JPH11223826A - 液晶表示装置用電極板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐震性、耐衝撃性を有し、液晶分子の配向欠陥
のない表示品質の優れた、強誘電性液晶又は反強誘電性
液晶を用いた液晶表示装置に好適な、そして安価な液晶
表示装置用電極板を提供する。 【解決手段】透明基板上１に、ストライプ状遮光部層
２、その上に、両端部が重なる状態で形成されたストラ
イプ状カラーフィルタ層４、その上に形成された電極層
６、その上に形成され、一軸配向処理が施された配向膜
層７、及びストライプ状遮光部層２上に形成されたスト
ライプ状隔壁部層９、を具備し、ストライプ状隔壁部層
９が着色材料を積層することにより形成され、ストライ
プ方向と一軸配向の軸方向８とが、略平行であること。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に用
いられる電極板に関するものであり、特に、強誘電性液
晶又は反強誘電性液晶を用いる場合に好適な、安価な液
晶表示装置用電極板に関する。

【０００２】

【従来の技術】強誘電性液晶及び反強誘電性液晶は、い
わゆる記憶効果を備えているので、ＴＦＴのような能動
素子を用いずに、単純マトリックス駆動で大容量の表示
が可能になることが期待されている。しかし、強誘電性
液晶又は反強誘電性液晶を用いる液晶表示装置の実用化
には、２つの問題を同時に克服することが必要である。
１つは、大面積の無欠陥なカイラルスメクチック相から
成る層を形成できる液晶表示装置であること、特に配向
制御技術を確立し、液晶表示装置内の液晶分子の配向欠
陥を完全に除去しなければならないということである。
また、他の１つは、表示装置として大面積の無欠陥なカ
ラー表示を実現し、かつ耐震性、耐衝撃性に優れた液晶
表示装置でなければならないということである。

【０００３】このような液晶表示装置内の液晶分子の配
向欠陥が存在すると、その配向欠陥の両側で直線偏光に
対する屈折率が異なったときに、わずかな濃淡差が生じ
ること、液晶表示装置の駆動時に欠陥自身が絶えず輝く
こと、さらに新たな欠陥の発生の温床になること等とい
った問題があるので、実用に供することは難しいもので
ある。

【０００４】上記のような問題を同時に克服する関連技
術として、例えば、特開平８−１６０４３５において
は、「耐震性、耐衝撃性に優れた液晶パネル構造を提供
する。また、パネル構造体内の液晶分子の配向欠陥及び
樹木状の配向欠陥を完全に除去し、カラー表示を実現す
る」目的の、「少なくとも一方が透明な一対の基板と、
カラーフィルターおよび遮光層、それらの基板の上に形
成されていて互いに対向する一対の電極と、両基板の間
に設けられていて所定間隔で互いに平行に並べられた複
数の隔壁部材とを有している。隔壁部材は、互いに隔離
されて平行に並ぶ複数の直線状空間を両基板の間に形成
し、それらの直線状空間内に液晶が封入される」構成の
液晶パネル枠、液晶パネル体及び液晶ディスプレイが提
示されている。

【０００５】図２は、従来法における液晶表示装置用電
極板の一例の部分斜視断面図であるが、上記のような問
題を同時に克服する、すなわち、耐震性、耐衝撃性に優
れた、液晶分子の配向欠陥を発生させない、構成をなし
ているものである。すなわち、図２において、液晶表示
装置用電極板は、透明基板（１１）上にストライプ状遮
光部層（１２）が形成され、このストライプ状遮光部層
（１２）上にストライプ状隔壁部層（１９）が形成さ
れ、また、ストライプ状遮光部層（１２）の幅方向両端
部上に、幅方向両端部が重なる状態でストライプ状カラ
ーフィルタ層（１４）、ストライプ状電極層（１６）、
及びストライプ状配向膜層（１７）が順次設けられてい
るものである。１８は配向の方向を示している。

【０００６】図２におけるストライプ状隔壁部層（１
９）は、例えば、フォトリソグラフィ法により形成され
るものであり、このストライプ状隔壁部層の形成工程
は、このような液晶表示装置用電極板を製造する際の一
工程となっている。このストライプ状隔壁部層の形成工
程が、他の手段により省くことができると、生産性の面
から大きな利点となるものである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題を同時に克服する、すなわち、耐震性、耐衝撃性
を有し、液晶分子の配向欠陥のない表示品質の優れた、
強誘電性液晶又は反強誘電性液晶を用いた液晶表示装置
に好適な、そして安価な液晶表示装置用電極板を提供す
るものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、透明基板上の
片面に少なくとも、（ａ）所定ピッチで形成されたスト
ライプ状遮光部層、（ｂ）該ストライプ状遮光部層の幅
方向両端部上に、幅方向両端部が重なる状態でストライ
プ状遮光部層間に形成されたストライプ状カラーフィル
タ層、（ｃ）該ストライプ状カラーフィルタ層上に形成
されたストライプ状電極層、（ｄ）該ストライプ状電極
層上に形成され、一軸配向処理が施されたストライプ状
配向膜層、（ｅ）前記ストライプ状遮光部層上の幅方向
中央部に形成されたストライプ状隔壁部層、を具備し、
該ストライプ状隔壁部層が少なくとも三色の着色材料を
積層することにより形成され、ストライプ状隔壁部層の
ストライプ方向と該配向膜層上に施された一軸配向の軸
方向とが、略平行であることを特徴とする液晶表示装置
用電極板である。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下に本発明による液晶表示装置
用電極板を、その実施形態に基づいて詳細に説明する。
図１は、本発明による液晶表示装置用電極板の一実施例
を示す部分斜視断面図である。図１に示すように、液晶
表示装置用電極板は、透明基板（１）上の片面に、所定
ピッチ（Ｐ）で形成されたストライプ状遮光部層
（２）、このストライプ状遮光部層（２）の幅方向両端
部上に、幅方向両端部が重なる状態でストライプ状遮光
部層間に形成されたストライプ状カラーフィルタ層
（４）、次にこのストライプ状カラーフィルタ層上に形
成されたストライプ状電極層（６）、更にこのストライ
プ状電極層上に形成され、一軸配向処理が施されたスト
ライプ状配向膜層（７）が順次積層されている。

【００１０】そして、ストライプ状遮光部層（２）上の
幅方向中央部に設けられたストライプ状隔壁部層（９）
は少なくとも三色の着色材料を積層することにより形成
されている。図１において、Ｒは赤色ストライプ状カラ
ーフィルタ層、Ｇは緑色ストライプ状カラーフィルタ
層、Ｂは青色ストライプ状カラーフィルタ層を各々示し
ている。また、三色の着色材料の積層部をＲ’、Ｇ’、
Ｂ’で示し、Ｒ’は赤色積層部、Ｇ’は緑色積層部、
Ｂ’は青色積層部を各々示している。また、図１に示す
ように、ストライプ状隔壁部層（９）のストライプ方向
と配向膜層上に施された一軸配向の軸方向（８）とが、
略平行となっているものである。また、図１において、
Ｗ₁ はストライプ状隔壁部層（９）の幅を、Ｗ₂ はスト
ライプ状遮光部層（２）の幅方向のストライプ状カラー
フィルタ層（４）が重なっていない部分の幅を、Ｗ₃ は
ストライプ状遮光部層（２）の幅を示しているものであ
る。

【００１１】上記のように、本発明による液晶表示装置
用電極板には、ストライプ状隔壁部層（９）が設けられ
ているので、液晶表示装置を構成した際にはこのストラ
イプ状隔壁部層（９）により対向電極板（図示せず）の
間に生じた間隙がセルギャップとなるものである。ま
た、このストライプ状隔壁部層（９）と対向電極板とを
接着することにより、液晶表示装置は耐震性、耐衝撃性
に優れた液晶表示装置となるものである。

【００１２】また、上記のように、本発明による液晶表
示装置用電極板にては、ストライプ状隔壁部層（９）は
少なくとも三色の着色材料の積層部（Ｒ’、Ｇ’、
Ｂ’）で構成されており、この三色の着色材料の積層部
（Ｒ’、Ｇ’、Ｂ’）は、ストライプ状カラーフィルタ
層（４）の形成と同時に形成されるので、前記のよう
な、ストライプ状隔壁部層を形成するためだけの工程は
不要となり、工程が簡略化され生産性の面から大きな利
点となるものである。

【００１３】本発明に用いる透明基板（１）としては、
通常カラーフィルタ基板として用いられている透明なガ
ラスであれば特に限定されるものではないが、ガラスの
組成としては液晶表示装置の表示特性を悪化させる原因
となるアルカリ金属イオンの少ない低アルカリ、無アル
カリガラス、或いはソーダガラスにＳｉＯ₂ を塗布しア
ルカリ金属イオンの溶出防止をしたガラスが好適であ
る。

【００１４】透明基板（１）として、ソーダガラス、約
３７０×４７０ｍｍ大、約１．１ｍｍ厚を用いた。この
ソーダガラスにＳｉＯ₂ を浸漬法により厚さ約８００Å
塗布した。

【００１５】次に、スパッタリングにより、金属クロム
を約０．２μｍ厚に全面成膜し、更に、その上面に感光
性樹脂をコートし部分露光、現像および露出した金属ク
ロムを溶解する公知のフォトエッチング法により、線幅
約４０μｍ、ピッチ約３００μｍ、光学濃度（ｌｏｇ₁₀
Ｉ₀ ／Ｉ_I ，但しＩ₀ は入射光量、Ｉ_I は透過光量）
３．０以上のストライプ状遮光部層（２）を形成した。

【００１６】次に形成されるストライプ状カラーフィル
タ層（４）の材料としては、表示装置などに使用されて
いる顔料分散方式の着色感光性樹脂組成物である富士フ
イルムオーリン（株）製、製品名カラーモザイク、品番
ＣＲ−２０００（赤）、ＣＧ−２０００（緑）、ＣＢ−
２０００（青）を用いストライプ状カラーフィルタ層
（４）を形成した。そして、ストライプ状隔壁部層
（９）を構成する積層部（Ｒ’、Ｇ’、Ｂ’）は、スト
ライプ状カラーフィルタ層（４）の形成と同時に形成さ
れている。

【００１７】図１において、Ｒ、Ｇ、Ｂは各々赤色、緑
色、青色ストライプ状カラーフィルタ層を示している。
また、Ｒ’、Ｇ’、Ｂ’は、各々のストライプ状カラー
フィルタ層と同時に形成された各々の積層部を示してい
る。積層の順序は、ストライプ状カラーフィルタ層の形
成順序の赤色、緑色、青色の順である。このストライプ
状カラーフィルタ層の各色の厚さは、約１．０μｍ程度
のものであり、また、各々の積層部（Ｒ’、Ｇ’、
Ｂ’）の厚さも、約１．０μｍ程度のものである。

【００１８】ストライプ状カラーフィルタ層（４）の幅
は、約２８０μｍ、ストライプ状遮光部層（２）への重
なり部分は片側約１０μｍのものを得た。ストライプ状
遮光部層（２）の幅方向のストライプ状カラーフィルタ
層（４）が重なっていない部分の幅（Ｗ₂ ）は約２０μ
ｍのものとなった。また、各々の積層部（Ｒ’、Ｇ’、
Ｂ’）、すなわち、ストライプ状隔壁部層（９）の幅
（Ｗ₁ ）は約１０μｍのものを形成した。

【００１９】続いて、約１５００ÅのＩＴＯ膜をスパッ
タリングによって成膜し、定法のフォトリソグラフフィ
法により線幅約２８０μｍ、ピッチ約３００μｍのスト
ライプ状電極層（６）を、ストライプ状カラーフィルタ
ー層（４）に対応するように形成した。

【００２０】次いで、このストライプ状電極層（６）が
形成された透明基板の上に、日立化成工業（株）製、ポ
リイミド樹脂、ＨＬ１１１０、２％溶液を１０００ｒｐ
ｍで２０秒間スピンコートした後、１８０℃のオーブン
で約１時間乾燥して層厚約１５００Åの配向膜を形成
し、定法のフォトリソグラフフィ法により線幅約２８０
μｍ、ピッチ約３００μｍのストライプ状配向膜層
（７）を、ストライプ状電極層（６）に対応するように
形成した。

【００２１】このようにして得られた液晶表示装置用電
極板におけるストライプ状隔壁部層の、前記セルギャッ
プとなる高さは、約２．０μｍ程度のものである。

【００２２】ここで、ストライプ状隔壁部層の幅
（Ｗ₁ ）は約１０μｍであり、約４０μｍのストライプ
状遮光部層の幅（Ｗ₃ ）より小さいものとなっている
が、このようにＷ₁ ＜Ｗ₃ の関係にあるとストライプ状
隔壁部層（９）は、ストライプ状遮光部層（２）により
全部隠蔽されるため、液晶表示装置の表示品質は優れた
ものになるので、Ｗ₁ とＷ₃ はＷ₁ ＜Ｗ₃ の関係にある
ことが好適なものである。

【００２３】配向膜層（７）上に行われる一軸配向処理
というのは、液晶分子を一定の方向に揃えるために行な
う処理のことであって、例えば、ラビング処理が考えら
れ、ラビング処理はストライプ状隔壁部層（９）に対し
略平行に行った。

【００２４】以上のようにして得られた液晶表示装置用
電極板は、耐震性、耐衝撃性を有し、液晶分子の配向欠
陥のない表示品質の優れたもので、強誘電性液晶又は反
強誘電性液晶を用いた液晶表示装置に好適な、そして安
価な液晶表示装置用電極板となる。

【００２５】

【発明の効果】本発明による液晶表示装置用電極板は、
透明基板上の片面に、所定ピッチで形成されたストライ
プ状遮光部層、このストライプ状遮光部層の幅方向両端
部上に、幅方向両端部が重なる状態でストライプ状遮光
部層間に形成されたストライプ状カラーフィルタ層、次
にこのストライプ状カラーフィルタ層上に形成されたス
トライプ状電極層、更にこのストライプ状電極層上に形
成され、一軸配向処理が施されたストライプ状配向膜層
が順次積層されている。そして、ストライプ状遮光部層
上の幅方向中央部に形成されたストライプ状隔壁部層は
少なくとも三色の着色材料を積層することにより形成さ
れており、ストライプ状カラーフィルタ層の形成と同時
に形成されるので、耐震性、耐衝撃性を有し、液晶分子
の配向欠陥のない表示品質の優れたものであり、強誘電
性液晶又は反強誘電性液晶を用いた液晶表示装置に好適
な、そして安価な液晶表示装置用電極板となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による液晶表示装置用電極板の一実施例
を示す部分斜視断面図である。

【図２】従来法における液晶表示装置用電極板の一例の
部分斜視断面図である。

【符号の説明】

１、１１…透明基板 ２、１２…ストライプ状遮光部層 ４…ストライプ状カラーフィルタ層 ６…ストライプ状電極層 ７…配向膜層 ８…一軸配向の軸方向 ９…ストライプ状隔壁部層 １４…従来法におけるストライプ状カラーフィルタ層 １６…従来法におけるストライプ状電極層 １７…従来法における配向膜層 １８…従来法における一軸配向の軸方向 １９…従来法におけるストライプ状隔壁部層 Ｒ…赤色ストライプ状カラーフィルタ層 Ｇ…緑色ストライプ状カラーフィルタ層 Ｂ…青色ストライプ状カラーフィルタ層 Ｒ’…赤色積層部 Ｇ’…緑色積層部 Ｂ’…青色積層部 Ｗ₁ …ストライプ状隔壁部層の幅 Ｗ₂ …ストライプ状遮光部層の幅方向のストライプ状カ
ラーフィルタ層が重なるっていない部分の幅 Ｗ₃ …ストライプ状遮光部層の幅 Ｐ…ピッチ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 陽一郎 東京都台東区台東１丁目５番１号 凸版印 刷株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】透明基板上の片面に少なくとも、 （ａ）所定ピッチで形成されたストライプ状遮光部層、 （ｂ）該ストライプ状遮光部層の幅方向両端部上に、幅
   方向両端部が重なる状態でストライプ状遮光部層間に形
   成されたストライプ状カラーフィルタ層、 （ｃ）該ストライプ状カラーフィルタ層上に形成された
   ストライプ状電極層、 （ｄ）該ストライプ状電極層上に形成され、一軸配向処
   理が施されたストライプ状配向膜層、 （ｅ）前記ストライプ状遮光部層上の幅方向中央部に形
   成されたストライプ状隔壁部層、を具備し、該ストライ
   プ状隔壁部層が少なくとも三色の着色材料を積層するこ
   とにより形成され、ストライプ状隔壁部層のストライプ
   方向と該配向膜層上に施された一軸配向の軸方向とが、
   略平行であることを特徴とする液晶表示装置用電極板。