JPH11227020A - 架橋ポリオレフィン管 - Google Patents

架橋ポリオレフィン管

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JPH11227020A
JPH11227020A JP10035565A JP3556598A JPH11227020A JP H11227020 A JPH11227020 A JP H11227020A JP 10035565 A JP10035565 A JP 10035565A JP 3556598 A JP3556598 A JP 3556598A JP H11227020 A JPH11227020 A JP H11227020A
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crosslinked polyolefin
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polyolefin resin
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JP10035565A
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English (en)
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Kiyoshi Takahashi
浄 高橋
Sadao Nagase
貞雄 長瀬
Shigeko Iijima
滋子 飯島
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Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水の存在する環境下において使用した場合で
も、長期間の酸化劣化防止効果能を発揮する、耐久性に
優れている架橋ポリオレフィン管を提供すること。 【解決手段】 原料の架橋性ポリオレフィン樹脂100
重量部に対して、下記一般式[I]により表されるフェ
ノ−ル化合物成分を0.01〜3重量部配合し、押出成
形法によって成形された架橋ポリオレフィン管。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋ポリオレフィ
ン管に関する。さらに詳しくは、水等の溶媒の存在する
環境下で使用しても、押出成形法によって製造され、優
れた耐久性を発揮する架橋ポリオレフィン樹脂管に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】架橋ポリオレフィン系樹脂成形品は、成
形加工時および使用時に酸化を受けて品質が低下すると
いう問題がある。従来から、これらの成形材料の酸化劣
化を防止する目的で、各種酸化防止剤が開発され提案さ
れている。それらの中でも、ヒンダ−ドフェノ−ル化合
物類(例えば、特公昭38−170164号、特公昭3
9−4620号、特公昭39−21140号、特公昭4
2−9651号、特開昭62−30134号などの公報
に記載の化合物)は、特にポリオレフィン類などの成形
樹脂材料の酸化劣化防止に有用であり、現在実用に供さ
れている。
【0003】しかしながら、この様にして各種酸化防止
剤により安定化された成形品を、水が存在する環境下に
おいて長期間使用すると、酸化劣化防止効果が著しく低
下し、架橋ポリオレフィン樹脂成形品の品質が著しく低
下するという欠点がある。この品質が著しく低下する原
因としては、従来、成形樹脂材料に配合された酸化防止
剤が水によって抽出されるため、または、加水分解され
た後に抽出されるためであると考えられてきた。
【0004】従って、水の存在する環境下において使用
する成形品の成形用材料には、一般的に、水による抽出
や、加水分解が生じるのを防ぐため、エステル構造を含
まず、高分子量で、剛直な構造を持つ酸化防止剤を配合
する方法がとられている(特開平2−265939号公
報参照)。しかしながら、この様な特殊な構造を持つ酸
化防止剤を配合しても、要求される耐酸化劣化性を改良
させるものではなく、水が存在する環境下においての酸
化防止に対しても、十分な耐久性を発揮させることはで
きなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、架橋ポ
リオレフィン管(チューブ)の酸化劣化機構、酸化劣化
防止機構、および、水との相互作用について検討を重ね
た結果、特定な構造のフェノ−ル化合物を配合した樹脂
組成物から製造した架橋ポリオレフィン管が、酸化劣化
防止能に優れ、特に、水が存在する環境下において長期
間使用した場合でも、優れた酸化劣化防止効果を発揮す
ることができるを見出だし、本発明を完成するに至った
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、架橋ポリオレフィン管において、架橋
性ポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して、下
記一般式[I]により表されるフェノ−ル化合物成分を
0.01〜3重量部配合して押出成形法で成形されてな
ることを特徴とする、架橋ポリオレフィン管を提供す
る。
【0007】
【化3】
【0008】
【化4】
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る架橋ポリオレフィン管の原料材料は、ポリ
オレフィン樹脂類である。ポリオレフィン樹脂類の具体
例としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン
−1等のポリ−α−オレフィン、エチレン・プロピレン
ランダムまたはブロック共重合体、エチレン・ブテン−
1ランダム共重合体等のα−オレフィン共重合体、無水
マレイン酸変性ポリプロピレン等のポリ−α−オレフィ
ンと他の単量体との共重合体、等のポリオレフィン、お
よびこれらの混合物等を挙げることができる。
【0010】上記ポリエチレンとしては、特に、ブテン
−1、ペンテン1、ヘキサン−1、4−メチル−ペンテ
ン−1等のα−オレフィン、アクリル酸、アクリル酸エ
チル、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸およびその
誘導体、酢酸ビニル等のビニルエステル、スチレン、メ
チルスチレン等の不飽和芳香族化合物等との、ランダ
ム、ブロックまたはグラフト共重合体等を挙げることが
できる。
【0011】上記ポリオレフィン樹脂類に架橋性を付与
するには、(i)ポリオレフィン樹脂類にビニルシラン化
合物をグラフト共重合させる方法、(ii)エチレンとビニ
ルシラン化合物とをランダム共重合させる方法、(iii)
ポリオレフィン樹脂類に上記(i)または(ii)の共重合体
を混合する方法、などによることができる。ビニルシラ
ン化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロイルオキシトリメトキシシランなどが挙げられ
る。架橋性のポリオレフィン樹脂類の製造法の詳細は、
例えば、特公昭48−1711号公報、特開昭55−9
611号公報、特開昭59−36115号公報などに記
載されており、また市場で入手することができる。
【0012】上記のポリオレフィン樹脂類を架橋させる
には、架橋性のポリオレフィン樹脂類に、例えば、ジブ
チル錫ジラウレートなどのようなシラノール縮合触媒を
使用し、水を添加することによって容易に架橋反応を生
起させ、架橋させることができる。シラノール縮合触媒
は、これをポリオレフィン樹脂類に直接配合するのでは
なく、基体となるポリオレフィン樹脂類に配合したマス
ターバッチとして配合するのが好ましい。シラノール縮
合触媒を直接配合すると、ポリオレフィン樹脂類に均一
に分散させるのが困難で、架橋が局所的となる場合があ
り、好ましくない。
【0013】マスターバッチは、基体のポリオレフィン
樹脂類100重量部に対してシラノール縮合触媒を0.
1〜10重量部含有させる。シラノール縮合触媒の量が
0.1重量部未満では、濃度が薄すぎてマスターバッチ
として機能せず、10重量部を超えると、基体樹脂に配
合するのが困難であり、いずれも好ましくない。このマ
スターバッチの配合量は、マスターバッチ中のシラノー
ル縮合触媒の濃度にもよるが、基体のポリオレフィン樹
脂類100重量部に対してマスターバッチ0.5〜20
重量部の範囲で選ぶものとする。マスターバッチ中のシ
ラノール縮合触媒の濃度が低い場合は、マスターバッチ
の配合量を多くし、濃度が高い場合は、マスターバッチ
の配合量を少なくし、ポリオレフィン樹脂類を溶融架橋
させた後にJIS C3005に準拠して測定した架橋
度が、2重量%以上が好ましい。中でも4重量%以上が
好ましく、特に好ましいのは4〜90重量%である。
【0014】本発明に係る架橋ポリオレフィン管の原料
材料には、下記の一般式[I]により表されるフェノ−
ル化合物が配合される。
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】上記の一般式[I]により表されるフェノ
−ル化合物の具体例としては、次に挙げる通りである。
R1 およびR4 としては、炭素数1〜8、好ましくは1
〜5のアルキル基であり、このアルキル基はそれぞれ直
鎖状、分岐鎖状または環状いずれでもよい。具体的に
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル
基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、2−
メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、s
ec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、シクロヘキ
シル基、ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル
基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、2−
エチルヘキシル基等を挙げることができる。
【0018】また、R2 、R3 R5 およびR6 として
は、それぞれ水素原子、または、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n
−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、
tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキ
シル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、ter
t−ヘキシル基、シクロヒキシル基、ヘプチル基、n−
オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、t
ert−オクチル基、2−エチルヘキシル基等の直鎖
状、分岐鎖状または環状のいずれでもよい炭素数1〜
8、好ましくは1〜5のアルキル基を挙げることができ
る。
【0019】また、一般式[I]で表される化合物にお
けるXは、必ずしも3つともすべて同じである必要がな
いが、通常は同一のものが好ましい。一般式[I]で表
される化合物は、通常、1,1,3−トリス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフュニル)
ブタン、または、1,1,3−トリス(3−メチル−4
−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン
等と、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フュニルプロピオン酸、または3−メチル−5−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸等
や、対応するプロピオニルクロライド等との化学反応に
よって得られるが、この反応組成物(その反応の際に、
副生する化合物を任意の割合にて混合されてもよい。)
であってもよい。
【0020】上記一般式[I]で表されるフェノ−ル化
合物(A)の具体例としては、1,1,3−トリス[2
−メチル−4−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニルプロピオニルオキシ)−5−ter
t−ブチルフェニル]ブタン、1,1,3−トリス[3
−メチル−4−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシフュニルプロピオニルオキシ)−5−ブチル
フェニル]ブタン、1,1,3−トリス[2−メチル−
4−(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフュニルプロピオニルオキシ)−5−tert−ブ
チルフェニル]ブタン、1,1,3−トリス[3−メチ
ル−4−(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフュニルプロピオニルオキシ)−5−tert
−ブチルフェニル]ブタン等を挙げることができる。こ
れらは、1種でも2種以上の混合物であってもよい。
【0021】上記一般式[I]で表されるフェノ−ル化
合物(A)の特徴は、ヒンダ−ドフェニルエステル構造
を有するヒンダ−ドフェノ−ル化合物であるところにあ
る。即ち、水が存在する環境下において、使用初期はヒ
ンダ−ドフェノ−ルが酸化防止効果を発揮し、使用中に
ヒンダ−ドフェニルエステルが水の作用によって変質す
ると、新たにヒンダ−ドフェノ−ルが生成し、引き続き
酸化劣化防止能を発揮することができるので、水等の溶
媒の存在する環境下でも、長期間に亘って酸化劣化防止
効果を発揮することができる。
【0022】架橋ポリオレフィン管を製造する際に、原
料樹脂の架橋性ポリオレフィン樹脂組成物に配合され
る、上記一般式[I]で表されるフェノ−ル化合物の配
合量は、架橋性ポリエチレン樹脂組成物100重量部に
対して0.01〜3重量部の範囲で選ぶことができる。
0.01重量部未満であると、酸化劣化防止効果が不十
分となり、3重量部を超えるとブリ−ドや変色の欠点が
起こるので、いずれも好ましくない。上記範囲で好まし
いのは、0.01〜1重量部であり、中でも特に好まし
いのは、0.03〜0.7重量部である。
【0023】原料樹脂の架橋性ポリオレフィン樹脂組成
物には、前記一般式[I]で表されるフェノ−ル化合物
を配合したものであるが、必要に応じて、架橋ポリオレ
フィン管の物性を著しく損なわない種類のこれら以外の
付加的成分を、物性を著しく損なわない範囲で配合する
ことができる。
【0024】この様な付加的成分の具体例としては、前
記一般式[I]で表される化合物(A)以外の酸化防止
剤、例えば、その他のフェノ−ル系酸化防止剤(B)、
硫黄系酸化防止剤(C)、燐系酸化防止剤(E)、光安
定剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、または、難燃
剤、イオン系非イオン系等の帯電防止剤、シリコンオイ
ル、アミド等の滑剤、加工助剤、中和剤、増量剤、可塑
剤、無機系および有機系の顔料、分散剤、タルク、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤、発泡剤、過酸化
物、蛍光増白剤、および、前記ポリオレフィン樹脂以外
の樹脂、ゴム等を挙げることができる。
【0025】上記付加的成分の中でも、特に、硫黄系酸
化防止剤(C)、または、ヒンダ−ドアミン系安定剤
(D)は、前記一般式[I]で表される化合物(A)と
併用することにより、通常のフェノ−ル系酸化防止剤と
併用する場合と同様に、より一層優れた効果を発揮する
ことができる。
【0026】硫黄系酸化防止剤(C)の例としては、ジ
ラウリチジプロピオネ−ト、ジスチアリルチオジプロピ
オネ−ト、ジミリスチルチオジプロピオネ−ト、ジドコ
シルチオジプロピオネ−ト等のジアルキルチオジプロピ
オネ−ト類、ジステアリルジスルファイド等のジアルキ
ルジサルファイド類、テトラキス[メチレン(ラウリル
チオプロピオネ−ト)]メタン、テトラキス[メチレン
(ステアリルチオプロピオネ−ト)]メタン等のアルキ
ルチオプロピオン酸と多価アルコ−ルとのエステル等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。これ
らは、1種でも2種以上の混合物であってもよい。この
硫黄系酸化防止剤の配合量は、前記一般式[1]で表さ
れるフェノ−ル化合物の量の0.1〜10倍の範囲で選
ぶのがよく、中でも1〜7倍量が好ましい。
【0027】ヒンダ−ドアミン系安定剤(D)として
は、N,N´−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジ
アミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピベリジル)アミノ]
−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ポリ
[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミ
ノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}
{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ}ヘキサメチレン(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチル−
1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,
2,6,6−テトラメチルヒベリジン重縮合物、ポリ−
{2−N,N´−ジ(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)ヘキサンジアミン−4−(N−モノフ
ィリノ)シムトリアジン}等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。これらは、1種でも、2種以
上の混合物であってもよい。このヒンダ−ドアミン系安
定剤の配合量は、前記一般式[1]で表されるフェノ−
ル化合物の量の0.2〜5倍の範囲で選ぶのがよく、中
でも0.3〜4倍が好ましい。
【0028】その他の酸化防止剤としては、2,6−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェノ−ル、4,4−チオビ
ス(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4
−ブチレンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−
ル)、2,2´−メチレンビス(4−メチル−6−t−
ブチルフェノ−ル)、2,2´−エチリデンビス(4,
4−ジ−t−ブチルフェノ−ル)、d,l−α−トコフ
ェロ−ル等のヒンダ−ドフェノ−ル系化合物、トリス
(ミックスド−モノおよびジ−ノニルフェニル)フォス
ファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリト−ル−ジフォスファイト、テトラ
キス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4、4´−ビ
フェニレン−ジフォスフォナイト等の芳香族燐系化合物
等を挙げることができる。これらは、1種でも、2種以
上の混合物であってもよい。これら他の酸化防止剤の好
適な配合量は、前記ポリオレフィン樹脂100重量部に
対して、0.01〜3重量部の範囲で選ばれる。
【0029】付加的成分の中の充填剤としては、タル
ク、マイカ、ガラス繊維等を挙げることができる。これ
らは、1種でも2種以上の混合物であってもよい。これ
ら充填剤の好適な配合量は、前記ポリオレフィン樹脂1
00重量部に対して0.1〜50重量部の範囲で選ばれ
る。
【0030】付加的成分の中の樹脂やゴムとしては、ポ
リアミド、ポリエステル、ポリスチレン、エチレン・プ
ロピレン系共重合ゴム、エチレン・ブテン系共重合ゴム
等を挙げることができる。これらは、1種でも2種以上
の混合物であってもよい。樹脂やゴムの好適な配合量
は、前記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して1〜
40重量部の範囲で選ばれる。
【0031】本発明に係る架橋ポリオレフィン管は、前
記の架橋性ポリオレフィン樹脂に、前記一般式[1]で
表されるフェノ−ル化合物、必要に応じて、上記付加的
成分を配合した成形用樹脂組成物とする。成形用樹脂組
成物とするには、必須成分、付加的成分などを所定量秤
量し、ブレンダー、タンブラー、ミキサーなどの従来か
ら知られている配合、混合装置を使用して混合すればよ
い。
【0032】上記成形用樹脂組成物から架橋ポリオレフ
ィン管を製造するには、押出機によって溶融混練し、押
出機先端に装着した円形状ダイによって管状に押出し、
冷却槽を通したり、冷空気を吹き付けたりして冷却固化
させればよい。成形用樹脂組成物を溶融混練した時から
架橋反応が起こり、管を製造した後も蒸気などで加熱す
ることによって、架橋反応は緩慢に進行し、ビニルシラ
ン基の量、シラノール縮合触媒の配合量に応じた架橋度
の架橋管を得ることができる。
【0033】架橋ポリオレフィン管は、特に水が接触す
る箇所の配管用として好適である。水道管、配水管、温
給配水、暖房設備のパイプ等の用途のほか、石油、ガス
等のパイプ配管、工場排水、海水、界面活性剤水溶液、
酸性水溶液、アルカリ水溶液、エチレングリコ−ル、プ
ロピレングリコ−ル等の溶媒に接触する箇所の配管など
の用途として、好適である。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例に基づい
て更に詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない
限り、以下の記載例に限定されるものではない。なお、
以下の例で使用し、表−1に記載した配合物の略号は、
次の意味である。
【0035】<一般式[I]の化合物> A1:1,1,3−トリス[2−メチル−4−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニ
ルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]ブタン A2:1,1,3−トリス[3−メチル−4−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニ
ルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]ブタン
【0036】<フェノ−ル系酸化防止剤> B1:1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン(チバガイギ−社製、商品名「IRGANOX
1330」) B2:テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナ−ト]メ
タン(チバガイギ−社製、商品名「IRGANOX 1
010」) B3:3,9−[2−(3−t−ブチル4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1
−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサ
スビロ[5・5]ウンデカン(旭電化社製、商品名「ア
デカスタブ AO80」)
【0037】<硫黄系酸化防止剤> C1:テトラキス[メチレン(ラウリルチオプロピオナ
−ト)]メタン(シプロ化成社製、商品名「シ−ノック
ス 412S」) C2:ジステアリルチオジプロピオナ−ト(吉富製薬社
製、商品名「DSTPヨシトミ」)
【0038】<ヒンダ−ドアミン系安定剤> D1:N,N´−ビス(3−アミノプロピル)エチレン
ジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6
−クロロ−1,3,5−トリアジン化合物(チバガイギ
−社製、商品名「キマソ−プ119FL」)
【0039】<燐系酸化防止剤> E1:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォ
スファイト(チバガイギ−社製、商品名「イルガフォス
168」) <中和剤> F1:ステアリン酸カルシウム(耕正社製、「Ca−s
t」)
【0040】[実施例1〜実施例5]シラン架橋性ポリ
エチレン(三菱化学社製、商品名:リンクロンXE80
0ビニルトリメトキシシランをグラフト共重合させた中
密度ポリエチレン)100重量部に、直鎖状低密度ポリ
エチレン(日本ポリケム社製、商品名:ノバテックUF
421)100重量部と、ジオクチル錫ジラウレ−ト1
重量部とからなるマスタ−バッチ5重量部配合し、さら
に、表−1に記載の化合物を同表に記載した量配合し、
ミキサ−によって十分混合し、得られた混合物を、シリ
ンダ−温度190℃、シリンダ−直径50mmの押出機に
よって溶融混練してペレット化した。得られたペレット
を、先端にパイプ成形用ダイを装着したシリンダ直径6
5mmの押出機で溶融混練し、直径2cm、厚さが2mmの管
(パイプ)を成形した。
【0041】得られたパイプについて、以下に記載の方
法で耐熱水性試験を行った。すなわち、パイプを長さ5
cmに輪切りして試験用の試料とした。海水を30cc入れ
た容量が300ccのステンレス製耐圧チュ−ブに、上記
の試験用の試料を入れて密封し、このチュ−ブをギャ−
・オ−ブンによって150℃に加温し、24時間毎に密
封状態を解放し、試験用の試料を耐圧チュ−ブから取出
して押圧し、この試験用の試料が脆化するまでの時間を
測定し、耐久性の評価試験を行った。得られた結果を、
表−1に示す。
【0042】[比較例1〜比較例5]実施例1に記載の
例において、シラン架橋性ポリエチレンに代えて直鎖状
低密度ポリエチレン(実施例1のものと同種)を使用
し、表−1に記載の化合物を同表に記載した量配合し、
同例におけると同様の手順でパイプを成形し、得られた
パイプについて同例におけると同様の手順で耐久性の評
価試験を行った。得られた結果を、表−1に示す。
【0043】[比較例6〜比較例10]実施例1に記載
の例において、シラン架橋性ポリエチレンに配合する化
合物の種類および配合量を、表−1に記載した様に変更
して配合し、同例におけると同様の手順でパイプを成形
し、得られたパイプについて同例におけると同様の手順
で耐久性の評価試験を行った。得られた結果を、表−1
に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表−1より、次のことが明らかとなる。 (1)本発明の実施例に係る架橋ポリオレフィン管は、前
記一般式[I]によって表されるフェノール化合物成分
が配合されているので、海水が存在する厳しい環境下で
使用されても、脆化し難いことが明らかである(実施例
1〜実施例5参照)。 (2)これに対して、比較例1〜比較例5の架橋させない
ポリオレフィン管は、前記一般式[I]によって表され
るフェノール化合物成分を配合しても、水が存在する環
境下での耐久性は架橋ポリオレフィン管ほど向上しない
(比較例1〜比較例5参照)。 (3)また、架橋ポリオレフィン管であっても前記一般式
[I]によって表されるフェノール化合物成分を配合さ
れていない場合は、水が存在する環境下での耐久性は悪
く、脆化し易い(比較例6〜比較例10参照)。 (4)前記一般式[I]によって表されるフェノール化合
物成分に、さらに硫黄系酸化防止剤(C)を配合したも
のは、一層優れた酸化劣化防止能を発揮する(実施例1
参照)。
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上詳細に説明した通りであ
り、次の様な特別に優れた効果を奏し、その産業上の利
用価値は極めて大である。 1.本発明に係る架橋ポリオレフィン管は、前記一般式
[I]によって表されるフェノール化合物成分が配合さ
れているので、水が存在する環境下において酸化劣化を
防止し、長期間に亘って十分な耐久性を発揮する。 2.前記一般式[I]によって表されるフェノール化合
物成分は、ヒンダ−ドフェニルエステル構造を有するヒ
ンダ−ドフェノ−ル化合物であることから、水が存在す
る環境下においては、使用初期にヒンダ−ドフェノ−ル
が酸化防止能を発揮し、使用中にヒンダ−ドフェニルエ
ステルが水の作用によって変質すると、新たにヒンダ−
ドフェノ−ルが生成して、引き続き酸化劣化防止能を発
揮するので、水が存在する環境下において使用した場合
でも、架橋ポリオレフィン管の酸化劣化防止能を発揮
し、長期間に亘る使用を可能とする。 3.本発明に係る架橋ポリオレフィン管は、架橋してい
ないポリオレフィン管に前記一般式[I]によって表さ
れるフェノール化合物成分が配合したものに比較して、
一層優れた酸化劣化防止能を発揮し、長期間に亘る使用
を可能とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08K 5/00 5:134 5:36) (C08K 5/00 5:134 5:34) B29K 23:00 105:24 B29L 23:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋ポリオレフィン管において、架橋性
    ポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して、下記
    一般式[I]により表されるフェノ−ル化合物成分を
    0.01〜3重量部配合して押出成形法で成形されてな
    ることを特徴とする、架橋ポリオレフィン管。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 一般式[I]により表されるフェノ−ル
    化合物と、他の酸化防止剤とを併用する、請求項1に記
    載の架橋ポリオレフィン管。
  3. 【請求項3】 他の酸化防止剤が硫黄系酸化防止剤であ
    る、請求項2に記載の架橋ポリオレフィン管。
  4. 【請求項4】 他の酸化防止剤がヒンダ−ドアミン系安
    定剤である、請求項2に記載の架橋ポリオレフィン管。
JP10035565A 1998-02-18 1998-02-18 架橋ポリオレフィン管 Pending JPH11227020A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013091059A (ja) * 2011-10-06 2013-05-16 Mitsubishi Rayon Co Ltd ポリオレフィン多孔質中空糸膜及びその製造方法

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