JPH11219921A - 半導体ウエハの切断装置および方法 - Google Patents

半導体ウエハの切断装置および方法

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JPH11219921A
JPH11219921A JP1993198A JP1993198A JPH11219921A JP H11219921 A JPH11219921 A JP H11219921A JP 1993198 A JP1993198 A JP 1993198A JP 1993198 A JP1993198 A JP 1993198A JP H11219921 A JPH11219921 A JP H11219921A
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JP
Japan
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semiconductor wafer
holding
holding member
cut surface
positioning
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Application number
JP1993198A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Yamada
義和 山田
Shusaku Takagi
周作 高木
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高真空を維持でき、しかも簡単な操作で高精
度のへき開を実現できる半導体ウエハの切断装置および
方法を提供する。 【解決手段】 切断装置1は、半導体ウエハWの予定切
断面から両端部側をそれぞれ挟持する挟持部材11、1
2と、挟持部材11、12を予定切断面から両側に所定
距離隔てた軸回りに角変位自在にそれぞれ支持する軸受
け15、16と、半導体ウエハWを挟持した状態で挟持
部材11、12を位置決めする電磁ホルダ20とを備
え、電磁ホルダ20が挟持部材11、12を解放し、挟
持部材11、12の自重による曲げモーメントが半導体
ウエハWに作用することによって予定切断面でへき開さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハをへ
き開(cleave)によって切断するための半導体ウエハの切
断装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体レーザの共振器を構成する
端面は原子的にほぼ平坦な表面であることが好ましく、
半導体レーザをウエハ上に多数形成した後、所定の切断
面に沿ってへき開させる手法が広く採用されている。
【0003】半導体レーザの端面では半導体レーザの屈
折率と空気の屈折率との違いによって光の界面反射が起
こるため、部分反射ミラーとして機能する。1対の平行
ミラーを持つ光共振器はファブリペロ共振器として知ら
れ、こうした共振器を持つ半導体レーザはファブリペロ
レーザと称される。
【0004】半導体レーザの端面では、半導体内部の電
子状態と空気の電子状態が接する表面状態が生ずるた
め、たとえば半導体の伝導帯と価電子帯とを分離するバ
ンドギャップの中間に表面準位が形成される。理想的な
半導体ではバンドギャップ内にいかなる中間準位も含ま
ない。
【0005】こうした中間準位が半導体レーザの端面に
存在すると、光吸収や非発光再結合等の有害な影響が現
れ、非発光再結合による発熱によって端面温度が上昇し
たり、光吸収による構造的損傷が生ずる可能性が高くな
る。
【0006】半導体レーザのへき開を大気中で行うと、
へき開面に酸化物が形成されるため、中間準位の密度は
格段に増加する。こうした状態でへき開面に保護コーテ
ィングを施しても、端面の中間準位の密度はそのまま維
持されてしまう。そこで、高真空環境の中で半導体レー
ザのへき開を行った後、すぐに保護コーティングを形成
することで、大気環境中でも低い中間準位密度を維持で
きる。
【0007】こうした半導体ウエハの切断装置として先
行技術が幾つか提案されている。米国特許第5,17
1,717号では、1対のフレキシブル搬送帯が半導体
バーを上下から挟持しながら搬送して、途中に設けられ
た曲率半径の大きいローラを通過する際に半導体バーに
曲げモーメントを作用させてへき開させる手法が記載さ
れている。
【0008】また、特開平9−134894号には、半
導体バーの両端部を保持する1対の回転体を設けて、真
空チャンバの外部に連結されたシャフトで回転体を駆動
することによって、半導体バーに曲げモーメントを作用
させてへき開させる手法が記載されている。
【0009】また、特開平3−101183号には、半
導体バーに2本の刻線を描き、中央を挟持した状態で真
空チャンバにセットし、真空引きの後に真空チャンバに
取り付けられたレバーを用いて半導体バーの端部を押し
当ててへき開させ、へき開面に電子線蒸着を行う手法が
記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】米国特許第5,17
1,717号は、多数のベルト搬送機構を採用している
ため、装置全体が複雑で大型になる。そのため、真空チ
ャンバの容量制限を超えたり、搬送機構の潤滑材やベル
ト等から出る不純物が真空度の低下や環境汚染をもたら
す可能性が出てくる。
【0011】また、特開平9−134894号や特開平
3−101183号は、真空チャンバの内部と外部をシ
ャフトやレバー等で連結して、へき開の駆動力を供給し
ているため、連結部分の移動機構や回転機構が高真空に
耐えられる特別な機構を必要とし、しかもへき開位置と
操作位置が離れているため、熟練した遠隔操作が要求さ
れる。
【0012】本発明の目的は、高真空を維持でき、しか
も簡単な操作で高精度のへき開を実現できる半導体ウエ
ハの切断装置および方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体ウエハ
の予定切断面から両端部側をそれぞれ挟持するための1
対の挟持部材と、各挟持部材を、予定切断面から両側に
所定距離隔てた軸回りに角変位自在にそれぞれ支持する
ための1対の揺動支持部材と、半導体ウエハを挟持した
状態で各挟持部材を位置決めするための位置決め手段と
を備え、位置決め手段が各挟持部材を解放し、各挟持部
材の自重による曲げモーメントが半導体ウエハに作用す
ることによって、予定切断面でへき開させることを特徴
とする半導体ウエハの切断装置である。
【0014】本発明に従えば、各挟持部材が半導体ウエ
ハの両端部側を挟持した状態で、挟持部材の自重を働か
せると、挟持部材の角変位によって予定切断面を折曲げ
ようとする曲げモーメントが作用し、予定切断面でのへ
き開が可能になる。
【0015】したがって、位置決め手段が挟持部材の支
持または解放を操作するだけでへき開の駆動力を制御で
きるため、熟練した遠隔操作が不要となる。さらに、こ
うした位置決め手段の操作はオンまたはオフの2値制御
で足りるため、真空チャンバの内部と外部の連結機構が
簡単化できる。
【0016】また本発明は、半導体ウエハの予定切断面
から両端部側をそれぞれ挟持するための1対の挟持部材
と、各挟持部材を予定切断面から所定距離隔てた軸回り
に角変位自在に支持し、かつ各挟持部材の鉛直方向の変
位を所定範囲で許容するための1対の揺動支持部材と、
半導体ウエハを挟持した状態で各挟持部材を鉛直上方で
位置決めするための位置決め手段とを備え、位置決め手
段が各挟持部材を鉛直上方位置で解放し、各挟持部材の
落下による曲げモーメントが半導体ウエハに作用するこ
とによって、予定切断面でへき開させることを特徴とす
る半導体ウエハの切断装置である。
【0017】本発明に従えば、各挟持部材が半導体ウエ
ハの両端部側を挟持した状態で、挟持部材の自重を働か
せて落下させると、挟持部材の運動エネルギーが追加さ
れる。この状態で挟持部材が下限位置で停止すると、挟
持部材の角変位によって予定切断面を折曲げようとする
曲げモーメントが作用し、予定切断面でのへき開が可能
になる。
【0018】したがって、位置決め手段が挟持部材の支
持または解放を操作するだけでへき開の駆動力を制御で
きるため、熟練した遠隔操作が不要となる。さらに、こ
うした位置決め手段の操作はオンまたはオフの2値制御
で足りるため、真空チャンバの内部と外部の連結機構が
簡単化できる。
【0019】また本発明は、半導体ウエハのへき開面に
保護膜を形成するための薄膜形成手段と、前記挟持部
材、前記揺動支持部材、前記位置決め手段および前記薄
膜形成手段を同一の真空空間に収納するための真空容器
とを備えることを特徴とする。
【0020】本発明に従えば、揺動支持部材、位置決め
手段および薄膜形成手段を同一の真空空間に収納するこ
とによって、半導体ウエハのへき開および端面コートを
高真空中で連続的に行うことができるため、へき開面の
異分子吸着や汚染を確実に防止できる。特に半導体ウエ
ハ上に製作した半導体レーザの共振器端面を形成する場
合は、端面での中間準位密度や光学損失を格段に低く維
持できるため、高出力かつ高信頼性の半導体レーザを実
現できる。
【0021】また本発明は、挟持部材が磁性材料で形成
され、前記位置決め手段が電流制御型の電磁ホルダであ
ることを特徴とする。
【0022】本発明に従えば、位置決め手段として電流
制御型の電磁ホルダを使用することによって、真空チャ
ンバの内部と外部とが電線で連絡できるため、真空チャ
ンバ内の真空度や清浄度を高く維持できる。
【0023】また本発明は、各挟持面の交差角度が可変
であるように角変位自在に支持された1対の挟持部材を
用いて、半導体ウエハの予定切断面から両端部側をそれ
ぞれ挟持する工程と、半導体ウエハを挟持した状態で各
挟持部材を位置決めする工程と、各挟持部材を解放し、
各挟持部材の自重による曲げモーメントが半導体ウエハ
に作用することによって、予定切断面でへき開させる工
程とを含むことを特徴とする半導体ウエハの切断方法で
ある。
【0024】本発明に従えば、各挟持部材が半導体ウエ
ハの両端部側を挟持した状態で、挟持部材の自重を働か
せると、挟持部材の角変位によって予定切断面を折曲げ
ようとする曲げモーメントが作用し、予定切断面でのへ
き開が可能になる。
【0025】したがって、挟持部材の支持または解放を
操作するだけでへき開の駆動力を制御できるため、熟練
した遠隔操作が不要となる。さらに、こうした操作はオ
ンまたはオフの2値制御で足りるため、真空チャンバの
内部と外部の連結機構が簡単化できる。
【0026】また本発明は、各挟持面の交差角度が可変
であるように角変位自在に支持され、かつ鉛直方向の変
位が所定範囲で許容された1対の挟持部材を用いて、半
導体ウエハの予定切断面から両端部側をそれぞれ挟持す
る工程と、半導体ウエハを挟持した状態で各挟持部材を
鉛直上方で位置決めする工程と、各挟持部材を鉛直上方
位置で解放し、各挟持部材の落下による曲げモーメント
が半導体ウエハに作用することによって、予定切断面で
へき開させる工程とを含むことを特徴とする半導体ウエ
ハの切断方法である。
【0027】本発明に従えば、各挟持部材が半導体ウエ
ハの両端部側を挟持した状態で、挟持部材の自重を働か
せて落下させると、挟持部材の運動エネルギーが追加さ
れる。この状態で挟持部材が下限位置で停止すると、挟
持部材の角変位によって予定切断面を折曲げようとする
曲げモーメントが作用し、予定切断面でのへき開が可能
になる。
【0028】したがって、挟持部材の支持または解放を
操作するだけでへき開の駆動力を制御できるため、熟練
した遠隔操作が不要となる。さらに、こうした操作はオ
ンまたはオフの2値制御で足りるため、真空チャンバの
内部と外部の連結機構が簡単化できる。
【0029】また本発明は、挟持部材の位置決め工程後
でへき開工程前に、半導体ウエハの周囲環境を真空に保
つ工程と、へき開工程後に、半導体ウエハのへき開面に
保護膜を形成する工程とを含むことを特徴とする。
【0030】本発明に従えば、半導体ウエハのへき開お
よび端面コートを高真空中で連続的に行うことができる
ため、へき開面の異分子吸着や汚染を確実に防止でき
る。特に半導体ウエハ上に製作した半導体レーザの共振
器端面を形成する場合は、端面での中間準位密度や光学
損失を格段に低く維持できるため、高出力かつ高信頼性
の半導体レーザを実現できる。
【0031】また本発明は、挟持部材が磁性材料で形成
され、挟持部材の位置決め工程において電流制御型の電
磁ホルダを用いて位置決めすることを特徴とする。
【0032】本発明に従えば、電流制御型の電磁ホルダ
を使用することによって、真空チャンバの内部と外部と
が電線で連絡できるため、真空チャンバ内の真空度や清
浄度を高く維持できる。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態の構
成を示す平面図であり、図2はその側面図である。半導
体レーザが形成されたウエハWの表面には、予定切断面
となるスクライブ線が予め形成され、曲げモーメントが
作用するとスクライブ線から厚さ方向にへき開が進行し
て切断される。
【0034】この予定切断面から両端部側をそれぞれ挟
持するための左右1対の挟持部材11、12が設けられ
る。図1では、3個のウエハWが同時に挟持されている
が、1個や2個でも4個以上でも構わない。挟持部材1
1、12は、ウエハWを上下から挟持する上チャック部
11a、12aと下チャック部11b、12bとを有
し、これらの挟持力はばね付ねじ等の締付け部材11
c、12cによって調整可能である。チャック部11
a、12a、1b、12bのウエハWと接触する先端部
分には、ウエハWに過度の応力が加わらないように適度
に柔らかい材料、たとえばフッ素樹脂等の合成樹脂がコ
ートされている。
【0035】挟持部材11、12の根元には、予定切断
面から所定距離隔てて平行に軸13、14が設けられ、
軸13、14の両端部は挟持部材11、12の側面から
突出している。軸13、14の突出部は軸受け15、1
6に形成された孔15a、16aに挿入されており、挟
持部材11、12を軸13、14の回りに角変位自在に
支持している。こうした支持方法によって挟持部材1
1、12の各挟持面の交差角度が可変となる。さらに孔
15a、16aは鉛直方向に長い長孔として形成され、
挟持部材11、12の鉛直方向の変位を所定範囲、すな
わち孔15a、16aの長径から軸13、14の外径を
引算した範囲で許容している。
【0036】軸受け15、16は、ステンレス鋼等から
成る板状のフレーム10の上に立設している。
【0037】挟持部材11、12がウエハWを挟持した
状態では上チャック部11a、12aと下チャック部1
1b、12bの挟持面はほぼ水平になる。この状態で下
チャック部11b、12bを同時に吸引して位置決めす
るための電磁ホルダ20が上フレーム21に設けられ
る。電磁ホルダ20による吸引面を確保するため、下チ
ャック部11b、12bの手前側が上方に露出するよう
に上チャック部11a、12aより長く形成され、少な
くとも吸引面の部分は磁性材料で形成される。
【0038】電磁ホルダ20は、鉄芯および電磁コイル
から成る電磁石として構成され、電線22から電流が供
給されることによって、下チャック部11b、12bを
磁気的に吸引する。通電が停止すると電磁ホルダ20の
吸着力はゼロになる。
【0039】図3はウエハWの平面図であり、図4はウ
エハWから切り出した半導体レーザチップの構成例を示
す斜視図である。厚さ0.1mmで数mm四方のウエハ
Wの両端面はへき開によって予め切断されており、その
中心線には予定切断面であるスクライブ線が予め形成さ
れ、2つにへき開すると多数の半導体レーザが並んだ半
導体レーザバーW1、W2が得られる。半導体レーザバ
ーW1、W2をさらにダイシング等によって切断するこ
とによって1個の半導体レーザチップが得られる。
【0040】半導体レーザチップ50は、基板51の上
に順次クラッド層52、導波層53、活性層54、導波
層55、クラッド層56、コンタクト層57が形成され
る。活性層54より上方の層は電流通路を制限するため
に幅狭のストライプ状に形成され、その両側に電流ブロ
ック層59が形成され、コンタクト層57の上がストラ
イプ状の電流注入領域58となる。たとえば基板51と
してN型基板を使用した場合は、活性層54より上方の
層がP型として構成される。こうして半導体レーザバー
W1、W2の両端面がそのまま前端面60および後端面
61となり、角面に垂直な方向が光共振器の方向とな
る。また、前端面60からレーザ光を取り出す場合、前
端面60で共振器中の内部パワーが最大になり、非発光
再結合等の影響による局所温度上昇が大きいため、後端
面61より前端面60の方の処理を重視するのが好まし
いが、両端面ともに重視するのがより好ましい。
【0041】なお、基板51は他の層と比べて格段に厚
く、レーザ動作部のへき開を特に重視するため、基板5
1が上チャック部11a、12aと接触し、コンタクト
層57が下チャック部11b、12bと接触するように
セットされる。
【0042】ここでは半導体レーザチップ50として屈
折率導波型レーザを例示したが、その他のファブリペロ
レーザも同様に本発明が適用される。
【0043】図5は、図1の切断装置1を真空チャンバ
30に組み込んだ構成例を示す断面図である。切断装置
1は真空チャンバ30の上部に位置するように梁部材3
1に固定される。電磁ホルダ20の電線22は真空チャ
ンバ30の壁面に埋め込まれた電流導入端子23に接続
され、電流導入端子23の外部側は電源25とスイッチ
24が直列的に接続されている。
【0044】真空チャンバ30の下部には、薄膜形成手
段としてたとえば電子線加熱蒸着装置40が設置され
る。電子蒸着装置40は、電子源となるフィラメント4
1と、フィラメント41から発生する電子線42を所望
位置に偏向させるための電子線偏向装置43と、電子線
42のターゲットで、へき開面の保護膜材料を収容した
蒸着源44などで構成される。なお、薄膜形成方法とし
て、電子蒸着以外にも抵抗蒸着、スパッタリング、化学
的気相成長(CVD)、分子線エピタキシー(MBE)
等が使用可能である。また、へき開面の保護膜材料とし
て、Si、SiOx、Al23、SiNx、GaN、Al
N、ZnSe等が使用できる。
【0045】真空チャンバ30には、内部を1×10-5
torr以下、好ましくは1×10-6torr以下の高真空に保
持するための真空ポンプ(不図示)が接続されている。
【0046】次にウエハWの切断工程を説明する。ま
ず、図3のウエハWを用意して、図2に示すように挟持
部材11、12の挟持面に装着し、締付け部材11c、
12cの調整によってウエハWの予定切断面から両端部
側をそれぞれ挟持する。
【0047】次にウエハWを挟持した状態でスイッチ2
4を閉じて電磁ホルダ20を通電し、挟持部材11、1
2を磁気吸引によって位置決めする。このとき挟持部材
11、12の軸13、14は、軸受け15、16の孔1
5a、16aの下限位置に静止している。
【0048】次に真空チャンバ30を閉じて真空ポンプ
を動作させ、薄膜形成可能な真空度に保持する。
【0049】次にスイッチ24を開いて電磁ホルダ20
の通電を停止すると、磁気吸引がゼロになって挟持部材
11、12が解放され、挟持部材11、12には自重が
作用し、軸13、14の回りのモーメントとなって両者
が離反する方向に角変位しようとする。すると、ウエハ
Wのスクライブ線の回りに曲げモーメントとして作用
し、スクライブ線を起点としてへき開し、挟持部材11
は半導体レーザバーW1、挟持部材12は半導体レーザ
バーW2をそれぞれ保持した状態で鉛直下方に垂れ下が
り、各バーW1、W2のへき開面は下方の蒸着源44に
相対することになる。この様子を図2や図5の二点鎖線
で示している。
【0050】次に電子蒸着装置40を動作させて、蒸着
源44から保護膜材料を蒸発させ、下向きのへき開面に
保護膜を形成する。保護膜が所望の厚さになった時点
で、電子蒸着装置40を停止させ、さらに放熱によって
温度がある程度低下した時点で真空チャンバ30を大気
圧に戻しから、バーW1、W2を取り出す。
【0051】こうしてウエハWのへき開および端面コー
トを高真空中で連続的に行うことができるため、へき開
面の異分子吸着や汚染を確実に防止できる。
【0052】図6(a)は本発明の他の実施形態の構成
を示す側面図であり、図6(b)は動作の説明図であ
る。図6の切断装置1は、図1のものと同様な構成を持
つが、であるが、電磁ホルダ20が挟持部材11、12
を位置決めする高さが図1より高く設定されている点が
相違する。
【0053】挟持部材11、12がウエハWを挟持した
状態で、電磁ホルダ20が挟持部材11、12を吸引す
ると、軸13、14が軸受け15、16の孔15a、1
6aの上限位置付近に位置する。この状態で電磁ホルダ
20の通電を止めて挟持部材11、12を解放すると、
挟持部材11、12の自重によって鉛直下方に加速され
る。軸13、14が孔15a、16aの下限位置で停止
すると、図6(b)に示すように、軸13、14が反力
Fを受ける。このとき挟持部材11、12の自重による
曲げモーメントに加えて運動エネルギーによる曲げモー
メントが加算される。そのため、挟持部材11、12の
重量が小さくても高い位置で解放することによってウエ
ハWをへき開させるのに必要な曲げモーメントMを補強
することができる。
【0054】こうした切断装置1は、図5の真空チャン
バ30内に固定され、上述した切断工程と同様な工程が
実施される。
【0055】上記の説明において、位置決め手段として
電流制御型の電磁ホルダ20を使用した例を示したが、
その他にワイヤやレバー等の機械的操作機構等も使用可
能である。
【0056】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、各
挟持部材が半導体ウエハの両端部側を挟持した状態で、
挟持部材の自重や落下エネルギーによって予定切断面を
折曲げようとする曲げモーメントが作用し、予定切断面
でのへき開が可能になる。したがって、位置決め手段が
挟持部材の支持または解放を操作するだけでへき開の駆
動力を制御できるため、熟練した遠隔操作が不要とな
る。
【0057】また、半導体ウエハのへき開および端面コ
ートを高真空中で連続的に行うことができるため、へき
開面の異分子吸着や汚染を確実に防止できる。特に半導
体ウエハ上に製作した半導体レーザの共振器端面を形成
する場合は、端面での中間準位密度や光学損失を格段に
低く維持できるため、高出力かつ高信頼性の半導体レー
ザを実現できる。
【0058】また、電流制御型の電磁ホルダを使用する
ことによって、真空チャンバの内部と外部とが電線で連
絡できるため、真空チャンバ内の真空度や清浄度を高く
維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の構成を示す平面図であ
る。
【図2】本発明の実施の一形態の構成を示す側面図であ
る。
【図3】ウエハWの平面図である。
【図4】ウエハWから切り出した半導体レーザチップの
構成例を示す斜視図である。
【図5】切断装置1を真空チャンバ30に組み込んだ構
成例を示す断面図である。
【図6】図6(a)は本発明の他の実施形態の構成を示
す側面図であり、図6(b)は動作の説明図である。
【符号の説明】
1 切断装置 11、12 挟持部材 11a、12a 上チャック部 11b、12b 下チャック部 11c、12c 締付け部材 13、14 軸 15、16 軸受け 15a、16a 孔 20 電磁ホルダ 22 電線 30 真空チャンバ 40 電子蒸着装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウエハの予定切断面から両端部側
    をそれぞれ挟持するための1対の挟持部材と、 各挟持部材を、予定切断面から両側に所定距離隔てた軸
    回りに角変位自在にそれぞれ支持するための1対の揺動
    支持部材と、 半導体ウエハを挟持した状態で各挟持部材を位置決めす
    るための位置決め手段とを備え、 位置決め手段が各挟持部材を解放し、各挟持部材の自重
    による曲げモーメントが半導体ウエハに作用することに
    よって、予定切断面でへき開させることを特徴とする半
    導体ウエハの切断装置。
  2. 【請求項2】 半導体ウエハの予定切断面から両端部側
    をそれぞれ挟持するための1対の挟持部材と、 各挟持部材を予定切断面から所定距離隔てた軸回りに角
    変位自在に支持し、かつ各挟持部材の鉛直方向の変位を
    所定範囲で許容するための1対の揺動支持部材と、 半導体ウエハを挟持した状態で各挟持部材を鉛直上方で
    位置決めするための位置決め手段とを備え、 位置決め手段が各挟持部材を鉛直上方位置で解放し、各
    挟持部材の落下による曲げモーメントが半導体ウエハに
    作用することによって、予定切断面でへき開させること
    を特徴とする半導体ウエハの切断装置。
  3. 【請求項3】 半導体ウエハのへき開面に保護膜を形成
    するための薄膜形成手段と、 前記挟持部材、前記揺動支持部材、前記位置決め手段お
    よび前記薄膜形成手段を同一の真空空間に収納するため
    の真空容器とを備えることを特徴とする請求項1または
    2記載の半導体ウエハの切断装置。
  4. 【請求項4】 挟持部材が磁性材料で形成され、前記位
    置決め手段が電流制御型の電磁ホルダであることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体ウエハの
    切断装置。
  5. 【請求項5】 各挟持面の交差角度が可変であるように
    角変位自在に支持された1対の挟持部材を用いて、半導
    体ウエハの予定切断面から両端部側をそれぞれ挟持する
    工程と、 半導体ウエハを挟持した状態で各挟持部材を位置決めす
    る工程と、 各挟持部材を解放し、各挟持部材の自重による曲げモー
    メントが半導体ウエハに作用することによって、予定切
    断面でへき開させる工程とを含むことを特徴とする半導
    体ウエハの切断方法。
  6. 【請求項6】 各挟持面の交差角度が可変であるように
    角変位自在に支持され、かつ鉛直方向の変位が所定範囲
    で許容された1対の挟持部材を用いて、半導体ウエハの
    予定切断面から両端部側をそれぞれ挟持する工程と、 半導体ウエハを挟持した状態で各挟持部材を鉛直上方で
    位置決めする工程と、各挟持部材を鉛直上方位置で解放
    し、各挟持部材の落下による曲げモーメントが半導体ウ
    エハに作用することによって、予定切断面でへき開させ
    る工程とを含むことを特徴とする半導体ウエハの切断方
    法。
  7. 【請求項7】 挟持部材の位置決め工程後でへき開工程
    前に、半導体ウエハの周囲環境を真空に保つ工程と、 へき開工程後に、半導体ウエハのへき開面に保護膜を形
    成する工程とを含むことを特徴とする請求項5または6
    記載の半導体ウエハの切断方法。
  8. 【請求項8】 挟持部材が磁性材料で形成され、挟持部
    材の位置決め工程において電流制御型の電磁ホルダを用
    いて位置決めすることを特徴とする請求項5〜7のいず
    れかに記載の半導体ウエハの切断方法。
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