JPWO2014208105A1 - 温度補償付磁気センサ素子とそれを用いた磁気センサおよび電力測定装置 - Google Patents

温度補償付磁気センサ素子とそれを用いた磁気センサおよび電力測定装置 Download PDF

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Abstract

磁気抵抗効果型磁気センサにとっては、周囲の温度が上がることによって、磁性膜自身の磁気特性が低下するために、センサとしての感度が低下するという問題があった。磁気抵抗効果を有する磁性体と前記磁性体に電流を流すための前記磁性体を介して対向した一対の電極と、前記電極の対向方向に第1のバイアス磁界を発生させる縦バイアス磁界付加手段と、前記縦バイアス磁界付加手段に直角方向に第2のバイアス磁界を発生させる横バイアス磁界付加手段を有し、前記縦バイアス磁界付加手段の温度特性が前記横バイアス磁界付加手段の温度特性より大きいことを特徴とする温度補償付磁気センサ素子。

Description

本発明は温度補償機能が付与された磁気センサ素子と、それを用いた磁気センサおよび電力測定装置に関する。
小型の磁気センサの用途はますます拡大することが予想される。特に電力測定器は、石化燃料から電気エネルギー利用を目指す上で、必須のデバイスと考えられる。特許文献1には、磁気センサとセンサ抵抗を直列に接続し、電気回路中の負荷と並列にしかも、電気回路の配線に隣接して設置することで、負荷における消費電力を計測することができる電力測定装置が開示されている。
このような電力測定装置は、ほとんど磁性薄膜の大きさで形成することができるため、素子全体が数mm四方程度の大きさで作製することができる。したがって、大規模なシステムの様々な箇所毎に設置することで、細かな消費電力の監視が可能になる。
一方、用途が広がれば、使用が予定される環境も苛酷な環境が想定される。特に温度は磁気特性を変化させることが知られており、センサ感度の精度向上のためにも、磁気センサにとって温度補償は不可欠な技術となる。
この課題に鑑みて、特許文献2には、磁気抵抗効果素子でブリッジ回路を構成し、温度が上昇してもゼロ点のドリフトの無い、温度補償された磁気抵抗素子回路が開示されている。
WO2012/105459 特開平8−242027号公報
ゼロ点のドリフトがある場合、ブリッジ回路や差動増幅を用いて、温度補償を行う技術はよく知られている。上記の特許文献2も、ブリッジ回路を用いて磁気抵抗素子の温度特性をキャンセルさせ、ゼロ点のドリフトを阻止しようとするものである。
しかし、このような回路構成は、素子の線形性が高い場合には有効であるが、磁気抵抗素子のように素子の出力特性の線形性が高くない場合は、有効とは言えない。なお、ここで、「線形性が高い」とは、入力に対して出力が直線的に比例するとみなせる領域が広いことをいう。
磁気抵抗素子は、外部から印加される磁界に対する抵抗値の変化がわずかであり、また磁気抵抗効果自体が線形領域の狭い特性である。したがって、素子の温度が上昇することで、磁気抵抗効果が変化すると、入力に対する出力のダイナミックレンジが変化してしまう。
したがって、磁気抵抗素子によって、磁性体の存在の有無を検知する、所謂ON・OFF検知を行う場合は、ブリッジ回路等による温度補償で十分可能であっても、電流検知もしくは電力検知といった定量性を問題にする場合における温度補償は十分とは言えなかった。
本発明は上記の課題に鑑みて想到されたものであり、温度の上昇もしくは下降によっても、ダイナミックレンジが大きく変化しない温度補償付磁気センサ素子を提供するものである。また、所定の入力磁界に対して、出力の温度依存性の少ない温度補償付磁気センサ素子を提供するものである。
より具体的に本発明に係る温度補償付磁気センサ素子は、
磁気抵抗効果を有する磁性体と
前記磁性体に電流を流すために前記磁性体を介して対向した一対の電極と、
前記電極の対向方向の直角方向にバイアス磁界を発生させる横バイアス磁界付加手段と、
両端に電極を有し、一端の電極が前記一対の電極の他端に直列に接続された温度補償用金属とを有し、
前記一対の電極間の基準温度時の抵抗値をRB0とし、前記温度補償用金属の電極間の基準温度時の抵抗をRA0とする時に、(9)式の関係に対して10%以内の範囲に含まれることを満足することを特徴とする。
Figure 2014208105
ここで、αは温度補償用金属の電気抵抗に係る温度係数、αは磁性体の電気抵抗に係る温度係数、βは、基準温度における磁気抵抗効果の値、βは、磁気抵抗効果に係る温度係数、tは基準温度からの変化温度、ΔVMRは磁気抵抗効果によって磁性体の両端から得られる出力電圧、Hは外部からの印加磁界、Vは磁性体に印加される電圧である。
本発明に係る温度補償付磁気センサ素子は、磁気抵抗素子と、温度補償用金属の抵抗比率を一定の関係にするので、所定の範囲において、温度変化が生じても、出力電圧のダイナミックレンジがほとんど変化しないという効果を有する。
また、この温度補償付磁気センサ素子を用いた磁気センサおよび電力測定装置は、過酷な温度変化下であっても、感度の精度を維持することができ、信頼性の高いシステム構築に寄与する。
本発明に係る温度補償の原理を説明する図である。 本発明に係る温度補償付磁気センサ素子の構成を示す図である。 本発明に係る温度補償付磁気センサ素子を用いた電力測定装置の構成を示す図である。 NTCサーミスタの抵抗と温度の関係を示す図である。 NTCサーミスタを利用した自律的な温度補償機能を有する磁気センサ素子の構成を示す図である。 実施の形態4に係る磁気センサ素子の構成を示す図である。 矢羽パターンを有するセンサ部の構成を示す図である。 ブリッジゲインの変化を表すグラフである。 実際に作製したセンサ部の抵抗値と抵抗値感度の温度特性を測定した結果を示すグラフである。 (43)式に実際に作製したセンサ部の測定値を代入し求めた補償のための特性を示すグラフである。 NTCサーミスタを一定とし、並列接続する抵抗を変化させたときの温度特性を示すグラフである。 並列に接続する抵抗を一定値とし、NTCサーミスタの抵抗値を変化させた時の温度特性を示すグラフである。 補償のための温度特性を持たせたブリッジ抵抗と補償抵抗の合成抵抗値と理論値を比較したグラフである。 温度補償機能の効果をシミュレーションした結果を示すグラフである。 実施の形態5に係る磁気センサ素子の構成を示す図である。 縦バイアス磁界が異なる場合の磁気抵抗効果を実測した結果を示すグラフである。 縦バイアス磁界の強さと差分抵抗値感度の関係を測定したグラフである。 縦バイアス磁界を変化させた時の差分抵抗値感度を測定したグラフである。 縦バイアス磁界を変えた時の縦バイアス磁界に加わる補償のための磁界を求めたグラフである。 図19を1つにまとめたグラフである。 縦バイアス磁界を40Oeとした時の温度補償機能がある場合とない場合の差分抵抗値感度の違いを示すグラフである。
(実施の形態1)
まず、本実施の形態に係る温度補償の原理について説明する。図1には金属A(3)と金属B(4)が直列に接続され、金属A(3)と金属B(4)の開放端に電源2が接続された回路1を示す。金属A(3)と金属B(4)の接続点に出力端5を形成する。ここで、金属A(3)は銅等の非磁性金属を、また金属B(4)は磁気抵抗効果を有する磁性金属を想定している。金属A(3)および金属B(4)は、温度特性を有する。すなわち、金属A(3)は温度によって電気抵抗が変化し、金属B(4)は温度によって電気抵抗および磁気抵抗効果が変化する。
電源2の電圧をV、出力端5の電圧をVout、金属A(3)の電気抵抗をR、金属B(4)の電気抵抗をRとする。また、tを基準温度tからの温度上昇(下降の場合はマイナス値にする)、αを金属A(3)の電気抵抗Rの温度係数、RA0は基準温度tでの電気抵抗とし、αを金属B(4)の電気抵抗Rの温度係数、RB0は基準温度tでの電気抵抗とする。温度がt+tの時の金属A(3)および金属B(4)の電気抵抗は(1)式および(2)式にて示される。なお、基準温度tは、任意の温度でよく、例えば室温が選択されてよい。
Figure 2014208105
また、出力端5の電圧Voutは、(3)式のように表される。
Figure 2014208105
次に磁気抵抗効果について検討する。よく知られているように、磁気抵抗効果素子に外部から磁界Hが印加されると、磁気抵抗効果素子の電気抵抗は変化する。この電気抵抗の変化量をΔRmrとする。電気抵抗の変化は、磁気抵抗効果の係数βに比例する。また、磁気抵抗効果自体が温度特性を有している。そこで、磁気抵抗効果の温度特性をβとし、基準温度tの時の磁気抵抗効果係数をβとする。
つまり磁気抵抗効果の係数βは、基準温度tにおける磁気抵抗効果係数βと磁気抵抗効果の温度係数βを用いて、β=β(1+βt)と表される。以上の準備によれば、磁気抵抗効果素子の電気抵抗の変化量ΔRmrは、(4)式で表される。
Figure 2014208105
なお、Rには、(2)式を代入した。
図1の回路に流れる電流をIとすると、ΔRmrによる出力端5での電圧変化ΔVmrは(5)式のように表される。
Figure 2014208105
ここで、ΔVmrが変化しない条件を求める。すなわち、ΔVmr=ΔVMR(ΔVMRは一定値)とすると、(5)式は(6)式のように変形できる。ここで、ΔVMRは、磁気抵抗効果によって磁性体の両端から得られる出力電圧である。
Figure 2014208105
さらに、右辺のHを左辺に移動させると(7)式を得る。
Figure 2014208105
外部磁界Hと電源電圧Vは温度と関係がないので、左辺は一定値である。そこで、左辺を新たにKと置くと、(7)式は(8)式のように変形することができる。
Figure 2014208105
さらに、左辺にRA0とRB0を集めると、最終的に(9)式を得る。
Figure 2014208105
(9)式は、金属A(3)(非磁性金属)と金属B(4)(磁性金属)が基準温度tから温度tだけ上昇した際に、出力端5電圧Voutが変わらないような金属A(3)および金属B(4)の電気抵抗の比率を表している。言い換えると、電気抵抗に関して温度係数αを有する非磁性金属A(3)と、電気抵抗に関する温度係数がαで磁気抵抗効果に関する温度係数がβであるような磁性金属B(4)を、基準温度tでの電気抵抗がRA0およびRB0になるように設定することで、温度による出力端子電圧の変動を低減することができる。
なお、実用的な温度補償の精度は好ましくは10%、より好ましくは7%、最も好ましくは5%以内であるのが望ましい。したがって、(9)式で求められた比から10%以内の範囲であれば、(9)式の関係を満たしているといってよい。
(9)式による金属A(3)と金属B(4)の基準温度tにおける電気抵抗の比は、温度上昇によって抵抗値が上昇する電気抵抗と、温度上昇によって低下する磁気抵抗効果をそれぞれ打ち消し合うように作用させることのできる比率である。したがって、基準温度tの時に設定されたダイナミックレンジは、温度変化によって見かけ上変化しない。
より具体的には、磁気抵抗効果による出力電圧Voutのダイナミックレンジが大きくなる方向に温度が動くと、回路1中の電気抵抗が増え、ダイナミックレンジが小さくなる方向に温度が動くと、電気抵抗が減る。結果、ダイナミックレンジは変化しない様に見える。つまり、金属A(3)および金属B(4)の電気抵抗を基準温度tにおいて(9)式のような比率に設定しておけば、温度変化があったとしても、自動的に温度補償がされる。
図2(a)に上記の温度補償の原理を適用した磁気センサ素子の構成例を示す。温度補償付磁気センサ素子(以後、単に「磁気センサ素子」ともいう)10は、センサ部11と、補償用金属部20から構成されている。センサ部11は、短冊状の磁性膜12で構成されている。磁性膜12はもちろん磁性体に含まれる。両端には、電極11aおよび電極11bが形成されている。電極11aから電極11bが磁性膜12に流す電流Iの方向である。電極11aから電極11bの方向を軸方向と呼ぶ。
磁性膜12は、電流が流される方向に対して直角成分(軸方向に直角な方向の成分)を有する外部磁界Hによって、磁性膜12内の磁化12Mの方向が傾く。この磁化12Mの方向と流れる電流Iの方向の傾きで、磁気抵抗効果が発現されると考えられている。なお、磁化12Mは自発磁化であってもよいし、誘導された磁化であってもよい。ここでは自発磁化として説明を続ける。
図2(b)には、外部磁界Hと磁気抵抗効果の関係を示すグラフを示す。縦軸は磁性膜12の電気抵抗値Rmrであり、横軸は外部磁界Hを表す。外部磁界Hは、図2(a)で左側から右側に磁界が印加される場合(左側にS極があり、右側にN極がある)を、正としている。図2(b)を参照して、磁気抵抗効果は、印加される外部磁界Hの方向に係らない。すなわち、外部からの印加磁界Hに関してみれば、磁気抵抗効果(電気抵抗の変化)は、偶関数になる。
また、外部磁界Hがゼロ付近では、線形性が高くない。そこで、磁性膜12の軸方向に直角な方向にバイアス磁界Hbiasをかけて、より直線性の高い部分を使うことが常法とされている。これを横バイアス磁界Hbiasと呼ぶ。横バイアス磁界Hbiasが印加された際の磁性膜12の抵抗値Rm0は動作点と呼ばれる。横バイアス磁界Hbiasの印加方法は、いくつかの方法が考えられるが、ここでは、磁性膜12表面に導体膜13aでバーバーポールと呼ばれる模様の導体膜13aを付与する例について説明する。
図2(c)には、図2(a)の一部拡大図を示す。磁性膜12表面に形成された傾斜した導体膜13aの部分では、導体膜13a中の最短距離を電子が走る。すなわち、傾斜した導体膜13aの幅方向に電子が走る。一方、自発磁化12Mは、短冊状の磁性膜12の両端方向に発生する。つまり、外部磁界Hの無い時からすでに、流れる電流Iと磁化12Mの方向は、角度θだけ傾いている。
すなわち、外部から横バイアス磁界を印加しなくても、横バイアス磁界Hbiasがかかっているのと同じ効果を有する。本明細書では、磁石若しくは電磁石等で磁性膜12に外部から横バイアス磁界Hbiasをかける手段だけでなく、このようにセンサ部11を構成する膜の構造によって、見た目横バイアス磁界Hbiasがかかっている状態であっても、横バイアス磁界付加手段13と呼ぶ。つまり、横バイアス磁界付加手段13は、磁石、電磁石、センサ部11を構成する膜の構造を含む。
補償用金属部20は、導体膜13aと同じ金属であってもよいし、他の金属であってもよい。補償用金属部20は、温度補償用金属と言ってよい。九十九折状にしているのは、小さなスペースで電気抵抗を高くできるようにするためである。センサ部11と補償用金属部20の接続点が出力端子30となる。補償用金属部20の温度係数は、磁性膜12による磁気抵抗効果の温度特性と同じオーダーで反対の特性を有するものが望ましい。磁気抵抗効果の温度特性をキャンセルしやすくなるからである。
このような構成を有する本発明に係る磁気センサ素子10には、補償用金属部20の開放端(センサ部11と接続されていない側の端部)20aと、センサ部11の開放端側電極11bに電源を接続し、電流を流す。センサ部11の軸方向に直角な磁界成分を有する外部磁界Hが印加された時に、この磁気センサ素子10は、出力端子30の出力電圧が変化する。この電圧変化を測定することで、外部磁界Hの大きさを検出することができる。
また、この補償用金属部20での電気抵抗と、センサ部11の電気抵抗をそれぞれR、Rとして、(9)式の関係になるように構成しておくことで、磁気センサ素子10は、自動的に温度補償されているように見え、外部温度によって出力端子30のダイナミックレンジが変化することが抑制される。
(実施の形態2)
次に本発明に係る磁気センサ素子10を用いた電力測定装置について図3を用いて説明する。磁気センサ素子10を利用して、電源回路の負荷が消費する電力や力率を求めることができる(特許文献1参照)。簡単に磁気センサ素子10を用いた電力測定装置の動作原理について説明する。
まず、図3を参照して、本発明に係る電力測定装置6は、電源91に負荷92が接続された回路に対して、負荷92と並列に接続される。そして、電力測定装置6は、接続端子22a、22bと、磁気センサ素子10と、計測抵抗24と、検出手段27を含む。検出手段27は、差動アンプ25を含み、センサ部11の電極11a、11bを計測端子としている。なお、計測端子は差動アンプ25の端子に接続される。
磁気センサ素子10は、図2で説明したバーバーポール型のセンサ部11と補償用金属部20を有する磁気センサ素子10である。つまり、導体膜13aによる横バイアス磁界付加手段13が施されている。磁性センサ素子10と計測抵抗24を直列にし、被計測回路90の電源91に連結されている負荷92と並列に連結する。
連結する点は、接続端子22a、22bである。そして、磁気センサ素子10は、電源91と負荷92の間を接続している電線93aに平行に隣接配置させる。ここで平行とは、電線93aの周囲に形成される同軸状の磁界Hに、磁性膜12の面内方向が平行になることである。
なお、面内方向とは、磁気センサ素子10の軸方向に直角な方向である。この方向の外部磁界Hに対して磁化12Mが傾き、磁気抵抗効果が発現されるからである。また、計測抵抗24は、磁気センサ素子10における磁性膜12の抵抗値Rmrに対して十分に大きいとしておく。磁気センサ素子10に一定電流を供給するためである。また、電線93aの抵抗は十分に小さいとする。
まず、電源91が直流の場合、電線93a、93bに流れる電流をIとすると、磁気センサ素子10に印加される外部磁界Hは、比例定数をαとして、(21)式のように表される。
H=αI・・・・(21)
図2(b)にも示したように、磁性膜12の電気抵抗の変化ΔRmrは、外部磁界Hに比例するので、比例定数をβとし、(21)式を考慮すると、(22)式のように表される。
ΔRmr=βH=β(αI)・・・・(22)
磁性膜12に外部磁界Hが印加されていない時(動作点)の電気抵抗をRm0とすると、外部磁界Hが印加された時の磁性膜12の電気抵抗Rmrは、(23)式のように表される。
mr=Rm0+ΔRmr=Rm0+αβI・・・・(23)
つまり、電流Iが流れる電線93aに近接配置された磁性膜12は、(23)式のような電気抵抗特性を有する。この磁性膜12の電極11a、11b間に電流Iが流れると、電極11a、11b間の電圧Vmrは(24)式のように表される。
mr=Rmr=(Rm0+ΔRmr)I=(Rm0+αβI)I・・・・(24)
次に電源91を直流としているので電圧VinをVとすれば、(25)式のように表される。そして、電線93a、93bの抵抗は十分に小さく、また、磁性膜12の電気抵抗Rmrも計測抵抗24(値はR)よりも十分小さいとする。負荷92の抵抗をRとすると、電線93aを流れる電流Iと、磁性膜12を流れる電流Iは、それぞれ(26)式、(27)式のようになる。
そこで、磁性膜12の電極11a、11b間の電圧Vmrは(28)式のように表される。なお(28)式の式変形の途中でRm0<<Rの関係を使った。またKは比例定数である。(28)式の結果より、磁性膜12の電極11a、11b間では、負荷92で消費される電力Iに比例した電圧と、計測抵抗24(R)と磁性膜12の動作点(図2(b)参照)での電気抵抗Rm0が決まると一意に決まるバイアス電圧の和を得ることができる。
Figure 2014208105
このような関係は、電源91が交流であっても成立する。電源91が交流で、負荷92がリアクタンスの場合について次に説明する。(21)式から(24)式の関係は上記の説明通りである。電源91が交流になるので、電圧Vinは、振幅V、角周波数ωとすると、(29)式のように表される。また、被計測回路90で負荷92がリアクタンスなので、負荷92を流れる電流Iは、電源91(電圧Vin)とは位相のズレが生じる。この位相のズレをθとする。一方、磁性膜12は、通常の電気抵抗(位相のずれはない)なので電源91(電圧Vin)と同位相である。したがって、電流IおよびIは、(30)式、(31)式のように表される。
そこで、(24)式に(30)式および(31)式を代入すると(32)式のように変形される。
Figure 2014208105
(32)式を見ると、最終項は、負荷92で消費する有効電力が直流成分として表れているのがわかる。すなわち、計測端子11a、11b間の出力を、ローパスフィルタを通過させて得た直流電圧は、負荷92で消費する有効電力に比例した電圧である。以上のように磁性膜12を使って、電線93a、93bに流れる電流だけでなく、接続の方法によって電源91に接続している負荷92での消費電力も計測することができる。
このように図3の構成においては、電源91が直流であろうと、交流であろうと、電源91に接続された負荷92で消費される電力を電圧として取り出すことができる。磁性膜12の電極(計測端子)11a、11b間の電圧を検出し、直流のバイアス成分や交流成分を除き、負荷92の消費電力に比例する電圧を検出する手段を検出手段27と呼ぶ。検出手段27は、差動アンプ25と後処理手段26で構成される。
後処理手段26は、差動アンプ25の出力に交流や直流バイアス電圧が重畳されている際に、それらを除去する手段である。具体的には、交流が重畳されている場合は、ローパスフィルタであり、直流バイアス電圧が重畳されている場合は、絶対値が同電圧で極性が反対の電圧を付与する手段で、定電圧電源や電池等で実現できる。
本発明に係る電力測定装置6は、実施の形態1で示した磁気センサ素子10を搭載している。磁気センサ素子10の設計の仕方の一例を示す。電力測定装置6が利用される環境中の想定される温度範囲を決める。次にこの温度範囲において、直線性を有する金属材料を選択する。なお、電力測定装置6では、被計測回路90中の負荷92ではなく、電力測定装置6自体が有する計測抵抗24を用いる。金属材料には、この計測抵抗24の素材も考慮する。
次に、これらの金属材料の温度特性(特に温度係数)を求める。これは市販のデータ表等を確認してもよいが、実際に用いる状態で実験で確認するのがよい。これは上記の説明の金属A(3)における温度係数αと基準温度t時の電気抵抗RA0を求めることに対応する。
次に磁気抵抗効果を有する磁性金属を選択する。これも、使用予定とされる温度範囲で、できるだけ電気抵抗および磁気抵抗効果の変動が少ないものが望ましい。選択された磁性金属の電気抵抗の温度係数αおよび磁気抵抗効果の温度係数βを求める。次に、これらの値を(9)式に適用し、基準温度tにおける金属A(3)(非磁性金属)および金属B(4)(磁性金属)の基準温度tにおける電気抵抗値RA0およびRB0の比を求める。
磁性膜12の大きさは、検出する回路に流れる電流および設置できるスペースなどから決定される。磁性膜12の大きさが決まれば、基準温度tにおける磁性膜12の電気抵抗値RB0は決定され、(9)式の関係から導体膜13aの基準温度tにおける電気抵抗値RA0も決定することができる。
導体膜13aの電気抵抗値RA0が決まれば、その電気抵抗値を有する導体膜13aの形状を決定することができる。このようにして、(9)式で示した基準温度における電気抵抗の比率にあった、磁気センサ素子10を形成することができる。
(実施の形態3)
実施の形態1および2では、抵抗に関する温度特性が異なる非磁性金属と磁性金属を直列に接続することで、非磁性金属と磁性金属の接合点に現れる磁気抵抗効果の温度依存性をキャンセルすることができることを示した。
その原理は、温度が上昇し、磁性金属の磁気抵抗効果が減少した際には、非磁性金属の抵抗値が下がるというものである。したがって、温度が上昇すると、電気抵抗値が下がる素子を利用することで、実現することができる。
実施の形態1および2では、これを温度補償用金属(補償用金属部20)として示した。しかし、温度が上昇すると電気抵抗値が下がる素子であれば、金属に限定されるものではない。例えば、IC等のような能動素子を利用したものであってもよい。その意味で本明細書においては、温度補償用金属には、能動素子およびそれを用いた回路を含めてもよい。
本実施の形態では、温度が上昇すると抵抗値が下がる素子としてNTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタを用いた例を示す。NTCサーミスタは、温度補償用金属である。
NTCサーミスタは、ニッケル、マンガン、コバルト、鉄などの酸化物を混合し、焼結して作製される。図4には、NTCサーミスタの抵抗RNTCと温度の関係を示す。図4を参照して、横軸は温度(℃)であり、縦軸は抵抗値RNTC(Ω)である。NTCサーミスタの抵抗値は、温度の上昇と共に指数関数的に低下する。
NTCサーミスタは抵抗と並列に接続すると、温度に対して線形に近い抵抗値の特性を得ることができる。図5には、NTCサーミスタを利用した自律的な温度補償機能を有する磁気センサ素子32の構成を示す。磁気センサ素子は、調節用抵抗33(抵抗値R)と、補償抵抗34と、センサ部36で構成される。なお、調節用抵抗33と補償抵抗34の接続順は逆であってもよい。ここでは、電源38に近い方に調節用抵抗33が配置されるとして説明を続ける。なお、電源38は電流源であってもよい。
補償抵抗34は、抵抗34rとNTCサーミスタ34sが並列に接続されて構成される。調節用抵抗33と補償抵抗34の抵抗34r及びNTCサーミスタ34sの抵抗値および種類を変えることで、所望の温度特性を得ることができる。補償抵抗34の温度特性の調節に関しては実施の形態4でさらに詳しく示す。
センサ部36と、補償抵抗34との接続点は磁気センサ素子32の出力端子30となる。センサ部36は実施の形態1及び2のセンサ部11と同じ構成でよい。すなわち、磁性膜12と横バイアス磁界付加手段13を有する磁気抵抗効果素子で構成される。
この磁気センサ素子32は、調節用抵抗33の端子とセンサ部36の間に電圧を印加し、センサ部36の横方向(短冊状の長手方向(軸方向)に対して直角方向)から外部磁界を印加すると、外部磁界に応じた電圧変化を出力端子30で得ることができる。
磁気センサ素子32全体の温度が上がった際には、調節用抵抗33および補償抵抗34による合成抵抗は、温度の上昇とともに抵抗値が低下する。すると、センサ部36の両端にかかる電圧が上昇する。磁気抵抗効果は温度の上昇によって低下するが、センサ部36にかかる電圧が上昇するので、センサ部36の両端で観測される磁気抵抗効果による電圧変化は、上昇する。磁気抵抗効果の低下とセンサ部36に印加される電圧の上昇によって出力端子30での出力の変化をキャンセルすることができる。つまり、出力のダイナミックレンジが補償される。
この時、調節用抵抗33と補償抵抗34による合成抵抗値と、センサ部36の抵抗値は、(9)式で表される比になっている。なお、(9)式で表される比になっているとは、(9)式の比に対して好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下、最も望ましくは5%以下の範囲に含まれることをいうのは実施の形態1の場合と同じである。また、図5の磁気センサ素子32は、図3で示した電力測定装置6の磁気センサ素子10に置き換わって利用することができるのはもとより、出力電圧を増幅するアンプおよび電流源を持つことで、磁気センサ。電流測定装置、力率測定装置としても利用することができる。
また、本実施の形態に係る磁気センサ素子32においては、補償抵抗34とセンサ部36が直列に接続されていれば足りる。調節用抵抗33は、補償をより精度高く行うために接続されたもので、調節用抵抗33がなくても、磁気センサ素子32は温度補償機能を有する。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態3で示した磁気センサ素子32を2つ並列に用い、ブリッジ回路にする。ブリッジ回路にすることで、外部からの印加磁界に対して磁気センサ素子全体のゲインを2倍にすることができる。
図6(a)には、本実施の形態に係る磁気センサ素子40を示す。磁気センサ素子40は、第1センサ部41、第2センサ部42、第1ブリッジ抵抗43、第2ブリッジ抵抗44、第1補償抵抗45、第2補償抵抗46からなるブリッジ回路で形成される。第1ブリッジ抵抗43、第1補償抵抗45、第1センサ部41は、直列に接続されている。また、第2ブリッジ抵抗44、第2補償抵抗46、第2センサ部42は、直列に接続されている。
図6(b)には、第1ブリッジ抵抗43と第1補償抵抗45を第1ブリッジ抵抗51と置きかえ、第2ブリッジ抵抗44と第2補償抵抗46を第2ブリッジ抵抗52と置き換えた磁気センサ素子50を示す。磁気センサ素子40は、この磁気センサ素子50に温度補償機能を付加したものといえる。
図6(a)を参照して、第1ブリッジ抵抗43と第2ブリッジ抵抗44の端子同士は接続され、磁気センサ端子40aとなる。また、第1センサ部41と第2センサ部42の端子同士も接続され、磁気センサ端子40bとなる。なお、第1ブリッジ抵抗43と第1補償抵抗45の接続関係は逆であってもよい。同様に第2ブリッジ抵抗44と第2補償抵抗46の接続関係も逆であってもよい。ここでは、第1ブリッジ抵抗43と第2ブリッジ抵抗44の端子同士が接続され、第1センサ部41と第2センサ部42には、それぞれ第1補償抵抗45と第2補償抵抗46が接続されるとして説明を続ける。
第1補償抵抗45と第2補償抵抗46は、抵抗とNTCサーミスタの並列接続で構成される抵抗である。つまり、第1補償抵抗45は抵抗45rとNTCサーミスタ45sの並列接続で構成され、第2補償抵抗46は、抵抗46rとNTCサーミスタ46sの並列接続で構成されている。NTCサーミスタは実施の形態3で説明したものである。もちろん、NTCサーミスタは、温度補償用金属である。
磁気センサ素子40の出力は、第1補償抵抗45と第1センサ部41の接続点47と、第2補償抵抗46と第2センサ部42の接続点48との間の電圧である。それぞれの接続点での電圧をV47、V48とする。
第1センサ部41と第2センサ部42は、実施の形態1および2で説明したセンサ部11でよい。すなわち、横バイアス磁界付加手段13を備えた磁性膜12からなる短冊状の形成物である。ただし、第1センサ部41と第2センサ部42は、横バイアス磁界付加手段13の方向が逆向きである。このようにすることで、接続点47、48での電圧変化は逆方向に発生し、これを差動増幅することで、出力のゲインを倍にすることができる。
図6では、導体膜13aの形成方向が第1センサ部41と第2センサ部42で逆になっている。つまり、短冊状の磁性膜12の長手方向に直角な方向に印加される横バイアス磁界の方向が第1センサ部41と第2センサ部42で逆方向になっている状態を示す。
なお、第1センサ部41と第2センサ部42は、図6で示すBBPパターンの代わりに、図7に示す矢羽パターンであってもよい。
図7(a)には、第1センサ部41だけを示す。第2センサ部42は、第1センサ部41の対称形のパターンである。図7(a)を参照して、第1センサ部41は、短冊状基板の長手方向に対して角度θだけ傾いた帯状磁性膜12mが複数本形成されている。そして、隣接する帯状磁性膜12mの端部は1本おきに接続部12jで接続されている。その結果、複数の帯状磁性膜12mは1本の帯状磁性膜となる。また、1本の帯状磁性膜の両端には、第1センサ部41の電極41aと41bが形成される。
図7(b)を参照して、第2センサ部42は、第1センサ部41と対称形をした帯状磁性膜12mのパターンをしている。そして、第1センサ部41の一方の電極41bと第2センサ部42の一方の電極42bが接続された形状をしている。図7(b)の状態で、第1センサ部41と第2センサ部42の磁性膜12mのパターンは矢羽に似ているので、これを矢羽パターンと呼ぶ。なお、矢羽パターンは、接続部12jが並ぶ方向AAにバイアス磁界を印加する。このバイアス磁界を縦バイアス磁界と呼ぶ。
縦バイアス磁界によって、磁性膜12mの磁化はバイアス磁界の方向に揃う。磁性膜12mはバイアス磁界に対して角度θだけ傾斜している。したがって、磁化と流れる電流の向きが異なるので、見かけ上横バイアス磁界が印加されているのに等しい。すなわち、矢羽パターンに縦バイアス磁界を印加すると、磁性膜の構造特性によって、横バイアス磁界が印加されているのに等しい。したがって、矢羽パターンに縦バイアス磁界を印加したものは、横バイアス磁界付加手段13を有していると言える。
なお、第1センサ部41と第2センサ部42の磁性膜12mの傾斜方向は縦バイアス磁界に対して逆向きになっている。したがって、図7(b)の矢羽パターンの場合は、横バイアス磁界付加手段13が逆向きに設けられていると言える。
再び図6を参照する。磁気センサ素子40の動作原理は、実施の形態1乃至3で説明したものと同じである。すなわち、温度が上昇すると、第1センサ部41および第2センサ部42の磁気抵抗効果は低下する。しかし、第1ブリッジ抵抗43と第1補償抵抗45の合成抵抗および第2ブリッジ抵抗44と第2補償抵抗46の合成抵抗はそれぞれ低下する。したがって、第1センサ部41と第2センサ部42にかかる電圧が上昇し、第1センサ部41と第2センサ部42間の出力電圧は変化しない。したがって、出力も温度補償される。
以下に温度補償の詳細な説明を行う。まず、図6(b)の磁気センサ素子50を用いて説明を行う。磁気センサ素子50の出力はV48−V49で表される。
Figure 2014208105
なお、磁気センサ端子50a、50b間に印加された電圧をVinとした。また、第1ブリッジ抵抗51、第2ブリッジ抵抗52の抵抗値をRとし、第1センサ部41、第2センサ部42の抵抗値をRmrとした。また磁気抵抗効果による抵抗値の変化分をΔRとする。これは第1センサ部41、第2センサ部42とも同じであるとした。
(33)式の第1式を見ると、ΔRがプラスの項とマイナスの項がある。これは、第1センサ部41と第2センサ部42の横バイアス磁界付加手段13が逆方向に設けられているからである。
ここでR=αRmr、V48−V49=V(α)とおく。これは第1ブリッジ抵抗51、および第2ブリッジ抵抗52を変化させることで、出力V(α)の大きさを制御する意図である。
Figure 2014208105
(34)式の係数部分2α/(1+α)の部分をGain(ブリッジゲイン)とおくと、αとGainの関係は、図8のようになる。Gainは、α=1のとき極値を有する。つまり、R=Rmrとしたときに、ブリッジ回路の出力は最大になる。本発明では、このαを温度に依存する係数と見て、補償を行う。後述するように、1≦α≦4の範囲でαが直線近似できるとして、温度補償を行う。
さて、(34)式でRmrは、第1センサ部41と第2センサ部42の磁性膜の抵抗値である。また2ΔRは、第1センサ部41と第2センサ部42の抵抗値の温度特性を夫々求め、差し引いて求めた磁気抵抗効果のグラフから求められる抵抗値感度に相当する。なお、抵抗値感度については、実施の形態5に測定値および測定方法を例示する。これらの変数は実際に測定してみると、温度に対して極めて線形に近い特性を有する。したがって、これらを線形近似する。
Figure 2014208105
Figure 2014208105
なお、ここで「t」は温度を表す。a、a、b、bは、第1センサ部41および第2センサ部42を実際に温度環境で測定し求める係数である。
また、全ての変数が線形であるとすると、単位磁界あたりの出力V’(α、t)は、(35)式、(36)式を(34)式に代入することで、以下のように表される。
Figure 2014208105
V’(α、t)は、αと温度tが決まった時の磁気センサ素子50の単位磁界(外部磁界)あたりの出力電圧である。出力を単位磁界あたりの出力とみなせば、ΔRは抵抗値感度(Ω/Oe)とすることができる。ここで温度tを温度補償範囲の上限の温度とし、係数αを1から4の間の数に決めると、(37)式右辺のVinの係数は具体的に求めることができる。a、a、b、bが実測値から具体的に求めるからである。これをkとする。すなわち、(38)式である。
Figure 2014208105
また、(37)式左辺をV’(α)と置くと、(38)式を考慮して、(39)式が成り立つ。
Figure 2014208105
図8で示したように、1≦α≦4の範囲でαを線形近似すると、(39)式は、以下の(40)式のように表される。
Figure 2014208105
およびkは、図8のグラフにおいて、1≦α≦4の範囲でαを線形近似した時の傾きおよび切片である。
(39)式と(40)式よりαを求めると(41)式のようになる。
Figure 2014208105
(41)式のRmrおよび2ΔRに(35)式および(36)式を再度代入すると(42)式となる。
Figure 2014208105
そもそも、R=αRmr、と置いたので、第1ブリッジ抵抗51(第2ブリッジ抵抗52も同じ)の抵抗値Rは以下のように表される。
Figure 2014208105
この式は、第1ブリッジ抵抗51および第2ブリッジ抵抗52が(43)式の温度特性に従えば、磁気センサ素子50の出力は、温度によって変化しないための条件を表している。
以下に具体的な測定例を示しながら、これらの式に沿った温度補償が実現できることを示す。
図9(a)、(b)は、実際に作製した第1センサ部41(第2センサ部42も同じ)の抵抗値と抵抗値感度の温度特性を示す。図9(a)は横軸が温度(℃)であり、縦軸は抵抗値(Ω)である。また、図9(b)は横軸が温度(℃)であり、縦軸は差分の抵抗値感度(Ω/Oe)である。これらのグラフより、(35)式、(36)式の係数は以下のように読み取れる。a=18.23[Ω/℃]、b=5286[Ω]、a=−0.01295[Ω/Oe]、b=9.933[Ω/℃]である。
これらの値を(37)式に代入する。温度補償範囲の上限を100℃とし、αを1とするとk=3.038×10−4となる。また、図8より、1≦α≦4の範囲でブリッジゲインを線形近似すると、傾き(k)=−2.213であり、切片(k)=0.2948である。
これを(43)式に代入してグラフにすると図10を得る。図10を参照して、横軸は温度(℃)であり、縦軸は第1ブリッジ抵抗51(第2ブリッジ抵抗52も同じ)の抵抗値(Ω)である。つまり、図9の特性を有する第1センサ部41および第2センサ部42に対して、第1ブリッジ抵抗51および第2ブリッジ抵抗52が図10の特性を有すれば、温度に対する出力は一定値となる。出力は温度に対して補償される。
第1ブリッジ抵抗51(第2ブリッジ抵抗52)が図10の特性を示すための具体的方法は、図6(a)に示すように、第1ブリッジ抵抗51の代わりに、第1ブリッジ抵抗43と第1補償抵抗45を用いる。第1補償抵抗45は抵抗45rとNTCサーミスタ45sを並列に接続したものである。第2補償抵抗46は抵抗46rとNTCサーミスタ46sを並列に接続したものである。
図11には、NTCサーミスタ45sを100kΩとし、抵抗45rを0、5k、10k、20k、30k、40k、50k、60k、70k、80k、90、100kΩとした場合の第1補償抵抗45の温度特性のグラフを示す。図11(a)は0から50kΩ、図11(b)は60kから100kΩの場合を示す。それぞれ横軸は温度であり、縦軸は規格化された抵抗(規格化抵抗:無単位)である。規格化抵抗とは、ある値の抵抗45rとNTCサーミスタ45sの組み合わせの場合に第1補償抵抗45の最大の抵抗値で各温度での抵抗値を割り算して求めた値である。
図11(a)を参照して、抵抗45rがゼロΩの場合は、NTCサーミスタ45sの温度特性がそのまま表れ、抵抗値は温度の上昇にしたがい、指数関数的に低下する。しかし、抵抗45rの値が高くなると、第1補償抵抗45の抵抗値は、温度に対して変化が滑らかになる。
図11(b)を参照すると、抵抗45rの抵抗値が、NTCサーミスタ45sの抵抗値(ここでは100kΩ)の半分より大きくなると、第1補償抵抗45の値は、線形に近い形状に収束するように見える。
図12には、抵抗45rを10kΩに固定し、NTCサーミスタ45sの抵抗値を100kΩ、220kΩ、470kΩと変化させた場合の第1補償抵抗45の温度依存性を示す。図12を参照して、横軸は温度(℃)であり、縦軸は規格化抵抗値(無単位)である。NTCサーミスタ45sの抵抗が大きくなるにつれ、温度依存性は少なくなる。
このように、第1補償抵抗45の抵抗45rとNTCサーミスタ45sの抵抗値を調節することで、第1補償抵抗45の温度特性を調整することができる。さらに、この第1補償抵抗45に直列に接続する第1ブリッジ抵抗43の抵抗値をも調整することで、図10に極めて近い温度特性を実現することができる。なお、第2補償抵抗46についても同様である。
実際に図10の特性に合わせるために、以下のようにパラメータを合わせた。図10において−10℃の抵抗値が20982[Ω]であったので、抵抗45rを20kΩとNTCサーミスタ45sを220kΩとして並列に接続し、第1ブリッジ抵抗43を1kΩとした。図13にこのようにして作製した抵抗の温度依存性の実測値と、図10の値を重ねて示す。図13中で必要抵抗と記載したのは図10の値である。図13は横軸が温度(℃)であり、縦軸は抵抗値(Ω)である。
図13を参照して、上記のようにして温度特性を調節した第1ブリッジ抵抗43と第1補償抵抗45の合成抵抗は、図10の計算結果と極めて近い特性を示した。図13中、必要特性とした丸印と実線は図10で求めたラインである。補償抵抗は四角印と鎖線である。なお、上記の説明は第2ブリッジ抵抗44と第2補償抵抗46にも同じように適用することができる。
上記のように温度補償機能を有する磁気センサ素子40と、温度補償機能を有しない磁気センサ素子50とで、その温度特性がどのようになるかをシミュレーションした。磁気センサ素子50としては、室温で第1ブリッジ抵抗51と第1センサ部41の抵抗値が同じになる様に設定した。第2ブリッジ抵抗52と第2センサ部42も室温で同じ抵抗値とした。
図14にそのシミュレーション結果を示す。横軸は温度(℃)であり、縦軸はそれぞれの磁気センサ素子40、50の出力の変化(%)である。丸印は補償後、四角印は補償前、点線は理想出力を表す。理想出力とは、出力が温度に依存しない場合の出力である。−10℃から100℃の範囲で25℃での出力を基準(ゼロ)として、磁気センサ素子50(温度補償機能無)では、理想出力に対して45.6%の出力変化が生じる。一方磁気センサ素子40(温度補償機能有)では、理想出力に対して5.7%の変化まで出力変動を抑えることができる。
本発明では、NTCサーミスタと抵抗を並列に接続する構成を第1補償抵抗45(第2補償抵抗46)が含めば、温度補償を行う構成に関して特に制限はない。したがって、より詳細な調節を行うことで、図14の出力変動はさらに小さくすることができる。磁気センサ素子として実用に耐えうる温度に対する出力変動は、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下、最も好ましくは5%以下であると考えられる。したがって、図10で求めた温度補償に必要とされる抵抗の特性から10%以内に収まるように、第1ブリッジ抵抗43、第1補償抵抗45(第2ブリッジ抵抗44、第2補償抵抗46も同じ)を調節すれば本発明を実施したと言える。
なお、本実施の形態に係る磁気センサ素子40も図3に示した電力測定装置6に用いることができるのはもとより、出力電圧を増幅するアンプおよび電流源を持つことで、電流測定装置、力率測定装置としても利用することができる。また、本実施の形態に係る磁気センサ素子40においても、第1補償抵抗45と第1センサ部41および第2補償抵抗46と第2センサ部42が直列に接続されていれば足りる。第1ブリッジ抵抗43と第2ブリッジ抵抗44は、補償をより精度高く行うために接続されたもので、これらがなくてもがなくても、磁気センサ素子40は温度補償機能を有する。
(実施の形態5)
本実施の形態では、温度補償を縦バイアス磁界の大きさで補償する発明について説明する。図15には、本実施の形態に係る磁気センサ素子60の構成を示す。磁気センサ素子60は、センサ部61と、縦バイアス磁界発生器62、バッテリ63、磁界センサ64、温度計65、電流調整器66、制御器70を含むことができる。
センサ部61は、実施の形態1乃至4で説明したものを使用することができる。図15では図7で示した矢羽パターンを例示した。しかし、導体膜13aにBBPパターンを施したものであってもよい。
縦バイアス磁界発生器62は、ここではバッテリ63で駆動する電磁石を示した。しかし、後述するように、温度変化に対して所定の縦バイアス磁界を変化させることができる永久磁石であってもよい。
差動アンプ25は、センサ部61の両端(61a、61b間)電圧を増幅する。温度計65は、センサ部61の温度を測定する。温度計65が測定した温度は信号Stとして出力される。磁界センサ64は縦バイアス磁界発生器62の発生する磁界の大きさを測定する。測定結果は信号Shbとして出力される。
制御器70は、温度計65からの信号Stによって、センサ部61の温度を知り、後述する補償用の縦バイアス磁界が発生するように、制御信号Cbでバッテリ63の出力電圧を調整する。ここでは、電流調整器66をバッテリ63と縦バイアス磁界発生器62の間に配置したが、縦バイアス磁界の強度を調整できれば、この構成に限定されるものではない。
縦バイアス磁界の大きさは、磁界センサ64からの信号Shbによって知る。なお、実際にはセンサ部61の両端61a、61bには電流供給源(図示せず)が接続される。また、負荷となる外部磁界は、縦バイアス磁界の方向に対して直角方向から印加される。
また、センサ部61は1対で用意し(センサ部62)、2つのセンサ部の差分で出力としてもよい。図15(b)には大まかな構成を示す。第1センサ部61と第2センサ部67の一方の端子は共通にされ、接地される。第1センサ部61と第2センサ部67の他端は、共に抵抗を介してまとめられる。まとめられた部分と接地端が差動アンプ25の入力端となる。また第1センサ部61と第2センサ部67の他端はそれぞれ図示しない電流源に繋がれる。負荷となる外部磁界は、縦バイアス磁界に対して直角方向から印加される。
図16(a)には、センサ部61の縦バイアス磁界違いの磁気抵抗効果を測定した結果を示す。横軸は外部磁界(Oe)である。符号がマイナスになっている部分はセンサ部61への印加磁界方向が逆向きになっていることを表している。また、第1センサ部61の横バイアス磁界付加手段13と逆方向に横バイアス磁界が印加された第2センサ部67の磁気抵抗効果の測定値も示す。これらは特性曲線の山谷が外部磁界ゼロの軸に対して逆になっている。磁気抵抗効果の外部磁界がゼロの点における傾きが抵抗値感度である。
図16(b)は、図16(a)の第1センサ部61と第2センサ部67の抵抗値を外部磁界毎に引き算をした結果である。これは差分抵抗値である。つまり、第1センサ部61と第2センサ部67の抵抗値が差分されるように用いることで、図16(b)に印加電圧を乗じた出力電圧を得ることができる。
差分抵抗値の外部磁界がゼロにおける傾きは差分抵抗値感度である。図16(b)からわかるように、縦バイアス磁界が大きくなると、リニアな領域は増えるものの、抵抗値感度は減少する。言い換えると、図16(b)では特性曲線の外部磁界ゼロにおける傾きが小さくなる。
図17には、横軸に縦バイアス磁界の大きさ(Oe)、縦軸は差分抵抗値感度(Ω/Oe)の実測値を示す。縦バイアス磁界が大きくなると、差分抵抗値感度は、指数関数的に減少する。つまり、磁気センサ素子の温度が上昇し、出力電圧が低下したら、縦バイアス磁界を減少させることで、差分抵抗値感度が上昇し、出力は増大する。磁気抵抗効果の出力低下分と、縦バイアス磁界の減少による差分抵抗値感度の上昇をキャンセルさせることで、温度補償が可能になる。以下に詳細を説明する。
図9(b)でも示したように、磁気抵抗効果の抵抗値感度は温度に対してほぼ直線的に減少する。したがって、センサ部61の抵抗値感度cは温度の関数として(44)式のように表される。
Figure 2014208105
ここで、センサ部61の温度がt+Δtに変化したときに、センサ部61の感度は(45)式のように表される。なお、センサ部61の感度とは、抵抗値感度と考えてもよい。
Figure 2014208105
すなわち、温度がtからt+Δtに変化したときの、センサ部61の抵抗値感度の倍率αは(46)式のように表される。
Figure 2014208105
次にセンサ部61の抵抗値感度は、縦バイアス磁界Hbに対して指数関数的に変化するので、(47)式のように表される。
Figure 2014208105
、A、βは実験値から得られる値である。
ここで、縦バイアス磁界がHb+ΔHbに変化したとすると、センサ部61の抵抗値感度は、(48)式のようになる。
Figure 2014208105
したがって、縦バイアス磁界がHからHb+ΔHbに変化した場合、抵抗値感度αは(49)式のように表される。
Figure 2014208105
以上のことから、温度が変化することによる感度の変化を縦バイアス磁界で補償しようとすると、以下の(50)式の条件を満たす必要がある。
Figure 2014208105
(50)式に(46)式、(49)式を代入して変形する。
Figure 2014208105
(51)式は、温度がtからt+Δtになった時に、縦バイアス磁界をどれくらい変化させればよいかを示している。
なお、図17で示したように、縦バイアス磁界が変化すると、差分抵抗値感度は指数関数的に変化する。したがって、縦バイアス磁界の大きさで、温度特性の補償の程度も変わることが考えられる。事実、図16の測定値を有する第1センサ部61と第2センサ部67の差分抵抗値感度の温度特性を測定すると、縦バイアス磁界の大きさで、差分抵抗値感度が異なる。
図18にその測定結果を示す。図18(a)は、縦バイアス磁界が25Oeの場合、図18(b)は、40Oe、図18(c)は、55Oe、図18(d)は70Oeの場合の、差分抵抗値感度である。縦バイアス磁界が大きくなるに従い、切片および傾きが小さくなっている。
図18の(a)乃至(d)毎に、(44)式の傾きa、および切片bを求める。なお、c、A、βについては、図17の測定値から係数を読み取る。縦バイアス磁界と差分抵抗値感度との関係も厳密には温度が変化すると変化する。しかし、指数関数は、縦バイアス磁界がゼロの時の感度が変化するが、その変化の程度は、変わらない。したがって、1つの温度における縦バイアス磁界と差分抵抗値感度の特性を測定し、c、A、βの係数を求めておけば、実用上は十分使える。
図19には、縦バイアス磁界が25、40、55Oeの場合の温度に対する縦バイアス磁界の補償のための磁界(51式のΔHb)を計算で求めた結果を示す。図19を参照して、図19(a)は縦バイアス磁界が25Oe、図19(b)は縦バイアス磁界が40Oe、図19(c)は縦バイアス磁界が55Oeの場合である。それぞれ横軸は温度(℃)であり、縦軸は補償のための磁界ΔHb(Oe)である。それぞれの縦バイアス磁界に加え、このΔHだけ縦バイアス磁界を変化させることで、出力の温度補償ができる。
図20には、図19(a)乃至(c)をまとめたグラフを示す。横軸は温度(℃)であり、縦軸は補償のために必要な磁界ΔHb(Oe)である。−40℃から140℃までの温度補償を行う場合でも、補正のために調節する磁界は14Oe程度である。また、縦バイアス磁界が大きくなると、補償のために必要なバイアス磁界の変化量は大きくなる。
図16と図17の特性を有するセンサ部を差動にして、縦バイアス磁界を40Oeとした場合の補償機能ありの場合とない場合の差分抵抗値感度を実測した結果を図21に示す。補償温度の範囲は、−7℃から118℃である。図21(a)は、横軸が温度(℃)で縦軸が差分抵抗値感度(Ω/Oe)である。補償しない場合(点線)と補償した場合(実線)では、明らかに実線の方が差分抵抗値感度が一定している。つまり、温度の影響を受けることなく、出力を安定して得ることができる。
図21(b)は、(51)式から求められた補償のための縦バイアス磁界の変化を示すグラフである。また丸印は、実際にその温度で行った縦バイアス磁界の変化である。(51)式から求めた補償のための直線に近い値で縦バイアス磁界を変化させたので、図21(a)のような温度補償された差分抵抗値感度を得ることができたと言える。
以上のように本実施の形態の磁気センサ素子は、温度の変化に伴って縦バイアス磁界の強度を変化させることで、出力の温度依存性を補償することができる。また、図15の磁気センサ素子60は、図3で示した電力測定装置6の磁気センサ素子10に置き換わって利用することができるのはもとより、出力電圧を増幅するアンプおよび電流源を持つことで、磁気センサ、電流測定装置、力率測定装置としても利用することができる。
なお、本実施の形態では、縦バイアス磁界発生器62を電磁石と磁界センサ64と制御器70で構成した。しかし、温度に対して(51)式に従う特性を有する永久磁石であってもよい。
本発明に係る磁気センサ素子は、小型で薄型に形成できるため、上記の電力測定装置だけでなく、力率計や電流計および電圧系にも応用することができ、モータ、電池等を含む電気を利用する機器のほぼすべてに利用が可能である。
1 回路
2 電源
3 金属A
4 金属B
5 出力端
6 電力測定装置
10 磁気センサ素子
11 センサ部
11a、11b 電極(計測端子)
12 磁性膜
12m 磁性膜
12j 接続部
12M 磁化
13 横バイアス磁界付加手段
13a 導体膜
20 補償用金属部
20a 開放端
22a、22b 接続端子
24 計測抵抗
25 差動アンプ
26 後処理手段
27 検出手段
30 出力端子
32 磁気センサ素子
33 調節用抵抗
34 補償抵抗
34r 抵抗
34s NTCサーミスタ
36 センサ部
38 電源
40 磁気センサ素子
40a 磁気センサ端子
40b 磁気センサ端子
41 第1センサ部
42 第2センサ部
43 第1ブリッジ抵抗
44 第2ブリッジ抵抗
45 第1補償抵抗
45r 抵抗
45s NTCサーミスタ
46 第2補償抵抗
46r 抵抗
46s NTCサーミスタ
47 接続点
48 接続点
50 磁気センサ素子
50a、50b 磁気センサ端子
51 第1ブリッジ抵抗
52 第2ブリッジ抵抗
60 磁気センサ素子
61 センサ部
61 第1センサ部
67 第2センサ部
62 縦バイアス磁界発生器
63 バッテリ
64 磁界センサ
65 温度計
66 電流調整器
70 制御器
91 電源
92 負荷
93a 電線

Claims (12)

  1. 磁気抵抗効果を有する磁性体と、
    温度補償用金属および抵抗が並列接続された部分を含む補償抵抗が、
    直列に接続されたことを特徴とする磁気センサ素子。
  2. 前記補償抵抗に直列にさらに抵抗が接続されたことを特徴とする請求項1に記載された磁気センサ素子。
  3. 抵抗と温度補償用金属が並列接続される部分を有する第1補償抵抗と
    磁気抵抗効果を有する磁性体を有する第1センサ部とが直列に接続され、
    抵抗と温度補償用金属が並列接続される部分を有する第2補償抵抗と
    磁気抵抗効果を有する磁性体を有する第2センサ部とが直列に接続され、
    前記第1補償抵抗と前記第2補償抵抗の端子同士が接続され、
    前記第1センサ部と前記第2センサ部の端子同士が接続され、
    前記再1センサ部と前記第2センサ部の横バイアス付加手段の方向が逆であることを特徴とする磁気センサ素子。
  4. 前記第1補償抵抗と直列に接続された第1ブリッジ抵抗と、
    前記第2補償抵抗と直列に接続された第2ブリッジ抵抗をさらに有することを特徴とする請求項3に記載された磁気センサ。
  5. 前記第1センサ部と前記第2センサ部の抵抗値−温度特性を直線近似した場合の傾きと切片をそれぞれa、bとし、
    前記第1センサ部と前記第2センサ部の差分抵抗値感度を直線近似した場合の傾きと切片をそれぞれa、bとし、
    最大補償温度をtとし、αを1として(38)式でkを求め、
    2α/(1+α)の1≦α≦4の範囲でαを直線に近似した時の傾きと切片をそれぞれkおよびkとした時に、(42)式で表されるα(t)に前記第1センサ部の抵抗値を乗じた温度依存性の曲線の10%の範囲に、前記第1補償抵抗と前記ブリッジ抵抗の合成抵抗が含まれるように調節したことを特徴とする請求項3または4の何れかの請求項に記載された磁気センサ素子。
    Figure 2014208105
    Figure 2014208105
  6. 前記温度補償用金属はNTCサーミスタであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1の請求項に記載された磁気センサ素子。
  7. 磁気抵抗効果を有する磁性体と
    前記磁性体に電流を流すために前記磁性体を介して対向した一対の電極と、
    前記電極の対向方向の
    直角方向にバイアス磁界を発生させる横バイアス磁界付加手段と、
    両端に電極を有し、一端の電極が前記一対の電極の他端に直列に接続された温度補償用金属とを有し、
    前記一対の電極間の基準温度時の抵抗値をRB0とし、前記温度補償用金属の電極間の基準温度時の抵抗をRA0とする時に、(9)式の関係に対して10%以内の範囲に含まれることを特徴とする温度補償付磁気センサ素子。
    Figure 2014208105
    ここで、αは温度補償用金属の電気抵抗に係る温度係数、αは磁性体の電気抵抗に係る温度係数、βは、基準温度における磁気抵抗効果の値、βは、磁気抵抗効果に係る温度係数、tは基準温度からの変化温度、ΔVMRは磁気抵抗効果によって磁性体の両端から得られる出力電圧、Hは外部からの印加磁界、Vは磁性体に印加される電圧
  8. 前記横バイアス磁界付加手段は前記磁性体の表面に設けられた導電体により構成させることを特徴とする請求項7に記載された温度補償付磁気センサ素子。
  9. 磁界を検出する磁気センサであって、
    請求項1または2のいずれかの温度補償付磁気センサ素子と、
    前記温度補償付磁気センサ素子の両端電極間に電流を流す電流源と、
    前記温度補償付磁気センサ素子の前記両端電極間の電圧を計測する電圧計を有することを特徴とする磁気センサ。
  10. 電源と負荷が接続線によって接続された回路において前記負荷で消費される電力を計測する電力系であって、
    前記接続線に隣接配置される請求項7または8のいずれかの温度補償付磁気センサ素子と、
    前記温度補償付磁気センサ素子の両端電圧を計測する電圧計と、
    前記温度補償付磁気センサ素子の一端に一端が接続されたセンサ抵抗と、
    前記電源に対して前記負荷と並列に接続するために、前記温度補償付磁気センサ素子の他端に設けられた第1の接続端子と、前記センサ抵抗の他端に設けられた第2の接続端子を有することを特徴とする電力測定装置。
  11. 磁気抵抗効果を有する磁性体と、
    前記磁性体に縦バイアス磁界を印加する縦バイアス磁界発生器とを有し、
    前記磁性体の温度が上昇した際に前記縦バイアス磁界の強度が下がり、
    前記磁性体の温度が下降した際に前記縦バイアス磁界の強度が上がることを特徴とする磁気センサ素子。
  12. 前記磁性体に対して縦バイアス磁界の強度と抵抗値感度の関係を(47)式の指数関数で近似した場合の定数をc、A、βとし、
    特定の縦バイアス磁界の時の温度と抵抗値感度の関係を直線で近似したときの傾きと切片をそれぞれaおよびbとし、
    基準となる温度tからΔt℃温度が変化した際に、(51)式で表される縦バイアス磁界の変化(ΔHb)に対して10%以内の縦バイアス磁界を印加することを特徴とする請求項11に記載された磁気センサ素子。
    Figure 2014208105
    Figure 2014208105
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