS3905〜S3911で
実行される動作を詳しく説明した図である。ステップS
4001で、記録ヘッドがインストールされているかど
うかが判定される。ステップS4001で、記録ヘッド
がインストールされていると判定された場合、ステップ
S4002で清掃動作が実行される。清掃動作は、記録
ヘッドをそのホーム位置へ移動させることと、清掃すべ
き記録ヘッド上のノズルを記録ヘッド接続キャップ88
a(図4参照)と位置合わせすることと、ノズルからイ
ンクを吸引することと、廃棄インクを廃棄物受けに堆積
することとからなる。記録ヘッドから吸引された液滴の
数がカウントされ、この情報が、上記で最後の清掃時間
の更新に関して論じたのと同様にEEPROM132内
で更新される。
【0211】ステップS4003で、FlagReal
TimeActiveがセットされているかどうかが判
定される。このフラグがセットされている場合、ステッ
プS4004で、清掃された記録ヘッドの最後の清掃時
間がリアルタイムとして設定される。ステップS400
5で、リアルタイム、すなわち記録ヘッドの最後の清掃
時間がEEPROM132に書きこまれる。
【0212】ステップS4003に戻り、FlagRe
alTimeActiveがセットされていない場合、
最後の73時間中にプリンタにUCTコマンドがダウン
ロードされていないので、ステップS4006で経過時
間が零に設定され、ステップS4007で、特定の記録
ヘッドに関するFlagRecordYetがセットさ
れる。これは、ステップS4007でリアルタイムが設
定されていないことを示し、経過時間カウンタが再始動
する。
【0213】前述のように、記録ヘッドの清掃は、記録
ヘッドまたはインクカートリッジが交換された場合に行
われる。図41は、そのようなイベントの後に続く記録
ヘッドの清掃に関する詳細なフローチャートである。
【0214】ステップS4101で、記録ヘッド交換処
理が開始する。ステップS4102で、CPU121
は、ユーザによってヘッド交換モードが終了するのを待
つ。ステップS4103で、交換処理が終了する。した
がって、ステップS4104で、CPU121は、どち
らのヘッドが取り外されているか、すなわちどちらの記
録ヘッドが、それに対応するカートリッジ・リセプタク
ル上の回路接点に係合し、どちらの記録ヘッドが係合解
除されているかを確認する。記録ヘッドAが取り外され
ている場合、ステップS4105で記録ヘッドAが清掃
される。清掃は、図40のフローに関して説明したのと
同様に行われる。ステップS4106およびS4107
で記録ヘッドBに対して同様な処理が実行される。
【0215】図42のフローチャートは、自動清掃プロ
セスがスケジューリングされ、プリンタ30内の印刷位
置に用紙が装填されているときに何が行われるかについ
て説明するものである。印刷位置に用紙が装填され、自
動清掃がスケジューリングされている場合、ステップS
4201で、コマンドによって用紙が排出され印刷が完
了する。用紙が排出された後、ステップS4202で1
つまたは複数の記録ヘッドの自動清掃が行われる。自動
清掃プロセスに続いて、ステップS4203で印刷位置
に新しい用紙が装填される。なお、ステップS4201
およびS4202は、用紙がすでに装填されているかど
うかにかかわらず、あらゆる自動清掃の後に実行され
る。
【0216】図43Aは、上述のように、図35〜図4
2に関して説明したように本発明によって実行される記
録ヘッドに対する典型的な清掃スケジュールの例であ
る。典型的な清掃スケジュールについて説明する前に、
プリンタ30が記録ヘッド130aおよび130bのそ
れぞれについて別々の清掃時間および清掃スケジュール
を維持することを理解されたい。この理由は、一方の記
録ヘッドを、73時間の期間中に他方または一方の記録
ヘッドが使用できなくなる前に交換することができるか
らである。たとえば、テキスト文書のみを印刷する際、
黒記録ヘッドはカラー記録ヘッドよりも頻繁に使用され
る。したがって、黒記録ヘッドはカラー記録ヘッドより
も頻繁に清掃する必要がある。すなわち、カラー記録ヘ
ッドについては、最後の印刷から73時間以上経過して
おり、かつソフト電源オンが行われた場合でも、印刷の
直前まで清掃する必要がない。このようにして、インク
を節約することができる。
【0217】図43Aは、プリンタ30にダウンロード
される5つの別々の期間(T1〜T5)を示すタイムテ
ーブルである。図43Aに示した期間は、最初にプリン
タがインストールされる時点から始まる。
【0218】初期ハード電源オン時に、プリンタ30は
初期設定プロセスを実行し、EEPROM132から最
後の清掃時間が読み取られる。これは最初の電源オンで
あるので、すべてのフラグおよび変数がリセットされ
る。前述のように、このリセットによって、ソフト電源
オン時に清掃プロセスが開始される。図43Aに示した
例では、プリンタにヘッドをインストールする前にソフ
ト電源オンが実行されるので、清掃は、ヘッドが設置さ
れるまで行われない。ヘッドがインストールされた後、
記録ヘッド130aおよび130bのそれぞれに対して
自動清掃が行われる。Delta_T変数がすべての記
録ヘッドに関して零に設定され、FlagRecord
Yetが、ステップS4006およびS4007で上述
したように設定される。
【0219】記録ヘッドが清掃されソフトウェアが初期
化された後、プリンタ30はオンラインになる。ホスト
プロセッサ23は、プリンタ30がオンラインであるこ
とを知り、第1の印刷ジョブと、現在日時スタンプを与
える標準座標時間(UCT)コマンドを送信する。UC
Tコマンドを初めて受信すると、FlagRealTi
meActiveがセットされ、この新しい時刻がリア
ルタイムとして設定される。この例では、記録ヘッドが
インストールされてから73時間以内に最後の清掃が行
われているので、T1で自動清掃プロセスは実行されな
い。
【0220】図43Aに示したタイムチャートの例で
は、次に清掃時間が設定されるのは、T2でヘッドが交
換されるときであり、この時点で、経過時間にかかわら
ず清掃が行われる。
【0221】前述のように、UCTコマンドはあらゆる
印刷コマンドの前に送信される。したがって、図43A
に示したこのタイムチャートの例によれば、印刷コマン
ドはT3で次の新しいデータを与える。これが有効な時
間であり、FlagRealTimeActiveがセ
ットされていると仮定すると、新しい時刻データとリア
ルタイムデータとの間の差が算出される。図43Aに示
した場合には、時間T3と時間T2との間の差は73時
間よりも大きく、清掃が行われる。前の日付スタンプか
らプリンタ30の内部クロックがアクティブであるの
で、経過リアルタイムは、印刷ジョブの開始時にダウン
ロードされた新しいリアルタイムと同じであるはずであ
る。そのため、新たにダウンロードされた時間を記憶す
る必要はない。
【0222】印刷ジョブの印刷に続いて、プリンタ30
はハード電源オフを実行し、記憶されているすべての時
間をクリアする。ハード電源オンはすべてのフラグおよ
び変数に従い、これらをリセットする。ハード電源オン
の後にソフト電源オンが実行され、これによってプリン
タ30はオンラインになる。オンラインになると、ホス
トプロセッサ印刷ジョブを送信し、その後に、T4で現
在時間および日付を与えるUCTコマンドを送信する。
図38に関して論じたように、FlagRealTim
eActiveがセットされていないので、ダウンロー
ドされたリアルタイムが新しい時刻として記憶され、F
lagRealTimeActiveがセットされる。
【0223】この時点で、CPU121は、記録ヘッド
130aおよび130bがインストールされているかど
うか、FlagRealTimeActiveがセット
されているかどうか、FlagRealTimeRes
etがセットされているかどうかを判定する。ホストプ
ロセッサ23から新しい時間が与えられているので、リ
アルタイムと記録ヘッドの最後の清掃時間との間の差が
算出される。図43Aに示したように、時間T4と時間
T3との間の差は73時間よりも大きい。そのため、T
4で清掃が行われる。
【0224】最後の印刷ジョブの後にハード電源オフが
行われ、記憶されている時間がクリアされる。次のハー
ド電源オンでは、すべての変数およびフラグがリセット
される。前述のように、ハード電源オン後、経過時間変
数は1秒おきに増分される。図43Aの例に示したよう
に、73時間の期間が経過した後に次のソフト電源オン
が行われる。その結果、清掃が実行される。プリンタ3
0が印刷ジョブを受信せずに73時間よりも長い間アイ
ドル状態であったので、この清掃は、リアルタイム・ダ
ウンロードではなくプリンタ30自体の内部経過クロッ
クに基づいて行われる。或は別の方法として、内部クロ
ック上で73時間経過した後の記録ヘッドの清掃は必要
とされず、印刷動作の直前に行われるように再スケジュ
ーリングされる。このように清掃を印刷の直前まで遅延
させることによって、インクを節約することができる。
【0225】前述のように、バッテリバックアップを有
するSRAMやフラッシュメモリなど任意の種類の非揮
発性メモリとEEPROM132を交換することができ
る。この場合、前述の最後の清掃時間を含む情報を同様
な種類の非揮発性メモリデバイスに記憶することができ
る。
【0226】さらに、フラッシュメモリなど任意の種類
の再書込み可能なメモリデバイスとROM122を交換
することができる。この場合、そのようなメモリデバイ
スは、ホストプロセッサ23のインタフェース104お
よびプリンタ30のホストコンピュータ・インタフェー
ス141を介してプリンタ30にダウンロードされたプ
ログラムコードを受信することができる。メモリデバイ
スを使用して、EEPROM132ではなくそのメモリ
デバイスの特定の領域にすべての情報を記憶することも
可能である。
【0227】また、通信回線106を双方向回線として
説明したが、場合によっては単方向インタフェースを本
発明と共に使用することができる。具体的には、上記の
説明ではIEEE−1284インタフェースを実装した
が、この代わりに、SCSI、USB(汎用シリアルバ
ス)、IEEE−1394(高速シリアルバスインタフ
ェース)など任意の種類のインタフェースを使用するこ
とができる。
【0228】最後に、本発明について2つの記録ヘッド
を使用して説明した。しかし、この数が増減できること
を理解されたい。同様に、プリンタ30内で使用される
記録ヘッドの数に基づいてEEPROM132およびR
AM129内のメモリ位置の数を増減することもでき
る。 8.0 記録ヘッド駆動パラメータの設定および修正 記録ヘッド130aおよび130bが、プリンタ30か
ら取り外して交換できるように構成されており、記録ヘ
ッド・リセプタクル64aおよび64bにいくつかの異
なる種類のカートリッジ(それぞれの異なるノズル構成
とそれぞれの異なるインク特性とを有するカートリッジ
など)を装填することができるので、多数の異なる種類
の記録ヘッドの記録ヘッド駆動パラメータがプリンタ3
0に事前にロードされる。たとえば、インク滴を吐出す
るように個々のノズルを駆動するためのパルス幅シーケ
ンスは、記録ヘッド、インクの特性(たとえば、色イン
クであるか、それとも黒インクであるか、染料である
か、それとも顔料であるか)、周囲環境の温度、インク
滴のサイズなどに強く依存する。したがって、ROM1
22は、様々なヘッド/インク/解像度の組合せに関す
る駆動パルス・シーケンスを定義した事前に記憶された
テーブルを含む。ROM122内の事前に記憶されたテ
ーブルは、ヘッド/インク/解像度の様々な既知の組合
せと、ヘッド/インク/解像度の予想される組合せをカ
バーする。
【0229】同様に、記録ヘッド温度の計算など内部の
計算を行うために使用されるパラメータも、記録ヘッド
およびノズルの構成と、インクの種類と、解像度の特定
の各組合せに依存する。したがって、同じ理由で、プリ
ンタ30は、ヘッド/インク/解像度の既知の組合せと
ヘッド/インク/解像度の予想される組合せに関する加
熱係数の様々なテーブルをROM122内に含む。
【0230】本発明者は、ヘッドとインクと解像度のす
べての可能な組合せを予想し、すべてのそのような組合
せに適したテーブルを事前に記憶することが不可能であ
ることを知った。この理由は簡単である。すなわち、ど
んな新しい記録ヘッドおよびインクが将来開発されるか
は不明であるからである。同時に、ROM122内の新
しい1組のテーブルを必要とせずに、将来に生じるヘッ
ドとインクと解像度の組合せと共にプリンタ30を使用
する必要がある。特に、新しいテーブルのために、プリ
ンタと、新しいROMを既存の顧客に分配するためのグ
レードアップ・プログラムとを再製造することが必要に
なる。
【0231】本発明は、ホストプロセッサ23からのコ
マンドを介した、事前に記憶されたテーブル内の値の修
正を可能にし、ホストプロセッサ23からの記録ヘッド
制御パラメータのリアルタイム定義を可能にすることに
よって、この要件に対処する。この特徴のために、ホス
トプロセッサ23からのコマンドを使用することによ
り、通常はROMテーブルやその他のプリンタハードウ
ェアを変更せずに、新たに開発されたカートリッジの機
能、またはROM122内の事前に記憶されたテーブル
を利用できない他のカートリッジの機能を制御するのに
適した記録ヘッドの駆動パラメータを定義することが可
能である。
【0232】簡単に言えば、本発明のこの態様によれ
ば、外部プロセッサからコマンドを受信したプリンタコ
ントローラは、このコマンドに基づいて脱着可能なカー
トリッジを有するプリンタのプロセス機能を制御する。
このコマンドは、プリンタ内の事前に記憶された駆動パ
ラメータが既に利用できない新しいカートリッジの機能
を制御するように調整された新しいカートリッジ駆動パ
ラメータを定義することができる。そのようなパラメー
タにはたとえば、インク滴を吐出するための加熱パルス
シーケンスのタイミング、そのような加熱パルスシーケ
ンスに必要な記録ヘッド温度を算出するための加熱係
数、印刷速度、液滴サイズ、バッファ読出し制御、ノズ
ル駆動シーケンスなどが含まれる。
【0233】図43Bは、本発明の第1の実施形態を示
すフローチャートである。ここで、記録ヘッドの駆動制
御パラメータを定義するコマンドは、事前に記憶された
記録ヘッド駆動条件テーブル内の値を修正するコマンド
で構成される。簡単に言えば、図43Bによれば、複数
の脱着可能な記録ヘッドのうちの少なくとも1つの記録
ヘッドに関し、記録ヘッドの駆動条件を事前に定義記憶
された参照テーブルを有するプリンタ内の記録ヘッド駆
動条件を制御するために、外部ホストプロセッサは、制
御比による処理を介した修正によるコマンドなどの事前
に記憶された参照テーブルを修正するコマンドを送信す
る。プリンタコントローラは、事前に記憶された参照テ
ーブルから記録ヘッド駆動条件を得て、修正された記録
ヘッド駆動パラメータが得られるように記録ヘッド駆動
条件を修正する。この後で、修正された記録ヘッド駆動
パラメータが記録動作に使用される。
【0234】詳細には、ステップS43101で、プリ
ンタ30は、記録ヘッド・パルス幅シーケンスを駆動す
るための制御比を設定するコマンドを受信する。このコ
マンドはホストプロセッサ23によって送信され(ステ
ップS43102)、そのようなコマンドが受信されな
かった場合、プリンタ30はデフォルト値100%を維
持する。ステップS43101で受信される記録ヘッド
・パルス幅シーケンスを駆動するための制御比は、ステ
ップS43112に関連して以下に詳しく説明するよう
に、ROM122内の事前に記憶されたテーブルから得
た参照値に適用される係数である。
【0235】ステップS43103で、プリンタ30
は、ヘッドの温度を算出するための制御比に関するコマ
ンドを受信する。このコマンドはホストプロセッサ23
から受信され(ステップS43104)、そのようなコ
マンドが受信されなかった場合、プリンタ30はデフォ
ルト値100%を維持する。ヘッドの温度を算出するた
めの制御比は、以下でステップS43115で詳しく説
明するように、ヘッドの温度を算出するために使用され
る加熱係数の事前に記憶された値に対する乗算係数とし
て適用される。
【0236】好ましくは、ステップS43101〜S4
3104は、上記の第3.6節で定義したパルス比変更
コマンド([PCR])を使用することによって実行さ
れる。前述のように、[PCR]コマンドは、ヘッドの
温度を算出するために使用される加熱係数の比、ノズル
からインク滴を吐出する際に変更される、記録ヘッド1
30aおよび130bの個々の各ノズルについてのパル
ス幅駆動シーケンスに関するパルス幅の比など、パルス
制御テーブルの比を変更するために使用される。
【0237】処理フローは、プリンタ30においてステ
ップS43106〜S43115に進む。これらのステ
ップは、記録ヘッド駆動パラメータの最新の値をリアル
タイムで維持するように、たとえば、周期間隔50ms
で繰り返し実行される。具体的には、図23に関して説
明したように、ステップS43106〜S43115
は、ヘッドの温度を算出し、かつノズルからインク滴を
吐出するために供給されるパルス幅シーケンスに関する
パルス幅タイミングを得るために50ms周期間隔で実
行され、これと共に、他のタスクも50ms間隔で実行
される。
【0238】再び図43Bを参照するとわかるように、
ステップS43106で、プリンタ30内の図示してい
ないサーミスタから現在の環境温度(Tenv)が読み取
られる。現在の環境温度は、サーミスタから読み取られ
た最新の値でよく、あるいはより好ましくは、不規則さ
を平滑化し、サーミスタの不良な読取り値を無視し、ア
ナログデジタルサンプリングノイズなどのノイズを除去
することなどのために、サーミスタから読み取られた実
際の値にLPFにかけられ、高周波成分が除去される。
【0239】ステップS43106で読み取られた環境
温度Tenvに基づいて、ステップS43107で目標温
度(Ttgt)が算出される。目標温度は、現在の環境温
度に基づくプリンタ30の好ましい動作温度である。一
般的に言えば、プリンタ30は、図23の500ms割
込みレベルに関して説明したように、目標温度に達する
ように記録ヘッド130aおよび130b内の図示しな
いヒータを通して制御される。目標温度は、現在の環境
温度に基づく記録ヘッドの動作に最も好ましい温度であ
る。目標温度と環境温度との間の関係は逆比例にあり、
すなわち、環境温度が低いと、目標温度は比較的高くな
り、それに対して環境温度が高いと、目標温度は比較的
低くなる。たとえば、Tenv=5℃など極めて低い環境
温度では、好ましい目標温度はTtgt=35℃であり、
env=35℃など極めて高い環境温度では、好ましい
目標温度はTtgt=15℃である。
【0240】ステップS43109で、記録ヘッド13
0aおよび130bからの実際のインク滴の吐出によっ
てもたらされる記録ヘッドの温度に対する効果が算出さ
れる。具体的には、ステップS43106で読み取られ
た環境温度は、記録ヘッド130aおよび130bの外
部に取り付けられたサーミスタによって読み取られる環
境温度に基づくものである。一方、記録ヘッド駆動パラ
メータに対する適切な制御は、記録ヘッド・ノズルに隣
接するインクの内部温度の影響をより直接受ける。一般
に、そのような小さな領域内にサーミスタを取り付ける
ことは実際的でないとみなされている。同時に、インク
滴を実際に吐出するとインクの温度が上昇し、インクを
吐出しないと一般に、インクの温度が低下することが知
られている。ステップS43109の目的は、インク滴
の吐出によってもたらされる記録ヘッドの温度に対する
効果を算出することである。
【0241】ステップS43109での記録ヘッドの温
度の算出は、1つには50msなど前に述べた時間間隔
にわたって実際に吐出されたインク滴の数に基づいて行
われる。所定の時間間隔内のインク滴の各吐出に加熱係
数加重が割り当てられる。所定の期間内のインク滴吐出
の回数に基づいて、記録ヘッドの温度に対するインク滴
の吐出の効果を算出することが可能である。
【0242】同時に、そのような加熱係数が、使用され
る記録ヘッドの特定の種類と、読取りで使用されるイン
クの特性と、ヘッドによるプリントアウトの解像度など
に応じて異なることが知られている。ヘッド/インク/
解像度のそれぞれの異なる組合せに応じて、印刷される
ドットの数に対応する加熱係数値が異なる。したがっ
て、ROM122には加熱係数テーブルが事前に記憶さ
れる。この状況を図43Cに示す。
【0243】図43Cに示したように、ROM122の
1つの部分は、事前に記憶された加熱係数テーブル70
1を含む。このテーブルには、それぞれ、記録ヘッドと
インクの特性と解像度のそれぞれの異なる組合せに関す
る、複数のテーブル702a、702bなどが含まれ
る。複数のテーブルはそれぞれ、1、2、3(参照符号
703、704、705)として示された係数など、テ
ーブルによってアクセスされる係数を含み、これらの係
数は、ある特定の間隔、たとえば50ms(参照符号7
06で示す)で吐出されるインク滴の数に基づく参照動
作を介してアクセスされる。プリンタ30は、デフォル
ト選択またはコマンドによる選択に基づいて、701に
記憶されているテーブルから1つの加熱テーブルを選択
し(以下で図43Dに関して説明する)、次いで50m
s期間中に吐出される液滴の数に基づいて、選択された
テーブルから加熱係数を選択する。
【0244】テーブル701内の参照動作を介して得ら
れた係数は、インク滴の吐出の、記録ヘッドの温度に対
する効果を算出するために使用される。1つの適切な計
算を以下に示す。
【0245】ΔTmain=(coeff1*(#吐出された
黒インク液滴))+(coeff2*(#吐出されたカラーイ
ンク液滴))+(coeff3*(ヒ−タ・デューティ・サイ
クル))−coeff4 上式で、係数coeff1は吐出された黒インク滴の数に基づ
く加熱係数であり、係数coeff2は吐出されたカラーイン
ク液滴の数に基づく加熱係数であり、係数coeff3はヒー
タの現在のデューティ・サイクルに基づく加熱係数であ
り、係数coeff4は不起動状態に基づいて実際に記録ヘッ
ドの冷却状態を示す加熱係数である。もちろん、使用さ
れる実際の係数および計算は、ヘッド/インク/解像度
の組合せに依存する。たとえば、上記で与えた計算は、
4色記録ヘッドに適しており、それに対してオールブラ
ック記録ヘッドは、たとえば、吐出されるカラーインク
液滴の数に依存して異なる計算を用いる。
【0246】環境温度Tenv、目標温度Ttgt、温度の記
録ヘッドに対する効果ΔTmainが与えられると、ステッ
プS43110で、以下のように差ΔTdiffが算出され
る。
【0247】Tdiff=Ttgt−Tenv−ΔTmain ステップS43111で、温度差Tdiffに基づいて、パ
ルス幅駆動シーケンスに関するパルス幅時間が記憶され
ているROM122内の参照テーブルがアクセスされ
る。以下で説明するように、図43Cに適切なテーブル
を概略的に示す。
【0248】具体的には、図43Cに示したように、R
OM122は、駆動時間を記憶する参照テーブル710
を含む。駆動時間とは、ノズルヒータをインク滴を吐出
するように駆動するために使用されるパルスシーケンス
に関するパルス幅である。典型的なパルスシーケンス
は、図43BにS43311で示されており、幅Tpre
のプレヒートパルスと、幅Tintの休止期間と、幅T
mainのメインヒートパルスとを含む。そのようなパルス
シーケンスは、印刷のためにインク滴を吐出するように
記録ヘッド130aおよび130bの各ノズル内のノズ
ルヒータに供給される。テーブル710の目的は、1つ
にはステップS43110で算出された温度差に基づい
てTpre、Tint、Tmainのそれぞれを算出することであ
る。
【0249】同時に、記録ヘッドとインクの特性と解像
度などとの特定の組合せに基づいてパルス駆動シーケン
スのパルス幅が異なることが認識されよう。したがっ
て、図43Cに示したように、テーブル710は、71
2a、712bなど個別のテーブルを含む。各テーブル
712a、712bなどは、記録ヘッドとインクの種類
と解像度の特定の組合せに対して調整される。710で
示したように、各テーブルは、プレヒートパルスTpre
の幅に関するエントリ714と、休止期間Tintの幅に
関するエントリ715と、メインヒートパルスTmain
幅に関するエントリ716とを含む。ステップS431
10で算出された温度差Tdiffに基づく参照動作によっ
てある特定のエントリがアクセスされる。
【0250】プリンタ30は、デフォルト選択に基づく
か、あるいはコマンド選択に基づいて、710に記憶さ
れているテーブルから1つの駆動時間テーブルを選択す
る(以下で図43Dに関して詳しく説明する)。プリン
タ30はその後、選択されたテーブル内のエントリにア
クセスし、ステップS43110で算出された温度差に
基づき、記録ヘッド/インク/解像度の特定の組合せに
おいて、プレヒートパルス、休止期間、メインヒートパ
ルスに関し適切な時間を参照する。
【0251】説明は図43Bに戻り、ステップS431
12で、参照動作によってテーブル710から得られた
駆動時間が、ステップS43101で受信された駆動制
御比に基づいて修正される。このステップの目的は、プ
リンタ30に取り付けられた実際の記録ヘッドとテーブ
ル710に記憶されている記録ヘッドの組合せとの間の
違いを考慮した、参照テーブル710から得た事前に記
憶された値の修正を可能にすることである。詳細には、
前述のように、プリンタ30のROM122には、それ
ぞれ、記録ヘッドとインクと解像度の特定の組合せに対
して調整された、複数の駆動時間テーブルが事前に記憶
されているが、記録ヘッドとインクと解像度のあらゆる
組合せを予想することは不可能である。したがって、ス
テップS43112での修正によって、記録ヘッドとイ
ンクと解像度のまだ知られていない組合せまたはその他
の理由で記憶されていない組合せを使用することが可能
になる。
【0252】ステップS43112での修正では好まし
くは、ステップS43111で参照動作を介して得られ
た駆動時間に、ステップS43101で受信された制御
比を乗じる。このため、デフォルト制御比は100%で
ある。パルス制御比変更コマンド[PCR]を介して命
令することのできる制御比は1%ないし200%になる
ように制限され、それによって、ほぼ無視できるパルス
時間から、テーブル710に記憶されている値の2倍ま
でパルス時間を修正することが可能になる。
【0253】処理フローは次いでステップS43114
に進み、プリンタ30は、ヘッドの温度を算出するため
に加熱係数を参照する。図43Cのテーブル701に関
して説明したように、加熱係数は、記録ヘッドとインク
と解像度の特定の組合せに基づいて得られ、各サイクル
の継続時間が約50msであるサイクル当たりの印刷ド
ット数に基づいて1つのテーブル702aなどから参照
される。
【0254】ステップS43115で、ステップS43
103で受信された制御比に基づいて加熱係数が修正さ
れる。この場合も、そのような修正の目的は、1つのテ
ーブル701にまだ記憶されていない記録ヘッドとイン
クと解像度の特定の組合せの使用を可能にすることであ
る。
【0255】好ましくは、ステップS43115での加
熱係数の修正では、ステップS43114で参照動作を
介して得られた係数に、ステップS43103で受信さ
れた制御比を乗じる。このため、デフォルト制御比は1
00%である。パルス制御比変更コマンド[PCR]を
介して命令することのできる制御比は1%ないし200
%になるように制限され、それによって、ほぼ無視でき
るパルス時間から、テーブル701に記憶されている値
の2倍まで加熱係数を修正することが可能になる。
【0256】ステップS43116で、プリンタ30
は、印刷データをプリンタ30へ送信するホストプロセ
ッサ23からのコマンドと、プリンタ30にそのような
データを印刷することを求めるコマンドとに応答して、
ステップS43112で得られた修正済みの駆動時間に
基づいてノズルの駆動を制御する(ステップS4311
7)。フローが前述のように繰り返され、ステップS4
3106〜S43115がたとえば、50ms周期間隔
で実行され、ステップS43116で説明した修正済み
の駆動時間に基づくノズルの駆動に対する制御が、ホス
トプロセッサ23からのコマンドに応じて実行される。
また、駆動制御比と、ヘッドの温度を算出するための制
御比を任意の時間にホストプロセッサ23から送信する
ことができ、これに対して、前述のステップS4310
1〜S43103で説明したようにプリンタ30が応答
することを認識されたい。
【0257】図43Dは、脱着可能な記録ヘッドを有す
るプリンタの記録ヘッド駆動パラメータを定義すること
のできるコマンドをホストプロセッサ23などの外部装
置からプリンタコントローラへ送信する本発明の他の実
施形態を示す。図43Dに示した実施形態と、図43B
に示した実施形態との1つの違いは、図43Dの実施形
態が、事前に記憶された記録ヘッド駆動パラメータを修
正するパラメータには応答せずに、実際の記録ヘッド駆
動パラメータに応答することである。一般的に言えば、
図43Dの実施形態で受信されたパラメータは、プリン
タバッファ139内のデータの読出し順序を制御し、記
録ヘッド内の個々のノズルのノズル駆動シーケンスを制
御し、ノズルから吐出される液滴のサイズを制御し、他
の記録ヘッド駆動パラメータを制御する。好ましくは、
ホストプロセッサ23からのコマンドは複数組のバッフ
ァ制御およびノズル駆動シーケンスのそれぞれを定義す
る。これらのバッファ制御およびノズル駆動シーケンス
はプリンタ30のRAM129に登録される。ホストプ
ロセッサ23からのその後のコマンドによって、登録さ
れている数組のバッファ制御またはノズル駆動シーケン
スのうちのどれかを、記録媒体を横切る記録ヘッドの特
定の走査または複数の走査で使用される制御またはシー
ケンスとして選択することができる。
【0258】詳細には、ステップS43351で、ホス
トプロセッサ23がプリンタ30へバッファ制御コマン
ドを送信し、ステップS43352で、プリンタ30が
バッファ制御コマンドを受信し、後述のように適切に応
答する。ステップS43351で送信されるバッファ制
御コマンドには、バッファ制御シーケンスを定義する第
1のタイプと、すでにプリンタ30内で定義されている
複数のバッファ制御シーケンスのうちの1つを選択する
第2のタイプがある。バッファ制御シーケンスを定義す
る第1のタイプに関しては、ホストプロセッサ23は、
プリンタ30による印刷動作中にプリントバッファ13
9からデータを読み出すバッファ制御シーケンスを定義
する。そのようなコマンドに応答して、プリンタ30に
よって、バッファ制御読出し順序が、後で選択できるよ
うにRAM129に記憶される。好ましくは、バッファ
制御読出し順序を定義するために、第3.6節で説明し
た定義バッファ制御テーブル・コマンド([DEFIN
E_CONTROL])が使用される。
【0259】複数のバッファ制御読出し順序がRAM1
29に登録された後、第2のタイプのバッファ制御コマ
ンドによって、ホストプロセッサ23がバッファ制御読
出し順序の1つをその後のプリントアウト動作で使用す
る順序として選択することが可能になる。好ましくは、
第3.6節で定義したバッファ制御テーブル選択([S
ELECT_CONTROL])コマンドがこの動作で
使用される。
【0260】図43Eは、[DEFINE_CONTR
OL]コマンドに基づいてRAM129に登録できるバ
ッファ制御テーブルの例として、2つの異なるバッファ
制御読出し順序を示す。そのようなバッファ制御読出し
順序が必要とされる理由は、印刷動作中にプリントバッ
ファ139からデータをどのように読み出すかに影響を
与える少なくとも3つの異なる因子に対処するからであ
る。そのような第1の因子は、記録ヘッド上にプリント
ノズルを配置する際のプリントノズルの傾斜調整であ
る。この因子については図8に関して説明した。図8
は、好ましくは、ノズル16個ごとに、1画素/360
dpi、2画素/720dpi、4画素/1440dp
iの横方向の変位が起こるようにわずかに傾斜した方向
にノズルが配置されることを示している。
【0261】バッファ読出し順序に影響を与える因子の
第2の因子は、記録ヘッドの構成と、記録動作中に実際
に使用されるノズルである。この係数については、様々
な記録ヘッド構成およびノズルならびに解像度に関する
バッファ読出し順序の例を示す図43E、図43F、図
43Gと関連させて説明する。
【0262】図43Eは、ある可能な記録ヘッド構成を
示し、この場合、記録ヘッドは、黒インク用の64個の
ノズルの上方に垂直方向に斜めに配置された、イエロイ
ンク、マゼンタインク、シアンインクのそれぞれについ
て24個づつのノズルからなる。4色印刷の場合、通常
は、合計64個のそのような黒インク用のノズルのうち
の24個の黒インク用ノズルのみが、他の3つの着色剤
(インク)用の24個のノズルに対応して使用される。
しかし、物理的には、印刷に使用される24個の黒ノズ
ルと、それらに最も近い互いに隣接するシアンインク用
ノズルとの間にはかなりのオフセットがある。また、図
8に関して説明したノズルオフセット長の原因には、バ
ッファ読出し順序によって水平方向のノズルオフセット
を補償しなければならないことがある。
【0263】バッファ読出し順序は、このような影響を
以下のように補償する。第1に、実際のノズル構成74
0は、1つの記録ヘッドが256個のノズルを有する仮
想標準に対して定義される。図43Eに示す記録ヘッド
は実際には、イエロインク、マゼンタインク、シアンイ
ンク、黒インクに関して上述したように24個−24個
−24個−64個のノズル構成を有するので、ノズルの
開始位置は実際には、プリントバッファにおいて256
ノズルヘッドの場合より15バイト下の位置から始ま
る。したがって、ノズル開始位置741は15バイトと
して定義される。その後、連続する各ノズル群ごとにノ
ズルのオフセットに関するバイト位置が定義される。7
42で示したように、ノズルのオフセットは、イエロイ
ンク、マゼンタインク、シアンインクのそれぞれについ
て1バイトに対応する。最後の隣接するシアンノズル
と、実際に印刷に使用される第1番目の黒インク用ノズ
ルとの間のギャップは、仮想標準の256ノズルヘッド
とは異なり6バイトに対応するので、実際に印刷に使用
される第1番目の黒インク用ノズルに関してノズルオフ
セット6が定義される。
【0264】バッファ読出し制御はさらに、バッファデ
ータ高743をバイト単位で定義し(この例では、バッ
ファデータ高は12バイトである)、プリントバッファ
高744を定義する(この例では、プリントバッファ高
は12バイトである)。
【0265】ノズルの傾斜を補償するようにバッファ読
出し順序を制御するために、プリントバッファ内の位置
に関して開始位置745が定義される。プリントバッフ
ァの一部が746で指定されている。プリントバッファ
内の8ビットバイトに対応する8つのノズルに関する以
後の各オフセットは、図では747で指定されている。
図43Eの例では、バッファ読出し順序が解像度360
dpiでの記録向けに指定されている。この解像度で
は、ノズルの傾斜は、16個の垂直ノズルに対する水平
方向の1記録画素に対応する。したがって、プリントバ
ッファ内の最初の2バイト(16ビットに対応し、1ビ
ットは、イエロインクの最初の16個のノズルのそれぞ
れに対応する)が順次読み出される。しかし、解像度3
60dpiでは、イエロインク用の次のノズルは実際に
は、前の16個のノズルから水平方向に1画素離れた位
置に印刷される。この水平オフセットを補償するため
に、13バイトのバッファオフセットが設けられ、それ
によって、イエロインクについての最後の8つのノズル
を前の16個のノズルに対して適切な垂直関係になるよ
うに印刷することができる。図8に示したようにイエロ
インクとシアンインクとの間には8つのノズルに対応す
る物理的ギャップがあるので、ギャップ内の存在しない
ノズルに読出しデータを与える必要はない。
【0266】マゼンタインクでの記録用の第1のノズル
は、イエロノズルに関する最後のプリントバッファ読出
しの開始位置からノズル16個分に相当する物理的距離
だけ離れた位置に配置されるので、最後の1組のイエロ
ノズルの印刷と第1番目の1組のマゼンタノズルの印刷
との間に付加的な13バイトのオフセットを設けなけれ
ばならない。同様に、マゼンタインクによる記録の残り
の部分およびシアンインクによる記録に関して順次、プ
ラス1バイト、プラス13バイト、プラス13バイト、
プラス1バイト、プラス13バイトのオフセットが設け
られる。
【0267】黒インクでの記録に関しては、実際に記録
に使用される24個の黒インク用ノズルの位置が、図8
に示した傾斜角度のために3画素分の水平シフトに対応
するために、また、シアンノズルと黒ノズルとの間の8
つのノズルのために、バッファ読出し順序には37バイ
トのオフセットが必要である。これは747にも示され
ている。
【0268】したがって、簡単に言えば、バッファ読出
し順序は、ギャップおよび傾斜角度、印刷に使用される
実際のノズル、記録解像度などを含め、記録ヘッド上の
ノズルの物理的構成の影響を受ける。したがって、バッ
ファ読出し順序を指定する1つの方法では、ノズル開始
位置、ノズルオフセット、プリントバッファデータ高、
プリントバッファ高、印刷で使用されるノズルに対応す
るプリントバッファ内のバイトに関するバッファオフセ
ットが指定される。
【0269】この構成が、解像度720dpiでの記録
を示す図43Eに関連して、再び示されている。記録ヘ
ッドの構成が変更されていないので、ノズルオフセット
などは必ずしも変更しなくてよい。しかし、解像度72
0dpiでは、図8の傾斜角度が、垂直方向に16個の
ノズル毎に2画素分の水平オフセットに対応するので、
バッファオフセットを749で示したように変更しなけ
ればならない。
【0270】記録ヘッドの構成(記録ヘッド上のノズル
の物理的構成とノズルの傾斜角度とを含む)と印刷時に
使用される実際のノズルと記録解像度のいくつかの異な
る組合せに関してバッファ読取り順序をどのように指定
するかのさらなる例を図43Fおよび図43Gに与え
る。たとえば、図43Fは、図43Eに示したのと同じ
記録ヘッドを使用するが、64個全ての黒インク用ノズ
ルのみを使用し、カラーインク用ノズルを使用しないプ
リントアウトを示す。したがって、750で示したよう
に、仮想標準である256ノズルヘッドに対して、印刷
で使用される第1番目のノズルは24バイト下に配置さ
れる。したがって、8つの連続する8バイトビットを含
むノズルオフセット752と同様に、ノズル開始位置7
51は適切に変更される。プリントバッファデータ高
は、754で示したように8バイトに変更される。ただ
し、プリントバッファ高755は12バイトのままであ
る。バッファオフセット756は、物理的なプリントバ
ッファの部分746に重ね合わせられ、プリントバッフ
ァの各バイトの適切な読出し順序に関するオフセットを
示す。
【0271】解像度720dpiでの印刷の場合のバッ
ファオフセットを757に示す。
【0272】図43Gは、図8に98で示したように、
傾斜角度を用いて記録ヘッド上に順次配置された黒イン
ク用の128個のノズルで構成された記録ヘッドを使用
する際のバッファ読出し順序の例を示す。このようなノ
ズル構成759は、16バイト下のノズル開始位置76
0から始まるために、仮想標準の256ノズルヘッドと
は異なる。ノズルオフセット761はノズルが8ビット
群で16個順次並んでいることを示す。プリントバッフ
ァ・データ高762は、プリントバッファ高764と同
様に、16バイトに設定される。バッファ・オフセット
765は、バッファ読出し順序が、プリントバッファの
部分746に重ね合わされたときに記録ヘッドの傾斜に
よってどのような影響を受けるかを示す。
【0273】解像度720dpiでの印刷の場合、バッ
ファオフセットは766で示したように設定される。
【0274】読出し順序に影響を与える他の因子のうち
の第3の因子は記録解像度である。特に、高解像度で記
録する際には、低解像度で記録する際よりも遅いキャリ
ッジ速度が使用される。キャリッジ速度の差と、この差
をプリントノズルの非斜め構成の効果に対してどのよう
に考慮するかの問題とのために、記録解像度に基づいて
バッファ読出し順序を修正する必要がある。
【0275】したがって、簡単に言えば、ステップS4
3351で、複数のバッファ制御テーブルがプリンタ3
0へ送信され、ステップS43352でこれらのテーブ
ルがプリンタに登録される。このテーブルの1つが、実
際の印刷動作中に使用するために選択される。
【0276】ステップS43354で、ホストプロセッ
サ23はノズル駆動シーケンスコマンドをプリンタ30
へ送信する。ホストプロセッサ23から送信されるノズ
ル駆動シーケンス・コマンドは、ステップS43355
でプリンタ30によって受信され、後述のように適切に
処理される。一般的に言えば、ステップS43354で
は、複数の異なるノズル駆動シーケンスを定義する第1
のタイプと、1つの定義済みノズル駆動シーケンスが、
その後の印刷動作時に使用されるシーケンスとして選択
される第2のタイプの2種類のノズル駆動シーケンスコ
マンドの内の一方が送信される。第1のタイプのノズル
駆動シーケンスコマンドの場合、ノズル駆動シーケンス
コマンドが定義され、ホストプロセッサ23が好ましく
は、第3.6節で説明した加熱パルス・テーブル定義コ
マンド([DEFINE_PULSE])を送信する。
ホストプロセッサ23によって定義されたそのような各
ノズル駆動シーケンスについて、プリンタ30は、ノズ
ル駆動シーケンスをRAM129に登録することによっ
て応答する。
【0277】第2のタイプのノズル駆動シーケンスコマ
ンドの場合、ホストプロセッサ23は、複数の登録済み
ノズル駆動シーケンスのうちの1つをその後の印刷動作
で使用されるシーケンスとして選択する。好ましくは、
ホストプロセッサ23は、第3.6節で説明した加熱パ
ルステーブル選択コマンド([SELECT_PULS
E])を使用する。プリンタ30は、加熱パルステーブ
ル選択コマンドを受信すると、登録済みの加熱パルステ
ーブルのうちの指定されたテーブルをRAM129から
検索し、記録ヘッド130aおよび130bの、記録媒
体を横切る次の走査または複数の走査など、以後の印刷
動作に使用する。
【0278】いくつかの異なるノズル加熱シーケンスの
例を図43Hに示す。いくつかの異なるノズル駆動シー
ケンスが必要である理由は、実際のノズル駆動シーケン
スが、解像度、走査方向(すなわち、往路走査または復
路走査)、ノズルの傾斜角度を含め多数の係数に依存す
ることである。他の因子もノズル駆動シーケンスに影響
を与える。たとえば、低解像度でのプリントアウトで
は、記録ヘッドが記録媒体を高速で横切って移動するた
め、解像度はノズル駆動シーケンスに影響を与える。こ
の速度は、16個のノズルがインクを吐出する際に、キ
ャリッジがノズルの傾斜角度に対応して厳密に1画素/
360dpi、2画素/720dpi、または4画素/
1440dpiだけ前進するように算出される。この結
果、ノズルが上から下へ順次駆動された場合には垂直線
が印刷される。一方、低解像度では、キャリッジ速度は
遅くなる。したがって、垂直線を得るには、他のあらゆ
るノズルを順次駆動する必要がある。したがって、解像
度は、ノズル駆動シーケンスに影響を与える1つの因子
である。
【0279】容易に理解できるように、ノズル駆動シー
ケンスに影響を与える他の因子は記録方向である。具体
的には、傾斜角度のために、往路方向の記録と復路方向
の記録との間ではノズル駆動シーケンスを反転しなけれ
ばならない。
【0280】図43Hは、ホストプロセッサ23によっ
て定義し、後で1つのシーケンスを選択できるようにプ
リンタRAM129に登録することのできるノズル駆動
シーケンスのいくつかの例を示す。図43Fに示したよ
うに、ノズル番号1〜16に関するノズル駆動シーケン
スは、4つの異なる印刷条件、すなわち、往路方向に解
像度360dpiで印刷、復路方向に解像度360dp
iで印刷、往路方向に解像度720dpiで印刷、復路
方向に解像度720dpiで印刷の4つの異なる印刷条
件に関して定義される。4つのノズル駆動シーケンスは
それぞれ、ホストプロセッサ23によって定義され、プ
リンタ30へ送信され、次いで、プリンタ30はそのノ
ズル駆動シーケンスをRAM129に登録する。その
後、ホストプロセッサ23は、1つのノズル駆動シーケ
ンスを現在必要な印刷条件に適切なシーケンスとして選
択し、適切な選択コマンドをプリンタ30へ送信する。
プリンタ30は、指定されたノズル駆動シーケンスを選
択し、それを以後の印刷動作に使用することによってコ
マンドに応答する。
【0281】したがって、簡単に言えば、ステップS4
3354で、ホストプロセッサ23は複数の異なるノズ
ル駆動シーケンスを定義することができ、このうちの1
つが、その後の印刷動作で使用されるシーケンスとして
指定される。ステップS43355で、プリンタ30
は、複数のノズル駆動シーケンスのそれぞれをRAM1
29に登録し、登録したノズル駆動シーケンスのうちの
指定されたシーケンスをその後の印刷動作で使用される
シーケンスとして選択することによって、ホストプロセ
ッサ23からのコマンドに応答する。
【0282】ステップS43356で、ホストプロセッ
サ23が、第3.6節で説明した[DROP]コマンド
などの液滴サイズコマンドを送信し、ステップS433
57で、プリンタ30が、液滴サイズコマンドで命令さ
れた液滴サイズを選択することによってそのコマンドに
応答する。その後、この液滴サイズで印刷が行われる。
【0283】ステップS43359で、ホストプロセッ
サ23は(好ましくは、[DATA]コマンドと共に)
印刷データを送信し、その後、データの印刷を実行する
コマンド([PRINT]コマンドを含む)をプリンタ
30へ送信する。プリンタ30はステップS43360
〜S43362で、ステップS43352で選択された
バッファ制御コマンドに基づいてプリントバッファ13
9からの読出し順序を制御し、ステップS43355で
受信されたノズル駆動シーケンスコマンドに基づいてノ
ズル駆動シーケンスを制御し、ステップS43357で
受信された液滴サイズコマンドに基づいて液滴サイズを
制御することによって応答する。
【0284】したがって、前述の処理により、記録ヘッ
ドを駆動するためのパラメータを設定する外部ホストプ
ロセッサからのコマンドを使用することによって、設計
時には構想されなかった構成を有する記録ヘッドを使用
するようにプリンタを制御することができる。このた
め、それぞれの異なるヘッド構成およびその他の特性を
有する新しい記録ヘッドが開発されたときにそれを受け
入れるプリンタ30の融通性が大幅に向上する。 9.0 プリントバッファの動作 図43Iは、往路方向への印刷のための、ホストプロセ
ッサ23内の印刷データストア136からプリントバッ
ファ139(図10および図11に示されている)への
印刷データの転送を示す。図43Iに示される印刷転送
は、プリンタドライバ114に記憶されているプログラ
ムコードと、プリンタ30に記憶されているプログラム
コードによって制御される。図43Iによれば、1つの
記録ヘッド4330が静止位置から往路走査方向に一定
の走査速度にまでランプアップし、記録媒体を横切りな
がら走査し、その一定の走査速度から静止位置へランプ
ダウンするという過程を経ることによって、記録媒体を
横切る走査を実行する。ランプアップ位置は参照番号4
335で示され、走査領域は参照番号4338で示さ
れ、ランプダウンは参照番号4339で示されている。
参照番号4320は、現在の走査のための印刷データが
記憶されているプリントバッファ139内の領域を表
す。領域4321は、記録ヘッドの傾斜角度に対応する
印刷データを記憶するために予約されたプリントバッフ
ァの余分な領域である。(プリントノズルの傾斜角度に
対応するデータを記憶するためにプリントバッファ13
9内の余分な記憶域が必要であることについては、図4
3E〜図43Gに関して説明し、バッファ読出し順序に
関する前節の説明で説明した)。参照番号4325は、
プリンタドライバ114によって得られ、ホストプロセ
ッサ23内の印刷データストア136に記憶される印刷
データを表す。この印刷データは次の走査のためのデー
タである。参照番号4315は記録媒体上に印刷された
画像を表し、この印刷された画像は、プリントバッファ
4320内の現在の走査のためのデータに従って記憶さ
れる。
【0285】図43I(A)に示したように、プリント
バッファのすべての印刷位置に現在の走査のための印刷
データがあり、印刷データストア136のすべての印刷
位置に次の走査のためのデータがある。ランプアップ期
間4335中に、記録ヘッド4330は、一定の走査速
度に達するまで印刷を行わずに往路走査方向へ移動す
る。印刷が行われないので、プリントバッファ4320
内の印刷データは空にならず、したがって、プリントバ
ッファ4320には、次の走査のための印刷データを印
刷データストア136から転送するための空間がない。
【0286】図43I(B)は、記録ヘッド4330が
一定の走査速度に達し、4315で示したようにプリン
トアウトを開始した状況を示す。現在の走査のための印
刷データがプリントバッファからなくなった(あるいは
より厳密に言えば、すでに印刷されたのでもはや必要な
くなった)ので、次の走査のための印刷データの第1番
目のブロックをプリンタドライバ114の印刷データス
トア4325からプリントバッファ4320へ送信する
ことができる。しかし、プリントバッファ4320に
は、印刷データストア4325からの追加のデータに使
用できる余分の空間がなく、したがって、更なるデータ
送信はなされない。
【0287】プリンタドライバ114が、プリントバッ
ファ4320に空領域があることを判定するために使用
する1つのメカニズムは、プリンタ30へのデータ転送
が現在受け入れられないことを示すプリンタ30からの
信号である。そのような信号の例には、"ビジー(bus
y)信号"や"ノットレディ(not-ready)信号"などが含
まれ、以下、このような信号を"ビジー信号"と呼ぶ。ビ
ジー信号は、プリンタ30によって生成され、ホストコ
ンピュータ・インタフェース141を介してホストプロ
セッサ23へ送信される。具体的には、プリンタ30
が、キャリッジを記録媒体を横切りながらステップ移動
させるステッピングモータを使用するので、プリンタ3
0は常に記録ヘッド4330の印刷位置を知っている。
プリンタ30はさらに、プリントバッファ4320内の
現在印刷されていない領域の左縁および右縁を知ってい
る。プリンタ30は、記録ヘッド4330の位置とプリ
ントバッファ4320の左縁および右縁とを比較するこ
とによって、プリンタドライバ114から受信されたデ
ータを記憶すべき空領域がプリントバッファ内にあるか
どうかを判定することができる。プリントバッファ内に
空領域がない場合、プリンタ30はホストプロセッサ2
3へのビジー信号を生成する。一方、プリントバッファ
4320内に空領域がある場合、プリンタ30はビジー
信号をクリアし、印刷データを受け入れる準備が完了し
ていることを示す。
【0288】図43I(C)〜(E)によれば、431
5で示すように、現在の走査のための印刷データはどん
どん、プリントバッファ4320から記録媒体上に印刷
される。各連続印刷データブロックがプリントバッファ
4320からなくなるにつれて、プリンタドライバ11
4は、次の走査のための連続印刷データブロックを印刷
データストア136の領域4325からプリントバッフ
ァ4320へ送信する。したがって、図43I(C)に
示したように、第2番目の印刷データブロックが印刷デ
ータストアの領域4325からプリントバッファ432
0へ送信され、図43I(D)に示すように、連続ブロ
ック3〜8が印刷データストア4325からプリントバ
ッファ4320へ送信され、図43I(E)に示すよう
に、次の走査のための第16番目の印刷データブロック
が印刷データストア4325からプリントバッファ43
20へ送信される。図43I(E)によれば、4315
で示したように現在の走査領域全体が印刷され、記録ヘ
ッド4330がランプダウン動作を開始する。当然のこ
とながら、この場合、記録ヘッド4330は、現在プリ
ントバッファ4320に記憶されている印刷データを次
の走査に使用して復路方向への印刷を開始することが可
能である。この間に、プリンタドライバ114によっ
て、印刷データストア136からプリントバッファ13
9へさらに続く走査のための印刷データが送信される。
【0289】復路方向の記録については、以下に、図4
3Jを参照して説明する。
【0290】具体的には、図43J(A)は図43I
(A)と同様な状況を示し、この場合、現在の走査のた
めの印刷データ(プリントバッファ4320に記憶され
ている)のサイズは、その後の走査のための印刷データ
(印刷データストア4325に記憶されている)のサイ
ズと同じかそれ以上である。参照番号4321は、記録
ヘッド4330上のノズルの傾斜角度を補償するバッフ
ァ読出し順序に対処するためのプリントバッファ432
0の余分な記憶域を指す。以下、そのような領域を「ノ
ズル・オフセット長」と呼ぶ。参照番号4315は、往
路走査によってすでに記録媒体上に印刷されたデータを
指す。4339で示したランプアップ期間中に、記録ヘ
ッド4330が静止位置から一定の走査速度にランプア
ップするが、データは印刷されずプリントバッファ43
20のデータが空になることはない。図43J(B)に
よれば、記録ヘッド4330は、復路方向へ一定の速度
で移動しており、プリントバッファ4320内の現在の
走査のための印刷データに対応するデータの印刷を開始
している。記録媒体上の印刷されたデータを4316で
示す。記録媒体上のプリントアウトによってプリントバ
ッファ4320のかなり大きな領域が空になっているの
で、印刷データストア4325から得た第1番目のデー
タブロックはプリンタドライバ114によってプリント
バッファ4320へ転送される。
【0291】復路方向への印刷を継続すると、その後の
データブロックが記録媒体上に印刷され、それによって
プリントバッファ4320の印刷データが空になる。こ
の状況は図43J(C)および図43J(D)に示され
ており、この場合、プリンタドライバ114によって印
刷データストア4325からバッファ4320の空領域
へ第2番目のブロック以後のブロック3〜8が転送され
る。図43Iに示した場合と同様に、プリンタドライバ
114は、プリンタ30からビジー信号を受信しないか
ぎりプリンタ30へデータを送信する。図43J(E)
で、最後の印刷データブロックがプリントバッファ43
20から記録媒体上の4316に印刷され、それによっ
て、次の走査のための最後の印刷データブロックを印刷
データストア4325からプリントバッファ4320へ
転送することが可能になる。記録ヘッド4330はその
後、4335で示したように、一定の走査速度から静止
位置にランプダウンする。
【0292】図43Kは、プリントバッファ4320に
記憶されている現在の印刷データが、ホストプロセッサ
23内の印刷データストア4325に記憶されている次
の走査のための印刷データよりも小さい場合に、1つの
記録ヘッド4330が往路走査方向に記録媒体を横切っ
て走査記録中に、ホストプロセッサ23内の印刷データ
ストア136からプリンタ30のプリントバッファ13
9への印刷データが転送される様子を示す。現在の印刷
データの量が次の走査の印刷データよりも少ないので、
印刷が始まる前でもプリントバッファ4320には空領
域がある。したがって、次の走査のための印刷データを
プリントバッファ4320のすでに空の領域へ転送する
ことによって、この状況を利用することが可能である。
そのような処理について、図43Kを参照して、以下に
説明する。
【0293】この場合、プリンタドライバ114はプリ
ンタ30からのビジー/レディー信号生成にのみ依存し
なくても、次の走査のための印刷データを記憶すべき空
の空間がプリントバッファにあるかどうかを判定するこ
とができる。これは、プリンタドライバがすでに、特定
のプリントバッファ位置に記憶される現在の走査のため
のデータを送信しており、次のス走査のための印刷デー
タを受信するために、プリントバッファ内のどの位置が
空であり準備が完了しているかを、プリンタからのフィ
ードバックなしに判定することができるからである。プ
リンタ30は、プリンタドライバが印刷データを送信す
る間にビジー信号を生成することができるが、ビジー信
号は通常、プリントバッファ位置の空/満杯状況とは無
関係の理由(たとえば、プリンタが、ヘッドの清掃など
他のタスクで占有されているため、新しいデータを受信
する準備が完了していない)で生成される。
【0294】図43K(A)によれば、1つの記録ヘッ
ド4330は、領域4335で静止位置から一定の走査
速度にランプアップし、一定の速度で領域4338を横
切りながら印刷を行い(あるいは往路走査方向に次の印
刷領域をシークし)、次いで領域4339で一定の走査
速度から静止位置にランプダウンすることによって、記
録媒体を横切る印刷を行う。参照番号4320はプリン
トバッファを指し、このプリントバッファは領域432
0−1と、領域4320−2と、領域4320−3とを
含み、このうち領域4320−3のみが現在の走査のた
めの印刷データを含む。残りの領域は空であり、記録媒
体上の対応する位置に印刷すべきデータがないことを示
す。参照番号4321はプリントバッファ4320のノ
ズルオフセット領域を指す。参照番号4325はホスト
プロセッサ23からプリンタ30へまだ送信されていな
い印刷データストア136内の次の走査のためのデータ
を指す。
【0295】図43K(B)によれば、記録ヘッド43
30のランプアップ期間中には、プリントバッファ43
20内に空の位置があるため、プリンタドライバ114
によって印刷データストア4325からプリントバッフ
ァ4320へ第1番目のブロックの情報が転送される。
同様に、図43K(C)によれば、プリントバッファ4
320−2が空なので、第2番目の印刷データブロック
が印刷データストア4325からプリントバッファ43
20へ送信される。この時点で、記録ヘッド4330
は、一定の走査速度に達しており、プリントバッファ4
320内の現在の走査のための印刷データに対応する第
1の印刷領域を往路走査方向にシークし始める。この状
況は図43K(D)に示されており、この場合、印刷デ
ータ4315は、記録ヘッド4330によって記録媒体
上に印刷される。さらに、印刷データ4315の印刷に
よってプリントバッファ4320内の領域が空になるの
で、プリンタドライバ114によって印刷データストア
4325からプリントバッファ4320へその後の印刷
データブロックが転送される。記録ヘッド4330が引
き続き往路方向へ移動すると、図43K(E)に示され
るように、印刷された領域が4315に追加され、プリ
ンタドライバ114によって印刷データストア4325
からプリントバッファ4320へはこれに続くブロック
の印刷データが転送される。図43K(F)によれば、
記録ヘッド4330は、参照番号4315で示したよう
にプリントバッファ4320内の現在の走査のための印
刷データすべての印刷を完了しており、次の印刷データ
の端部をシークするために往路方向への移動を開始して
いる。次の印刷データは、この時点ですべて印刷データ
ストア4325からプリントバッファ4320へ転送さ
れている。往路方向へのシークが完了すると、記録ヘッ
ド4330は、領域4339で一定の走査速度から静止
位置にランプダウンし、次に復路方向に一定の走査速度
になるまでランプアップを開始し、今やプリントバッフ
ァ4320にはすべてが記憶されている印刷データにつ
いての印刷を行う。
【0296】復路方向への印刷は、全体的には、図43
Jに示した線に沿って進み、ランプアップ時に次の走査
のやめのデータがプリントバッファ4320の空位置へ
転送され、プリントアウトに伴ってプリントバッファ位
置が空になるにつれて順次、印刷データブロックがプリ
ントバッファへ転送される。 9.1 シングルプリントバッファ 図43Iに示した往路方向の記録動作と図43Jに示し
た復路方向の記録動作では、現在の走査のための印刷デ
ータの量がその後に続く走査のための印刷データの量と
同じかそれ以上であるので、印刷データを事前に印刷デ
ータストア4325からプリントバッファ4320へ転
送しておくことは不可能である。したがって、記録ヘッ
ド4330が印刷を行うことによってプリントバッファ
4320内のデータを空にしないかぎり、プリンタドラ
イバ114からプリンタ30へ新しいデータを送信する
ことはできないので、印刷性能に影響を受ける。
【0297】これに対して、図43Kに示した場合、現
在の走査のための印刷データの量がその後に続く走査の
ための印刷データの量よりも少ないので、記録ヘッド4
330が印刷を開始する前でも、プリンタドライバ11
4がその後の走査のためのデータをプリントバッファ4
320の空の領域に転送することが可能である。この構
成によって処理速度には有利になる。同時に、現在の走
査のためのデータが次の走査のためのデータよりも少な
い状況はそれほど頻繁には起こらない。というのは、連
続する各走査についての印刷データが、前の走査の印刷
データと同じであるか、あるいはほぼ同じである方がず
っと多いことが普通のことであるからである。
【0298】すべての走査に関する印刷データ転送の性
能を向上させるために、本発明者は本明細書で、記録ヘ
ッド4330のランプアップ期間に対応してプリントバ
ッファ4320に追加の領域を設けることを検討した。
この追加の領域を、以下、"シフト領域"と呼ぶ。プリン
トバッファ4320に追加のシフト領域を設けること
は、常に、場合によっては記録ヘッド4330が印刷を
行っていないときにも、プリンタドライバ114が次の
走査のために印刷データを蓄積することのできる空領域
がプリントバッファ4320内にあることを意味する。
特に、プリンタドライバ114は、記録ヘッド4330
のランプアップを完了したとき、あるいはその前に印刷
データをシフト領域へ転送することができる。さらに、
プリンタドライバは、プリンタがビジー/読取り信号を
生成することにのみ依存しなくても、プリンタがこのシ
フト領域に印刷データを受け入れる準備が完了している
かどうかを判定することができる。これは、プリンタド
ライバ自体が、現在の走査および次の走査のための印刷
データをプリンタバッファ内のどこに記憶するかを指定
し、シフト領域が印刷データを受信する準備が完了して
いるかどうかを、通常はプリンタからのフィードバック
なしに判定することができるからである。
【0299】図43Lは、図43Iに示したのと同様な
場合、すなわち、現在の走査のための印刷データが次の
走査のための印刷データとほぼ同じサイズである場合
に、往路方向への印刷時に、データ転送の効率を高める
ためのシフト領域の使用法を示す。図43L(A)で、
プリントバッファ4320は、領域4320−2の最前
縁部に付加されたシフト領域4320−1を含む。参照
番号4321はノズル・オフセット長を補償するプリン
タバッファ内の領域を指す。領域4320−2は現在の
走査のための印刷データを記憶し、シフト領域4320
−1は空であり、印刷データストア4325は、プリン
タドライバ114からの送信を待つ次の走査のための印
刷データを記憶する。図43Iとは異なり、次の走査の
ための印刷データは、実際の印刷位置からシフトされた
位置に示され、実際の印刷位置からのシフトは点線で示
されている。このシフトは、プリントバッファ4320
のシフト領域4320−1および領域4320−2への
データの転送の図示を簡略化するための例示的なものに
過ぎない。
【0300】プリンタ30からのビジー信号がない場
合、プリンタドライバ114は、印刷データストア43
25からプリントバッファ4320へ印刷データを転送
することが可能であると判定する。したがって、図43
L(B)に示したように、記録ヘッド4330のランプ
アップ期間4335中に、プリンタドライバ114は、
次の走査に関する第1番目のブロックの印刷情報を印刷
データストア4325からプリントバッファ4320の
シフト領域4320−1へ送信する。シフト領域が充填
された後、プリンタ30はデータのさらなる送信を停止
するビジー信号を生成する。図43L(C)によれば、
記録ヘッド4320は、一定の走査速度に達しており、
プリントバッファ4320の領域4320−2のデータ
をプリントアウトすることによって現在の走査のための
印刷データのプリントアウトを開始する。印刷された領
域を4315で示す。プリントバッファ4320−2の
ある領域が空になった後、プリンタ30は、追加のデー
タを受信する準備が完了したことをプリンタドライバ1
14に示すビジー信号を解放する。したがって、プリン
タドライバ114は、印刷データストア4325からプ
リントバッファ4320への次の走査に関する第2番目
のブロックの印刷データの送信を開始する。
【0301】記録ヘッド4330が往路方向への印刷を
継続すると、プリントバッファ4320の連続領域の印
刷データが空になり、それによって、印刷データストア
4325から次の走査のための印刷データを受信するプ
リントバッファ4320内の場所が解放される。この状
況は図43L(D)および図43L(E)に示されてお
り、この場合、領域4315へのプリントアウトによっ
てプリントバッファ4320の連続領域の印刷データが
空になり、プリンタドライバ114によって印刷データ
ストア4325からプリントバッファ4320へ連続す
るブロックの印刷データが送信される。
【0302】図43L(E)では、印刷データストア4
325からプリントバッファ4320へ次の走査に関す
る最後のブロックの印刷データが送信されている。しか
し、プリントバッファ4320内の現在の走査のための
印刷データが印刷されていないので、現在の走査に関す
る印刷はまだ完了していない。したがって、図43L
(F)に示すように、記録ヘッド4330は印刷を継続
し、プリントバッファ4320の追加の領域を解放す
る。図43L(E)に示したようにすべての印刷データ
がすでに送信されているので、次の走査のための印刷デ
ータにプリントバッファ4320の他の領域を解放する
必要はない。したがって、プリントバッファ4320の
新たに解放された領域は、図43L(A)〜図43L
(F)に示したように、復路方向の印刷時におけるシフ
ト領域として再割振りされる。いずれにしても、往路方
向の印刷が終了すると、記録ヘッド4330は4339
で一定の走査速度から静止位置にランプダウンする。
【0303】図43Mは、印刷データストア4325か
らプリントバッファ4320への次の走査のための印刷
データの転送を示し、この場合、プリントバッファ43
20は、領域4320−2ならびに空シフト領域432
0−1に現在の走査のための印刷データを含んでいる。
したがって、図43Mに示した印刷は図43Jに示した
印刷、すなわち、復路方向の印刷に類似している。しか
し、主として、より効率的なデータ転送を可能にするシ
フト領域4320−1が使用されているために、図43
Mに示したデータ転送は、図43Jに示したデータ転送
とは異なる。
【0304】ランプアップ領域4335での、静止位置
から一定の走査速度への記録ヘッド4330のランプア
ップ期間が終了する前に、プリンタ30は、プリントバ
ッファ4320内に空領域がある(図43M(A))た
め、ホストプロセッサ23にレディー信号(ready)を
示す。したがって、プリンタドライバ114は、次の走
査に関する第1番目のブロックの印刷データを印刷デー
タストア4325からシフト領域4320−1へ送信す
る。これは図43M(B)に示されており、この場合、
記録ヘッド4330は一定の走査速度へのランプアップ
を開始している。印刷データストア4325からシフト
領域4320−1へ第1番目のブロックの印刷データが
送信された後、プリンタ30は、もはや印刷データが送
信されないことをプリンタドライバ114に示すビジー
信号を生成する。
【0305】図43M(C)で、記録ヘッド4330は
一定の走査速度に達しており、復路方向への印刷を開始
している。復路方向には参照番号4316で示す領域へ
のプリントアウトによってプリントバッファ4320の
ある領域が空になる。このため、プリンタ30は、プリ
ンタ30自体が印刷データを受け入れられることをプリ
ンタドライバ114に示すレディー信号(ready)を生
成する。したがって、プリンタドライバ114は、次の
走査のための第2番目のブロックの印刷データを印刷デ
ータストア4325からプリントバッファ4320へ送
信する。
【0306】図43M(D)〜図43M(E)は、復路
方向における継続した印刷を示す。すなわち、図43M
(D)によれば、記録ヘッド4330は復路方向への印
刷を継続し、それによってプリントバッファ4320内
の印刷位置を空にする。印刷位置が空になったことに応
答して、プリンタドライバ114は、次の走査のための
連続ブロックの印刷データを、プリントバッファ432
0の連続的に空になった位置へ送信する。図43M
(E)によれば、印刷データストア4325からプリン
トバッファ4320へ次の走査に関する最後のブロック
の印刷データが送信されている。しかし、プリントバッ
ファ4320には印刷されていないデータが残っている
ので、復路方向への印刷はまだ完了していない。したが
って、図43M(F)に示したように、復路方向への印
刷が継続し、プリントバッファ4320の連続位置が空
になる。図43M(E)ですべてのそのようなデータが
送信されたので、空になった連続位置は、次の走査のた
めの印刷データには必要とされない。したがって、プリ
ントバッファ4320の空になった位置は、往路方向へ
のその後の印刷のためのシフト領域になる。
【0307】図43Lおよび図43Mに示した処理によ
り、シフト領域を使用することによって印刷データの転
送がより効率的になる。この場合、シフト領域は、往路
方向への印刷時にはプリントバッファの往路走査方向の
前端部に付加され、現在の印刷データ行の印刷が終了し
たときにはプリントバッファ4320の末端部に創成さ
れる。プリントバッファ4320の末端部に作成された
シフトバッファ(シフト領域)は、復路印刷方向におけ
る続く走査で使用される。したがって、プリンタドライ
バ114は、印刷データのランプアップ時にデータを送
信すべきプリントバッファ4320の空位置を有するの
で、印刷データ転送効率が向上する。
【0308】図43Nは、現在の走査のための印刷デー
タのサイズが次の走査のための印刷データのサイズより
も小さい図43Kと同様な状況でのデータの転送を示
す。しかし、図43Nに示したデータ転送では、データ
転送の効率を向上させるために、記録ヘッド4330の
ランプアップ期間に対応してシフト領域4320−5が
設けられる。
【0309】図43Nでは、プリントバッファ4320
は、現在の走査のための印刷データを含む領域4320
−1を含む。領域4320−2、領域4320−3、領
域4320−4は、印刷データを含まない空領域であ
る。参照番号4321は、ノズルオフセット長のために
設けられたプリントバッファ4320の領域である。参
照番号4320−5は、記録ヘッド4330のランプア
ップ期間に対応するシフト領域である。
【0310】図43N(A)に示したように、現在ホス
トプロセッサ23内の印刷データストア4325に記憶
されている次の走査のための印刷データは、現在の走査
のための印刷データよりもサイズが大きい。したがっ
て、空であり、かつ記録ヘッド4330がまだ印刷を開
始していない場合でもデータを受け入れることのできる
プリントバッファ4320の領域がある。この状況は図
43N(B)に示されており、この場合、静止位置から
一定の走査速度への記録ヘッド4330のランプアップ
が完了する前に、プリンタドライバ114によって印刷
データストア4325からプリントバッファ4320へ
次の走査に関する第1番目のブロックの印刷データが送
信される。この印刷データはシフト領域4320−5お
よび空領域4320−4に記憶される。その後、図43
N(C)に示したように、記録ヘッド4330は一定の
走査速度に達し、プリントバッファ4320の領域43
20−1内の印刷データに対応する第1の印刷位置を見
出すために往路走査方向にシークを開始する。この期間
中には、まだプリントバッファ4320に空領域が残っ
ているので、プリンタドライバ114は、次の走査に関
する第2番目のブロックの印刷データを印刷データスト
ア4325からプリントバッファ4320の空領域43
20−2へ送信する。
【0311】図43N(D)では、記録ヘッド4330
は第1の印刷位置に達しており、参照番号4315に示
したようにプリントアウトを開始する。記録ヘッド43
30は、印刷を継続するにつれて、プリントバッファ4
320の印刷データを空にし、それによって次の走査の
ための印刷データを受信するプリントバッファ4320
の領域を解放する。したがって、プリンタドライバ11
4は次の走査のための第3番目のブロックの印刷データ
を印刷データストア4325からプリントバッファ43
20へ送信する。
【0312】記録ヘッド4330は引き続き、往路方向
への印刷を行うにつれて、プリントバッファ4320内
の記憶位置を空にしていく。この状況は図43N(E)
に示されており、この場合、記録ヘッド4320は参照
番号4315で示した領域への現在の走査におけるすべ
ての印刷情報の印刷を完了している。プリンタドライバ
114は引き続き、次の走査に関するその後の印刷デー
タブロックをプリントバッファ4320の空になった位
置へ転送する。同時に、記録ヘッド4320は、次の走
査に関する印刷データの第1の印刷位置を見出すため往
路方向にシークを開始する。図43N(F)で、記録ヘ
ッド4330は、その位置に達し、一定の走査速度から
静止速度へのランプダウンを開始し、復路方向印刷がで
きるように走査方向を反転させる。
【0313】この場合、ランプダウン中と、復路方向印
刷のためのランプアップの前に、復路方向印刷のための
シフト領域用の空位置として領域4320−3を使用す
ることができる。したがって、次の順番となっている走
査のための印刷データが、プリントバッファ4320に
記憶されている印刷データ以上のサイズのものである場
合でも、次の走査のための印刷データを受け入れる空位
置がプリントバッファ4320内の領域4320−3に
ある。このため、プリンタドライバ114からプリント
バッファ4320への印刷データの伝送量が増加する。
【0314】復路方向印刷は全体的に、図43Jに示し
た線に沿って進み、ランプアップ時に次の走査のための
データがプリントバッファ4320の空位置へ転送さ
れ、プリントアウト時にプリントバッファの場所が空に
なるにつれて、印刷データブロックが順次、プリントバ
ッファへ転送される。
【0315】要約すれば、シフト領域を使用して印刷デ
ータの伝送効率を高めるには、プリンタドライバ側の制
御とプリンタ側の制御との間の協働が必要である。プリ
ンタドライバ側に関して言えば、プリンタドライバは、
現在の走査(すでに送信されている)および次の走査
(まだ送信されていない)の左縁部および右縁部を監視
する。次の走査の左縁部が現在の走査の左縁部よりも小
さい(即ち、より左側にある)場合、プリンタドライバ
は、現在の走査の左縁部に達するまでデータブロックを
送信する。同様に、次の走査の右縁部が現在の走査の右
縁部よりも大きい(即ち、より右側にある)場合、プリ
ンタドライバは、現在の走査の右縁部に達するまで次の
走査の右側に関するデータブロックを送信する。この処
理によって、次の走査のためのデータが現在の走査のた
めのデータよりも大きい場合、データはできるだけ効率
的に送信される。
【0316】また、次の走査の印刷領域が現在の走査の
印刷領域と重なり合う重なり領域では、プリンタドライ
バは、その重なり合う領域を小さなブロックに分割す
る。プリンタドライバは、プリンタからビジー信号また
はレディー信号を受信したことに応答して、この重なり
合う領域を小さなブロックの単位で送信する。現在の走
査が往路方向への走査である場合、プリンタドライバは
次の走査に関し重なり合うデータを小さなブロックの単
位で左から右へ送信する。これに対して、現在の走査が
復路方向への走査である場合、プリンタドライバは次の
走査に関し重なり合う領域を小さなブロックの単位で右
から左へ送信する。
【0317】一方、プリンタ側に関して言えば、現在の
走査に関する印刷を開始すると、プリンタは記録ヘッド
の位置についてモニタを続ける。(プリンタがキャリッ
ジ移動を監視することによって更新されていくのである
が)受信した印刷データブロックの右端が現在の走査の
ためのデータの左端よりもさらに左側にあることが判明
した場合、プリンタはただちに、受信したデータブロッ
クをプリントバッファに入れる。同様に、(プリンタが
キャリッジ移動を監視することによって更新されていく
のであるが)次の走査のために受信した印刷データブロ
ックの左端が現在の走査のためのデータの右端よりもさ
らに右側にあることが判明した場合、プリンタはただち
に、受信したデータブロックをプリントバッファに入れ
る。重なり合った領域、即ち、受信したデータブロック
が現在の走査の印刷領域と重なり合っている領域に関し
て言えば、プリンタはビジー信号を発行し、プリンタド
ライバからの追加の印刷データの送信を停止する。プリ
ンタがキャリッジ移動を監視することにより更新されて
いくにつれて、プリンタドライバによって指定されたブ
ロックが完全に空になったことが判明すると、プリンタ
は受信したデータブロックをプリントバッファに入れ、
ビジー信号を解放し、追加の情報を受信する準備が完了
したことをプリンタドライバに示す。
【0318】いずれの場合も、現在の走査が往路方向で
ある場合、プリンタはプリントバッファの(往路方向で
測定された)シフト領域の終端から印刷を開始し、それ
に対して現在の走査が復路方向である場合、プリンタは
プリントバッファの(復路方向で測定された)シフト領
域の終端から印刷を開始する。
【0319】このような一般的な手順を図43O〜図4
3Rに示す。図43O〜図43Rは、現在の印刷データ
が次の走査のための印刷データよりも小さいサイズであ
る場合において、それぞれにシフト領域を有する2つの
プリントバッファを使用した2つの記録ヘッドによる印
刷を示す。図43O〜図43Rに示す印刷は、往路方向
への印刷であるが、上記で概説した一般的な指針から、
復路方向への印刷およびデータ転送は相補的に進むこと
が認識されよう。
【0320】図43O(A)で、デュアル記録ヘッド4
330Aおよび4330Bは、互いの間隔が横方向に距
離4340であるように設けられ、静止位置から433
5でのランプアップ期間を経て一定の走査速度に達し、
一定の走査速度での印刷領域4338を経て、4339
のランプダウン期間で一定の走査速度から静止位置に達
するように、一定の走査速度で印刷するように配置され
る。各記録ヘッドごとに1つのプリントバッファが設け
られ、記録ヘッド4330Aにはプリントバッファ43
20Aが設けられ、記録ヘッド4330Bにはプリント
バッファ4320Bが設けられる。各プリントバッファ
は現在の走査のための印刷データを含み、次の走査のた
めの印刷データのサイズは現在の走査のための印刷デー
タのサイズよりも大きい。したがって、プリントバッフ
ァ4320Aの場合、現在の走査のための印刷データは
領域4320A−4に記憶され、領域4320A−1、
領域4320A−2、領域4320A−3は空である。
データ転送の効率を高めるためにプリントバッファ43
20Aの先頭にシフト領域4320A−5が設けられ
る。4321はノズル・オフセット長の記憶位置を示
す。
【0321】同様に、プリントバッファ4320Bの場
合、領域4320B−4は現在の走査のための印刷デー
タを含む。領域4320B−1、領域4320B−2、
領域4320B−3は空である。プリントバッファ43
20Bへのデータ送信の効率を高めるためにプリントバ
ッファ4320Bの先頭にシフト領域4320B−5が
設けられ、4321はノズル・オフセットの記憶位置を
示す。
【0322】ホストプロセッサ側では、各記録ヘッドご
とに1つの印刷データストアが設けられる。したがっ
て、データストア4325Aは、記録ヘッド4330A
用に設けられ次の走査のための印刷データを記憶し、印
刷データストア4325Bは、記録ヘッド4330B用
に設けられ、記録ヘッド4330Bに関する次の走査の
ための印刷データを記憶する。
【0323】図43O(B)では、記録ヘッド4330
Aおよび4330Bは、記録媒体を横切りながら静止位
置から一定の走査速度へのランプアップを開始する。プ
リンタドライバ114は、プリンタ30からのビジー信
号がないので、すでに送信された印刷データに基づい
て、記録ヘッド4330Aの次の走査のためデータの左
端が現在の走査のための印刷データの左端よりもより左
側にあると判定し、第1番目のブロックの印刷データを
印刷データストア4325Aからプリントバッファ43
20Aへ送信する。このブロックはシフト領域4320
A−5および領域4320A−1に記憶される。同様
に、プリンタドライバ114は、記録ヘッド4330B
の次の走査のためのデータの左端が記録ヘッドBの現在
の走査のためのデータの左端よりもより左側にあると判
定する。したがって、プリンタドライバ114は、記録
ヘッド4330Bに関する1ブロック分の印刷データを
印刷データストア4325Bからプリントバッファ43
20Bへ送信する。次の走査のための印刷データブロッ
クはシフト領域4320B−5および領域4320B−
1に記憶される。
【0324】図43O(C)では、記録ヘッド4330
Aおよび4330Bは、一定の走査速度に達しており、
記録ヘッド4330Aおよび4330Bのどちらかに関
して、第1の印刷位置を見出すために往路方向にシーク
を開始する。プリントバッファ4320Aおよび432
0Bには空領域が残っており、プリンタドライバ114
が、現在の走査に関する既存の印刷データと重なり合う
データを送信していないので、プリンタ30はまだビジ
ー信号を送信していない。したがって、プリンタドライ
バ114は、プリンタが追加の印刷データを受け入れる
準備を完了していると判定し、印刷データを適切に送信
する。この場合、記録ヘッド4330Aに関する次の走
査のためのデータの右端が現在の走査のための印刷デー
タの右端よりもより右側にあるので、プリンタドライバ
114は印刷データブロックを印刷データストア432
5Aからプリントバッファ4320Aへ送信する。この
場合、送信されたデータは領域4320A−2に記憶さ
れる。プリンタドライバ114は記録ヘッド4330A
に関する新しい印刷データを送信しようとするが、送信
されたデータがプリントバッファ内の空ではない場所と
重なり合うので、そのような送信はプリンタがビジー信
号を生成する原因となる。この時点で、プリンタドライ
バ114は、記録ヘッド4330Aの場合、次の走査の
ためのデータの左端が現在の走査のためのデータの左端
よりより右側にあり、かつ次の走査のためのデータの右
端が現在の走査のためのデータの右端よりより左側にあ
ると判定する。したがって、ビジー信号がクリアされる
まで記録ヘッド4330Aに関する印刷データがプリン
タドライバによって送信されることはない。
【0325】一方、プリンタドライバ114は、記録ヘ
ッド4330Bに関する次の走査のためのデータの右端
が現在の走査のための印刷データの右端よりも右側にあ
ると判定する。したがって、印刷データストア4325
Bからプリントバッファ4320Bへ印刷データブロッ
クが送信される。この場合、送信されたデータブロック
は領域4320B−2に記憶される。プリンタドライバ
114は記録ヘッド4330Bに関する追加の印刷デー
タを送信しようとするが、送信されたデータがプリント
バッファ内の空ではない場所と重なり合うので、そのよ
うな送信はプリンタがビジー信号を生成する原因とな
る。この時点で、プリンタドライバ114は、記録ヘッ
ド4330Bに関し、次の走査のための印刷データの左
端が現在の走査のための印刷データの左端より右側にあ
り、かつ次の走査のための印刷データの右端が現在の走
査のための印刷データの右端より左側にあると判定す
る。したがって、ビジー信号がクリアされるまで記録ヘ
ッド4330Bに関する印刷データがプリンタドライバ
に送信されることはない。
【0326】この時点で、プリンタドライバ114から
プリンタ30へはさらなるデータが送信されることはな
い。プリンタドライバ114は、記録ヘッド4330A
と記録ヘッド4330Bのどちらかに関する印刷データ
を送信する場合、後続の印刷データブロックを記憶すべ
きプリントバッファ内の位置をプリンタに指定する[E
DGE]コマンドをデータの前に送信する。プリンタ
は、[EDGE]コマンドによって指定された位置に基
づいて、ドライバ114からの後続の印刷データブロッ
クがプリントバッファ内の空ではない場所と重なり合う
ことを知る。次いで、送信される印刷データが印刷され
ていない印刷データであり、したがって、プリンタ30
自体が追加の印刷データを受信する準備を完了していな
いので、プリンタはビジー信号を発行する。
【0327】図43P(A)では、記録ヘッド4330
Aおよび4330Bの往路方向へのシークが継続され、
記録ヘッド4330Bがその第1の印刷位置に達してい
る。したがって、参照番号4315Bで示した領域には
プリントアウトが開始され、それによってプリントバッ
ファ4320B内のある位置が空になる。プリンタドラ
イバ114は、次の走査のための印刷領域を小さなブロ
ックに分割しており、第1番目の小さなブロックを印刷
データストア4325Aからプリントバッファ4320
Bへ送信する。プリンタ30は、記録ヘッド4330B
の現在位置に基づいて、プリントバッファ4320Bの
ある場所が空であることを検知し、送信されたブロック
をただちに記憶できるようにする。
【0328】図43P(B)では、記録ヘッド4330
Bが引き続き往路方向への印刷を行い、プリントバッフ
ァ4320B内にさらに空の場所ができ、それによっ
て、プリンタドライバ114による印刷データストア4
325Bからプリントバッファ4320Bへのデータの
転送が可能になる。同時に、記録ヘッド4330Aはそ
の第1の印刷位置に達している(厳密には、記録ヘッド
4330Aはノズル・オフセット領域4321A内の第
1の印刷位置に達している)。したがって、記録ヘッド
4330Aによる印刷が開始し、記録ヘッド4330B
も印刷を継続する。
【0329】図43P(C)では、参照番号4315B
で示された領域に記録ヘッド4330Bによる印刷が継
続し、プリントバッファ4320B内にはさらに空の場
所ができる。プリンタドライバ114は、次の走査に関
するさらなる印刷データブロックを印刷データストア4
325Bからプリントバッファ4320Bへ送信する。
これらの場所は空であるので、プリンタ30は、送信さ
れたブロックをただちに記憶できる。
【0330】その間、領域4315Aで示したように記
録ヘッド4330Aは印刷を開始しており、それによっ
てプリントバッファ4320A内のある位置が空にな
る。したがって、プリンタドライバ114は、次の走査
のための印刷データブロックを印刷データストア432
5Aからプリントバッファ4320Aへ送信する。プリ
ントバッファ4320A内の上記の位置が空であり、重
なり合ったデータ(現在の走査に関するまだ印刷されて
いないデータ)を含まないので、プリンタ30は、送信
されたデータをただちにプリントバッファ4320Aへ
記憶することが可能である。
【0331】図43Q(A)および図43Q(B)で、
記録ヘッド4330Aおよび4330Bはそれぞれ、領
域4315Aおよび4315Bで示したように印刷を継
続する。引き続き印刷を行うことによって、プリントバ
ッファ4320Aおよび4320B内にはさらに空の場
所が空できる。したがって、プリンタドライバ114
は、次の走査に関するさらなる印刷データをブロックご
とに、印刷データストア4325Aおよび4325Bか
ら、それぞれプリントバッファ4320Aおよび432
0Bの空きの場所へ送信する。この処理と、次の走査の
ための印刷データがプリンタドライバ114から両方の
ヘッドへの送信のため利用可能となるようにさせるすべ
ての処理との間に、ドライバ114はどちらのヘッドが
最初に送信を受けるか(すなわち、記録ヘッド4330
Aへ送信し、その後に記録ヘッド4330Bへ送信する
か、あるいは記録ヘッド4330Bへ送信し、その後に
記録ヘッド4330Aへ送信する)を判定する。ドライ
バは、どちらのヘッドが最初にブロックを空にする可能
性が高いか、重なり合った領域の相対位置に基づいて、
この判定を下す。この処理については、図44C〜図4
4Jに関連して後で説明する。これらの図では、印刷デ
ータブロックを記録ヘッドAへ送信し、その後に記録ヘ
ッドBへ送信すべきか、それとも記録ヘッドBへ送信
し、その後に記録ヘッドAへ送信すべきかを判定する手
順について説明している。
【0332】図43Q(C)では、記録ヘッド4330
Bの印刷が終了し、それによってプリントバッファ43
20Bの最後の位置が空になる。したがって、プリンタ
ドライバ114は、次の走査に関する最後の残りの印刷
データブロックを印刷データストア4325Bからプリ
ントバッファ4320Bへ送信する。同時に、領域43
15Aで示したように記録ヘッド4330Aのプリント
アウトが継続し、プリントバッファ4320A内にはさ
らに空の場所ができる。これらの場所が空になると、プ
リンタドライバ114は次の走査のための印刷データブ
ロックを印刷データストア4325Aからプリントバッ
ファ4320Aへ送信する。
【0333】図43R(A)および図43R(B)で
は、記録ヘッド4330Aの印刷が継続し、プリントバ
ッファ4320Aにさらに空きの場所ができる。これら
の場所が空になると、これらはドライバ114によって
印刷データストア4325Aからプリントバッファ43
20Aへブロックごとに送信された次の走査のための印
刷データで充填される。図43R(B)で、記録ヘッド
4330Aの現在の印刷データのプリントアウトが完了
し、最後のブロックが印刷データストア4325Aから
プリントバッファ4320Aへ送信される。記録ヘッド
4330Aおよび記録ヘッド4330Bは次いで、次の
走査のための印刷データに関する第1の印刷位置に達す
るように往路方向にシークを開始する。
【0334】図43R(C)では、記録ヘッド4330
Aおよび記録ヘッド4330Bは、次の走査ラインの復
路方向印刷の第1の印刷位置に達した後、一定の走査速
度から静止位置にランプダウンする。その時点で、領域
4320A−3および領域4320B−3はそれぞれ、
プリントバッファ4320Aおよび4320B内の空の
場所になる。したがって、これらの空領域は、プリント
バッファ4320Aおよび4320Bに記憶されている
今や現在の走査となった走査のため印刷データでの復路
方向印刷のランプアップ期間中に次の走査のための印刷
データを受信するシフト領域になる。 9.2 バッファ制御の概要説明 図44C〜図44Jに示すフローチャートは、本発明に
よるシフトバッファ制御によって、印刷データストア1
36からプリントバッファ139に次の走査ラインの印
刷データのデータ送信を行うためにプリンタドライバ1
14の実行の一部として、ホストプロセッサ23のCP
U100によって実行されるプロセスステップを示して
いる。これらのフローチャートに示したプロセスステッ
プは、ディスク25などコンピュータ読取り可能な媒体
上またはRAM116内にコンピュータ実行可能なプロ
セスステップとして格納され、本発明によるシフトバッ
ファ制御を行うためにCPU100によって実行され
る。
【0335】同様に、図44K〜図44Mに示すフロー
チャートは、本発明によるプリントバッファ制御を行う
ためにプリンタ30のCPU121によって実行される
プロセスステップを示す。これらのフローチャートに示
したプロセスステップは、本発明による記録制御を行う
ためにCPU121によって実行できるように、ROM
122などコンピュータ読取り可能な媒体上またはRA
M129内にコンピュータ読取り可能なプロセスステッ
プとして格納される。
【0336】これらのフローチャートに示したプロセス
ステップによれば、本発明によるプリントバッファ制御
では、シフト領域が先頭に設けられたプリントバッファ
が定義され、このシフト領域は記録ヘッドの往路方向で
のランプアップ期間に対応する。復路方向印刷では、プ
リントバッファは、その終端に付加されたシフト領域を
含み、このシフト・バッファは復路方向印刷時の記録ヘ
ッドのランプアップ期間に対応する。往路方向への印刷
用のシフトバッファは復路方向への印刷用のプリントバ
ッファの一部であり、復路方向への印刷用のシフトバッ
ファは往路方向への印刷用のプリントバッファの一部で
ある。
【0337】この構成では、プリントバッファにシフト
バッファが付加されるか、あるいはプリントバッファの
先頭にシフトバッファが設けられ、プリンタドライバは
常に、記録ヘッドのランプアップ期間中に次の走査ライ
ンの印刷データを送信するための場所をもっている。し
たがって、プリンタドライバからプリンタへ次の走査ラ
インの印刷データを送信する際の効率が高められる。
【0338】さらに、シフト領域がランプアップ期間に
対応し、かつ往路方向のシフトバッファが復路方向への
印刷用のプリントバッファの一部であり、その逆も同様
であるので、従来型のダブルバッファ構造などの大容量
の付加的なプリントバッファの場所を設ける必要なし
に、印刷データを送信する際の効率が高められる。
【0339】図44C〜図44Jに示すフローチャート
および図44K〜図44Mに示すフローチャートについ
て説明する前に、これらのフローチャートで使用されて
いるある変数について図44Aと図44Bを参照して説
明する。このような変数は、プリンタ30上でのプリン
トバッファ内の記憶位置までの物理的距離と、プリント
バッファ内の記憶位置と記録媒体上のプリントアウト位
置との対応関係とに対応している。
【0340】図44Aは、往路方向への印刷に関する変
数の識別を示す。したがって、プリントバッファ432
0Aおよび4320Bにおいて現在の走査のための印刷
データを用いた記録ヘッド4330Aおよび4330B
での往路方向への印刷と、印刷データストア4325A
および4325Bからの次の走査のための印刷データの
送信とに関して、以下の変数が定義される。即ち、ヘッ
ド・ギャップ4340は記録ヘッド4330Aと記録ヘ
ッド4330Bとの間の距離を定義し、ヘッド位置Aお
よびヘッド位置Bはそれぞれ、記録ヘッド4330Aお
よび記録ヘッド4330Bの現在のキャリッジ位置を定
義し、BuffTop_FおよびBuffEnd_Fは
往路方向への印刷の場合のプリントバッファ4320A
および4320Bの先頭および終端を定義し、Edge
L_AcおよびEdgeR_Acは記録ヘッド4330
Aに関する現在の走査のためのデータの左端および右端
を定義し、EdgeL_BcおよびEdgeR_Bcは
記録ヘッド4330Bに関する現在の走査のための印刷
データの左端および右端を定義し、ShiftLenは
シフト領域の長さを定義し、参照符号1203は、記録
ヘッド内のノズルの傾斜角度を補償するためのノズル・
オフセット長を定義し、EdgeL_AnおよびEdg
eR_Anは記録ヘッド4330Aに関する次の走査の
ためのデータの左端および右端を指し、EdgeL_B
nおよびEdgeR_Bnは記録ヘッド4330Bに関
する次の走査のための印刷データの左端および右端を定
義し、BlockLenは、プリンタドライバ114が
次の走査のための印刷データをブロックごとにプリント
バッファ4320Aおよび4320Bへ送信できるよう
に分割する場合のブロックの幅を定義し、BlockL
eftおよびBlockRightは、現在送信するこ
とが検討されている個々のブロックの左アドレスおよび
右アドレスを示す。
【0341】図44Bは、記録ヘッド4330Aおよび
記録ヘッド4330Bによる復路方向への印刷に関する
変数を識別したものである。したがって、プリントバッ
ファ4320Aおよび4320Bにおける現在の走査の
ための印刷データを用いた記録ヘッド4330Aおよび
記録ヘッド4330Bによる復路方向の印刷と、印刷デ
ータストア4325Aおよび4325Bからの次の走査
のための印刷データの送信とに関して、以下の変数が定
義される。即ち、ヘッド・ギャップ4340は記録ヘッ
ド4330Aと記録ヘッド4330Bとの間の距離を定
義し、ヘッド位置Aおよびヘッド位置Bはそれぞれ、記
録ヘッド4330Aおよび記録ヘッド4330Bの現在
のキャリッジ位置を定義し、BuffTop_Bおよび
BuffEnd_Bは復路方向印刷の場合のプリントバ
ッファ4320Aおよび4320Bの先頭および終端を
定義し、EdgeL_AcおよびEdgeR_Acは記
録ヘッド4330Aに関する現在の走査のためのデータ
の左端および右端を定義し、EdgeL_BcおよびE
dgeR_Bcは記録ヘッド4330Bに関する現在の
走査のための印刷データの左端および右端を定義し、S
hiftLenはシフト領域の長さを定義し、参照符号
1203は、記録ヘッド内のノズルの傾斜角度を補償す
るためのノズル・オフセット長を定義し、EdgeL_
AnおよびEdgeR_Anは記録ヘッド4330Aに
関する次の走査のためのデータの左端および右端を指
し、EdgeL_BnおよびEdgeR_Bnは記録ヘ
ッド4330Bに関する次の走査のための印刷データの
左端および右端を定義し、BlockLenは、プリン
タドライバ114が次の走査のための印刷データをブロ
ックごとにプリントバッファ4320Aおよび4320
Bへ送信できるように分割する場合のブロックの幅を定
義し、BlockLeftおよびBlockRight
は、現在送信することが検討されている個々のブロック
の左アドレスおよび右アドレスを示す。
【0342】上記で指摘した変数の適切な値の代表的な
例としては、プリントバッファAおよびBの長さとして
8インチ、小さなデータのブロックの長さとして0.5
インチ、記録ヘッド4330Aと記録ヘッド4330B
との間のギャップとして2.5インチ、シフトバッファ
領域として752カラム、ノズル・オフセット長として
32カラムが挙げられる。現在の走査領域および次の走
査領域の長さは、印刷中の実際のデータに依存する。た
とえば、図43O〜図43Rで与えた例では、現在の走
査による印刷データの長さは約3インチであり、それに
対して次の走査による印刷領域の長さは8インチであ
る。
【0343】なお、以下の説明で、記録ヘッド4330
AをヘッドA、記録ヘッド4330BをヘッドBとし
て、また、プリントバッファ4320Aをプリントバッ
ファA、プリントバッファ4320Bをプリントバッフ
ァBとして言及することもある。
【0344】次に、図44C〜図44Jのフローチャー
トを参照し、ホストプロセッサ23内のCPU100に
よって実行される記憶されたプログラム命令シーケンス
に従ってプリンタドライバ114によって行われる処理
について詳しく説明する。
【0345】最初にステップS4401で、ホストプロ
セッサ23からプリンタ30へのコマンドによって次の
走査方向(往路方向または復路方向)が設定され、ステ
ップS4402で現在の走査のための印刷データの端が
定義される。プリントバッファA内の印刷データの左端
(EdgeL_A)は、"EdgeL_Ac(現在の走
査の印刷データの左端)−ノズル・オフセット長"に設
定される。プリントバッファA内の印刷データの右端
(EdgeR_A)は、"EdgeR_Ac(現在の走
査の印刷データの右端)+ノズル・オフセット長"に設
定される。プリントバッファB内の印刷データの左端
(EdgeL_B)は、"EdgeL_Bc(現在の走
査の印刷データの左端)−ノズル・オフセット長"に設
定される。プリントバッファB内の印刷データの右端
(EdgeR_B)は、"EdgeR_Bc(現在の走
査の印刷データの右端)+ノズル・オフセット長"に設
定される。前述のように、ノズル・オフセット長は、記
録ヘッド上のノズルの傾斜に対応する領域についてのプ
リントバッファ内の記憶位置に対応している。
【0346】ステップS4404で、プリンタドライバ
114は、現在の走査方向が往路方向であるか、それと
も復路方向であるかを判定する。往路方向への印刷の場
合、処理フローはステップS4405に進み、次の走査
の印刷方向が決定される。ステップS4405で、次の
走査の印刷方向が復路方向であると判定された場合、ス
テップS4406で、ランプアップ期間中に充填される
各プリントバッファの記憶位置に対応するシフト領域の
長さを加えることによって端(EdgeL_A、Edg
eL_B、EdgeR_A、EdgeR_B)が調整さ
れる。
【0347】ステップS4407〜S4416で、記録
ヘッド4330Aおよび4330Bのそれぞれについ
て、次の走査の左端が現在の走査の左端よりも左側にあ
る(プリントバッファの左端部に空き領域が存在するこ
とを意味する)かどうかが判定され、そうである場合、
印刷データストア4335Aおよび/または4335B
からプリントバッファ4320Aおよび/または432
0Bへ次の走査のための印刷データが送信され、現在の
印刷が往路方向への印刷であるときには、シフト領域を
含むプリントバッファの左側が充填される。ステップS
4407〜S4411では、プリントバッファ4320
Aがその左端部へのデータ転送のために処理される。次
の走査のための印刷データの左端(EdgeL_An)
が、現在の走査に対応するEdgeL_Aよりも小さい
(即ち、より左側にある)ことが判定されると、ブロッ
ク選択コマンド[BLOCK]およびデータコマンド
[DATA]がプリンタ30へ送信される。ブロック選
択コマンドは、EdgeL_An(すなわち、次の走査
の左端)のブロック左端アドレスおよび(EdgeL_
A)−1(すなわち、現在の走査の左端−1)のブロッ
ク右端アドレスと共に送信される。次の走査の左端(E
dgeL_An)はその後、Edge_Aに再設定され
る(S4411)。処理フローはさらに進み、プリント
バッファ4320Bを処理してその左端部へのデータ送
信が可能になるようにする。
【0348】図44C〜図44D中のすべてのステップ
の処理が、プリンタドライバ114がプリンタ30のプ
リントバッファ内のどの場所が空であるかを判定し、そ
の空きの場所へデータを送信することができるように設
計されることに留意されたい。したがって、プリンタ3
0が、データを受け入れる準備が完了していないことを
示すビジー信号を発行する可能性は低い。しかし、プリ
ンタ30が(たとえば、ヘッドの清掃などの記録動作で
はない動作に関連して)ビジー信号を発行した場合、プ
リンタドライバ114は、ビジー信号がクリアされプリ
ンタ30がデータを受け入れる準備を再び完了するまで
データの送信を停止する。
【0349】プリントバッファ4320Bは次いでステ
ップS4412〜S4416で、その左端へのデータ転
送のために処理される。次の走査のための印刷データの
左端(EdgeL_Bn)が現在の走査に関して設定さ
れたEdgeL_Bよりも小さい(即ち、より左側にあ
る)と判定されると、ブロック選択コマンド[BLOC
K]およびデータコマンド[DATA]がプリンタ30
へ送信される。ブロック選択コマンドは、EdgeL_
Bn(すなわち、次の走査の左端)のブロック左端アド
レスおよび(EdgeL_B)−1(すなわち、現在の
走査の左端−1)のブロック右端アドレスと共に送信さ
れる。次の走査の左端(EdgeL_Bn)はその後、
EdgeL_Bに再設定される(S4416)。
【0350】ステップS4417〜S4426では、記
録ヘッド4330Aおよび4330Bのそれぞれについ
て、次の走査の右端が現在の走査の右端よりも大きい、
つまり、次の走査の右端が現在の走査の右端より右側に
ある(プリントバッファの右端に空き領域が存在するこ
とを意味する)かどうかが判定され、そうである場合、
印刷データストア4325Aおよび/または4325B
からプリントバッファ4320Aおよび/または432
0Bへ次の走査のための印刷データが送信され、現在の
印刷方向が往路方向であるときにはプリントバッファの
右側にデータが充填される。ステップS4417〜S4
421で、プリントバッファ4320Aがその右端への
データ転送のために処理される。次の走査のための印刷
データの右端(EdgeR_An)がEdgeR_Aよ
りも大きいことが判定されると、ブロック選択コマンド
[BLOCK]およびデータコマンド[DATA]がプ
リンタ30へ送信される。ブロック選択コマンドは、
(EdgeR_A)+1(すなわち、現在の走査の右端
+1)のブロック左端アドレスおよびEdgeR_An
(すなわち、次の走査の右端)のブロック右端アドレス
と共に送信される。次の走査のブロック右端(Edge
R_An)はその後、EdgeR_Aに再設定される
(S4421)。処理フローはさらに進み、バッファ4
320Bを処理してその右端へのデータ送信が可能にな
るようにする。
【0351】プリントバッファ4320Bは次いでステ
ップS4425〜S4426で、その右端へのデータ転
送のために処理される。次の走査のための印刷データの
右端(EdgeR_Bn)が現在の走査に関して設定さ
れたEdgeR_Bよりも大きいと判定されると、ブロ
ック選択コマンド[BLOCK]およびデータコマンド
[DATA]がプリンタ30へ送信される。ブロック選
択コマンドは、(EdgeR_Bn)+1(すなわち、
現在の走査の右端)のブロック左端アドレスおよびEd
geR_Bn(すなわち、次の走査の右端)のブロック
右端アドレスと共に送信される。次の走査の右端(Ed
geR_Bn)はその後、EdgeR_Bに再設定され
る(S4426)。
【0352】前述のステップS4405〜S4426の
動作は、記録ヘッド4330Aおよび4330Bのラン
プアップ期間中およびその前に実行される。本発明によ
れば、プリントバッファ4320Aおよび4320B内
のどこに空の格納場所があるかが判定され、これらのプ
リントバッファの印刷位置を現在の走査による処理より
も前に、ホストプロセッサ23の印刷データストア13
6からそれぞれのプリントバッファへ印刷データが送信
される。
【0353】ステップS4427〜S4435は、ステ
ップS4405〜S4426によるデータ転送の後、現
在の走査中における印刷データの転送を示している。実
際には、ステップS4405〜S4426でのデータ転
送がランプアップ期間の終了時よりも前に完了した場
合、印刷データ転送の速度に応じて、ランプアップ期間
中にこれらのステップの一部を実際に実行することがで
きる。これらのステップでは、重なり合ったデータがプ
リントバッファ4320Aのみにあるか、それともプリ
ントバッファ4320Bのみにあるか、それともプリン
トバッファ4320Aとプリントバッファ4320Bの
両方にあるかが判定される。プリントバッファ4320
Aとプリントバッファ4320Bの両方に重なり合いが
ある場合は、これらのステップでさらに、プリントバッ
ファ4320Bに対するデータをプリントバッファ43
20Aに対するデータの前に置くべきか、あるいはその
逆にすべきかが判定される。
【0354】図44E〜図44Fに示したステップは、
プリンタドライバ114によって送信されたデータとプ
リントバッファ139内のまだ印刷されていないデータ
とが重なり合っている可能性があるときに実行される。
したがって、プリンタドライバ114によるデータの送
信は、プリンタ30からのビジー信号を条件として行わ
れる。ビジー信号がある場合、プリンタドライバ114
は、ビジー信号がクリアされプリンタ30が新しい印刷
データを受け入れる準備を再び完了するまでデータの送
信を停止する。
【0355】したがって、ステップS4427およびS
4429で、プリンタドライバ114は、次の走査の
(EdgeL_An)の値が次の走査の(EdgeR_
An)の値よりも小さく、かつ次の走査の(EdgeL
_Bn)の値が次の走査の(EdgeR_Bn)以上で
あるかどうかを調べる。これらの条件が満たされた場
合、重なり合ったデータがあるのはプリントバッファ4
320Aのみである。したがって、プリントバッファ4
320Aに対する1つの所定の小さなブロックの印刷デ
ータが、そのブロックの左ブロックアドレスから右ブロ
ックアドレスまでプリントバッファ4320Aへ送信さ
れる(ステップS4431、図44G参照)。次いで、
ステップS4427が再開され、次の小さなブロックを
転送する印刷データの転送が行われる。
【0356】ステップS4427およびS4432で、
プリンタドライバ114は、次の走査の(EdgeL_
An)の値が次の走査の(EdgeR_An)の値以上
であり、かつ次の走査の(EdgeL_Bn)の値が次
の走査の(EdgeR_Bn)の値よりも小さいかどう
かを調べる。これらの条件が満たされた場合、重なり合
ったデータがあるのはプリントバッファ4320Bのみ
である。したがって、プリントバッファ4320Bに対
する1つの所定の小さなブロックの印刷データが、その
ブロックの左ブロックアドレスから右ブロックアドレス
までプリントバッファ4320Bへ送信される(ステッ
プS4434、図44H参照)。次いで、ステップS4
427が再開され、次の小さなブロックを転送する印刷
データの転送が行われる。
【0357】ステップS4427およびS4429で、
プリンタドライバ114は、次の走査の(EdgeL_
An)が次の走査の(EdgeR_An)よりも小さ
く、かつ次の走査の(EdgeL_Bn)が次の走査の
(EdgeR_Bn)よりも小さいかどうかを調べる。
これらの条件が満たされた場合、プリントバッファ43
20Aとプリントバッファ4320Bの両方に、重なり
合ったデータがある。次いでステップS4430で、プ
リントバッファ4320Aに対するデータがプリントバ
ッファ4320Bに対するデータの前に位置している
か、それともその逆であるかが判定される。
【0358】具体的には、ステップS4430で、(E
dgeL_Bn)の値が(EdgeL_An+記録ヘッ
ド4330Aと記録ヘッド4330Bとの間のギャッ
プ)の値以上であるかどうかが判定される。そうである
場合、プリントバッファ4320Aに対するデータがプ
リントバッファ4320Bに対するデータの前に位置し
ている。したがって、プリントバッファ4320Aに対
する小さな所定の印刷データブロックが、ホストプロセ
ッサ23の印刷データストア136からプリントバッフ
ァ4320Aへ送信される(ステップS4431)。一
方、ステップS4430での判定が"NO"である場合
は、プリントバッファ4320Bに対するデータがプリ
ントバッファ4320Aに対するデータの前に位置して
いることを示す。したがって、プリントバッファ432
0Bに対する小さな所定の印刷データブロックがホスト
プロセッサ23の印刷データストア136からプリント
バッファ4320Bへ送信され(ステップS443
4)、制御がステップS4427に返される。
【0359】ステップS4427およびS4432で、
(EdgeL_An)の値が(EdgeR_An)の値
以上であり、かつ(EdgeL_Bn)の値が(Edg
eR_Bn)の値以上であると判定されたときは、転送
が完了しており、ステップS4435で次の走査ライン
に対する印刷コマンド[PRINT]がプリンタ30へ
送信される。
【0360】再び図44Cを参照するとわかるように、
ステップS4404で、現在の走査方向が復路方向であ
ると判定されると、ステップS4445で、次の走査の
印刷方向が判定される。ステップS4445で、次の走
査が往路方向であると判定された場合、ステップS44
46で、ランプアップ期間中に充填される各プリントバ
ッファの格納位置からシフト領域長を減じることによっ
て、エッジ(EdgeL_A、EdgeL_B、Edg
eR_A、EdgeR_B)が調整される。
【0361】ステップS4447〜S4466で、記録
ヘッド4330Aおよび4330Bのそれぞれについ
て、次の走査の右端が現在の走査の右端よりも大きい、
つまり、次の走査の右端が現在の走査の右端よりも右側
にある(プリントバッファの右端に空きの領域が存在す
ることを意味する)かどうかが判定され、そうである場
合、印刷データストア4325Aおよび/または432
5Bからプリントバッファ4320Aおよび/または4
320Bへ次の走査の印刷データが送信され、現在の印
刷が復路方向印刷であるときには、シフト領域を含むプ
リントバッファ4320Aおよび/または4320Bの
右側にデータが充填される。ステップS4447〜S4
451で、プリントバッファ4320Aがその右端への
データ転送のために処理される。次の走査の印刷データ
の右端(EdgeR_An)が、現在の走査に対応する
EdgeR_Aよりも大きいことが判定されると(ステ
ップS4447)、ブロック選択コマンド[BLOC
K]およびデータコマンド[DATA]がプリンタ30
へ送信される。ブロック選択コマンドは、(EdgeR
_A)+1(すなわち、現在の走査の右端+1)のブロ
ック左端アドレスおよびEdgeR_An(すなわち、
次の走査の右端)のブロック右端アドレスと共に送信さ
れる。次の走査の左端(EdgeR_A)はその後、E
dgeR_Aに再設定される(S4451)。
【0362】プリントバッファ4320Bは次いでステ
ップS4452〜S4456で、その右端へのデータ転
送のために処理される。次の走査の印刷データの右端
(EdgeR_Bn)が現在の走査に対応するEdge
R_Bよりも大きいと判定されると、ブロック選択コマ
ンド[BLOCK]およびデータコマンド[DATA]
がプリンタ30へ送信される。ブロック選択コマンド
は、(EdgeR_B)+1(すなわち、現在の走査の
右端+1)のブロック左端アドレスおよびEdgeR_
Bn(すなわち、次の走査の右端)のブロック右端アド
レスと共に送信される。次の走査の右端(EdgeR_
Bn)はその後、EdgeR_Bに再設定される(S4
456)。
【0363】ステップS4456〜S4459で、記録
ヘッド4330Aおよび4330Bのそれぞれについ
て、次の走査の左端が現在の走査の左端よりも小さい、
つまり、次の走査の左端が現在の走査の左端よりも左側
にある(プリントバッファ4320Aおよび/または4
320Bに対する印刷データストア4325Aおよび/
または4325Bの左端に空きの領域が存在することを
意味する)かどうかが判定され、現在の印刷が復路方向
への印刷であるときにはプリントバッファ4320Aお
よび/または4320Bの左側にデータが充填される。
ステップS4457〜S4461で、プリントバッファ
Aが、その左端へのデータ転送のために処理される。次
の走査のための印刷データの左端(EdgeL_An)
が、現在の走査に対応するEdgeL_Aよりも小さい
ことが判定されると(ステップS4457)、ブロック
選択コマンド[BLOCK]およびデータコマンド[D
ATA]がプリンタ30へ送信される。ブロック選択コ
マンドは、EdgeL_An(すなわち、次の走査の左
端)のブロック左端アドレスおよび(EdgeL_A)
−1(すなわち、現在の走査の左端−1)のブロック右
端アドレスと共に送信される。次の走査の左端(Edg
eL_An)は次いで、EdgeL_Aに再設定される
(S4461)。
【0364】プリントバッファ4320Bは次いでステ
ップS4462〜S4466で、その左端へのデータ転
送のために処理される。次の走査の印刷データの左端
(EdgeL_Bn)が、現在の走査に対応するEdg
eL_Bよりも小さいと判定されると、ブロック選択コ
マンド[BLOCK]およびデータコマンド[DAT
A]がプリンタ30へ送信される。ブロック選択コマン
ドは、EdgeL_Bn(すなわち、次の走査の左端)
のブロック左端アドレスおよび(EdgeL_B)−1
(すなわち、現在の走査の左端−1)のブロック右端ア
ドレスと共に送信される。次の走査の左端(EdgeL
_Bn)は次いで、EdgeL_Bに再設定される(S
4466)。
【0365】前述のステップは、記録ヘッド4330A
および4330Bのランプアップ中およびその前に実行
される。ステップS4467〜S4475は、ステップ
S4445〜S4466によるデータ転送後、現在の走
査中のデータの処理を示す。実際には、ステップS44
45〜S4466でのデータ転送がランプアップ期間の
終了時よりも前に完了した場合、印刷データ転送の速度
に応じて、ランプアップ期間中にこれらのステップの一
部を実際に実行することができる。これらのステップで
は、重なり合ったデータがプリントバッファ4320A
のみにあるか、それともプリントバッファ4320Bの
みにあるか、それともプリントバッファ4320Aとプ
リントバッファ4320Bの両方にあるかが判定され
る。プリントバッファ4320Aとプリントバッファ4
320Bの両方に重なり合いがある場合は、これらのス
テップでさらに、プリントバッファ4320Aに対する
データをプリントバッファ4320Bに対するデータの
前に置くべきか、あるいはその逆にすべきかが判定され
る。
【0366】したがって、ステップS4467〜S44
69で、プリンタドライバ114は、次の走査の(Ed
geL_An)の値が次の走査の(EdgeR_An)
の値よりも小さく、かつ次の走査の(EdgeL_B
n)の値が次の走査の(EdgeR_Bn)の値以上で
あるかどうかを調べる。これらの条件が満たされた場
合、重なり合ったデータがあるのはプリントバッファ4
320Aのみである。したがって、プリントバッファ4
320Aに対する1つの所定の小さなブロックの印刷デ
ータが、そのブロックの左ブロックックアドレスから右
ブロックアドレスプリントバッファ4320Aへ送信さ
れる(ステップS4471、図44I参照)。次いで、
ステップS4467が再開され、次の小さなブロックを
転送する印刷データの転送が行われる。
【0367】ステップ4467およびS4472で、プ
リンタドライバ114は、次ので?の(EdgeL_A
n)の値が次の走査の(EdgeR_An)の値以上で
あり、かつ次の走査の(EdgeL_Bn)の値が次の
走査の(EdgeR_Bn)の値よりも小さいかどうか
を調べる。これらの条件が満たされた場合、重なり合っ
たデータがあるのはプリントバッファ4320Bのみで
ある。したがって、プリントバッファ4320Bに対す
る1つの所定の小さなブロックの印刷データが、そのブ
ロックの左ブロックアドレスから右ブロックアドレスま
でプリントバッファ4320Bへ送信される(ステップ
S4474、図44J参照)。次いで、ステップS44
67が再開され、次の小さなブロックを転送する印刷デ
ータの転送が行われる。
【0368】ステップS4467およびS4469で、
プリンタドライバ114は、次の走査の(EdgeL_
An)の値が次の走査の(EdgeR_An)の値より
も小さく、かつ次の走査の(EdgeL_Bn)の値が
次の走査の(EdgeR_Bn)の値よりも小さいかど
うかを調べる。これらの条件が満たされた場合、プリン
トバッファ4320Aとプリントバッファ4320Bの
両方に、重なり合ったデータがある。次いでステップS
4470で、プリントバッファ4320Aに対するデー
タがプリントバッファ4320Bに対するデータの前に
位置しているか、それともその逆であるかが判定され
る。
【0369】具体的には、ステップS4470で、(E
dgeR_Bn)の値から記録ヘッド4330Aと記録
ヘッド4330Bとの間のギャップを減じた値がEdg
eR_An以下であるかどうかが判定される。そうであ
る場合。プリントバッファ4320Aに対するデータが
プリントバッファ4320Bに対するデータの前に位置
している。したがって、プリントバッファ4320Aに
対する小さな所定の印刷データブロックが、ホストプロ
セッサ23の印刷データストア136からプリントバッ
ファ4320Aへ送信される(ステップS4471)。
一方、ステップS4470での判定が“NO”である場
合は、プリントバッファ4320Bに対するデータがプ
リントバッファ4320Aに対するデータの前に位置し
ている。したがって、プリントバッファ4320Bに対
する小さな所定の印刷データブロックがホストプロセッ
サ23の印刷データストア136からプリントバッファ
4320Bへ送信され(ステップS4474)、制御が
ステップS4467に返される。
【0370】ステップS4467およびS4472で、
(EdgeL_An)の値が(EdgeR_An)の値
以上であり、かつ(EdgeL_Bn)の値が(Edg
eR_Bn)の値以上であると判定されたときは、転送
が完了しており、ステップS4475で次の走査ライン
に対する印刷コマンド[PRINT]がプリンタ30へ
送信される。
【0371】図44G〜図44Hは、プリントバッファ
4320Aおよび4320Bに対する左ブロックアドレ
スから右ブロックアドレスへの印刷データ転送に関する
図44EのステップS4431およびS4434につい
ての詳細なフローチャートである。プリントバッファ4
320Aに関しては図44Gを参照するとわかるよう
に、ステップS4476において、(EdgeL_A)
として、次の走査の(EdgeL_An)の値に所定の
小さなブロック長を加えた値が設定される。次いで、処
理はステップS4477に入り、次の走査の(Edge
R_An)の値が(EdgeL_A)の値よりも小さい
かどうかが判定される。この判定結果が"YES"である
場合、ブロックコマンドが、EdgeL_Anの左ブロ
ックアドレスとEdgeR_Anの右ブロックアドレス
と共にプリントバッファ4320Aへ送信され(ステッ
プS4478)、そのようにアドレスされた印刷データ
がプリントバッファ4320Aへ送信され(S447
9)、次の走査のための印刷データの左端(EdgeL
_An)がEdgeR_Anに設定される(S448
0)。ステップS4477での判定結果が“NO”であ
る場合は、ブロックコマンドが、EdgeL_Anの左
ブロックアドレスおよび(EdgeR_A)−1の右ブ
ロックアドレスと共にプリントバッファ4320Aへ送
信され(ステップS4481)、そのようにアドレスさ
れた印刷データがプリントバッファ4320Aへ送信さ
れ(S4482)、次の走査のための印刷データの左端
(EdgeL_An)がEdgeL_Aに設定される
(S4483)。
【0372】図44Hは、プリントバッファ4320B
に対する左ブロックアドレスから右ブロックアドレスへ
の印刷データ転送に関した図44Eに示したステップS
4434の詳細なフローチャートである。図44Hを参
照するとわかるように、ステップS4486で、(Ed
geL_B)の値として、次の走査の(EdgeL_B
n)に所定の小さなブロック長を加えた値が設定され
る。次いで、処理はステップS4487に入り、次の走
査の(EdgeR_Bn)の値が(EdgeL_B)の
値よりも小さいかどうかが判定される。この判定結果が
“YES”である場合、ブロックコマンドが、Edge
L_Bnの左ブロックアドレスおよびEdgeR_Bn
の右ブロックアドレスと共にプリントバッファ4320
Bへ送信され(ステップS4488)、そのようにアド
レスされた印刷データがプリントバッファ4320Bへ
送信され(S4489)、次の走査のための印刷データ
の左端(EdgeL_Bn)がEdgeR_Bnに設定
される(S4490)。ステップS4487において判
断結果が“NO”である場合は、ブロックコマンドが、
EdgeL_Bnの左ブロックアドレスと(EdgeL
_B)−1の右ブロックアドレスと共にプリントバッフ
ァ4320Bへ送信され(ステップS4491)、その
ようにアドレスされた印刷データがプリントバッファ4
320Bへ送信され(S4492)、次の走査の印刷デ
ータの左端(EdgeL_Bn)がEdgeL_Aに設
定される(S4493)。
【0373】図44Iおよび図44Jは、プリントバッ
ファ4320Aに対する右ブロックアドレスから左ブロ
ックアドレスへの印刷データ転送に関する図44Fに示
したステップS4471およびS4474の詳細なフロ
ーチャートである。プリントバッファ4320Aに関し
て図44Iを参照するとわかるように、ステップS45
06で、(EdgeL_A)の値として、次の走査のE
dgeR_Anから所定の小さなブロック長を減じた値
が設定される。次いで、処理はステップS4507に入
り、次の走査のEdgeL_AnがEdgeR_Aより
も小さいかどうかが判定される。この判定結果が“YE
S”である場合、ブロックコマンドが、EdgeL_A
nの左ブロックアドレスおよびEdgeR_Anの右ブ
ロックアドレスと共にプリントバッファ4320Aへ送
信され(ステップS4508)、そのようにアドレスさ
れた印刷データがプリントバッファ4320Aへ送信さ
れ(S4509)、次の走査のための印刷データの左端
(EdgeR_An)がEdgeL_Anに設定される
(S4510)。一方、ステップS4507で判定結果
が“NO”である場合は、ブロックコマンドが、(Ed
geR_A)+1の左ブロックアドレスとEdgeR_
Anの右ブロックアドレスと共にプリントバッファ43
20Aへ送信され(ステップS4511)、そのように
アドレスされた印刷データがプリントバッファ4320
Aへ送信され(S4512)、次の走査のための印刷デ
ータの右端(EdgeR_An)がEdgeR_Aに設
定される(S4513)。
【0374】図44Jは、プリントバッファ4320B
に対する右ブロックアドレスから左ブロックアドレスへ
の印刷データ転送に関して図44Fに示したステップS
4474の詳細なフローチャートである。図44Jにお
いて、ステップS4516で、(EdgeR_B)の値
として、次の走査のEdgeR_Bnから所定の小さな
ブロック長を減じた値が設定される。次いで、処理はス
テップS4517に入り、次の走査のEdgeL_Bn
がEdgeR_Bよりも小さいかどうかが判定される。
この判定結果が“YES”である場合、ブロックコマン
ドが、EdgeL_Bnの左ブロックアドレスおよびE
dgeR_Bnの右ブロックアドレスと共にプリントバ
ッファ4320Bへ送信され(ステップS4518)、
そのようにアドレスされた印刷データがプリントバッフ
ァ4320Bへ送信され(S4519)、次の走査の印
刷データの左端(EdgeR_Bn)がEdgeL_B
nに設定される(S4520)。一方、ステップS45
17での判定結果が“NO”である場合は、ブロックコ
マンドが、(EdgeR_B)+1の左ブロックアドレ
スとEdgeR_Bnの右ブロックアドレスと共にプリ
ントバッファ4320Bへ送信され(ステップS452
1)、そのようにアドレスされた印刷データがプリント
バッファ4320Bへ送信され(S4522)、次の走
査の印刷データの右端(EdgeR_Bn)がEdge
R_Bに設定される(S4523)。
【0375】図44K〜図44Mは、プリンタ30のR
OM122に存在する記憶されたコンピュータ実行可能
なプログラムコードに対応する印刷データの転送に関す
るプリンタ30内の処理を示すフローチャートである。
一般に、これらのステップでは、以下のようにプリンタ
動作が行われる。(1)現在の走査によって印刷が開始
すると、プリンタはキャリッジの位置およびキャリッジ
の移動を監視する。(2)受信されたブロックの右端を
示す変数の値が現在の走査の左端を示す変数の値よりも
小さい場合はただちに、このデータブロックをプリンタ
バッファに入れる。受信されたブロックの左端を示す変
数の値が現在の走査の右端を示す変数よりも大きい場合
はただちに、このデータブロックをプリンタバッファに
入れる。(3)プリンタドライバによって指定されたブ
ロックが現在の走査のプリンタ領域と重なり合っている
場合は、ビジー信号を発行し、プリンタドライバに、指
定されたブロック全体が空になるまで待機させる。プリ
ンタドライバによって指定されたブロック全体が空にな
った場合は、データブロックをプリンタバッファに入
れ、ビジー信号を解放して、プリンタがデータを受け入
れる準備を完了したことをプリンタドライバに示す。
(4)現在の走査が往路方向である場合、プリンタはシ
フトバッファに格納されたデータを印刷する。現在の走
査が復路方向である場合、プリンタはシフトバッファで
はない領域に格納されたデータを印刷する。図44Kに
おいて、判断を行うステップはステップS4545、S
4548、S4550、S4553などであり、これら
のステップは、ステップS4544でプリンタドライバ
114からのコマンドが受信されたときに順次実行され
る。ステップS4545で、受信されたコマンドが方向
コマンドであると判定された場合、次の走査方向(すな
わち、往路方向または復路方向)が受信され(ステップ
S4546)、現在の走査方向および次の走査方向が設
定され(ステップS4547)、制御がステップ454
8に渡される。ステップS4544で受信したコマンド
がステップS4548でブロックコマンドであると検出
された場合、ステップS4549のブロックアドレス処
理が実行される。このブロックアドレス処理について
は、図44Lおよび図44Mを参照して詳しく説明す
る。
【0376】ステップS4544で受信されたコマンド
がステップS4550でデータコマンドであると判定さ
れると、ステップS4551で受信された印刷データ
が、指定されたプリントバッファに入れられ(ステップ
S4552)、制御がステップS4553に渡され、ス
テップS4554で受信されたコマンドが印刷コマンド
であるかどうかが判定される。ステップS4553での
判定結果が“YES”である場合は、処理はステップS
4554において、現在の走査が往路方向に設定されて
いるかどうかが判定される。設定されている現在の走査
方向が往路方向であるときは、印刷は、シフト領域の後
に続く記録ヘッドの第1の印刷位置に対応する指定され
たプリントバッファの先頭からその指定されたプリント
バッファの反対側の端部まで実行されされる(ステップ
S4555)。復路方向への走査の場合、記録ヘッドの
最後の印刷位置に対応するプリントバッファの他方の端
部から、指定されたバッファの先頭へ印刷が実行され
る。次いで、制御がステップS4544に返され、プリ
ンタはプリンタドライバ114からの他のコマンドを待
つ。
【0377】図44Lおよび図44Mは、図44Kのス
テップS4549のブロックアドレス処理を詳しく示
す。図44Lを参照するとわかるように、ステップS4
534でブロックコマンド内のブロック左アドレスおよ
びブロック右アドレスが受信され、ステップS4535
で、指定されたプリントバッファに現在の走査のための
印刷データが残っているかどうかが判定される。ステッ
プS4535で、プリントバッファに現在の走査のため
の印刷データが残っていない場合、制御が図44Kのス
テップS4550に渡され、データコマンドが受信され
たかどうかが判定される。そうでない場合、ステップS
4536で、指定されたプリントバッファがプリントバ
ッファAであるか、それともプリントバッファBである
かが判定され、ステップS4537およびS4538の
一方で変数XがプリントバッファAまたはプリントバッ
ファBに適切に設定され、制御がステップS4539に
渡される。ステップS4539で、指定されたプリント
バッファXの左端(Edge_X)が、EdgeL_X
c(すなわち、指定されたプリントバッファ内の現在の
走査のための印刷データの左端)からノズル・オフセッ
ト長を減じた値に設定され、印刷を行うことができなく
なる。指定されたプリントバッファXの右端(Edge
R_X)が、EdgeR_Xc(すなわち、指定された
プリントバッファ内の現在の走査のための印刷データの
右端)にノズル・オフセット長を加えた値に設定され、
印刷を行うことができなくなる。次いで、制御がステッ
プS4540に渡され、現在の走査方向が検査される。
【0378】ステップS4540での現在の走査方向が
往路方向であるとき、指定されたプリントバッファの左
端および右端が次の走査のための印刷データをシフトさ
せるように設定される。したがって、ステップS454
1で、左端(EdgeL_X)がEdgeL_Xにシフ
ト領域長を加えた値に設定され、右端(EdgeR_
X)がEdgeR_Xにシフト領域長を加えた値に設定
される。現在の走査方向が復路方向であるとき、プリン
トバッファの終端に定義済みのシフト領域はないので調
整は必要とされない。ステップS4542で次の走査方
向が調べられる。ステップS4542で走査方向が往路
方向である場合、ステップS4543が実行され、次の
走査のための印刷データを、指定されたプリントバッフ
ァXに挿入する際のシフトに対処するために、ブロック
左アドレス(BlockLeft)およびブロック右ア
ドレス(BlockRight)がそれぞれ、Bloc
kLeftにシフト領域長を加えた値およびBlock
Rightにシフト領域長を加えた値に設定される。
【0379】次いで、処理はステップS4543から接
続子10−11を通して図44MのステップS4525
に入る。判定ステップS4525およびS4526で、
ブロック右アドレス(BlockRight)の値がE
dgeL_X(すなわち、プリントバッファX内の印刷
データの左端)の値よりも小さいかどうか、あるいはブ
ロック左アドレス(BlockLeft)の値がEdg
eR_X(すなわち、プリントバッファX内の印刷デー
タの右端)の値よりも大きいかどうかが判定される。こ
れらの条件のどちらかが真である場合、プリントバッフ
ァへ転送すべき次の走査のための印刷データブロック
は、印刷データを含むプリントバッファXの領域の外側
にあり、したがって、ただちに転送を実行することがで
き、制御が図44KのステップS4550に返され、デ
ータコマンドが処理される。
【0380】ステップS4525とS4526の両方で
判定が“NO”であるときは、プリントバッファX内で
次の走査のための印刷データと現在の走査のための印刷
データが重なり合っており、処理はステップS4527
に入り、現在の走査方向が往路方向であるかどうかが判
定される。ステップS4527における判定が“YE
S”である場合、、ブロック右アドレス(BlockR
ight)の値が(EdgeR_X)の値以下であるか
どうかが判定される(S4528)。ステップS452
8における判定が“YES”であれば、ブロック印刷デ
ータが確実にプリントバッファXの空の領域に挿入され
るように、データコマンドに対する図44Kのステップ
S4550へのリターンは、ブロック右アドレス(Bl
ockRight)が、プリントバッファXに関連付け
された記録ヘッドの位置(HeadPos_X)よりも
小さくなる(ステップS4529)まで遅延される。ス
テップS4528における判定が“NO”であれば、図
44KのステップS4550へのリターンは、プリント
バッファXに関する記録ヘッドが現在の印刷位置の印刷
を終了する(ステップS4530)まで遅延される。
【0381】ステップS4527で現在の走査方向が復
路方向であると判定されたことに応答する場合、処理は
ステップS4531に入り、ブロック左アドレス(Bl
ockLeft)の値が(EdgeL_X)の値以上で
あるかどうかが判定される(S4531)。ステップS
4531での判定が“YES”であれば、ブロック印刷
データが確実にプリントバッファXの空の領域に挿入さ
れるように、データコマンドに対する図44Kのステッ
プS4550へのリターンは、ブロック左アドレス(B
lockLeft)がHeadPos_Xよりも大きく
なる(ステップS4532)まで遅延される。一方、ス
テップS4531での判定が“NO”であれば、図44
KのステップS4550へのリターンは、プリントバッ
ファXに関する記録ヘッドが現在の印刷位置の印刷を終
了する(ステップS4533)まで遅延される。
【0382】本発明によれば、現在の走査時にホストプ
ロセッサ23からプリントバッファ139へ次の走査の
ための印刷データを転送することによって、プリントバ
ッファ139と同じサイズの独立の受信バッファが不要
になり、印刷データ転送効率が高まる。さらに、シフト
領域のサイズは固定されず、各印刷タスクごとに[DE
FINE_BUF]コマンドによって設定され、そのた
め、プリンタ30の記憶容量に応じてシフト領域サイズ
を選択することができる。
【0383】さらに、どのトッププロセッサの間でデー
タを転送する際にもプリンタバッファシフト領域技術を
適用することができる。図44Nは、プリンタドライバ
とプリンタコントローラとの間での印刷データの転送に
シフトバッファ技述が適用される、本明細書で説明した
実施形態を850で示している。また、参照番号860
は、プリンタコントローラとプリントエンジンの間での
印刷データの転送にもシフトバッファ技術が適用できる
ことを示している。 10.0 いくつかの異なる解像度によるマルチヘッド
印刷 プリンタ30が複数の記録ヘッドを有することと、解像
度に影響を及ぼすコマンドが各記録ヘッドへ独立に送信
されるソフトウェアアーキテクチャとのために、プリン
タ30は、各記録ヘッドごとに異なる解像度で印刷する
ことができ、かつそのように印刷するように制御するこ
とができ、そのため、あるページの印刷データが、より
高い解像度が望まれる印刷情報とより低い解像度が適切
な印刷データとが混合した印刷情報を含む場合に、全体
的な印刷効率が高まる。
【0384】一般的に言えば、本節では、第1および第
2の記録ヘッドの解像度が互いに独立に制御されるよう
に少なくとも第1の記録ヘッドと第2の記録ヘッドとを
有するプリンタの制御について説明する。第1.0節で
説明したように、プリンタ30は、それぞれ、130a
および130bとして指定された、2つのインクジェッ
ト記録ヘッドAおよびBを含む。第3.0節で説明した
ように、ソフトウェアアーキテクチャは、印刷解像度に
影響を与えるホストプロセッサ23から送信されるコマ
ンドを含む。印刷は、ホストプロセッサ23からプリン
タ30内のプリントバッファ139へ画像データを送信
し([DATA]コマンドを使用する)、その後で[P
RINT]印刷実行コマンドを送信することによって行
われる。印刷解像度の制御は、インク滴サイズを変更す
るコマンド([DROP]コマンド)、印刷速度を選択
するコマンド([SPEED]コマンド)、ノズル駆動
シーケンスを選択するコマンド([SELECT_PU
LSE]コマンド)、プリントバッファ139から画像
データを読み出すための読出し順序を選択するコマンド
([SELECT_CONTROL]コマンド)を送信
することによって行われる。
【0385】各記録ヘッドが印刷を行う解像度は、ユー
ザ入力によってマニュアルで決定することも、あるいは
たとえば、記録ヘッド130aおよび130bの相対的
なヘッド構成、印刷データの内容、記録(または印刷)
媒体の種類に基づいて自動的に決定することもできる。
この目的のためにプリンタドライバ114にはユーザイ
ンタフェースが設けられている。
【0386】プリンタに関しては、プリンタ30は、記
録ヘッド130aおよび130bのそれぞれの解像度を
独立に設定するコマンドを受信し、選択された解像度で
プリントアウトを行う。
【0387】図45Aは、いくつかの異なるヘッドごと
にそれぞれの異なる解像度を用いた場合のプリントアウ
トの利点について説明するための図である。図45Aに
おいて、参照番号400は、いくつかの異なる種類の混
合印刷情報を含む記録媒体401上の印刷済みシートを
示す。領域402a、402b、402c、402d
は、主として、低解像度が適切な黒領域と白領域とから
なるテキスト領域である。一方、領域404は、高解像
度が望まれるカラー画像やグラフィックや線画などの非
テキスト領域を表す。したがって、図45Aでわかるよ
うに、プリントアウト400は混合印刷情報からなり、
このうちのいくつかの情報は高解像度で印刷する必要が
あり、それに対して他の情報については低解像度が適切
である。印刷情報は一枚の記録媒体401上で混合さ
れ、領域404や402bなどいくつかの場合には、プ
リンタ30の走査方向における水平プリントバンドを横
切って混合される。
【0388】参照番号405は領域402aの部分の拡
大図である。拡大図405は、構成の異なる記録ヘッド
130aおよび130bを示す。具体的には、記録ヘッ
ド130aは、イエロインク用の24個のノズルと、マ
ゼンタインク用の24個のノズルと、シアンインク用の
24個のノズルと、黒インク用の64個のノズルとで垂
直方向に構成されたイエロノズルと、マゼンタノズル
と、シアンノズルと、黒ノズルとを含む。記録ヘッド1
30bは、黒インク専用の128個のノズルを含む。し
たがって、記録ヘッド130aと記録ヘッド130bは
構成が異なり、記録ヘッド130aは高解像度カラー画
像を印刷するように構成され、それに対して記録ヘッド
130bは白黒画像のみを印刷するように構成される。
もちろん、一方の記録ヘッドが高解像度画像を印刷する
ように構成され、それに対して他方が低解像度画像を印
刷するように構成されるような記録ヘッド130aおよ
び130bに関した他の構成も可能である。
【0389】領域402aは、低解像度が適切なテキス
ト領域であるので、領域402の印刷は記録ヘッド13
0bによって行われる。この構成は参照番号405で示
されており、記録ヘッド130bからの1つのバンド4
06が斜線で強調されて示されている。この解像度で印
刷するときは、プリンタ30が、記録ヘッド130bを
大きなサイズの液滴を吐出するモードに設定するよう命
令され、記録ヘッド130bのヘッド構成に応じ、かつ
選択された解像度に応じて、プリントバッファ139か
らの印刷データ読出し順序が選択される。これらのステ
ップについては、以下で図45Bのフローチャートを参
照して詳しく説明する。
【0390】領域402aとは異なり、領域404は高
解像度プリントアウトを必要とする領域である。この状
況は、バンド409のみでの記録ヘッド130aによる
プリントアウトを示す407の拡大図に示されている。
図45Bのフローチャートを参照して詳しく説明するよ
うに、参照番号409で示したバンドでプリントアウト
を実行するときは、記録ヘッド130aが、インクを小
さなサイズ液滴で吐出するよう命令され、記録ヘッド1
30aのヘッド構成に応じ、かつ選択された解像度に応
じて、プリントバッファ139からのデータ読出し順序
が選択される。
【0391】記録媒体401に沿って横方向に記録ヘッ
ド130aおよび130bの走査方向へ混合された領域
402bなどを印刷するときは、2ステップ手順が使用
される。一つのステップでは、記録ヘッド130aによ
って409などを順次、バンド印刷する。順次印刷され
るバンドの数は、記録ヘッド130aについてのバンド
内の印刷ノズルの数と記録ヘッド130bについてのバ
ンド内のノズルの数との比に対応する。もう一方のステ
ップでは、記録ヘッド130bからのシングルパス記録
が領域402bで行われる。この2ステッププロセスに
よって、記録媒体の逆方向搬送を必要とせずに記録媒体
401を一つ方向へ連続的に進め、領域402bをプリ
ントアウトすることができる。
【0392】図45Bは、各記録ヘッドの印刷解像度を
独立に制御し、それによってプリントアウトを実行する
よう命令するために、ホストプロセッサ23内のプリン
タドライバ114によって実行されるプロセスステップ
を示すフローチャートである。一般的に言えば、図45
Bに示したプロセスステップは、各ヘッドごとのインク
滴サイズを独立に制御し、各記録ヘッドごとのプリント
バッファ139からの読出し順序を独立に制御すること
によって印刷解像度を設定する、記憶されたプログラム
命令シーケンスである。
【0393】具体的には、ステップS4501で、ホス
トプロセッサ23のユーザが、印刷データを印刷するた
めのコマンドをアプリケーションから発行し、それによ
ってプリンタドライバ114を起動する。プリンタドラ
イバ114は実際には、図45Aの残りの部分に示した
よりも多くの機能を実行するが、印刷解像度の設定に何
らかの関係を有する機能のみについて説明する。したが
って、ステップS4502で、プリンタドライバ114
は、印刷解像度をプリンタドライバ114によって自動
的に指定すべきであるか、それともユーザによってマニ
ュアルで指定すべきであるかを判定する。ステップ45
02で、図46Aに示した代表的なユーザインタフェー
ス画面などのユーザインタフェースがユーザに表示され
る。図46Aを見ればわかるように、ユーザによってセ
クション410が選択されると、印刷解像度が自動的に
指定される。一方、411が選択されると、ユーザがマ
ニュアルで印刷解像度を指定する。ここでは、非テキス
トであるグラフィックスとテキストに別々の解像度を指
定することができ、ユーザはテキスト領域と非テキスト
領域のそれぞれに関して高速(すなわち、低解像度)と
高品質(すなわち、高解像度)のどちらかをマニュアル
で指定することができる。
【0394】図45Bに戻るとわかるように、自動指定
が選択されている場合、処理フローがステップS450
4に分岐し、プリンタドライバ114が自動的にグラフ
ィックス用の解像度を選択し、次いでステップS450
5に進み、プリンタドライバ114が自動的にテキスト
用の解像度を選択する。グラフィックスおよびテキスト
用の解像度の選択は、連続トーン印刷データに基づいて
行われ、グラフィックスおよびその他の非テキスト情報
の存在と、テキスト情報の存在と、プリントアウト用に
選択された記録媒体の種類と、記録ヘッド130aおよ
び記録ヘッド130bの相対的な記録ヘッドの構成とに
応じて行われる。
【0395】処理フローは次にステップS4506に戻
り、プリンタドライバは、マニュアルで、あるいは自動
的に2つの解像度が指定されたかどうかを判定する。2
つの解像度が指定されていない場合、処理フローはステ
ップS4507に進み、両方のヘッドについて一様な解
像度で印刷が行われる。一方、2つの解像度が指定され
ている場合、フローはステップS4509に進み、各記
録ヘッドの印刷解像度を制御し、それによってプリント
アウトが実行される。
【0396】したがって、ステップS4509では、バ
ッファ制御テーブルを定義する。各ヘッドごとに1つの
バッファ制御テーブルを選択することができ、それによ
って各記録ヘッドは、それぞれのプリントバッファから
印刷データを読み出すための読出し順序を判定すること
ができる。どのバッファ制御テーブルを使用するかの実
際の選択は、この手順における後のステップで初めて行
われるが、ステップS4509では単に、各解像度およ
び各プリントアウト方向についての適切なバッファ制御
テーブルが定義される。好ましくは、上記の第3.6節
で説明したバッファ制御テーブル定義コマンド[DEF
INE_CONTROL]が使用される。
【0397】同様に、ステップS4510で適切な加熱
パルステーブルが定義され、それによって記録ヘッド1
30aおよび130bの各ノズルについての駆動シーケ
ンスが制御される。記録ヘッド130aおよび130b
によって使用される実際の加熱パルステーブルはこの時
点では選択されず、後の選択時に適切なテーブルが定義
される。好ましくは、第3.6節で説明した加熱パルス
テーブル定義コマンド[DEFINE_PULSE]が
使用される。
【0398】処理フローは次いで、ステップS4511
〜S4530(ステップS4520およびS4521を
除く)に進み、現在の印刷バンドの解像度が判定され、
インク吐出液滴サイズ、バッファ読出し順序などの印刷
制御条件が設定され、印刷データが送信され、送信され
た印刷データのプリントアウトが命令される。
【0399】詳細には、ステップS4511で、特定の
バンドまたはバンドの一部のプリントアウトが高解像度
プリントアウトであるか、それとも低解像度プリントア
ウトであるかが判定される。バンドまたはバンドの一部
が低解像度プリントアウトである場合、フローはステッ
プS4512に進み、記録ヘッド130aおよび130
bのそれぞれについて適切なインク吐出滴サイズが設定
される。図45Aに示す例の場合、記録ヘッド130b
の液滴サイズは大きなサイズに設定され、記録ヘッド1
30aの液滴サイズは小さなサイズに設定される。好ま
しくは、第3.6節で説明した液滴サイズコマンド[D
ROP]が使用される。
【0400】ステップS4514で、プリンタドライバ
114は、低解像度プリントアウトに対応する高印刷速
度を選択する。好ましくは、第3.6節で定義した速度
選択コマンド[SPEED]が使用される。
【0401】ステップS4516で、選択された低解像
度に応じてプリントバッファ139の読出し順序のオフ
セットが選択される。具体的には、ステップS4516
で、ステップS4509で設定されたバッファ制御テー
ブルのうちの1つが選択される。好ましくは、第3.6
節で定義したバッファ制御テーブル選択コマンド[SE
LECT_CONTROL]が使用される。
【0402】ステップS4517で、画像データが、双
方向インタフェースを介してプリンタドライバ114か
らプリンタ30へ、第3.6節で論じたようにブロック
ごとに送信される。印刷データのバンド全体がプリンタ
30へ送信された後、プリンタドライバ114は、印刷
実行コマンド[PRINT]を送信することによってス
テップS4519でバンドのプリントアウトを開始す
る。次いでステップS4520で、他のバンドを印刷す
る必要があるかどうかが判定され、それに応じて、処理
フローはステップS4511に戻るか、あるいはステッ
プS4521で終了する。
【0403】ステップS4511に戻るとわかるよう
に、印刷情報の高解像度バンドを送信し印刷する場合、
ステップS4522〜S4530がプリンタドライバ1
14で実行され、低解像度ステップについてのS451
2〜S4519の補足ステップが実行される。したがっ
て、ステップS4522で小さな液滴サイズが設定さ
れ、ステップS4525で高解像度に対応する低印刷速
度が設定され、ステップS4526で高解像度でのノズ
ル駆動シーケンスが選択され、ステップS4527で、
1つの定義済みバッファ制御オフセットテーブルを選択
することによってプリントバッファ139からの読出し
順序が選択され、ステップS4529で、高解像度の画
像データが1バンドずつプリンタ30へ送信され、ステ
ップS4530で、完全に送信されたバンドのプリント
アウトが開始される。
【0404】第2の実施形態によれば、記録ヘッドは、
逆方向へのシート送りを必要とせずに水平印刷バンドの
画素をプリンタ30の走査方向にそれぞれの異なる解像
度で印刷し、それによって全体的な印刷効率を高めるよ
うにしている。
【0405】この実施形態については以下で、複数の記
録ヘッドを有するプリンタに関して説明するが、後述の
実施形態を単一の記録ヘッドによる印刷と共に使用して
もかなりの効果が得られることに留意されたい。
【0406】前述のように、記録ヘッドが印刷を行う解
像度は、ユーザ入力によってマニュアルで決定すること
も、あるいはたとえば、印刷データの内容または記録媒
体の種類に基づき、あるいは複数の記録ヘッドシステム
の場合には記録ヘッド130aおよび記録ヘッド130
bの相対的なヘッド構成に基づいて自動的に決定するこ
ともできる。
【0407】従って、プリンタ30は、記録ヘッド13
0aおよび130bのそれぞれについて独立に解像度を
設定するためのコマンドを受信し、設定された解像度で
プリントアウトを実行することには利点がある。
【0408】図46Bは、記録ヘッドを複数の解像度で
プリントアウトを実行するように制御することの利点に
ついて説明する図である。図46Bにおいて、参照番号
420は様々な種類の印刷情報を有する記録媒体421
上の印刷済みシートを示す。領域420a、420b、
420c、420dは、主として白黒領域からなるテキ
スト領域である。したがって、これらのテキスト領域に
含まれる情報は低解像度で十分に印刷される。これに対
して、領域424は、高解像度が好ましいカラー画像や
グラフィックや線画などの非テキスト領域である。領域
420bおよび424がプリンタ30の走査方向で共通
の水平印刷バンド上に配置されることに留意されたい。
【0409】参照番号425は、領域420bの一部の
拡大図である。拡大図425は記録ヘッド130aおよ
び130bを示す。記録ヘッド130aおよび130b
はそれぞれ、イエロインク用の24個のノズルと、マゼ
ンタインク用の24個のノズルと、シアンインク用の2
4個のノズルと、黒インク用の64個のノズルとで垂直
方向に構成されたイエロノズルと、マゼンタノズルと、
シアンノズルと、黒ノズルとを含む。もちろん、記録ヘ
ッド130aおよび130bが他の構成をとることもで
きる。
【0410】領域420bは、低解像度が適当なテキス
ト領域であるので、領域420bの印刷は425で示し
たように低解像度/高速モードで行われる。領域425
では、1つの低解像度バンド426が、記録ヘッド13
0aおよび130bによって印刷され、このバンドは斜
線で強調して示されている。この解像度で印刷を行うと
きは、プリンタ30が、記録ヘッド130aおよび13
0bを大きなサイズの液滴吐出モードに設定するよう命
令され、選択された解像度に応じてプリントバッファ1
39から読み出される印刷データが選択される。これら
のステップについては、以下で図46Cのフローチャー
トを参照して詳しく説明する。
【0411】領域420bとは異なり、領域424は高
解像度プリントアウトを必要とする領域である。この状
況は、バンド429のみでの記録ヘッド130aおよび
130bによるプリントアウトを示す拡大図427に示
されている。図46Cのフローチャートを参照して詳し
く説明するように、参照番号429で示したバンドでプ
リントアウトを実行するときは、記録ヘッド130aお
よび130bが、インクを小さな液滴サイズで吐出する
よう命令され、選択された解像度に応じて、プリントバ
ッファ139から読み出されるデータが選択される。
【0412】記録媒体421に沿って横方向に記録ヘッ
ド130aおよび130bの走査方向に関して混合され
た領域420bや領域424などを印刷するときは、2
ステップ手順が使用される。第1のステップでは、記録
ヘッド130aおよび130bによってバンド429な
どが順次、印刷される。順次印刷されるバンド429な
どのバンドの数は、シアンインク、マゼンタインク、イ
エロインクのそれぞれについてのインク吐出ノズルの数
(この場合は"24")と、黒色インクに使用されるノズ
ルの数(この場合は"64")との比に対応する。第2の
ステップでは、記録ヘッド130aおよび130bから
のシングルパス記録が行われ、それによって領域420
bのバンドが印刷される。第2のステップ中には、イン
クが記録ヘッド130aおよび130bの黒ノズルから
低解像度で吐出される。この2ステッププロセスによっ
て、記録媒体の逆方向搬送を必要とせずに記録媒体42
0を一方向へ進め、領域420bおよび424の可変解
像度プリントアウトを実行することができる。
【0413】図46Cは、各記録ヘッドの印刷解像度を
制御し、それによってプリントアウトを実行するよう命
令するために、ホストプロセッサ23内のプリンタドラ
イバ114によって実行されるプロセスステップを示す
フローチャートである。一般的に言えば、図46Cに示
したプロセスステップは、各記録ヘッドごとのインク滴
サイズを制御し、各記録ヘッドごとのプリントバッファ
139からの読出し順序を制御することによって印刷解
像度を設定する、記憶されたプログラム命令シーケンス
である。
【0414】具体的には、ステップS4601で、ホス
トプロセッサ23のユーザが、印刷データを印刷するた
めのコマンドをアプリケーションから発行し、それによ
ってプリンタドライバ114を起動する。プリンタドラ
イバ114は実際には、図46Aの残りの部分に示した
よりも多くの機能を実行するが、印刷解像度の設定に何
らかの関係を有する機能のみについて説明する。したが
って、ステップS4602で、プリンタドライバ114
は、印刷解像度をプリンタドライバ114によって自動
的に指定すべきであるか、それともユーザによってマニ
ュアルで指定すべきであるかを判定する。ステップS4
602で、図46Aに示した代表的なユーザインタフェ
ース画面などのユーザインタフェースがユーザに表示さ
れる。図46Aを見ればわかるように、ユーザによって
セクション410が選択されると、印刷解像度が自動的
に指定される。一方、セクション411が選択される
と、ユーザがマニュアルで印刷解像度を指定する。非テ
キストであるグラフィックスとテキストに別々の解像度
を指定することができ、ユーザは、テキスト領域と非テ
キスト領域のそれぞれに関して高速(すなわち、低解像
度)と高品質(すなわち、高解像度)のどちらかをマニ
ュアルで指定することができる。
【0415】図46Cに戻るとわかるように、自動指定
が選択されている場合、処理フローがステップS460
4に進み、プリンタドライバ114が自動的にグラフィ
ックス用の解像度を選択し、次いでステップS4605
に進み、プリンタドライバ114が自動的にテキスト用
の解像度を選択する。グラフィックスおよびテキスト用
の解像度の選択は、連続トーン印刷データに基づいて行
われ、グラフィックスおよびその他の非テキスト情報の
存在と、テキスト情報の存在と、プリントアウト用に選
択された記録媒体の種類とに基づいて行われ、本明細書
で説明する印刷システムなどの複数の記録ヘッドシステ
ムの場合はさらに、記録ヘッド130aおよび記録ヘッ
ド130bの相対的な記録ヘッドの構成に応じて行われ
る。
【0416】処理フローは次にステップS4606に進
み、プリンタドライバ114は、マニュアルで、あるい
は自動的に2つの解像度が指定されたかどうかを判定す
る。2つの解像度が指定されていない場合、処理フロー
はステップS4607に分岐し、両方のヘッドについて
一様な解像度で印刷が行われる。一方、2つの解像度が
指定されている場合、処理フローはステップS4609
に進み、各記録ヘッドの印刷解像度を制御し、それによ
ってプリントアウトが実行される。
【0417】したがって、ステップS4609では、バ
ッファ制御テーブルが定義される。各ヘッドごとに1つ
のバッファ制御テーブルを選択することができ、それに
よって各記録ヘッドは、それぞれのプリントバッファか
ら印刷データを読み出すための読出し順序を判定するこ
とができる。どのバッファ制御テーブルを使用するかの
実際の選択は、この手順における後のステップで初めて
行われるが、ステップS4609で単に、各解像度およ
び各プリントアウト方向についての適切なバッファ制御
テーブルが定義される。好ましくは、第3.6節で説明
したバッファ制御テーブル定義コマンド[DEFINE
_CONTROL]が使用される。
【0418】同様に、ステップS4610で適切な加熱
パルステーブルが定義され、それによって記録ヘッド1
30aおよび130bの各ノズルについての駆動シーケ
ンスが制御される。記録ヘッド130aおよび130b
によって使用される実際の加熱パルステーブルはこの時
点では選択されず、後の選択時に適切なテーブルが定義
される。好ましくは、第3.6節で説明した加熱パルス
テーブル定義コマンド[DEFINE_PULSE]が
使用される。
【0419】処理フローは次いで、ステップS4611
〜S4630(ステップS4620およびS4621を
除く)に進み、現在の印刷バンドの解像度が判定され、
インク吐出液滴サイズ、バッファ読出し順序などの印刷
制御条件が設定され、印刷データが送信され、送信され
た印刷データのプリントアウトが命令される。
【0420】詳細には、ステップS4611で、特定の
バンドまたはバンドの一部のプリントアウトが高解像度
プリントアウトであるか、それとも低解像度プリントア
ウトであるかが判定される。バンドまたはバンドの一部
が低解像度プリントアウトである場合、フローはステッ
プS4612に進み、ヘッド130aおよび130bの
それぞれについて適切なインク吐出滴サイズが設定され
る。図44に示した例の場合、記録ヘッド130aおよ
び130bの液滴サイズは大きなサイズに設定される。
好ましくは、第3.6節で説明した液滴サイズコマンド
[DROP]が使用される。
【0421】ステップS4614で、プリンタドライバ
114は、低解像度プリントアウトに対応する高印刷速
度を選択する。好ましくは、第3.6節で定義した速度
選択コマンド[SPEED]が使用される。
【0422】ステップS4616で、選択された低解像
度に応じてプリントバッファ139の読出し順序のオフ
セットが選択される。具体的には、ステップS4616
で、ステップS4609で設定されたバッファ制御テー
ブルのうちの1つが選択される。好ましくは、第3.6
節で定義したバッファ制御テーブル選択コマンド[SE
LECT_CONTROL]が使用される。
【0423】ステップS4617で、画像データが、双
方向インタフェースを介してプリンタドライバ114か
らプリンタ30へ、第3.6節で論じたようにブロック
ごとに送信される。印刷データのバンド全体がプリンタ
30へ送信された後、プリンタドライバ114は、印刷
実行コマンド[PRINT]を送信することによってス
テップS4619でバンドのプリントアウトを開始す
る。次いでステップS4620で、他のバンドを印刷す
る必要があるかどうかが判定され、それに応じて、処理
フローはステップS4611に戻るか、あるいはステッ
プS4621で終了する。
【0424】ステップS4611に戻り、印刷情報の高
解像度バンドを送信し印刷する場合、ステップS462
2〜S4630がプリンタドライバ114で実行され、
低解像度に関するステップであるS4612〜S461
9の補足ステップが実行される。したがって、ステップ
S4622では小さな液滴サイズが設定され、ステップ
S4624で適切な大きさのバッファサイズが設定さ
れ、ステップS4625で高解像度に対応する低印刷速
度が設定され、ステップS4626で高解像度でのノズ
ル駆動シーケンスが選択され、ステップS4627で、
1つの定義済みバッファ制御オフセットテーブルを選択
することによってプリントバッファ139からの読出し
順序が選択され、ステップS4629で、高解像度の画
像データが1バンドずつプリンタ30へ送信され、ステ
ップS4630で、完全に送信されたバンドのプリント
アウトが開始される。
【0425】プリンタ30を全体的に見ると、図47
は、印刷解像度を独立に設定するためにプリンタ30に
よって実行されるプロセスステップを示すフローチャー
トである。すなわち、ステップS4701で、プリンタ
30は制御コマンドを受信し、プリンタの各記録ヘッド
を高印刷解像度または低印刷解像度が可能なように準備
する。前述のように、このような制御コマンドには、印
刷速度、吐出される液滴サイズ、ノズル駆動シーケン
ス、プリントバッファ読出し順序を設定するコマンドが
含まれる。
【0426】ステップS4702で、プリンタドライバ
114から印刷データが受信され、それに続いてステッ
プS4703で、印刷コマンドが受信される。その後ス
テップS4704で、高印刷解像度が命令されている
か、それとも低印刷解像度が命令されているかに応じ
て、ステップS4702で受信された印刷データがステ
ップS4701のコマンドに応じて印刷される。したが
って、ステップS4705で示したように、高印刷解像
度の場合、低速度で、小さな液滴サイズ、高解像度ノズ
ルパルスシーケンステーブル、高解像度バッファ制御読
出し順序を用いて印刷データが印刷される。同様に、ス
テップS4706で、低解像度プリントアウトの場合、
高速度で、大きな液滴サイズ、低解像度ノズルパルスシ
ーケンステーブル、低解像度バッファオフセット読出し
順序を用いてプリントアウトが実行される。いずれの場
合も、処理フローはステップS4707に進み、次の印
刷コマンドシーケンスを待つ。
【0427】図46Bおよび図46Dに関して説明した
ように、ステップS4705およびステップS4706
で説明した2組の印刷特性を共に使用して、走査方向で
単一の印刷バンド上に印刷データを印刷するように一つ
の記録ヘッドを制御するようにしても良い。 11.0 代替インクの選択 前述のように、プリンタ30は、複数種類のインクを一
つの記録媒体上に出力するように構成される。この特徴
によって、プリンタ30は、染料ベースの黒インクと顔
料ベースの黒インクとの両方を使用して画像を印刷する
ことができるという利点がある。
【0428】本発明の好適な実施形態では、染料ベース
の黒インクがいくつかの異なる色のインクと共に使用さ
れ、カラー印刷が容易である。そのため、染料ベースの
黒インクを使用してカラー画像内に黒画素を印刷する
際、この黒インクによって、カラー画像はほぼ均一な光
学濃度を維持することができる。
【0429】これに対して、顔料ベースの黒インクを使
用してカラー画像内に黒画素を印刷すると、この黒イン
クによってカラー画像の他の領域とのコントラストが鮮
明になり、そのためカラー画像の均一さが損なわれる。
しかし、黒印刷領域と異なる色の領域との間に顕著なコ
ントラストを維持することが望ましい多数の事例が存在
する。これらの事例のうちで最も顕著な事例は、黒いテ
キストの白い記録媒体上への印刷である。したがって、
顔料ベースの黒インクはテキストデータを印刷するため
に使用されることが好ましい。
【0430】したがって、前述の実施形態では、黒目標
画素を印刷するために染料ベースの黒インクを選択する
か、それとも顔料ベースの黒インクを選択するかは、黒
目標画素を囲む画像データの内容に基づいて決定され
る。具体的には、黒目標画素が異なる色の画像データ領
域に対応すると判定された場合、この目標画素は染料ベ
ースの黒インクを使用して印刷される。そうでない場
合、目標画素は、顔料ベースの黒インクを使用して印刷
される。黒画素が異なる色の画像データ領域に対応する
かどうかを判定する1つの方法について、図49Aを参
照して以下に説明する。好ましくは、そのような判定
は、画像内容の正確な特徴付けを行うことができるよう
に多値画像データに基づいて行われる。
【0431】様々なインクの前述の視覚的特性は記録媒
体へのインクの浸透度に依存するので、記録媒体の種類
は、特定の印刷ジョブに染料ベースの高浸透性黒インク
またはその他の高浸透性黒インクが適しているか、ある
いは顔料ベースのインクなどの低浸透性黒インクが適し
ているかを判定するうえで重要な役割を果たす。
【0432】たとえば、普通紙はインク吸収品質が良く
ないので、インクが記録媒体内で有効に結合して均一な
再生色を生成することができなくなるので、高浸透性の
黒インクと共に使用するのは望ましくない。一方、様々
な色の高浸透性インクを付着させた場合により均一な結
合がなされる特殊コート紙が利用可能となっている。残
念なことに、そのような特殊コート紙は低浸透性インク
との併用には適していない。
【0433】上記に鑑みて、記録媒体上に画素を印刷す
るために使用されるインクの種類は、画素データを含む
画像の種類とインクが配置される記録媒体との両方に依
存することが好ましい。
【0434】図48は、記録媒体の種類および画像内容
に基づいてインクを選択する方法について説明するフロ
ーチャートである。一般に、第1のインクと第2のイン
クのどちらかを使用して、多値画像データに対応する画
素を記録媒体上に印刷するようにインクジェットプリン
タを制御するために、記録媒体が普通紙であるか、それ
とも特殊コート紙であるかが判定され、記録媒体が特殊
コート紙と判定された場合、プリンタは第1のインクを
使用して目標画素を印刷するよう命令される。一方、記
録媒体が普通紙と判定された場合は、目標画素が異なる
色づけがなされる領域に対応するかどうかが判定され
る。目標画素が異なる色づけのなされる領域に対応する
場合、プリンタは、第1のインクを使用して目標画素を
印刷するよう命令される。逆に、目標画素が異なる色づ
けのなされる領域には対応しない場合、プリンタは第2
のインクを使用して目標画素を印刷するよう命令され
る。
【0435】詳細には、ステップS4801から処理フ
ローが開始し、用紙の種類が判定される。図示したよう
に、好ましい実施形態では、普通紙と特殊コート紙のど
ちらかを使用することが企図される。好ましくは、特殊
コート紙は、第1.5節で説明した"高解像度"紙HR−
101である。
【0436】用紙の種類が特殊コート紙と判定された場
合、処理フローはステップS4802に進み、高浸透性
インクを使用して黒画素データを印刷すべきであると判
定される。この判定は、画像の種類にかかわらず常に、
高浸透性黒インクの方が特殊コーティング記録媒体上に
黒画素データを印刷するのに適しているという仮定に基
づいて下される。
【0437】ステップS4801で、用紙の種類が普通
紙と判定された場合、処理フローはステップS4803
に進み、印刷される画像のカラー領域内に黒目標画素が
存在するかどうかが判定される。そうである場合、前述
のように、処理フローはステップS4802に進む。そ
うでない場合、フローはステップS4804に進み、低
浸透性黒インクを使用して目標画素を印刷することが決
定される。
【0438】本発明の好適な実施形態によれば、ステッ
プS4803の判定は、目標画素を囲む画像画素を調べ
ることによって下される。図49Aは、この特定の実施
形態について説明するための図である。
【0439】図49Aは、画像データ416の5×5グ
リッド内の黒目標画素415を示す。グリッド416の
各区画は単一の画像画素を表す。好ましくは、各画像画
素は、それぞれ、画像画素の赤成分(R)、緑成分
(G)、青成分(B)を表す、3つの8ビット値で表さ
れる。黒目標画素415が異なる色の領域に配置されて
いるかどうかを判定するために、以下の数式を使用して
グリッド416内の各画素の赤成分、緑成分、青成分が
比較される。
【0440】|R−B|<α;|B−G|<β;および
|G−R|<γ 上式で、α、β、γは比較的小さな値である。
【0441】グリッド416内の各画素について各式が
満たされる場合、黒目標画素415は異なる色領域には
存在しないと判定される。また、別の法として、ステッ
プS4803で、目標画素が異なる色の領域内には存在
しないことを判定するために、グリッド416内の各画
素の赤成分、緑成分、青成分に関し、R=G=Bという
関係を満たすことを必要条件としてもよい。しかし、こ
の方法では、ノイズ、不十分なスキャンなどのために画
像データのエラーが発生する可能性が高い。したがっ
て、α、β、γを上記で示したように使用して、データ
エラーに関する小さな公差が与えられる。もちろん、ス
テップS4803で他の方法を使用して、黒目標画素4
15が異なる色の領域内にあるかどうかを判定すること
ができる。
【0442】前述の実施形態で異なる色の領域を判定す
るために多値データが使用されることには利点がある。
これに対して、2値データを使用して異なる色の領域を
判定するシステムは、オリジナル画像データの50%グ
レー領域を、黒画素と白画素が交互に入れ代わる領域か
らなるものと解釈する恐れがある。そのため、「黒」領
域を印刷するために不適切なインクが使用される恐れが
ある。
【0443】代替インクの選択に関する上記の説明で
は、高浸透性黒インクおよび低浸透性黒インクに焦点を
当てているが、色、浸透特性、または粘度や密度などそ
の他の特性が互いに異なる第1のインクおよび第2のイ
ンクと共に前述の黒インクを使用することが企図される
ことを理解されたい。
【0444】さらに、上記では普通紙と特殊コーティン
グ高解像度用紙について論じたが、適切なインクの判定
は任意の媒体種類に基づいて下すことができる。企図さ
れる他の媒体としては、透明シート、光沢紙、光沢フィ
ルム、バックプリントフィルム、布シート、Tシャツ転
写、バブルジェット用紙、挨拶状ストック、パンフレッ
ト紙などが含まれる。なお、用紙の種類は、プリンタ3
0内に配置された用紙センサによって検出するか、ある
いは表示画面22上に表示されるユーザインタフェース
を通して入力するか、あるいはプリンタ30上に配置さ
れたボタンを介して入力することができる。
【0445】好ましい実施形態では、プリンタドライバ
114が、図48のフローを実行するコンピュータ実行
可能なステップを含むことにも留意されたい。もちろ
ん、このステップ全体をプリンタ30のROM122内
に含めるか、あるいはホストプロセッサ23のコンピュ
ータ読取り可能なメモリとプリンタ30のコンピュータ
読取り可能なメモリの両方に記憶することができる。 11.1 CMYK黒または顔料黒の選択 PCBk(プロセスブラック)を使用して記録媒体上に
黒画素を印刷できることが注目されている。別の方法と
して、そのような画素を印刷するために顔料ベースの黒
インクおよび染料ベースの黒も使用されている。プリン
タ30は、顔料ベースの黒インク、またはシアン、マゼ
ンタ、イエロ、黒の染料ベースインクの組合せを使用し
て、黒画素の選択可能な印刷を行うことによって付加的
な機能を提供する。
【0446】これを行うために最初、黒目標画素が異な
る色の領域に対応するかどうかが判定される。黒目標画
素が異なる色の領域には対応しないと判定された場合、
プリンタは、顔料ベースの黒インクを使用して黒目標画
素を印刷するよう命令される。そうでない場合、プリン
タは、染料ベースの黒インクおよび減法混色の原色各々
の染料ベースインクを使用して黒目標画素を印刷するよ
う命令される。
【0447】図49Bは、前述の特徴について具体的に
説明するためのフローチャートである。ステップS49
01で、黒目標画素が色領域に対応するかどうかが判定
される。好ましくは、この判定は、黒目標画素に隣接す
る領域を表す多値データに基づいて下される。そのよう
な方法については、図49Aに関して詳しく説明してお
り、したがって、この点では省略する。
【0448】目標画素が色領域内に存在すると判定され
た場合、処理フローはステップS4902に進み、染料
ベースの黒インクと染料ベースのシアンインク、マゼン
タインク、イエロインクとの組合せを使用して目標画素
が印刷される。ステップS4904に到達した時点で
は、目標画素が色領域には存在しないことが判定されて
いる。そのため、顔料ベースの黒インクを使用して目標
画素が印刷される。
【0449】特に、前述の特徴によって、画像の色領域
内の黒画素は、PCBkを使用して達成されるよりも真
正な黒色を示すことができ、同時に、様々な染料ベース
インクの混合物を使用して、色領域内で比較的一様な出
力密度を維持することができる。また、前述の選択可能
性により、顔料ベースの黒インクを使用して、分離され
た黒画素を印刷することができ、それによって、そのよ
うな黒画像データをより正確に再生することができる。
【0450】前述の実施形態に関して述べたように、プ
リンタドライバ114は、図49Bのフローを実行する
コンピュータ実行可能なステップを含む。もちろん、こ
のステップ全体をプリンタ30のROM122内に含め
るか、あるいはホストプロセッサ23のコンピュータ読
取り可能なメモリとプリンタ30のコンピュータ読取り
可能なメモリの両方に記憶することができる。 11.2 境界領域の印刷 前述のように、従来の方式で印刷された黒/カラー境界
領域にはいくつかの欠点がある。第1に、そのような領
域は多くの場合、最初の多値画像の2値化データに基づ
くものとして識別される。しかし、2値化画像データ
は、実際の多値画像データを正確には近似しないことが
多い。そのため、境界領域が、オリジナル画像ではその
ような領域が存在しない位置で「識別される」可能性が
ある。
【0451】第2に、黒領域を印刷するために使用され
る低浸透性黒インクは、高浸透性インクを使用して印刷
された隣接した色領域に流出する傾向がある。そのよう
な色領域と低浸透性黒インクの領域との間の緩衝体とし
てPCBkが提案されている。しかし、図50(A)に
示したように、PCBk領域422および低浸透性黒イ
ンク領域424のそれぞれの異なる光学濃度のために、
領域が突然途切れるように見えるので、そのような緩衝
体は不十分である。
【0452】高浸透性黒インクおよびPCBk「緩衝
体」を使用して黒/カラー境界領域を印刷することも提
案されている。図50(B)に示したように、PCBk
領域426および高浸透性黒インク領域427の光学濃
度は図50(A)に示した光学濃度により類似している
が、高浸透性黒インクによって生成される黒色は、高品
質な黒一色の領域を生成するには適していない。
【0453】図51は、境界領域を印刷する方法につい
て説明するフローチャートである。一般に、この方法は
画像の黒領域と画像の異なる色の領域との間の境界を検
出することと、プロセスブラックを使用して黒領域内
の、境界に隣接した位置に第1の黒画素領域を印刷する
ようプリンタに命令することと、高浸透性黒インクを使
用して黒領域内の第1の領域に隣接した位置に第2の黒
画素領域を印刷するようプリンタに命令することと、低
浸透性黒インクを使用して黒領域内の第2の領域に隣接
した位置に第3の黒画素領域を印刷するようプリンタに
命令することとを含む。
【0454】具体的には、ステップS5101からフロ
ーが開始し、画像の黒領域と画像の異なる色の領域との
間の境界が検出される。図50(C)を参照するとわか
るように、ステップS5101では、異なる色の領域4
30と黒領域432との間の境界429が検出される。
前述のように、境界検出は、2値化画像データを使用し
て境界検出を行うシステムよりも正確に黒と異なる色と
の境界を検出するように多値画像データに基づく検出を
行うことが好ましい。
【0455】処理フローはステップS5102に進み、
プリンタが、PCBkを使用して第1の黒画素領域を印
刷するよう命令される。図50(C)に示したように、
第1の領域431は黒領域432内にあり、境界429
に隣接している。
【0456】次に、ステップS5103で、プリンタ
は、高浸透性黒インクを使用して第2の黒画素領域を印
刷するよう命令される。第2の領域を図50(C)に領
域434として示す。第2の領域434は第1の領域4
31に隣接し、かつ黒領域432内にあることには利点
がある。
【0457】最後に、ステップS5104で、プリンタ
は、低浸透性黒インクを使用して第3の黒画素領域を印
刷するよう命令される。図50(C)に示したように、
第3の領域436は第2の領域434に隣接し、かつ黒
領域432内にある。
【0458】必要なPCBK画素の数と、黒領域と異な
る色の領域との間の境界領域で必要とされる高浸透性黒
インクによる画素の数とに基づいて、第1、第2、第3
の領域のサイズを調整できることを理解されたい。
【0459】図51のフローの結果として、黒領域と異
なる色の領域との間の境界を横切って光学濃度がしだい
に変化し、黒領域と色領域との間のインクの滲み出しが
低減し、高品質の黒領域が得られる。
【0460】プリンタドライバ114は、図51のフロ
ーを実行するコンピュータ実行可能なステップを含むこ
とができる。このステップも、プリンタ30のROM1
22内に含めるか、あるいはホストプロセッサ23のコ
ンピュータ読取り可能なメモリとプリンタ30のコンピ
ュータ読取り可能なメモリの両方に記憶することができ
る。
【0461】図52は、黒領域と異なる色の領域との間
の境界領域を印刷するより詳細な方法を示す。
【0462】一般に、図52は、高浸透性黒インクの容
器と、低浸透性黒インクのインク容器と、プロセスブラ
ックを生成するためのインク容器とを含むインクジェッ
トプリンタを使用して画像データに対応する画素の印刷
を制御するシステムについて説明するものである。この
システムによれば、画像データに基づいて、黒目標画素
に隣接した第1の所定サイズの第1の領域に異なる色の
領域が含まれているかどうかが判定される。第1の領域
に異なる色の領域が含まれていると判定された場合、プ
リンタはプロセスブラックを使用して目標画素を印刷す
るよう命令される。第1の領域には異なる色の領域が含
まれていないと判定された場合、画像データに基づい
て、第1の領域よりも大きな目標画素に隣接した第2の
所定サイズの第2の領域に異なる色の領域が含まれてい
るかどうかが判定される。第2の領域に異なる色の領域
が含まれていると判定された場合、プリンタは高浸透性
黒インクを使用して目標画素を印刷するよう命令され、
そうでない場合は、低浸透性黒インクを使用して目標画
素を印刷するよう命令される。
【0463】具体的には、ステップS5201から処理
フローが開始し、オリジナル画像データ内の黒目標画素
が識別される。処理フローはステップS5202に進
み、目標画素に隣接した第1の領域に異なる色の領域が
含まれているかどうかが判定される。そうである場合、
処理フローはステップS5204に進み、プリンタ30
はPCBkを使用して目標画素を印刷するよう命令され
る。そうでない場合、処理フローはステップS5205
に進む。
【0464】ステップS5205で、ステップS520
1で識別された目標画素に隣接した第2の領域に異なる
色の領域が含まれているかどうかが判定される。特に、
第2の領域は、ステップS5202で分析された第1の
領域よりも大きい。したがって、ステップS5205で
は、目標画素が異なる色の領域の近傍に配置されている
かどうかが確認される。そうである場合、フローはステ
ップS5206に進み、プリンタ30は高浸透性黒イン
クを使用して目標画素を印刷するよう命令される。そう
でない場合、処理フローはステップS5208に進み、
プリンタ30は低浸透性黒インクを使用して目標画素を
印刷するよう命令される。
【0465】図53(A)は、ステップS5202の好
適な実施形態による第1の異なる色の領域の検出を示
す。図53(A)は、異なる色の多値画像データの領域
450と黒の多値画像データの領域451を示す。前述
の説明に関して、ステップS5201で識別された目標
画素は画素データ位置452によって表されている。ま
た、5×5領域454は、ステップS5202で分析さ
れた第1の領域である。
【0466】領域454に異なる色の領域が含まれてい
るかどうかを判定するために、図49Aに関して説明し
たアルゴリズムが領域454内の画素値に適用される。
領域454内の黒画素および異なる色の画素を正確に検
出するために、多値画素値が使用されることが好まし
い。領域454には領域450のカラーを表わす画素値
が含まれているので、プリンタ30はステップS520
4で、PCBkを使用して目標画素4524を印刷する
よう命令される。
【0467】この命令は、図53(A)の画像データに
対応する印刷画素を表した図53(C)に反映されてい
る。図53(C)に示したように、印刷画素456は画
素位置452を表し、PCBkを使用して印刷される。
なお、印刷画素457が、画素位置459を表し、やは
りPCBkを使用して印刷されることを理解されたい。
【0468】ステップS5205〜S5208について
図53(B)〜図53(C)を参照して以下に詳しく説
明する。具体的には、画素データ位置461に隣接し第
1の領域454よりも大きな第2の領域460が分析さ
れ、その領域に異なる色の領域が含まれているかどうか
が判定される。したがって、プリンタ30は、高浸透性
黒インクを使用して、画素データ位置461に対応する
画素462を印刷するよう命令される。
【0469】図53(B)からわかるように、画素デー
タ位置466に隣接した第2の領域464には異なる色
の領域は含まれていない。したがって、ステップS52
08に従って、プリンタ30は、低浸透性黒インクを使
用して、画素データ位置466に対応する画素467を
印刷するよう命令される。
【0470】図52に示した処理の結果として、図50
(C)に示したような境界領域が得られる。具体的に
は、境界領域を横切って光学濃度がしだいに変化し、黒
領域と異なる色の領域との間の滲み出しが低減し、低浸
透性黒インクを使用して黒領域が印刷される。
【0471】もちろん、必要なPCBkによる画素の数
と、黒領域と異なる色の領域との間の境界領域で必要と
される高浸透性黒インクによる画素の数とに基づいて、
第1の領域および第2の領域のサイズを調整することが
できる。
【0472】前述の実施形態に関して論じたように、プ
リンタドライバ114は、図52のフローを実行するコ
ンピュータ実行可能なステップを含むことができる。こ
のステップも、プリンタ30のROM122内に含める
か、あるいはホストプロセッサ23のコンピュータ読取
り可能なメモリとプリンタ30のコンピュータ読取り可
能なメモリの両方に記憶することができる。11.3
いくつかの異なる解像度でのいくつかの異なるインクに
よる印刷図55は、他の実施形態による処理を示すフロ
ーチャートである。図49Aに示したように、5×5画
素領域416などの画素データが入力されると、ステッ
プS5402〜S5407で、入力画素データ中の目標
画素が色領域内にあるかどうかが判定される。このプロ
セスは、図49Aに関して説明したプロセスと同じであ
る。したがって、話を簡単にするために、このプロセス
の詳細な説明を省略する。
【0473】ステップS5409〜S5412は、本発
明によって実行される色補正、すなわち黒補正を示す。
具体的には、ステップS5409で、目標画素に対して
色補正が実行され、画素がRGBデータからCMYKデ
ータに変換される。次に、ステップS5410で、目標
画素が色領域内にあるかどうかが判定される。画素が色
領域にはない場合、処理はステップS5411に進む。
目標画素が色領域内にはない場合、顔料インク(すなわ
ち、K1インク)が画素を形成するように設定される。
これに対して、ステップS5410で、画素が色領域内
にある場合、プロセスブラック、すなわち、シアンイン
ク、マゼンタインク、イエロインクと染料ベースの(す
なわち、K2)黒インクとで黒が形成される。
【0474】次に、ステップS5413で、画素データ
に対する出力色補正が行われる。たとえば、このステッ
プではγ(ガンマ)補正などを実行することができる。
その後、処理はステップS5414〜S5419に進
む。これらのステップは、本発明による2値化を示す。
【0475】具体的には、ステップS5414で、目標
画素が色領域内にあるかどうかが判定される。目標画素
が色領域内にある場合、処理はステップS5418に進
み、目標画素が2×2インデックスを用いて2値化さ
れ、次いでステップS5419に進み、画素が染料ベー
スの黒顔料インクを用いて720×720解像度で印刷
される(図54(A)参照)。一方、ステップS541
4で、目標画素が色領域内にはないと判定された場合、
処理はステップS5415に進み、画素が1×1インデ
ックスを用いて2値化され、次いでステップS5417
に進み、画素が顔料ベースの黒インクを用いて360×
360dpiで印刷される(図54(B)参照)。その
後、処理は終了する。
【0476】なお、以上の実施形態において、記録ヘッ
ドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さ
らにインクタンクに収容される液体はインクであるとし
て説明したが、その収容物はインクに限定されるもので
はない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めた
り、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対し
て吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容
されていても良い。
【0477】以上の実施形態は、特にインクジェット記
録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用され
るエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例え
ば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギ
ーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いるこ
とにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0478】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0479】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0480】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構
成としても良い。
【0481】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0482】加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘ
ッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリ
ッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着さ
れることで、装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの
記録ヘッドを用いてもよい。
【0483】また、以上説明した記録装置の構成に、記
録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加する
ことは記録動作を一層安定にできるので好ましいもので
ある。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対して
のキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは
吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子
あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などが
ある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを
備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0484】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもで
きる。
【0485】以上説明した実施の形態においては、イン
クが液体であることを前提として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化も
しくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジ
ェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下
の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範
囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。
【0486】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、
またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し
加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒
体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。この
ような場合インクは、特開昭54−56847号公報あ
るいは特開昭60−71260号公報に記載されるよう
な、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物
として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向す
るような形態としてもよい。本発明においては、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰
方式を実行するものである。
【0487】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力
端末として一体または別体に設けられるものの他、リー
ダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有
するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良
い。
【0488】なお、本発明は、複数の機器(例えばホス
トコンピュータ,インタフェース機器,リーダ,プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置
など)に適用してもよい。
【0489】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そ
のシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU
やMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを
読出し実行することによっても、達成されることは言う
までもない。
【0490】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現するこ
とになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は
本発明を構成することになる。
【0491】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディス
ク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD
−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMな
どを用いることができる。
【0492】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0493】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれることは言うまでもない。
【0494】本発明について特定の例示的な実施形態に
関して説明した。本発明が前述の実施形態に限らず、か
つ当業者によって本発明の趣旨および範囲から逸脱せず
に様々な変更および修正が加えられることを理解された
い。
【0495】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、互
いに独立に記録解像度を制御可能な少なくとも2つの記
録ヘッドを用いて記録媒体に画像を記録するので、1頁
の記録の中で記録される画像の種類、例えば、文字画像
と文字ではない画像に従ってその記録解像度を変えて、
それぞれの種類に適切な解像度で記録することができる
という効果がある。
【0496】また、プリント効率を高めることもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリンタと共に使用されるコンピュー
タ装置の斜視図である。
【図2】図1に示したプリンタの正面斜視図である。
【図3】図1に示したプリンタの背面斜視図である。
【図4】図1に示したプリンタの正面切取斜視図であ
る。
【図5】図1に示したプリンタの背面切取斜視図であ
る。
【図6A】本発明と共に使用されるカートリッジ・リセ
プタクルの正面図である。
【図6B】本発明と共に使用されるカートリッジ・リセ
プタクルの背面図である。
【図7A】本発明と共に使用される使い捨てインクカー
トリッジの例を示す図である。
【図7B】本発明と共に使用される第2のタイプのイン
クカートリッジの一例を示す図である。
【図7C】本発明と共に使用される第2のタイプのイン
クカートリッジの一例を示す図である。
【図8】本発明と共に使用される記録ヘッドのヘッド構
成を示す図である。
【図9】本発明のプリンタによって印刷されるドット構
成を示す図である。
【図10】本発明のプリンタと相互接続されたホストプ
ロセッサのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示したホストプロセッサおよびプリ
ンタの機能ブロック図である。
【図12】図10に示したゲート・アレイの内部構成を
示すブロック図である。
【図13】本発明のプリンタのメモリ・アークテクチャ
を示す図である。
【図14】本発明のプリンタの動作を詳しく示す全体的
なシステム・フローチャートである。
【図15】本発明のプリンタのユーザ操作に対するプリ
ンタ応答を示すフローチャートである。
【図16】本発明による印刷制御フローを示すフローチ
ャートである。
【図17】本発明のスキャン・パラメータの設定を示す
フローチャートである。
【図18】印刷シーケンス中のコマンド・フローを示す
表である。
【図19】本発明のプリンタのハード電源オン・シーケ
ンスを示すフローチャートである。
【図20】本発明のプリンタのソフト電源オン・シーケ
ンスを示すフローチャートである。
【図21】本発明のプリンタのソフト電源オフ・シーケ
ンスを示すフローチャートである。
【図22】セントロニクスインタフェース・タスクを含
む様々なタスクに関するサイクリックハンドラを示す図
である。
【図23】タイマ動作を制御するサイクリックハンドラ
によるコントローラ・タイマ制御を示すフローチャート
である。
【図24】動作のためにセットアップされた排出トレイ
を有する、図1に示したプリンタの詳細な斜視図であ
る。
【図25A】図24の排出トレイの詳細な斜視図であ
る。
【図25B】図25Aの排出トレイで使用されるフラッ
プ上に含められる開先縁部の例の詳細な斜視図である。
【図25C】開先縁部について説明するために使用され
る図25Bに示したフラップの図である。
【図25D】開先縁部について説明するために使用され
る図25Bに示したフラップの図である。
【図26】図24の排出トレイ上のフラップの接続部の
詳細な斜視図である。
【図27】図24の排出トレイの詳細な代替斜視図であ
る。
【図28】図1のプリンタの底面図である。
【図29A】図24の排出トレイの動作を示す図であ
る。
【図29B】図24の排出トレイの動作を示す図であ
る。
【図29C】図24の排出トレイの動作を示す図であ
る。
【図29D】図24の排出トレイの動作を示す図であ
る。
【図29E】本発明の用紙排出トレイの第2の実施形態
を示す斜視図である。
【図30】本発明のプリンタ内のカートリッジ・リセプ
タクルの動作を示す図である。
【図31】図30(A)および図30(B)に夫々示し
たカートリッジ・リセプタクルに設置されるインクカー
トリッジを示す図である。
【図32】図1のプリンタ上で使用されるインク清掃機
構の構成を示す図である。
【図33】図1のプリンタに設置された各記録ヘッドの
インク清掃を示す図である。
【図34】ホストプロセッサ内の記録ヘッド・コマンド
・データの補償を示すフローチャートである。
【図35】本発明によって実行される時間ベースの清掃
を示すフローチャートである。
【図36】本発明のプリンタが経過時間スケジュールを
維持するステップを示すフローチャートである。
【図37】本発明のプリンタによって実行される自動清
掃シーケンスを示すフローチャートである。
【図38】本発明のプリンタによって実行される自動清
掃シーケンスを示すフローチャートである。
【図39】本発明のプリンタによって実行される自動清
掃シーケンスを示すフローチャートである。
【図40】本発明のプリンタによって実行される自動清
掃シーケンスを示すフローチャートである。
【図41】本発明によるインクカートリッジヘッド交換
を示すフローチャートである。
【図42】本発明のプリンタに用紙が装填されており、
自動清掃シーケンスが開始されたときに実行されるステ
ップを示す図である。
【図43A】本発明による清掃スケジュールを示すタイ
ミングチャートである。
【図43B】プリンタ・ノズル駆動回数の制御について
説明するためのフローチャートである。
【図43C】プリンタに記憶されている加熱係数テーブ
ルおよび駆動回数テーブルの分解図である。
【図43D】ノズル吐出シーケンスおよび液滴サイズの
制御について説明するためのフローチャートである。
【図43E】様々な印刷条件に対するヘッド使用法とプ
リントバッファ使用法との間の相関関係を示す図であ
る。
【図43F】様々な印刷条件に対するヘッド使用法とプ
リントバッファ使用法との間の相関関係を示す図であ
る。
【図43G】様々な印刷条件に対するヘッド使用法とプ
リントバッファ使用法との間の相関関係を示す図であ
る。
【図43H】様々な印刷条件に対するノズル加熱シーケ
ンスを示す図である。
【図43I】ホストプロセッサからプリンタ内のプリン
トバッファへのデータの転送を示す図である。
【図43J】往路走査の後に続く復路走査による描画を
行う際の印刷データ転送を示す図である。
【図43K】単一の記録ヘッドが記録媒体を横切って往
路走査を行う際の印刷データの転送を示す図である。
【図43L】本発明の代替実施形態における往路走査時
の印刷データ転送を示す図である。
【図43M】往路走査が実行された後の復路走査時にお
ける印刷データ転送を示す図である。
【図43N】単一の記録ヘッドが往路走査を行う際の印
刷データ転送を示す図である。
【図43O】一対の記録ヘッドの往路走査における印刷
データ転送を示す図である。
【図43P】一対の記録ヘッドの往路走査における印刷
データ転送を示す図である。
【図43Q】一対の記録ヘッドの往路走査における印刷
データ転送を示す図である。
【図43R】一対の記録ヘッドの往路走査における印刷
データ転送を示す図である。
【図44A】一対の記録ヘッドの往路走査における印刷
データ転送を示す図である。
【図44B】一対の記録ヘッドの復路走査における印刷
データ転送を示す図である。
【図44C】ホストプロセッサの印刷データストアから
プリンタ内のプリントバッファへの印刷データの転送を
示すフローチャートである。
【図44D】ホストプロセッサ内の印刷データストアか
らプリンタ内のプリントバッファへの印刷データの転送
を示すフローチャートである。
【図44E】ホストプロセッサ内の印刷データストアか
らプリンタ内のプリントバッファへの印刷データの転送
を示すフローチャートである。
【図44F】ホストプロセッサ内の印刷データストアか
らプリンタ内のプリントバッファへの印刷データの転送
を示すフローチャートである。
【図44G】ホストプロセッサ内の印刷データストアか
らプリンタ内のプリントバッファへの印刷データの転送
を示すフローチャートである。
【図44H】ホストプロセッサ内の印刷データストアか
らプリンタ内のプリントバッファへの印刷データの転送
を示すフローチャートである。
【図44I】ホストプロセッサ内の印刷データストアか
らプリンタ内のプリントバッファへの印刷データの転送
を示すフローチャートである。
【図44J】ホストプロセッサ内の印刷データストアか
らプリンタ内のプリントバッファへの印刷データの転送
を示すフローチャートである。
【図44K】ホストプロセッサ内の印刷データストアか
らプリンタ内のプリントバッファへの印刷データの転送
を示すフローチャートである。
【図44L】ホストプロセッサ内の印刷データストアか
らプリンタ内のプリントバッファへの印刷データの転送
を示すフローチャートである。
【図44M】ホストプロセッサ内の印刷データストアか
らプリンタ内のプリントバッファへの印刷データの転送
を示すフローチャートである。
【図44N】印刷システム内でのシフトバッファ技術の
可能な応用例を示す2つのブロック図である。
【図45A】いくつかの異なるヘッドのそれぞれについ
ていくつかの異なる解像度を用いるプリントアウトの利
点について説明する図である。
【図45B】各記録ヘッドごとの印刷解像度を独立に制
御し、それによってプリントアウトを実行するよう命令
するためにホストプロセッサ内のプリンタドライバによ
って実行されるプロセスステップを示すフローチャート
である。
【図46A】本発明のプリンタに関連するユーザインタ
フェースを示す図である。
【図46B】記録ヘッドにいくつかの異なる解像度を用
いる印刷の利点について説明するため図である。
【図46C】各記録ヘッドごとに印刷解像度を制御し、
それによってプリントアウトを実行するよう命令するた
めにホストプロセッサ内のプリンタドライバによって実
行されるプロセス・ステップを示すフローチャートであ
る。
【図47】独立の印刷解像度設定に関してプリンタによ
って実行されるプロセス・ステップをフローチャートで
ある。
【図48】インク選択方法について説明するためのフロ
ーチャートである。
【図49A】異なる色の領域内に黒ターゲット画素が位
置するかどうかを判定するために使用される領域を示す
図である。
【図49B】CMYK黒インクまたは顔料ベースの黒イ
ンクの選択について説明するフローチャートである。
【図50】黒領域と異なる色の領域との間の境界に隣接
した領域の印刷を示す図である。
【図51】黒領域と異なる色の領域との間の境界に隣接
した領域を印刷する方法について説明するためのフロー
チャートである。
【図52】黒領域と異なる色の領域との間の境界に隣接
した領域を印刷する方法について説明するためのフロー
チャートである。
【図53】黒領域と異なる色の領域との間の境界に隣接
した領域の印刷データに基づいてデータを印刷する方法
を示す図である。
【図54】本発明の一実施形態による画素の2値化を示
す図である。
【図55】本発明の一実施形態によるカラー処理を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平林 弘光 アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92626, コスタ メサ レッドヒル ア ベニュー 3191 キヤノン ビジネス マ シーンズ, インコーポレイテッド 内

Claims (73)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも第1の記録ヘッドと第2の記
    録ヘッドとを有したプリンタにおいて、前記第1及び第
    2の記録ヘッドの解像度を互いに独立に制御する制御工
    程を有することを特徴とする記録解像度制御方法。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2の記録ヘッドは、プリ
    ントバッファのデジタルデータに基づいてインク液滴を
    吐出するインクジェット記録ヘッドを含み、 前記制御工程は、 インク液滴のサイズを制御する工程と、 前記プリントバッファからのデジタルデータについての
    読み出し順序を制御する工程とを有することを特徴とす
    る請求項1に記載の記録解像度制御方法。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2のインクジェット記録
    ヘッド各々において、ノズル駆動順序を制御する工程を
    さらに有することを特徴とする請求項2に記載の記録解
    像度制御方法。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の記録ヘッド各々の解
    像度を決定する決定工程をさらに有し、 前記制御工程は、前記決定工程において決定された解像
    度に基づいて、解像度を制御することを特徴とする請求
    項1に記載の記録解像度制御方法。
  5. 【請求項5】 前記決定工程はユーザ入力によるマニュ
    アル指示であることを特徴とする請求項4に記載の記録
    解像度制御方法。
  6. 【請求項6】 前記決定工程は、前記第1及び第2の記
    録ヘッドとの間の相対的なヘッド構成についての少なく
    とも1部分に基づいて自動的になされることを特徴とす
    る請求項4に記載の記録解像度制御方法。
  7. 【請求項7】 前記決定工程は、プリントデータの内容
    についての少なくとも1部分に基づいて自動的になされ
    ることを特徴とする請求項4に記載の記録解像度制御方
    法。
  8. 【請求項8】 前記決定工程は、記録媒体の種類につい
    ての少なくとも1部分に基づいて自動的になされること
    を特徴とする請求項4に記載の記録解像度制御方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも第1の記録ヘッドと第2の記
    録ヘッドをもつプリンタにラスタ画像に対応したプリン
    トデータを出力するための、ホストプロセッサで実行可
    能なプリントドライバであって、 前記第1及び第2の記録ヘッドの解像度を互いに独立に
    制御する処理を実行するコードと、 前記プリンタにデジタルプリントデータを伝送する処理
    を実行するコードと、 前記夫々に制御される解像度で前記伝送されたプリント
    データをプリントする命令を送信する処理を実行するコ
    ードとを有することを特徴とするプリントドライバ。
  10. 【請求項10】 前記第1及び第2の記録ヘッドは、プ
    リントバッファのデジタルデータに基づいてインク液滴
    を吐出するインクジェット記録ヘッドを含み、 前記解像度の制御には、インク液滴のサイズの制御と、
    前記プリントバッファからのデジタルデータについての
    読み出し順序の制御とが含まれていることを特徴とする
    請求項9に記載のプリントドライバ。
  11. 【請求項11】 前記第1及び第2のインクジェット記
    録ヘッド各々におけるノズル駆動順序の制御をさらに有
    することを特徴とする請求項10に記載のプリントドラ
    イバ。
  12. 【請求項12】 前記第1及び第2の記録ヘッド各々の
    解像度を決定することをさらに含み、 前記解像度の制御は、前記決定された解像度に基づく、
    解像度の制御であることを特徴とする請求項9に記載の
    プリントドライバ。
  13. 【請求項13】 前記解像度の決定はユーザ入力による
    マニュアル指示であることを特徴とする請求項12に記
    載のプリントドライバ。
  14. 【請求項14】 前記解像度の決定は、前記第1及び第
    2の記録ヘッドとの間の相対的なヘッド構成についての
    少なくとも1部分に基づいて自動的になされることを特
    徴とする請求項12に記載のプリントドライバ。
  15. 【請求項15】 前記解像度の決定は、プリントデータ
    の内容についての少なくとも1部分に基づいて自動的に
    なされることを特徴とする請求項12に記載のプリント
    ドライバ。
  16. 【請求項16】 前記解像度の決定は、記録媒体の種類
    についての少なくとも1部分に基づいて自動的になされ
    ることを特徴とする請求項12に記載のプリントドライ
    バ。
  17. 【請求項17】 互いに対して独立に記録解像度は制御
    可能である少なくとも第1及び第2の記録ヘッドを有し
    たプリンタにおいて用いられるプリント方法であって、 前記第1の記録ヘッドでは第1の解像度でプリントを行
    なう第1のプリント工程と、 前記第2の記録ヘッドでは前記第1の解像度とは異なる
    第2の解像度でプリントを行なう第2のプリント工程と
    を有することを特徴とするプリント方法。
  18. 【請求項18】 前記第1及び第2の記録ヘッドの解像
    度を互いに対して独立に制御するコマンドを受信する第
    1の受信工程をさらに有することを特徴とする請求項1
    7に記載のプリント方法。
  19. 【請求項19】 前記第1及び第2の記録ヘッドは、イ
    ンク液滴を吐出するインクジェット記録ヘッドを含み、 インク液滴サイズを制御するコマンドを受信する第2の
    受信工程をさらに有することを特徴とする請求項17に
    記載のプリント方法。
  20. 【請求項20】 前記インクジェット記録ヘッドのノズ
    ルに対する駆動順序を制御するコマンドを受信する第3
    の受信工程をさらに有することを特徴とする請求項19
    に記載のプリント方法。
  21. 【請求項21】 前記第1及び第2の記録ヘッドは、プ
    リントバッファのデジタルデータに基づいてインク液滴
    を吐出するインクジェット記録ヘッドを含み、 前記プリントバッファからのデジタルデータの読み出し
    順序を制御するコマンドを受信する第4の受信工程をさ
    らに有することを特徴とする請求項17に記載のプリン
    ト方法。
  22. 【請求項22】 互いに対して独立に制御可能である記
    録解像度をもつ少なくとも第1及び第2の記録ヘッド
    と、 前記第1及び第2の記録ヘッドによるプリント出力を制
    御する制御手段とを有し、 前記制御手段は、前記第1の記録ヘッドでのプリント出
    力を第1の解像度で行なうように制御し、前記第2の記
    録ヘッドでのプリント出力を前記第1の解像度とは異な
    る第2の解像度で行なうよう制御することを特徴とする
    プリンタ。
  23. 【請求項23】 前記制御手段は、前記第1及び第2の
    記録ヘッドの解像度を互いに対して独立に制御するコマ
    ンドを受信することを特徴とする請求項22に記載のプ
    リンタ。
  24. 【請求項24】 前記第1及び第2の記録ヘッドは、イ
    ンク液滴を吐出するインクジェット記録ヘッドを含み、 前記制御手段は、インク液滴サイズを制御するコマンド
    を受信することを特徴とする請求項22に記載のプリン
    タ。
  25. 【請求項25】 前記制御手段は、さらに前記インクジ
    ェット記録ヘッドのノズルに対する駆動順序を制御する
    コマンドを受信することを特徴とする請求項24に記載
    のプリンタ。
  26. 【請求項26】 互いに対して独立に制御可能な記録解
    像度をもつ少なくとも第1の記録ヘッドと第2の記録ヘ
    ッドと、 前記第1の記録ヘッドによるプリント出力を第1の解像
    度で行い、前記第2の記録ヘッドによるプリント出力を
    前記第1の解像度とは異なる第2の解像度で行なうよう
    に、前記第1及び第2の記録ヘッドによるプリント出力
    を制御する制御手段と、を有したインクジェットプリン
    タと;前記インクジェットプリンタに接続されて動作
    し、デジタルプリントデータを前記インクジェットプリ
    ンタに送信し、前記少なくとも第1及び第2の記録ヘッ
    ドをもつプリンタに対して、ラスタ画像に対応したプリ
    ントデータを出力するためのプロセッサで実行可能なプ
    リントドライバを含むホストプロセッサとを有すること
    を特徴とするプリントシステム。
  27. 【請求項27】 前記プリントドライバは、前記第1及
    び第2の記録ヘッドの解像度を互いに対して独立に制御
    するコマンドを受信する制御手段を含むことを特徴とす
    る請求項26に記載のプリントシステム。
  28. 【請求項28】 前記第1及び第2の記録ヘッドは、イ
    ンク液滴を吐出するインクジェット記録ヘッドを含み、 前記プリントドライバは、インク液滴サイズを制御する
    コマンドを受信する制御手段を含むことを特徴とする請
    求項26に記載のプリントシステム。
  29. 【請求項29】 前記制御手段は、さらに前記インクジ
    ェット記録ヘッドのノズルに対する駆動順序を制御する
    コマンドを受信することを特徴とする請求項28に記載
    のプリントシステム。
  30. 【請求項30】 前記第1及び第2の記録ヘッドは、プ
    リントバッファのデジタルデータに基づいてインク液滴
    を吐出するインクジェット記録ヘッドを含み、 前記プリントドライバは、インク液滴のサイズを制御
    し、前記プリントバッファからのデジタルデータについ
    ての読み出し順序を制御することにより、解像度を制御
    することを特徴とする請求項26に記載のプリントシス
    テム。
  31. 【請求項31】 前記プリントドライバは、さらに、前
    記第1及び第2のインクジェット記録ヘッド各々におけ
    るノズル駆動順序を制御することを特徴とする請求項3
    0に記載のプリントシステム。
  32. 【請求項32】 前記プリントバッファは、さらに、前
    記第1及び第2の記録ヘッド各々の解像度を決定し、 前記解像度の制御は、前記決定された解像度に基づい
    た、解像度の制御であることを特徴とする請求項26に
    記載のプリントシステム。
  33. 【請求項33】 前記解像度の決定はユーザ入力による
    マニュアル指示であることを特徴とする請求項32に記
    載のプリントシステム。
  34. 【請求項34】 前記解像度の決定は、前記第1及び第
    2の記録ヘッドとの間の相対的なヘッド構成についての
    少なくとも1部分に基づいて自動的になされることを特
    徴とする請求項32に記載のプリントシステム。
  35. 【請求項35】 前記解像度の決定は、プリントデータ
    の内容についての少なくとも1部分に基づいて自動的に
    なされることを特徴とする請求項32に記載のプリント
    システム。
  36. 【請求項36】 前記解像度の決定は、記録媒体の種類
    についての少なくとも1部分に基づいて自動的になされ
    ることを特徴とする請求項32に記載のプリントシステ
    ム。
  37. 【請求項37】 独立に制御可能な記録解像度をもつ少
    なくとも第1及び第2の記録ヘッドを有したプリンタの
    記録解像度をユーザが制御できるようにする、ホストプ
    ロセッサによって表示可能なユーザインタフェースであ
    って、 テキストの解像度を指定する部分と、 非テキストの解像度を指定する部分とを有することを特
    徴とするユーザインタフェース。
  38. 【請求項38】 少なくとも1つの記録ヘッドをもつプ
    リンタにラスタ画像に対応したプリントデータを出力す
    る、ホストプロセッサによって実行可能なプリントドラ
    イバであって、 複数の解像度でデータをプリントするよう記録ヘッドを
    制御する処理を実行するコードと、 前記プリンタにデジタルプリントデータを転送する処理
    を実行するコードと、、 前記複数の解像度で前記プリンタの1走査ラインに前記
    転送されたプリントデータをプリントするようにコマン
    ドを送信する処理を実行するコードとを有することを特
    徴とするプリントドライバ。
  39. 【請求項39】 前記記録ヘッドは、プリントバッファ
    のデジタルデータに基づいて、インク液滴を吐出するイ
    ンクジェット記録ヘッドを含み、 前記記録ヘッドの制御にはインク液滴サイズの制御と前
    記プリントバッファからのデジタルプリントデータの読
    み出し順序の制御が含まれていることを特徴とする請求
    項38に記載のプリントドライバ。
  40. 【請求項40】 さらに前記インクジェット記録ヘッド
    のノズル駆動順序を制御することを特徴とする請求項3
    9に記載のプリントドライバ。
  41. 【請求項41】 さらに前記記録ヘッドの解像度を決定
    し、 前記記録ヘッドの制御では前記決定された解像度に基づ
    いて記録ヘッドを制御することを特徴とする請求項39
    に記載のプリントドライバ。
  42. 【請求項42】 前記解像度の決定は、ユーザ入力によ
    るマニュアル指定によってなされることを特徴とする請
    求項41に記載のプリントドライバ。
  43. 【請求項43】 前記プリンタは少なくとも2つの記録
    ヘッドを有し、 前記解像度の決定は、前記少なくとも2つの記録ヘッド
    の構成の少なくとも1部分に基づいて自動的になされる
    ことを特徴とする請求項41に記載のプリントドライ
    バ。
  44. 【請求項44】 前記解像度の決定は、プリントデータ
    の内容の少なくとも1部分に基づいて自動的になされる
    ことを特徴とする請求項41に記載のプリントドライ
    バ。
  45. 【請求項45】 前記解像度の決定は、記録媒体の種類
    の少なくとも1部分に基づいて、自動的になされること
    を特徴とする請求項41に記載のプリントドライバ。
  46. 【請求項46】 少なくとも1つの記録ヘッドをもつプ
    リンタにラスタ画像に対応するプリントデータを出力す
    るための、コンピュータ可読媒体に格納され、ホストプ
    ロセッサで実行可能なプリントドライバであって、 複数の解像度でデータをプリントするよう記録ヘッドを
    制御し、 前記プリンタにデジタルプリントデータを転送し、 前記複数の解像度で前記プリンタの1走査ラインに前記
    転送されたプリントデータをプリントするようにコマン
    ドを送信する処理ステップを含むことを特徴とするプリ
    ントドライバ。
  47. 【請求項47】 前記記録ヘッドは、プリントバッファ
    のデジタルデータに基づいて、インク液滴を吐出するイ
    ンクジェット記録ヘッドを含み、 前記記録ヘッドの制御にはインク液滴サイズの制御と前
    記プリントバッファからのデジタルプリントデータの読
    み出し順序の制御が含まれていることを特徴とする請求
    項46に記載のプリントドライバ。
  48. 【請求項48】 さらに前記インクジェット記録ヘッド
    のノズル駆動順序を制御することを特徴とする請求項4
    6に記載のプリントドライバ。
  49. 【請求項49】 さらに前記記録ヘッドの解像度を決定
    し、 前記記録ヘッドの制御では前記決定された解像度に基づ
    いて記録ヘッドを制御することを特徴とする請求項46
    に記載のプリントドライバ。
  50. 【請求項50】 前記解像度の決定は、ユーザ入力によ
    るマニュアル指定によってなされることを特徴とする請
    求項49に記載のプリントドライバ。
  51. 【請求項51】 前記プリンタは少なくとも2つの記録
    ヘッドを有し、 前記解像度の決定は、前記少なくとも2つの記録ヘッド
    の構成の少なくとも1部分に基づいて自動的になされる
    ことを特徴とする請求項49に記載のプリントドライ
    バ。
  52. 【請求項52】 前記解像度の決定は、プリントデータ
    の内容の少なくとも1部分に基づいて自動的になされる
    ことを特徴とする請求項49に記載のプリントドライ
    バ。
  53. 【請求項53】 前記解像度の決定は、記録媒体の種類
    の少なくとも1部分に基づいて、自動的になされること
    を特徴とする請求項49に記載のプリントドライバ。
  54. 【請求項54】 ホストプロセッサで実行され、少なく
    とも1つの記録ヘッドをもつプリンタにラスタ画像に対
    応したプリントデータを出力するプリントドライバにつ
    いてのコンピュータ実行可能な処理ステップを格納した
    コンピュータ可読媒体であって、 前記プリントドライバは、 複数の解像度でデータをプリントするよう記録ヘッドを
    制御し、 前記プリンタにデジタルプリントデータを転送し、 前記複数の解像度で前記プリンタの1走査ラインに前記
    転送されたプリントデータをプリントするようにコマン
    ドを送信する処理ステップを含んでいることを特徴とす
    るコンピュータ可読媒体。
  55. 【請求項55】 前記記録ヘッドは、プリントバッファ
    のデジタルデータに基づいて、インク液滴を吐出するイ
    ンクジェット記録ヘッドを含み、 前記記録ヘッドの制御にはインク液滴サイズの制御と前
    記プリントバッファからのデジタルプリントデータの読
    み出し順序の制御が含まれていることを特徴とする請求
    項54に記載のコンピュータ可読媒体。
  56. 【請求項56】 さらに前記インクジェット記録ヘッド
    のノズル駆動順序を制御する処理ステップを有すること
    を特徴とする請求項54に記載のコンピュータ可読媒
    体。
  57. 【請求項57】 さらに前記記録ヘッドの解像度を決定
    する処理ステップを有し、 前記記録ヘッドの制御では前記決定された解像度に基づ
    いて記録ヘッドを制御することを特徴とする請求項54
    に記載のコンピュータ可読媒体。
  58. 【請求項58】 前記解像度の決定は、ユーザ入力によ
    るマニュアル指定によってなされることを特徴とする請
    求項57に記載のコンピュータ可読媒体。
  59. 【請求項59】 前記プリンタは少なくとも2つの記録
    ヘッドを有し、 前記解像度の決定は、前記少なくとも2つの記録ヘッド
    の構成の少なくとも1部分に基づいて自動的になされる
    ことを特徴とする請求項57に記載のコンピュータ可読
    媒体。
  60. 【請求項60】 前記解像度の決定は、プリントデータ
    の内容の少なくとも1部分に基づいて自動的になされる
    ことを特徴とする請求項57に記載のコンピュータ可読
    媒体。
  61. 【請求項61】 前記解像度の決定は、記録媒体の種類
    の少なくとも1部分に基づいて、自動的になされること
    を特徴とする請求項57に記載のコンピュータ可読媒
    体。
  62. 【請求項62】 少なくとも1つの記録ヘッドをもつプ
    リンタにラスタ画像に対応したプリントデータを出力す
    る出力方法であって、 複数の解像度でデータをプリントするよう記録ヘッドを
    制御する工程と、 前記プリンタにデジタルプリントデータを転送する工程
    と、 前記複数の解像度で前記プリンタの1走査ラインに前記
    転送されたプリントデータをプリントするように前記プ
    リンタに指示する工程とを含んでいることを特徴とする
    出力方法。
  63. 【請求項63】 前記記録ヘッドは、プリントバッファ
    のデジタルデータに基づいて、インク液滴を吐出するイ
    ンクジェット記録ヘッドを含み、 前記記録ヘッドを制御する工程には、インク液滴サイズ
    の制御と前記プリントバッファからのデジタルプリント
    データの読み出し順序の制御が含まれていることを特徴
    とする請求項62に記載の出力方法。
  64. 【請求項64】 前記インクジェット記録ヘッドのノズ
    ル駆動順序を制御する工程をさらに有することを特徴と
    する請求項62に記載の出力方法。
  65. 【請求項65】 前記記録ヘッドの解像度を決定する工
    程をさらに有し、 前記記録ヘッドを制御する工程は、前記決定された解像
    度に基づいて記録ヘッドを制御する工程を含むことを特
    徴とする請求項62に記載の出力方法。
  66. 【請求項66】 前記解像度を決定する工程は、ユーザ
    入力によるマニュアル指定を含むことを特徴とする請求
    項63に記載の出力方法。
  67. 【請求項67】 前記プリンタは少なくとも2つの記録
    ヘッドを有し、 前記解像度を決定する工程は、前記少なくとも2つの記
    録ヘッドの構成の少なくとも1部分に基づいて自動的に
    なされることを特徴とする請求項63に記載の出力方
    法。
  68. 【請求項68】 前記解像度を決定する工程は、プリン
    トデータの内容の少なくとも1部分に基づいて自動的に
    なされることを特徴とする請求項63に記載の出力方
    法。
  69. 【請求項69】 前記解像度を決定する工程は、記録媒
    体の種類の少なくとも1部分に基づいて、自動的になさ
    れることを特徴とする請求項63に記載の出力方法。
  70. 【請求項70】 ラスタ画像に対応したプリントデータ
    を出力するシステムであって、 プロセッサ実行可能な処理ステップを格納するメモリ
    と、 複数の解像度でプリント可能な少なくとも1つの記録ヘ
    ッドをもつプリンタと、 複数の解像度でデータをプリントするよう記録ヘッドを
    制御し、前記プリンタにデジタルプリントデータを転送
    し、前記複数の解像度で前記プリンタの1走査ラインに
    前記転送されたプリントデータをプリントするように前
    記プリンタに指示するプロセッサとを有することを特徴
    とするシステム。
  71. 【請求項71】 複数の解像度で画像をプリント可能
    な少なくとも1つの記録ヘッドをもつプリンタと、 前記少なくとも1つの記録ヘッドによるプリントを制御
    するようプリントドライバを実行するホストプロセッサ
    とを有し、 前記プリントドライバは、 少なくとも第1の記録ヘッドと第2の記録ヘッドをもつ
    プリンタにラスタ画像に対応したプリントデータを出力
    するための、ホストプロセッサで実行可能なプリントド
    ライバであって、前記第1及び第2の記録ヘッドの解像
    度を互いに独立に制御し、前記プリンタにデジタルプリ
    ントデータを伝送し、前記夫々に制御される解像度で前
    記伝送されたプリントデータをプリントする命令を送信
    するか、或は、 少なくとも1つの記録ヘッドをもつプリンタにラスタ画
    像に対応したプリントデータを出力する、ホストプロセ
    ッサによって実行可能なプリントドライバであって、複
    数の解像度でデータをプリントするよう記録ヘッドを制
    御し、前記プリンタにデジタルプリントデータを転送
    し、前記複数の解像度で前記プリンタの1走査ラインに
    前記転送されたプリントデータをプリントするようにコ
    マンドを送信する処理ステップを含むことを特徴とする
    プリントシステム。
  72. 【請求項72】 記録解像度制御コマンドを出力するプ
    リントドライバと、 前記プリントドライバによって出力されたコマンドを受
    信し、前記コマンドに従って、互いに対して独立に制御
    可能である記録解像度をもつ少なくとも第1及び第2の
    記録ヘッドを用いて画像をプリントするプリンタとを有
    し、 前記プリンタは、前記第1及び第2の記録ヘッドによる
    プリント出力を制御する制御手段とを有し、前記制御手
    段は、前記第1の記録ヘッドでのプリント出力を第1の
    解像度で行なうように制御し、前記第2の記録ヘッドで
    のプリント出力を前記第1の解像度とは異なる第2の解
    像度で行なうよう制御することを特徴とするプリントシ
    ステム。
  73. 【請求項73】 少なくとも1つの記録ヘッドを用いて
    記録を行なうプリンタであって、 プリントデータに応じて前記記録ヘッドの1走査ライン
    に複数の解像度で記録するように前記記録ヘッドを制御
    する手段を備えることを特徴とするプリンタ。
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