JPH11223565A - 荷重センサ - Google Patents

荷重センサ

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JPH11223565A
JPH11223565A JP33826298A JP33826298A JPH11223565A JP H11223565 A JPH11223565 A JP H11223565A JP 33826298 A JP33826298 A JP 33826298A JP 33826298 A JP33826298 A JP 33826298A JP H11223565 A JPH11223565 A JP H11223565A
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JP
Japan
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temperature
main body
circuit
voltage
resistor
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Application number
JP33826298A
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English (en)
Inventor
Ritaro Sano
理太郎 佐野
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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  • Indication And Recording Devices For Special Purposes And Tariff Metering Devices (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Measuring Fluid Pressure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化による検出信号の温度ドリフトが少
なく精度の高い歪み検出が行え、且つ構造が単純であ
り、しかも小型で安価な荷重センサを提供すること。 【解決手段】 荷重によって歪む円柱状の本体部30
と、前記本体部30の外周表面に溶射され、前記本体部
30の歪みに応じて磁気特性が変化する帯状の磁歪材3
2と、前記磁歪材32の外周に配され、前記磁歪材32
の磁気特性の変化を電気的なインピーダンスの変化に変
換するコイル34と、前記コイル34に接続され、温度
変化に基づく前記インピーダンスの変化を補償する温度
補償回路38と、前記本体部30の歪みに基づく前記イ
ンピーダンスの変化を検出し、前記本体部30の歪みを
測定する信号処理回路40とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷重センサに係
り、特に外力が加わって歪みを生ずることにより磁気特
性が変化する磁性材を利用した荷重センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、非晶質性磁歪材の透磁率の変化を
検出することによって歪みを検出する荷重センサが種々
開発されている。例えば、特開平5−118932号公
報や特開平6−167698号公報には温度依存性を有
する非晶質性磁歪材を用いた場合であっても温度変化に
殆ど依存せず(温度ドリフトがなく)に歪みを測定する
ことができる荷重センサが開示されている。
【0003】図8は、従来の荷重センサの構成を示す断
面図である。図8において10は直径が10mmである
円柱状のチタン製の本体、11は直径18mmであり本
体10の外周部に一体的に形成された荷重による変形部
分である。12は荷重による歪みが生じないようにした
非変形部分であり、本体10と幅1mmの溝13を介し
て設けることによって形成してある。14は変形部分1
1及び非変形部分12を覆うように熱硬化性のイミド系
接着剤で250℃、1時間で接着した厚さ0.03mm
のFe−Si−B−Cr系非晶質磁性合金である。
【0004】15は100回コイルを巻いて形成した荷
重検出コイル、16は荷重検出コイル15と同構成の差
動用コイルであり、これらのコイル15、16は変形部
分11及び非変形部分12の外周上に接着した非晶質磁
性合金14の外側にフェノール樹脂性ボビン17を介し
て配される。18は48%Ni−Fe合金製のヨークで
あり、ボビン17の外周に装着される。19は検出回路
である。
【0005】上記構成において、まず、本体10に上方
又は下方から荷重を印加すると、荷重の大きさに比例し
て変形部分11が変動し、その表面に接着された非晶質
磁性合金14の透磁率が変化する。この透磁率変化を荷
重検出コイル15でインダクタンスの変化として検出す
る。この出力と、非変形部分12の外周に設けた差動用
のコイル16との差動出力を検出回路19で取ることに
より温度変化による温度ドリフトが解消されて、ほぼ荷
重の変化のみが得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の荷重
センサは本体10に非晶質磁性合金14を接着固定して
いるが、本体10の熱膨張係数と非晶質磁性合金14の
熱膨張係数との間には差異があるため非晶質磁性合金1
4が歪み、非晶質磁性合金14の透磁率が変化する。荷
重がかかっている場合、温度変化による歪みに起因する
透磁率の変化と荷重による歪みに起因する透磁率の変化
とが合成され、結果としてこの合成された透磁率の変化
がインダクタンスの変化として表れる。
【0007】このため、荷重による歪みに起因する透磁
率によるインダクタンスの変化を検出するために、荷重
を受けない差動用コイル16を設けて温度変化による透
磁率の変化に基づくインダクタンスの変化を検出し、荷
重検出コイル15で検出されるインダクタンスの変化か
ら温度変化による透磁率の変化に基づくインダクタンス
の変化を差し引いて荷重による透磁率の変化分に基づく
正味のイングクタンスの変化分を検出するようにしてい
る。従って、従来は差動用コイル16を設けることが必
須となり、本質的に構造が複雑になり、しかも小型化が
できないという問題があった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、温度変化による検出信号の温度ドリフトが少な
く精度の高い歪み検出が行え、且つ構造が単純であり、
しかも小型で安価な荷重センサを提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、荷
重によって歪む円柱状の本体部と、前記本体部の外周表
面に配され、前記本体部の歪みに応じて磁気特性が変化
する磁性材と、前記磁性材の外周に配され、前記磁性材
の磁気特性の変化を電気的なインピーダンスの変化に変
換する変換素子と、前記変換素子に接続され、温度変化
に基づく前記インピーダンスの変化を補償する温度補償
回路と、前記本体部の歪みに基づく前記インピーダンス
の変化を検出し、前記本体部の歪みを測定する測定手段
とを具備することを特徴とする。本発明の請求項2は、
前記磁性材が前記本体部の外周表面に溶射されているこ
とを特徴とする。本発明の請求項3は、断面がコの字状
であり、前記変換素子を覆うように前記磁性材の外周に
設けられ、前記磁性材を通る磁束を閉ループとする磁気
シールドを具備することを特徴とする。本発明の請求項
4は、前記磁性材が前記本体部の両端部から離間されて
前記本体部に溶射されていることを特徴とする。本発明
の請求項5は、前記変換素子が、前記磁性材の外周に捲
回されたコイルであることを特徴とする。本発明の請求
項6は、前記本体部が、円筒状または角柱状または角筒
状であることを特徴とする。本発明の請求項7は、前記
変換素子に交流供給源によって流される電流を検出する
第1の検出手段と、前記温度補償回路に交流供給源によ
って流される電流を検出する第2の検出手段と、前記第
1の検出手段の検出結果と前記第2の検出手段の検出結
果との差に基づいて、前記本体部の歪みを測定する差動
手段とを具備することを特徴とする。本発明の請求項8
は、前記第1の検出手段が、前記変換素子に直列に接続
された抵抗によって変換された交流電圧を直流電圧に整
流する整流回路を有することを特徴とする。本発明の請
求項9は、前記第2の検出手段が、前記温度補償回路に
直列に接続された抵抗によって変換された交流電圧を直
流電圧に整流する整流回路を有することを特徴とする。
本発明の請求項10は、直列に接続された前記変換素子
および前記温度補償回路に交流供給源によって流される
電流を検出する第1の検出手段と、零点調整用抵抗に交
流供給源によって流される電流を検出する第2の検出手
段と、前記第1の検出手段の検出結果と前記第2の検出
手段の検出結果との差に基づいて、前記本体部の歪みを
測定する差動手段とを具備することを特徴とする。本発
明の請求項11は、前記請求項10記載の第1の検出手
段が、前記変換素子および前記温度補償回路に直列に接
続された抵抗によって変換された交流電圧を直流電圧に
整流する整流回路を有することを特徴とする。本発明の
請求項12は、前記請求項10記載の第2の検出手段
が、前記零点調整用抵抗に直列に接続された抵抗によっ
て変換された交流電圧を直流電圧に整流する整流回路を
有することを特徴とする。本発明の請求項13は、前記
変換素子、前記温度補償回路および抵抗を2組備え、前
記第1の変換素子、温度補償回路および抵抗に交流供給
源によって流される電流を検出する第1の検出手段と、
前記第2の変換素子、温度補償回路および抵抗に交流供
給源によって流される電流を検出する第2の検出手段
と、前記第1の検出手段の検出結果と前記第2の検出手
段の検出結果との差に基づいて、前記本体部の歪みを測
定する差動手段とを具備することを特徴とする。本発明
の請求項14は、前記請求項13記載の第1の検出手段
が、前記第1の抵抗にかかる交流電圧を直流電圧に整流
する整流回路を有することを特徴とする。本発明の請求
項15は、前記請求項13記載の第2の検出手段が、前
記第2の変換素子および温度補償回路にかかる交流電圧
を直流電圧に整流する整流回路を有することを特徴とす
る。本発明の請求項16は、前記請求項1、7、10ま
たは13記載の温度補償回路が、温度変化によって抵抗
値が変化する素子と、該素子に並列接続され、該素子の
温度変化に対する特性を線形に補償する抵抗と、該素子
及び該抵抗に直列に接続され、温度補償回路全体の抵抗
値を調整する抵抗とからなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施例について説明する。図1は本発明の一実施形態に
よる荷重センサの構成を示す断面図である。図1におい
て、30は直径が、例えば20mmである、円柱状の金
型用鋼HPM75からなる本体部である。この本体部3
0は、図中符号P1,P2が付された矢印の方向から加
わる荷重によって歪みを生じる。なお、本体部30の材
料は、SNCM材、SKD材、S45C等の鉄鋼材料で
も良い。
【0011】32は、本体部30の外周上に形成された
円筒状の磁歪材であり、例えばFe:Ni:Mo:Bの
合金からなり、中心軸方向の長さが本体部30の軸方向
の長さよりも短く形成されている。この磁歪材32は本
体部30の上端30a及び下端30bから離間され、本
体部30の外周に溶射されて一体形成されている。磁歪
材32は本体部30の歪みを検出するためのものであ
り、本体部30の歪みに応じてその磁気特性(インダク
タンスと損失抵抗)が変化する。
【0012】磁歪材32を上端30a、下端30bから
離間して設けるのは、荷重センサ設置の際に本体部30
に磁性体を取り付ける場合又は磁性体が近傍に設けられ
る場合があり、この取り付けられた磁性体又は近傍に設
けられた磁性体により漏れ磁束が発生することにより歪
み測定に誤差が生じるのを防止するためである。また、
接着剤を用いずに磁歪材32を本体部30に溶射するの
は、本体部30の歪みを磁歪材32で測定する際に、熱
膨張係数が一桁大きい接着剤の影響を受けないように
し、温度変化のみに起因する磁歪材32の磁気特性の変
化に基づく測定誤差をなるべく減少させるためである。
【0013】39は、熱膨張係数が2×10-5程度のシ
ンジオタクチックポリスチレン(SPS)のボビンであ
り、その内周は本体部30にも磁歪材32にも接触して
いない。34はボビン39に例えば100回マグネット
ワイヤを巻いて形成したコイルであり、本体部30の歪
みによる磁歪材32の磁気特性の変化を自己のインピー
ダンス(インダクタンスと損失抵抗)の変化に変換する
ためのものである。つまり、磁気的な変化量を電気的な
変化量に変換するためのものである。このコイル34に
は後述するように交流の電流が流される。
【0014】36は断面がコ字状であり、コイル34の
周囲を覆うように本体部30に設けられた磁気シールド
である。この磁気シールド36は例えば軟鉄からなり、
コイル34に電流を流した際に生じる磁束が、磁歪材3
2及び磁気シールド36を通って閉ループとなるように
するためのものである。また、外部からコイル34や磁
歪材32に混入する磁気ノイズを遮断するためのもので
ある。
【0015】38は磁気シールド36の内部であって、
コイル34の近傍に配された温度補償回路である。前述
したように、本体部30の熱膨張係数と磁歪材32の熱
膨張係数とは異なっており、磁歪材32を本体部30に
溶着することによって温度変化による磁歪材32の磁気
特性の変化を抑えるようにしているが、温度変化による
磁気特性の変化が完全にゼロとなるわけではなく依然と
して温度ドリフトが生ずる。温度補償回路38はこの温
度ドリフトを極めて少なくするためのものである。温度
補償回路38はコイル34に直列に接続されている。
【0016】40は信号処理回路であり、図示は省略し
ているが内部に交流電圧源を備え、ケーブル40aによ
って温度補償回路38と接続され、ケーブル40bによ
ってコイル34と接続されている。この信号処理回路4
0は、温度補償回路38及びコイル34に交流電圧を供
給するとともに、回路を流れる電流の変化を電圧に変換
し、変換後の電圧値の変化に基づいて本体部30の歪み
を検出する。なお、図1においては、ボビン39にコイ
ル34を巻いた形態で説明したが、これに限らず、ボビ
ン39を設けることなく、磁歪材32のまわりに絶縁テ
ープを介してコイル34を巻いた構成でも良いことはい
うまでもない。
【0017】次に、本発明の一実施形態による荷重セン
サの電気的構成について説明する。図2は本発明の一実
施形態による荷重センサの電気的構成を示す回路図であ
り、図1中に示された部材に対応する部材には同一の符
号が付されている。図2において、50は図1中の磁歪
材32、コイル34、及び温度補償回路38の電気的に
等価な回路を示す。つまり、磁歪材32及びコイル34
は図2中において可変なインピーダンス52として表さ
れ、温度補償回路38はNTCサーミスタ(Negative T
emperature Coefficient サーミスタ)58と、温度変
化による抵抗値変化が小さく、NTCサーミスタ58に
並列接続された抵抗56と、NTCサーミスタ58及び
抵抗56による並列抵抗に直列接続された絶対値調整用
の抵抗54とからなる。
【0018】上記NTCサーミスタ58は、温度上昇に
従ってその抵抗値が減少する負特性を有するサーミスタ
であり、その変化特性は温度上昇に正比例して抵抗値が
減少する訳ではなく、温度上昇に従って非線型的に抵抗
値が減少する特性を有する。このNTCサーミスタ58
はインピーダンス52の温度変化による変化を補償する
ためのものであり、インピーダンス52は温度上昇に伴
ってその値が上昇する特性を有するため、インピーダン
ス52の温度変化分を補償するため負特性を有するNT
Cサーミスタ58が用いられる。
【0019】NTCサーミスタ58に並列接続された抵
抗56は、NTCサーミスタ58の非線型特性が線形特
性となるように補償するためのものである。つまり、N
TCサーミスタ58と抵抗56とによる並列回路を1つ
のサーミスタとして見た場合に、このサーミスタの特性
は線形の特性を有する。温度変化によりインピーダンス
の直流抵抗分のみが変化する場合、例えば、図1中のコ
イル34の抵抗成分の温度係数が0.4%/℃である場
合には、NTCサーミスタ58と抵抗56との並列回路
は温度係数を−0.4%/℃と設定するのが最良であ
る。絶対値調整用の抵抗54は温度補償回路38全体の
抵抗値を調整するためのものである。
【0020】図2において、信号処理回路40は、交流
電圧源42、抵抗44、整流回路46、及び零点オフセ
ット調整回路48を含む。上記交流電圧源42は正弦波
の交流電圧を出力するものであり、一端がケーブル40
bを介してインピーダンス52に接続され、他端が抵抗
44及びケーブル40aを介して温度補償回路38に接
続されている。以上、交流電圧源42、ケーブル40
b、回路50、及び抵抗44によって1つの閉回路が形
成される。
【0021】上記抵抗44は閉回路を流れる電流を電圧
に変換するものであり、その両端は整流回路46に接続
されている。整流回路46は抵抗44によって変換され
た交流の電圧を整流及び平滑して直流電圧に変換するた
めのものである。この整流回路46には零点オフセット
調整回路48が接続されている。零点オフセット調整回
路48は整流回路46から出力される直流電圧にオフセ
ット電圧を加えたりオフセット電圧を差し引いて端子4
8aへ出力する。図示は省略しているが、端子48aに
は端子48aの電圧値に基づいて本体部30の歪みを演
算する信号処理部が接続される。この信号処理部は例え
ば端子48aから出力される電圧値が0[V]である場
合に、本体部52の歪みは零であるという演算を行うた
め、上記零点オフセット調整回路48が必要となる。
【0022】上記構成において、交流電圧源42から交
流電圧が出力されると、交流電流が閉回路に流れる。閉
回路を流れる電流は抵抗44で交流の電圧に変換され、
整流回路46において整流及び平滑が行われて直流電圧
に変換され、零点オフセット調整回路48においてオフ
セット電圧が加えられたりオフセット電圧が差し引かれ
て図1中の本体部30の歪みに応じた電圧値が端子48
aにあらわれる。
【0023】次に、図2中に示された抵抗54、抵抗5
6、及びNTCサーミスタ58の値の設定及び本発明の
一実施形態による荷重センサが周囲の温度に関わりなく
本体部30にかかる荷重による歪みのみを測定すること
ができる原理について説明する。整流回路46から出力
される直流電圧の値VBは(1)式で表される。
【数1】 但し、E0は交流電圧源42から出力される交流電圧の
振幅、Zはインピーダンス52の値、Rvは温度補償回
路38の抵抗値、Rsは抵抗44の値である。
【0024】ここで、インピーダンス52の値Zを
(2)式で表す。
【数2】 ここで、 Z1:常温(例えば25℃)で本体部1に荷重がかかっ
ていない場合のインピーダンス52の実数部 Z2:常温(例えば25℃)で本体部1に荷重がかかっ
ていない場合のインピーダンス52の虚数部 m1:荷重によるインピーダンス52の実数部の変化率 m2:荷重によるインピーダンス52の虚数部の変化率 α1:インピーダンス52の実数部の温度係数 α2:インピーダンス52の虚数部の温度係数 T:温度補償回路38周囲の温度 T0:常温(例えば25℃) F:本体部30にかかる荷重 i:虚数単位(つまり、i2=−1)
【0025】また、温度補償回路38の抵抗値Rvを温
度変化を考慮に入れて(3)式に表す。
【数3】 但し、Rv0は常温(例えば25℃)における温度補償回
路38の抵抗値であり、αvは温度補償回路38の温度
係数である。
【0026】(2)、(3)式を(1)式に代入すると
(4)式となる。
【数4】
【0027】ここで、
【数5】
【数6】 とおく。
【0028】
【数7】 であるので、X1,X2はそれぞれ(7)式及び(8)式
に示されたように近似できる。
【数8】
【数9】
【0029】よって、X1+X2、つまり(4)式の分母
の平方根の中身は(9)式となる。
【数10】 従って、
【数11】 となる。ここで、
【数12】 であるので、テーラ−展開を(10)式に用いて2次以
降を無視すると、
【数13】 となる。
【0030】次に、整流回路46から出力される直流電
圧の値VBが温度変化、つまり式中に表れる項(T−
0)に影響されない条件を求める。(11)式から解
るように、
【数14】 である場合、項(T−T0)が含まれる項が零となるの
で直流電圧の値VBが温度変化に影響を受けないことに
なる。即ち、温度補償回路38の温度係数αvが、
【数15】 である場合に、直流電圧の値VBが温度変化に影響を受
けなくなる。
【0031】上記の式中においては温度補償回路38の
抵抗値をRvとして一括していたが、図2中に示される
ように、温度補償回路38をなす抵抗54、抵抗56、
及びNTCサーミスタ58を考慮した場合であっても、
抵抗54及び抵抗56には温度変化による抵抗変化が小
さい抵抗を用い、抵抗54、抵抗56、及びNTCサー
ミスタ58を合成した温度変化特性が(13)式を満足
するように各々を選択すれば、温度変化に影響されず本
体部30に加わる荷重のみによる歪みを測定することが
できる。
【0032】また、上記(13)式を満足する場合、
(11)式は、
【数16】 となる。この場合、図2中の端子48aから出力される
電圧値vは、零点オフセット調整回路48によって、
(14)式中の項
【数17】 を減算することによって、
【数18】 となり、本体部30に加わる荷重に比例した電圧を得る
ことができる。
【0033】図9に温度補償回路がないときの荷重に対
する出力電圧の測定値を示す。また、図10に温度補償
回路があるときの荷重に対する出力電圧の測定値を示
す。各パラメータは次の通りである。 Z1=100[Ω] Z2=1000[Ω] m1=0.00004[Ω/N] m2=0.00004[Ω/N] α1=0.004[1/K] α2=0.004[1/K] Rs=500[Ω] E0=10[V] Rv0≒500[Ω] αv≒0.008073 (図2で、抵抗54は無し、抵抗56は910[Ω]、
NTCサーミスタ58は、25℃の抵抗値が1[kΩ]
で、−20から100℃での平均のB定数が3338K
のものを使用) 図9に示すように、温度補償回路がないと、温度によっ
て出力電圧に差が出てしまうが、図10に示すように、
温度補償回路があると、温度による出力電圧のバラツキ
が抑えられる。すなわち、図9においては、0〜250
00(N)での出力電圧差は3(V)、温度によるバラ
ツキは1(V)程度あり、0〜25000(N)での出
力電圧差に対する温度によるバラツキの比は、1/3と
なるのに対して、図10においては、0〜25000
(N)での出力電圧差は1.7(V)、温度によるバラ
ツキは0.02(V)程度であり、0〜25000
(N)での出力電圧差に対する温度によるバラツキの比
は、1/100となる。したがって、温度補償回路を付
加することにより、温度ドリフト率は0.13%FS/
10℃に改善された。
【0034】なお、上記実施形態においては本体部30
は円柱状の形態であったが、中央部の外径を小さくして
応力が集中しやすい形状にしてもよい。また、温度補償
回路38は磁気シールド36の内部であってコイル34
の近傍に配されていたが、本体部30や磁歪材32に設
けられていても良く、磁気シールド36の外部に設けら
れていても良い。さらに、磁歪材32は、本体部30の
外周に溶射されて一体形成されているが、本体部30の
外周に接着されていても良い。
【0035】次に、図1および図3、図4を参照して本
発明の他の実施形態について説明する。
【0036】図3において、20は図1中の磁歪材32
及びコイル34の電気的に等価な回路であり、一般的な
インピーダンスで表している。また、図3中の22は図
1中に示された温度補償回路の電気的に等価な回路であ
り、温度変化によって可変な可変抵抗で表している。温
度が上昇するとインピーダンス20が増加する。本実施
形態では、後述するように、インピーダンス20及び温
度補償回路22はブリッジ回路の一部をなしているた
め、温度上昇分によるインピーダンス20の増加分を補
償するために温度補償回路22は温度上昇に従って抵抗
分が増加する性質の素子を用いている。この素子には例
えばPTCサーミスタ(Positive Temperature Coeffic
ient サーミスタ)が用いられる。
【0037】上記PTCサーミスタは、温度上昇に従っ
てその抵抗値が増加する正特性を有するサーミスタであ
るが、その変化特性は温度上昇に正比例して抵抗値が増
加するする訳ではなく、温度上昇に従って非線形的に抵
抗値が増加する特性を有する。このPTCサーミスタは
インピーダンス20の温度変化による変化を補償するた
めのものであり、上記のようにインピーダンス20は温
度上昇に伴ってその値が上昇する特性を有し、ブリッジ
回路が構成されているため、インピーダンス20の温度
変化分を補償するために正特性を有するPTCサーミス
タが用いられている。
【0038】図4は温度補償回路22の回路構成を示す
図である。図4において、82はPTCサーミスタであ
り、PTCサーミスタ82に並列接続された抵抗80
は、PTCサーミスタ82の非線形特性が線形特性とな
るように補償するためのものである。つまり。PTCサ
ーミスタ82と抵抗80とによる並列回路を1つのサー
ミスタとして見た場合に、このサーミスタの特性は線形
の特性を有する。例えば、インピーダンス20の抵抗成
分の温度係数が0.4%/℃である場合には、PTCサ
ーミスタ82と抵抗80との並列回路も温度係数が0.
4%/℃となるように設定するのが最良である。84は
絶対値調整用の抵抗であり、温度補償回路22全体の抵
抗値を調整するためのものである。
【0039】図3において、信号処理回路60は、交流
電圧源62、抵抗64,66、整流回路68,70、及
び差動回路72を含む。上記温度補償回路22、インピ
ーダンス20、抵抗66、及び抵抗64はブリッジ回路
をなしている。
【0040】上記交流電圧源62は正弦波の交流電圧を
出力するものであり、一端がケーブル60cを介してブ
リッジ回路をなすインピーダンス20と温度補償回路2
2との接続点に接続され、他端が接地されている。ま
た、上記ブリッジ回路における抵抗64と抵抗66との
接続点は接地されている。抵抗64は温度補償回路22
を流れる電流を電圧に変換するためのものであり、抵抗
66はインピーダンス20を流れる電流を電圧に変換す
るためのものである。従って、抵抗64と抵抗66とは
同一の抵抗値を有するのが好ましい。そして、抵抗64
はケーブル60aを介して温度補償回路22に接続さ
れ、かつ抵抗66はケーブル60bを介してインピーダ
ンス20に接続されている。
【0041】また、ブリッジ回路をなすインピーダンス
20と抵抗66との接続点は整流回路68に接続され、
温度補償回路22と抵抗64との接続点は整流回路70
にそれぞれ接続されている。整流回路68,70は入力
される交流電圧を整流して平滑して直流の電圧に変換す
るものである。整流回路68及び整流回路70の出力は
それぞれ差動回路72に接続されている。差動回路72
は入力される電圧の差を増幅して端子72aに出力する
ものである。
【0042】また、図示は省略しているが、端子72a
には端子72aの電圧値に基づいて本体部30の歪みを
演算する信号処理部が接続される。この信号処理部は例
えば端子72aから出力される電圧値が0[V]である
場合に、本体部30の歪みは零であるという演算を行う
ものである。信号処理部は予め零点が設定されており、
この信号処理部の零点に合わせるために、差動回路72
に零点オフセット調整を行うための回路を設け、整流回
路70から出力される直流電圧にオフセット電圧を加え
たりオフセット電圧を差し引いて、オフセット電圧が畳
重された電圧値と整流回路68から出力される電圧値と
の差を増幅するようにしてもよい。
【0043】上記構成において、交流電圧源62から交
流電圧が出力されると、交流電流がブリッジ回路に流れ
る。ブリッジ回路を流れる電流の内、温度補償回路22
を流れる電流は抵抗64で交流の電圧に変換され、イン
ピーダンス20を流れる電流は抵抗66で交流の電圧に
変換される。抵抗64及び抵抗66で変換された電圧は
整流回路70,68へ各々入力される。整流回路70,
68では入力される電圧の整流及び平滑が行われて直流
電圧に変換され、差動増幅回路72へ出力される。差動
増幅回路72においては、入力された各々の直流電圧の
差が増幅されて端子72aへ出力される。
【0044】図1中の本体に荷重が加わった場合には、
インピーダンス20の値が加えられた荷重に応じて減少
する。インピーダンス20の値が減少すると、インピー
ダンス20を流れる電流が増加するために抵抗66によ
って変換される電圧値が上昇する。一方、温度補償回路
22に流れる電流は変化しないため、整流回路68,7
0を介して差動増幅回路72へ入力される電圧値の差
は、荷重が加えられない場合に比べ増加する。端子72
aにはこの増加分に応じた電圧値が出力される。端子7
2aに接続された信号処理部は端子72aの電圧値の増
加分に応じて本体部30の歪みを演算する。
【0045】また、温度が上昇して、インピーダンス2
0の値が増加した場合は、インピーダンス20に流れる
電流値が減少する。温度が上昇すると温度補償回路22
の抵抗値も増加する。インピーダンス20と温度補償回
路22の温度係数が同一に設定されている場合には、温
度上昇に伴って減少する電流値も同一となる、従って、
差動回路72に入力される電圧値の差が変化しないた
め、温度ドリフトが少なくなる。
【0046】次に、図4中に示された抵抗80、抵抗8
4、及びPTCサーミスタ82の値の設定及び本実施形
態による荷重センサが周囲の温度に関わりなく本体部3
0にかかる荷重による歪みのみを測定することができる
原理について説明する。整流回路68から出力される直
流電圧の値VAは(16)式で表される。
【数19】 但し、E0は交流電圧源62から出力される交流電圧の
振幅、Zはインピーダンス20の値、Rsは抵抗66の
値である。
【0047】ここで、インピーダンス20の値Zを(1
7)式で表す。
【数20】 ここで、 Z1:常温(例えば25℃)で本体部30に荷重がかか
っていない場合のインピーダンス20の実数部 Z2:常温(例えば25℃)で本体部30に荷重がかか
っていない場合のインピーダンス20の虚数部 m1:荷重によるインピーダンス20の実数部の変化率 m2:荷重によるインピーダンス20の虚数部の変化率 α1:インピーダンス20の実数部の温度係数 α2:インピーダンス20の虚数部の温度係数 T :温度補償回路22周囲の温度 T0:常温(例えば25℃) F :本体部30にかかる荷重 i :虚数単位(つまり、i2=−1)
【0048】(17)式を(16)式に代入すると(1
8)式となる。
【数21】 ここで、
【数22】
【数23】 とおく。
【0049】
【数24】 であるので、X1,X2はそれぞれ(21)式及び(2
2)式に示されたように近似できる。
【数25】
【数26】
【0050】よって、X1+X2、つまり(18)式の分
母の平方根の中身は(23)式となる。
【数27】 従って、
【数28】 となる。ここで、
【数29】 であるので、テーラー展開を(24)式に用いて2次以
降を無視すると、
【数30】 となる。
【0051】次に、整流回路70から出力される直流電
圧について説明する。温度補償回路22の抵抗値をRv
とし、温度変化を考慮に入れて(26)式に表す。
【数31】 但し、Rv0は常温(例えば25℃)における温度補償回
路22の抵抗値であり、αvは温度補償回路22の温度
係数である。
【0052】また、抵抗64の抵抗値をRDとすると、
整流回路70から出力される直流電圧VBは(27)式
に表される。
【数32】 ここで、
【数33】 であるので、テーラー展開を(27)式に用いて2次以
降を無視すると、
【数34】 となる。
【0053】次に、整流回路68から出力される直流電
圧VAと整流回路70から出力される直流電圧VBとの差
V=VA−VBが温度変化の影響を受けないためには、式
中に表れる項(T−T0)が含まれる項が零となれば良
い。従って、項(T−T0)が含まれる項が零となるた
めの条件は(25)式及び(28)式から、
【数35】 である。
【0054】(29)式〜(31)式を用いてRD、R
v0、及びαv各々について解くと、
【数36】 となり、RD、Rv0、及びαvは一意に求まる。上記の式
中においては温度補償回路22の抵抗値をRvとして一
括していたが、図4中に示されるように、温度補償回路
22をなす抵抗80、抵抗84、及びPTCサーミスタ
82を考慮した場合であっても、抵抗80及び抵抗84
には温度変化による抵抗変化が小さい抵抗を用い、抵抗
80、抵抗84、及びPTCサーミスタ82を合成した
温度変化特性が(32)式から(34)式を満足するよ
うに各々を選択すれば、温度変化に影響されず本体部3
0に加わる荷重のみによる歪みを測定することができ
る。
【0055】また、上記(32)式〜(34)式を満足
する場合、整流回路68から出力される直流電圧VA
整流回路70から出力される直流電圧VBとの差V=VA
−VBは、
【数37】 となり、温度変化T−T0の影響を受けずに本体部30
に加わる荷重に比例した電圧を得ることができる。
【0056】図11に温度補償回路があるときの荷重に
対する出力電圧の測定値を示す。各パラメータは次の通
りである。 Z1=100[Ω] Z2=1000[Ω] m1=m2=0.00004[Ω/N] α1=α2=0.004[1/K] E0=10[V] Rs=RD=1000[Ω] Rv0=487[Ω] αv=0.0061 また、図4において、抵抗80は270[Ω]、抵抗8
4は390[Ω]、PTCサーミスタ82は、温度特性
がT特性で25℃での抵抗値が1[kΩ]のものを6本
並列にしたものを使用している。温度補償回路がない図
9に対して、図11に示すように、温度補償回路がある
と、温度による出力電圧のバラツキが抑えられる。すな
わち、図9においては、0〜25000(N)での出力
電圧差は3(V)、温度によるバラツキは1(V)程度
あり、0〜25000(N)での出力電圧差に対する温
度によるバラツキの比は、1/3となるのに対して、図
11においては、0〜25000(N)での出力電圧差
は3.6(V)、温度によるバラツキは0.05(V)
程度であり、0〜25000(N)での出力電圧差に対
する温度によるバラツキの比は、1/70となる。した
がって、温度補償回路を付加することにより、温度ドリ
フト率は0.17%FS/10℃に改善された。
【0057】なお、上記各実施形態において、図2に示
す温度補償回路38あるいは図3および図4に示す温度
補償回路22の代わりに、図5に示す温度補償回路を用
いても良い。この温度補償回路においては、サーミスタ
Rtと線形補償用の抵抗R2〜R7とを組み合わせたも
のを複数並列接続した線形補償部と、この線形補償部に
直列に接続した絶対値補償用の抵抗R1とから構成され
ている。そして、このように構成することにより、さら
に直線性の良い温度補償回路とすることができる。ま
た、温度上昇に従って抵抗分が増加する性質の素子は、
PTCサーミスタでなくても良く、白金測温抵抗体であ
っても良い。
【0058】また、上記各実施形態の代わりに、図6に
示す電気回路を用いても良い。この回路は、コイル34
のインピーダンス91、温度補償回路93および検出抵
抗94の両端に交流電圧源90が接続され、検出抵抗9
4の両端に整流回路92が接続される一方、オフセット
分を差し引くための零点調整用抵抗95、97に交流電
圧源90が接続され、零点調整用抵抗97の両端に整流
回路96が接続されるとともに、両整流回路92、96
の出力が差動増幅回路98に入力されるようになってい
るものである。このように構成された回路を用いた荷重
センサにあっては、上記各実施形態と同様の効果、すな
わち、温度変化による検出信号の温度ドリフトが少な
く、精度の高い歪み検出を行うことができる。
【0059】さらに、図7に示すように、コイル34の
インピーダンス100、100′、温度補償回路10
2、102′および検出抵抗104、104′の両端に
交流電圧源106が接続され、検出抵抗104の両端に
整流回路108が接続されるとともに、コイル34のイ
ンピーダンス100′および温度補償回路102′の両
端に整流回路109が接続され、これらの整流回路10
8、109の出力を差動増幅回路110に入力するよう
に構成しても良い。この場合、一対のコイル34は磁歪
材32(図1参照)に同時に巻くようにする。このよう
に構成することにより、各整流回路108、109の出
力を重ね合わせることができるから、上記各実施形態に
比べて出力を2倍にすることができる。さらにまた、こ
れらの実施形態に示した温度補償方式は、荷重センサ以
外のコイルを使用するセンサにも適用が可能で、例え
ば、電流センサ、磁気トルクセンサ、フラックスゲート
磁気センサなどの温度補償にも有効である。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
荷重によって歪む円柱状の本体部と、前記本体部の外周
表面に配され、前記本体部の歪みに応じて磁気特性が変
化する磁性材と、前記磁性材の外周に配され、前記磁性
材の磁気特性の変化を電気的なインピーダンスの変化に
変換する変換素子と、前記変換素子に接続され、温度変
化に基づく前記インピーダンスの変化を補償する温度補
償回路と、前記本体部の歪みに基づく前記インピーダン
スの変化を検出し、前記本体部の歪みを測定する測定手
段とを設けたので、温度変化による検出信号の温度ドリ
フトを少なくすることができ、精度の高い検出を行える
という効果がある。また、前記磁性材は前記本体部の外
周表面に溶射されているので、接着剤を用いずに磁性材
を本体部に設けることができ、本体部の歪みを磁性材で
測定する際に、熱膨張係数が一桁大きい接着剤の影響を
受けないようにできて、温度変化のみに起因する磁性材
の磁気特性の変化に基づく測定誤差をなるべく減少させ
ることができる。また、断面がコの字状であり、前記検
出素子を覆うように前記磁性材の外周に設けられ、前記
磁性材を通る磁束を閉ループとする磁気シールドを設
け、また、前記磁性材は前記本体部の両端部から離間さ
れて前記本体部に溶射されているので、外部磁場に影響
されることがなく、検出精度を更に向上させることがで
きるという効果がある。また、前記変換素子は、前記磁
性材の外周に捲回されたコイルであるので、構造が単純
であり、しかも小型で安価な荷重センサが実現できると
いう効果がある。また、本発明の請求項7は、前記変換
素子に交流供給源によって流される電流を検出する第1
の検出手段と、前記温度補償回路に交流供給源によって
流される電流を検出する第2の検出手段と、前記第1の
検出手段の検出結果と前記第2の検出手段の検出結果と
の差に基づいて、前記本体部の歪みを測定する差動手段
とを備えたので、精度の高い歪み検出を行うことができ
るという効果がある。また、前記第1の検出手段は、前
記変換素子に直列に接続された抵抗によって変換された
交流電圧を直流電圧に整流する整流回路を有し、また前
記第2の検出手段は、前記温度補償回路に直列に接続さ
れた抵抗によって変換された交流電圧を直流電圧に整流
する整流回路を有しているので、小型で安価であること
を必要とされる荷重センサに用いるには極めて好適であ
るという効果がある。また、本発明の請求項10は、直
列に接続された前記変換素子および前記温度補償回路に
交流供給源によって流される電流を検出する第1の検出
手段と、零点調整用抵抗に交流供給源によって流される
電流を検出する第2の検出手段と、前記第1の検出手段
の検出結果と前記第2の検出手段の検出結果との差に基
づいて、前記本体部の歪みを測定する差動手段とを備え
たので、高精度の歪み検出を行うことができる。また、
前記請求項10記載の第1の検出手段は、前記変換素子
および前記温度補償回路に直列に接続された抵抗によっ
て変換された交流電圧を直流電圧に整流する整流回路を
有し、また前記請求項10記載の第2の検出手段は、前
記零点調整用抵抗に直列に接続された抵抗によって変換
された交流電圧を直流電圧に整流する整流回路を有して
いるので、小型で安価であることを必要とされる荷重セ
ンサに用いるには極めて好適である。また、本発明の請
求項13は、前記変換素子、前記温度補償回路および抵
抗を2組備え、前記第1の変換素子、温度補償回路およ
び抵抗に交流供給源によって流される電流を検出する第
1の検出手段と、前記第2の変換素子、温度補償回路お
よび抵抗に交流供給源によって流される電流を検出する
第2の検出手段と、前記第1の検出手段の検出結果と前
記第2の検出手段の検出結果との差に基づいて、前記本
体部の歪みを測定する差動手段とを備えているので、精
度の高い歪み検出を行うことができるとともに、出力を
倍増できる。また、前記請求項13記載の第1の検出手
段は、前記第1の抵抗にかかる交流電圧を直流電圧に整
流する整流回路を有し、また前記請求項13記載の第2
の検出手段は、前記第2の変換素子および温度補償回路
にかかる交流電圧を直流電圧に整流する整流回路を有し
ているので、小型で安価であることを必要とされる荷重
センサに用いるには極めて好適である。また、前記請求
項1、7、10または13記載の温度補償回路は、温度
変化によって抵抗値が変化する素子と、該素子に並列接
続され、該素子の温度変化に対する特性を線形に補償す
る抵抗と、該素子及び該抵抗に直列に接続され、温度補
償回路全体の抵抗値を調整する抵抗とからなるので、構
造が単純であり、しかも小型で安価であることを必要と
される荷重センサの温度補償回路として用いるには極め
て好適であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による荷重センサの構成
を示す断面図である。
【図2】 同実施形態による荷重センサの電気的構成を
示す回路図である。
【図3】 本発明の他の実施形態による荷重センサの電
気的構成を示す回路図である。
【図4】 温度補償回路の回路構成を示す図である。
【図5】 温度補償回路の他の回路構成を示す図であ
る。
【図6】 本発明の別の実施形態による荷重センサの電
気的構成を示す回路図である。
【図7】 本発明のさらに別の実施形態による荷重セン
サの電気的構成を示す回路図である。
【図8】 従来の荷重センサの構成を示す断面図であ
る。
【図9】 温度補償回路がないときの荷重センサの出力
電圧を表す特性図である。
【図10】 図1および図2に示す実施形態において温
度補償回路を付加したときの荷重センサの出力電圧を表
す特性図である。
【図11】 図1および図3、図4に示す実施形態にお
いて温度補償回路を付加したときの荷重センサの出力電
圧を表す特性図である。
【符号の説明】
20 インピーダンス 22 温度補償回路 30 本体部 32 磁歪材(磁性材) 34 コイル(変換素子) 36 磁気シールド 38 温度補償回路 39 ボビン 40 信号処理回路(測定手段) 54 抵抗 56 抵抗 58 NTCサーミスタ 60 信号処理回路 62 交流電圧源(供給源) 64 抵抗 66 抵抗 68 整流回路 70 整流回路 72 差動回路(差動手段) 80 抵抗 82 PTCサーミスタ 84 抵抗 90 交流電圧源 91 インピーダンス 92 整流回路 93 温度補償回路 94 検出抵抗 95 零点調整用抵抗 96 整流回路 97 零点調整用抵抗 98 差動増幅回路 100、100′ インピーダンス 102、102′ 温度補償回路 104、104′ 検出抵抗 106 交流電圧源 108 整流回路 109 整流回路 110 差動増幅回路

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷重によって歪む円柱状の本体部と、 前記本体部の外周表面に配され、前記本体部の歪みに応
    じて磁気特性が変化する磁性材と、 前記磁性材の外周に配され、前記磁性材の磁気特性の変
    化を電気的なインピーダンスの変化に変換する変換素子
    と、 前記変換素子に接続され、温度変化に基づく前記インピ
    ーダンスの変化を補償する温度補償回路と、 前記本体部の歪みに基づく前記インピーダンスの変化を
    検出し、前記本体部の歪みを測定する測定手段とを具備
    することを特徴とする荷重センサ。
  2. 【請求項2】 前記磁性材は前記本体部の外周表面に溶
    射されていることを特徴とする請求項1記載の荷重セン
    サ。
  3. 【請求項3】 断面がコの字状であり、前記変換素子を
    覆うように前記磁性材の外周に設けられ、前記磁性材を
    通る磁束を閉ループとする磁気シールドを具備すること
    を特徴とする請求項1記載の荷重センサ。
  4. 【請求項4】 前記磁性材は前記本体部の両端部から離
    間されて前記本体部に溶射されていることを特徴とする
    請求項1記載の荷重センサ。
  5. 【請求項5】 前記変換素子は、前記磁性材の外周に捲
    回されたコイルであることを特徴とする請求項1記載の
    荷重センサ。
  6. 【請求項6】 前記本体部は、円筒状または角柱状また
    は角筒状であることを特徴とする請求項1記載の荷重セ
    ンサ。
  7. 【請求項7】 前記変換素子に交流供給源によって流さ
    れる電流を検出する第1の検出手段と、 前記温度補償回路に交流供給源によって流される電流を
    検出する第2の検出手段と、 前記第1の検出手段の検出結果と前記第2の検出手段の
    検出結果との差に基づいて、前記本体部の歪みを測定す
    る差動手段とを具備することを特徴とする請求項1記載
    の荷重センサ。
  8. 【請求項8】 前記第1の検出手段は、前記変換素子に
    直列に接続された抵抗によって変換された交流電圧を直
    流電圧に整流する整流回路を有することを特徴とする請
    求項7記載の荷重センサ。
  9. 【請求項9】 前記第2の検出手段は、前記温度補償回
    路に直列に接続された抵抗によって変換された交流電圧
    を直流電圧に整流する整流回路を有することを特徴とす
    る請求項7記載の荷重センサ。
  10. 【請求項10】 直列に接続された前記変換素子および
    前記温度補償回路に交流供給源によって流される電流を
    検出する第1の検出手段と、 零点調整用抵抗に交流供給源によって流される電流を検
    出する第2の検出手段と、 前記第1の検出手段の検出結果と前記第2の検出手段の
    検出結果との差に基づいて、前記本体部の歪みを測定す
    る差動手段とを具備することを特徴とする請求項1記載
    の荷重センサ。
  11. 【請求項11】 前記第1の検出手段は、前記変換素子
    および前記温度補償回路に直列に接続された抵抗によっ
    て変換された交流電圧を直流電圧に整流する整流回路を
    有することを特徴とする請求項10記載の荷重センサ。
  12. 【請求項12】 前記第2の検出手段は、前記零点調整
    用抵抗に直列に接続された抵抗によって変換された交流
    電圧を直流電圧に整流する整流回路を有することを特徴
    とする請求項10記載の荷重センサ。
  13. 【請求項13】 前記変換素子、前記温度補償回路およ
    び抵抗を2組備え、前記第1の変換素子、温度補償回路
    および抵抗に交流供給源によって流される電流を検出す
    る第1の検出手段と、 前記第2の変換素子、温度補償回路および抵抗に交流供
    給源によって流される電流を検出する第2の検出手段
    と、 前記第1の検出手段の検出結果と前記第2の検出手段の
    検出結果との差に基づいて、前記本体部の歪みを測定す
    る差動手段とを具備することを特徴とする請求項1記載
    の荷重センサ。
  14. 【請求項14】 前記第1の検出手段は、前記第1の抵
    抗にかかる交流電圧を直流電圧に整流する整流回路を有
    することを特徴とする請求項13記載の荷重センサ。
  15. 【請求項15】 前記第2の検出手段は、前記第2の変
    換素子および温度補償回路にかかる交流電圧を直流電圧
    に整流する整流回路を有することを特徴とする請求項1
    3記載の荷重センサ。
  16. 【請求項16】 前記温度補償回路は、温度変化によっ
    て抵抗値が変化する素子と、該素子に並列接続され、該
    素子の温度変化に対する特性を線形に補償する抵抗と、
    該素子及び該抵抗に直列に接続され、温度補償回路全体
    の抵抗値を調整する抵抗とからなることを特徴とする請
    求項1、7、10または13記載の荷重センサ。
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