JPH11218747A - 液晶表示素子用基板およびカラー液晶表示素子 - Google Patents
液晶表示素子用基板およびカラー液晶表示素子Info
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- JPH11218747A JPH11218747A JP1994298A JP1994298A JPH11218747A JP H11218747 A JPH11218747 A JP H11218747A JP 1994298 A JP1994298 A JP 1994298A JP 1994298 A JP1994298 A JP 1994298A JP H11218747 A JPH11218747 A JP H11218747A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 空気中で自然に表面に酸化膜を形成する金属
以外の金属からなる金属遮光膜を備え、該金属遮光膜
が、経時変化などによる表面改質などのない、安定した
ものとする液晶表示素子用基板、およびこれを備えたカ
ラー液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 ガラス基板1、およびガラス基板1上に
形成された金属遮光膜3の表面を覆うように、SiO2
からなるSiOx 膜16を形成する。
以外の金属からなる金属遮光膜を備え、該金属遮光膜
が、経時変化などによる表面改質などのない、安定した
ものとする液晶表示素子用基板、およびこれを備えたカ
ラー液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 ガラス基板1、およびガラス基板1上に
形成された金属遮光膜3の表面を覆うように、SiO2
からなるSiOx 膜16を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の画像表示用
モニターなどに用いられる液晶表示装置を構成する液晶
表示素子用基板、および、カラー液晶表示素子に関する
ものである。
モニターなどに用いられる液晶表示装置を構成する液晶
表示素子用基板、および、カラー液晶表示素子に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば、OA(Office Automatio
n )・FA(Factory Automation)機器用モニタ、情報
携帯端末の表示パネルなどとして、液晶表示装置が広く
用いられている。このように、液晶表示装置が広く用い
られていることの理由として、厚さが薄くできること、
消費電力が小さいこと、重量が軽いことなどが挙げられ
る。
n )・FA(Factory Automation)機器用モニタ、情報
携帯端末の表示パネルなどとして、液晶表示装置が広く
用いられている。このように、液晶表示装置が広く用い
られていることの理由として、厚さが薄くできること、
消費電力が小さいこと、重量が軽いことなどが挙げられ
る。
【0003】一般的に、カラー表示を行う液晶表示装置
(以下、カラー液晶表示装置と称す)は、各画素に対応
して、赤(R)緑(G)青(B)の三原色を持つ染料や
顔料を含有した樹脂膜からなるカラーフィルタを備えて
いる。また、各画素同士の境界には、隣接画素間からの
光漏れの防止、各画素に対応する色同士の混色の防止な
どの目的で、遮光膜(ブラックマトリクス)が設けられ
ている。この遮光膜としては、クロムからなる金属遮光
膜が一般的に用いられている。
(以下、カラー液晶表示装置と称す)は、各画素に対応
して、赤(R)緑(G)青(B)の三原色を持つ染料や
顔料を含有した樹脂膜からなるカラーフィルタを備えて
いる。また、各画素同士の境界には、隣接画素間からの
光漏れの防止、各画素に対応する色同士の混色の防止な
どの目的で、遮光膜(ブラックマトリクス)が設けられ
ている。この遮光膜としては、クロムからなる金属遮光
膜が一般的に用いられている。
【0004】図9は、従来のカラー液晶表示素子の概略
構成を示す断面図である。一対の液晶表示素子用基板P
1・P2が間隙をおいて対向して配置され、この間隙
に、シール材9によって液晶層10が封入されている。
構成を示す断面図である。一対の液晶表示素子用基板P
1・P2が間隙をおいて対向して配置され、この間隙
に、シール材9によって液晶層10が封入されている。
【0005】液晶表示素子用基板P1は、以下に示すよ
うな構成となっている。ガラス基板1における液晶表示
素子用基板P2に対向する面に、クロムからなる金属遮
光膜3が各画素の境界領域およびカラー液晶表示素子の
周辺領域に形成され、カラーフィルタ層4R…、4G
…、4B…が各画素の発光領域に形成されている。金属
遮光膜3およびカラーフィルタ層4R…、4G…、4B
…の上層には、オーバーコート層5が形成され、さらに
上層に、ストライプ状に透明電極6aが形成されてい
る。透明電極6aのさらに上層には、配向膜7aが形成
されている。
うな構成となっている。ガラス基板1における液晶表示
素子用基板P2に対向する面に、クロムからなる金属遮
光膜3が各画素の境界領域およびカラー液晶表示素子の
周辺領域に形成され、カラーフィルタ層4R…、4G
…、4B…が各画素の発光領域に形成されている。金属
遮光膜3およびカラーフィルタ層4R…、4G…、4B
…の上層には、オーバーコート層5が形成され、さらに
上層に、ストライプ状に透明電極6aが形成されてい
る。透明電極6aのさらに上層には、配向膜7aが形成
されている。
【0006】また、液晶表示素子用基板P2は、以下に
示すような構成となっている。ガラス基板2における液
晶表示素子用基板P1に対向する面に、透明電極6aに
直交するように、透明電極6bがストライプ状に形成さ
れている。透明電極6bの上層には、絶縁膜8、配向膜
7bがこの順で形成されている。
示すような構成となっている。ガラス基板2における液
晶表示素子用基板P1に対向する面に、透明電極6aに
直交するように、透明電極6bがストライプ状に形成さ
れている。透明電極6bの上層には、絶縁膜8、配向膜
7bがこの順で形成されている。
【0007】液晶表示素子用基板P1・P2同士の間隙
は、シール材9に含まれているガラスビーズ11、およ
び液晶層10に含まれているプラスチックビーズ12に
よって、一定に保持されている。
は、シール材9に含まれているガラスビーズ11、およ
び液晶層10に含まれているプラスチックビーズ12に
よって、一定に保持されている。
【0008】次に、上記金属遮光膜3の形成方法を、図
10(a)ないし(e)を参照しながら以下に説明す
る。まず、図10(a)に示すように、ガラス基板1の
片面全域に、金属遮光膜3をスパッタ法によって約10
00Å程度の厚さで真空蒸着させる。次に、図10
(b)に示すように、上記金属遮光膜3上にレジスト膜
13を塗布する。次に、図10(c)に示すように、レ
ジスト膜13の上方にフォトマスク14を配置し、紫外
線を照射することによって、レジスト膜13の所望の領
域を感光させる。次に、図10(d)に示すように、感
光させた領域以外のレジスト膜13を除去することによ
って、レジスト膜13を現像する。最後に、図10
(e)に示すように、エッチングによって、レジスト膜
13が形成されていない領域の金属遮光膜3を除去し、
マトリクス状の金属遮光膜3を形成する。
10(a)ないし(e)を参照しながら以下に説明す
る。まず、図10(a)に示すように、ガラス基板1の
片面全域に、金属遮光膜3をスパッタ法によって約10
00Å程度の厚さで真空蒸着させる。次に、図10
(b)に示すように、上記金属遮光膜3上にレジスト膜
13を塗布する。次に、図10(c)に示すように、レ
ジスト膜13の上方にフォトマスク14を配置し、紫外
線を照射することによって、レジスト膜13の所望の領
域を感光させる。次に、図10(d)に示すように、感
光させた領域以外のレジスト膜13を除去することによ
って、レジスト膜13を現像する。最後に、図10
(e)に示すように、エッチングによって、レジスト膜
13が形成されていない領域の金属遮光膜3を除去し、
マトリクス状の金属遮光膜3を形成する。
【0009】なお、上記の方法では、ガラス基板1の片
面全域に金属遮光膜3を形成する方法として、スパッタ
法を用いたが、無電解メッキ法を用いてもよい。
面全域に金属遮光膜3を形成する方法として、スパッタ
法を用いたが、無電解メッキ法を用いてもよい。
【0010】また、金属遮光膜3を形成する他の方法と
して、図11(a)および(b)に示すような、メッキ
法を用いることもできる。メッキ法は、まず、図11
(a)に示すように、ガラス基板1上に透明電極6aを
パターニングし、図11(b)に示すように、透明電極
6a上に金属遮光膜3をメッキする方法である。
して、図11(a)および(b)に示すような、メッキ
法を用いることもできる。メッキ法は、まず、図11
(a)に示すように、ガラス基板1上に透明電極6aを
パターニングし、図11(b)に示すように、透明電極
6a上に金属遮光膜3をメッキする方法である。
【0011】次に、上記のように金属遮光膜3が形成さ
れたガラス基板1上に、カラーフィルタ層4R…、4G
…、4B…を形成する方法を、図12(a)ないし
(e)を参照しながら以下に説明する。まず、図12
(a)に示すように、ガラス基板1における金属遮光膜
3が形成されている方の面に、例えば赤色に対応した顔
料を分散させた感光性樹脂材料からなるカラーフィルタ
層4Rを、スピンコート法あるいはフィルムラミネート
法などによって形成する。次に、図12(b)に示すよ
うに、カラーフィルタ層4Rの上方にフォトマスク15
を配置し、紫外線を照射することによって、赤色に対応
した画素の領域のカラーフィルタ層4Rを感光させる。
次に、図12(c)に示すように、感光させた領域以外
のカラーフィルタ層4Rを除去し、焼成することによっ
て定着させる。同様にして、緑色および青色に対応した
顔料を分散させた感光性樹脂材料からなるカラーフィル
タ層4G、4Bを、図12(d)に示すように、各色に
対応した画素の領域に形成する。最後に、図12(e)
に示すように、カラーフィルタ層4R…、4G…、4B
…の表面の平滑性を向上させ、かつ、透明電極6aとの
密着力を確保するために、オーバーコート層5をスピン
コート法あるいは印刷法などにより形成する。
れたガラス基板1上に、カラーフィルタ層4R…、4G
…、4B…を形成する方法を、図12(a)ないし
(e)を参照しながら以下に説明する。まず、図12
(a)に示すように、ガラス基板1における金属遮光膜
3が形成されている方の面に、例えば赤色に対応した顔
料を分散させた感光性樹脂材料からなるカラーフィルタ
層4Rを、スピンコート法あるいはフィルムラミネート
法などによって形成する。次に、図12(b)に示すよ
うに、カラーフィルタ層4Rの上方にフォトマスク15
を配置し、紫外線を照射することによって、赤色に対応
した画素の領域のカラーフィルタ層4Rを感光させる。
次に、図12(c)に示すように、感光させた領域以外
のカラーフィルタ層4Rを除去し、焼成することによっ
て定着させる。同様にして、緑色および青色に対応した
顔料を分散させた感光性樹脂材料からなるカラーフィル
タ層4G、4Bを、図12(d)に示すように、各色に
対応した画素の領域に形成する。最後に、図12(e)
に示すように、カラーフィルタ層4R…、4G…、4B
…の表面の平滑性を向上させ、かつ、透明電極6aとの
密着力を確保するために、オーバーコート層5をスピン
コート法あるいは印刷法などにより形成する。
【0012】なお、カラーフィルタ層4R…、4G…、
4B…を形成する方法として、顔料を分散させたインク
を、3色同時に、あるいは1色ずつ、オフセット印刷な
どによってガラス基板1上に印刷する印刷法、受容体を
形成した後、所定の位置の受容体を染色材料によって染
色する染色法、顔料を分散させた樹脂材料を所定の位置
に吹き付けるインクジェット法などを用いてもよい。
4B…を形成する方法として、顔料を分散させたインク
を、3色同時に、あるいは1色ずつ、オフセット印刷な
どによってガラス基板1上に印刷する印刷法、受容体を
形成した後、所定の位置の受容体を染色材料によって染
色する染色法、顔料を分散させた樹脂材料を所定の位置
に吹き付けるインクジェット法などを用いてもよい。
【0013】上記のクロムからなる金属遮光膜3は、空
気中で表面に酸化クロムを形成するので、ブラックマト
リクスとして形成された後も、その表面が酸化膜で保護
されることになる。よって、カラーフィルタ層4R…、
4G…、4B…の形成時や、高温度が加わる、オーバー
コート層5の形成、透明電極6aの形成、配向膜7aの
形成時などにも、クロムがイオンとして溶出するなどの
問題が生じにくくなっている。
気中で表面に酸化クロムを形成するので、ブラックマト
リクスとして形成された後も、その表面が酸化膜で保護
されることになる。よって、カラーフィルタ層4R…、
4G…、4B…の形成時や、高温度が加わる、オーバー
コート層5の形成、透明電極6aの形成、配向膜7aの
形成時などにも、クロムがイオンとして溶出するなどの
問題が生じにくくなっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
液晶表示装置の高品位化と同時に、低価格化への要求が
高まっており、特にSTN(Super Twisted Nematic) 型
カラー液晶表示素子において、カラーフィルタ基板の金
属遮光膜3の低価格化が望まれている。ところが、現在
主流の、クロムからなる金属遮光膜3は価格が高く、ま
た、環境保全の観点からもクロムの使用を自粛する必要
性がある。そこで、最近では、Ni−Cu合金遮光膜、
Ni−Ta合金遮光膜、Ta金属遮光膜、Niメッキ遮
光膜などの、低価格で、かつ環境への影響のない材料に
よる金属遮光膜3が開発されるようになってきている。
液晶表示装置の高品位化と同時に、低価格化への要求が
高まっており、特にSTN(Super Twisted Nematic) 型
カラー液晶表示素子において、カラーフィルタ基板の金
属遮光膜3の低価格化が望まれている。ところが、現在
主流の、クロムからなる金属遮光膜3は価格が高く、ま
た、環境保全の観点からもクロムの使用を自粛する必要
性がある。そこで、最近では、Ni−Cu合金遮光膜、
Ni−Ta合金遮光膜、Ta金属遮光膜、Niメッキ遮
光膜などの、低価格で、かつ環境への影響のない材料に
よる金属遮光膜3が開発されるようになってきている。
【0015】しかし、クロムからなる金属遮光膜3に
は、上記のように、保護膜としての酸化膜が形成された
が、例えばNi−Cu合金遮光膜などには、そのような
酸化膜は形成されない。したがって、カラーフィルタ層
4R…、4G…、4B…の形成時や、オーバーコート層
5の形成、透明電極6aの形成、配向膜7aの形成時な
どに、表面イオンの溶出などが生じてしまう。これによ
り、カラーフィルタ層4R…、4G…、4B…の形状の
ばらつき、オーバーコート層5のレベリング能力の低
下、液晶中へ溶け込んだ場合の液晶特性の劣化、などの
問題が生じる。また、金属遮光膜3をフォトリソグラフ
ィによってパターニングする際に、エッチング溶液成分
およびエッチングにより溶け出した遮光膜金属成分など
が基板の表面に付着し、これにより、カラーフィルタ層
4R…、4G…、4B…の形成工程での現像レートバラ
ツキや現像状態バラツキ(残渣)などが生じることもあ
る。さらに、液晶表示素子の完成後も、周囲の湿度によ
る金属遮光膜3の腐食などが生じ、信頼性が低下すると
いう問題もある。
は、上記のように、保護膜としての酸化膜が形成された
が、例えばNi−Cu合金遮光膜などには、そのような
酸化膜は形成されない。したがって、カラーフィルタ層
4R…、4G…、4B…の形成時や、オーバーコート層
5の形成、透明電極6aの形成、配向膜7aの形成時な
どに、表面イオンの溶出などが生じてしまう。これによ
り、カラーフィルタ層4R…、4G…、4B…の形状の
ばらつき、オーバーコート層5のレベリング能力の低
下、液晶中へ溶け込んだ場合の液晶特性の劣化、などの
問題が生じる。また、金属遮光膜3をフォトリソグラフ
ィによってパターニングする際に、エッチング溶液成分
およびエッチングにより溶け出した遮光膜金属成分など
が基板の表面に付着し、これにより、カラーフィルタ層
4R…、4G…、4B…の形成工程での現像レートバラ
ツキや現像状態バラツキ(残渣)などが生じることもあ
る。さらに、液晶表示素子の完成後も、周囲の湿度によ
る金属遮光膜3の腐食などが生じ、信頼性が低下すると
いう問題もある。
【0016】また、金属によって遮光膜を形成する場合
の共通の課題として、金属遮光膜3と、オーバーコート
層5を介して金属遮光膜3の上層に形成されている透明
電極6aとが短絡する欠陥が発生することがある。これ
は、前記シール材9中の、間隙保持材としてのガラスビ
ーズ11が、ガラス基板1・2同士を貼り合わせる時の
圧力により金属遮光膜3までめり込み、これに伴って、
透明電極6aが金属遮光膜3に接触することによるもの
である。このような欠陥が生じることによって歩留りが
低下し、コストアップにつながっている。
の共通の課題として、金属遮光膜3と、オーバーコート
層5を介して金属遮光膜3の上層に形成されている透明
電極6aとが短絡する欠陥が発生することがある。これ
は、前記シール材9中の、間隙保持材としてのガラスビ
ーズ11が、ガラス基板1・2同士を貼り合わせる時の
圧力により金属遮光膜3までめり込み、これに伴って、
透明電極6aが金属遮光膜3に接触することによるもの
である。このような欠陥が生じることによって歩留りが
低下し、コストアップにつながっている。
【0017】本発明の目的は、空気中で自然に表面に酸
化膜を形成する金属以外の金属からなる金属遮光膜を備
え、該金属遮光膜が、経時変化などによる表面改質など
のない、安定したものとする液晶表示素子用基板および
該液晶表示素子用基板を備えたカラー液晶表示素子を提
供することにある。
化膜を形成する金属以外の金属からなる金属遮光膜を備
え、該金属遮光膜が、経時変化などによる表面改質など
のない、安定したものとする液晶表示素子用基板および
該液晶表示素子用基板を備えたカラー液晶表示素子を提
供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の液晶表示素子用基板は、透明基板
上に金属遮光膜が形成された液晶表示素子用基板におい
て、上記金属遮光膜は、空気中で自然に表面に酸化膜を
形成する金属以外の金属からなり、少なくとも金属遮光
膜の上面に、絶縁性透明膜が形成されていることを特徴
としている。
めに、請求項1記載の液晶表示素子用基板は、透明基板
上に金属遮光膜が形成された液晶表示素子用基板におい
て、上記金属遮光膜は、空気中で自然に表面に酸化膜を
形成する金属以外の金属からなり、少なくとも金属遮光
膜の上面に、絶縁性透明膜が形成されていることを特徴
としている。
【0019】上記金属遮光膜として、従来一般的に使用
されているクロムなどの、空気中で自然に表面に酸化膜
を形成する金属を使用した場合、コストが高くなるとい
う問題や、環境保全の立場からの問題があった。しかし
ながら、上記の構成によれば、金属遮光膜は、空気中で
自然に表面に酸化膜を形成する金属以外の金属からなっ
ているので、上記のような問題を解消することができ
る。また、少なくとも金属遮光膜の上面に、絶縁性透明
膜が形成されているので、表面に保護膜としての酸化膜
を形成しない金属を金属遮光膜として使用しても、経時
変化等による表面改質などが生じない、安定した金属遮
光膜を備えた液晶表示素子用基板を提供することができ
る。
されているクロムなどの、空気中で自然に表面に酸化膜
を形成する金属を使用した場合、コストが高くなるとい
う問題や、環境保全の立場からの問題があった。しかし
ながら、上記の構成によれば、金属遮光膜は、空気中で
自然に表面に酸化膜を形成する金属以外の金属からなっ
ているので、上記のような問題を解消することができ
る。また、少なくとも金属遮光膜の上面に、絶縁性透明
膜が形成されているので、表面に保護膜としての酸化膜
を形成しない金属を金属遮光膜として使用しても、経時
変化等による表面改質などが生じない、安定した金属遮
光膜を備えた液晶表示素子用基板を提供することができ
る。
【0020】請求項2記載の液晶表示素子用基板は、請
求項1記載の構成において、上記絶縁性透明膜は、その
厚みが100〜1000Åの範囲内となるように形成さ
れていることを特徴としている。
求項1記載の構成において、上記絶縁性透明膜は、その
厚みが100〜1000Åの範囲内となるように形成さ
れていることを特徴としている。
【0021】上記の構成によれば、100〜500Åの
厚みの絶縁性透明膜ならば、スパッタ法を用いることに
よって、安価に絶縁性透明膜を形成することができ、か
つ、厚みの制御を精密に行うことができる。また、50
0〜1000Åの厚みの絶縁性透明膜ならば、dip法
を用いることによって、安価に絶縁性透明膜を形成する
ことができ、かつ、厚みの制御を精密に行うことができ
る。
厚みの絶縁性透明膜ならば、スパッタ法を用いることに
よって、安価に絶縁性透明膜を形成することができ、か
つ、厚みの制御を精密に行うことができる。また、50
0〜1000Åの厚みの絶縁性透明膜ならば、dip法
を用いることによって、安価に絶縁性透明膜を形成する
ことができ、かつ、厚みの制御を精密に行うことができ
る。
【0022】請求項3記載の液晶表示素子用基板は、請
求項1記載の構成において、上記絶縁性透明膜における
上記金属遮光膜側の面とは反対側の面上に、カラーフィ
ルタ層が形成されていることを特徴としている。
求項1記載の構成において、上記絶縁性透明膜における
上記金属遮光膜側の面とは反対側の面上に、カラーフィ
ルタ層が形成されていることを特徴としている。
【0023】上記の構成によれば、カラーフィルタ層と
金属遮光膜との間に絶縁性透明膜が配置されているの
で、カラーフィルタ層形成時に、金属遮光膜の金属成分
が溶出することによる、カラーフィルタ層の現像ムラ、
残渣などが生じにくくなる。よって、カラーフィルタ層
の形状が均一で、かつ安定した液晶表示素子用基板を提
供することができる。
金属遮光膜との間に絶縁性透明膜が配置されているの
で、カラーフィルタ層形成時に、金属遮光膜の金属成分
が溶出することによる、カラーフィルタ層の現像ムラ、
残渣などが生じにくくなる。よって、カラーフィルタ層
の形状が均一で、かつ安定した液晶表示素子用基板を提
供することができる。
【0024】請求項4記載のカラー液晶表示素子は、シ
ール材を介して貼り合わされた一対の液晶表示素子用基
板と、上記液晶表示素子用基板上に形成された透明電極
と、上記液晶表示素子用基板とシール材とで囲まれた間
隙に充填された液晶層とを備え、上記液晶表示素子用基
板の少なくとも一方は、請求項3に記載の液晶表示素子
用基板であることを特徴としている。
ール材を介して貼り合わされた一対の液晶表示素子用基
板と、上記液晶表示素子用基板上に形成された透明電極
と、上記液晶表示素子用基板とシール材とで囲まれた間
隙に充填された液晶層とを備え、上記液晶表示素子用基
板の少なくとも一方は、請求項3に記載の液晶表示素子
用基板であることを特徴としている。
【0025】上記の構成によれば、例えばNi−Cu合
金からなる金属遮光膜のように、その表面が、水分や弱
酸などに侵されやすい金属遮光膜の表面が、上記絶縁性
透明膜によって覆われているので、高温高湿状態での保
存性や、通電状態での耐腐食性が向上する。よって、信
頼性が優れたカラー液晶表示素子を提供することができ
る。
金からなる金属遮光膜のように、その表面が、水分や弱
酸などに侵されやすい金属遮光膜の表面が、上記絶縁性
透明膜によって覆われているので、高温高湿状態での保
存性や、通電状態での耐腐食性が向上する。よって、信
頼性が優れたカラー液晶表示素子を提供することができ
る。
【0026】また、上記シール材が間隙保持材としての
ガラスビーズなどを含んでいる場合、液晶表示素子用基
板同士を貼り合わせる際に、上記ガラスビーズが透明電
極にめり込むことによって、透明電極と金属遮光膜とが
導通不良を起こすことがある。しかしながら、上記の構
成によれば、金属遮光膜の表面が、上記絶縁性透明膜に
よって覆われているので、上記のような導通不良を起こ
す確率を大幅に低減することができる。
ガラスビーズなどを含んでいる場合、液晶表示素子用基
板同士を貼り合わせる際に、上記ガラスビーズが透明電
極にめり込むことによって、透明電極と金属遮光膜とが
導通不良を起こすことがある。しかしながら、上記の構
成によれば、金属遮光膜の表面が、上記絶縁性透明膜に
よって覆われているので、上記のような導通不良を起こ
す確率を大幅に低減することができる。
【0027】また、例えば配向膜の形成工程などの高温
度処理を行う際にも、金属遮光膜からの金属イオンなど
の溶出がなくなり、液晶層に不純物が混入することがな
くなるので、液晶特性が安定し、表示品位の優れたカラ
ー液晶表示素子を提供することができる。
度処理を行う際にも、金属遮光膜からの金属イオンなど
の溶出がなくなり、液晶層に不純物が混入することがな
くなるので、液晶特性が安定し、表示品位の優れたカラ
ー液晶表示素子を提供することができる。
【0028】請求項5記載のカラー液晶表示素子は、請
求項4記載の構成において、上記絶縁性透明膜は、その
厚みが350〜800Åの範囲内で形成されていること
を特徴としている。
求項4記載の構成において、上記絶縁性透明膜は、その
厚みが350〜800Åの範囲内で形成されていること
を特徴としている。
【0029】上記の構成によれば、上記の導通不良を起
こす確率が十分に低くなり、かつ、必要以上の材料を使
うことがなくなる。
こす確率が十分に低くなり、かつ、必要以上の材料を使
うことがなくなる。
【0030】請求項6記載のカラー液晶表示素子は、請
求項4記載の構成において、上記カラーフィルタ層を覆
うように、平滑化膜が形成されていることを特徴として
いる。
求項4記載の構成において、上記カラーフィルタ層を覆
うように、平滑化膜が形成されていることを特徴として
いる。
【0031】上記の構成によれば、金属遮光膜が絶縁性
透明膜によって覆われているので、平滑化膜のレベリン
グに影響するような、金属遮光膜の金属イオンの溶出な
どがなくなる。よって、平滑度の高い平滑化膜を形成す
ることができるので、液晶の立ち上がりが均一になり、
表示品位の高いカラー液晶表示素子を提供することがで
きる。
透明膜によって覆われているので、平滑化膜のレベリン
グに影響するような、金属遮光膜の金属イオンの溶出な
どがなくなる。よって、平滑度の高い平滑化膜を形成す
ることができるので、液晶の立ち上がりが均一になり、
表示品位の高いカラー液晶表示素子を提供することがで
きる。
【0032】請求項7記載のカラー液晶表示素子は、請
求項4、5または6に記載の構成において、上記液晶層
の液晶は、液晶分子のねじれ角を180〜360度に設
定されているSTN(Super Twisted Nematic) 型液晶で
あること特徴としている。
求項4、5または6に記載の構成において、上記液晶層
の液晶は、液晶分子のねじれ角を180〜360度に設
定されているSTN(Super Twisted Nematic) 型液晶で
あること特徴としている。
【0033】上記の構成によれば、カラーフィルタ層の
形状や仕上がりが安定しており、また、平滑度の高い平
滑化膜が形成されているので、高コントラスト、高輝
度、高速応答、高表示品位、高信頼性を満足するSTN
型カラー液晶表示素子を提供することができる。
形状や仕上がりが安定しており、また、平滑度の高い平
滑化膜が形成されているので、高コントラスト、高輝
度、高速応答、高表示品位、高信頼性を満足するSTN
型カラー液晶表示素子を提供することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図8に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。
1ないし図8に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。
【0035】図1は、本実施形態に係るカラー液晶表示
素子の概略構成を示す断面図である。ガラス基板1にお
ける液晶表示素子用基板P2に対向する面に、金属遮光
膜3が各画素の境界領域およびカラー液晶表示素子の周
辺領域に形成されており、この金属遮光膜3およびガラ
ス基板1の上面を覆うように、SiOx 膜(絶縁性透明
膜)16が形成されている。SiOx 膜16の上層に
は、カラーフィルタ層4R…、4G…、4B…が各画素
の発光領域に形成され、カラーフィルタ層4R…、4G
…、4B…およびSiOx 膜16の上層には、オーバー
コート層(平滑化膜)5が形成されている。その他の構
成は、従来の技術において図9を参照しながら説明した
カラー液晶表示素子の構成と同様であるので、その説明
を省略する。
素子の概略構成を示す断面図である。ガラス基板1にお
ける液晶表示素子用基板P2に対向する面に、金属遮光
膜3が各画素の境界領域およびカラー液晶表示素子の周
辺領域に形成されており、この金属遮光膜3およびガラ
ス基板1の上面を覆うように、SiOx 膜(絶縁性透明
膜)16が形成されている。SiOx 膜16の上層に
は、カラーフィルタ層4R…、4G…、4B…が各画素
の発光領域に形成され、カラーフィルタ層4R…、4G
…、4B…およびSiOx 膜16の上層には、オーバー
コート層(平滑化膜)5が形成されている。その他の構
成は、従来の技術において図9を参照しながら説明した
カラー液晶表示素子の構成と同様であるので、その説明
を省略する。
【0036】上記のSiOx 膜16は、金属遮光膜3が
形成されたガラス基板1上に、スパッタ法あるいはdi
p法などによって均一な厚みとなるように形成される。
金属遮光膜3の厚みが、100〜500Åの範囲内であ
ればスパッタ法を用い、500〜1000Åの範囲内で
あればdip法を用いれば、安価で、かつ、精密に金属
遮光膜3を形成することができる。なお、ガラス基板1
上に金属遮光膜3を形成する方法は、従来の技術におい
て図10(a)ないし(e)を参照しながら説明した方
法などを用いる。なお、SiOx 膜16として、SiO
Nx 膜を用いてもかまわない。
形成されたガラス基板1上に、スパッタ法あるいはdi
p法などによって均一な厚みとなるように形成される。
金属遮光膜3の厚みが、100〜500Åの範囲内であ
ればスパッタ法を用い、500〜1000Åの範囲内で
あればdip法を用いれば、安価で、かつ、精密に金属
遮光膜3を形成することができる。なお、ガラス基板1
上に金属遮光膜3を形成する方法は、従来の技術におい
て図10(a)ないし(e)を参照しながら説明した方
法などを用いる。なお、SiOx 膜16として、SiO
Nx 膜を用いてもかまわない。
【0037】次に、上記のように金属遮光膜3およびS
iOx 膜16が形成されたガラス基板1上に、カラーフ
ィルタ層4R…、4G…、4B…を形成する方法を、図
2(a)ないし(f)を参照しながら以下に説明する。
まず、図2(a)に示すように、ガラス基板1上に金属
遮光膜3を形成し、その後、ガラス基板1および金属遮
光膜3を覆うようにSiOx 膜16を形成する。そし
て、図2(b)に示すように、ガラス基板1に形成され
たSiOx 膜16の上面に、例えば赤色に対応した顔料
を分散させた感光性樹脂材料からなるカラーフィルタ層
4Rを、スピンコート法あるいはフィルムラミネート法
などによって形成する。次に、図2(c)に示すよう
に、カラーフィルタ層4Rの上方にフォトマスク15を
配置し、紫外線を照射することによって、赤色に対応し
た画素の領域のカラーフィルタ層4Rを感光させる。次
に、図2(d)に示すように、感光させた領域以外のカ
ラーフィルタ層4Rを除去し、焼成することによって定
着させる。同様にして、緑色および青色に対応した顔料
を分散させた感光性樹脂材料からなるカラーフィルタ層
4G、4Bを、図2(e)に示すように、各色に対応し
た画素の領域に形成する。最後に、図2(f)に示すよ
うに、カラーフィルタ層4R…、4G…、4B…の表面
の平滑性を向上させ、かつ、透明電極6aとの密着力を
確保するために、オーバーコート層5をスピンコート法
あるいは印刷法などにより形成する。以上のように、本
実施形態に係るカラー液晶表示素子は、カラーフィルタ
層4R…、4G…、4B…が、金属遮光膜3と直接接す
ることなく、SiOx 膜16を介して形成されているこ
とを特徴としている。
iOx 膜16が形成されたガラス基板1上に、カラーフ
ィルタ層4R…、4G…、4B…を形成する方法を、図
2(a)ないし(f)を参照しながら以下に説明する。
まず、図2(a)に示すように、ガラス基板1上に金属
遮光膜3を形成し、その後、ガラス基板1および金属遮
光膜3を覆うようにSiOx 膜16を形成する。そし
て、図2(b)に示すように、ガラス基板1に形成され
たSiOx 膜16の上面に、例えば赤色に対応した顔料
を分散させた感光性樹脂材料からなるカラーフィルタ層
4Rを、スピンコート法あるいはフィルムラミネート法
などによって形成する。次に、図2(c)に示すよう
に、カラーフィルタ層4Rの上方にフォトマスク15を
配置し、紫外線を照射することによって、赤色に対応し
た画素の領域のカラーフィルタ層4Rを感光させる。次
に、図2(d)に示すように、感光させた領域以外のカ
ラーフィルタ層4Rを除去し、焼成することによって定
着させる。同様にして、緑色および青色に対応した顔料
を分散させた感光性樹脂材料からなるカラーフィルタ層
4G、4Bを、図2(e)に示すように、各色に対応し
た画素の領域に形成する。最後に、図2(f)に示すよ
うに、カラーフィルタ層4R…、4G…、4B…の表面
の平滑性を向上させ、かつ、透明電極6aとの密着力を
確保するために、オーバーコート層5をスピンコート法
あるいは印刷法などにより形成する。以上のように、本
実施形態に係るカラー液晶表示素子は、カラーフィルタ
層4R…、4G…、4B…が、金属遮光膜3と直接接す
ることなく、SiOx 膜16を介して形成されているこ
とを特徴としている。
【0038】なお、カラーフィルタ層4R…、4G…、
4B…を形成する方法として、顔料を分散させたインク
を、3色同時に、あるいは1色ずつ、オフセット印刷な
どによってガラス基板1上に印刷する印刷法、受容体を
形成した後、所定の位置の受容体を染色材料によって染
色する染色法、顔料を分散させた樹脂材料を所定の位置
に吹き付けるインクジェット法などを用いてもよい。
4B…を形成する方法として、顔料を分散させたインク
を、3色同時に、あるいは1色ずつ、オフセット印刷な
どによってガラス基板1上に印刷する印刷法、受容体を
形成した後、所定の位置の受容体を染色材料によって染
色する染色法、顔料を分散させた樹脂材料を所定の位置
に吹き付けるインクジェット法などを用いてもよい。
【0039】以上のような構成の、カラー液晶表示素子
における液晶表示素子用基板P1の種々の実施例、およ
び比較例を以下に示す。
における液晶表示素子用基板P1の種々の実施例、およ
び比較例を以下に示す。
【0040】実施例1としての液晶表示素子用基板P1
aは、以下に示すような方法によって形成されたもので
ある。金属遮光膜3としてNi−Cu合金を使用し、塩
化第2鉄を含む6基底の塩酸エッチング液を使用してパ
ターニングした。また、SiOx 膜16として、スパッ
タ法によってSiO2 膜を300Åの厚さで形成した。
aは、以下に示すような方法によって形成されたもので
ある。金属遮光膜3としてNi−Cu合金を使用し、塩
化第2鉄を含む6基底の塩酸エッチング液を使用してパ
ターニングした。また、SiOx 膜16として、スパッ
タ法によってSiO2 膜を300Åの厚さで形成した。
【0041】実施例2としての液晶表示素子用基板P1
bは、上記の液晶表示素子用基板P1aにおいて、Si
Ox 膜16として、dip法によってSiO2 膜を80
0Åの厚さで形成したものである。
bは、上記の液晶表示素子用基板P1aにおいて、Si
Ox 膜16として、dip法によってSiO2 膜を80
0Åの厚さで形成したものである。
【0042】実施例3としての液晶表示素子用基板P1
cは、上記の液晶表示素子用基板P1aにおいて、金属
遮光膜3としてCrを使用し、SiOx 膜16を形成し
ていないものである。
cは、上記の液晶表示素子用基板P1aにおいて、金属
遮光膜3としてCrを使用し、SiOx 膜16を形成し
ていないものである。
【0043】比較例1としての液晶表示素子用基板P1
dは、上記の液晶表示素子用基板P1aにおいて、Si
Ox 膜16を形成していないものである。
dは、上記の液晶表示素子用基板P1aにおいて、Si
Ox 膜16を形成していないものである。
【0044】以上のような実施例1〜3および比較例1
に対して、以下に示すような評価試験を行った。
に対して、以下に示すような評価試験を行った。
【0045】図3は、実施例1において、SiOx 膜1
6の上面に、フィルムラミネート法によってカラーフィ
ルタ層4R…、4G…、4B…を形成した時のカラーフ
ィルタ層4R…、4G…、4B…の表面粗さの計測結果
を示すグラフである。また、図4は、このカラーフィル
タ層4R…、4G…、4B…の上面にオーバーコート層
5を形成した時のオーバーコート層5の表面粗さの計測
結果を示すグラフである。なお、実施例2・3において
も、実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
6の上面に、フィルムラミネート法によってカラーフィ
ルタ層4R…、4G…、4B…を形成した時のカラーフ
ィルタ層4R…、4G…、4B…の表面粗さの計測結果
を示すグラフである。また、図4は、このカラーフィル
タ層4R…、4G…、4B…の上面にオーバーコート層
5を形成した時のオーバーコート層5の表面粗さの計測
結果を示すグラフである。なお、実施例2・3において
も、実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
【0046】また、図5は、比較例1において、ガラス
基板1および金属遮光膜3の上面に、上記と同様にカラ
ーフィルタ層4R…、4G…、4B…を形成した時のカ
ラーフィルタ層4R…、4G…、4B…の表面粗さの計
測結果を示すグラフである。また、図6は、このカラー
フィルタ層4R…、4G…、4B…の上面にオーバーコ
ート層5を形成した時のオーバーコート層5の表面粗さ
の計測結果を示すグラフである。
基板1および金属遮光膜3の上面に、上記と同様にカラ
ーフィルタ層4R…、4G…、4B…を形成した時のカ
ラーフィルタ層4R…、4G…、4B…の表面粗さの計
測結果を示すグラフである。また、図6は、このカラー
フィルタ層4R…、4G…、4B…の上面にオーバーコ
ート層5を形成した時のオーバーコート層5の表面粗さ
の計測結果を示すグラフである。
【0047】なお、各グラフの横軸は、カラーフィルタ
層4R…、4G…、4B…あるいはオーバーコート層5
における相対位置を示しており、縦軸は表面粗さの大き
さを示している。
層4R…、4G…、4B…あるいはオーバーコート層5
における相対位置を示しており、縦軸は表面粗さの大き
さを示している。
【0048】以上のように、実施例1〜3においては、
カラーフィルタ層4R…、4G…、4B…およびオーバ
ーコート層5の表面形状としては、ほぼ同様の結果が得
られ、カラーフィルタ層4R…、4G…、4B…の現像
ムラや、オーバーコート層5のレベリングの不均一性な
どは発生していなかった。
カラーフィルタ層4R…、4G…、4B…およびオーバ
ーコート層5の表面形状としては、ほぼ同様の結果が得
られ、カラーフィルタ層4R…、4G…、4B…の現像
ムラや、オーバーコート層5のレベリングの不均一性な
どは発生していなかった。
【0049】一方、比較例1では、カラーフィルタ層4
R…、4G…、4B…の形状は特に問題なかったが、オ
ーバーコート層5のレベリングがやや不均一になってい
た。これは、カラーフィルタ層4R…、4G…、4B…
の形成工程において、塩化銅などによる残渣が多発して
いたことによるものであった。要因を分析すると、金属
遮光膜3のパターニング工程におけるエッチング処理に
よって溶出したCuイオンと、エッチング液の成分であ
る塩酸のClイオンが再結合し、パターニングされた金
属遮光膜3の表面に、塩化銅の薄膜が形成されているこ
とがわかった。これにより、オーバーコート層5の形成
時に、残渣としての塩化銅がカラーフィルタ層4R…、
4G…、4B…の表面に染み出してきて、オーバーコー
ト液と干渉してレベリングに影響を与えていた。
R…、4G…、4B…の形状は特に問題なかったが、オ
ーバーコート層5のレベリングがやや不均一になってい
た。これは、カラーフィルタ層4R…、4G…、4B…
の形成工程において、塩化銅などによる残渣が多発して
いたことによるものであった。要因を分析すると、金属
遮光膜3のパターニング工程におけるエッチング処理に
よって溶出したCuイオンと、エッチング液の成分であ
る塩酸のClイオンが再結合し、パターニングされた金
属遮光膜3の表面に、塩化銅の薄膜が形成されているこ
とがわかった。これにより、オーバーコート層5の形成
時に、残渣としての塩化銅がカラーフィルタ層4R…、
4G…、4B…の表面に染み出してきて、オーバーコー
ト液と干渉してレベリングに影響を与えていた。
【0050】次に、実施例1〜3および比較例1の液晶
表示素子用基板P1a〜P1dを用いて作成したカラー
液晶表示素子における光学特性の測定結果を、以下の表
1に示す。
表示素子用基板P1a〜P1dを用いて作成したカラー
液晶表示素子における光学特性の測定結果を、以下の表
1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1に示すように、実施例1〜3によるカ
ラー液晶表示素子は、設計値であるコントラスト比3
5:1を達成しており、表示品位も安定していた。一
方、比較例1によるカラー液晶表示素子は、コントラス
ト比30:1となっており、実施例1〜3によるカラー
液晶表示素子よりも光学特性が劣っていた。これは、図
6に示すように、オーバーコート層5において、各画素
に対応するカラーフィルタ層4R…、4G…、4B…の
エッジ部分で窪みが発生しており、この窪みによるセル
ギャップの不均一性によって、液晶の立ち上がりが不均
一になってしまうことによるものであった。
ラー液晶表示素子は、設計値であるコントラスト比3
5:1を達成しており、表示品位も安定していた。一
方、比較例1によるカラー液晶表示素子は、コントラス
ト比30:1となっており、実施例1〜3によるカラー
液晶表示素子よりも光学特性が劣っていた。これは、図
6に示すように、オーバーコート層5において、各画素
に対応するカラーフィルタ層4R…、4G…、4B…の
エッジ部分で窪みが発生しており、この窪みによるセル
ギャップの不均一性によって、液晶の立ち上がりが不均
一になってしまうことによるものであった。
【0053】次に、実施例1〜3および比較例1の液晶
表示素子用基板P1a〜P1dを用いて作成したカラー
液晶表示素子において、シール強度を測定した結果を以
下に示す。シール強度とは、液晶表示素子用基板P1a
〜P1dと、対向する液晶表示素子用基板P2とを機械
的に引き剥がすことによって破壊した時の破壊強度を表
している。
表示素子用基板P1a〜P1dを用いて作成したカラー
液晶表示素子において、シール強度を測定した結果を以
下に示す。シール強度とは、液晶表示素子用基板P1a
〜P1dと、対向する液晶表示素子用基板P2とを機械
的に引き剥がすことによって破壊した時の破壊強度を表
している。
【0054】図7は、実施例1による複数のカラー液晶
表示素子における、シール強度の統計結果を示してい
る。なお、実施例2・3によるカラー液晶表示素子にお
いても、図7に示すような結果とほぼ同様の結果が得ら
れた。また、図8は、比較例1による複数のカラー液晶
表示素子における、シール強度の統計結果を示してい
る。なお、図7・8のグラフにおいて、横軸はシール強
度(kgf/cm2)を示しており、縦軸は測定数を示
している。
表示素子における、シール強度の統計結果を示してい
る。なお、実施例2・3によるカラー液晶表示素子にお
いても、図7に示すような結果とほぼ同様の結果が得ら
れた。また、図8は、比較例1による複数のカラー液晶
表示素子における、シール強度の統計結果を示してい
る。なお、図7・8のグラフにおいて、横軸はシール強
度(kgf/cm2)を示しており、縦軸は測定数を示
している。
【0055】実施例1〜3によるカラー液晶表示素子に
おいては、シール強度のTYP値が2.8kgf/cm
2、MIN値が1.8kgf/cm2となっており、比較
例1によるカラー液晶表示素子においては、シール強度
のTYP値が2.2kgf/cm2、MIN値が1.2
kgf/cm2となっている。このように、シール強度
において、実施例1〜3によるカラー液晶表示素子は、
比較例1によるカラー液晶表示素子よりも優れているこ
とがわかった。これは、比較例1によるカラー液晶表示
素子において、金属遮光膜3の表面の不純物の存在のた
めに、金属遮光膜3とオーバーコート層5の間の密着力
が低下することによるものである。
おいては、シール強度のTYP値が2.8kgf/cm
2、MIN値が1.8kgf/cm2となっており、比較
例1によるカラー液晶表示素子においては、シール強度
のTYP値が2.2kgf/cm2、MIN値が1.2
kgf/cm2となっている。このように、シール強度
において、実施例1〜3によるカラー液晶表示素子は、
比較例1によるカラー液晶表示素子よりも優れているこ
とがわかった。これは、比較例1によるカラー液晶表示
素子において、金属遮光膜3の表面の不純物の存在のた
めに、金属遮光膜3とオーバーコート層5の間の密着力
が低下することによるものである。
【0056】次に、実施例1〜3および比較例1の液晶
表示素子用基板P1a〜P1dを用いて作成したカラー
液晶表示素子を、高温高湿(温度60℃、湿度95%)
下で保存した場合、および通電状態で高温高湿(温度4
0℃、湿度95%)下においた場合の信頼性試験の測定
結果を、以下の表2に示す。
表示素子用基板P1a〜P1dを用いて作成したカラー
液晶表示素子を、高温高湿(温度60℃、湿度95%)
下で保存した場合、および通電状態で高温高湿(温度4
0℃、湿度95%)下においた場合の信頼性試験の測定
結果を、以下の表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】表2に示すように、実施例1〜3によるカ
ラー液晶表示素子では、どちらの状態においても腐食な
どの問題は発生せず、高い信頼性が得られることがわか
った。一方、比較例1によるカラー液晶表示素子では、
高温高湿下で保存した場合では、350時間で腐食が発
生し、通電状態で高温高湿下においた場合では、120
時間で腐食による断線が発生した。このように、過酷な
環境における信頼性において、実施例1〜3によるカラ
ー液晶表示素子は、比較例1によるカラー液晶表示素子
よりも優れていることがわかった。
ラー液晶表示素子では、どちらの状態においても腐食な
どの問題は発生せず、高い信頼性が得られることがわか
った。一方、比較例1によるカラー液晶表示素子では、
高温高湿下で保存した場合では、350時間で腐食が発
生し、通電状態で高温高湿下においた場合では、120
時間で腐食による断線が発生した。このように、過酷な
環境における信頼性において、実施例1〜3によるカラ
ー液晶表示素子は、比較例1によるカラー液晶表示素子
よりも優れていることがわかった。
【0059】次に、実施例1〜3および比較例1の液晶
表示素子用基板P1a〜P1dを用いて作成したカラー
液晶表示素子において、金属遮光膜3と透明電極6aと
の導通不良発生率の測定結果を、以下の表3に示す。導
通不良とは、金属遮光膜3と、オーバーコート層5を介
して金属遮光膜3の上層に形成されている透明電極6a
とが短絡する欠陥が発生することである。これは、前記
シール材9中の、間隙保持材としてのガラスビーズ11
が、ガラス基板1・2同士を貼り合わせる時の圧力によ
り金属遮光膜3までめり込み、これに伴って透明電極6
aが金属遮光膜3に接触することによるものである。な
お、この測定では、実施例4として、実施例3の液晶表
示素子用基板P1cにおいて、SiOx 膜16として、
スパッタ法によってSiO2 膜を300Åの厚さで形成
した液晶表示素子用基板P1eを作成し、これを用いて
作成したカラー液晶表示素子に対しても測定を行った。
表示素子用基板P1a〜P1dを用いて作成したカラー
液晶表示素子において、金属遮光膜3と透明電極6aと
の導通不良発生率の測定結果を、以下の表3に示す。導
通不良とは、金属遮光膜3と、オーバーコート層5を介
して金属遮光膜3の上層に形成されている透明電極6a
とが短絡する欠陥が発生することである。これは、前記
シール材9中の、間隙保持材としてのガラスビーズ11
が、ガラス基板1・2同士を貼り合わせる時の圧力によ
り金属遮光膜3までめり込み、これに伴って透明電極6
aが金属遮光膜3に接触することによるものである。な
お、この測定では、実施例4として、実施例3の液晶表
示素子用基板P1cにおいて、SiOx 膜16として、
スパッタ法によってSiO2 膜を300Åの厚さで形成
した液晶表示素子用基板P1eを作成し、これを用いて
作成したカラー液晶表示素子に対しても測定を行った。
【0060】
【表3】
【0061】表3に示すように、導通不良発生率は、実
施例2によるもの、実施例1および実施例4によるも
の、実施例3および比較例1によるもの、の順で高くな
っている。実施例2によるカラー液晶表示素子は、Si
Ox 膜16の厚さが厚い分、実施例1および実施例4に
よるカラー液晶表示素子よりも導通不良発生率を低く抑
えられている。また、実施例3において、金属遮光膜3
としてのCr表面の酸化膜は比較的薄いものであるた
め、導通不良の発生を抑える効果は少ないことがわかっ
た。以上のように、SiOx 膜16の厚さが厚い方が導
通不良発生率を少なくすることができるが、SiOx 膜
16の厚さを厚くし過ぎると、コストとのトレードオフ
関係にもなるので、SiOx 膜16の厚さは、350〜
800Åの範囲内であることが好ましい。
施例2によるもの、実施例1および実施例4によるも
の、実施例3および比較例1によるもの、の順で高くな
っている。実施例2によるカラー液晶表示素子は、Si
Ox 膜16の厚さが厚い分、実施例1および実施例4に
よるカラー液晶表示素子よりも導通不良発生率を低く抑
えられている。また、実施例3において、金属遮光膜3
としてのCr表面の酸化膜は比較的薄いものであるた
め、導通不良の発生を抑える効果は少ないことがわかっ
た。以上のように、SiOx 膜16の厚さが厚い方が導
通不良発生率を少なくすることができるが、SiOx 膜
16の厚さを厚くし過ぎると、コストとのトレードオフ
関係にもなるので、SiOx 膜16の厚さは、350〜
800Åの範囲内であることが好ましい。
【0062】次に、実施例1〜3および比較例1の液晶
表示素子用基板P1a〜P1dを、5cm×2cmの大
きさにカットし、30℃の4基底酢酸溶液に浸し、弱酸
による耐腐食能力を測定した結果を、以下の表4に示
す。
表示素子用基板P1a〜P1dを、5cm×2cmの大
きさにカットし、30℃の4基底酢酸溶液に浸し、弱酸
による耐腐食能力を測定した結果を、以下の表4に示
す。
【0063】
【表4】
【0064】表4に示すように、実施例1〜3の液晶表
示素子用基板P1a〜P1cでは、24時間経過しても
変化は見られなかったが、比較例1の液晶表示素子用基
板P1dでは、1時間で腐食が発生し、24時間経過後
では、弱酸溶液に浸された部分の金属遮光膜3が全て腐
食でなくなってしまった。このように、金属遮光膜3の
上面にSiOx 膜16を形成することによって、弱酸に
対する耐腐食性が格段に向上することがわかった。
示素子用基板P1a〜P1cでは、24時間経過しても
変化は見られなかったが、比較例1の液晶表示素子用基
板P1dでは、1時間で腐食が発生し、24時間経過後
では、弱酸溶液に浸された部分の金属遮光膜3が全て腐
食でなくなってしまった。このように、金属遮光膜3の
上面にSiOx 膜16を形成することによって、弱酸に
対する耐腐食性が格段に向上することがわかった。
【0065】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明に係る液
晶表示素子用基板は、透明基板上に金属遮光膜が形成さ
れた液晶表示素子用基板において、上記金属遮光膜は、
空気中で自然に表面に酸化膜を形成する金属以外の金属
からなり、少なくとも金属遮光膜の上面に、絶縁性透明
膜が形成されている構成である。
晶表示素子用基板は、透明基板上に金属遮光膜が形成さ
れた液晶表示素子用基板において、上記金属遮光膜は、
空気中で自然に表面に酸化膜を形成する金属以外の金属
からなり、少なくとも金属遮光膜の上面に、絶縁性透明
膜が形成されている構成である。
【0066】これにより、コストが高くなるという問題
や、環境保全の立場からの問題を解消することができる
という効果を奏する。また、経時変化等による表面改質
などが生じない、安定した金属遮光膜を備えた液晶表示
素子用基板を提供することができるという効果を奏す
る。
や、環境保全の立場からの問題を解消することができる
という効果を奏する。また、経時変化等による表面改質
などが生じない、安定した金属遮光膜を備えた液晶表示
素子用基板を提供することができるという効果を奏す
る。
【0067】請求項2の発明に係る液晶表示素子用基板
は、上記絶縁性透明膜は、その厚みが100〜1000
Åの範囲内となるように形成されている構成である。
は、上記絶縁性透明膜は、その厚みが100〜1000
Åの範囲内となるように形成されている構成である。
【0068】これにより、請求項1の構成による効果に
加えて、スパッタ法あるいはdip法を用いることによ
って、安価に絶縁性透明膜を形成することができ、か
つ、厚みの制御を精密に行うことができるという効果を
奏する。
加えて、スパッタ法あるいはdip法を用いることによ
って、安価に絶縁性透明膜を形成することができ、か
つ、厚みの制御を精密に行うことができるという効果を
奏する。
【0069】請求項3の発明に係る液晶表示素子用基板
は、上記絶縁性透明膜における上記金属遮光膜側の面と
は反対側の面上に、カラーフィルタ層が形成されている
構成である。
は、上記絶縁性透明膜における上記金属遮光膜側の面と
は反対側の面上に、カラーフィルタ層が形成されている
構成である。
【0070】これにより、請求項1の構成による効果に
加えて、カラーフィルタ層形成時に、金属遮光膜の金属
成分が溶出することによる、カラーフィルタ層の現像ム
ラ、残渣などが生じにくくなる。よって、カラーフィル
タ層の形状が均一で、かつ安定した液晶表示素子用基板
を提供することができるという効果を奏する。
加えて、カラーフィルタ層形成時に、金属遮光膜の金属
成分が溶出することによる、カラーフィルタ層の現像ム
ラ、残渣などが生じにくくなる。よって、カラーフィル
タ層の形状が均一で、かつ安定した液晶表示素子用基板
を提供することができるという効果を奏する。
【0071】請求項4の発明に係るカラー液晶表示素子
は、シール材を介して貼り合わされた一対の液晶表示素
子用基板と、上記液晶表示素子用基板上に形成された透
明電極と、上記液晶表示素子用基板とシール材とで囲ま
れた間隙に充填された液晶層とを備え、上記液晶表示素
子用基板の少なくとも一方は、請求項3に記載の液晶表
示素子用基板である構成である。
は、シール材を介して貼り合わされた一対の液晶表示素
子用基板と、上記液晶表示素子用基板上に形成された透
明電極と、上記液晶表示素子用基板とシール材とで囲ま
れた間隙に充填された液晶層とを備え、上記液晶表示素
子用基板の少なくとも一方は、請求項3に記載の液晶表
示素子用基板である構成である。
【0072】これにより、高温高湿状態での保存性や、
通電状態での耐腐食性が向上する。よって、信頼性が優
れたカラー液晶表示素子を提供することができるという
効果を奏する。
通電状態での耐腐食性が向上する。よって、信頼性が優
れたカラー液晶表示素子を提供することができるという
効果を奏する。
【0073】また、透明電極と金属遮光膜とが導通不良
を起こす確率を大幅に低減することができるという効果
を奏する。
を起こす確率を大幅に低減することができるという効果
を奏する。
【0074】また、金属遮光膜からの金属イオンなどの
溶出がなくなり、液晶層に不純物が混入することがなく
なるので、液晶特性が安定し、表示品位の優れたカラー
液晶表示素子を提供することができるという効果を奏す
る。
溶出がなくなり、液晶層に不純物が混入することがなく
なるので、液晶特性が安定し、表示品位の優れたカラー
液晶表示素子を提供することができるという効果を奏す
る。
【0075】請求項5の発明に係るカラー液晶表示素子
は、上記絶縁性透明膜は、その厚みが350〜800Å
の範囲内で形成されている構成である。
は、上記絶縁性透明膜は、その厚みが350〜800Å
の範囲内で形成されている構成である。
【0076】これにより、請求項4の構成による効果に
加えて、上記の導通不良を起こす確率が十分に低くな
り、かつ、必要以上の材料を使うことがなくなるという
効果を奏する。
加えて、上記の導通不良を起こす確率が十分に低くな
り、かつ、必要以上の材料を使うことがなくなるという
効果を奏する。
【0077】請求項6の発明に係るカラー液晶表示素子
は、上記カラーフィルタ層を覆うように、平滑化膜が形
成されている構成である。
は、上記カラーフィルタ層を覆うように、平滑化膜が形
成されている構成である。
【0078】これにより、請求項4の構成による効果に
加えて、平滑化膜のレベリングに影響するような、金属
遮光膜の金属イオンの溶出などがなくなる。よって、平
滑度の高い平滑化膜を形成することができるので、液晶
の立ち上がりが均一になり、表示品位の高いカラー液晶
表示素子を提供することができるという効果を奏する。
加えて、平滑化膜のレベリングに影響するような、金属
遮光膜の金属イオンの溶出などがなくなる。よって、平
滑度の高い平滑化膜を形成することができるので、液晶
の立ち上がりが均一になり、表示品位の高いカラー液晶
表示素子を提供することができるという効果を奏する。
【0079】請求項7の発明に係るカラー液晶表示素子
は、上記液晶層の液晶は、液晶分子のねじれ角を180
〜360度に設定されているSTN(Super Twisted Nem
atic) 型液晶であること特徴としている。
は、上記液晶層の液晶は、液晶分子のねじれ角を180
〜360度に設定されているSTN(Super Twisted Nem
atic) 型液晶であること特徴としている。
【0080】これにより、請求項4、5または6の構成
による効果に加えて、カラーフィルタ層の形状や仕上が
りが安定しており、また平滑度の高い平滑化膜が形成さ
れているので、高コントラスト、高輝度、高速応答、高
表示品位、高信頼性を満足するSTN型カラー液晶表示
素子を提供することができるという効果を奏する。
による効果に加えて、カラーフィルタ層の形状や仕上が
りが安定しており、また平滑度の高い平滑化膜が形成さ
れているので、高コントラスト、高輝度、高速応答、高
表示品位、高信頼性を満足するSTN型カラー液晶表示
素子を提供することができるという効果を奏する。
【図1】本発明の実施の一形態に係るカラー液晶表示素
子の概略構成を示す断面図である。
子の概略構成を示す断面図である。
【図2】同図(a)ないし(f)は、上記カラー液晶表
示素子におけるカラーフィルタ層の形成工程を示す説明
図である。
示素子におけるカラーフィルタ層の形成工程を示す説明
図である。
【図3】実施例1〜3による液晶表示素子用基板にカラ
ーフィルタ層を形成した際の、カラーフィルタ層の表面
粗さを示すグラフである。
ーフィルタ層を形成した際の、カラーフィルタ層の表面
粗さを示すグラフである。
【図4】実施例1〜3による液晶表示素子用基板にカラ
ーフィルタ層および平滑化膜を形成した際の、平滑化膜
の表面粗さを示すグラフである。
ーフィルタ層および平滑化膜を形成した際の、平滑化膜
の表面粗さを示すグラフである。
【図5】比較例1による液晶表示素子用基板にカラーフ
ィルタ層を形成した際の、カラーフィルタ層の表面粗さ
を示すグラフである。
ィルタ層を形成した際の、カラーフィルタ層の表面粗さ
を示すグラフである。
【図6】比較例1による液晶表示素子用基板にカラーフ
ィルタ層および平滑化膜を形成した際の、平滑化膜の表
面粗さを示すグラフである。
ィルタ層および平滑化膜を形成した際の、平滑化膜の表
面粗さを示すグラフである。
【図7】実施例1〜3による液晶表示素子用基板を用い
たカラー液晶表示素子のシール強度を示す度数分布グラ
フである。
たカラー液晶表示素子のシール強度を示す度数分布グラ
フである。
【図8】比較例1による液晶表示素子用基板を用いたカ
ラー液晶表示素子のシール強度を示す度数分布グラフで
ある。
ラー液晶表示素子のシール強度を示す度数分布グラフで
ある。
【図9】従来のカラー液晶表示素子の概略構成を示す断
面図である。
面図である。
【図10】同図(a)ないし(e)は、カラー液晶表示
素子における金属遮光膜の形成工程を示す説明図であ
る。
素子における金属遮光膜の形成工程を示す説明図であ
る。
【図11】同図(a)および(b)は、カラー液晶表示
素子における金属遮光膜の他の形成工程を示す説明図で
ある。
素子における金属遮光膜の他の形成工程を示す説明図で
ある。
【図12】同図(a)ないし(e)は、従来のカラー液
晶表示素子におけるカラーフィルタ層の形成工程を示す
説明図である。
晶表示素子におけるカラーフィルタ層の形成工程を示す
説明図である。
1・2 ガラス基板 3 金属遮光膜 4R・4G・4B カラーフィルタ層 5 平滑化膜 6a・6b 透明電極 9 シール材 10 液晶層 11 ガラスビーズ 16 SiOx 膜 P1・P2 液晶表示素子用基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02F 1/1335 500 G02F 1/1335 500 505 505
Claims (7)
- 【請求項1】透明基板上に金属遮光膜が形成された液晶
表示素子用基板において、上記金属遮光膜は、空気中で
自然に表面に酸化膜を形成する金属以外の金属からな
り、少なくとも金属遮光膜の上面に、絶縁性透明膜が形
成されていることを特徴とする液晶表示素子用基板。 - 【請求項2】上記絶縁性透明膜は、その厚みが100〜
1000Åの範囲内となるように形成されていることを
特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用基板。 - 【請求項3】上記絶縁性透明膜における上記金属遮光膜
側の面とは反対側の面上に、カラーフィルタ層が形成さ
れていることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子
用基板。 - 【請求項4】シール材を介して貼り合わされた一対の液
晶表示素子用基板と、 上記液晶表示素子用基板上に形成された透明電極と、 上記液晶表示素子用基板とシール材とで囲まれた間隙に
充填された液晶層とを備え、 上記液晶表示素子用基板の少なくとも一方は、請求項3
に記載の液晶表示素子用基板であることを特徴とするカ
ラー液晶表示素子。 - 【請求項5】上記絶縁性透明膜は、その厚みが350〜
800Åの範囲内で形成されていることを特徴とする請
求項4記載のカラー液晶表示素子。 - 【請求項6】上記カラーフィルタ層を覆うように、平滑
化膜が形成されていることを特徴とする請求項4記載の
カラー液晶表示素子。 - 【請求項7】上記液晶層の液晶は、液晶分子のねじれ角
を180〜360度に設定されているSTN(Super Twi
sted Nematic) 型液晶であること特徴とする請求項4、
5または6に記載のカラー液晶表示素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1994298A JPH11218747A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 液晶表示素子用基板およびカラー液晶表示素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1994298A JPH11218747A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 液晶表示素子用基板およびカラー液晶表示素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11218747A true JPH11218747A (ja) | 1999-08-10 |
Family
ID=12013272
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1994298A Pending JPH11218747A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 液晶表示素子用基板およびカラー液晶表示素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11218747A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006080082A (ja) * | 2004-09-08 | 2006-03-23 | Lg Electron Inc | 有機電界発光素子 |
-
1998
- 1998-01-30 JP JP1994298A patent/JPH11218747A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006080082A (ja) * | 2004-09-08 | 2006-03-23 | Lg Electron Inc | 有機電界発光素子 |
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