JPH11222649A - 靭性,耐摩耗性に優れた金属部材及びその製造方法 - Google Patents

靭性,耐摩耗性に優れた金属部材及びその製造方法

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JPH11222649A
JPH11222649A JP3801598A JP3801598A JPH11222649A JP H11222649 A JPH11222649 A JP H11222649A JP 3801598 A JP3801598 A JP 3801598A JP 3801598 A JP3801598 A JP 3801598A JP H11222649 A JPH11222649 A JP H11222649A
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公亜 矢野
Keiichi Hayashida
敬一 林田
Katsuya Nakamura
活也 中村
Taiji Nishizawa
泰二 西沢
Kiyohito Ishida
清仁 石田
Masahiro Machida
正弘 町田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細で硬質な炭化物が均一に分布し、靭性,
耐摩耗性に優れた金属部材及びその製造方法を提供する
ことにある。 【解決手段】 重量%で、C:0.30%以下、Si:
0.50%以下、Mn:0.50%以下、Mo又はWの
一種又は二種をWeq=2Mo+WとしてWeq:1
0.0〜24.0%、V:2.0〜10.0%、残部が
Feと不可避の不純物からなることを特徴とする鋼で形
成した厚さ5mm以下の薄板もしくは径6mm以下の細
線であって、浸炭もしくは浸炭窒化後の浸炭層もしくは
浸炭窒化層中に最大粒径5μm未満のMCおよびM6
型炭化物もしくはMCNおよびM6 CN型炭窒化物を有
しており、通常の熱処理もしくは浸炭焼入後のマトリッ
クス組織がマルテンサイトであることを特徴とする靭
性,耐摩耗性に優れた金属部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、靭性と耐摩耗性に
優れた金属部材、更に詳しくは、細線や薄板の形状で使
用される切削工具,刃物或いは耐磨耗部品等に利用して
最適な金属部材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高速度鋼など耐磨耗用材料として用いら
れる金属材料のほとんどは、マトリックス硬度が高い上
に塑性をほとんど有しない硬質の炭化物を含有してい
る。特に溶製材の場合、その凝固過程で巨大一次炭化物
が生成される。そして、この巨大炭化物は、その後の熱
間加工,冷間加工でも破壊しきれずに残存するため、細
線や薄板形状の工具では破壊の応力集中源として大きく
作用し、使用中に欠けや折損を引き起こす、といった問
題点がある。
【0003】そこで、上記のような巨大炭化物の生成を
なくするため、粉末冶金法による高速度鋼の製造もなさ
れているが、高コストとなるといった問題点がある。ま
た、特開昭62−142019号公報には、0.5%以
上のCを含有する高炭素合金において、所望する素材よ
りCを0.2〜0.5%低減し、線径2.0mm以下ま
で伸線した後に浸炭することで、伸線加工時の生産性を
向上させる技術が開示されている。
【0004】しかし、前記特開昭62−142019号
公報に記載の発明では、合金成分のバランスによって
は、ガス浸炭によって伸線の内部まで均一に浸炭でき
ず、工業上製造することが困難であり、また所望する素
材鋼が高炭素合金の場合は伸線時にも多量のCが含まれ
ていることになるため、飛躍的な生産性の向上は期待す
ることができない、といった問題点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
従来の問題点を解消するために成されたもので、鋼の成
分バランスを限定することにより、高い製造効率で、硬
質な炭化物が微細かつ均一に分布した優れた靭性と耐磨
耗性を有する金属部材を提供することを目的としたもの
であり、その要旨は、重量%で、C:0.30%以下、
Si:0.50%以下、Mn:0.50%以下、Mo又
はWの一種又は二種をWeq=2Mo+WとしてWe
q:10.0〜24.0%、V:2.0〜10.0%、
残部がFeと不可避の不純物からなることを特徴とする
鋼で形成した厚さ5mm以下の薄板もしくは径6mm以
下の細線であって、浸炭もしくは浸炭窒化後の浸炭層も
しくは浸炭窒化層中に最大粒径5μm未満のMCおよび
6 C型炭化物もしくはMCNおよびM6 CN型炭窒化
物を有しており、通常の熱処理もしくは浸炭焼入後のマ
トリックス組織がマルテンサイトであることを特徴とす
る靭性,耐摩耗性に優れた金属部材、及び重量%で、
C:0.30%以下、Si:0.50%以下、Mn:
0.50%以下、Mo又はWの一種又は二種をWeq=
2Mo+WとしてWeq:10.0〜24.0%、V:
2.0〜10.0%、残部がFeと不可避の不純物から
なることを特徴とする鋼を加工して厚さ5mm以下の薄
板もしくは径6mm以下の細線を形成した後、浸炭法も
しくは浸炭窒化法により処理し、該浸炭もしくは浸炭窒
化処理により形成した浸炭層中にCを0.8%以上含有
せしめるとゝもに、最大粒径5μm未満のMCおよびM
6 C型炭化物もしくはMCNおよびM6 CN型炭窒化物
を析出せしめ、通常の熱処理もしくは浸炭焼入によりマ
トリックス組織をマルテンサイトに形成することを特徴
とする靭性,耐摩耗性に優れた金属部材の製造方法にあ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により詳細
に説明するに、本発明は、靭性と耐摩耗性に優れた合金
鋼の薄板もしくは細線を製造するにあたり、低Cの合金
鋼を、通常行われる熱間加工,冷間加工により厚さ5m
m以下の薄板もしくは径6mm以下の細線まで加工した
後、これを浸炭もしくは浸炭窒化により外部からCを添
加することで、内部まで微細で均一なMC又はM6 C型
炭化物もしくはMCN又はM6CN型炭窒化物を生成せ
しめ、通常行われる熱処理もしくは浸炭焼入によりマト
リックスをマルテンサイトに変態せしめて所望の靭性と
硬さの特性を備えた金属部材を得るものである。
【0007】具体的には、靭性の向上を目的とした微細
炭化物の形成を図るため、溶製時の素材は凝固過程での
巨大一次炭化物の生成しない低C鋼とし、この低C鋼を
所望する最終形状まで加工する。これらの熱間加工及び
冷間加工時には、素材鋼中にCが殆ど含まれないことか
らマトリックスの延性・伸性が高く、また破断の起点と
なる巨大炭化物の生成もないので加工性に優れ、高能率
高歩留での製造が可能となる。さらには、熱間加工後に
徐冷や焼なましを実施しなくとも、マトリックス硬度が
低いため冷間加工や切削加工がそのまま実施でき、焼な
ましを省略できるため、製造時の工期短縮及び省エネル
ギー化とコストダウンが可能となる。
【0008】低C鋼を所望する最終形状、すなわち浸炭
層もしくは浸炭窒化層を形成することができる厚さ5m
m以下の薄板もしくは径6mm以下の細線まで加工した
後、浸炭もしくは浸炭窒化によりCを付与することで、
浸炭層もしくは浸炭窒化層中に微細で均一な炭化物もし
くは炭窒化物を含有せしめるものである。ここで、この
炭化物もしくは炭窒化物は、高硬度を有するM6 C,M
6 CN型およびMC,MCN型炭化物が好ましく、前記
低C鋼にはこれらの炭化物および炭窒化物を形成するM
o,W,Vなどの合金を含んでいる。
【0009】また、耐摩耗性を維持するため、マトリッ
クス組織は、通常の熱処理もしくは浸炭焼入により高硬
度を維持するマルテンサイトを形成させる。これには浸
炭温度下でマトリックスがオーステナイトに変態すると
Cの拡散が阻害されて浸炭されにくくなるため、浸炭時
のマトリックスはフェライトを形成し、浸炭焼入もしく
は浸炭後の熱処理でオーステナイト変態、冷却でマルテ
ンサイトに変態させなければならない。
【0010】これらの浸炭および浸炭窒化処理は、固
体,液体,ガス(浸炭性ガス雰囲気中で浸炭する真空浸
炭,プラズマ浸炭等を含む)いずれの方法においても実
施可能であるが、金属部材の表面性状を良好に保ち、仕
上げ加工での研磨代を少なく、且つコスト的にも安くす
るにはガス浸炭が好ましい。本発明者らは、通常行われ
る肌焼鋼の浸炭処理条件で深い硬化層が得られる成分系
を見出し、工業上での製造を容易とした。
【0011】つぎに、素材鋼の成分について以下説明す
るに、Cの含有量が重量%(以下、同じ)で0.3%以
下の低C鋼とする。浸炭温度下でマトリックス組織がオ
ーステナイトに変態するとCの拡散が阻害されて内部ま
で浸炭されにくくなるため、Cは浸炭温度下でマトリッ
クスがフェライトを形成する範囲内でなければならな
い。さらに、Cを0.3%より多く含有すると凝固過程
で巨大な一次炭化物を生成し、マトリックス強度も高く
なるため冷間加工性を阻害する。また巨大炭化物の存在
が最終製品の靭性をも低下させるため上限を0.30%
とする。
【0012】また、Siの含有量は0.5%以下とす
る。このSiは脱酸剤として使用するものであるが、S
iが少なすぎると製造上精錬が困難となる。しかしなが
ら、多量に入れ過ぎると靭性が低下するため工業上0.
5%以下とする。そして、Mnの含有量も0.5%以下
とする。このMnもまた、脱酸,脱硫剤として添加する
のであるが、多量に入れ過ぎると靭性が低下するため、
0.5%以下とする。
【0013】2Mo+Wの含有量は10.0〜24.0
%の範囲内とする。Mo及びWは浸炭および浸炭窒化に
よりM6 C型の複炭化物およびM6 CN型炭窒化物をそ
れぞれ形成するとゝもに、二次硬化により熱処理硬さを
高めて耐摩耗性に寄与する。重量%でMo1%はW2%
と等価であり、W当量(Weq=2Mo+W)として表
される。Weqは少なくとも10.0%以上添加させる
必要があるが、高硬度を得るにはWeqに比例して浸炭
時のC濃度を高くする必要があり、ガス浸炭やガス浸炭
窒化では高硬さが得にくくなるため、上限を24%とす
る。
【0014】更に、Vの含有量は2.0%〜10.0%
の範囲内とする。Vは浸炭および浸炭窒化により非常に
硬度の高いMC型炭化物およびMCN型炭窒化物を形成
するとゝもに、二次硬化により熱処理硬さを高めて耐摩
耗性に寄与する。これらの効果を得るには少なくとも
2.0%含有させる必要があるが、V量に比例してフェ
ライト層が残存しやすくなるため浸炭時のC濃度を高く
する必要があり、ガス浸炭やガス浸炭窒化では高硬度が
得にくくなる上、生成する炭化物も粗大化しやすく靭性
を阻害するため上限を10.0%とする。
【0015】Crの含有量は2.0%以下とする。Cr
はCと結合して複炭化物を形成し、耐摩耗性に寄与す
る。しかしながら、Cr量に比例して炭化層の硬さが低
下し、多量に添加するとかえって耐摩耗性を低下させる
ため、上限を2%とする。またCoの含有量は0.1〜
5.0%の範囲内とする。Coはマトリックス硬さと耐
熱性の向上に寄与する。しかしながら、添加しすぎると
靭性を阻害するため、上限を5.0%とする。
【0016】そして更に、Ti,Nb,Zrの各含有量
は0.01〜0.1%とする。これらの元素は浸炭およ
び浸炭窒化によりいずれもMC,MCN型の微細な炭化
物および炭窒化物を形成し、安定で成長しにくいため結
晶粒を微細化し、靭性の向上に寄与する。一方これらは
添加しすぎると金属間化合物を形成し、かえって靭性を
阻害するため上限を0.1%とする。
【0017】
【実施例】表1に本発明鋼の代表例(NO.1乃至N
O.4)と比較鋼(NO.5乃至NO.8)の化学成分
を示す。
【0018】
【表1】
【0019】これらNO.1〜NO.8の各成分鋼を溶
製し、造塊後インゴットを鍛造、径5.5mmの線材に
圧延した。つぎに、これらの各線材を径2.0mmまで
引き抜加工し、940℃のCポテンシャルCp=1.2
の雰囲気中でガス浸炭を実施し、1200℃で焼入れ、
600℃で2回焼戻しを実施した。
【0020】図1に前記各線材の断面硬さの測定結果を
示す。本発明鋼で形成した径2.0mmの各線材にあっ
ては、その内部まで均一な硬さが付与されている。
【0021】さらに、当該各線材の強度と靭性の評価を
行うため、引張試験,抗折試験をそれぞれ実施した。強
度を表す引張強度、靭性を表す抗折力及び試験片の硬さ
を表2に示す。本発明鋼で形成した線材は、従来の溶解
ハイスであるSKH51や、粉末ハイスと比較して遜色
ない耐摩耗性と、優れた靭性を有することが認められ
る。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明は、上記のような構成であるか
ら、(1)マトリックスの延性,伸性が高い低C鋼を用
いることにより加工性が良好となり、また熱間加工後の
徐冷や焼なましが省略できることから製造効率の向上、
低コストでの製造が可能となる。(2)合金鋼の成分バ
ランスを限定し、浸炭もしくは浸炭窒化後に微細で硬質
な炭化物を金属部材の内部まで均一に分布させ、マトリ
ックス自体もマルテンサイト組織を形成することによ
り、優れた靭性と耐摩耗性を有する金属部材の製造が可
能となる。(3)固体,液体,真空,プラズマ等による
浸炭および浸炭窒化はもちろんのこと、肌焼鋼などに対
して一般的に行われているガス浸炭,ガス浸炭窒化も可
能であり、工業的に量産が可能となる、といった諸効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明鋼と比較鋼で夫々形成した線材の断面硬
さの測定結果を示す図である。
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 靭性,耐摩耗性に優れた金属部材及び
その製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、靭性と耐摩耗性に
優れた金属部材、更に詳しくは、細線や薄板の形状で使
用される切削工具,刃物或いは耐磨耗部品等に利用して
最適な金属部材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高速度鋼など耐磨耗用材料として用いら
れる金属材料のほとんどは、マトリックス硬度が高い上
に塑性をほとんど有しない硬質の炭化物を含有してい
る。特に溶製材の場合、その凝固過程で巨大一次炭化物
が生成される。そして、この巨大炭化物は、その後の熱
間加工,冷間加工でも破壊しきれずに残存するため、細
線や薄板形状の工具では破壊の応力集中源として大きく
作用し、使用中に欠けや折損を引き起こす、といった問
題点がある。
【0003】そこで、上記のような巨大炭化物の生成を
なくするため、粉末冶金法による高速度鋼の製造もなさ
れているが、高コストとなるといった問題点がある。ま
た、特開昭62−142019号公報には、0.5%以
上のCを含有する高炭素合金において、所望する素材よ
りCを0.2〜0.5%低減し、線径2.0mm以下ま
で伸線した後に浸炭することで、伸線加工時の生産性を
向上させる技術が開示されている。
【0004】しかし、前記特開昭62−142019号
公報に記載の発明では、合金成分のバランスによって
は、ガス浸炭によって伸線の内部まで均一に浸炭でき
ず、工業上製造することが困難であり、また所望する素
材鋼が高炭素合金の場合は伸線時にも多量のCが含まれ
ていることになるため、飛躍的な生産性の向上は期待す
ることができない、といった問題点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
従来の問題点を解消するために成されたもので、鋼の成
分バランスを限定することにより、高い製造効率で、硬
質な炭化物が微細かつ均一に分布した優れた靭性と耐磨
耗性を有する金属部材を提供することを目的としたもの
であり、その要旨は、重量%で、C:0.30%以下、
Si:0.50%以下、Mn:0.50%以下、Mo又
はWの一種又は二種をWeq=2Mo+WとしてWe
q:10.0〜24.0%、V:2.0〜10.0%、
残部がFeと不可避の不純物からなることを特徴とする
鋼で形成した厚さ5mm以下の薄板もしくは径6mm以
下の細線であって、浸炭もしくは浸炭窒化後の浸炭層も
しくは浸炭窒化層中に最大粒径5μm未満のMCおよび
C型炭化物もしくはMCNおよびMCN型炭窒化
物を有しており、通常の熱処理もしくは浸炭焼入後のマ
トリックス組織がマルテンサイトであることを特徴とす
る靭性,耐摩耗性に優れた金属部材、及び重量%で、
C:0.30%以下、Si:0.50%以下、Mn:
0.50%以下、Mo又はWの一種又は二種をWeq=
2Mo+WとしてWeq:10.0〜24.0%、V:
2.0〜10.0%、残部がFeと不可避の不純物から
なることを特徴とする鋼を加工して厚さ5mm以下の薄
板もしくは径6mm以下の細線を形成した後、浸炭法も
しくは浸炭窒化法により処理し、該浸炭もしくは浸炭窒
化処理により形成した浸炭層中にCを0.8%以上含有
せしめるとゝもに、最大粒径5μm未満のMCおよびM
C型炭化物もしくはMCNおよびMCN型炭窒化物
を析出せしめ、通常の熱処理もしくは浸炭焼入によりマ
トリックス組織をマルテンサイトに形成することを特徴
とする靭性,耐摩耗性に優れた金属部材の製造方法にあ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により詳細
に説明するに、本発明は、靭性と耐摩耗性に優れた合金
鋼の薄板もしくは細線を製造するにあたり、低Cの合金
鋼を、通常行われる熱間加工,冷間加工により厚さ5m
m以下の薄板もしくは径6mm以下の細線まで加工した
後、これを浸炭もしくは浸炭窒化により外部からCを添
加することで、内部まで微細で均一なMC又はMC型
炭化物もしくはMCN又はMCN型炭窒化物を生成せ
しめ、通常行われる熱処理もしくは浸炭焼入によりマト
リックスをマルテンサイトに変態せしめて所望の靭性と
硬さの特性を備えた金属部材を得るものである。
【0007】具体的には、靭性の向上を目的とした微細
炭化物の形成を図るため、溶製時の素材は凝固過程での
巨大一次炭化物の生成しない低C鋼とし、この低C鋼を
所望する最終形状まで加工する。これらの熱間加工及び
冷間加工時には、素材鋼中にCが殆ど含まれないことか
らマトリックスの延性・伸性が高く、また破断の起点と
なる巨大炭化物の生成もないので加工性に優れ、高能率
高歩留での製造が可能となる。さらには、熱間加工後に
徐冷や焼なましを実施しなくとも、マトリックス硬度が
低いため冷間加工や切削加工がそのまま実施でき、焼な
ましを省略できるため、製造時の工期短縮及び省エネル
ギー化とコストダウンが可能となる。
【0008】低C鋼を所望する最終形状、すなわち浸炭
層もしくは浸炭窒化層を形成することができる厚さ5m
m以下の薄板もしくは径6mm以下の細線まで加工した
後、浸炭もしくは浸炭窒化によりCを付与することで、
浸炭層もしくは浸炭窒化層中に微細で均一な炭化物もし
くは炭窒化物を含有せしめるものである。ここで、この
炭化物もしくは炭窒化物は、高硬度を有するMC,M
CN型およびMC,MCN型炭化物が好ましく、前記
低C鋼にはこれらの炭化物および炭窒化物を形成するM
o,W,Vなどの合金を含んでいる。
【0009】また、耐摩耗性を維持するため、マトリッ
クス組織は、通常の熱処理もしくは浸炭焼入により高硬
度を維持するマルテンサイトを形成させる。これには浸
炭温度下でマトリックスがオーステナイトに変態すると
Cの拡散が阻害されて浸炭されにくくなるため、浸炭時
のマトリックスはフェライトを形成し、浸炭焼入もしく
は浸炭後の熱処理でオーステナイト変態、冷却でマルテ
ンサイトに変態させなければならない。
【0010】これらの浸炭および浸炭窒化処理は、固
体,液体,ガス(浸炭性ガス雰囲気中で浸炭する真空浸
炭,プラズマ浸炭等を含む)いずれの方法においても実
施可能であるが、金属部材の表面性状を良好に保ち、仕
上げ加工での研磨代を少なく、且つコスト的にも安くす
るにはガス浸炭が好ましい。本発明者らは、通常行われ
る肌焼鋼の浸炭処理条件で深い硬化層が得られる成分系
を見出し、工業上での製造を容易とした。
【0011】つぎに、素材鋼の成分について以下説明す
るに、Cの含有量が重量%(以下、同じ)で0.3%以
下の低C鋼とする。浸炭温度下でマトリックス組織がオ
ーステナイトに変態するとCの拡散が阻害されて内部ま
で浸炭されにくくなるため、Cは浸炭温度下でマトリッ
クスがフェライトを形成する範囲内でなければならな
い。さらに、Cを0.3%より多く含有すると凝固過程
で巨大な一次炭化物を生成し、マトリックス強度も高く
なるため冷間加工性を阻害する。また巨大炭化物の存在
が最終製品の靭性をも低下させるため上限を0.30%
とする。
【0012】また、Siの含有量は0.5%以下とす
る。このSiは脱酸剤として使用するものであるが、S
iが少なすぎると製造上精錬が困難となる。しかしなが
ら、多量に入れ過ぎると靭性が低下するため工業上0.
5%以下とする。そして、Mnの含有量も0.5%以下
とする。このMnもまた、脱酸,脱硫剤として添加する
のであるが、多量に入れ過ぎると靭性が低下するため、
0.5%以下とする。
【0013】2Mo+Wの含有量は10.0〜24.0
%の範囲内とする。Mo及びWは浸炭および浸炭窒化に
よりMC型の複炭化物およびMCN型炭窒化物をそ
れぞれ形成するとゝもに、二次硬化により熱処理硬さを
高めて耐摩耗性に寄与する。重量%でMo1%はW2%
と等価であり、W当量(Weq=2Mo+W)として表
される。Weqは少なくとも10.0%以上添加させる
必要があるが、高硬度を得るにはWeqに比例して浸炭
時のC濃度を高くする必要があり、ガス浸炭やガス浸炭
窒化では高硬さが得にくくなるため、上限を24%とす
る。
【0014】更に、Vの含有量は2.0%〜10.0%
の範囲内とする。Vは浸炭および浸炭窒化により非常に
硬度の高いMC型炭化物およびMCN型炭窒化物を形成
するとゝもに、二次硬化により熱処理硬さを高めて耐摩
耗性に寄与する。これらの効果を得るには少なくとも
2.0%含有させる必要があるが、V量に比例してフェ
ライト層が残存しやすくなるため浸炭時のC濃度を高く
する必要があり、ガス浸炭やガス浸炭窒化では高硬度が
得にくくなる上、生成する炭化物も粗大化しやすく靭性
を阻害するため上限を10.0%とする。
【0015】Crの含有量は2.0%以下とする。Cr
はCと結合して複炭化物を形成し、耐摩耗性に寄与す
る。しかしながら、Cr量に比例して炭化層の硬さが低
下し、多量に添加するとかえって耐摩耗性を低下させる
ため、上限を2%とする。またCoの含有量は0.1〜
5.0%の範囲内とする。Coはマトリックス硬さと耐
熱性の向上に寄与する。しかしながら、添加しすぎると
靭性を阻害するため、上限を5.0%とする。
【0016】そして更に、Ti,Nb,Zrの各含有量
は0.01〜0.1%とする。これらの元素は浸炭およ
び浸炭窒化によりいずれもMC,MCN型の微細な炭化
物および炭窒化物を形成し、安定で成長しにくいため結
晶粒を微細化し、靭性の向上に寄与する。一方これらは
添加しすぎると金属間化合物を形成し、かえって靭性を
阻害するため上限を0.1%とする。
【0017】
【実施例】表1に本発明鋼の代表例(NO.1乃至N
O.4)と比較鋼(NO.5乃至NO.8)の化学成分
を示す。
【0018】
【表 1】
【0019】これらNO.1〜NO.8の各成分鋼を溶
製し、造塊後インゴットを鍛造、径5.5mmの線材に
圧延した。つぎに、これらの各線材を径2.0mmまで
引き抜加工し、940℃のCポテンシャルCp=1.2
の雰囲気中でガス浸炭を実施し、1200℃で焼入れ、
600℃で2回焼戻しを実施した。
【0020】図1に前記各線材の断面硬さの測定結果を
示す。本発明鋼で形成した径2.0mmの各線材にあっ
ては、その内部まで均一な硬さが付与されている。
【0021】さらに、当該各線材の強度と靭性の評価を
行うため、引張試験,抗折試験をそれぞれ実施した。強
度を表す引張強度、靭性を表す抗折力及び試験片の硬さ
を表2に示す。本発明鋼で形成した線材は、従来の溶解
ハイスであるSKH51や、粉末ハイスと比較して遜色
ない耐摩耗性と、優れた靭性を有することが認められ
る。
【0022】
【表 2】
【0023】
【発明の効果】本発明は、上記のような構成であるか
ら、(1)マトリックスの延性,伸性が高い低C鋼を用
いることにより加工性が良好となり、また熱間加工後の
徐冷や焼なましが省略できることから製造効率の向上、
低コストでの製造が可能となる。(2)合金鋼の成分バ
ランスを限定し、浸炭もしくは浸炭窒化後に微細で硬質
な炭化物を金属部材の内部まで均一に分布させ、マトリ
ックス自体もマルテンサイト組織を形成することによ
り、優れた靭性と耐摩耗性を有する金属部材の製造が可
能となる。(3)固体,液体,真空,プラズマ等による
浸炭および浸炭窒化はもちろんのこと、肌焼鋼などに対
して一般的に行われているガス浸炭,ガス浸炭窒化も可
能であり、工業的に量産が可能となる、といった諸効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明鋼と比較鋼で夫々形成した線材の断面硬
さの測定結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23C 8/32 C23C 8/32 (72)発明者 中村 活也 富山県新湊市八幡町3丁目10番15号 日本 高周波鋼業株式会社富山製造所内 (72)発明者 西沢 泰二 宮城県仙台市太白区茂ケ崎1−1−65 (72)発明者 石田 清仁 宮城県仙台市青葉区上杉3−5−20 (72)発明者 町田 正弘 兵庫県明石市魚住町金ケ崎字西大池179− 1 神鋼コベルコツール株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.30%以下、Si:
    0.50%以下、Mn:0.50%以下、Mo又はWの
    一種又は二種をWeq=2Mo+WとしてWeq:1
    0.0〜24.0%、V:2.0〜10.0%、残部が
    Feと不可避の不純物からなることを特徴とする鋼で形
    成した厚さ5mm以下の薄板もしくは径6mm以下の細
    線であって、浸炭後の浸炭層中に最大粒径5μm未満の
    MCおよびM6 C型炭化物を有しており、通常の熱処理
    もしくは浸炭焼入後のマトリックス組織がマルテンサイ
    トであることを特徴とする靭性,耐摩耗性に優れた金属
    部材。
  2. 【請求項2】 Feの一部を、Cr:2.0%以下、C
    o:0.1〜5.0%の一種又は二種と置換した組成と
    したことを特徴とする請求項1記載の靭性,耐摩耗性に
    優れた金属部材。
  3. 【請求項3】 Feの一部を、Ti:0.01〜0.1
    %、Nb:0.01〜0.1%、Zr:0.01〜0.
    1%のうちの一種又は二種以上と置換した組成としたこ
    とを特徴とする請求項1記載の靭性,耐摩耗性に優れた
    金属部材。
  4. 【請求項4】 Feの一部を、Cr:2.0%以下、C
    o:0.1〜5.0%の一種又は二種、およびTi:
    0.01〜0.1%、Nb:0.01〜0.1%、Z
    r:0.01〜0.1%のうちの一種又は二種以上と置
    換した組成としたことを特徴とする請求項1記載の靭
    性,耐摩耗性に優れた金属部材。
  5. 【請求項5】 重量%で、C:0.30%以下、Si:
    0.50%以下、Mn:0.50%以下、Mo又はWの
    一種又は二種をWeq=2Mo+WとしてWeq:1
    0.0〜24.0%、V:2.0〜10.0%、残部が
    Feと不可避の不純物からなることを特徴とする鋼で形
    成した厚さ5mm以下の薄板もしくは径6mm以下の細
    線であって、浸炭窒化後の浸炭層中に最大粒径5μm未
    満のMCNおよびM6 CN型炭窒化物を有しており、通
    常の熱処理もしくは浸炭焼入後のマトリックス組織がマ
    ルテンサイトであることを特徴とする靭性,耐摩耗性に
    優れた金属部材。
  6. 【請求項6】 Feの一部を、Cr:2.0%以下、C
    o:0.1〜5.0%の一種又は二種と置換した組成と
    したことを特徴とする請求項5記載の靭性,耐摩耗性に
    優れた金属部材。
  7. 【請求項7】 Feの一部を、Ti:0.01〜0.1
    %、Nb:0.01〜0.1%、Zr:0.01〜0.
    1%のうちの一種又は二種以上と置換した組成としたこ
    とを特徴とする請求項5記載の靭性,耐摩耗性に優れた
    金属部材。
  8. 【請求項8】 Feの一部を、Cr:2.0%以下、C
    o:0.1〜5.0%の一種又は二種、およびTi:
    0.01〜0.1%、Nb:0.01〜0.1%、Z
    r:0.01〜0.1%のうちの一種又は二種以上と置
    換した組成としたことを特徴とする請求項5記載の靭
    性,耐摩耗性に優れた金属部材。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至4の何れかに記載の鋼を加
    工して厚さ5mm以下の薄板もしくは径6mm以下の細
    線を形成した後、浸炭法により処理し、該浸炭処理によ
    り形成した浸炭層中にCを0.8%以上含有せしめると
    ゝもに、最大粒径5μm未満のMCおよびM6 C型炭化
    物を析出せしめ、通常の熱処理もしくは浸炭焼入により
    マトリックス組織をマルテンサイトに形成することを特
    徴とする靭性,耐摩耗性に優れた金属部材の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項5乃至8の何れかに記載の鋼を
    加工して厚さ5mm以下の薄板もしくは径6mm以下の
    細線を形成した後、浸炭窒化法により処理し、該浸炭窒
    化処理により形成した浸炭窒化層中にCを0.8%以上
    含有せしめるとゝもに、最大粒径5μm未満のMCNお
    よびM6 CN型炭窒化物を析出せしめ、通常の熱処理も
    しくは浸炭焼入によりマトリックス組織をマルテンサイ
    トに形成することを特徴とする靭性,耐摩耗性に優れた
    金属部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1302694A2 (en) 2001-10-10 2003-04-16 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd . Vibration-isolating device
EP2847359A1 (en) * 2012-05-07 2015-03-18 Valls Besitz GmbH Low temperature hardenable steels with excellent machinability

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