JPH11224462A - 放送信号記録方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のチューナ部を用いることなく、複数の
事業者の番組を同時に視聴、又は記録することが可能な
放送信号記録方法及び装置を提供する。 【解決手段】 １つの物理チャンネルに複数の事業者の
番組が含まれる放送をチューナ５で受信し、復調部７で
復調し、誤り訂正部９で伝送誤りを訂正する。伝送制御
信号デコード部１９は、誤り訂正された放送信号から映
像及び音声のビットストリームと伝送制御情報又は番組
選択情報を分離し、復調部７及び誤り訂正部９を制御す
る。伝送制御信号多重部２１によりビットストリームに
伝送制御情報又は番組選択情報を多重化された信号は、
デジタルインタフェース部２５、３１を介して記録再生
部２９に記録される。ＨＤＴＶデコード装置１５、ＳＤ
ＴＶデコード装置１７は、信号切替部１１、デスクラン
ブル部１３を介して与えられるビットストリームを映像
・音声にデコードする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数の番組を多重
化した放送信号を受信し、記録再生する放送信号記録方
法及び装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図９は、従来技術を用いたデジタル衛星
放送受信システムを説明するための構成図である。同図
において、従来技術を用いたデジタル衛星放送受信機１
０１には、アンテナ３、及びデジタルデータのビットス
トリームが記録再生できる記録再生装置２７が接続され
ている。

【０００３】デジタル衛星放送受信機１０１は、チュー
ナ５、復調部７、誤り訂正部９、有料放送のスクランブ
ルを解除するデスクランブル部１３、放送視聴状態と記
録再生状態を切り替える信号切替部１１、１０３、デジ
タルインタフェース部２５、映像データと音声データと
を分配するデータストリーム分配部３３、映像データを
デコードする映像デコード部３５、ＣＲＴディスプレイ
装置３７（以下、ＣＲＴと略す）、システム制御部３
９、音声データをデコードする音声デコード部４１、ス
ピーカ４３を備えている。

【０００４】まず、衛星から送られる放送信号を受信す
る動作を説明する。チューナ５は、アンテナ３に接続さ
れ、アンテナ３が受信した１２GHz 帯の衛星放送の信号
を１４０MHz 帯の信号に変換し、復調部７に出力する。
この時、チューナ５では、視聴者が選択した番組を放送
する事業者が使用する物理チャンネルの選択を行う。こ
の物理チャンネルは、例えば１２GHz 帯では、１チャン
ネルから１５チャンネルまでの８個の奇数チャンネルが
日本国内の放送用に割り当てられている。

【０００５】復調部７では、直交位相変調のＩ軸（InPh
ase ）、Ｑ軸（QuadraturePhase ）の各位相信号に復調
され、誤り訂正部９により誤り訂正処理を施された後、
トランスポートデータストリームとタイミングクロック
に復調され、デスクランブル部１３に出力される。その
データストリーム中に視聴者が識別する複数のチャンネ
ル（以下、これを論理チャンネルと呼ぶ）に相当する映
像／音声データや制御データが時分割多重されている。
多重されているチャンネル、番組の中には、有料のもの
もあり、これらはスクランブルされている。

【０００６】デスクランブル部１３では、視聴が許可さ
れている番組だけをパケット単位でデスクランブルす
る。デスクランブルを行う場合、デスクランブルに必要
な鍵をシステム制御部３９から受け取り、予め視聴が許
可されている番組、あるいは新たに購入したペイパービ
ュー番組等の信号をデスクランブルする。

【０００７】デスクランブル部１３は、前段から供給さ
れたすべての番組データをパケット単位で信号切替部１
１の接点ａに供給する。放送番組視聴時には、信号切替
部１１の接点ａと接点ｃが接続され、番組データをデー
タストリーム分配部３３に出力する。

【０００８】データストリーム分配部３３の出力信号
は、信号切替部１０３の接点ｅに供給される。放送番組
視聴時には、信号切替部１０３の接点ｅと接点ｆが接続
され、データストリーム分配部３３からのデータが映像
デコード部３５、及び音声デコード部４１に接続され
る。すなわち、デスクランブル部１３からパケット単位
で供給される複数の番組データから、システム制御部３
９が指定するパケットの識別方法に従って、視聴する番
組のデータを選択し、選択したデータを映像データ、音
声データ、制御データ等に分類する。

【０００９】複数の番組のデータを分類した後、データ
ストリーム分配部３３は、視聴する番組のデータを選択
し、映像データを映像デコード部３５に、音声データを
音声デコード部４１にそれぞれ出力する。制御データ
は、システム制御部３９に出力される。

【００１０】映像デコード部３５は、供給されるＭＰＥ
Ｇ（Moving Picture Experts Group）形式で圧縮符号化
された映像データを復号化・伸張し、圧縮、伸張による
映像データと音声データの遅延時間調整をしてから、Ｃ
ＣＩＲ６５６フォーマットでデジタル化された映像信号
をアナログのＮＴＳＣ信号に変換し、ＣＲＴ３７に映出
される。

【００１１】また、音声デコード部４１では、供給され
る圧縮符号化された音声データを復号化、伸張、Ｄ／Ａ
変換し、アナログ音声信号として、スピーカ４３に出力
される。

【００１２】次に放送信号の記録再生動作について説明
する。まず、放送信号を記録する場合、受信した複数の
番組情報のすべてを含んでいるデジタルデータのビット
ストリームの中から視聴者が選択してデジタルインター
フェース部２５、３１を介して、希望の番組と対応する
デジタルデータのビットストリームを記録再生部２９に
記録する。

【００１３】このとき、信号切替部１１は、接点ａと接
点ｃが接続された状態となり、信号切替部１０３は、接
点ｅと接点ｄとが接続された状態となっている。そし
て、視聴者が選択した希望の番組と対応するデジタルデ
ータのビットストリームが、データストリーム分配部３
３、信号切替部１０３、及びデジタルインタフェース部
２５を介して記録再生装置２７に出力される。さらに記
録再生装置２７では、デジタルインタフェース部３１を
介して、デジタルインタフェース部２５の出力信号であ
るビットストリームが記録再生部２９に記録される。

【００１４】次に再生時は、信号切替部１１は、接点ｂ
と接点ｃが接続された状態となり、信号切替部１０３
は、接点ｅと接点ｆとが接続された状態となっている。
そして、記録再生部２９から再生されたデジタルデータ
のビットストリームが、デジタルインタフェース部３
１、２５を介して、データストリーム分配部３３に入力
する。データストリーム分配部３３の出力信号は、信号
切替部１０３を介して映像デコード部３５、及び音声デ
コード部４１に接続される。以下、衛星から送られる放
送信号を受信する動作と同様な動作となる。

【００１５】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術において
は、１つの物理チャンネルを１つの事業者が占有し、視
聴者が視聴を希望する番組を選択すると、その番組を含
む物理チャンネルが、チューナにより選択され、その物
理チャンネルに含まれる１つの事業者のデジタルデータ
のビットストリームの中から所望のデータを取り出す処
理を行っていた。すなわち、同一時刻においては、１番
組のみを視聴する、あるいは記録することになってい
た。

【００１６】ここで、例えば現在検討が進められている
ＢＳデジタル放送方式においては、１つの物理チャンネ
ルの中に異なる事業者が提供する複数の番組を含む方式
として検討されている。このような方式において従来の
技術を適用すると、同一時刻において、複数の事業者が
同一の物理チャンネルにおいて、番組を放送しているに
もかかわらず、視聴者は、視聴を希望した番組の視聴、
視聴している番組と同じデジタルデータのビットストリ
ームの記録、或いは１つの事業者のデジタルデータのビ
ットストリームの記録を余儀なくされていた。すなわ
ち、同一物理チャンネルで放送されている異なる事業者
の番組をそれぞれビットストリームとして取り出し、一
方の番組を視聴しながら他方の番組を記録することや、
複数の番組を同時に記録することができないという問題
点があった。

【００１７】以上の問題点に鑑み本発明の目的は、複数
のチューナ部を用いることなく、複数の事業者の番組を
同時に視聴、又は記録することが可能な放送信号記録方
法及び装置を提供することである。

【００１８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、１つの物理チャンネルに複数の事業者の番
組が含まれる放送信号を受信する受信過程と、この受信
過程で受信した放送信号から、伝送制御情報又は番組選
択情報を抽出する第１の抽出過程と、前記伝送制御情報
又は番組選択情報を前記受信過程の出力信号に多重化す
る多重過程と、この多重過程の出力信号を記録媒体に記
録する記録過程と、前記記録媒体から記録信号を再生す
る再生過程と、この再生過程の出力信号から前記伝送制
御情報又は番組選択情報を抽出する第２の抽出過程と、
を具備したことを要旨とする放送信号記録方法である。

【００１９】また本発明は、１つの物理チャンネルに複
数の事業者の番組が含まれる放送を受信する受信手段
と、この受信手段で受信した放送信号から、伝送制御情
報又は番組選択情報を抽出する第１の抽出手段と、前記
伝送制御情報又は番組選択情報を前記受信手段の出力信
号に多重化する多重手段と、この多重手段の出力信号を
記録再生する記録再生手段と、この記録再生手段の出力
信号から前記伝送制御情報又は番組選択情報を抽出する
第２の抽出手段と、を具備したことを要旨とする放送信
号記録装置である。

【００２０】本発明における放送信号記録装置は、同一
物理チャンネル中に複数の事業者が提供する番組が含ま
れる放送信号を受信し、視聴者が所望する番組を含む物
理チャンネルを指定し、その物理チャンネル内の複数の
事業者を識別する信号、或いは複数の事業者の番組を含
むデジタルデータのビットストリームを識別する信号等
の番組選択情報、或いは、前記デジタルデータの変調方
式を識別する信号等の伝送制御情報等を抽出する抽出手
段により、抽出された識別信号を視聴者が記録を希望す
る事業者の番組を含むデジタルデータのビットストリー
ムに多重して記録する。

【００２１】また、複数の事業者の番組を同時に記録す
る場合、前記デジタルデータのビットストリームを時間
的に圧縮する圧縮手段を用いて、各々の事業者の番組の
デジタルデータのビットストリームを時間的に圧縮し、
更に各々の識別信号を多重し、記録する。

【００２２】前記識別信号が多重されたデジタルデータ
のビットストリームを記録した装置からの再生信号を入
力し、前記識別信号とデジタルデータのビットストリー
ムを分離する分離手段により、分離された識別信号を元
に所望のデジタルデータのビットストリームを取り出す
ようにしている。時間的に圧縮され、多重された複数の
事業者の番組を含むデジタルデータのビットストリーム
を再生する場合、デジタルデータのビットストリームの
時間伸張手段により、時間的な伸張が行われるようにし
ている。

【００２３】［作用］上記構成の本発明によれば、視聴
者が所望する番組を指定し、これを含む物理チャンネル
が選択される。その物理チャンネルにおいて、視聴者が
所望する番組を放送している事業者が選択される。さら
に所望の番組を含むデジタルデータのビットストリーム
が分離され、映像、音声データのデコードが行われ、視
聴が可能となる。一方視聴者は、視聴する番組とは別に
記録を希望する番組の指定が、視聴を希望する番組と同
一の物理チャンネルにおいて可能となる。

【００２４】すなわち、視聴を希望する番組と同一時刻
において放送されている同一物理チャンネル内の他の事
業者の番組を指定し、選択された事業者を識別する信
号、又は、指定された番組を含むデジタルデータのビッ
トストリームを識別する信号、或いは、デジタルデータ
の変調方式を識別する信号が抽出され、抽出された識別
信号を記録を希望する事業者の番組を含むデジタルデー
タのビットストリームに多重して記録再生装置に記録す
る。

【００２５】記録再生装置からの再生においては、識別
信号とデジタルデータのビットストリームが多重された
再生信号から、識別信号とデジタルデータのビットスト
リームを分離する手段により、識別信号を分離し、この
信号を元に所望のデジタルデータのビットストリームを
取り出す。

【００２６】また、記録する番組が複数であり、複数事
業者のデジタルデータのビットストリームである場合に
は、各事業者のデジタルデータのビットストリームが時
間的に圧縮され、識別信号とともに時分割多重され、記
憶される。

【００２７】前記時間的に圧縮され、多重された複数の
事業者の番組を含むデジタルデータのビットストリーム
を再生する場合、多重された識別信号を抽出し、これを
元に再生したい番組を含むデジタルデータのビットスト
リームを時間伸張手段により、時間的に伸張し、所望の
デジタルデータのビットストリームとして取り出す。

【００２８】

【発明の実施の形態】［第１の実施の形態］次に図面を
参照して、本発明に係る放送信号記録装置の実施の形態
を詳細に説明する。図１は、本発明に係る放送信号記録
装置の第１の実施形態を説明するためのブロック図であ
る。図２は、現在検討が進められているＢＳデジタル放
送方式において、１つの物理チャンネルの中に複数の事
業者が提供する番組が多重されている様子を説明する図
である。

【００２９】この図２は、ある時刻における１つの物理
チャンネルの構成を示しており、これをフレームと呼
ぶ。ここで、このフレームは例えば図示されているよう
な４８個の基本的な単位であるスロットに分けられてい
る。このスロット毎に事業者が割り当てられることにな
る。スロットの先頭には、同期信号とこれら事業者の割
り当て等を制御する伝送制御信号（ＴＭＣＣ）が付加さ
れている。各スロットのそれ以降の部分が、デジタルの
ビットストリームとなる。

【００３０】図２に示した例では、スロット１〜６が事
業者Ａ、スロット７〜４８が事業者Ｂに割り当てられて
いる。また、各スロットは、伝送されるデータのビット
レートに応じて８ＰＳＫ、ＱＰＳＫ、ＢＰＳＫ等の中か
ら任意の変調方式で変調される事が許されている。

【００３１】図２では、例えばスロット１〜６を用い
て、ＭＰＥＧ２のＭＰ＠ＭＬフォーマットでエンコード
された標準テレビジョン信号（以下、ＳＤＴＶ信号と呼
ぶ）をＱＰＳＫで変調したビットストリームが多重さ
れ、スロット７〜４８を用いて、例えばＭＰＥＧ２のＭ
Ｐ＠ＨＬフォーマットでエンコードされた高精細度テレ
ビジョン信号（以下、ＨＤＴＶ信号と呼ぶ）を８ＰＳＫ
で変調したビットストリームが多重されている。

【００３２】次に図１を参照して、第１実施形態の構成
を説明する。第１実施形態の放送信号記録装置１は、ア
ンテナ３、チューナ５、復調部７、誤り訂正部９、信号
切替部１１、デスクランブル部１３、ＨＤＴＶデコード
部１５、ＳＤＴＶデコード部１７、伝送制御信号デコー
ド部１９、伝送制御信号多重部２１、伝送制御信号分離
部２３、デジタルインタフェース部２５、記録再生装置
２７を備えている。

【００３３】ここでは、有料番組を含む放送が行われる
と仮定し、有料番組には、スクランブルがかけられてお
り、視聴を許可された有料番組のスクランブルを解除す
るためのデスクランブル部１３を示してある。有料放送
が無い場合、又は視聴者は受信契約を行ってない場合に
は、デスクランブル部１３が省略される事になる。

【００３４】ＨＤＴＶデコード部１５は、ＭＰＥＧ２の
ＭＰ＠ＨＬフォーマットのデータストリームをデコード
して、高精細度画像と５．１チャンネルの高忠実度音声
を再生するデコード部であり、データストリーム分配部
３３、ＨＤ映像デコード部３５、ＣＲＴ３７、システム
制御部３９、音声デコード部４１、スピーカ４３を備え
ている。

【００３５】ＳＤＴＶデコード部１７は、ＭＰＥＧ２の
ＭＰ＠ＭＬフォーマットのデータストリームをデコード
して、標準テレビジョン画像と音声を再生するデコード
部であり、データストリーム分配部４５、ＳＤ映像デコ
ード部４７、ＣＲＴ４９、システム制御部５１、音声デ
コード部５３、スピーカ５５を備えている。

【００３６】記録再生装置２７は、デジタルＶＴＲ、書
込又は書換可能な光ディスク装置（例えばＤＶＤ−ＲＡ
Ｍ）等を用いたデジタルデータのビットストリームが記
録再生できる記録再生部２９と、記録再生信号及び制御
信号をデジタルインタフェース部２５と授受するための
デジタルインタフェース部３１とを備えている。

【００３７】次に、視聴者が図２の事業者Ａの番組を視
聴しようとした場合の動作を説明する。チューナ５は、
アンテナ３に接続され、アンテナ３が受信した１２GHz
帯の衛星放送の信号を１４０MHz 帯の信号に変換し、復
調部７に出力する。この時チューナ５では、例えば図示
しないリモコン装置等によって視聴者が選択した番組を
放送する事業者Ａが使用する物理チャンネル（１２GHz
の１チャンネルから１５チャンネルの任意の奇数チャン
ネル）の選択を行う。

【００３８】復調部７では、Ｉ軸（In Phase）、Ｑ軸
（Quadrature Phase）の各位相信号に復調され、誤り訂
正部９により誤り訂正処理を施された後、トランスポー
トデータストリームとタイミングクロックに復調され、
信号切替部１１の接点ａに供給される。信号切替部１１
では、接点ａと接点ｃが接続され出力される。この実施
形態では、有料番組を含む事とし、信号切替部１１の出
力信号が、デスクランブル部１３に出力される。

【００３９】デスクランブル部１３では、放送事業者と
の間の契約で、あらかじめ視聴が許可されている番組、
あるいはＰＰＶ（Pay per View）方式のような有料番組
において、視聴者が購入した番組だけをパケット単位で
デスクランブルする。デスクランブルを行う場合、デス
クランブルに必要な鍵をシステム制御部３９を介して受
け取り、予め視聴が許可されている番組、あるいは購入
した番組の信号をデスクランブルする。

【００４０】一方、誤り訂正部９の出力信号は、伝送制
御信号デコード部１９に入力される。ここでは、図２に
示された事業者の割り当て等を制御する伝送制御信号
（ＴＭＣＣ）が抽出され、デコードされる。すなわち、
図２の事業者ごとのスロット割り当て、変調方式を示す
伝送制御信号により、指定された事業者のデジタルのビ
ットストリームの抽出、及び、変調方式に応じた復調動
作の指示を復調部７に対して行う。ここでは、事業者Ａ
のビットストリームが含まれたスロット１〜６が選択さ
れ出力される。

【００４１】デスクランブル部１３の出力信号は、伝送
制御信号により、前段から供給されたデジタルのビット
ストリームをその変調方式あるいは、エンコード方式に
対応したデコード部に供給する。すなわち、ＭＰＥＧ２
のＭＰ＠ＨＬフォーマットでエンコードされたビットス
トリームは、ＨＤＴＶデコード装置１５に入力され、デ
ータストリーム分配部３３により分配され、システム制
御部３９の制御によって、ＨＤ映像デコード部３５、音
声デコード部４１に、供給される。

【００４２】ＨＤ映像デコード部３５では、供給される
ＭＰＥＧ形式で圧縮された映像データを伸張し、圧縮、
伸張による映像データと音声データの遅延時間調整をし
てから、デジタル化された映像信号をアナログのＨＤＴ
Ｖ信号に変換し、ＣＲＴ３７に映出させる。

【００４３】一方、音声デコード部４１では、供給され
る圧縮された音声データを伸張し、アナログ音声信号と
して、スピーカ４３に出力する。

【００４４】ＭＰＥＧ２のＭＰ＠ＭＬフォーマットでエ
ンコードされたビットストリームは、ＳＤＴＶデコード
装置１７に入力され、データストリーム分配部４５によ
り分配され、システム制御部５１の制御によって、ＳＤ
映像デコード部４７、音声デコード部５３に、供給され
る。ＳＤ映像デコード部４７では、供給されるＭＰＥＧ
形式で圧縮された映像データを伸張し、圧縮、伸張によ
る映像データと音声データの遅延時間調整をしてから、
ＣＣＩＲ６５６フォーマットでデジタル化された映像信
号をアナログのＮＴＳＣ信号に変換し、ＣＲＴ４９に映
出させる。

【００４５】一方、音声デコード部５３では、供給され
る圧縮された音声データを伸張し、アナログ音声信号と
して、スピーカ５５に出力する。

【００４６】更に視聴者が記録を希望する番組のデジタ
ルのビットストリームを含む事業者として、図２の事業
者Ｂを選択したとする。このとき伝送制御信号デコード
部１９では、視聴を希望する番組のデジタルのビットス
トリームを含む事業者Ａとともに、事業者Ｂの伝送制御
信号のデコード及び、抽出が行われ、復調部７の制御を
行い、事業者Ｂの伝送制御信号を伝送制御信号多重部２
１へ出力する。誤り訂正部９からは、視聴を希望する事
業者Ａの番組を含むのデジタルのビットストリームを信
号切替部１１に、記録を希望する事業者Ｂの番組を含む
デジタルのビットストリームを伝送制御信号多重部２１
へ出力する。

【００４７】伝送制御信号多重部２１は、図７に示すよ
うにビットストリーム圧縮部８１と伝送信号付加部８３
とを備えている。そして、ビットストリーム圧縮部８１
は、記録するデジタルのビットストリームを時間的に圧
縮し、それによりできた時間的隙間に、例えば伝送制御
信号付加部８３で、一定の時間間隔で伝送制御信号を多
重する。

【００４８】図３は、この伝送信号の多重を説明する図
である。図３（ａ）において、Ｂ１、Ｂ２で示されてい
るのは、例えば、Ｂ１が事業者Ｂの変調方式８ＰＳＫ或
いはＭＰ＠ＨＬフォーマットのエンコード方式を、Ｂ２
が事業者Ｂの変調方式ＱＰＳＫ或いはＭＰ＠ＭＬフォー
マットのエンコード方式をそれぞれ示す伝送制御信号で
ある。

【００４９】更に図３（ａ）中のの１、２、…、９は、
１バイト単位に分割された画像または音声データのビッ
トストリームを示している。ここで、Ｂ１、Ｂ２等の伝
送制御信号を挿入する間隔を例えば、図３（ａ）のよう
に４バイト間隔と予め指定しておき、フレーム同期とい
った先頭の基準信号を挿入することにより、再生時にフ
レーム同期を基準として、容易に伝送制御信号を抽出可
能である。また例えば４バイト間隔で挿入された伝送制
御信号の後ろに続く、ビットストリームを直前の伝送制
御信号により規定することにすれば、伝送制御信号の切
替にも容易に対応可能である。

【００５０】ビットストリームに多重する信号は、例え
ば、トランスポートストリーム識別符号（ＴＳ−Ｉ
Ｄ）、エンコード方式等、伝送制御信号に限らず様々な
信号が考えられる。また記録を希望する番組の事業者が
複数の場合、図３の（ｂ）に示すように事業者Ａのビッ
トストリームを示す制御信号Ａ１、事業者Ｂのビットス
トリームを示す制御信号Ｂ１を交互に切り替えて、時分
割多重する。

【００５１】この時も事業者の多重数により、伝送制御
信号の挿入間隔を予め決めておけば、再生時の抽出は容
易である。

【００５２】伝送制御信号多重部２１の出力信号は、デ
ジタルインターフェース部２５を介して出力され、記録
再生装置２７側のデジタルインターフェース部３１を介
し、記録再生部２９に記録される。

【００５３】次に再生時は、記録再生部２９から再生さ
れたデジタルデータのビットストリームが、デジタルイ
ンタフェース部３１、２５を介して、伝送制御信号分離
部２３に入力される。ここでは、図３の（ａ）に示した
ような信号構成から、フレーム同期といった基準となる
信号を元に、一定間隔で挿入されている伝送制御信号信
号を分離、デコードし、例えば、図１のシステム制御部
３９、或いは５１に入力し、ＴＳデコード部の処理に使
用する。

【００５４】図８は、伝送制御信号分離部２３の詳細を
示すブロック図であり、伝送制御信号分離部２３は、伝
送制御信号抽出部８５と、ビットストリーム伸張部８７
とを備えている。

【００５５】図８の伝送制御信号分離部２３の伝送制御
信号抽出部８５で、伝送制御信号の分離、及びビットス
トリーム伸張部８７で、時間伸張されたビットストリー
ムが、信号切替部１１の接点ｂに供給される。信号切替
部１１では、接点ｂと接点ｃが接続され、記録再生部２
９から再生されたデジタルデータのビットストリームを
デスクランブル部１３を介して、データストリーム分配
部３３、又はデータストリーム分配部４５に入力する。
以下、衛星から送られる放送信号を受信する動作と同様
な動作となる。

【００５６】図４は、本発明の第２実施形態を示すブロ
ック回路図である。本実施形態は、第１の実施形態にお
いて、デスクランブル部１３と信号切替部１１の構成順
序を入れ替えた例を示し、デスクランブル後のデータス
トリームを記録再生装置に記録する構成となっている。
その他の構成は第１の実施形態と同様である。

【００５７】以下、本実施の形態における動作を説明す
る。有料放送において視聴者が、放送事業者との契約に
より視聴を許可された番組、或いは視聴契約を結んでい
る事業者の番組を含むデジタルのビットストリームは、
デスクランブル部１３により、スクランブルを解除され
る。このスクランブルが解除されたビットストリーム
は、伝送制御信号多重部２１に入力され、伝送制御信号
の多重が行われ、デジタルインタフェース部２５、３１
を介して記録再生部２９で記録される。

【００５８】再生時には、伝送制御信号分離部２３によ
り、伝送制御信号が分離され、信号切替部１１の接点ｂ
に入力され、接点ｂと接点ｃが接続され、後段の回路に
供給される。それ以外の構成、及び動作は、第１の実施
形態と同様である。

【００５９】なお、本実施の形態において、取り外し可
能な記録媒体を使用するものとすれば、記憶媒体を取り
外して他の放送信号記録再生装置においても再生するこ
とができる点が第１の実施形態と異なる。

【００６０】図５は、本発明の第３実施形態を示すブロ
ック回路図である。本実施形態は、第１の実施形態にお
けるＨＤＴＶデコード装置１５とＳＤＴＶデコード装置
１７とが１系統のＨＤ／ＳＤＴＶデコード装置７５に置
換された例である。すなわち、例えばＭＰＥＧ２のＭＰ
＠ＨＬフォーマットでエンコードされたビットストリー
ムと、ＭＰＥＧ２のＭＰ＠ＭＬフォーマットでエンコー
ドされたビットストリームのデコード処理を共通のデコ
ード部であるＨＤ／ＳＤＴＶデコード装置７５で行う例
である。

【００６１】デスクランブル部１３の出力信号は、デー
タストリーム分配部３３に入力される。ここでＭＰＥＧ
２のＭＰ＠ＨＬフォーマットでエンコードされたビット
ストリームか、ＭＰ＠ＭＬフォーマットでエンコードさ
れたビットストリームかの判定が行われ、この判定結果
に応じたデコード処理が、映像デコード部７７、音声デ
コード部７９に、より行われる。映像デコード部７７で
は、供給されるＭＰＥＧ形式で圧縮された映像データを
伸張し、圧縮、伸張による映像データと音声データの遅
延時間調整をしてから、デジタル化された映像信号をア
ナログの映像信号に変換し、ＣＲＴ３７に映出させる。

【００６２】一方、音声デコード部７９では、供給され
る圧縮された音声データを伸張し、アナログ音声信号と
して、スピーカ４３に出力する。前記説明以外の構成、
及び動作は、第１の実施形態と同様である。

【００６３】次に、本実施形態における記録再生動作を
説明する。記録動作は第１実施形態と同様であるので省
略する。第１の実施形態において説明した信号形式によ
って記録再生部２９に記録されたビットストリームを再
生する動作を説明する。

【００６４】記録再生部２９から再生されたビットスト
リームは、第１の実施形態と同様に伝送制御信号分離部
２３により、伝送制御信号とビットストリームが分離さ
れ、伝送制御信号は、システム制御部３９に入力され
る。

【００６５】分離されたビットストリームは、デスクラ
ンブル部１３を介して、ＨＤ／ＳＤＴＶデコード装置７
５のデータストリーム分配部３３に入力される。システ
ム制御部３９は、伝送制御信号を参照し、ＭＰＥＧ２の
ＭＰ＠ＭＬフォーマットでエンコードされたビットスト
リーム、ＭＰＥＧ２のＭＰ＠ＭＬフォーマットのビット
ストリーム夫々に対応した、デコード処理が行われるよ
うに、映像デコード部７７および音声デコード部７９を
制御する。以下の動作は第１実施形態と同様な処理とな
る。

【００６６】上記伝送信号多重部２１における伝送制御
信号多重の形式については、参考文献『ＩＥＥＥ１３９
４で複数のＭＰＥＧデータを転送可能に』（日経エレク
トロニクス誌１９９６．１．２９／no.654）で紹介され
ているようなフォーマットが検討されている。ここで
は、図６に示すようにＭＰＥＧのトランスポートパケッ
ト１８８バイトに４バイトのタイムスタンプを付加した
後、２４バイト毎に分割しＩＥＥＥ１３９４の Isochro
nous転送用データブロックを構成する。

【００６７】すなわち、１８８＋４＝１９２バイトのパ
ケットを２４バイト単位の８個のデータブロックに分割
する。そして２４バイトのデータブロックの整数倍をま
とめて一つの Isochronousパケットを作る。データブロ
ックの先頭にＣＩＰヘッダを付ける。このヘッダに分割
方法を定義しておく。受信装置では、ＣＩＰヘッダの情
報に基づいて、トランスポートパケットを組み立て直
す。

【００６８】このような Isochronous転送を利用して、
本発明の放送信号記録装置における記録データの転送を
行うことができる。ここで例えばＣＩＰに伝送制御信号
の情報を付加するか、または、図６における情報が付加
されていない隙間に前記伝送制御信号を付加することに
より、ＩＥＥＥ１３９４フォーマットでの本発明の実施
は可能である。

【００６９】以上本発明の実施形態を説明したが、本文
中のビットストリームという表現は、そのままトランス
ポートストリームという表現に換えても当てはまる物で
ある。また本発明は、上記実施形態に限るものではな
く、様々な応用が容易に考えられる。

【００７０】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数のチューナを用いることなく、同一時刻において、複
数の事業者が同一の物理チャンネルにおいて放送してい
る番組を記録、再生することが可能な放送信号記録方法
及び装置を提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る放送信号記録装置の第１実施形態
を示すブロック図である。

【図２】第１実施形態におけるフレーム構成の詳細を説
明する図である。

【図３】第１実施形態における伝送制御信号の多重動作
を説明する図である。

【図４】本発明に係る放送信号記録装置の第２実施形態
を示すブロック図である。

【図５】本発明に係る放送信号記録装置の第３実施形態
を示すブロック図である。

【図６】本発明の実施形態における記録再生信号の伝送
形態を説明する図である。

【図７】本発明の伝送制御信号多重部の詳細を説明する
図である。

【図８】本発明の伝送制御信号分離部の詳細を説明する
図である。

【図９】従来例を説明する図である。

【符号の説明】

１…放送信号記録装置、３…アンテナ、５…チューナ、
７…復調部、９…誤り訂正部、１１…信号切替部、１３
…デスクランブル部、１５…ＨＤＴＶデコード部、１７
…ＳＤＴＶデコード部、１９…伝送制御信号デコード
部、２１…伝送制御信号多重部、２３…伝送制御信号分
離部、２５…デジタルインタフェース部、２７…記録再
生装置、２９…記録再生部、３１…デジタルインタフェ
ース部、３３、４５…データストリーム分配部、３５…
ＨＤ映像デコード部、３７、４９…ＣＲＴ、３９、５１
…システム制御部、４１、５３…音声デコード部、４
３、５５…スピーカ。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 １つの物理チャンネルに複数の事業者の
   番組が含まれる放送信号を受信する受信過程と、 この受信過程で受信した放送信号から、伝送制御情報又
   は番組選択情報を抽出する第１の抽出過程と、 前記伝送制御情報又は番組選択情報を前記受信過程の出
   力信号に多重化する多重過程と、 この多重過程の出力信号を記録媒体に記録する記録過程
   と、 前記記録媒体から記録信号を再生する再生過程と、 この再生過程の出力信号から前記伝送制御情報又は番組
   選択情報を抽出する第２の抽出過程と、 を具備したことを特徴とする放送信号記録方法。
2. 【請求項２】 １つの物理チャンネルに複数の事業者の
   番組が含まれる放送を受信する受信手段と、 この受信手段で受信した放送信号から、伝送制御情報又
   は番組選択情報を抽出する第１の抽出手段と、 前記伝送制御情報又は番組選択情報を前記受信手段の出
   力信号に多重化する多重手段と、 この多重手段の出力信号を記録再生する記録再生手段
   と、 この記録再生手段の出力信号から前記伝送制御情報又は
   番組選択情報を抽出する第２の抽出手段と、 を具備したことを特徴とする放送信号記録装置。
3. 【請求項３】 前記受信手段は、視聴する目的で指定さ
   れた事業者の番組が含まれるデータを出力するととも
   に、前記視聴する目的で指定された事業者以外の事業者
   の番組について、記録する目的で指定された事業者の番
   組が含まれるデータを出力し、 前記多重手段は、前記受信手段の出力信号として、記録
   する目的で指定された事業者の番組が含まれるデータに
   対して前記伝送制御情報又は番組選択情報を多重するこ
   とを特徴とする請求項２記載の放送信号記録装置。
4. 【請求項４】 前記多重手段は、前記受信手段の出力信
   号を時間的に圧縮し、この圧縮により生じた時間的隙間
   に、前記伝送制御情報又は番組選択情報を挿入した多重
   化データを出力信号として出力することを特徴とする請
   求項３記載の放送信号記録装置。
5. 【請求項５】 前記第２の抽出手段は、前記記録再生装
   置から再生された多重化データ信号から、前記伝送制御
   情報又は番組選択情報を抽出するとともに、前記受信デ
   ータを時間的に伸張して出力することを特徴とする請求
   項３又は請求項４記載の放送信号記録装置。
6. 【請求項６】 前記多重手段は、前記伝送制御情報又は
   番組選択情報を基準信号を基に一定の時間間隔で多重
   し、複数の事業者のデータを多重する場合には、多重す
   る事業者の数に応じて、前記時間間隔を変更することを
   特徴とする請求項２乃至請求項５のいずれか１項記載の
   放送信号記録装置。
7. 【請求項７】 前記多重手段は、所望のデータ転送レー
   トが確保されるデータ転送フォーマットにおけるヘッダ
   信号に前記伝送制御情報又は番組選択情報を挿入する
   か、或いは、前記データ転送フォーマットにおける空き
   領域に、前記伝送制御情報又は番組選択情報を多重化す
   ることを特徴とする請求項２乃至請求項６のいずれか１
   項記載の放送信号記録装置。
8. 【請求項８】 前記第１又は第２の抽出手段は、事業者
   を識別する信号、変調方式の識別信号、ＭＰＥＧフォー
   マットの識別信号、及びトランスポートストリームの識
   別信号のいずれか１つ又はこれらの任意の組合せを含む
   信号を抽出することを特徴とする請求項２乃至請求項７
   のいずれか１項記載の放送信号記録装置。