JPH11220966A - ペット用排泄物処理剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さい体積で排泄物を吸収して団結強度の高
い塊状物を形成し、かつ、優れた脱臭能力を持つペット
用排泄物処理剤を提供する。 【解決手段】 モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱
物及びシリカゲルを含んでなる組成物の成形物からなる
ペット用排泄物処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、猫や犬などのペッ
トの排泄物処理のために使用されるペット用排泄物処理
剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来用いられている多くの使い捨てペッ
ト用排泄物処理剤は、大別すると、排泄物中の水分を吸
収し塊状物を形成する、ベントナイト使用のもの（いわ
ゆる固まる猫砂など）、排泄物を吸収するが塊状物を形
成しにくい、または団結強度が弱いゼオライト、木粉、
紙などを使用したもの、排泄物を吸収せず、全く団結し
ないシリカゲルを主成分としたものなどがある。上述の
従来のベントナイトの猫砂は、砂粒子が尿などの排泄物
を吸収した後、お互いにくっつき固まって塊状物になる
（団結作用がある）ため、排泄物を比較的容易に除去で
きるという利点があるが、アンモニア臭などの脱臭能力
が劣っているという欠点がある。また、シリカゲル使用
の猫砂は、脱臭能力は優れているが、尿などの排泄物を
吸収できず、全く塊状物にならないという欠点がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
小さい体積で排泄物を吸収して団結強度の高い塊状物を
形成し、かつ、優れた脱臭能力を持つペット用排泄物処
理剤を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み種々研究を重ねた結果、ベントナイトと多孔質の粉
粒体シリカゲルを組み合わせて成形造粒することによ
り、排泄物の臭いを脱臭し、かつ塊状物の団結強度の高
い処理剤としうることを見出し、この知見に基づき本発
明をなすに至った。すなわち本発明は、（１）モンモリ
ロナイトを主成分とする粘土鉱物及びシリカゲルを含ん
でなる組成物の成形物からなることを特徴とするペット
用排泄物処理剤、（２）モンモリロナイトを主成分とす
る粘土鉱物とシリカゲルとの合計量に対し、モンモリロ
ナイトを主成分とする粘土鉱物が５０〜９５重量％、シ
リカゲルが５〜５０重量％であることを特徴とする
（１）項記載のペット用排泄物処理剤、及び（３）モン
モリロナイトを主成分とする粘土鉱物がベントナイトで
ある（１）又は（２）項記載のペット用排泄物処理剤を
提供するものである。なお、本発明において排泄物の処
理とは、排泄物を吸収し、または取り込んで、塊状物を
形成することをいう。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明のペット用排泄物処理剤に
は、モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱物とシリカ
ゲル、及び必要によりバインダーを含んでなる組成物を
用いる。モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱物（以
下、単に粘土鉱物という）は、モンモリロナイトを主成
分としていれば特に制限はなく、天然品でも合成品でも
よい。具体的には例えば、カルシウムベントナイト、ナ
トリウムベントナイト、カルシウムイオンをナトリウム
イオンで交換処理した活性化ベントナイトなどを用いる
ことができ、特に活性化ベントナイトが好ましい。ま
た、これらは１種単独でも、２種以上を混合して用いて
もよい。粘土鉱物の粒径は特に制限はないが、好ましく
は２００μｍ以下のものを用いる。

【０００６】本発明においては強固な塊状物を形成する
とともに高い脱臭力を有する処理剤とするため、上記粘
土鉱物とともに多孔質のシリカゲルを含んでなる組成物
より造粒成形する。シリカゲルの使用量はシリカゲルと
粘土鉱物の合計に対し通常５〜５０重量％、好ましくは
１０〜４５重量％、さらに好ましくは１５〜３０重量％
である。シリカゲルが多すぎると組成物の造粒性が低下
し、造粒後の粒が脆くなり、粉立ちが目立つようにな
る。また、少なすぎると吸水性が低下するため、塊状物
の形が縦長になり、簡単に取り出しにくくなる。シリカ
ゲルの粒径は特に制限はないが、好ましくは６００μｍ
以下の粉粒体を用いる。

【０００７】上記組成物には必要に応じてバインダーを
用いることもできるが、バインダーを用いなくとも造粒
成形が可能である。バインダーを用いる場合には、例え
ば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
デンプン、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ソー
ダ、グアーガム、キサンタンガムなどを使用することが
でき、好ましくはメチルセルロースを用いる。添加量は
０．５〜１０重量％が好ましい。

【０００８】本発明では、上記組成物を加水混練後に造
粒成形してペット用処理剤を得ることができる。混練は
通常行われている方法で行うことができ、混練装置とし
ては例えば、ニーダー、アイリッヒミル、スパルタンリ
ュウザー（商品名）、リボンミキサー等を用いることが
できる。混練後及び成形時の含水率は、通常、全重量の
１０〜５０重量％、好ましくは２５〜４０重量％とす
る。造粒成形は通常の方法で行うことができ、例えば横
押し造粒機、前出し造粒機、ディスクペレッター等の装
置を用いて行うことができる。造粒後の粒形は特に制限
はないが、球形、円柱状、フレーク状、波板状が好まし
い。粒径も特に制限はないが、０．７〜５ｍｍが好まし
く、２〜３ｍｍがさらに好ましい。粒径が小さいほうが
排泄物を吸収したときの固化能や脱臭力は高いが、小さ
すぎると動物が掘り返したときや廃棄時に砂が飛び散り
やすくなる。また、粒径が大きすぎると吸水力が悪化
し、固化能も低下する。粒径が大きいと全体の表面積は
小さくなるため、脱臭力も低下する。

【０００９】造粒後、含水率が全重量の好ましくは１〜
１０重量％、さらに好ましくは２〜５重量％になるまで
乾燥し、高吸水性ゲル化粒剤としてペット用排泄物処理
剤を得る。乾燥は、例えば流動層乾燥機、ロータリード
ライヤー、ミゼットドライヤー等を用いて行うことがで
きる。本発明のペット用排泄物処理剤には、必要に応
じ、上記の高吸水性ゲル化粒剤のほかに、脱臭剤、抗菌
剤、ゼオライト、木粉、紙粉等を配合することができ
る。

【００１０】

【発明の効果】本発明のペット用排泄物処理剤は、猫な
どのペットが排出した排泄物（尿、糞）を吸収し、取り
込んで、強固な塊状物を形成するとともに優れた脱臭力
で悪臭を除去する。したがって、本発明の処理剤を用い
ると、小さい体積で排泄物を吸収して不快な臭いのない
強固な塊となり、排泄物を吸収していない（未使用の）
処理剤より容易に除去、廃棄でき、使用量も少ないとい
う優れた効果を奏する。

【００１１】

【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお、実施例中の重量％は特に断わらない限り全固
形分に対する値である。また、メッシュのサイズはタイ
ラー標準篩いで定められたものである。 実施例１ 活性化ベントナイト（ネオクニボンド（商品名、クニミ
ネ工業社製））９０重量％に、シリカゲル（ジョンソン
トレーディング社製）１０重量％、水３０重量％（対固
形分）を加えて混合混練機（スパルタンリュウザー）に
より混練後、造粒機（ディスクペレッター）を用いて粒
径２．２ｍｍの円柱形に造粒した。これを含水率が全重
量の３重量％になるまでミゼットドライヤーで乾燥し、
６メッシュ篩い（目開き３．６８ｍｍ）を通過し、１６
メッシュ篩い（目開き１．０ｍｍ）上に残った成形品を
試料１とした。

【００１２】実施例２ ベントナイトを８０重量％、シリカゲルを２０重量％と
した以外は実施例１と全く同様にして、試料２を得た。 実施例３ ベントナイトを７０重量％、シリカゲルを３０重量％と
した以外は実施例１と全く同様にして、試料３を得た。

【００１３】実施例４ ベントナイト７９重量％、シリカゲル２０重量％及びメ
チルセルロース（メトローズ（商品名、信越化学工業社
製））１重量％を用い、水を３２重量％（対固形分）と
した以外は実施例１と全く同様にして、試料４を得た。

【００１４】試験例 上記試料１〜４について、下記の性能試験を行った。比
較として、ベントナイトを主成分とする市販品（市販品
Ａ：ベントナイト９８重量％以上、残部は脱臭剤、殺菌
剤）、木粉を主成分とする市販品（市販品Ｂ）及びシリ
カゲルを主成分とする市販品（市販品Ｃ：シリカゲル９
８重量％以上）についても試験した。結果を表１に示
す。 固さ試験 オートビュウレット（柴田社製）を用い、あらかじめ食
塩水２０ｍｌが５秒で流出するようにノズルを調整した
図１の装置を用い、ボールＡに試料１ｋｇを入れ、２％
食塩水を注ぎ込んだ。注ぎ込んだ約３０秒後に食塩水を
吸収した試料部分を手で取り出し、１分後、図２の装置
の容器Ｄに入れ、毎分４リットルの速度で容器Ｄに水を
入れた。このとき、試料塊をよく観察して塊に亀裂が生
じたり崩壊したりした時を終点としてポンプＰのスイッ
チを切り、水の入った容器Ｄ及びピストンＥの重量の合
計を測定して塊状物の固さ（ｇ）とした。

【００１５】重量試験 固さ試験と同様に２％食塩水２０ｍｌを試料に注ぎ、約
３０秒後に塊を取り出して重量（ｇ）を測定した。 浸透率 固さ試験と同様に２％食塩水２０ｍｌを試料に注ぎ、約
３０秒後に塊を取り出し、その直径Ｄ（ｍｍ）及び高さ
Ｈ（ｍｍ）を測定して下記式より浸透率を求めた。 浸透率（％）＝（Ｈ／Ｄ）×１００

【００１６】脱臭試験 試料５０ｇを２０００ｍｌ試料瓶に充填し、これに悪臭
源として０．２５％のアンモニア水５ｍｌを滴下し、２
０分間室温放置後、残存濃度をガス検知管（ガステック
（商品名））にて測定した。

【００１７】なお、市販品Ｃについては食塩水を注いで
も塊状物を形成しないため、〜については測定でき
なかった。また、市販品Ｂでは塊状物が非常に柔らか
く、注水以前に崩壊したため、の測定が行えなかっ
た。

【００１８】

【表１】

【００１９】表１より明らかなように、本発明のペット
用排泄物処理剤である試料１〜４は、ベントナイトを主
成分とする市販品Ａと同等もしくはそれ以上の団結力を
有する塊状物を形成し、しかも、脱臭能力は市販品Ａ、
Ｂよりもはるかに高く、残存濃度が市販品Ａの約２．６
〜１２％となっている。試料１〜４は、使用量、浸透
力、塊状物の団結力についてはベントナイトや木粉を主
成分とする市販品と同等もしくはそれ以上の性能を有
し、かつ、塊を形成しないシリカゲルを主成分とする市
販品Ｃに劣らぬ脱臭力を有する優れた処理剤であること
がわかる。

【００２０】実施例５ ベントナイトとシリカゲルの割合を表２に示すとおりと
した以外は実施例１と全く同様に調製した各試料につい
て、造粒成形、乾燥後の処理剤粒の硬度を、下記の２つ
の方法により測定評価した。結果を表２に示す。測定
（１） 図３に示す木屋式硬度計を用い、皿３上に試料
２を１粒のせ、ハンドル１を１回転／分の速さで回し、
試料に亀裂が生じた、又は崩壊した時点での赤い針４の
指す目盛りを読んで測定値とした。測定（２） 図４に
示すボールミル磁製ポットを用い、粉砕による硬度測定
を行った。予め磁性玉（直径 ３０±２ｍｍ、重量 ３
５±３ｇ）を入れておいたポットに試料１００ｇを入
れ、蓋を平均に締めつけたのち、回転数を７５回転／分
に調整してあるローラーにポットをのせ、１６分間回転
させた。中身をバットの上に取り出し、ポットの内壁や
玉についたものをハケで落としてバットに入れた。これ
を下蓋をつけた３２メッシュの篩いに入れ、ロータップ
に３分間かけて篩いの上に残った試料の重量（Ａ）を測
定し、下記式より硬度を算出した。 粒の硬度（％） ＝ （Ａ（ｇ）／１００（ｇ））×１
００

【００２１】

【表２】

【００２２】実験Ｎo.４及び５は粒が柔らかく崩れやす
いのに対し、実験Ｎo.１、２及び３は適度な固さの粒剤
であり、製品の運搬や積み重ねにおいて、あるいは動物
が掘り返したり、廃棄のためにかきまわしたりしても粒
が崩れず、長期間同じ状態で好適に使用でき、取り扱い
やすい排泄物処理剤であることがわかる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例における性能試験のための塊強度測定装
置の概略図である。

【図２】実施例における性能試験のための塊強度測定装
置の概略図である。

【図３】実施例における性能試験のための粒の硬度測定
装置の概略図である。

【図４】実施例における性能試験のための粒の硬度測定
装置の概略図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 健 神奈川県横浜市鶴見区市場上町２−18− 302

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱
   物及びシリカゲルを含んでなる組成物の成形物からなる
   ことを特徴とするペット用排泄物処理剤。
2. 【請求項２】 モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱
   物とシリカゲルとの合計量に対し、モンモリロナイトを
   主成分とする粘土鉱物が５０〜９５重量％、シリカゲル
   が５〜５０重量％であることを特徴とする請求項１記載
   のペット用排泄物処理剤。
3. 【請求項３】 モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱
   物がベントナイトである請求項１又は２記載のペット用
   排泄物処理剤。