JPH1121973A - 便器の汚れ、悪臭除去用具 - Google Patents

便器の汚れ、悪臭除去用具

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JPH1121973A
JPH1121973A JP19077297A JP19077297A JPH1121973A JP H1121973 A JPH1121973 A JP H1121973A JP 19077297 A JP19077297 A JP 19077297A JP 19077297 A JP19077297 A JP 19077297A JP H1121973 A JPH1121973 A JP H1121973A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学薬剤に代わる環境に優しい好気性微生物
を利用した便器の汚れ、悪臭除去用具を開発し、これを
用いて長期間にわたって便器の汚れや悪臭を除去する方
法を提供すること。 【解決手段】 好気性微生物群を担持させた袋状の編成
加工布に、好気性微生物群を担持させた炭材含有親水性
多孔質板状材料および/または好気性微生物群を担持さ
せた微生物活性剤含有親水性多孔質板状材料並びに竹ひ
ごを収容したことを特徴とするプレート型の便器の汚
れ、悪臭除去用具並びに該用具を小便器の洗浄水流出口
の直下に取付けることによって、当該便器を使用後に流
出する洗浄水に好気性微生物群の一部を混入させること
を特徴とする便器の汚れや悪臭を除去する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、便器の汚れ、悪臭
除去用具並びにそれを用いる便器の汚れや悪臭を除去す
る方法に関する。特に、便器に付着する水垢、黄ばみ、
黒ずみ、尿石等の汚れや悪臭を除去することができる用
具とそれを用いる便器の汚れや悪臭を除去する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】トイレの清掃は、比較的軽い汚れには中
性のトイレ用洗剤をふりかけ、トイレ用ブラシ等により
汚れを除去することができる。また、便器にこびりつい
ている汚れに対しては、塩素系漂白剤入りアルカリ性洗
剤をふりかけ、トイレ用ブラシ等で汚れを除去すること
により行われる。これにより、黄ばみ、黒ずみ等は漂白
成分で分解、除去することができる。また、便器にこび
りついた尿石等を除去する方法としては、酸性タイプの
洗剤等で溶解し、除去する方法や、微生物を用いて軟
化、溶解させて除去する方法がある。微生物を用いる清
掃方法としては、速効性尿石溶解剤(特開平2−237
688号公報)、尿石処理パット(特開平7−2792
15号公報)、便器に尿石付着防止または抑制活性を付
与する方法(特開平8−260552号公報)等があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のトイレ
清掃に使用する化学薬剤等は、タンクや便器の金属部を
腐食させるおそれがある上に、その使用方法等にも十分
な配慮が必要であった。また、微生物を用いて尿石を溶
解させる方法は、尿石が軟化、溶解するまで小便器を使
用できないという問題があり、尿石処理パットを使用す
る方法は、小便器のサラ部の下へパットを置いて尿石を
軟化、溶解して除去するため、小便の黄ばみ等で当該パ
ットが汚れ、外観上好ましくない。さらに、便器に尿石
付着防止または抑制活性を付与する方法は、便器の部品
(目皿、トラップ部等)を活性汚泥に長時間接触させた
後、自然乾燥するなどの煩雑な操作を必要とする。
【0004】本発明の目的は、上記の問題点を解決し
て、化学薬剤に代わる環境に優しい好気性微生物を利用
した用具を開発し、これを用いて長期間(約1年)にわ
たって便器の汚れや悪臭を除去する方法を提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
鋭意検討を重ねた結果、用具を構成する各材料に好気性
微生物群を担持させることにより、当該微生物は簡単に
は剥離せず、しかも各材料を保水性とし、かつ微生物の
栄養源となり得る構成成分を採用することによって、当
該微生物は増殖することができるため、長期間にわたっ
て用具を使用できることを見出し、本発明に到達した。
【0006】請求項1に記載の本発明は、好気性微生物
群を担持させた袋状の編成加工布に、好気性微生物群を
担持させた炭材含有親水性多孔質板状材料および/また
は好気性微生物群を担持させた微生物活性剤含有親水性
多孔質板状材料並びに竹ひごを収容したことを特徴とす
るプレート型の便器の汚れ、悪臭除去用具である。請求
項2に記載の本発明は、好気性微生物群を担持させた開
口部を有する球形容器内に、好気性微生物群を担持させ
た炭材含有親水性多孔質板状材料および/または好気性
微生物群を担持させた微生物活性剤含有親水性多孔質板
状材料を螺旋状に巻いて収容し、かつ球形容器の外周を
好気性微生物群を担持させた編成加工布で被覆したこと
を特徴とするボール型の便器の汚れ、悪臭除去用具であ
る。請求項3に記載の本発明は、好気性微生物群を担持
させた開口部を有する中空の半球形容器内に複数個の仕
切り壁を設け、かつ中心部に筒状の空間を設けたもの2
個を1組として形成した球形容器内の中央部に親水性多
孔質板状材料を中敷きし、その上下両側の半球部の複数
個の仕切り壁の間のそれぞれに好気性微生物群を担持さ
せた炭材含有親水性多孔質材料および/または好気性微
生物群を担持させた微生物活性剤含有親水性多孔質材料
で成形した小型ボールを収容し、さらには中心の筒状空
洞にセラミックス粒および/または好気性微生物群を担
持させた親水性多孔質材料等を収容したことを特徴とす
るボール型の便器の汚れ、悪臭除去用具である。請求項
6に記載の本発明は、請求項1に記載の便器の汚れ、悪
臭除去用具を小便器の洗浄水流出口の直下に取付けるこ
とによって、当該便器を使用後に流出する洗浄水に好気
性微生物群の一部を混入させることを特徴とする便器の
汚れや悪臭を除去する方法である。請求項7に記載の本
発明は、請求項2または3に記載の便器の汚れ、悪臭除
去用具を小便器の洗浄水を供給する水槽内に収納するこ
とによって、当該便器を使用後に流出する洗浄水に好気
性微生物群の一部を混入させることを特徴とする便器の
汚れや悪臭を除去する方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に利用する好気性微生物群
は、便器の汚れや悪臭を除去するために有用なものであ
ればよく、通常は土壌から採取された微生物群が用いら
れる。このような微生物群としては、例えばシュードモ
ナス属、ストレプトミセス属、ミクロコッカス属、ノカ
ルディア属、アクロモバクター属、フラボバクテリウム
属、ミコバクテリウム属、エアロバクター属、ニトロバ
クター属などに属する菌体が挙げられる。これらは、海
辺や川辺などの土壌、好ましくは砂地から容易に採取で
き、本発明では複数の属に属する微生物群を使用する。
【0008】本発明の用具を構成する材料は、基本的に
すべて上記好気性微生物群を担持させて用いる。編成加
工布は、ポリビニルアルコール系合成繊維、蛋白繊維
(羊毛、絹などの天然繊維,カゼイン,大豆タンパク質
などを用いた人造蛋白繊維)、ポリウレタン合成繊維お
よびポリアミド合成繊維(ナイロンなど)などの繊維,
糸などの形態のものを用いて編成加工したものである。
これは、プレート型用具およびボール型用具のいずれ場
合も、他の材料を覆ったりして最外層部を構成する。
【0009】次に、親水性の多孔質板状材料としては、
プラスチック材料が用いられ、例えばポリビニルアルコ
ール系合成繊維、ポリアミド合成繊維、これらの不織布
などがある。この多孔質板状材料は、微生物の増殖に資
するため、炭材、すなわち木炭および竹炭を含有させた
り、微生物活性剤を含有させたり、あるいはこれら両者
を含有させたりして用いる。この板状材料は、通常8〜
12mm(幅)×1.5〜2.0(厚さ)×300mm
(長さ)程度の大きさに調整して用いる。竹ひごは、プ
レート型用具に所定の強度と弾性を付与するため用いら
れる。プレート型用具は、これら各材料の1個〜複数個
を組合せ、前記の編成加工布内に収容することにより形
成される。プレート型用具のサイズは使用目的などを考
慮して適宜決定すればよいが、通常は1辺が12〜15
mm、長さ300〜350mm程度の角柱状が好まし
い。
【0010】ボール型用具の場合は、ポリスチレン、A
BS樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピ
レン、ポリカーボネート等のプラスチック材料から成形
加工される開口部を有する球形容器が用いられ、通常は
適当に開口部を設けた中空の半球状(椀型)のもの2個
を1組として球形容器が形成される。用具を作成するに
あたり、このような1組の椀型のものを用意し、小型の
場合は内部に前記した親水性の多孔質板状材料を螺旋状
に巻いて収容したり、必要に応じて他の材料を収容した
のち接着して球形とする。一方、容器が大型のものであ
るときは、開口部を有する中空の椀型内部を仕切り壁で
仕切り、複数個の仕切られた部屋を形成すると共に、該
椀型内部の中心部に筒状の空間を形成させたものが好ま
しい。
【0011】ボール型用具の大きさ、内部収容物などは
使用目的(例えば一般家庭、学校、駅、工場など)を考
慮して適宜決定する。例えば直径50mm程度の小型の
場合は、上記したように、親水性の多孔質板状材料の1
個ないし数個を螺旋状に巻いて収容するのみであるが、
直径100mm程度の大型の場合は、中央部に前記の親
水性多孔質板状材料等を中敷きし、その上下両側に好気
性微生物群を担持させた炭材含有親水性多孔質材料およ
び/または好気性微生物群を担持させた微生物活性剤含
有親水性多孔質材料で成形した小型ボール(好ましくは
開口部を設ける)の複数個、通常は4〜8個をそれぞれ
仕切られた部屋の中に収容し、さらには中心部の空間に
セラミックス粒や好気性微生物群を担持させた親水性多
孔質材料等を適宜収容することができる。
【0012】次に、本発明の用具を構成する各材料に好
気性微生物群を担持させる方法について、下記の1態様
により説明する。 (1)ポリビニルアルコール原液の調製 精製水に2価および/または3価の鉄塩を10-9 〜1
-13 容量%、好ましくは10-10 〜10-12 容量%添
加し、白炭(ウバメガシ炭)の小片を入れ、緩やかに加
温しながらポリビニルアルコール粉末を水量の5〜15
重量%、好ましくは10重量%程度加え、攪拌し、75
℃まで加熱したのち放冷する。なお、鉄塩としては2価
および3価のものが用いられ、塩化鉄、硫酸鉄などがが
好ましい。
【0013】(2)好気性微生物培養液の調製 水道水を入れた水槽に、海水から精製した多種のミネラ
ルを含む塩類(カリウム塩、ナトリウム塩、マグネシウ
ム塩など)をNaCl濃度で0.7〜1.2%、好ましくは
0.9〜1.0%となるように加えて混合する。また、
この水槽には、通気をするための空気揚水ポンプ(エア
リフトポンプ)並びに回転翼を有する液中ポンプ、これ
らを接続するパイプ、水温を調節する自動調節ヒーター
等が設置されている。液中ポンプは、回転数500rp
m以上、吐水効果95〜97%(定格量基準)に調節し
て用いることが望ましい。これにより、水槽内は効率よ
く攪拌される。また、水温は、自動調節ヒーターにて通
常23〜30℃、好ましくは25〜27℃に調節する。
【0014】該水槽に、微生物活性剤としてサポニンを
含む植物性界面活性剤(商品名:イコニン、田代興業社
製)を1×10-2〜1×10-5容量%、好ましくは5×
10-3〜1×10-4容量%添加する。サポニンは、界面
活性作用を有しており、特に「イコニン」に含まれるト
リテルペノイド系サポニンは、生理活性として微生物反
応を促進する作用、微生物へのストレスを緩和する作
用、微生物による油脂分解の促進作用等を有することが
知られている。また、「イコニン」には、その他に糖
類、エタノール、水分なども含まれている。微生物の増
殖環境を整えるため、水槽に炭材を加える。炭材は、微
生物の成長に必要な微量元素を保有しており、木炭は無
機灰分が2〜3%で、カリウム、カルシウム、マグネシ
ウムを多く含んでおり、竹炭や籾殻炭は無機灰分が約1
1%で、その90%以上が珪素である。本発明では、木
炭(白炭系)と竹炭(籾殻炭を含んでもよい)を混合し
て用い、前者:後者=20〜40%:80〜60%、好
ましくは約30%:約70%の割合で配合する。これら
炭材は平均粒径30〜50μMの粉末を用いるのが好ま
しい。炭材は0.1〜1.0%(重量)、好ましくは
0.3〜0.5%(重量)投入する。
【0015】次に、前記した好気性微生物群を加える。
該微生物群は前記した各種菌株の複数種を含むものであ
り、1〜数日間培養を続けることにより増殖が認められ
るようになる。好気性微生物群の増殖を確認した後、上
記(1)のポリビニルアルコール原液を加える。その添
加量は、全液量の0.05〜0.1%(容量)、好まし
くは0.07〜0.08%(容量)である。ポリビニル
アルコールを添加すると、微細な気泡(直径0.1〜
1.0mm)を多量に発生し、気泡間は粘稠性を帯び
る。攪拌されている水槽内で該気泡は小型化され、主に
直径0.1〜0.5mm程度のものとなり、槽内に滞留
する。粘稠性の気泡は通常5〜6時間保持されるが、や
がて液相に溶解する。なお、ポリビニルアルコール原液
や塩類を含有する補給液などを水槽に追加投与すると、
気泡の生成はさらに継続する。
【0016】(3)微生物群を担持した各材料の調製 このような状態にある水槽へ本発明の用具を構成する各
材料を投入する。水槽内に12〜24時間浸漬した後、
各材料を引き上げて気間乾燥することにより表面を酸化
する。乾燥の際の温度は20〜30℃、好ましくは25
℃が適当で、6〜12時間程度の時間をかけて乾燥させ
る。この操作を1〜4回程度、好ましくは2〜3回繰り
返すと、各材料の表面に多層の皮膜が形成される。単層
の皮膜の厚さは、ポリビニルアルコールの濃度や水槽へ
の浸漬時間等により変化するが、通常は5〜10μM程
度の薄膜である。材料の表面と皮膜の間並びに各皮膜の
間には微粒子状の炭材が存在することにより、溶存酸
素、水、微生物の流通路が確保されている。このように
して、各材料に目的とする好気性微生物群を含浸もしく
は付着させることができる。なお、別の態様として、各
材料に予め適当な方法により炭材や微生物活性剤などを
適宜含浸させた後に、微生物群、ポリビニルアルコール
等が含まれている水槽に浸漬して微生物群を担持させる
こともできる。
【0017】本発明の便器の汚れ、悪臭除去用具は、上
記の方法によって微生物群を担持させた各材料を用い
て、プレート型もしくはボール型に組み立てることによ
り作成することができる。プレート型のものや小型のボ
ール型用具の場合は、編成加工布が最外層を形成してい
る。
【0018】該用具を便器に設置する場合、その取り付
け位置が重要である。プレート型用具は小便器の洗浄水
流出口の直下に取付ける。また、ボール型用具は小便器
の洗浄水を供給する水槽内に収納する。このようにして
用具を設置することによって、当該便器を使用後に流出
する洗浄水に好気性微生物群の一部を混入させ、該便器
の汚れや悪臭を効果的に除去することができる。すなわ
ち、便器の汚れや悪臭の発生場所に達した微生物群によ
って原因物質は徐々に分解し、取り除かれる。この場
合、用具の表層膜に存在する微生物群の一部が流出して
も、表層膜は第2層以下の膜と連通しているため、これ
らの膜から該微生物群が自動的に補充される。また、該
微生物群は用具の構成材料に含まれる炭材などにより水
質、その他の環境が整えられ、さらに該材料の一部を栄
養源として利用する等して増殖を続けることができる。
そのため、該用具の効果は長期間にわたって維持され、
通常は所定の場所に設置した後、約1年は安定した効果
が維持される。
【0019】本発明に係る用具は、水道水中の次亜塩素
酸ソーダによる機能障害等の影響は受けないが、仮に殺
菌剤の散布等により、該用具表層の微生物群の活性が一
時的に被害を受けることがあっても、その影響が減少す
るに伴い、前記したように、第2、3層から微生物群が
表面に出現するため、2〜3週間で元の活性を回復する
ことができる。なお、該用具を当分の間、例えば6ヶ月
以上使用しない場合には、非密閉の状態で暗所にて保存
することにより、活性を保つことができる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明を実施例により説明するが、
本発明はこれらにより限定されるものではない。 実施例1 プレート型用具の作成 (1)ポリビニルアルコール原液の調製 精製水5Lに塩化鉄等の鉄塩をを10-11 容量%添加
し、これにウバメガシ炭の小片を入れ、緩やかに加温し
ながらポリビニルアルコール粉末を水量の10重量%加
えて攪拌し、75℃まで加熱したのち放冷した。
【0021】(2)好気性微生物培養液の調製 水道水150Lを入れた水槽に、海水から精製した多種
のミネラルを含む塩類をNaCl濃度で1.0%となるよう
に加えた。エアリフトポンプと接続している、水槽内の
液中ポンプの回転数を500rpm、吐水効果97%の
条件で作動させ、また水温を25℃に調節した。次に、
該水槽に微生物活性剤(商品名:イコニン、田代興業社
製)を5×10-3の割合で添加し、さらに木炭と竹炭を
30%:70%の割合で配合した平均粒径30〜50μ
Mの粉末状の炭材を全液量の0.5%(重量)投入し
た。この状態で液相を6時間養生させた後、海辺および
川辺の砂地から採取した好気性微生物群を投入し、上記
条件下で約1昼夜養生させて微生物群を十分に増殖させ
た。この後、上記(1)で調製したポリビニルアルコー
ル原液を全液量の0.07〜0.08%(容量)添加し
た。
【0022】(3)微生物群を担持した各材料の調製 上記(2)において調製された微生物培養液中に、用具
を構成する各材料を投入した。すなわち、ポリビニルア
ルコール繊維、蛋白繊維、ポリウレタン繊維およびナイ
ロン繊維を用いて編成加工した布により作った袋状物
(12×12×300mm)並びに親水性多孔質板材
(10×1.5×300mm)を投入し、24時間浸漬
した後、これら材料を引上げて25℃にて自然乾燥させ
た。次いで、この浸漬と乾燥の操作を3回繰り返し、各
材料の表面に多層の皮膜を形成させ、微生物群担持材料
を得た。
【0023】(4)プレート型用具の作製 上記(3)により得た微生物群を担持した各材料と竹ひ
ごの適量を組合せ、微生物群担持編成加工布の袋に収納
したのち端部を閉じ、プレート型の用具を作成した。
【0024】実施例2 ボール型用具の作製 実施例1の(3)において、用具の材料として開口部を
有するポリプロピレン樹脂製の球形容器(直径50m
m)を追加投入したこと以外は同様にして微生物群担持
材料を得た。次いで、微生物群を担持した親水性多孔質
板材を螺旋状に巻き、微生物群担持球形容器内に収納し
た。さらに、該球形容器の外表面を同じく微生物群を担
持した編成加工布の袋で包み、ボール型の用具を作成し
た。このボール型の用具は、複数個を連結して用いるこ
とができる。また、端部に紐を取り付けて吊り下げられ
るようにすることもできる。
【0025】実施例3 実施例1において作成したプレート型の用具を、T小学
校のトイレ内の小便器(6器が並んだ状態)の上部にあ
る洗浄水流出口の直下に設置し、該便器の汚れおよび悪
臭の除去効果を調査した。本発明の用具を取り付けてか
ら2週間後、黄ばみ等の汚れはトイレ用ブラシでこする
ことにより、洗剤を用いないでも簡単に除去することが
できた。また、1ヶ月後には、小便器の下部にある排水
口にこびりついていた尿石の軟化、溶解が始まった(ナ
イフを使用した剥離試験で確認)。設置2ヶ月後には、
これらの尿石は、トイレ用ブラシ等を使用し水を流しな
がら行う清掃によって、1部を残して除去することがで
きた。これに伴い汚れから発生していた悪臭も減少し
た。その後、継続的に該用具を使用したところ、便器に
付着する汚れは減少し、悪臭の発生も著しく抑えられる
ことが確認された。
【0026】実施例4 実施例2において作製したボール型の用具を家庭用トイ
レの洗浄水槽(ロータンク)上部の手洗い部に置いて、
該便器の汚れと悪臭除去の効果を調べた。該用具を取り
付けてから2〜3週間後に、便器をトイレ用ブラシでこ
すったところ、こびりついていた汚れや黄ばみ等を簡単
に除去することができた。その後、時間の経過と共に便
器に付着する汚れは減少した。
【0027】実施例5 図5に示したボール型の用具を学校トイレまたは公衆ト
イレの洗浄水槽(ハイタンク)内に取付けた。この洗浄
水槽は、配管により4〜5個の小便器と連通している。
ボール型用具の取付けによる便器の汚れと悪臭除去の効
果を調べた。該用具を取り付けてから2〜3週間後に、
便器をトイレ用ブラシでこすったところ、こびりついて
いた汚れや黄ばみ等を簡単に除去することができた。そ
の後、時間の経過と共に便器に付着する汚れは減少し
た。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、土壌由来の好気性微生
物群を利用することにより、従来の化学薬剤を用いる洗
浄方法に比べ簡便な方法で、しかも安全に便器の汚れや
悪臭を効果的に除去することができる。しかも、この効
果は長期間にわたって安定して持続する。また、本発明
に係る用具は、所定期間使用後に回収するが、その構成
材料の殆どは再使用することができるので、本発明は環
境に優しく、資源節約に大きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 プレート型用具の1態様の説明図である。
【図2】 プレート型用具の1態様の断面図である。
【図3】 ボール型用具の1態様の説明図である。
【図4】 ボール型用具の1態様の断面図である。
【図5】 ボール型用具の別の態様の説明図である。
【図6】 プレート型用具の使用例を示す。
【図7】 ボール型用具の使用例を示し、Aはハイタン
ク、Bはロータンクの洗浄水槽を示す。
【符号の説明】
1 袋状の編成加工布 2 親水性多孔質板状材料 3 ナイロン不織布 4 竹ひご 5 球形容器 6 セラミックス 7 仕切り壁 8 小型ボール 9 筒状空洞 10 中敷き材 11 蓋 12 接続部 13 小便器 14 プレート型用具 15 洗浄水槽 16 ボール型用具 17 フロート

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 好気性微生物群を担持させた袋状の編成
    加工布に、好気性微生物群を担持させた炭材含有親水性
    多孔質板状材料および/または好気性微生物群を担持さ
    せた微生物活性剤含有親水性多孔質板状材料並びに竹ひ
    ごを収容したことを特徴とするプレート型の便器の汚
    れ、悪臭除去用具。
  2. 【請求項2】 好気性微生物群を担持させた開口部を有
    する球形容器内に、好気性微生物群を担持させた炭材含
    有親水性多孔質板状材料および/または好気性微生物群
    を担持させた微生物活性剤含有親水性多孔質板状材料を
    螺旋状に巻いて収容し、かつ球形容器の外周を好気性微
    生物群を担持させた編成加工布で被覆したことを特徴と
    するボール型の便器の汚れ、悪臭除去用具。
  3. 【請求項3】 好気性微生物群を担持させた開口部を有
    する中空の半球形容器内に複数個の仕切り壁を設け、か
    つ中心部に筒状の空間を設けたもの2個を1組として形
    成した球形容器内の中央部に親水性多孔質板状材料を中
    敷きし、その上下両側の半球部の複数個の仕切り壁の間
    のそれぞれに好気性微生物群を担持させた炭材含有親水
    性多孔質材料および/または好気性微生物群を担持させ
    た微生物活性剤含有親水性多孔質材料で成形した小型ボ
    ールを収容し、さらには中心の筒状空洞にセラミックス
    粒および/または好気性微生物群を担持させた親水性多
    孔質材料等を収容したことを特徴とするボール型の便器
    の汚れ、悪臭除去用具。
  4. 【請求項4】 編成加工布が、ポリビニルアルコール系
    合成繊維、蛋白繊維、ポリウレタン合成繊維およびポリ
    アミド合成繊維を用いて編成加工したものである請求項
    1または2に記載の便器の汚れ、悪臭除去用具。
  5. 【請求項5】 好気性微生物群を担持させた各材料が、
    当該材料を好気性微生物群、ポリビニルアルコール、炭
    材(木炭と竹炭)および/または微生物活性剤を含有す
    る水溶液に浸漬し、これらを含浸もしくは付着させた
    後、乾燥して膜を形成し、必要に応じて好気性微生物群
    等を含浸もしくは付着させ、さらに膜を形成する操作を
    繰り返すことによって形成したものである請求項1〜3
    のいずれかに記載の便器の汚れ、悪臭除去用具。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の便器の汚れ、悪臭除去
    用具を小便器の洗浄水流出口の直下に取付けることによ
    って、当該便器を使用後に流出する洗浄水に好気性微生
    物群の一部を混入させることを特徴とする便器の汚れや
    悪臭を除去する方法。
  7. 【請求項7】 請求項2または3に記載の便器の汚れ、
    悪臭除去用具を小便器の洗浄水を供給する水槽内に収納
    することによって、当該便器を使用後に流出する洗浄水
    に好気性微生物群の一部を混入させることを特徴とする
    便器の汚れや悪臭を除去する方法。
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