JPH11221091A - 脂肪酸分解生成物の製造方法 - Google Patents

脂肪酸分解生成物の製造方法

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JPH11221091A
JPH11221091A JP10301374A JP30137498A JPH11221091A JP H11221091 A JPH11221091 A JP H11221091A JP 10301374 A JP10301374 A JP 10301374A JP 30137498 A JP30137498 A JP 30137498A JP H11221091 A JPH11221091 A JP H11221091A
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fatty acid
unsaturated fatty
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trans
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Alex Dr Haeusler
アレックス ハウスラー
Charles Dr Ehret
エーレット チャールズ
Eva Binggeli
ビンゲリ エバ
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Givaudan Roure International SA
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脂肪酸分解生成物の製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 不飽和脂肪酸の酸化生化学分解による脂
肪酸分解生成物の製造方法であって、不飽和脂肪酸と、
酸化分解のための酵素とを含有する植物バイオマスの、
付加的な不飽和脂肪酸の存在下での、酸化生化学分解を
特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、不飽和脂肪酸の分
解生成物の製造方法に関する。これらの分解生成物は揮
発性の天然フレーバー及びフレイグランス成分である。
これらの成分は非限定的にトランス−2−シス−6−ノ
ナジエナール、トランス−2−シス−6−ノナジエン−
1−オール、例えばシス−3−ヘキセン−1−オール、
トランス−2−ヘキセナールのようなグリーンノート(g
reen note)化合物、並びに例えば天然の植物抽出物及び
アブソリュート(absolute)のような、改良された複雑な
フレーバー及びフレイグランス混合物を包含する。上記
成分は非常に多様なフルーツ、葉、野菜、及び他の植物
構成成分中に存在する。これらの植物のフレーバー及び
フレイグランスに対する上記成分の顕著なインパクト(i
mpact)のために、これらの成分はフレーバー及びフレイ
グランス組成物にインパクト成分として広く用いられて
いる。これらの感覚刺激性特徴は、フレッシュ、グラッ
シー(grassy)、“グリーン”から、キューカンバー様(c
ucumberlike)、メロン様(melonlike) までの範囲であ
る。
【0002】
【従来の技術】天然の短鎖C6 −アルデヒド及びC6
アルコール、いわゆる“グリーンノート”化合物は現
在、植物又はそれらのエッシェンシャルオイル(essenti
al oil)(例えば、ミントオイル)から単離されてい
る。これらは生合成的に(biosynthetically)製造される
こともできる。FR−A1 2696 192は、液体
媒質中でポリ不飽和脂肪酸の天然ソースをリポキシゲナ
ーゼ、ヒドロキシペルオキシドリアーゼ(hydroxyperoxi
de lyase) 、及びカロテンの天然ソースと接触させるこ
とによる、イオノン及びアルデヒドの製造を述べてい
る。WO95/26413は、リポキシゲナーゼ、ヒド
ロペルオキシドリアーゼ(hydroperoxide lyase)及び酵
母の存在下でのリノレン酸からシス−3−ヘキセン−1
−オールへの転化を開示している。最新技術によるポリ
不飽和脂肪酸の分解は、これらの脂肪酸のシス−シス二
重結合における酸素化反応によって誘導される。この酸
素化はリポキシゲナーゼ(EC 1.13.11.1
2)−酵素によって触媒される。酸素化生成物、脂肪酸
ヒドロペルオキシドは多くの重要なホルモン(例えば、
プロスタグランジン)の先駆体、及びフレーバー分子と
フレイグランス分子の先駆体である。植物においては、
ヒドロペルオキシドの切断は特異的なヒドロペルオキシ
ドリアーゼの作用によって生ずる。
【0003】天然のC9 アルデヒドとC9 アルコール
(例えば、トランス−2−シス−6−ノナジエナール、
トランス−2−シス−6−ノナジエン−1−オール)は
このようなものとしては市場で入手不能であり、今まで
は、スミレ(Viola odorata L.)葉ア
ブソリュートを介してのみフレーバー及びフレイグラン
ス組成物のために供給されることができるにすぎない。
スミレの葉抽出物中に存在する重要な成分は、特に、ト
ランス−2−シス−6−ノナジエナール、トランス−2
−シス−6−ノナジエン−1−オール、1−オクテン−
3−オール、シス−3−ヘキセニルアルコール及びシス
−3−ヘキセニルアセテートである。これらの化合物の
全ては、スミレの葉に存在する脂肪酸の酸化分解によっ
て誘導される。スミレの葉アブソリュートはキューカン
バーの対応するノートに類似した、典型的なグリーン脂
肪ノート(green fatty note)を有し、主として、フレイ
グランス成分として用いられるが、例えばトロピカルフ
ルーツフレーバー中にそのフルーティ−キューカンバー
特性のために天然フレーバー成分としても用いられる。
それ故、スミレの葉アブソリュートは非常に多様なフレ
ーバー及びフレイグランス組成物中に広く用いられる。
【0004】このアブソリュートの溶解性特徴と、例え
ばフラワリーイオノン及び脂肪酸のような他の天然のバ
イノート(by-note) の存在のために、これはフレーバー
用途に必要な全用量で用いることができない。それ故、
上記天然C9 −アルデヒドとC9 −アルコールとを、他
のバイノートの比較的低い濃度を有する高濃度で、供給
することが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、不飽和脂肪
酸の酸化生化学分解による、脂肪酸分解生成物、特にC
9 −アルデヒドとC9 −アルコールの製造方法であっ
て、脂肪酸と、酸化分解のための酵素とを含有する植物
バイオマスの、付加的な不飽和脂肪酸の存在下での、酸
化生化学分解を特徴とする方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】種々な植物材料中に存在
する特異的な酵素は、脂肪酸から重要なフレーバー及び
フレイグランス製品への分解を触媒する。本発明の方法
は、これらの酵素を利用して、付加的な脂肪酸をも分解
することによって、所望の化合物を過剰に生産する。特
に、本発明の方法によると、天然のC9 −アルデヒドと
9 −アルコールが付加的な先駆体脂肪酸の存在下で過
度生産される。所望の化合物の過度生産(overproductio
n)の他に、好ましくない副生成物はあまり生成されず、
抽出物又はアブソリュートの溶解性特徴は改良される。
本発明は例えば天然植物抽出物及びアブソリュートのよ
うな、改良された複雑なフレーバー及びフレイグランス
混合物を提供する。所望の分解生成物の例は、トランス
−2−シス−6−ノナジエナール、トランス−2−シス
−6−ノナジエン−1−オール、及び例えばシス−3−
ヘキセン−1−オール及びトランス−2−ヘキセナール
のようなグリーンノート化合物である。
【0007】先駆体脂肪酸と、先駆体脂肪酸を分解する
ための酵素とを含有する、本発明の方法に用いるための
植物材料は、当業者に周知である。先駆体脂肪酸と酵素
とは非常に多様なフルーツ、葉、野菜、及び他の植物成
分中に存在する。それ故、多様な植物材料を本発明の方
法の実施に用いることができる。脂肪酸の特異的分解の
ために必要な酵素(例えば、リポキシゲナーゼ及びヒド
ロペルオキシドリアーゼ)を多く含有する植物が好まし
い。このような植物材料を用いて得られる生成物は、こ
れらの植物中に存在する酵素の特異性に依存する。C6
脂肪族アルデヒドとアルコールのためには、C−13特
異性を有する高レベルのリポキシゲナーゼを含有する植
物が、C9脂肪族アルデヒドとアルコールのためには、
C−9特異性を有するリポキシゲナーゼを含有する植物
が好ましい。所望の酵素の最適化分布を得るために、1
種類より多い特異性植物からの物質を組合せることも可
能である。
【0008】典型的な植物材料は、スミレ(Viola
odorata L.)の葉;キューカンバー(Cu
cumis sativus)の葉、種子及び実;メロ
ン(Cucumis melo)の葉、種子及び実;ス
イカ(Citrulluslanatus)の葉、種子
及び実;カボチャ(Cucurbita maxim
a)の葉、種子及び実;セイヨウナシ(Pirus p
iraster)の葉と実;ルリチシャ(Borago
officinalis)の葉;トマト(Lycop
ersicon lycopersicum)の葉と
実;ジャガイモ(Solanum tuberosu
m)の葉と塊茎;大豆(Glycine max)の実
と種子を包含する。酵素ソースとして用いることができ
る植物材料の完全なリストを与えることが不可能である
ことは、当然のことである。
【0009】先駆体の不飽和脂肪酸を植物材料に一度に
又はプロセスの種々な段階において加える。これらを砕
解した植物材料、バイオマスに、又は収穫の前又は後の
植物材料に加えることができる。先駆体の不飽和脂肪酸
は特に、リノール酸、(α−及びγ−)リノレン酸、ア
ラキドン酸、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエ
ン酸を包含する。種々な不飽和脂肪酸を収穫の前又は後
に施用することができる。
【0010】好ましい植物材料はスミレの葉である。ス
ミレの葉は殆ど1年中入手可能であり、主として、フラ
ンスの南部(即ち、Grasse地方)で栽培される。
これらの葉は少なくとも1年に3回収穫される。それ
故、植物材料は大規模に入手可能である。温室で栽培さ
れた植物も本発明の方法に利用可能である。
【0011】植物材料は、内因性酵素を不活性化せず
に、収穫されなければならない、即ち、植物の葉は完全
な状態に保持されなければならない。植物材料中に存在
する酵素を乾燥によって不活性化しないように、植物材
料をできるだけ短期間、制御された湿度条件下で貯蔵す
ることが好ましい。長い貯蔵期間が必要である場合に
は、植物材料を約10日間以内、低温(4℃〜10℃)
条件下に保持すべきである。
【0012】実際の生化学反応のために加える先駆体脂
肪酸の他に不飽和脂肪酸を収穫された植物材料に予め吹
き付けると、意外にも、この方法の収量の増加が生じ
た。それ故、実際の生化学分解反応の前1〜24時間、
好ましくは5〜16時間に水中又は緩衝剤溶液中の先駆
体脂肪酸(例えば、リノレン酸)の混合物を植物材料に
吹き付けることが好ましい。代替え的に又は付加的に、
収穫前の植物材料に先駆体脂肪酸組成物を吹き付けるこ
とができる。植物材料をバイオマスに加工する前に、植
物材料を数日間の間隔で反復して、又は1回のみ処理す
ることができる。
【0013】植物材料に加えるべき不飽和脂肪酸は、例
えば商業的リパーゼによる植物油の処理のような、公知
の方法によって製造することができる。本発明の方法に
おける不飽和脂肪酸の使用量は、例えば、植物材料中に
存在する酵素活性のレベル、目的生成物等のような、種
々な要素に依存する。典型的には、不飽和脂肪酸は植物
材料の重量の約0.1%〜10%、好ましくは1%〜5
%の量で用いられる。
【0014】天然フレーバー及びフレイグランス成分と
して有用な、多くの脂肪酸分解生成物を本発明の方法に
よって提供することができる。本発明の方法によって製
造されるフレーバー及びフレイグランス成分の例は、ス
ミレの葉アブソリュート及び他の植物の抽出物とアブソ
リュート中に含有される、トランス−2−シス−6−ノ
ナジエナール、トランス−2−シス−6−ノナジエン−
1−オール、シス−3−ヘキセン−1−オール、トラン
ス−2−ヘキセナール、シス−3−ヘキセナール、シス
−3−シス−6−ノナジエナール、シス−3−シス−6
−ノナジエン−1−オール、ヘキサナール、ヘキサノー
ル、シス−3−ノネナール、シス−3−ノネン−1−オ
ール、トランス−2−ノネナール、トランス−2−ノネ
ン−1−オール、トランス−2−シス−6−ノナジエニ
ル エチルエステル、及びこれらの混合物である。好ま
しい成分はトランス−2−シス−6−ノナジエナール
と、天然のトランス−2−シス−6−ノナジエナール及
びトランス−2−シス−6−ノナジエン−1−オールの
大きい含量を有するスミレの葉アブソリュートとを包含
する。
【0015】本発明の方法によって得られる脂肪族アル
デヒドをアルコールに転化させるために、アルコール
デヒドロゲナーゼを加えることができる。アルコール
デヒドロゲナーゼのソースとして、活性パン酵母細胞を
用いることができる。
【0016】生化学反応のために、植物材料に、脂肪酸
又はその溶液と、水又は緩衝剤溶液とを連続的に又は同
時に混合する。水性液体の、植物材料に対する比率は重
量基準で1:1から10:1まで、好ましくは5:1ま
での範囲内で変化することができる。混合した直後に、
植物材料を剪断し、ブレンドして、バイオマスを得る。
緩衝剤溶液として、典型的に、リン酸ナトリウム又はリ
ン酸カリウム緩衝剤の10〜100mM溶液が用いられ
る。反応中に、空気の供給が保証されなければならな
い。
【0017】活性酵素の放出を高めるために、植物材料
を非常に微細に砕解することが重要である。生化学反応
が非常に迅速に進行するので、先駆体不飽和脂肪酸を砕
解と同時に又は連続的規模で加えることができる。砕解
は通常10〜60分間続けられる。典型的に、反応混合
物は分解反応中、室温(即ち、15〜25℃)に維持さ
れる。植物材料は例えば高速ブレンダー、ミキサー、剪
断又は細断デバイスのような方法によって砕解させる。
【0018】反応スラリーから例えば水蒸気蒸留のよう
な標準方法によって、所望の化合物を単離することがで
きる。留出物を例えばヘキサン又はメチル−t−ブチル
エーテルのような適当な溶媒によって抽出することがで
きる。水相と有機相との分離後に、有機相から溶媒の蒸
発によって生成物が得られる。或いは、反応スラリーを
例えばヘキサン又はメチル−t−ブチルエーテルのよう
な適当な溶媒によって抽出することができる。溶媒の蒸
発後に、得られた生成物をエタノール中に溶解し、この
溶液を−10℃に10〜24時間冷却することによっ
て、エタノールに不溶な物質を沈殿させる。続いて、エ
タノールに不溶な物質を遠心分離によって取り出し、エ
タノールを蒸発させて、新規な品質のスミレの葉アブソ
リュートを得る。
【0019】本発明の方法は分解生成物の過度生産を可
能にする。先駆体脂肪酸が加えられる実際の生化学反応
の前に付加的な不飽和脂肪酸によって植物材料を処理す
ることは、所望の生成物の収量をさらに顕著に増強す
る。本発明の方法は、天然の脂肪族アルデヒド及びアル
コール、好ましくはC9 −アルデヒド及びC9 −アルコ
ールをさらに精製することができる、混合物として、例
えば反応スラリーの抽出物として過度生産するための新
規で、効果的な方法を提供する。この方法は、植物材料
の品質とプロセス条件とに依存して、植物材料1kgに
つき100mgを越える、好ましい条件下では600m
gを越えるトランス−2−シス−6−ノナジエナール
と、植物材料1kgにつき10mgを越えるトランス−
2−シス−6−ノナジエン−1−オールとを生成する。
この方法は、0.4%を越えるトランス−2−シス−6
−ノナジエナールとトランス−2−シス−6−ノナジエ
ン−1−オールの含量を有するスミレの葉アブソリュー
トをも、植物材料1kgにつき25gを越える量で提供
する。
【0020】
【実施例】実施例1 トランス−2−シス−6−ノナジエナールの小規模製造亜麻仁油の脂肪分解物(lipolysate)の製造 50mlのリン酸塩緩衝剤(pH7.3,0.2M)
と、50mlの亜麻仁油(Roth AG,Karls
ruhe,ドイツ)と、50mgのリパーゼ“Cand
ida cylindracea”(Biocatal
ysts Ltd.,Pontypridd,イギリ
ス)とをシェーキングフラスコ(shaking flask) 中で混
合した。この混合物を220rpmにおいて37℃で2
4時間振とうした後に、遠心分離した。上部相(亜麻仁
油の脂肪分解物)を回収した。
【0021】9 −アルデヒドとC9 −アルコールの生
小型ネブライザーを用いて、収穫したスミレの葉300
gに、100mlのリン酸ナトリウム緩衝剤(50m
M,pH6.5)と、2mlの亜麻仁油の脂肪分解物
と、120μlのAntifoam Dow1520と
の混合物を吹き付けた。湿った葉を室温に17時間放置
した。次に、20gの吹き付け処理済みスミレの葉と、
100mlのリン酸ナトリウム緩衝剤(50mM,pH
6.5)と、1mlの亜麻仁油の脂肪分解物とをWar
ingブレンダーに加えた。この混合物を高速設定で2
分間剪断した後に、メカニカルスターラーを備えた三つ
口フラスコに移した。この反応混合物を室温において7
00rpmで30分間撹拌し、この間にヘッドスペース
に絶えず空気を供給した。C9 −アルデヒドとC9 −ア
ルコールの含量を測定するために、10mlの反応混合
物を水蒸気蒸留し、次に、生じた水相を2mlのメチル
−t−ブチルエーテルによって抽出した。ガスクロマト
グラフィー分析によって、個々の揮発物の量を測定し
た。トランス−2−シス−6−ノナジエナールとトラン
ス−2−シス−6−ノナジエノールとの量はそれぞれ、
処理した植物材料1kgにつき661mgと44mgで
あった。特に、下記付加的化合物が反応混合物中に存在
した:ヘキサナール、シス−3−ヘキセナール、シス−
3−ヘキセノール、トランス−2−ヘキセナール、トラ
ンス−2−ヘキセノール、1−オクテン−3−オール、
トランス−2−ノネナール。
【0022】実施例2 トランス−2−シス−6−ノナジエナールのパイロット
規模の製造亜麻仁油の脂肪分解物の製造 1500mlのリン酸塩緩衝剤(pH7.3,0.2
M)と、1500mlの亜麻仁油と、1500mgのリ
パーゼ“Candida cylindracea”と
を撹拌器中で混合した。この混合物を220rpmにお
いて37℃で24時間撹拌した後に、遠心分離した。上
部相(亜麻仁油の脂肪分解物)を回収した。
【0023】トランス−2−シス−6−ノナジエナール
の製造 下記成分をスプレーポンプ(spray pump)中で混合した:
0.4kgのリン酸ナトリウム緩衝剤(1M,pH6.
5)、7.6kgの水道水、0.167kgの亜麻仁油
の脂肪分解物、及び10gのAntifoam Dow
1520。収穫したスミレの葉24kgに、上記混合物
をスプレーポンプを用いて吹き付けた。相(水/脂肪
酸)の分離を避けるために混合を定期的に繰り返した。
葉をひっくり返して、吹き付けを一度繰り返した。次
に、湿った葉を室温に17時間放置した。
【0024】6回の反応バッチを実施した。各バッチの
ために、19kgの水道水と、1kgのリン酸ナトリウ
ム緩衝剤(1M,pH6.5)と、0.2kgの亜麻仁
油の脂肪分解物とを、回転刃(rotating knives) を備え
た30リットルのミキサー−カッター(mixer-cutter)
(Stephan UM44;A.Stephan
u.Soehne GmbH & Co.,Hamel
n,ドイツ)中に充填した。これらの成分を短時間混合
して、エマルジョンを形成した。このエマルジョンに4
kgの予め処理した葉を加えて、空気を供給しながら、
30分間カットした。
【0025】6回の反応バッチをプールし、この混合物
に50kgの水道水を加えた。揮発物を水蒸気蒸留によ
って単離した。全体で62リットルの留出物を回収し
て、次に、これを5リットルのヘキサンによって抽出し
た。回転蒸発機(rotavapor) で50℃及び20mbar
の真空において、溶媒を蒸発させた。残留水分を分液ロ
ートを用いて手動で除去した。溶媒の除去後に、75%
のトランス−2−シス−6−ノナジエナールの含量を有
する、7.9gの生成物が得られた。
【0026】実施例3 トランス−2−シス−6−ノナジエナールの製造 亜麻仁油の脂肪分解物を実施例2に述べたように製造し
た。スミレ植物を収穫する前に、スプレーポンプを用い
て下記の混合物を吹き付けた:0.4kgのリン酸ナト
リウム緩衝剤(1M,pH6.5)、7.6kgの水道
水、0.167kgの亜麻仁油の脂肪分解物、及び10
gのAntifoam Dow1520。吹き付け後1
7時間に、植物材料を収穫して、C9 −アルデヒドとC
9 −アルコールの製造のために直接用いた。19kgの
水道水と、1kgのリン酸ナトリウム緩衝剤(1M,p
H6.5)と、0.2kgの亜麻仁油の脂肪分解物と
を、回転刃を備えた30リットルのミキサー−カッター
(Stephan UM44)中に充填した。これらの
成分を短時間混合して、エマルジョンを形成した。この
エマルジョンに4kgの予め処理した新たに収穫した葉
を加えて、空気を供給しながら、30分間カットした。
【0027】揮発物を水蒸気蒸留によって単離した。留
出物を回収して、次に、これを0.8リットルのヘキサ
ンによって抽出した。回転蒸発機で50℃及び20mb
arの真空において、溶媒を蒸発させた。残留水分を分
液ロートを用いて手動で除去した。C9 −アルデヒドと
9 −アルコールがガスクロマトグラフィーによって同
定された。
【0028】実施例4 スミレの葉アブソリュートの製造 亜麻仁油の脂肪分解物と、反応混合物との調製は実施例
2に述べたようにおこなった。0.5リットルの反応混
合物を等量のヘキサンによって抽出した。植物の粒状物
を3層のチーズクロース(cheesecloth) (“Mirac
loth”,Calbiochem−Novabioc
hem Corp.,La Jolla,CA,US
A)に通しての濾過によって除去した。濾液を分液ロー
トに移し、水相を除去した。有機相を250mlの1M
NaClによって3回洗浄した。次に、溶媒を回転蒸
発機で50℃及び80mbarの真空において蒸発させ
た。このようにして得られた“固体(concrete)”を、1
重量部の固体につき8容量部(volume parts)の冷エタノ
ール中に溶解し、三つ口フラスコ中で−10℃において
20時間撹拌した。
【0029】形成された沈殿をエタノール溶液から遠心
分離(5000xg,15分間)によって取り出し、溶
媒を回転蒸発機(50℃,80mbar 真空)で蒸発
させた。0.4%のトランス−2−シス−6−ノナジエ
ナールの含量を有するアブソリュート2.7gが得ら
れ、これはスミレの葉1kgにつき約28gのアブソリ
ュートに相当した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11B 9/00 C11B 9/00 C (72)発明者 エバ ビンゲリ スイス国 プファフハウゼン,サンティス シュトラーセ 13

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和脂肪酸の酸化生化学分解による脂
    肪酸分解生成物の製造方法であって、不飽和脂肪酸と、
    酸化分解のための酵素とを含有する植物バイオマスの、
    付加的な不飽和脂肪酸の存在下での、酸化生化学分解を
    特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 収穫された植物材料に不飽和脂肪酸を加
    える、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 不飽和脂肪酸を生化学分解反応の開始時
    及び/又は生化学分解反応中に加える、請求項1又は2
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 植物材料に不飽和脂肪酸を生化学分解反
    応前24時間までに、好ましくは5〜16時間に少なく
    とも1回吹き付ける、請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 不飽和脂肪酸を収穫前の植物材料に加え
    る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 付加的な不飽和脂肪酸がリノレン酸であ
    る、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 脂肪族C9 −アルデヒドとC9 −アルコ
    ールとが製造される、請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 酵素がリポキシゲナーゼ及びヒドロペル
    オキシドリアーゼである、請求項1〜7のいずれか1項
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】 植物バイオマスが砕解したスミレの葉で
    ある、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 植物材料を緩衝剤溶液中で砕解して、
    出発材料のバイオマスにする、請求項1〜9のいずれか
    1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の方法によって得られるフレーバー及びフレイグランス
    物質。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の化合物としてのトラ
    ンス−2−シス−6−ノナジエナール。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の化合物としてのトラ
    ンス−2−シス−6−ノナジエン−1−オール。
JP10301374A 1997-10-23 1998-10-22 脂肪酸分解生成物の製造方法 Pending JPH11221091A (ja)

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