JPH11226778A - 肉盛り溶接材料及び肉盛りクラッド材 - Google Patents

肉盛り溶接材料及び肉盛りクラッド材

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JPH11226778A
JPH11226778A JP4445398A JP4445398A JPH11226778A JP H11226778 A JPH11226778 A JP H11226778A JP 4445398 A JP4445398 A JP 4445398A JP 4445398 A JP4445398 A JP 4445398A JP H11226778 A JPH11226778 A JP H11226778A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 600℃以上の高温用途で、優れた硬度、耐
酸化性及び耐磨耗性を示し、なおかつ、経済性に優れた
材料を提供する。 【解決手段】 母材金属の表面上に肉盛り溶接を行う。
溶接材料には、主要成分として重量比でC:0.5〜
3.0%、Si:3.0〜7.0%、Cr:25〜45
%、Mn:0〜10%、Ni:0〜13%を含み、且つ
Cr≧−1.6Si+37を満足するFe基材料を使用
する。肉盛り金属は、マトリックス中に析出した短繊維
状の微細針状炭化物により強化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ごみ焼却炉の炉内
部材のように、高温で優れた強度、耐酸化性及び耐磨耗
性が要求される用途に適した肉盛り溶接材料及び肉盛り
クラッド材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ごみ焼却炉で発生するダイオキシ
ンが大きな社会問題になっている。このダイオキシンの
発生量を規定値以下に抑制するためには800℃以上の
高温でごみ焼却を行うことが必要とされており、これに
伴って800℃以上の高温で優れた強度、耐酸化性及び
耐磨耗性を示す金属材料が要求されている。
【0003】高温強度、高温耐酸化性及び高温耐磨耗性
に優れる金属材料としては、一般にはオーステナイト系
耐熱ステンレス鋼であるSUS310S、SCH耐熱鋳
鋼、高クロム鋳鉄、高ニッケル鋳鋼、高Mn−高Cr鋳
鋼等が、安価なことから多く使用されている。
【0004】600℃を超える高温での耐熱耐磨耗材と
しては、コバルト基合金のステライト合金(Co−Cr
−W合金)やニッケル基合金のコルモノイ合金(Ni−
Cr−Si−B合金)が良く知られている。これらの合
金は非常に高価であるため、肉盛り溶接材料に使用され
ている。
【0005】高温での耐磨耗性に優れる肉盛り溶接材料
に関しては、世界的に著名な鉄基のABRASODUR
−45溶接棒が存在する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の金属材料には次のような問題がある。
【0007】SUS310S、SCH耐熱鋳鋼、高クロ
ム鋳鉄、高ニッケル鋳鋼、高Mn−高Cr鋳鋼等は安価
ではあり、且つ高温酸化性雰囲気に対してはかなり抵抗
力を持つが、600℃以上の高温での磨耗に対しては殆
ど抵抗性を示さない。これらのうち、高クロム鋳鉄及び
高Mn−高Cr鋳鋼は他の金属に比べて高温耐磨耗性に
優れているが、やはり600℃以上の高温では耐磨耗性
が極端に劣るようになり、耐酸化性も十分とは言えなく
なる。このため、肉厚を非常に厚くして対応している
が、プラントの重量が重くなり、磨耗後の交換作業が非
常に困難で危険なものになっている。
【0008】これに対し、コバルト基合金やニッケル基
合金は、600℃以上の高温でも優れた耐磨耗性を示
す。しかし、いかんせん高価であるので、肉盛り溶接材
料に使用しても、ごみ焼却炉のような大面積のプラント
部材に対しては経済的に見合わないので、使用すること
ができない。また、コバルト基合金やニッケル基合金と
言えども、600℃以上になると高温硬度が低下し、8
00℃以上では軟鋼や炭素鋼の常温硬度と変わらないま
でに軟化して、高温耐磨耗性は殆ど期待できなくなり、
その高合金がゆえの高温耐酸化性のみによって寿命を確
保しているのが実情である。
【0009】鉄基のABRASODUR−45溶接棒に
ついては、650℃までの用途にはこの溶接棒組成が多
用されているが、この組成と言えども650℃以上の高
温に曝されると酸化を生じ、磨耗というよりもスケール
による減肉を生じるようになる。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】従来技術として示した代表的合金の組成、
硬度及び耐磨耗性を表1、表2及び表3にそれぞれ示
す。耐磨耗性はショットブラストによる減量値で示し
た。その試験法は後述する。
【0014】本発明の目的は、600℃以上の高温で優
れた硬度、耐酸化性及び耐磨耗性を示し、しかも安価な
肉盛り溶接材料及び肉盛りクラッド材を提供することに
ある。より具体的には、600℃以上の高温用途で優れ
た性能を示すコバルト基ステライト合金を性能上の指標
とし、そのなかでも非常に優れた高温耐磨耗性を示すN
o.1合金及びNo.6合金の高温における硬度、耐酸
化性及び耐磨耗性に準じるか若しくはそれ以上の性能を
目標とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前述したように、310
Sステンレス鋼、SCH13の耐熱ステンレス鋳鋼等は
既に十分な高温耐酸化性を有しているが、高温での耐磨
耗性に関しては無いに等しい。最も良く使用されている
高クロム鋳鉄はこれらに比べ高温耐磨耗性に優れている
が、高温耐酸化性に劣り、800℃以上の高温になると
酸化ロスで顕著な減肉を生じ、高温耐磨耗性も大幅に低
下する。世界的に著名なABRASODUR−45溶接
棒による肉盛りも同様に高温耐酸化性に劣る。
【0016】このような状況を考慮して、本発明者は6
00℃以上の高温域における耐酸化性に優れ、その程度
は高クロム鋳鉄より優れて310ステンレス鋼に匹敵
し、高温耐磨耗性に関しては高クロム鋳鉄を遙に凌駕
し、コバルト基のステライトNo.1合金が600〜7
00℃において有する耐磨耗性と同等かそれ以上の性能
を有する金属材料の開発に着手し、種々実験検討を行っ
た。その結果、SUS310や高クロム鋳鉄のように1
種類の金属では高温耐酸化性と高温耐磨耗性という異な
った性質を同時に満足させることは大変困難であること
から、母材金属に高温耐酸化性に優れた金属を使用し、
磨耗を受ける表面側には特に耐磨耗性に優れた金属を肉
盛りすることにより、2種類の異なった性質を同時に満
足させる複合材料の開発が不可欠であるとの結論に達
し、その肉盛り溶接材料について研究を続けた結果、以
下のような知見を得、本発明を完成させるに至った。
【0017】高温耐酸化性と高温耐磨耗性を与える最も
重要な合金元素はCrであるが、溶接材料ではコストや
溶接棒の構造上、Cr量はある程度制限される。また高
Crと言えども、高温域ではマトリックスの硬度が大幅
に低下するので、マトリックスによる耐磨耗性は全く期
待できない。高温域で硬度や耐磨耗性を確保するために
は、肉盛り金属に短繊維状の微細針状炭化物を多量に析
出させる必要がある。粒状や球状の炭化物ではマトリッ
クスの選択磨耗により脱落し、早期磨耗を生じる。この
針状炭化物を析出させるには厳密に組成管理されたC−
高Cr−Si−Ni−Mn系の鉄基合金が必要であり、
この鉄基合金は高Crゆえに高温耐酸化性にも優れる。
【0018】Cは炭化物の析出に不可欠に元素である
が、多量添加は肉盛り金属に大きな割れを発生させる六
方晶の粗粒炭化物を析出させるので、Siと共に特に厳
密な量的管理を行う必要がある。もしこの粗粒炭化物が
発生する場合はNb、V、Ti、Zr、Ta等を添加し
て微細化する必要がある。
【0019】塩素系プラスチックを燃焼させるごみ焼却
炉では、ハロゲンガスの発生のためオーステナイト系ス
テンレス鋼では十分に対応できない。C−高Cr−Si
−Ni−Mn系の鉄基合金は、Si含有のフェライト組
織により、程度の差こそあれハロゲンガスに良く耐え
る。
【0020】高温での耐磨耗性に優れる世界的に著名な
鉄基のABRASODUR−45溶接棒は、650℃以
上の高温に曝されると酸化を生じ、スケール発生による
減肉を生じる。その最大の理由はCrの含有量が20%
と少ないことである。このCr量は全溶着金属化学成分
量であり、肉盛り溶接による母材希釈を受けていない成
分量である。軟鋼の上に肉盛りした1層目の肉盛り金属
でのCr量は母材希釈を受け、約17〜18%に低下す
る。従って、高温における耐熱耐酸化性の低下を余儀な
くされる。
【0021】肉盛り金属のCr量を増加させるためには
溶接棒の心線に高クロム合金を使用するのが有効である
が、そのような心線は溶接棒のコストを著しく高める上
に、硬くなって取り扱いが困難になる。一般に、溶接棒
や溶接複合ワイヤ(チューブロッド)のフラックスから
添加される最大合金量は約55〜56%以下に制限され
る。
【0022】Cr量の多いステンレス鋼等を母材に使用
すれば、肉盛り金属の第1層目は母材から積極的にCr
をピックアップし、希釈を受ける程度が軽減されること
から、軟鋼母材を使用した場合に比べて溶接材料中のC
r量を少なくすることができ、そのために他の合金元素
を多く含有させることができるようになる。
【0023】以上の知見を基礎として完成された本発明
の肉盛り溶接材料及び肉盛りクラッド材は以下のとおり
である。なお%は特にことわりのない限り重量%を表
す。
【0024】本発明の肉盛り溶接材料は、C:0.5〜
3.0%、Si:3.0〜7.0%、Cr:25〜45
%、Mn:0〜10%、Ni:0〜13%を含み、且つ
Cr≧−1.6Si+37を満足し、残部がFe及び不
可避不純物からなるものである。
【0025】本発明の肉盛りクラッド材は、母材金属の
表面上に肉盛り金属が溶着した肉盛りクラッド材であっ
て、肉盛り金属の少なくとも表層部がC:0.5〜3.
0%、Si:3.0〜7.0%、Cr:25〜45%、
Mn:0〜10%、Ni:0〜13%を含み、且つCr
≧−1.6Si+37を満足し、残部がFe及び不可避
不純物からなる成分組成を有し、マトリックス中の短繊
維状の微細針状炭化物が析出した組織を有するものであ
る。
【0026】母材金属としては、溶接材料中の合金元
素、特にCr等の希釈を抑えるためと、母材自体の高温
耐酸化性を確保するためにCr:9〜35%を含むもの
が好ましい。
【0027】本発明の肉盛り溶接材料及び肉盛りクラッ
ド材の肉盛り金属では、主に耐磨耗性改善のためにN
b:8%以下、Ta:8%以下、Ti:8%以下、Z
r:8%以下、B:5%以下、V:8%以下、W:10
%以下、Mo:10%以下の1種又は2種以上を加える
ことができる。W及びMoは、耐食性改善にも有効であ
る。
【0028】また主に高温耐酸化性を改善するためにA
l:3%以下、N:0.5%以下、Ce及びY等のレア
アースメタル:合計量で0.5%以下の1種又は2種以
上を加えることができる。
【0029】また主に耐食性を改善するためにCu:7
%以下を加えることができる。
【0030】本発明の肉盛り溶接材料は、母材金属上に
短繊維状の微細針状炭化物により強化された肉盛り溶着
金属を形成する。この溶着金属の高温耐磨耗性は600
℃以上の温度において高クロム鋳鉄より優れ、コバルト
基ステライトNo.1、No.6合金と同等かそれ以上
である。また、その高温耐酸化性は、高クロム鋳鉄を凌
ぎ、コバルト基ステライトNo.1、No.6合金と同
等かそれ以上でSUS310や310Sに匹敵する。更
に、高温硬度については、700℃でコバルト基ステラ
イトNo.1、No.6合金の常温硬度に匹敵する性能
を保有する。更にまた、肉盛り溶着金属に発生する割れ
は微細である。
【0031】母材金属としては軟鋼等を使用することも
可能であるが、SUS310等のCr量が多い合金の方
が好ましい。母材金属中のCr量を多くすることによ
り、その高温耐酸化性が向上する。また、肉盛り金属に
おけるCrの希釈が抑制され、所定組成の肉盛り金属が
経済的に形成される。軟鋼等のCr量を含まない母材を
使用する場合は、何層も多層盛りをおこなって始めて所
定組成の肉盛り金属が得られる。その経済性を高めるた
めには、軟鋼等の上に一度SUS310等を肉盛りし、
その上に所定組成の溶接材料により肉盛りを行えばよ
い。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を説明す
る。本発明において成分を上述のように限定した理由は
以下の通りである。なお、高温耐磨耗性の指標として
は、700℃の試験片表面温度、入射角度が30°で1
0分間ショットブラストを実施したときの試験片の摩耗
減量(700℃エロージョン値)を用い、これを従来材
料の指標値に対応して表4の如く分類した。ブラスト条
件は表5の通りである。
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】C:0.5〜3.0% Cは炭化物を形成するために不可欠の元素である。本発
明では微細化された繊維状炭化物を析出させるが、その
炭化物の構成は(Cr、Fe)7 3 型、即ちM7 3
型である。これをマトリックス中に多数析出させること
により、高温における耐磨耗性が著しく向上する。図1
はC以外の主要元素量を実質一定としたときの炭素量と
磨耗指標との関係を示す。図中の番号は後述する実施例
での試験片No.である。C量が0.5〜3.0%の範
囲内でクロム鋳鉄と同等かこれを凌ぐ高温耐磨耗性が得
られ、特に0.5%以上2.0%未満の範囲内でステラ
イトNo.1,6と同等かこれを凌ぐ高温耐磨耗性が得
られる。
【0036】C量が0.5%未満ではσ相の析出が増加
して肉盛り金属の表面に多数の微細割れが発生し、その
肉盛り金属が脆くなる。C量が3.0%を超えると、
(Cr、Fe)7 3 型炭化物が、粗大化した六方晶の
炭化物として析出するようになり、やはり肉盛り金属の
脆化・剥離が顕著となる。また、この割れのために多層
盛りが困難になる。更に、マトリックスに残存して高温
耐酸化性を付与するCrが炭化物形成に消費され、マト
リックス中のCr量が低下する傾向を示す。更に又、
3.0%を超えるC量では、融点を下げる傾向が大きく
なることからも、高温耐酸化性に悪影響が生じる。例え
ばC量が0.5%と3.0%とでは、150℃もの融点
の開きがある。加えて、Cはオーステナイト形成元素で
もある。その力価はNiの約30〜50倍であり、多量
添加はフェライト組織の形成を阻害して、高温耐磨耗性
及び耐ハロゲンガス性等を悪化させる原因になる。
【0037】特に好ましいC量は、下限については0.
8%以上であり、上限については2.0%未満、とりわ
け1.8%以下である。
【0038】Si:3.0〜7.0% Siは鋼の酸化を防止する働きがあり、5%以上の単独
添加により1100℃までの温度域における酸化を効果
的に阻止する。また、Crと共存して、微細針状炭化物
の析出を促進し、高温耐磨耗性の改善に寄与する。この
Si量が3.0%未満では高温における耐酸化性が悪化
すると共に、微細針状炭化物の析出量が減少して高温耐
磨耗性が低下する。一方、Si量が7.0%を超える
と、肉盛り金属が非常に脆くなり、剥離しやすくなる。
また、この、脆さのために、多層盛りが困難となる。
【0039】図2はSi以外の主要元素量を実質一定と
したときのSi量と磨耗指標との関係を示す。図中の番
号は後述する実施例での試験片No.である。Si量が
増加するにつれて高温耐磨耗性が改善され、Si量が
3.0%以上でクロム鋳鉄と同等以上の高温耐磨耗性が
得られ、4.0%を超えるとステライトNo.1,6と
同等かこれを凌ぐ高温耐磨耗性が得られる。
【0040】特に好ましいSi量は、下限については
3.5%以上、とりわけ4.0%超であり、上限につい
ては6%以下である。
【0041】Cr:25〜45% Crは鋼の酸化を抑えるのに極めて有効であり、高温耐
酸化性の改善に寄与する。また、Siと共存して、微細
針状炭化物の析出を促進し、高温耐磨耗性の改善に寄与
する。しかし、このCrはCと結合してCr炭化物をつ
くるため、マトリックス中のCr量はそれほど多くな
い。Cr量が25%未満では、高温耐磨耗性を付与する
ための炭化物の析出量が少なくなり、十分な高温耐磨耗
性が得られない。また、マトリックス中のCr量が不足
し、高温耐酸化性が不十分となる。一方、45%を超え
ると、粗大化した六方晶の炭化物の析出が増加するよう
になり、肉盛り金属の脆化・剥離が顕著となる。また、
この割れのために多層盛りが困難になる。
【0042】図3はCr以外の主要元素量を実質一定と
したときのCr量と磨耗指標との関係を示す。図中の番
号は後述する実施例での試験片No.である。Cr量が
増加するにつれて高温耐磨耗性が改善され、この傾向は
Si量が多い場合の方が顕著である。Si量が4.0%
の場合、Cr量を30%以上とすることにより、クロム
鋳鉄と同等以上の高温耐磨耗性が得られ、35%を超え
るとステライトNo.1,6と同等以上の高温耐磨耗性
が得られるが、Si量が4.0%超の場合、Cr量を2
5以上とすることにより、クロム鋳鉄と同等以上の高温
耐磨耗性が得られ、30%以上でステライトNo.1,
6と同等以上の高温耐磨耗性が得られる。
【0043】特に好ましいCr量は、下限については3
0%以上、とりわけ35%以上であり、上限については
40%以下である。
【0044】Cr≧−1.6Si+37 前述したように、SiとCrは共同して高温耐磨耗性を
改善する。図4はSi及びCr以外の主要元素量を実質
一定としたときのSi量及びCr量が磨耗指標に及ぼす
関係を示す。図中の番号は後述する実施例での試験片N
o.である。Si量及びCr量がそれぞれの規定量を満
足していても、Cr<−1.6Si+37の場合は優れ
た高温耐磨耗性は確保されないので、Cr≧−1.6S
i+37の関係を合わせて満足させる必要がある。
【0045】Mn:0〜10% Mn及びNiはオーステナイト化を助長し、その安定度
を増す。Mnのオーステナイト形成能力はNiの約半分
である。このMnは肉盛り溶接の作業性を安定させる効
果があるが、高温耐磨耗性を向上させる効果は全般的な
見地からは少なく、本発明の成分範囲のなかでも優れた
耐磨耗性が得られる範囲においてのみ、耐磨耗性の改善
効果が認められる。
【0046】このため、Mnは必ずしも添加を必要とす
るものではなく、適宜選択的に添加されて高温耐磨耗性
の二次的な改善に寄与する。しかし、10%を超える添
加は、オーステナイト組織の形成を促進して高温耐磨耗
性を低下させる原因になる。特に好ましいMn量は下限
については3%以上、上限については8%以下である。
【0047】図5はC:0.5〜1.5%、Si:4.
0%、Cr:35〜36%のときのMn量と磨耗指標と
の関係を示す。図中の番号は後述する実施例での試験片
No.である。このC−Si−Cr系ではMn量が増加
するにつれて高温耐磨耗性が顕著に改善される。
【0048】Ni及び/又はCo:合計量で0〜13% Niは高温耐磨耗性には大きな影響を与えないが、高温
浸炭雰囲気で浸炭を防止する効果があり、またサーマル
ショックを受ける用途ではCrの不動態皮膜の剥離を防
止する効果を持つので、使用温度が高くなるほど含有量
を増加させるのが望ましい。更に、ハロゲンガスに対し
ても高Ni含有は望ましい。しかし、Niは硫黄ガス雰
囲気には弱いので、使用状況によっては不添加、若しく
はNi量を抑制することが望まれる。
【0049】このように、Niは用途に応じて広範囲に
含有量を調整する必要があるが、その含有量が13%を
超えるとオーステナイト組織を形成して高温耐磨耗性を
低下させるので、これを限界値とする。
【0050】高温用途では使用環境により高温から低温
へと繰り返し顕著な温度変化を受ける場合がある。本発
明での合金組織は基本的にフェライトとオーステナイト
の混合組織である。この合金をオーステナイト組織のス
テンレス鋼に肉盛りした場合、サーマルショックを受け
るたびに線膨張係数の差異により溶接境界面に内部応力
が発生して長期使用においては肉盛りが母材から剥離、
脱落する危険性がある。また、この合金を多層盛りした
場合にはこの危険性が一層増大する。この危険を回避す
るために、MnとNiの複合添加により、肉盛り金属の
組織を母材と同じオーステナイト単相組織とすることが
可能になり、これにより肉盛り金属の剥離、脱落が防止
される。
【0051】Coは、Niと類似の性質をもつ元素であ
る。Niの全量をCoに置換することができる。また、
両者を合計量が13%を超えない範囲で複合添加するこ
とができる。
【0052】Nb:8%以下、Ta:8%以下、Ti:
8%以下、Zr:8%以下、B:5%以下、V:8%以
下、W:10%以下、Mo:10%以下の1種又は2種
以上 これらは主に耐磨耗性改善のために選択的な添加が可能
である。W及びMoは耐食性改善にも有効である。
【0053】例えばBはホウ化物の形成、肉盛り金属の
清浄度を増す元素であるが、そのホウ化物により高温耐
磨耗性を改善することができる。ちなみに、前述した7
00℃でのショットブラスト試験では、試験後の試験片
表面にB炭化物が粒状に浮き出て残り、マトリックスは
磨耗して凹んでいた。安定な効果を得るためには0.1
%以上の添加が好ましい。
【0054】Mo及びWは、600〜650℃の高温用
途において焼き戻し抵抗を与え、耐磨耗性を改善する。
また、蒸気腐食に対して有効である。安定な効果を得る
ためには、それぞれ0.1%以上の添加が好ましいが、
10%を超える添加はフェライトを粗大化する。
【0055】Nb及びTaはCとの親和力が強く、高硬
度な微細炭化物を形成することにより、高温耐磨耗性の
改善に大きな効果を示す。安定な効果を得るためには
0.1%以上の添加が好ましいが、8%を超えても効果
は飽和し経済性が悪化する。
【0056】Ti及びZrは、NbやBほどではない
が、炭化物の形成により高温耐磨耗性を改善する。安定
な効果を得るためには0.1%以上の添加が好ましい
が、8%を超える添加は非常に硬いスラグを発生させて
溶接作業性を損なうと共にフェライトを粗大化する原因
になる。
【0057】Vは微細な炭化物を形成し、その形成能力
はCrとMoの中間に位置し、この炭化物反応による焼
き戻し抵抗性と焼き戻しによる二次硬化の改善により高
温耐磨耗性を向上させる。また、温度上昇による軟化変
形と、ヒートチェッキングによる割れに対する抵抗性を
向上させる。安定な効果を得るためには0.1%以上の
添加が好ましいが、8%を超える添加は肉盛り金属を脆
化させる。
【0058】Al:3%以下、N:0.5%以下、Ce
及びY等のレアアースメタル:合計量で0.5%以下の
1種又は2種以上 これらは主に高温耐酸化性を改善するために選択的な添
加が可能である。
【0059】例えばAlは、高温における耐酸化性を改
善し、特に硫黄ガスが使用雰囲気に多い場合にその効果
を発揮する。この場合は、Ni量を少なくして、Al量
を多くするのがよい。Al量が3%を超えると、肉盛り
金属にアルミナ皮膜が生じてスラグが介在しやすくな
り、溶接作業性が阻害される。安定な効果を得るために
は0.5%以上の添加が好ましい。
【0060】Nは肉盛り金属のオーステナイト組織化を
促進する効果もある。
【0061】Cu:7%以下 Cuは耐硫酸性を向上させる。ごみ焼却炉において燃焼
を中断したとき腐食性の強い硫酸液が生じるが、これに
対してMoは有効性が少なく、Cuとの複合添加が効果
的である。また、その複合添加によれば、ミクロ組織が
微細化され、微細針状炭化物が十分に析出することによ
り、高温耐磨耗性も改善される。この成分系は、高温耐
酸化性、耐腐食性及び高温耐磨耗性を高い次元で満足さ
せる。Cu量は安定な効果を得るためには0.1%以上
の添加が好ましいが、7%を超えても効果は飽和し経済
性が悪化する。
【0062】母材金属については、特にその種類を問わ
ず、例えば各種ステンレス鋼、Mn−Crオーステナイ
ト系鋼、ニッケル合金鋼、クロム合金鋼等を使用するこ
とができるが、希釈を抑える点及び高温耐酸化性を確保
する点から、Crを9〜35%を含むものが好ましく、
特に、このCrを22〜28%含む耐熱系のSUS31
0、SUS310S、SUS309、SUS309S、
SUS329J1、SCH13等が好ましい。母材金属
のCrを増量すると、その高温耐酸化性が向上すると共
に、肉盛り金属におけるCrの希釈が抑制される。ま
た、溶接材料におけるCr添加量を少なくできるので、
他の合金元素の増量が可能となる。但し、過剰なCrは
脆いσ相の析出を促し、脆弱化の原因となる。
【0063】本発明は高温で優れた強度、耐酸化性及び
耐磨耗性が要求され、しかも大面積であるごみ焼却炉の
炉内部材に特に有効であるが、同様の特性が要求される
大面積部材であるサイクロン胴体ライナー、高温コーク
ス処理設備のシュートライナー、ホッパライナー、火力
発電所ボイラの微粉炭バーナノズル、セメント工場のク
リンカー予熱設備部材、ロータリキルン装置部材等にも
有効である。
【0064】
【実施例】次に本発明の実施例を示し、比較例と対比す
ることにより、本発明の効果を明らかにする。
【0065】組成を表6及び表7に示す溶接ワイヤを作
製し、これを用いてSUS310S鋼の上に肉盛り溶接
を行った。肉盛り溶接は1層の6mm盛りとした。肉盛
り後、その肉盛り金属に、前述したショットブラスト試
験を実施し、高温耐磨耗性の指標である磨耗減量(70
0℃エロージョン値)を調べた。結果を表6及び表7に
示す。肉盛り金属の組成は、これが高Cr含有の場合に
そのCrに若干の希釈があったが、実質的に溶接ワイヤ
の組成と同一と見なせる範囲であった。磨耗減量は2.
0g以下を合格値とした。
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
【0070】
【表10】
【0071】表6及び表7から分かるように、本発明の
溶接材料を使用して作製した本発明の肉盛りクラッド材
は、700℃という高温条件であるにもかかわらず、高
クロム鋳鉄を凌ぎ、ステライトNo.1,6合金と同等
以上の高温耐磨耗性を示し、一部のものは760℃以上
の高温用途用に開発されたコルモノイNo.88(米国
コルモノイ社製)さえも凌駕する。
【0072】図6は試験片No.32(a図)及び試験
片No.20(b図)における肉盛り金属の組織構造を
示す顕微鏡写真である。いずれの肉盛り金属も短繊維状
の炭化物を微細かつ多量に析出していることが分かる。
【0073】作製されたクラッド材のうち、No.3
2,38,39につき高温耐酸化性を調査した。試験片
は、26mm角×14mm厚のクラッド材であり、肉盛
り金属の厚みは6mm、母材の厚みは8mmである。試
験では、マッフル炉を使用して1000℃で8時間連続
加熱した後、炉冷を繰り返すヒートパターンを25サイ
クル(200時間)実施したときの、試験片の全表面積
(19.2cm2 )における酸化減量値により評価し
た。結果を、比較合金及び前述した従来合金の場合と共
に表8に示す。比較合金の組成は、表9の通りである。
【0074】表8から明らかなように、本発明の溶接材
料を使用して作製した本発明の肉盛りクラッド材は、高
クロム鋳鉄を凌ぎ、ステライトNo.1合金と同等以上
の高温酸化性を示す。
【0075】作製されたクラッド材のうち、No.20
につき耐腐食性を調査した。ここで、耐腐食性は、20
mm角×14mm厚(全表面積19.2cm2 )の試験
片を塩酸、硫酸、硝酸の各10%溶液に常温で120時
間浸漬したときの腐食減量により評価した。結果を軟鋼
(SS400)、SUS304、SUS316L、SU
S310S、ステライトNo.1、No.6合金の場合
と比較して表10に示す。
【0076】表10から分かるように、本発明の溶接材
料を使用して作製した本発明の肉盛りクラッド材は、耐
塩酸性に優れ、ごみ焼却炉での塩素腐食に対しても有効
である。また、硫酸腐食に対しても、SUS304、S
US316L、SUS310Sを凌ぐ耐腐食性を示す。
【0077】作製されたクラッド材のうち、No.32
及びNo.20につき高温硬度を調査した。結果を図7
に示す。表2との比較から分かるように、本発明の溶接
材料を使用して作製した本発明の肉盛りクラッド材は、
高温硬度については、800℃でコバルト基ステライト
No.1、No.6合金の常温硬度に匹敵する性能を有
する。
【0078】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の肉盛り溶接材料及び肉盛りクラッド材は、肉盛り金属
に短繊維状の微細炭化物を多量に析出させることによ
り、鉄基であるにもかかわらず、600℃以上の高温用
途で優れた性能を示すコバルト基ステライト合金に匹
敵、若しくはこれを凌ぐ高温耐磨耗性を確保することが
できる。また、高温硬度及び高温耐酸化性についても、
その合金を凌ぐ高い性能を確保することができる。
【0079】従って、例えばゴミ焼却炉の炉内部材に適
用して、安いコストでダイオキシンの発生を効果的に抑
制することができるので、社会的に多大の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】C量と高温耐磨耗性の関係を示す図表である。
【図2】Si量と高温耐磨耗性の関係を示す図表であ
る。
【図3】Cr量と高温耐磨耗性の関係を示す図表であ
る。
【図4】高温耐磨耗性に及ぼすSi量及びCr量の影響
を示す図表である。
【図5】Mn量と高温耐磨耗性の関係を示す図表であ
る。
【図6】肉盛り金属組織を示す顕微鏡写真であり、
(a)は試験片No.32のもの、(b)は試験片N
o.20のものである。
【図7】高温硬度を示す図表であり、(a)は試験片N
o.32のもの、(b)は試験片No.20のものであ
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比でC:0.5〜3.0%、Si:
    3.0〜7.0%、Cr:25〜45%、Mn:0〜1
    0%、Ni:0〜13%を含み、且つCr≧−1.6S
    i+37を満足し、残部がFe及び不可避不純物からな
    ることを特徴とする肉盛り溶接材料。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の成分に加えて、Nb:
    8%以下、Ta:8%以下、Ti:8%以下、Zr:8
    %以下、B:5%以下、V:8%以下、W:10%以
    下、Mo:10%以下の1種又は2種以上を含むことを
    特徴とする肉盛り溶接材料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の成分に加えて、
    Al:3%以下、N:0.5%以下、Ce及びY等のレ
    アアースメタル:合計量で0.5%以下の1種又は2種
    以上を含むことを特徴とする肉盛り溶接材料。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3に記載の成分に加え
    て、Cu:7%以下を含むことを特徴とする肉盛り溶接
    材料。
  5. 【請求項5】 母材金属の表面上に肉盛り金属が溶着し
    た肉盛りクラッド材であって、肉盛り金属の少なくとも
    表層部が重量比でC:0.5〜3.0%、Si:3.0
    〜7.0%、Cr:25〜45%、Mn:0〜10%、
    Ni:0〜13%を含み、且つCr≧−1.6Si+3
    7を満足し、残部がFe及び不可避不純物からなる成分
    組成を有し、マトリックス中に短繊維状の微細針状炭化
    物が析出した組織を有することを特徴とする肉盛りクラ
    ッド材。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の肉盛りクラッド材にお
    いて、肉盛り金属の少なくとも表層部が更に、Nb:8
    %以下、Ta:8%以下、Ti:8%以下、Zr:8%
    以下、B:5%以下、V:8%以下、W:10%以下、
    Mo:10%以下の1種又は2種以上を含むことを特徴
    とする肉盛りクラッド材。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載の肉盛りクラッド
    材において、肉盛り金属の少なくとも表層部が更に、A
    l:3%以下、N:0.5%以下、Ce及びY等のレア
    アースメタル:合計量で0.5%以下の1種又は2種以
    上を含むことを特徴とする肉盛りクラッド材。
  8. 【請求項8】 請求項5、6又は7に記載の肉盛りクラ
    ッド材において、肉盛り金属の少なくとも表層部が更
    に、Cu:7%以下を含むことを特徴とする肉盛りクラ
    ッド材。
  9. 【請求項9】 母材金属が重量比でCr:9〜35%を
    含むことを特徴とする請求項5、6、7又は8に記載の
    肉盛りクラッド材。
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