JPH11222533A - プラスチック廃棄物造粒物及びプラスチック廃棄物の処理方法 - Google Patents

プラスチック廃棄物造粒物及びプラスチック廃棄物の処理方法

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JPH11222533A
JPH11222533A JP4141898A JP4141898A JPH11222533A JP H11222533 A JPH11222533 A JP H11222533A JP 4141898 A JP4141898 A JP 4141898A JP 4141898 A JP4141898 A JP 4141898A JP H11222533 A JPH11222533 A JP H11222533A
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plastic
weight
solvent
hydrocarbon
solid
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Application number
JP4141898A
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English (en)
Inventor
Hideo Hashimoto
英夫 橋本
Kenji Shimokawa
憲治 下川
Tatsuya Toyama
達哉 外山
Mayumi Ushiku
真弓 牛久
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 取扱い性にすぐれたプラスチック廃棄物の造
粒物を提供する。 【解決手段】 ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ
スチレンの中から選ばれる少なくとも1種からなる低温
溶融性プラスチックと、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン
テレフタレート及びABS樹脂の中から選ばれる少なく
とも1種からなる高温溶融性プラスチックとの混合物か
らなるプラスチック廃棄物の加熱造粒物であって、該造
粒物中に含まれる高温溶融性プラスチックは20メッシ
ュより寸法の大きな固形物として存在することを特徴と
するプラスチック廃棄物造粒物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック廃棄
物造粒物及びプラスチック廃棄物の処理方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロ
ピレン)、PS(ポリスチレン)、PVDC(ポリ塩化
ビニリデン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PET(ポ
リエチレンテレフタレート)及びABS樹脂(アクリロ
ニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)は汎用プラ
スチックとして広く用いられている。従って、プラスチ
ック廃棄物の大部分はこれらのプラスチックからなる。
現在のところ、プラスチック廃棄物の大部分は、再利用
されることなく、焼却処理や埋立て処理されているが、
このような処理は、省資源の点から望ましいものではな
い。これまでにも、プラスチック廃棄物を再利用するた
めに各種の方法が提案されており、その代表的方法の1
つとして、熱分解して油化する方法(熱分解油化法)が
知られている。この方法は、プラスチック廃棄物を45
0℃程度の高温に加熱することにより、分解生成油を生
成させる方法である。この熱分解油化法においては、被
処理原料としてのプラスチック廃棄物が、PEや、P
P、PS等の炭化水素系プラスチックのみからなる場合
には、プラントや配管の閉塞トラブル及び腐蝕等の問題
を生じることなく、容易に実施することができる。しか
しながら、被処理原料がPE、PP、PS等の炭化水素
系プラスチックと、PVC、PET、ABS樹脂等の異
炭化水素系プラスチックとの混合物からなる場合には、
各種の問題を生じるため、安全かつ安定的に実施するこ
とが困難になる。例えば、PVCが混入すると、腐蝕性
の高い塩化水素が発生し、装置や配管の腐蝕を引起す。
PETが混入すると、その熱分解によりフタル酸類が生
成し、このものは配管閉塞トラブルを引起す。ABS樹
脂が混入すると、その熱分解により有毒性のシアン化水
素が発生する。このように、プラスチック廃棄物を熱分
解油化する場合には、その廃棄物からは、異炭化水素系
プラスチックをあらかじめ除去しておくことが望ましい
が、現在のところ、炭化水素系プラスチックと異炭化水
素系プラスチックとを分別するための工業的に有利な方
法は知られておらず、炭化水素系プラスチックと異炭化
水素系プラスチックを含むプラスチック廃棄物を熱分解
油化する方法の実用化には多くの困難が生じている。ま
た、プラスチック廃棄物を被処理原料とする場合には、
破砕処理される。従ってこの場合のプラスチック廃棄物
は、各プラスチックの破砕物の混合物からなるもので、
その嵩比重が0.1g/cm3程度の嵩高い取り扱い性
の悪いもので、その移送コストや貯蔵コストが高いとい
う問題も含む。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、取扱い性に
すぐれたプラスチック廃棄物の造粒物を提供するととも
に、その造粒物を被処理原料として用いるプラスチック
廃棄物の処理方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン及びポリスチレンの中から選ばれる少なくと
も1種からなる低温溶融性プラスチックと、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレンテレフタレート及びABS樹脂の中
から選ばれる少なくとも1種からなる高温溶融性プラス
チックとの混合物からなるプラスチック廃棄物の加熱造
粒物であって、該造粒物中に含まれる高温溶融性プラス
チックは20メッシュより寸法の大きな固形物として存
在することを特徴とするプラスチック廃棄物造粒物が提
供される。また、本発明によれば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン及びポリスチレンの中から選ばれる少なくと
も1種からなる低温溶融性プラスチックと、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレンテレフタレート及びABS樹脂の中
から選ばれる少なくとも1種からなる高温溶融性プラス
チックとの混合物からなるプラスチック廃棄物の処理方
法において、(i)前記プラスチック廃棄物造粒物を、
該低温溶融性プラスチックを溶解するが、該高温溶融性
プラスチックは実質的に溶解しない分別溶剤と接触させ
て、該低温溶融性プラスチックを溶解状で含み、該高温
溶融性プラスチックを固形物状で含む分別溶剤からなる
溶解生成物を得る工程、(ii)該溶解生成物を固液分離
して、該高温溶融性プラスチックの固形物を残渣として
分離し、該低温溶融性プラスチックの分別溶剤溶液を濾
液として分離する工程、(iii)該濾液を、そのまま又
は該溶液中の分別溶剤を蒸発して濃縮した後、加熱分解
する工程、からなることを特徴とするプラスチック廃棄
物の処理方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で被処理原料として用いる
プラスチック廃棄物は、炭化水素系プラスチック等の分
別溶剤に対する可溶性成分と異炭化水素系プラスチック
等の分別溶剤に対する非可溶性成分とからなるものであ
る。炭化水素系プラスチックは、低温溶融性プラスチッ
クを構成し、その融点はPVCの融点よりも低い。この
ようなプラスチックには、PE、PP等のポリオレフィ
ン系プラスチック及びPS等の芳香族系プラスチックが
包含される。異炭化水素系プラスチックは、高温溶融性
プラスチックを構成する。このようなプラスチックに
は、PVC、PET及びABS樹脂等が包含される。こ
れらのプラスチックはいずれも大量に生産される汎用プ
ラスチックであり、プラスチック廃棄物の大部分はこれ
らのプラスチックからなる。プラスチック廃棄物中に
は、異炭化水素系プラスチックとしてポリ塩化ビニリデ
ン(PVDC)が少量(約1重量%)含まれる場合があ
るが、このPVDCは部分的に分別溶剤に溶解し、可溶
性成分として作用する。もちろん、プラスチック廃棄物
には前記したプラスチック以外の炭化水素系プラスチッ
ク及び異炭化水素系プラスチックが含有されることもあ
るが、その割合は、通常、25重量%以下である。一般
のプラスチック廃棄物においては、炭化水素系プラスチ
ックの割合は、通常、50重量%以上であり、場合によ
っては75重量%以上である。
【0006】前記プラスチック廃棄物は、破砕処理さ
れ、各プラスチックの破砕物の混合物として取扱われる
が、その嵩密度は約0.1g/cm3程度と低く、非常
に嵩高いものである。この場合、破砕物は、通常20メ
ッシュより寸法の大きいものであり、その寸法は、長軸
寸法で、1〜100mm、好ましくは1〜50mm程度
である。
【0007】本発明においては、前記プラスチック廃棄
物は、これを造粒高密度化して、その嵩密度を高める。
このような造粒物は、加熱下でその造粒を行うことによ
って得ることができる。この場合の造粒法としては、従
来公知の各種の方法を採用することができるが、押出し
機を用いる造粒法を採用するのが好ましい。押出機を用
いてプラスチック廃棄物の造粒を行うには、プラスチッ
ク廃棄物を押出機内に供給し、ここで加熱するととも
に、スクリューの回転により混合圧縮して、その先端ダ
イスから押出し、塊状造粒物として回収する。本発明に
おいては、前記押出し造粒は、加熱下で実施するが、こ
の場合、その加熱温度は、低温溶融性プラスチック(炭
化水素プラスチック)を溶融するが、高温溶融性プラス
チック(異炭化水素系プラスチック)を実質的に溶融し
ない温度、通常、80〜150℃、好ましくは80〜1
20℃の温度に加熱することが必要である。これによ
り、高温溶融性プラスチックは、軟化を生じても実質的
な溶融を生じないため、造粒物中には、少なくとも20
メッシュの寸法よりも大きい粗大固形物として存在する
ようになる。そして、このような造粒物は、これを分別
溶剤に溶解させたときに、20メッシュ以上の大きな網
目寸法を持つふるいにより容易に固液分離することがで
きる。前記加熱造粒に際し、高温溶融性プラスチックの
実質的な溶融を生じさせると、その溶融液と低温溶融性
プラスチックの溶融液とが液体混合するため、得られる
造粒物を分別溶剤に溶解させたときに、その高温溶融性
プラスチックは、その寸法が50μm以下の固体微粒子
として分別溶剤中に存在するようになり、その分離は非
常に困難になる。
【0008】前記の加熱造粒により得られる造粒物の寸
法は、その長軸寸法で、1〜50mm、好ましくは1〜
30mm程度である。また、その嵩密度は、通常、0.
3g/cm3以上、好ましくは0.35g/cm3以上、
より好ましくは0.45g/cm3以上である。その上
限値は、通常、0.5g/cm3程度である。このよう
なプラスチック廃棄物造粒物は、その嵩密度が高められ
たものであることから、取扱い性にすぐれ、その移送コ
スト及び貯蔵コストの低められたものである。
【0009】本発明で用いる分別溶剤は、一般的には、
芳香族系炭化水素とパラフィン系炭化水素を含有する液
状炭化水素混合物からなり、炭化水素系プラスチック及
びPVDCのみを選択的に溶解し、異炭化水素系プラス
チックは実質的に溶解しないものである。このような混
合物溶剤は、プラスチック廃棄物中に含まれている炭化
水素系プラスチックを熱分解して得られる分解生成油を
用いて容易に調製し得ることから、安価であるという利
点を有する。
【0010】前記分別溶剤中に含まれる芳香族系炭化水
素の割合は、5〜70%、好ましくは8〜65%、より
好ましくは8〜40%である。芳香族系炭化水素の割合
が前記範囲を超えるようになると、異炭化水素系プラス
チック、特にPVCの実質的量が溶解するようになり、
一方、前記範囲より少なくなると、炭化水素系プラスチ
ック、特にPSが実質的に溶解しなくなる。パラフィン
系炭化水素の割合は、5〜85%、好ましくは10〜8
0%、より好ましくは40〜80%である。パラフィン
系炭化水素の割合が前記範囲を超えるようになると、炭
化水素系プラスチック、特にPSが実質的に溶解しなく
なり、一方、前記範囲より少なくなると、異炭化水素系
プラスチック、特にPVCの実質的量が溶解するように
なる。混合物中のオレフィン系炭化水素の割合は、混合
物中の芳香族系炭化水素とパラフィン系炭化水素を差引
いた残量であり、通常、0〜25%である。
【0011】本明細書において前記分別溶剤に関して言
う芳香族系炭化水素、パラフィン系炭化水素及びオレフ
ィン系炭化水素の各割合は、通常の重量%とは異なり、
13C−NMRスペクトルに基づいて求められたもので、
その13C−NMRスペクトルの測定装置、測定条件、ス
ペクトルの帰属及び各成分割合の求め方については、以
下の通りである。
【0012】(1)装置 測定に用いた核磁気共鳴分光(以下NMRとする)装置
は、日本電子(株)製GX270−FTNMR装置であ
る。 (2)測定条件 試料は、溶媒兼NMRロック剤としての重クロロホルム
(CDCl3:ISOTECINC.製 99.96a
tom%D)に溶解させ、13C−NMR測定に対して3
0wt%濃度とした。化学シフトはテトラメチルシラン
(TMS)を内部基準(0.0ppm)とし、5mmφ
パイレックス製試料管を用い、回転数15Hzで測定し
た。主な測定条件は、13C−NMRにおいては、定量的
な測定のために、核オーバーハウザー効果(NOE)を
消去したゲート付き1Hデカップリング測定(NNE)
を行い、パルス繰り返し時間6.9秒、データポイント
32K、積算回数4000回とした。 (3)スペクトルの帰属と各炭化水素成分の百分率の求
め方13 C−NMRスペクトルは、Eberhand,Breifmaier., an
d Wolfgang Voelter. “Carbon-13 NMRSpectroscop
y”, VCH Verlagsgesellschaft mbH,(1987)の文献に基
づき帰属を行い、それぞれの積分値を算出して、各結合
型炭素(パラフィン系炭化水素:Cp、オレフィン系炭
化水素:Co、芳香族系炭化水素:Ca)の百分率を求
めた。 パラフィン系炭化水素(Cp)の化学シフト:14.2
〜46.2ppm オレフィン系炭化水素(Co)の化学シフト:111.
5〜114.2ppm、137.0〜145.0ppm 芳香族系炭化水素(Ca)の化学シフト:125.5〜
136.9ppm
【0013】なお、13C−NMRのスペクトルに基づく
各炭化水素成分の百分率の算出方法では、パラフィン系
炭化水素基の結合した芳香族系炭化水素は、パラフィン
系炭化水素と芳香族系炭化水素とに分割して算出され、
オレフィン系炭化水素基の結合した芳香族系炭化水素
は、オレフィン系炭化水素と芳香族系炭化水素とに分割
して算出されている。
【0014】本発明によるプラスチック廃棄物の処理に
おいては、前記造粒物を被処理原料として用い、これを
溶解工程において、分別溶剤と接触させる。この溶解工
程における溶解温度は、炭化水素系プラスチックが可溶
化する温度であり、通常、加温条件が採用される。一般
的には、その溶解温度は、炭化水素系プラスチックが溶
融し、PVC等の異炭化水素系プラスチックが溶融しな
い温度、通常、80〜150℃、好ましくは110〜1
35℃程度である。この溶解工程においては、低温溶融
性プラスチックを構成する炭化水素系プラスチックは分
別溶剤に溶解し、一方、高温溶融性プラスチックを構成
する異炭化水素系プラスチックは未溶解の固形物状で分
別溶剤中に存在する。この場合の未溶解状の固形物は、
その寸法(長軸寸法)が1〜100mm、好ましくは1
〜50mmであるため、その分離は容易であり、20メ
ッシュ又はそれより大きな網目寸法を有する固液分離機
を用いて分離することができる。従って、本発明の場合
は、溶解生成物からの異炭化水素系プラスチックの分離
コストが非常に安価であるという大きな利点を有する。
【0015】前記溶解工程で得られた固形物は、そのま
ま又はその表面に付着する液体(炭化水素系プラスチッ
クを溶解状で含む分別溶剤溶液)を除去した後、焼却処
理や埋立て処理等の適当な処理を施す。一方、前記溶解
工程で得られた濾液は、そのまま又は必要に応じて濃縮
処理を施した後、分解処理させる。この分解工程は、従
来公知の方法で実施され、その分解温度は、350〜5
00℃、好ましくは380〜450℃である。
【0016】次に、本発明によるプラスチック廃棄物処
理の好ましい態様を図面を参照して説明する。図1は本
発明の方法を実施する場合のフローシートの1例を示
す。この図において、1は脱水工程、2は溶解工程、3
は固液分離工程、4は濃縮工程、5は分解工程、6は蒸
留工程を示す。図1において、プラスチック廃棄物造粒
物(以下、単に造粒物とも言う)はライン9を通って脱
水工程1に導入され、ここで脱水処理される。この脱水
処理は、造粒物を容器内又は配管内において加熱するこ
とによって実施される。この場合の加熱には、器壁を介
して間接的に加熱する方法や、加熱乾燥ガスを造粒物に
直接接触させる方法等が包含される。間接加熱の場合、
その加熱温度は、90〜135℃、好ましくは100〜
120℃である。加熱乾燥ガスと直接接触させる場合、
その乾燥ガスとしては、窒素ガスや空気等のガス、好ま
しくは空気が用いられ、この乾燥ガスの加熱温度は50
〜135℃、好ましくは60〜120℃である。ガスを
加熱して乾燥ガスとして使用することにより、脱水効率
は向上し、また、ガスの特別の乾燥処理は必要とされ
ず、さらに、乾燥ガスの使用量も少なくてすむ。プラス
チック廃棄物造粒物から水蒸気となって分離した水は、
ライン10を通って排出される。なお、前記脱水工程
は、必要に応じて省略することができる。
【0017】前記脱水工程においては、プラスチック廃
棄物造粒物中の水分は5重量%以下、好ましくは2重量
%以下にまで除去される。この廃棄物中の水分の除去に
より、次の溶解工程における溶解槽での液面制御が溶易
になる。溶解槽に供給される造粒物中に水分が含まれて
いると、その造粒物が分別溶剤に溶解する際に、発泡現
象を引起して液面が上昇したりして液面制御が困難にな
るが、前記のように造粒物中の水分を脱水除去すること
により、この問題は解決される。脱水処理された造粒物
は、ライン11を通って溶解工程2に導入され、ここで
ライン23を通って循環される分別溶剤用蒸留留分と接
触し、溶解処理される。この溶解工程2においては、造
粒物中に含まれるPE、PP及びPS等の炭化水素系プ
ラスチックが選択的に溶解され、PVCやPET、AB
S樹脂等の異炭化水素系プラスチックは実質的に溶解さ
れず、固形物状に保持される。ライン23を通って溶解
工程2に循環される分別溶剤用蒸留留分は、芳香族系炭
化水素とパラフィン系炭化水素を含有する液状炭化水素
混合物である。この留分は、通常、前記において示した
分別溶剤に適した成分組成を有するもので、造粒物中の
炭化水素系プラスチックを選択的に可溶化させる作用を
示す。
【0018】被処理原料として用いる造粒物の成分組成
が変化するとそれに応じて循環留分の成分組成も変化す
る。従って、この循環留分の成分組成が前記した分別溶
剤に適した成分組成範囲から逸脱する場合もあるが、こ
のような場合には、分別溶剤に適した成分組成になるよ
うに、必要に応じ、適当な炭化水素成分をライン24を
通して添加する。一般的には、芳香族系プラスチックの
割合が10〜90重量%、好ましくは15〜80重量
%、より好ましくは15〜50重量%の炭化水素系プラ
スチックを熱分解して得られる分解生成油をそのまま、
又はこの分解生成油を蒸留して得られる、50〜500
℃、好ましくは100〜400℃、より好ましくは15
0〜350℃の沸点を有する各種蒸留留分を、本発明の
分別溶剤として使用することができる。
【0019】溶解工程2における溶解操作開始時には、
工業薬品として市販されている芳香族系炭化水素、パラ
フィン系炭化水素及び必要に応じてのオレフィン系炭化
水素を適量混合することにより、あるいは前記の特性を
有する石油系炭化水素の熱分解油を分別溶剤として用い
ることができる。溶解工程2において、その操作温度
は、炭化水素系プラスチックが可溶化する温度であり、
通常、加温条件が採用され、一般的には、炭化水素系プ
ラスチックが溶融し、PVC等の異炭化水素系プラスチ
ックが実質的に溶融しない温度、通常、80〜150℃
の温度である。操作圧力は、その加温条件下で、分別溶
剤を液相に保持するのに充分な圧力であればよく、通
常、0〜5kg/cm2G、好ましくは0〜2kg/c
2Gである。接触時間は、炭化水素系プラスチックが
溶解するのに必要な時間であり、通常、5分以上、好ま
しくは10〜60分である。分別溶剤の使用割合は、造
粒物1重量部当り、0.5〜10重量部、好ましくは1
〜5重量部の割合にするのがよい。
【0020】前記溶解工程2で得られた溶解生成物はラ
イン12を通って固液分離工程3に送られ、ここで固液
分離される。この場合の固液分離方法としては、従来公
知の各種の方法、例えば、濾過分離、遠心分離、沈降分
離等が採用されるが、ふるい分離が好ましく採用され
る。ふるいとしては、その網目が20メッシュ又はそれ
より大きな寸法のふるいが採用される。この場合の操作
温度は、一般的には、50〜150℃、好ましくは80
〜135℃であるが、通常、溶解工程における溶解温度
付近の温度である。この固液分離工程3において、炭化
水素系プラスチックを溶解状で含む分別溶剤溶液と、異
炭化水素系プラスチックからなる固形物とが得られる。
この分別溶剤溶液中の炭化水素系プラスチックの濃度
は、7〜50重量%、好ましくは10〜40重量%であ
る。この炭化水素系プラスチックの濃度は、溶解工程に
おいて用いる分別溶剤の使用量により調節することがで
きる。この固液分離工程においては、前記したように、
異炭化水素系プラスチックは実質的に溶解せずに固形物
として分離されるが、分別溶剤に溶解性を示さない他の
固体状物質、例えば、プラスチック廃棄物中に含まれる
熱硬化樹脂、金属片、アルミ箔、紙片、木片等も未溶解
固形物として分離される。これらの未溶解固形物はライ
ン25を通して回収される。
【0021】前記のようにして得られる炭化水素系プラ
スチックを含む分別溶剤溶液は、ライン13を通って濃
縮工程4に送られ、ここで後続の分解工程5で得られた
ライン15を通って循環される高温の分解生成油蒸気と
直接接触される。この炭化水素系プラスチックを含む溶
液に対する高温の分解生成油蒸気の直接接触により、溶
液中の分別溶剤の一部が蒸発されて炭化水素系プラスチ
ック濃度の高められた濃縮液が得られる。この濃縮工程
4において得られる濃縮液中の炭化水素系プラスチック
濃度は、固液分離工程3で得られた分別溶剤溶液の場合
よりも高められたもので、通常、20〜60重量%、好
ましくは30〜60重量%である。濃縮液中のプラスチ
ック濃度が前記範囲より高くなると、濃縮液の粘性が高
くなりすぎ、そのパイプ移送が困難になるので好ましく
ない。この濃縮工程4においては、溶液から蒸発分離し
た分別溶剤蒸気と分解生成油蒸気からなる蒸気留分とが
得られるが、この蒸気留分は、ライン17を通って蒸留
工程6に送られる。前記濃縮工程4で用いる濃縮装置と
しては、気液接触の可能なものであれば任意のものを用
いることができ、充填塔等の通常の気液接触装置の他、
蒸留塔を用いることもできる。蒸留塔を用いる場合に
は、その塔底留分として濃縮液を得ることができる。
【0022】前記のようにして得られた炭化水素系プラ
スチックを含む濃縮液は、ライン14を通って分解工程
5に送られ、ここで分解処理され、分解生成油が蒸気状
で得られる。この場合の分解方法としては、従来公知の
各種の方法を採用することができる。一般的には、その
分解温度は、350〜500℃、好ましくは380〜4
50℃である。
【0023】濃縮工程4で得られた濃縮液は、分解工程
6で得られた高温の分解生成油蒸気を固液分離工程3で
得られた溶液に直接接触させることにより得られたもの
であることから、高められた温度を有するもので、その
温度は、圧力条件(減圧条件又は加圧条件)にもよる
が、少なくとも130℃、好ましくは200℃以上であ
り、その上限温度は分解工程の分解温度、例えば400
℃である。一般的には、分別溶剤の沸点ないしその沸点
近傍の温度である。この濃縮液は、もちろん、ポンプを
用いて移送することもできるが、高粘性を有するため、
ポンプ移送の困難なものであるが、本発明の場合、濃縮
工程4からの分解工程5への濃縮液の移送は、ポンプを
用いずに、重力流としてパイプ移送するのが有利である
ことが確認された。濃縮液を重力流として移送する場
合、その濃縮工程4と分解工程5との間の高低差は、少
なくとも2m、通常、2.5〜5mである。なお、前記
高低差は、濃縮工程4の出口と分解工程5の分解残渣油
の出口との間の高低差を意味する。
【0024】分解工程で得られた高温の分解生成油蒸気
の少なくとも一部は、ライン15を通って濃縮工程4に
循環される。また、場合によっては、分解生成油蒸気の
一部はライン26及び17を通って蒸留工程6に導入す
ることもできる。濃縮工程4に循環する分解生成油蒸気
量は、ライン13を通って濃縮工程4へ導入される固液
分離工程3からの溶液に対する重量比で、0.5〜5、
好ましくは0.5〜2である。分解工程5における、分
解残渣油(熱分解生成油のうちの沸点が分解温度以上と
なる留分)は、ライン16を通して排出される。
【0025】濃縮工程4で得られた蒸気留分は、ライン
17を通して蒸留工程6に送られ、ここで蒸留処理され
る。この蒸留工程6は、通常、1つ又は複数の蒸留塔か
ら構成される。この蒸留工程6は種々の形態において実
施することができる。例えば、ライン18を通る重質
油、ライン19を通る中質油及びライン20を通る軽質
油に分留することができる。この場合の重質油は沸点範
囲が350℃以上の留分であり、中質油は沸点範囲が1
40〜400℃の留分であり、軽質油は沸点範囲が40
〜200℃の留分である。本発明においては、これらの
留分の中から選ばれる1つの留分を分別溶剤として用い
ることができる他、それらのうちの2つの留分の混合物
又はそれらの3つの留分の混合物を分別溶剤として用い
ることができる。本発明においては、特に、軽質油0〜
100重量%、好ましくは0〜40重量%と、中質油0
〜100重量%、好ましくは60〜100重量%との混
合物を分別溶剤として好ましく使用することができる。
また、前記濃縮工程4で得られた蒸気留分から分別溶剤
用蒸留留分を得るために、その留分からあらかじめ沸点
が500℃より高い、好ましくは400℃より高い重質
油留分を除き、得られた軽質油留分の少なくとも一部を
そのまま分別溶剤用留分として用いることができるし、
また、この軽質油留分をさらに蒸留して沸点が100℃
より低い軽質留分を除いて分別溶剤用蒸留留分とするこ
とができる。前記蒸留工程6で得られる蒸留留分のう
ち、分別溶剤用蒸留留分は、ライン23を通って溶解工
程2に循環使用される。
【0026】図1に示したフローシートにおいて、濃縮
工程4は必要に応じ省略することができる。この場合に
は、固液分離工程3で得られたプラスチックを含む分別
溶剤溶液は、これをライン13を通って分解工程5に導
入するとともに、分解生成油蒸気をライン15及びライ
ン26を通って蒸留工程6へ導入をする。また、濃縮装
置として蒸留塔を用いる場合には、固液分離工程3で得
られた溶液を直接蒸留塔に導入するとともに、この蒸留
塔に分解工程5で得られた高温の分解生成油を蒸気状で
導入して蒸留する。この場合、高温の分解生成油蒸気
は、蒸留塔の溶液の導入された位置と同一又はそれより
下部の位置に導入し、蒸留塔内において分解生成油蒸気
と溶液とを直接接触させる。このような蒸留において
は、分解生成油の蒸留とともに、プラスチックを含む溶
液の濃縮が行われ、蒸留塔の塔底留分として濃縮液が得
られる。この濃縮液のプラスチック濃度は、通常20〜
60重量%、好ましくは30〜60重量%である。ま
た、その温度は、少なくとも130℃、好ましくは20
0℃以上であり、その上限温度は分解温度(例えば40
0℃)である。また、本発明において、プラスチック廃
棄物がポリ塩化ビニリデン(PVDC)を含む場合に
は、その少なくとも一部が分別溶剤に溶解するため、得
られる分解生成油には微量の塩素化合物が混入してくる
が、この塩素化合物は、活性炭やゼオライト等の固体吸
着剤や、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、ソー
ダライム等のアルカリ性物質と接触させることにより、
除去することができる。
【0027】本発明においては、前記固液分離工程3で
得られた未溶液プラスチックからなる固形物は、これに
分別溶剤蒸発処理を施し、分別溶剤含有量の低減した固
形物として回収する。固液分離工程3からライン25を
通して得られる固形物は、プラスチックを含む分別溶剤
溶液を含有して湿潤したもので、分別溶剤を比較的多量
含むことから、その湿潤固形物をそのまま廃棄すること
は、経済的に好ましいことではなく、その湿潤固形物か
らの分別溶剤の効率的な回収が望まれる。
【0028】図2に、湿潤固形物からそれに含まれる分
別溶剤の回収処理方法についてのフローシートを示す。
図2において、51は分別溶剤蒸発工程、52は凝縮工
程及び53は加熱工程を示す。図2に示すフローシート
に従って湿潤固形物を処理するには、分別溶剤蒸発工程
51に対して、湿潤固形物をライン54(図1のライン
25に対応)を通して供給するとともに、ライン57を
通って加熱された非凝縮性ガスを供給し、ここで湿潤固
形物に加熱された非凝縮性ガスを接触させる。湿潤固形
物に含まれる分別溶剤の量は、75重量%以下、好まし
くは65重量%以下である。その下限値は、通常、15
重量%程度である。非凝縮性ガスの温度は、50〜20
0℃、好ましくは80〜180℃である。非凝縮性ガス
としては、常温でガス状を示す各種のものが使用可能で
あるが、安全性の点から、窒素ガスや炭酸ガス、アルゴ
ンガス等が好ましく使用される。非凝縮性ガスの使用割
合は、湿潤固形物から回収する分別溶剤量に応じて適宜
決められる。一般的には固形物に含まれる分別溶剤の4
0〜100重量%、好ましくは50〜90重量%程度が
蒸発するような割合である。
【0029】この分別溶剤蒸発工程51においては、分
別溶剤含有量の低減した固形物と、分別溶剤蒸気と非凝
縮性ガスとのガス状混合物とが得られるが、その固形物
はライン58を通って回収され、ガス状混合物はライン
55を通って凝縮工程52に導入される。凝縮工程52
においては、ガス状混合物は冷却され、それに含まれる
分別溶剤蒸気が凝縮液化され、その液状の分別溶剤はラ
イン59を通って回収される。一方、非凝縮性ガスはラ
イン56を通って加熱工程53に送られる。ライン59
を通って回収される分別溶剤は、図1のライン37及び
38を通って溶解分別工程における分別溶剤として循環
使用される。凝縮工程52における冷却温度は、分別溶
剤が凝縮液化する温度であり、通常、50℃以下、好ま
しくは40℃以下である。この凝縮工程52におけるガ
ス状混合物の冷却方法としては、従来公知の各種の方
法、例えば、水を冷却媒体として用いる方法等が挙げら
れる。加熱工程53に導入された非凝縮性ガスは、ここ
で50〜200℃、好ましくは80〜180℃に加熱さ
れ、得られた加熱非凝縮性ガスはライン57を通って分
別溶剤蒸発工程51に循環される。
【0030】前記した湿潤固形物からの分別溶剤回収方
法は、使用する非凝縮性ガスが循環使用されることか
ら、クローズドシステムとして実施され、非凝縮性ガス
に混入する微量の分別溶剤も外部へ放出されることはな
い。
【0031】
【実施例】
【0032】参考例1 標準プラスチックを用いてその溶解速度を以下のように
して測定した。 (溶解速度の測定)プラスチックペレットからなる試料
約40gを分別溶剤200g中で、常圧下で130℃に
30分間保持して、その溶解速度を測定した。その結果
を表1に示す。なお、前記分別溶剤は、PE:1重量部
とPP:1重量部とPS:1重量部との混合物を400
℃で熱分解した得られた熱分解生成油の150〜350
℃留分(軽質油+中質油に相当)(芳香族系炭化水素:
31.7%、パラフィン系炭化水素:58.5%、オレ
フィン:7.4%)である。表1に示す結果から、本発
明における溶解工程では、PE、PP及びPSは溶解す
るが、PVC、PET及びABS樹脂は不溶解であるこ
とがわかる。
【0033】
【表1】
【0034】実施例1 プラスチック廃棄物モデルとして、PE:33重量%、
PP:20重量%、PS:28重量%、PVC:6重量
%、PVDC:1重量%、PET:2重量%及びABS
樹脂:2重量%、その他の樹脂:8重量%からなるプラ
スチック混合物を細片状に破砕したものを用いた。この
破砕品の寸法(長軸寸法)は6〜10mmであり、ま
た、その嵩密度は0.1g/cm3であった。この破砕
物を押出機内に充填し、加熱下において、スクリューに
より混合圧縮し、その先端ダイスより押出してペレット
状造粒物を得た。この場合、破砕物は押出機内におい
て、約120℃で加熱した。このようにして得た造粒物
の寸法(長軸寸法)は、3〜8mmであり、その嵩密度
は0.46g/cm3であった。また、この造粒物中の
可溶性プラスチックの割合は81重量%であった。次
に、前記造粒物を分別溶解中に投入し、撹拌下で130
℃の温度で30分間加熱した。この場合、分別溶解とし
ては、PE:40重量%、PP:25重量%及びPS:
35重量%の混合物を410℃で熱分解して得られた熱
分解油の150〜350℃留分を用いた。次に、前記溶
解生成物を20メッシュのふるい(金網)を有する遠心
濾過機を用いて遠心濾過した。この遠心濾過により、ふ
るい上には未溶解の固形物が分離捕集され、また、濾液
が分離回収された。得られた固形物の成分組成と、得ら
れた濾液の性状を以下に示す。 (1)固形物 PVC:16重量% PET、ABS樹脂及びその他の固形物:34重量% (2)濾液 粘度 :261センチポイズ(130℃) プラスチック濃度 :15.1重量% 塩素濃度 :850ppm プラスチック溶解率:88.9重量% 脱塩率 :88.0重量%
【0035】なお、前記プラスチック溶解率及び脱塩率
は、以下のように定義される。 (プラスチック溶解率)濾液中に溶解していたプラスチ
ック量の原料プラスチック廃棄物量(造粒物量)に対す
る比率(重量%)を示す。 (脱塩率)原料プラスチック廃棄物(造粒物)中のPV
Cの57重量%とPVDCの73重量%をそれぞれ塩素
分とし、次式で算出したものである。 P = (A/B) × 100% A:濾液中の全塩素分の重量 B:原料プラスチック廃棄物中に含まれる全塩素分の重
【0036】比較例1 実施例1において、プラスチック破砕物を加熱造粒する
際の加熱温度として約160℃の温度を採用して得られ
たペレット状造粒物(嵩密度:0.42g/cm3)を
用いた以外は同様にして実験を行った。この場合に得ら
れた溶解生成物は、20メッシュふるい通過率が100
%の固形物微粒子を含むもので、20メッシュ網目のふ
るいでは分離捕集することができなかった。得られた溶
解生成物の性状を以下に示す。 粘度 :515センチポイズ(130℃) 溶解プラスチック濃度:17.0重量% 塩素濃度 :7860ppm
【0037】実施例2 実施例1で示した造粒物を図1に示したフローシートに
従って処理した。この処理における主要操作条件を以下
に示す。 (1)脱水工程1 (i)脱水処理前の造粒物中水分:9重量% (ii)脱水処理後の造粒物中水分:3重量% (2)溶解工程2 (i)造粒物供給量:100重量部/h (ii)分別溶剤供給量:300重量部/h (iii)温度:130℃ (3)固液分離工程3 (i)溶解生成物:400重量部/h (ii)固形物排出量:74重量部/h (4)ライン13 (i)溶液流量:326重量部/h (ii)溶液温度:130℃ (5)濃縮工程4 (i)溶液量/分解生成油蒸気量重量比:0.6 (6)ライン14 (i)濃縮液流量(重力流):185重量部/h (ii)濃縮液温度:300℃ (iii)濃縮工程4と分解工程5との高低差:4m (7)ライン17 (i)蒸気留分流量:324重量部/h (ii)蒸気留分温度:315℃ (8)分解工程5 (i)分解温度:400℃ (9)ライン15 (i)分解生成油蒸気流量:183重量部/h (ii)分解生成油蒸気温度:400℃ (10)ライン16 (i)分解残渣流量:2重量部/h (11)蒸留工程6 (i)重質油 ライン18:3重量部/h ライン22:0重量部/h ライン36:3重量部/h (ii)中質油 ライン19:191重量部/h ライン21:163重量部/h ライン33:28重量部/h (iii)軽質油 ライン20:126重量部/h ライン31:102重量部/h ライン32:24重量部/h (iv)分解ガス(沸点70℃以下) ライン35:4重量部/h (12)ライン23 (i)循環分別溶剤流量:265重量部/h (ii)循環分別溶剤組成:軽質油38重量部と中質油6
2重量部との混合物(芳香族系炭化水素含有量27%、
パラフィン系炭化水素62%及びオレフィン11%) (13)ライン37 湿潤固形物からの分別溶剤回収工程からの分別溶剤流
量:35重量部/h (14)ライン38 全循環分別溶剤流量:300重量部/h
【0038】前記固液分離工程3で得た湿潤固形物を、
図3に示したフローシートに従って分別溶剤回収処理に
付した。この処理における主要操作条件を以下に示す。 (1)ライン54 (i)湿潤固形物流量:100重量部/h (ii)湿潤固形物中の分別溶剤含有量:64重量% (iii)湿潤固形物温度:130℃ (2)ライン57 (i)窒素ガス流量:325重量部/h (ii)窒素ガス温度:140℃ (3)分別溶剤蒸発工程51 (i)流動層型乾燥機を使用 (4)ライン58 (i)分別溶剤含有量の低減した固形物流量:53重量
部/h (ii)分別溶剤含有量:28重量%以下 (5)ライン55 (i)分別溶剤と窒素ガス状混合物流量:372重量部
/h (ii)ガス状混合物中の分別溶剤濃度:3vol% (iii)ガス状混合物の温度:140℃ (6)凝縮工程52 (i)冷却水を用いる間接熱交換器を使用 (ii)冷却温度:40℃ (7)ライン59 (i)分別溶剤回収流量:47重量部/h (ii)分別溶剤温度:40℃ (8)ライン56 (i)窒素ガス流量:325重量部/h (ii)窒素ガス温度:40℃ (9)加熱工程53 (i)電熱加熱器を使用 (ii)加熱温度:140℃
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、プラスチック廃棄物の
加熱造粒物は、嵩密度が大きく、取扱い性の良好なもの
で、その移送コストや貯蔵コストの低められたものであ
る。また、本発明の造粒物を被処理原料として用いて分
別処理(溶解処理及び固液分離処理)を行うときには、
その分別処理装置はコンパクトのものとなり、その装置
コストは低減される。本発明のプラスチック廃棄物処理
方法においては、プラスチック廃棄物中に含まれる異炭
化水素系プラスチックは、溶解工程及び固液分離工程を
経由することにより、固形物として系外へ除去され、分
解工程には導入されない。従って、本発明の場合は、異
炭化水素系プラスチックの分解生成物が原因となって生
じた装置の腐蝕及び閉塞のトラブルや、有毒性ガスの発
生等の問題を何ら生じない。しかも、本発明の場合、分
解生成油から分取された蒸留留分をそのまま溶解工程に
おける分別溶剤として使用し得ることから、プロセス効
率の非常に高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する場合のフローシートの
1例を示す。
【図2】固液分離工程から得られた湿潤固形物からそれ
に含まれる分別溶剤を回収処理する場合のフローシート
を示す。
【符号の説明】
1 脱水工程 2 溶解工程 3 固液分離工程 4 濃縮工程 5 分解工程 6 蒸留工程 51 分別溶剤蒸発工程 52 凝縮工程 53 加熱工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 外山 達哉 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 牛久 真弓 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ
    スチレンの中から選ばれる少なくとも1種からなる低温
    溶融性プラスチックと、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン
    テレフタレート及びABS樹脂の中から選ばれる少なく
    とも1種からなる高温溶融性プラスチックとの混合物か
    らなるプラスチック廃棄物の加熱造粒物であって、該造
    粒物中に含まれる高温溶融性プラスチックは20メッシ
    ュより寸法の大きな固形物として存在することを特徴と
    するプラスチック廃棄物造粒物。
  2. 【請求項2】 ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ
    スチレンの中から選ばれる少なくとも1種からなる低温
    溶融性プラスチックと、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン
    テレフタレート及びABS樹脂の中から選ばれる少なく
    とも1種からなる高温溶融性プラスチックとの混合物か
    らなるプラスチック廃棄物の処理方法において、 (i)請求項1のプラスチック廃棄物造粒物を、該低温
    溶融性プラスチックを溶解するが、該高温溶融性プラス
    チックは実質的に溶解しない分別溶剤と接触させて、該
    低温溶融性プラスチックを溶解状で含み、該高温溶融性
    プラスチックを固形物状で含む分別溶剤からなる溶解生
    成物を得る工程、 (ii)該溶解生成物を固液分離して、該高温溶融性プラ
    スチックの固形物を残渣として分離し、該低温溶融性プ
    ラスチックの分別溶剤溶液を濾液として分離する工程、 (iii)該濾液を、そのまま又は該溶液中の分別溶剤を
    蒸発して濃縮した後、加熱分解する工程、からなること
    を特徴とするプラスチック廃棄物の処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006205160A (ja) * 2005-01-24 2006-08-10 Korea Inst Of Industrial Technology 層廃フィルムのリサイクル方法
WO2023054541A1 (ja) * 2021-09-30 2023-04-06 グンゼ株式会社 環状オレフィン系樹脂の回収方法

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JP4574543B2 (ja) * 2005-01-24 2010-11-04 コリア インスティチュート オブ インダストリアル テクノロジー 層廃フィルムのリサイクル方法
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