JPH11221836A - シートインサート射出成形法 - Google Patents

シートインサート射出成形法

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JPH11221836A
JPH11221836A JP4460198A JP4460198A JPH11221836A JP H11221836 A JPH11221836 A JP H11221836A JP 4460198 A JP4460198 A JP 4460198A JP 4460198 A JP4460198 A JP 4460198A JP H11221836 A JPH11221836 A JP H11221836A
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JP
Japan
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sheet
insert member
insert
injection molding
opening
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JP4460198A
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English (en)
Inventor
Nagayasu Adachi
永容 安達
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度的に脆いインサート部材であっても、該
部材に割れを起こすことなく溶融樹脂を充填でき、良好
な成形品を与えるシートインサート射出成形法を提供す
る。 【解決手段】 金型キャビティ3内に挿入されたインサ
ート部材4をシートで覆った後、溶融樹脂を充填してイ
ンサート成形するに際し、前記シートとして開口部を有
する合成樹脂シート6a を用いることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートインサート
射出成形法に関し、更に詳しくは、強度的に脆いインサ
ート部材であっても、該部材に割れを起こすことなく溶
融樹脂を充填でき、良好な成形品を与えるシートインサ
ート射出成形法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形法においては、その製品
の表面性の向上あるいは表面に模様を付与するため、シ
ートを単独でインサートして成形されたり、またシート
以外のインサート部材(以下、単にインサート部材と記
す)が表面あるいは裏面に露出するのを防止のため、シ
ートを併用して成形されている。しかし、シートの他に
もインサート部材が存在する場合、特に強度的に脆いイ
ンサート部材を覆うようにシートが併用されると、シー
ト越しにかかる溶融樹脂の圧力や、シートの破断時にイ
ンサート部材に溶融樹脂が当たる圧力等により、インサ
ート部材に割れが発生するという問題がある。
【0003】このような問題に対する対策として、
(1)インサート部材の樹脂圧のかかる部分の裏側に相
当するキャビティ内側に支持部を設けるか、あるいは、
(2)樹脂圧がかからないように、低速又は低圧で射出
成形するという方法が用いられている。しかし乍ら、前
者は、インサート部材の寸法精度が良くない場合、例え
ば本来の寸法よりも小さい場合には、インサート部材と
支持部との間に隙間が生じたり、また逆に本来の寸法よ
りも大きい場合にはインサート部材は所望の位置よりも
ズレが生じたりして、目的とする位置にンサート部材を
支持することができず、その結果、インサート部材を支
持できなかったり、むりに押し込まれることでインサー
ト部材が割れてしまうという問題がある。一方、後者
は、インサート部材や成形品が複雑な形状の場合や成形
品が大きくなると、樹脂の高流動性が必要となり、使用
可能な樹脂が制限されるばかりでなく、生産性を低下さ
せるという問題を孕んでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題を
解決し、金型内にインサート部材に掛かる樹脂圧力の支
えを目的とした支持部を新たに設ける必要がなく、イン
サート部材が寸法精度が良くない場合や脆い場合であっ
ても、通常の射出速度、射出圧力で溶融樹脂を充填で
き、インサート部材に割れのない、良好な成形品を与え
る射出成形法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、金型キ
ャビティ内に挿入されたインサート部材をシートで覆っ
た後、溶融樹脂を充填してインサート成形するに際し、
前記シートとして開口部を有する合成樹脂シートを用い
ることを特徴とするシートインサート射出成形法を内容
とするするものである(請求項1)。また好ましい実施
態様としては、合成樹脂シートの開口部が、インサート
部材の表面積の10〜95%を露出させる請求項1記載
の射出成形法である(請求項2)。また好ましい実施態
様としては、開口部を有する合成樹脂シートがネットで
ある請求項1又は2記載の射出成形法である(請求項
3)。更に好ましい実施態様としては、合成樹脂シート
の開口部をインサート部材の強度の小さい部分に配置せ
しめる請求項1又は2記載の射出成形法である(請求項
4)。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる合成樹脂シー
トは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の熱可塑
性樹脂を用いシート状にされたものからなり、単層シー
トでもよく、また2層以上の多層シートであってもよ
い。また透明、着色のいずれであってもよい。
【0007】合成樹脂製シートの開口部は、溶融樹脂の
圧力による不規則なシートの破断及びそれに伴う溶融樹
脂の不規則な流れをコントロールするために設けられ
る。即ち、開口部を有しない合成樹脂シートを用いた場
合、溶融樹脂圧力によりシートが不規則に破断すること
により、インサート部材に割れを生じたり、また、シー
トが不規則に破断することにより溶融樹脂が無秩序に金
型キャビティ内に充填され、インサート部材の位置が変
動したり、インサート部材が露出するといったトラブル
が発生するが、シートに開口部を設けることにより、か
かるトラブルが防止されるのである。
【0008】従って、合成樹脂シートの開口部は、イン
サート部材の強度や形状、溶融樹脂の種類、射出条件
(射出速度、射出圧力等)、成形体の大きさ等により一
概に規定し難いが、通常、インサート部材の表面積の1
0〜95%、好ましくは30〜70%が露出(以下、露
出面積と記す)するように設けられる。上記値が10%
未満では、上記した合成樹脂シートの開口部による溶融
樹脂の圧力及び流れのコントロールが十分に発揮され
ず、また95%を越えると合成樹脂シートを用いる目的
が薄れてしまう傾向がある。
【0009】合成樹脂シートの開口部は、1個又は2個
以上の複数個のいずれでもよく、複数個の場合は、その
合計の開口部面積が上記露出面積の範囲内であればよ
い。開口部の形状は円形、楕円形、矩形、多角形等のい
ずれでもよく、例えば1辺が1.5〜4.0mm□のネッ
トも好適に用いることができる。
【0010】開口部を有する合成樹脂シートは、金型キ
ャビティ内にインサート部材をセットした後、該シート
でインサート部材を覆い、しかる後に型閉めし溶融樹脂
が充填される。この場合、インサート部材が例えばフェ
ライト等のように特に脆い部分を有する場合は、この脆
い部分の近辺に開口部が位置するように合成樹脂シート
を配するのが好ましい。このように配慮することによ
り、インサート部材の脆い部分に溶融樹脂がスムーズに
充填され、その結果、インサート部材の脆い部分に過大
な溶融樹脂の圧力が掛かり割れを生じるのを防ぐことが
できる。
【0011】本発明の方法により射出成形される樹脂は
特に制限されず、公知の樹脂が全て用いられる。例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹
脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられ、これらは単
独又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて更
に詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するも
のではない。
【0013】実施例1 図1、図2に示すように、固定側金型1と移動側金型2
とで画成される金型キャビティ3内に、焼結フェライト
からなるインサート部材4をセットし、該インサート部
材4を覆うように、開口部5を有するポリプロピレン製
シート6a(厚み:0.5mm、開口部=露出面積:約9
5%)をセットした。尚、図中、7はスプルー、8はラ
ンナー、9はゲートである。次いで、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)樹脂を射出速度45%、射出圧力
50%、保圧20%の条件で金型キャビティ内に充填
し、シートインサート射出成形を行ない、IH炊飯ジャ
ー内容器を製造した。得られた成形品は、インサート部
材4である焼結フェライトに割れや亀裂のない良好なも
のであった。
【0014】実施例2 図3、図4に示す如く、開口部5を有するポリプロピレ
ン製シート6b(厚み:0.5mm、開口部=露出面積:
約40%)を用いた他は実施例1と同様にしてシートイ
ンサート射出成形を行った。得られた成形品は、インサ
ート部材4である焼結フェライトに割れや亀裂のない良
好なものであった。
【0015】実施例3 図5、図6に示す如く、3本のスリット状の開口部5を
有するポリプロピレン製シート6c(厚み:0.5mm、
開口部=露出面積:約35%)を用いた他は実施例1と
同様にしてシートインサート射出成形を行った。得られ
た成形品は、インサート部材4である焼結フェライトに
割れや亀裂のない良好なものであった。
【0016】実施例4 図7、図8に示す如く、多数の小円形の開口部5を有す
るポリプロピレン製シート6d(厚み:0.5mm、開口
部=露出面積:約53%)を用いた他は実施例1と同様
にしてシートインサート射出成形を行った。得られた成
形品は、インサート部材4である焼結フェライトに割れ
や亀裂のない良好なものであった。
【0017】実施例5 図9、図10に示す如く、多数の小正方形の開口部5を
有するポリプロピレン製シート(ネット)6e(厚み:
0.5mm、小正方形の1辺:約1.5mm、開口部=露出
面積:約44%)を用いた他は実施例1と同様にしてシ
ートインサート射出成形を行った。得られた成形品は、
インサート部材4である焼結フェライトに割れや亀裂の
ない良好なものであった。
【0018】比較例1 図11、図12に示す如く、開口部を有しないポリプロ
ピレン製シート(厚み:0.5mm)を用いた他は実施例
1と同様にしてシートインサート射出成形を行った。得
られた成形品は、インサート部材4である焼結フェライ
トに割れが発生し、不良なものであった。
【0019】比較例2 射出成形条件を射出速度20%、射出圧力50%、保圧
20%に変更した他は比較例1と同様にしてシートイン
サート射出成形を行った。得られた成形品は、射出速度
を45%から20%に低下させたにも拘らず、焼結フェ
ライトに割れが発生した。
【0020】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明によれば、合成樹
脂シートの開口部が溶融樹脂の圧力及び流れを制御する
ことにより、インサート部材に不規則且つ過大な圧力が
掛かるのを防止し、たとえ強度的に脆いインサート部材
であっても、該部材の割れを防止し良好な射出成形品を
提供することができる。また、金型に新たにインサート
部材の支持部を設けたりする必要がないので、既存の射
出成形機に直ちに適用できるばかりでなく、また射出速
度を下げたり射出圧力を下げる必要もないので生産性を
低下させることもなく、その有用性は頗る大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の本発明方法を実施するために用いた
装置の概略断面図である。
【図2】図1の可動側金型に開口部を有する合成樹脂シ
ートを配した状態を示す概略上面図である。
【図3】実施例2の本発明方法を実施するために用いた
装置の概略断面図である。
【図4】図2の可動側金型に開口部を有する合成樹脂シ
ートを配した状態を示す概略上面図である。
【図5】実施例3の本発明方法を実施するために用いた
装置の概略断面図である。
【図6】図5の可動側金型に開口部を有する合成樹脂シ
ートを配した状態を示す概略上面図である。
【図7】実施例4の本発明方法を実施するために用いた
装置の概略断面図である。
【図8】図7の可動側金型に開口部を有する合成樹脂シ
ートを配した状態を示す概略上面図である。
【図9】実施例5の本発明方法を実施するために用いた
装置の概略断面図である。
【図10】図9の可動側金型に開口部を有する合成樹脂
シートを配した状態を示す概略上面図である。
【図11】比較例1、2の従来方法を実施するために用
いた装置の概略断面図である。
【図12】図11の可動側金型に開口部を有しない合成
樹脂シートを配した状態を示す概略上面図である。
【符号の説明】
1 固定側金型 2 移動側金型 3 金型キャビティ 4 インサート部材 5 開口部 6a、6b、6c、6d、6e、6f 合成樹脂シート 7 スプルー 8 ランナー 9 ゲート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型キャビティ内に挿入されたインサー
    ト部材をシートで覆った後、溶融樹脂を充填してインサ
    ート成形するに際し、前記シートとして開口部を有する
    合成樹脂シートを用いることを特徴とするシートインサ
    ート射出成形法。
  2. 【請求項2】 合成樹脂シートの開口部が、インサート
    部材の表面積の10〜95%を露出させる請求項1記載
    の射出成形法。
  3. 【請求項3】 開口部を有する合成樹脂シートがネット
    である請求項1又は2記載の射出成形法。
  4. 【請求項4】 合成樹脂シートの開口部をインサート部
    材の強度の小さい部分に配置せしめる請求項1又は2記
    載の射出成形法。
JP4460198A 1998-02-09 1998-02-09 シートインサート射出成形法 Withdrawn JPH11221836A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001347542A (ja) * 2000-06-12 2001-12-18 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 複合木質化粧成形品の製造方法
JP2001347541A (ja) * 2000-06-09 2001-12-18 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 複合木質化粧成形品の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001347541A (ja) * 2000-06-09 2001-12-18 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 複合木質化粧成形品の製造方法
JP4649014B2 (ja) * 2000-06-09 2011-03-09 株式会社河合楽器製作所 複合木質化粧成形品の製造方法
JP2001347542A (ja) * 2000-06-12 2001-12-18 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 複合木質化粧成形品の製造方法
JP4544701B2 (ja) * 2000-06-12 2010-09-15 株式会社河合楽器製作所 複合木質化粧成形品の製造方法

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Effective date: 20050510