JPH11226912A - 難燃性組成物及びこれを用いる難燃性木質材料の製造方法 - Google Patents

難燃性組成物及びこれを用いる難燃性木質材料の製造方法

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JPH11226912A
JPH11226912A JP5599798A JP5599798A JPH11226912A JP H11226912 A JPH11226912 A JP H11226912A JP 5599798 A JP5599798 A JP 5599798A JP 5599798 A JP5599798 A JP 5599798A JP H11226912 A JPH11226912 A JP H11226912A
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flame
retardant
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flame retardant
surfactant
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Shigeo Marumoto
茂雄 丸本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木質材料に対する充分な浸透性を有し、しか
も防腐効果の大きい難燃性組成物、及びこれを用いる難
燃性木質材料の製造方法を提供する。 【解決手段】 単板、合板、紙等の木質材料14に塗布
され、又は木質材料14を浸漬して難燃性の表層15を
形成させるのに用いられる難燃性組成物において、難燃
性組成物が、塩化アンモニウム、硫酸亜鉛、ほう酸ナト
リウム及び界面活性剤を含む混合水溶液からなり、塩化
アンモニウム100重量部に対しそれぞれ、硫酸亜鉛が
50〜150重量部、ほう酸ナトリウムが3〜15重量
部、界面活性剤が1〜10重量部の範囲で含まれてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は住宅や工場の建材等
に使用される可燃性の木質材料に難燃性の表層を形成さ
せるために用いられる難燃性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に住宅建築用の内装材、外装材に
は、加工性がよく軽量で、しかも強度と経済性に優れた
木質材料が広く使用されている。反面、木質材料は着火
し易く燃え易いために火災に対する安全性に乏しいとい
う欠点があった。そして、従来、このような木質材料を
不燃化させた表層を形成させるための難燃性組成物が使
用されている。例えば、特公昭58−28084号公報
には、ほう砂、ほう酸、第2りん酸アンモニウム、チオ
尿素及びジオクチルスルホコハク酸ナトリウムからなる
木材用難燃性組成物が記載されている。ここでは、ほう
砂及びほう酸が難燃性、防腐性と防虫性の付与剤とし
て、第2りん酸アンモニウムが耐火性と接着性の付与剤
として、また、チオ尿素が耐火性と接着性の付与に、ジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウムが浸透性を付与させ
る目的でそれぞれ用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
公昭58−28084号公報に示される難燃性組成物あ
るいは、りん酸アンモニウム、りん酸グアニジン、酸化
アンチモン等のその他の成分を組み合わせてなる公知の
難燃性組成物では、一般にそれぞれの成分の水に対する
溶解度が小さいために、ジオクチルスルホコハク酸ナト
リウムのような浸透化剤を用いても、木質材料に難燃性
を付与させるのに必要な量を浸透させることが困難であ
り、難燃性が損なわれるという問題があった。また、木
質材料の表面に形成される難燃性の表層に塗り残し等の
欠陥がある場合には、ここから水分が侵入して木質材料
を腐食させ易いという問題があった。本発明はこのよう
な事情に鑑みてなされたもので、木質材料に対する充分
な浸透性を有し、しかも防腐効果の大きい難燃性組成物
及びこれを用いる難燃性木質材料の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の難燃性組成物は、単板、合板、紙等の木質材料に
塗布され、又は該木質材料を浸漬して難燃性の表層を形
成させるのに用いられる難燃性組成物において、前記難
燃性組成物が、塩化アンモニウム、硫酸亜鉛、ほう酸ナ
トリウム及び界面活性剤を含む混合水溶液からなり、前
記塩化アンモニウム100重量部に対してそれぞれ、前
記硫酸亜鉛が50〜150重量部、前記ほう酸ナトリウ
ムが3〜15重量部、前記界面活性剤が1〜10重量部
の範囲で含まれている。請求項2記載の難燃性組成物
は、請求項1記載の難燃性組成物において、前記ほう酸
ナトリウムが四ほう酸ナトリウムである。請求項3記載
の難燃性組成物を用いる難燃性木質材料の製造方法は、
単板、合板、紙等の木質材料に、塩化アンモニウム、硫
酸亜鉛、ほう酸ナトリウム及び界面活性剤を含む混合水
溶液をスプレー塗布した後、乾燥して難燃性表層を形成
させる。請求項4記載の難燃性組成物を用いる難燃性木
質材料の製造方法は、単板、合板、紙等の木質材料を、
塩化アンモニウム、硫酸亜鉛、ほう酸ナトリウム及び界
面活性剤を含む混合水溶液に浸漬させ、該混合水溶液が
含浸された前記木質材料を乾燥させ、難燃性表層を形成
させる。
【0005】木質材料とは、木材を機械的に破砕、切削
し、あるいは化学的に処理して、細片状(チップ、スト
ランド)あるいは木毛状等としたものを原料として製造
される単板や合板、あるいは天然の木材から切り出され
た板材や紙等をいう。製材工場、合板工場からの廃材で
あるラワン類、カバ、シナ、セン、ミズナラ、桧、赤
松、樅、栂、及び広葉樹の雑木などが原料として用いら
れる。塩化アンモニウム(NH4 Cl)とは、例えば塩
酸とアンモニアとの直接反応により得られる物質であ
る。水100gに対する溶解度は29.4g(0℃)の
結晶性固体であり、加熱することによりアンモニア、塩
化水素のガスを発生する。このガスの放出により、この
塩化アンモニウムを含む表層に着火したときの木質材料
等の燃焼反応を抑制させる働きをする。
【0006】硫酸亜鉛(ZnSO4 )は、亜鉛を硫酸に
溶かすか硫化亜鉛に硫酸を働かせて得た液を39℃以下
にすると、七水和物(ZnSO4 ・7H2 O)の結晶と
して析出する。七水和物の他に六水和物と一水和物とが
あり、一水和物は250℃以上で脱水して無水塩にな
る。硫酸亜鉛の水100gに対する溶解度は41.7g
(0℃)である。硫酸亜鉛はこの脱水に伴う吸熱反応に
より温度を下げる働きを有すると共に、木質材料を効果
的に防腐する作用を有しているといわれている。
【0007】ほう酸ナトリウムには、オルトほう酸塩、
メタほう酸塩(NaBO2 )、四ほう酸塩(Na2 4
7 )等が含まれる。ほう酸塩はオキソ酸塩であり、構
成単位となるBO3 3-の重合状態に応じて種々の塩が存
在する。一般式はxM2 O・yB2 3 で与えられ、水
和物の場合が多い。yとxとの比率(y/x)が、1/
3、1/2、1、2、5/2、4に相当するものを、そ
れぞれ、オルト、二、メタ、四、五、八ホウ酸塩とい
う。無水塩は成分酸化物を混合融解して得られる。含水
塩は無水塩を水溶液にして結晶化させるか、成分金属塩
水溶液とほう酸溶液との複分解によって得られる。四ほ
う酸塩であるNa2 4 7 では鎖状メタホウ酸イオン
の中の非共有酸素原子の半分がさらに共有された二重鎖
構造が想定されている。ほう酸ナトリウムは自身が高温
下で溶融して、ガラス質の被膜を形成し、炎や、空気中
の酸素から木質材料の表面を遮断して延焼を抑制させる
作用を有している。
【0008】界面活性剤とは、溶液にしたとき、気−
液、液−液、液−固界面に選択的に配向吸着して界面の
性質、例えば表面張力等を著しく変化させる性質、すな
わち界面活性の大きい物質をいう。界面活性剤はその分
子中に親水性及び親油性原子団を有する両親媒性物質で
ある。一般に界面活性剤は、洗浄力、分散力、乳化力、
可溶化力、湿潤力、殺菌力、起泡力、浸透力などに優
れ、種類、目的に応じて使用される。界面活性剤は水溶
液にした場合に、ある濃度(臨界ミセル濃度)CMC以
上でミセル(会合体)を形成し、この濃度において、表
面張力、粘度、電気伝導率などを著しく変化させること
ができる。界面活性剤は親油基が水溶液中で電離して生
じるイオンの種類によって、カチオン界面活性剤、アニ
オン界面活性剤、両性イオン界面活性剤に分類され、電
離しないものが非イオン界面活性剤と呼ばれている。本
発明における界面活性剤は塩化アンモニウム、硫酸亜
塩、ほう酸ナトリウムを含む混合水溶液の浸透性を主に
向上させるものである。カチオン界面活性剤としては、
アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニ
ウム塩等が使用できる。アニオン界面活性剤としては、
せっけん、硫酸化油(ロート油)、硫酸アルキル(ポリ
オキシエチレン)塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、
アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等
が使用できる。また非イオン界面活性剤としては、例え
ばアルキルポリオキシエチレンエーテル、アルキルフェ
ニルポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸ポリエチレン
グリコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、
N,N−ジ(アルカノール)アルカンアミド等が使用可
能である。
【0009】本発明においては、上述した塩化アンモニ
ウム、硫酸亜鉛、ほう酸ナトリウム及び界面活性剤の各
成分量をそれぞれを特定の範囲にすることにより、これ
ら4成分の固有効果を互いに相乗させて、全体として優
れた燃焼抑制効果を有する難燃性表層を効果的に形成さ
せることを可能にしている。塩化アンモニウムの100
重量部に対する硫酸亜鉛の量が50重量部より少ない
と、木質材料に適用したときの防腐効果が少なくなる。
逆に硫酸亜鉛の量が150重量部を超えてもそれ程防腐
効果は増大せず、相対的に難燃性付与の効果が減少して
くるので好ましくない。塩化アンモニウムの100重量
部に対するほう酸ナトリウムの量が3重量部より少ない
と、火災等の温度上昇に際して表面にガラス質の被膜を
充分な量で形成させることが困難になる。逆にほう酸ナ
トリウムの量が15重量部を超えると、相対的に塩化ア
ンモニウムや硫酸亜鉛の量が不足して所定の難燃性を有
する難燃性表層を形成させることができなくなる。塩化
アンモニウムの100重量部に対する界面活性剤の量が
1重量部より少ないと、木質材料に塗布し、あるいは木
質材料に浸漬させた時の難燃性成分の浸透性が極端に少
なくなる。また、難燃性組成物を木質材料に塗布して乾
燥させる際に、混合水溶液中から析出してくる塩化アン
モニウム、硫酸亜鉛、各成分の分散性が悪くなるので、
各成分を所定範囲に設定して発揮される難燃性の効果が
損なわれる。また界面活性剤の量が10重量部を超えて
も、浸透性及び分散性はそれ程変化せず、高価な界面活
性剤が無駄に使われることになるので好ましくない。
【0010】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。まず、本発明の一実施の形態に係る
難燃性組成物を用いる難燃性木質材料の製造方法につい
て説明する。図1に示すように難燃性木質材料10は、
表板11、心板12、裏板13の三枚からなるJAS2
類1等材に適合する合板14(木質材料の一例)と、合
板14の表面に形成された難燃性表層15とを有してい
る。合板14は、全体の厚みが約4mmであり、ラワン
材を原料とする表板11、心板12、裏板13を接合し
て製造されている。
【0011】次に、難燃性表層15を形成させるのに必
要な難燃性組成物の製造方法について説明する。難燃性
組成物は、塩化アンモニウムが10.0重量%、硫酸亜
鉛が8.0重量%、四ほう酸ナトリウムが1.0重量
%、界面活性剤が0.3重量%、精製水が80.7重量
%となるように調整した混合水溶液である。従って、塩
化アンモニウム100重量部に対す硫酸亜鉛、四ほう酸
ナトリウム、及び界面活性剤の重量比率は、それぞれ8
0重量部、10重量部、3重量部となっている。なお、
この時の混合水溶液の水素イオン濃度(pH)は5.9
であった。このような混合水溶液を、各成分の濃度が飽
和溶解度未満となる所定温度に加熱して、各成分を完全
に溶解させておくことにより、塗布した時の各成分の合
板14への浸透むらがなくなるので望ましい。なお、界
面活性剤は公知のカチオン界面活性剤、アニオン界面活
性剤、及び非イオン系の界面活性剤を選択して使用でき
る。例えば、予め難燃性組成物に水溶性の着色剤を添加
しておき、合板14へ塗布したり、又は含浸処理後の着
色した浸透層の厚みを測定して、最も厚みの大きくなる
ような界面活性剤を選択して用いることができる。
【0012】次に、この難燃性組成物をスプレーガン等
の塗布装置の原料タンクに入れ、所定の吹き出し圧力と
供給速度で合板14の表板11にスプレーガンを用いて
塗布を行った。このとき、スプレー塗布は2回に分けて
行った。即ち、1回目の塗布を行って乾燥させた後に2
回目の塗布を行って、全部の塗布量が表板11の単位面
積(1m2 )当たり190gとなるようにした。そし
て、最終的に難燃性表層15を備えた難燃性木質材料1
0を製造した。
【0013】このように製造される難燃性木質材料10
の難燃性表層15は、ほぼ実質的に透明であり、下地材
となる表板11に色彩、模様等が施されている場合で
も、これらの外観を妨げることなく、施工することがで
きる。また、難燃性組成物中には接着剤としても作用す
る四ほう酸ナトリウムと、浸透性を促進させる界面活性
剤とが含まれているので、耐久性に優れた堅牢な難燃性
表層15が得られる。さらに難燃性表層15には硫酸亜
鉛が含浸されるので、遮熱性と共に木質材料を腐食に対
して強くする防腐効果も得られる。
【0014】以下では、難燃性木質材料10を用いて耐
火性、防炎性の評価を行った実施例1〜3について説明
する。実施例1は、難燃性木質材料10を用いて、長さ
が凡そ80cm、幅が約40cm、高さが約40cmの
犬小屋状の燃焼実験用の小屋を構成し、これを用いた実
験例である。なお、難燃性表層の形成されていない通常
の木質材料で構成した同様の犬小屋を比較例として用い
た。そして、これら実施例1と比較例とのそれぞれの犬
小屋の中に、灯油をしみこませた布切れをそれぞれ同量
ずつ挿入し、これにそれぞれ着火して、全体の燃焼状態
及び燃焼後の状態を観察した。比較例の実験用犬小屋の
場合では、全焼したのに対して、実施例1の実験用犬小
屋の場合では、内面に焦げ目ができるものの延焼は免
れ、防炎、及び耐火性に優れていることが分かった。
【0015】なお、防火構造の場合には、防火地域用と
して、JIS−A1301の2級加熱曲線、建築基準法
第22条適用地域用としては同じく3級の加熱曲線を用
いて加熱し、裏面温度が260℃を超えず、裏面炭化、
有害な変形、30秒以上の残炎、5分以上の残じんがな
いことを主眼としている。以下では、この様な試験方法
よりゆるやかな規格である建築用薄物材料の難燃性試験
方法(JIS−A1322)を適用して難燃性木質材料
10の評価を行った実施例2について説明する。試料の
保持時間は表1及び表2に示すように10秒、20秒、
30秒、1分、2分、3分に設定し、各保持時間毎に3
枚の試験片を使用した。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】加熱時間が10秒(表1のA)の場合に
は、試験開始(接炎)と同時に加熱表面の変色が観察さ
れたが、その他の変化はなく、防炎1級に相当する評価
であった。加熱時間が20秒(表1のB)の場合には、
加熱開始と同時に加熱表面が変色するのが観察された。
加熱開始後10〜15秒で着炎したが、発煙は殆どな
く、その他の変化もなかった。加熱時間が30秒(表1
のC)の場合には、加熱開始と同時に加熱表面が変色す
るのが観察され、加熱開始後10〜15秒で着炎し、2
0〜25秒で発煙が認められた。また、加熱表面層(表
板11)が燃焼により割れを生じた。これは防炎2級に
適合する結果である。加熱時間が1分(表2のD)の場
合には、加熱開始と同時に加熱表面が変色するのが観察
され、加熱開始後10〜15秒で着炎し、20〜25秒
で発煙が認められた。また、加熱表面層(表板11)が
燃焼により割れを生じた。以降、燃焼域及び発煙が増加
した。なお、これは防炎3級に適合する結果である。加
熱時間が2分(表2のE)の場合には、加熱開始と同時
に加熱表面が変色するのが観察され、加熱開始後10〜
15秒で着炎し、20〜25秒で発煙が認められた。ま
た、加熱表面層(表板11)が燃焼により割れを生じ
た。以降、燃焼域及び発煙が増加した。なお、これも防
炎3級に適合する結果である。加熱時間が3分(表2の
F)の場合には、加熱開始と同時に加熱表面が変色する
のが観察され、加熱開始後10〜15秒で着炎し、20
〜25秒で発煙が認められた。また、加熱表面層(表板
11)が燃焼により割れを生じた。以降、燃焼域及び発
煙が増加した。なお、これも防炎3級に適合する結果で
ある。
【0019】また、以下に示す簡易な実験例である実施
例3においては、厚みが約1〜2mmで、縦横の長さが
それぞれ10cm、15cmの長方形の厚紙を用意し、
これを前記難燃性組成物中に所定時間例えば1〜10分
間浸漬した後、乾燥して試験片(難燃性木質材料の一
例)とした。なお、浸漬処理を施していない厚紙を比較
用として準備した。次に、前記厚紙のそれぞれの表面に
ベンジンを約0.5〜1cc滴下し、マッチ等でこれに
点火して、燃焼状態及び燃焼後の状態を観察した。比較
例に用いた厚紙はすぐに燃焼して灰になったが、実施例
3の場合には、ベンジンが燃えても厚紙の基材には着火
せず、若干の焦げ目が付いたに留まった。このように、
難燃性組成物の厚紙への含浸により、難燃性を付与させ
ることができることが明瞭に確認された。
【0020】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。例えば、本実施の形態においては、ほう酸
ナトリウムとして、四ほう酸ナトリウムを用いたが、そ
の他のメタほう酸ナトリウムや、これらの混合物を使用
することも可能である。また、本発明の木質材料は、板
状のものに限らず、丸棒や、柱状のものに対しても適用
できる。
【0021】
【発明の効果】請求項1及び2記載の難燃性組成物は、
単板、合板、紙等の木質材料に塗布され、又は木質材料
を浸漬して難燃性の表層を形成させるのに用いられる難
燃性組成物において、難燃性組成物が、塩化アンモニウ
ム、硫酸亜鉛、ほう酸ナトリウム及び界面活性剤をそれ
ぞれ特定量含む混合水溶液からなるので、木質材料に対
する充分な浸透性を有し、しかも防腐効果の大きい難燃
性組成物を提供することができる。特に、請求項2記載
の難燃性組成物は、ほう酸ナトリウムが四ほう酸ナトリ
ウムであるので、鎖状メタほう酸イオン中の非共有酸素
原子の半分がさらに共有された二重鎖構造を形成して結
合力が高められ、耐久性の高い難燃性組成物からなる表
層を形成させることができる。請求項3記載の難燃性組
成物を用いる難燃性木質材料の製造方法は、単板、合
板、紙等の木質材料に、塩化アンモニウム、硫酸亜鉛、
ほう酸ナトリウム及び界面活性剤を含む混合水溶液をス
プレー塗布した後、乾燥して難燃性表層を形成させるの
で、組立てた後の家具や塗装後のものであっても、極め
て容易かつ効果的に難燃性のコーティングを施すことが
できる。請求項4記載の難燃性組成物を用いる難燃性木
質材料の製造方法は、単板、合板、紙等の木質材料を、
塩化アンモニウム、硫酸亜鉛、ほう酸ナトリウム及び界
面活性剤を含む混合水溶液に浸漬させるので、難燃性成
分等を含む混合水溶液を効果的に木質材料に含浸させる
ことができる。さらに、混合水溶液が含浸された木質材
料を乾燥させ、難燃性表層を形成させるので、堅牢でし
かも耐炎性に優れた難燃性木質材料を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る難燃性組成物を用
いる難燃性木質材料の説明図である。
【符号の説明】
10 難燃性木質材料 11 表板 12 心板 13 裏板 14 合板 15 難燃性表

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単板、合板、紙等の木質材料に塗布さ
    れ、又は該木質材料を浸漬して難燃性の表層を形成させ
    るのに用いられる難燃性組成物において、 前記難燃性組成物が、塩化アンモニウム、硫酸亜鉛、ほ
    う酸ナトリウム及び界面活性剤を含む混合水溶液からな
    り、前記塩化アンモニウム100重量部に対してそれぞ
    れ、前記硫酸亜鉛が50〜150重量部、前記ほう酸ナ
    トリウムが3〜15重量部、前記界面活性剤が1〜10
    重量部の範囲で含まれていることを特徴とする難燃性組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記ほう酸ナトリウムが四ほう酸ナトリ
    ウムである請求項1記載の難燃性組成物。
  3. 【請求項3】 単板、合板、紙等の木質材料に、塩化ア
    ンモニウム、硫酸亜鉛、ほう酸ナトリウム及び界面活性
    剤を含む混合水溶液をスプレー塗布した後、乾燥して難
    燃性表層を形成させることを特徴とする難燃性木質材料
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 単板、合板、紙等の木質材料を、塩化ア
    ンモニウム、硫酸亜鉛、ほう酸ナトリウム及び界面活性
    剤を含む混合水溶液に浸漬させ、該混合水溶液が含浸さ
    れた前記木質材料を乾燥させ、難燃性表層を形成させる
    ことを特徴とする難燃性木質材料の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011057952A (ja) * 2009-09-09 2011-03-24 Touki Corp 水性難燃処理用組成物
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KR101195069B1 (ko) 2010-11-15 2012-10-29 순천향대학교 산학협력단 고효율 난연제 및 이의 제조방법
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