JPH1122436A - エンジンの弁作動装置 - Google Patents

エンジンの弁作動装置

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Publication number
JPH1122436A
JPH1122436A JP17567797A JP17567797A JPH1122436A JP H1122436 A JPH1122436 A JP H1122436A JP 17567797 A JP17567797 A JP 17567797A JP 17567797 A JP17567797 A JP 17567797A JP H1122436 A JPH1122436 A JP H1122436A
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JP
Japan
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rocker arm
sub
pedestal surface
sub rocker
engine
Prior art date
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Application number
JP17567797A
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English (en)
Inventor
Nobutaka Hayashi
信隆 林
Mikihiro Kajiura
幹弘 梶浦
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロストモーション機構におけるダンパ部材の
先端と台座面との間に生じる圧力を適正な値とすること
ができること。 【解決手段】 サブロッカーアーム2の先端がロッカー
アーム1RAとロッカーアーム1RBとの間の部分に最
も近接される最下方位置をとるとき、スプリングリテー
ナ29の頭部の接触部位において交叉する中心軸線CL
が、台座面33に対して略垂直となるように設定されて
いるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの運転状
態に応じて弁リフト特性を2段階に切換えることができ
るエンジンの弁作動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの弁作動装置においては、エン
ジンの低速運転状態および高速運転状態に応じて吸気弁
または排気弁の揚程特性を異ならせるように制御するこ
とが知られている。このような装置は、例えば、特開平
8−210113号公報にも示されるように、エンジン
のシリンダヘッド内に配されひとつのシリンダに設けら
れる一対の吸気弁(または排気弁)に対して2以上の異
なる形状の複数のカムを有するカムシャフトと、カムシ
ャフトに対して平行に配されるロッカーシャフトに支承
されこれらのカムの回転運動により決定される揚程特性
に基づく押圧力をバルブステムの端部に伝達する複数の
ロッカーアームと、ロッカーアームに隣接して設けられ
高速用のカムにより揺動される高速用のサブロッカーア
ームと、互いに隣接するサブロッカーアームとロッカー
アームとをエンジンの運転状態に応じて選択的に互いに
連結および非連結状態にする選択連結機構とを含んだも
のが提案されている。
【0003】選択連結機構は、例えば、サブロッカーア
ームに対応してロッカーアームに設けられ選択的にロッ
カーアームとサブロッカーアームとを連結するレバー部
材を含んで構成されている。
【0004】このような選択連結機構において、エンジ
ンが高速運転状態の場合、レバー部材の他端に対向して
ロッカーアーム内に設けられるピストン部材によりレバ
ー部材の他端が押圧されることにより、そのレバー部材
の一端が、対向するサブロッカーアームの被係合部に係
合状態とされる。これにより、ロッカーアームとサブロ
ッカーアームとが連結されて高速用のカムによりロッカ
ーアームが揺動され吸気弁もしくは排気弁のリフト特性
が低速運転用のリフト特性から高速運転用のリフト特性
に変化するものとされる。
【0005】一方、エンジンが低速運転状態の場合、そ
のレバー部材の一端が、対向するサブロッカーアームの
被係合部に非係合状態とされるのでサブロッカーアーム
は、高速用のカムにより揺動される。
【0006】その際、サブロッカーアームは、そのフォ
ロア部が高速用のカムから離隔することなくその揺動運
動を維持するロストモーション機構により、下方側から
支持されている。
【0007】ロストモーション機構は、サブロッカーア
ームにおけるロッカーアームの台座面に対向する位置に
設けられるダンパ部材収容室とロッカーアームの台座面
との間に伸縮可能に配されロッカーアームの台座面に先
端が摺動するダンパ部材を含んで構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のロストモーショ
ン機構において、ダンパ部材は、その中心軸線を通る先
端部はロッカーアームの台座面に対して所定の角度をも
って配設されているのでダンパ部材の先端は、サブロッ
カーアームの揺動に応じて台座面上において摺動され
る。
【0009】その際、ダンパ部材には、曲げモーメント
が作用されることとなるのでダンパ部材におけるダンパ
部材収容室の内面に摺接する部分と、ダンパ部材収容室
の内面との相互間には、曲げモーメントに基づく摩擦力
が加えられることとなる。
【0010】これにより、サブロッカーアームが最大に
揺動されるとき、ダンパ部材の収縮力とその摩擦力とを
加えた圧力以上の荷重がサブロッカーアームを押し下げ
るために必要となり、従って、ダンパ部材の先端と台座
面との間には、許容圧力以上の圧力が作用されることに
よりその耐摩耗性が劣る虞がある。
【0011】以上の問題点を考慮して、本発明は、エン
ジンの運転状態に応じて弁リフト特性を2段階に切換え
ることができるエンジンの弁作動装置であって、ロスト
モーション機構におけるダンパ部材の先端と台座面との
間に生じる圧力を適正な値とすることができるエンジン
の弁作動装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係るエンジンの弁作動装置は、基端部が
エンジンにおけるロッカーシャフトに回動可能に支持さ
れカムシャフトの第1のカム部の回動に応じて吸気弁も
しくは排気弁を開閉するロッカーアームと、基端部がロ
ッカーアームの基端部に隣接してロッカーアームに回動
可能に支持され第1のカム部の最大偏心量と異なる最大
偏心量を有する前記カムシャフトの第2のカム部の回動
に応じて揺動するサブロッカーアームと、サブロッカー
アームの被係合部に選択的に係合状態とされるとき、ロ
ッカーアームを伴ってサブロッカーアームを揺動させる
べく、サブロッカーアームのロッカーアームに対する相
対運動を抑制する係合部を有する連結部材と、連結部材
の係合部を選択的にサブロッカーアームの被係合部に係
合状態もしくは非係合状態とする駆動手段と、サブロッ
カーアームのダンパ収容部とロッカーアームの台座面と
の間に移動可能に配されるダンパ部材を有し、駆動手段
により連結部材の係合部がサブロッカーアームの被係合
部に対して非係合状態とされ、サブロッカーアームが所
定の最大角度揺動されるとき、ダンパ部材の台座面に対
する相対位置がダンパ部材の移動方向に沿った仮想直線
の方向が台座面に対して略直交する方向となるように設
定されるもとで、サブロッカーアームの第2のカム部の
回動に応じた揺動状態を維持するロストモーション機構
とを備えて構成される。
【0013】
【発明の実施の形態】図2および図3は、本発明に係る
エンジンの弁作動装置の一例を示す。図2においては、
1つの気筒における吸気通路および排気通路にそれぞれ
設けられる吸気ポートおよび排気ポートをそれぞれ開閉
する2つの弁を備えたエンジンにおける吸気弁4側を示
している。
【0014】気筒には、互いに連結され2本の吸気弁4
にそれぞれ対応したロッカーアーム1RAおよび1RB
が設けられている。ロッカーアーム1RAおよび1RB
の基端は、それぞれ、その透孔1raおよび1rbにメ
インロッカーシャフト3が嵌合されてシリンダヘッドに
揺動自在に支持され、ロッカーアーム1RAおよび1R
Bの各先端は吸気弁4のステム頂部に当接している。吸
気弁4のステム頂部には、吸気弁4を閉じる方向に付勢
するスプリングSを支持するバルブリテーナVRが設け
られている。
【0015】ロッカーアーム1RAとロッカーアーム1
RBとの間には、ほぼその中央に、サブロッカーアーム
2が設けられている。そして、図2および図3に示され
るように、ロッカーアーム1RAおよび1RBには、各
低速用カム21がそれぞれ当接するローラ11Aおよび
11Bが設けられている。ローラ11Aおよび11B
は、ロッカーアーム1RAおよび1RBに、それぞれ、
設けられた貫通孔13aおよび13bに挿設されたベア
リングシャフト12に、ニードルベアリング14を介し
て回動自在に支承されている。
【0016】このサブロッカーアーム2の基端は、その
穴17にサブロッカーシャフト16が嵌合されてロッカ
ーアーム1RAおよび1RBに揺動自在(相対回転可
能)に支持されている。サブロッカーシャフト16の両
端部は、ロッカーアーム1RAおよび1RBにそれぞれ
形成された支持壁18Aおよび18Bの穴19Aおよび
19Bに圧入支持されている。
【0017】サブロッカーアーム2は、図4に示される
ように、吸気弁4に当接する部位を持たず、その先端上
面には高速用カム22に摺接するカムフォロア部2Aが
円弧状に突出して形成されている。
【0018】サブロッカーアーム2には、カムフォロア
部2Aの下側に、図4に二点鎖線で示されるように、後
述のレバー部材7の一端が係合する段部2Bと、これに
連なる傾斜部2Cとが形成されている。
【0019】2個の低速用カム21とこれらの間の高速
用カム22とは、それぞれ、メインロッカーシャフト3
の上方に略平行に、ロッカーアーム1RAおよび1R
B、サブロッカーアーム2を挟んで配される共通のカム
シャフト20に一体形成され、エンジンの低回転時と高
回転時において要求される弁リフト特性を満足するよう
に異なる形状(大きさが異なる相似形も含む。)に形成
されている。つまり、高速用カム22は低速用カム21
と比べ、弁リフト量もしくは開弁期間の少なくとも一方
を大きくするプロフィールを有している。ここでは、高
速用カム22は弁リフト量,開弁期間を共に低速用カム
21に比して大きく設定されている。
【0020】また、サブロッカーアーム2の段部2Bの
下方側には、図3に示されるように、ロッカーシャフト
3の側方でピン6がその透孔7aに嵌合され揺動自在に
支承されたレバー部材7が設けられている。ピン6の両
端は、それぞれ、ロッカーアーム1RAおよび1RBの
基端部にそれぞれ形成される軸受孔1aに挿入されて止
め輪で支持されている。
【0021】レバー部材7における上部側方には、図3
に示されるように、突起7Aが一体に形成されている。
突起7Aは、図5に示されるように、ロッカーアーム1
RAに設けられるスプリングリテーナ10に対向する位
置に設けられている。突起7Aは、ロッカーアーム1R
Aに形成された円柱状の凹部8に収容されたリターンス
プリング9およびスプリングリテーナ10によりサブロ
ッカーアーム2とレバー部材7との係合が非係合状態と
される方向に付勢されている。
【0022】従って、弁揚程可変機構が、カムシャフト
20、メインロッカーシャフト3、ロッカーアーム1R
Aおよび1RB、サブロッカーアーム2、レバー部材7
を含んで形成される。
【0023】一方、レバー部材7の他端には、図4に示
されるように、ロッカーアーム1RAとロッカーアーム
1RBとの間に設けられ上述の弁揚程可変機構を駆動さ
せる油圧駆動部を構成する作動プランジャ31が当接し
ている。
【0024】ロッカーアーム1RAとロッカーアーム1
RBとの間におけるレバー部材7の他端に対向する位置
には、メインロッカーシャフト3の軸線と直交する方向
に、作動プランジャ31が摺動自在に嵌装される円柱状
の凹部32が形成されている。これにより、作動プラン
ジャ31の内周部と凹部32とにより囲まれた空間に
は、油圧室34が形成されることとなる。
【0025】油圧室34に所定の圧力に調整された作動
油圧が供給されるとき、レバー部材7の他端は作動プラ
ンジャ31により押圧されるので図4に二点鎖線で示さ
れるように、レバー部材7が回動されて、その一端が段
部2Bに係合状態とされる。一方、油圧室34への所定
の作動油圧の供給が停止されたとき、レバー部材7の一
端の突起7Aはスプリングリテーナ10により押圧され
るので図4に実線で示されるように、レバー部材7が回
動されて、その一端が段部2Bに対して非係合状態とさ
れる。
【0026】油圧室34に作動油圧を導く油路は、ロッ
カーアーム1RAおよび1RB、メインロッカーシャフ
ト3の内部を通して設けられている。一端が油圧室34
に開口するとともに、他端がメインロッカーシャフト3
に対する軸受面を貫通し通孔43に連通する通孔41が
ロッカーアーム1RAとロッカーアーム1RBとの間の
部分に形成されている。
【0027】メインロッカーシャフト3の内部には、油
路42がその軸線方向に沿って形成され、この油路42
は半径方向に沿って設けられる通孔43を介して通孔4
1と連通している。
【0028】また、サブロッカーアーム2の下側には、
図4に示されるように、ロストモーション機構25を配
設するための収容部として円柱状の凹部27が形成され
ている。コイル状の弾性部材としてのロストモーション
スプリング26の基端は、凹部27の底面に支持され、
その先端は凹部27に摺動自在に嵌合された有底筒状の
スプリングリテーナ29を付勢している。スプリングリ
テーナ29の中心軸線と凹部27を形成する内壁部の中
心軸線とは略一致しているものとされる。即ち、スプリ
ングリテーナ29は、凹部27を形成する内壁部に案内
されて同心上を摺動可能に支持されることとなる。
【0029】また、スプリングリテーナ29とロストモ
ーションスプリング26とによりダンパ部材が形成され
ることとなる。
【0030】スプリングリテーナ29は、その湾曲状の
頭部がロッカーアーム1RAとロッカーアーム1RBと
の間の部分に設けられる台座面33に当接している。
【0031】平坦面とされる台座面33は、図1および
図6の(B)に拡大されて示されるように、ロッカーア
ーム1RAとロッカーアーム1RBとの間の部分におけ
る基準面SSに対して平行な直線VLに対して垂直に交
わる直線HLに対し角度αをもって交叉している。
【0032】角度αは、サブロッカーアーム2が最大に
振れるとき、即ち、サブロッカーアーム2の先端がロッ
カーアーム1RAとロッカーアーム1RBとの間の部分
に最も近接される最下方位置をとるとき、図6の(B)
に示されるように、サブロッカーアーム2の回転半径、
および、サブロッカーアーム2の回転中心と台座面33
の中心位置までの距離に基づきスプリングリテーナ29
の頭部の接触部位において交叉する中心軸線CLが、台
座面33に対して略垂直となるように設定されている。
角度αは、例えば、30.7度とされる。
【0033】また、角度αは、図4に示されるように、
スプリングリテーナ29の中心軸線CLと直線VLとが
なす角度αaと等しいのでスプリングリテーナ29の頭
部は、サブロッカーアーム2の揺動中、その中心軸線C
Lと直線VLとがなす角度αaを維持しつつ台座面33
上を摺動されることとなる。
【0034】油路42の一端側には、図示しない切換弁
を介して、オイルポンプの吐出油圧が所定の高速運転時
に導かれる。切換弁の作動を電子制御する、図示が省略
されるコントロールユニットには、エンジンにおけるエ
ンジン回転信号,冷却水温信号,潤滑油の温度信号,過
給機による吸気の過給圧力信号,スロットルバルブの開
度信号等が入力される。
【0035】コントロールユニットは、これらの検出値
に基づいてエンジントルクの急激な変動を抑えつつ、低
速用カム21と高速用カム22との切換え動作を円滑に
行うべく切換弁の作動を制御する。
【0036】かかる構成のもとで、先ず、エンジンの低
速運転時、ロッカーアーム1RAおよび1RBは、それ
ぞれ、低速用カム21のプロフィールに従って揺動し、
各吸気弁4の開閉駆動が行われる。このとき、サブロッ
カーアーム2は高速用カム22によって揺動されるもの
の、リターンスプリング9の付勢力により、レバー部材
7は段部2Bに対して非係合状態とされるのでロストモ
ーション機構25が機能を発揮する状態にある。従っ
て、サブロッカーアーム2から入力があっても、ロスト
モーションスプリング26が撓むのみで、ロッカーアー
ム1RAおよび1RBの動きが妨げられることはない。
【0037】その際、サブロッカーアーム2の先端がロ
ッカーアーム1RAとロッカーアーム1RBとの間の部
分に最も離隔される最上方位置をとるとき、図4および
図6の(A)に示されるように、スプリングリテーナ2
9の頭部は、その頭部の接触部位において交叉する中心
軸線CLが、台座面33に対して垂直な直線Zaに対し
所定の角度θaをなして台座面33に当接している。こ
のような場合、ロストモーションスプリング26は伸長
状態がとられているのでスプリングリテーナ29の頭部
と台座面33との間の相互の面圧は比較的小なるものと
される。
【0038】一方、サブロッカーアーム2の先端がロッ
カーアーム1RAとロッカーアーム1RBとの間の部分
に最も近接される最下方位置をとるとき、図1および図
6の(B)に示されるように、スプリングリテーナ29
の頭部は、その頭部の接触部位において交叉する中心軸
線CLが、台座面33に対して垂直な直線Zaに一致し
た状態で台座面33に当接している。このような場合、
ロストモーションスプリング26は収縮状態がとられて
いるのでスプリングリテーナ29の頭部と台座面33と
の間の相互の面圧はロストモーションスプリング26の
撓みに基づく付勢力に応じたものとなる。また、スプリ
ングリテーナ29の頭部の接触部位において交叉する中
心軸線CLが、台座面33に対して垂直な直線Zaに一
致した状態なのでスプリングリテーナ29に曲げモーメ
ントが作用されることがない。従って、スプリングリテ
ーナ29の外周面において凹部27の内壁面に摺接する
部分がその内壁面に押圧されることがないのでその移動
を抑制する摩擦力が生じることが回避される。即ち、サ
ブロッカーアーム2を最大に押し下げるためには、ロス
トモーションスプリング26の撓みに基づく付勢力に応
じた荷重だけで足りることとなる。
【0039】台座面33が、直線HLに対し角度αをも
って交叉していない場合、図7の(B)に示されるよう
に、サブロッカーアーム2の先端がロッカーアーム1R
Aとロッカーアーム1RBとの間の部分に最も近接され
る最下方位置をとるとき、ロストモーションスプリング
26の最大撓みに基づく付勢力にスプリングリテーナ2
9と凹部27との間に生じる摩擦力Δfを加えた荷重が
必要とされることとなる。
【0040】図7の(A)および(B)は、縦軸にスプ
リングリテーナ29の頭部と台座面33相互間の面圧
P、および、サブロッカーアーム2を下方に向けて揺動
させるために必要とされる荷重Fをとり、横軸にロスト
モーションスプリング26の撓みλをとり、面圧Pおよ
び荷重Fの撓みλに応じた変化を示す。
【0041】図7の(B)においては、面圧Pは、特性
線Lpbに沿って変化し最大撓みλmにおいて最大値を
とる。また、荷重Fは、特性線Lfbに沿って変化し、
ロストモーションスプリング26単体の荷重における撓
みに比例した変化をあらわす特性線LSにおける最大値
に最大撓みλmにおいてスプリングリテーナ29と凹部
27との間に生じる摩擦力fを加えた値をとる。
【0042】一方、台座面33が、直線HLに対し角度
αをもって交叉している場合、図7の(A)に示される
ように、サブロッカーアーム2の先端がロッカーアーム
1RAとロッカーアーム1RBとの間の部分に最も近接
される最下方位置をとるとき、ロストモーションスプリ
ング26の最大撓みに基づく付勢力に応じた荷重が必要
とされることとなる。
【0043】図7の(A)においては、面圧Pは、特性
線Lpaに沿って変化し最大撓みλmにおいて最大値を
とる。また、荷重Fは、特性線Lfaに沿って変化し、
ロストモーションスプリング26単体の荷重における撓
みに比例した変化をあらわす特性線LSにおける最大値
に一致する値をとる。
【0044】従って、本発明に係るエンジンの弁作動装
置の一例においては、スプリングリテーナ29の頭部と
台座面33相互間の面圧を低減することができるので簡
単な設計変更によりスプリングリテーナ29の頭部と台
座面33相互間の耐摩耗性の改善が図られることとな
る。
【0045】次に、エンジンの高速運転時においては、
作動油圧が油路42および通孔41を介して油圧室34
に導かれるとき、作動プランジャ31によりレバー部材
7がリターンスプリング9に抗って揺動され、図4に二
点鎖線で示されるように、レバー部材7の端部が、サブ
ロッカーアーム2の段部2Bに係合することとなる。こ
れにより、ロッカーアーム1RAおよび1RBと、サブ
ロッカーアーム2とが連結され一体となって、高速用カ
ム22の回動に応じてメインロッカーシャフト3を中心
として揺動されることになる。
【0046】高速用カム22は低速用カム21に比較し
て、弁開度および弁リフト量が共に大となるように形成
されているから、サブロッカーアーム2がロッカアーム
1と一体化された揺動時はロッカーアーム1RAおよび
1RBのローラ11が低速用カム21から離隔し、各吸
気弁4は高速用カム22のプロフィールに従って開閉駆
動され、その弁開度および弁リフト量が共に大きくな
る。
【0047】一方、エンジンの運転状態が高回転域から
再び低回転域に移ると、切換弁の作動により油圧室34
に導かれる油圧が低下し、リターンスプリング9の弾性
復元力によりレバー部材7および作動プランジャ31が
元の位置に移動されて、ロッカーアーム1RAおよび1
RBとサブロッカーアーム2とが非連結状態とされる。
【0048】これにより、低速用カム21のプロフィー
ルに基づくトルク特性と高速用カム22のプロフィール
に基づくトルク特性とが合成され、低回転域から高回転
域に亘ってトルクが高められることとなる。
【0049】なお、上述の例においては、低速用カム2
1がそれぞれロッカーアーム1RAおよび1RBのロー
ラ11Aおよび11Bに摺接する構造とされているが、
かかる例に限られることなく、ロッカーアーム1RAお
よび1RBにそれぞれ、カムスリッパが設けられるもと
で、低速用カム21がそれぞれカムスリッパに摺接する
構造とされたものであってもよいことは勿論である。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るエンジンの弁作動装置によれば、ロストモーショ
ン機構がサブロッカーアームのダンパ収容部とロッカー
アームの台座面との間に移動可能に配されるダンパ部材
を有し、駆動手段により連結部材の係合部がサブロッカ
ーアームの被係合部に対して非係合状態とされ、サブロ
ッカーアームが所定の最大角度揺動されるとき、ダンパ
部材の台座面に対する相対位置がダンパ部材の移動方向
に沿った仮想直線の方向が台座面に対して略直交する方
向となるように設定されるもとで、サブロッカーアーム
の第2のカム部の回動に応じた揺動状態を維持するので
ロストモーション機構におけるダンパ部材の先端と台座
面との間に生じる圧力を適正な値とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンの弁作動装置の一例を側
方から見た断面図である。
【図2】図1に示される例における平面図である。
【図3】図1に示される例における正面図である。
【図4】図1に示される例における断面図である。
【図5】図1に示される例における断面図である。
【図6】(A)および(B)は、図1に示される例にお
ける動作説明に供される図である。
【図7】(A)および(B)は、図1に示される例にお
ける動作説明に供される図である。
【符号の説明】
1RA、1RB ロッカーアーム 2 サブロッカーアーム 3 メインロッカーシャフト 4 吸気弁 7 レバー部材 20 カムシャフト 21 低速用カム 22 高速用カム 25 ロストモーション機構 26 ロストモーションスプリング 27 凹部 29 スプリングリテーナ 31 作動プランジャ 33 台座面 34 油圧室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基端部がエンジンにおけるロッカーシャ
    フトに回動可能に支持されカムシャフトの第1のカム部
    の回動に応じて吸気弁もしくは排気弁を開閉するロッカ
    ーアームと、 基端部が前記ロッカーアームの基端部に隣接して前記ロ
    ッカーアームに回動可能に支持され前記第1のカム部の
    最大偏心量と異なる最大偏心量を有する前記カムシャフ
    トの第2のカム部の回動に応じて揺動するサブロッカー
    アームと、 前記サブロッカーアームの被係合部に選択的に係合状態
    とされるとき、前記ロッカーアームを伴って該サブロッ
    カーアームを揺動させるべく、該サブロッカーアームの
    該ロッカーアームに対する相対運動を抑制する係合部を
    有する連結部材と、 前記連結部材の係合部を選択的に前記サブロッカーアー
    ムの被係合部に係合状態もしくは非係合状態とする駆動
    手段と、 前記サブロッカーアームのダンパ収容部と前記ロッカー
    アームの台座面との間に移動可能に配されるダンパ部材
    を有し、前記駆動手段により前記連結部材の係合部が前
    記サブロッカーアームの被係合部に対して非係合状態と
    され、該サブロッカーアームが所定の最大角度揺動され
    るとき、該ダンパ部材の該台座面に対する相対位置が該
    ダンパ部材の移動方向に沿った仮想直線の方向が該台座
    面に対して略直交する方向となるように設定されるもと
    で、前記サブロッカーアームの前記第2のカム部の回動
    に応じた揺動状態を維持するロストモーション機構と、
    を具備して構成されるエンジンの弁作動装置。
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