JPH11217818A - 排水材用透水シート及びその製造方法並びにこの透水シートを用いた排水材 - Google Patents

排水材用透水シート及びその製造方法並びにこの透水シートを用いた排水材

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JPH11217818A
JPH11217818A JP3359198A JP3359198A JPH11217818A JP H11217818 A JPH11217818 A JP H11217818A JP 3359198 A JP3359198 A JP 3359198A JP 3359198 A JP3359198 A JP 3359198A JP H11217818 A JPH11217818 A JP H11217818A
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water
drainage
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permeable sheet
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Yutaka Omura
裕 大村
Katsumi Miyaura
克己 宮浦
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Takiron Co Ltd
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Takiron Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保水性が低く、保管時に雨に当たっても重く
ならず、移送作業、施工作業等の際の作業性が良好であ
るとともに、水の腐敗による異臭の発生等の環境上の問
題がなく、強度が大きく、かつ、土砂による目詰まりが
生じにくく、長期間に亘って所要の排水性能を維持する
ことができる排水材用透水シートを提供すること。 【解決手段】 合成樹脂原料を発泡させることにより、
少なくとも厚さ方向に通水性を有する多数の連通孔5を
備えた多孔性シートからなる排水材用透水シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水材用透水シー
ト及びその製造方法並びにこの透水シートを用いた排水
材に関し、特に、暗渠の排水材、擁壁の裏面排水材、盛
土の排水材、廃棄物処理場の排水材等として使用される
排水材に主として用いられる透水シート及びその製造方
法並びにこの透水シートを用いた排水材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】暗渠の排水材、擁壁の裏面排水材、盛土
の排水材、廃棄物処理場の排水材等として使用される排
水材として、従来、例えば、図5に示すような多数の突
起を表面に形成し、連続する通水空隙104を備えた合
成樹脂シートからなる芯材101の表面を、合成繊維の
不織布からなる透水シート102,103で被覆した面
状の排水材100がある。この排水材100は、合成繊
維の不織布からなる透水シート102,103を、その
用途に応じて選定することができ、例えば、土中に敷設
する場合には、適度の柔軟性と強度とを併せ有すること
から、敷設する地層に沿って敷設することができるとと
もに、土圧にも十分に耐えることができ、このため、所
要の排水性能を発揮することができるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この合成繊
維の不織布からなる透水シート102,103を用いた
排水材100は、不織布からなる透水シート102,1
03自体の保水性が極めて高いため、保管時に雨に当た
る等して一旦水を含むと重くなり、移送作業、施工作業
等の際の作業性が悪化するという問題があった。そし
て、この排水材100は、長期に亘って保管している
と、水の腐敗により異臭が発生する等、環境上の問題点
も有していた。また、土圧によって排水材100を構成
する透水シート102,103が変形すると、排水性能
が低下することとなる。これを防止するため、透水シー
ト102,103が大きな土圧に耐えるように、透水シ
ート102,103の目付けを多くする必要があるが、
透水シート102,103の目付けを多くすると、透水
性が悪くなるとともに、土砂による目詰まりが生じやす
く、長期間に亘って所要の排水性能を維持することが困
難になるという問題があった。
【0004】本発明は、上記従来の排水材の有する問題
点に鑑み、保水性が低く、保管時に雨に当たっても重く
ならず、移送作業、施工作業等の際の作業性が良好であ
るとともに、水の腐敗による異臭の発生等の環境上の問
題がなく、強度が大きく、かつ、土砂による目詰まりが
生じにくく、長期間に亘って所要の排水性能を維持する
ことができる排水材用透水シート及びその製造方法並び
にこの透水シートを用いた排水材を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の排水材用透水シートは、合成樹脂原料を発
泡させることにより、少なくとも厚さ方向に通水性を有
する多数の連通孔を備えた多孔性シートからなることを
特徴とする。
【0006】この排水材用透水シートは、透水係数が
2.0×10-2cm/s以上、長さ方向及び幅方向の引
張り強度が3kgf/30mm以上の多孔性シートが好
ましく用いられる。
【0007】そして、この排水材用透水シートは、保水
性が低いため、この透水シートを適用した排水材は、保
管時に雨に当たっても、自然に排水されるため、重くな
らず、移送作業、施工作業等の際の作業性が良好となる
とともに、水の腐敗による異臭の発生等の環境上の問題
が生じることがなく、保管状態を良好に維持することが
できる。また、この透水シートは、強度が大きく、か
つ、土砂による目詰まりが生じにくいため、この透水シ
ートを適用した排水材は、長期間に亘って所要の排水性
能を維持することができる。
【0008】この排水材用透水シートは、適度の柔軟性
と強度とを併せ有することから、この透水シートで、多
数の突起を表面に形成し、連続する通水空隙を備えた合
成樹脂シートからなる芯材の表面を被覆したり、表面に
多数の開孔を設けた筒状の芯材の周囲を被覆することに
より、排水材を簡易かつ低コストで得ることができる。
【0009】また、この多孔性シートからなる排水材用
透水シートは、発泡剤又は合成樹脂基材材料に、合成樹
脂材料と発泡剤とからなるマスターバッチを添加、混合
して得た合成樹脂原料を発泡させることにより製造する
ことができる。
【0010】このように、合成樹脂基材材料に、直接発
泡剤を添加、混合してもよく、また、少ない発泡剤で、
かつ、発泡による連通孔をできるだけ均一に形成するた
めには、合成樹脂基材材料に、合成樹脂材料と発泡剤と
からなるマスターバッチを添加、混合することが一層効
果的である。これにより、合成樹脂基材材料中に、発泡
剤を均一に分散させることができ、この状態で合成樹脂
原料を押し出しながら発泡させると、発泡時に発生した
ガスにより気泡が破裂して所要の孔径を有する連通孔を
形成することができる。そして、少なくとも厚さ方向に
良好な通水性を有する多数の連通孔を備えた多孔性シー
トを、容易かつ確実に得ることができる。
【0011】ここで、マスターバッチとは、合成樹脂基
材材料に発泡剤を添加、混合する1つの方法として、合
成樹脂基材材料に少量の発泡剤を均一に分散されるため
に予め合成樹脂材料と発泡剤を混合したものである。
【0012】また、連通孔の孔径を調節する1つの方法
として、合成樹脂基材材料に、この合成樹脂基材材料と
非相溶の合成樹脂材料と発泡剤とからなるマスターバッ
チを添加、混合するようにすることが好ましい。
【0013】このように、合成樹脂基材材料に、この合
成樹脂基材材料と非相溶の合成樹脂材料と発泡剤とから
なるマスターバッチを添加、混合することにより、合成
樹脂基材材料中に、発泡剤を含有するマスターバッチ
を、適当な大きさの粒子状にして均一に分散させること
ができ、この状態で合成樹脂原料を発泡させることによ
り、小さすぎない所要の孔径を有する連通孔を形成する
ことができ、これにより、少なくとも厚さ方向に良好な
通水性を有する多数の連通孔を備えた多孔性シートを、
容易かつ確実に得ることができる。
【0014】また、発泡時に発生したガスにより気泡が
破裂して形成された連通孔が微細過ぎる場合には、得ら
れた多孔性シートを延伸することにより、連通孔の孔径
を調節することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の排水材用透水シー
ト及びその製造方法並びにこの透水シートを用いた排水
材の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】図1に、本発明の排水材用透水シートの一
実施例を示す。この排水材用透水シート2(3)は、合
成樹脂原料を発泡させることにより、少なくとも厚さ方
向に通水性を有する多数の連通孔5を備えた多孔性シー
トからなる。
【0017】この多孔性シートからなる排水材用透水シ
ート2(3)の製造に用いる合成樹脂基材材料として
は、通常、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン
等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−
6,6、ナイロン−4,6等のポリアミド系樹脂、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、エチレン−1,4−シ
クロキシレンジメチレンテレフタレート(以下、「PE
TG」という。)等のポリエステル系樹脂、塩化ビニ
ル、エチレン酢酸ビニル等のビニル系樹脂、ポリメタク
リル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のメタクリル
系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のジエン系
樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリロ
ニトリル、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂を、用途に応
じて、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ
る。
【0018】また、合成樹脂原料を溶融状態でダイスか
ら押し出しながら発泡させ、発生したガスにより気泡が
破裂して、少なくともシートの厚さ方向に通水性を有す
る多数の連通孔5を形成するために用いる発泡剤として
は、加熱することによりガスを発生する化学発泡剤及び
物理発泡剤を使用することができる。化学発泡剤には、
無機系発泡剤と有機系発泡剤とがあり、それぞれ、反応
型と熱分解型のものがあるが、いずれも使用することが
できる。より具体的には、反応型の無機系発泡剤として
は、重曹+酸、アルミニウム粉末+酸等からなる発泡剤
が、熱分解型の無機系発泡剤としては、炭酸塩、重炭酸
塩、亜硝酸塩、水素化物等からなる発泡剤がある。ま
た、反応型の有機系発泡剤としては、イソシアネート化
合物等からなる発泡剤が、熱分解型の有機系発泡剤とし
ては、アゾ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド
化合物、ニトロソ化合物、トリアゾール化合物等からな
る発泡剤がある。この場合、化学発泡剤は、特に限定さ
れるものではないが、合成樹脂原料100重量部に対
し、発泡剤0.05〜3.0重量部、好ましくは、0.
1〜1.5重量部を用いるようにする。また、物理発泡
剤としては、窒素ガス、空気等の無機系及びペンタン、
塩化メチレン、フロンガス等の有機系のものがある。
【0019】そして、この多孔性シートからなる排水材
用透水シート2(3)は、上記の熱可塑性樹脂からなる
合成樹脂基材材料に、同種又は異種の合成樹脂材料と発
泡剤とからなるマスターバッチを添加、混合して得た合
成樹脂原料を押し出し、発泡させることにより製造する
ことができる。合成樹脂材料と発泡剤とからなるマスタ
ーバッチは、特に限定されるものではないが、合成樹脂
材料に対し、発泡剤5〜30重量%とし、上記のとお
り、このマスターバッチを合成樹脂基材材料100重量
部に対し、1〜10重量部、好ましくは、2〜5重量部
を用いるようにすると、全体の合成樹脂原料100重量
部に対して、発泡剤を0.05〜3.0重量部、好まし
くは、0.1〜1.5重量部を用いることになる。ま
た、このマスターバッチには、必要に応じて、発泡剤の
ほかに、抗菌剤、充填材、顔料等の添加剤を加えること
もできる。
【0020】このように、合成樹脂基材材料に、合成樹
脂材料と発泡剤とからなるマスターバッチを添加、混合
することにより、合成樹脂基材材料中に、発泡剤を均一
に分散させることができ、この状態で合成樹脂原料を押
し出し、発泡させることにより、発生したガスにより気
泡が破裂して、所要の孔径を有する連通孔を形成するこ
とができ、少なくとも厚さ方向に良好な通水性を有する
多数の連通孔を備えた多孔性シートを、容易かつ確実に
得ることができる。このように、気泡の破裂により多孔
性シートを得るようにしているため、シートの厚さをあ
まり厚くすると不連続気泡となり易いので、シートの厚
さを、0.2〜2.0mm、好ましくは、0.4〜1.
0mmの範囲に設定するようにする。
【0021】この場合、後述の理由から、合成樹脂基材
材料に、この合成樹脂基材材料と非相溶の合成樹脂材料
と発泡剤とからなるマスターバッチを添加、混合して得
た合成樹脂原料を押し出し、発泡させることにより製造
することが好ましい。例えば、合成樹脂基材材料に、ポ
リプロピレンを主成分とする合成樹脂を用いる場合に
は、これと非相溶の合成樹脂である、高密度ポリエチレ
ン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、エチレン酢酸
ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポ
リメタクリル酸エチル、ポリアクリロニトリル、ポリカ
ーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、PETG等の樹脂からなる合成樹脂材
料と発泡剤とからなるマスターバッチを添加、混合する
ようにする。
【0022】合成樹脂基材材料と、この合成樹脂基材材
料と非相溶の合成樹脂材料の組み合わせは、分子構造、
SP値(溶解性パラメータ)及び成形時の成形条件等に
基づいて検討した結果、相溶と判断されるものを○印
で、非相溶と判断されるものを×印で、表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】このように、合成樹脂基材材料に、この合
成樹脂基材材料と非相溶の合成樹脂材料と発泡剤とから
なるマスターバッチを添加、混合することにより、合成
樹脂基材材料中に、発泡剤を含有するマスターバッチ
を、適当な大きさの粒子状にして均一に分散させること
ができ、この状態で合成樹脂原料を押し出し、発泡させ
ることにより、発泡剤をマイクロカプセル化したのと同
様の効果を得て(なお、本発明の排水材用透水シート2
(3)は、適宜の方法によりマイクロカプセル化した発
泡剤を合成樹脂原料に添加、混合し、合成樹脂原料を押
し出し、発泡させることにより製造した多孔性シートを
用いたものを排除するものではない。)、小さすぎない
所要の孔径を有する連通孔5を形成することができ、こ
れにより、少なくとも厚さ方向に良好な通水性を有する
多数の連通孔5を備えた多孔性シートを、容易かつ確実
に得ることができる。
【0025】また、この多孔性シートからなる排水材用
透水シート2(3)は、その用途に応じて、連通孔5の
孔径を調節するために、縦方向及び/又は横方向に、例
えば、1.1〜2.0倍の低倍率で延伸して得るように
することができる。これにより、シートの厚さを薄くし
ても、目的とする透水係数と引張り強度を保持し、か
つ、小さすぎない所要の孔径を有し少なくとも厚さ方向
に通水性を有する連通孔5を備えた多孔性シートからな
る排水材用透水シート2(3)を容易に得ることができ
る。
【0026】そして、このようにして製造した多孔性シ
ートからなる排水材用透水シート2(3)は、暗渠の排
水材、擁壁の裏面排水材、盛土の排水材、廃棄物処理場
の排水材等として使用される排水材に用いられる透水シ
ートに要求される特性値である、透水係数(JIS A
−1218):2.0×10-2cm/s以上、好ましく
は、3×10-2cm/s以上、長さ方向及び幅方向の引
張り強度(JIS L−1096):3kgf/30m
m以上、好ましくは、8kgf/30mm以上の要件を
十分に満たすものとなる。また、排水材用透水シート2
(3)は、この種の透水シートとして重要な特性値であ
る、主要な連通孔5の直径:0.1〜5.0mm、好ま
しくは、0.1〜3.0mm、開孔率:1.5%以上、
好ましくは、3%以上の要件を十分に満たすものとな
る。なお、強度を維持する上で、開孔率は、20%以下
にすることが好ましい。また、この多孔性シートは、用
途に応じて、さらに強度を必要とする場合には、多孔性
シートの片面に柔軟性を有するネット状、線状、格子状
等の形態をした補強材を配設することにより複合化した
透水シートとすることもできる。
【0027】この排水材用透水シート2(3)は、適度
の柔軟性と強度とを併せ有することから、例えば、図2
に示すように、この透水シート2,3で、多数の突起を
表面に形成し、連続する通水空隙4を備えた合成樹脂シ
ートからなる芯材1の表面を被覆することにより、排水
材10を簡易かつ低コストで得ることができる。この場
合、芯材1の一方の表面のみに透水シートを配設するよ
うにしたり、図3(a)に示すように、帯状(例えば、
幅300mm程度)の芯材1の両面を2枚の帯状(例え
ば、幅350mm程度)の透水シート2,3により挟み
込み、透水シート2,3の両端を接着剤、熱融着等によ
り閉止するようにしたり、図3(b)に示すように、帯
状(例えば、幅300mm程度)の芯材1の周囲を1枚
の帯状(例えば、幅650mm程度)の透水シート2に
より取り巻くように配設し、透水シート2の重ね部を接
着剤、熱融着等により一体化するようにしたり、さら
に、芯材1と透水シート2,3とを、接着剤、熱融着等
により、一体化することができる。
【0028】また、この排水材用透水シート2は、図4
に示すように、表面に多数の開孔4Aを設けた筒状の芯
材1Aの周囲を、取り巻くように配設し、透水シート2
の重ね部を接着剤、熱融着等により一体化することによ
り、筒状の排水材10Aを簡易かつ低コストで得ること
ができる。この場合、筒状の芯材としては、図4に示す
表面に多数の開孔4Aを設けた丸パイプ状の芯材1Aの
ほか、表面を格子状(網状)に形成したパイプ状のもの
や、表面に多数の開孔に加えて、凹凸を形成したコルゲ
ート管等、排水材の芯材として使用されている任意の形
状の芯材を使用することができる。
【0029】このようにして得られた排水材10,10
Aは、そのまま単独で、あるいは、遮水シート等と組み
合わせて、暗渠の排水材、擁壁の裏面排水材、盛土の排
水材、廃棄物処理場の排水材等の用途に広く使用するこ
とができるが、排水材用透水シート2,3は、保水性が
低いため、この透水シート2,3を適用した排水材1
0,10Aは、保管時に雨に当たっても、自然に排水さ
れるため、重くならず、移送作業、施工作業等の際の作
業性が良好であるとともに、水の腐敗による異臭の発生
等の環境上の問題が生じることがなく、保管状態を良好
に維持することができる。また、この透水シート2,3
は、所要の透水係数を有するとともに、強度が大きく、
かつ、土砂による目詰まりが生じにくいため、この透水
シート2,3を適用した排水材10,10Aは、長期間
に亘って所要の排水性能を維持することができる。
【0030】本発明の排水材用透水シートは、面状の排
水材、筒状の排水材のほか、二重壁構造の排水材等、種
々の構造及び形状の排水材に広く適用することができ
る。
【0031】
【実施例】以下、本発明の排水材用透水シートの実施例
を、その比較例とともに、表2に示す。なお、排水材用
透水シートの各特性値は、下記の方法により測定したも
のである。 (1) 透水係数:JIS A−1218 (2) 開孔直径:画像処理装置(ピアスLA−55
5)により測定 (3) 開孔率:開孔直径0.1mm以上の連通孔が、
シート全面積に占める面積の割合 (4) 引張り強度:JIS L−1096 (5) 伸び率:JIS L−1096
【0032】
【表2】
【0033】(実施例1)発泡剤を混合して得た合成樹
脂原料を、20℃に設定したミキサーで10分間混合
し、次いでスクリュー式押出機(シリンダ部温度:20
0℃、ダイス温度:220℃)で、溶融状態でダイスか
ら押し出しながら発泡させ、発生したガスにより気泡が
破裂して、連通孔を形成する。次いで、冷却しながら引
き取り、厚さ0.7mmに成形したものである。
【0034】(実施例2)成形方法は、実施例1と同様
で、シートの厚さを、0.4mmに成形したものであ
る。
【0035】(実施例3)成形方法は、実施例1と同様
で、シートの厚さを、0.6mmに成形したものであ
る。
【0036】(比較例1)排水材に用いられる合成繊維
の不織布である。
【0037】
【発明の効果】本発明の排水材用透水シートは、保水性
が低いため、この透水シートを適用した排水材は、保管
時に雨に当たっても、自然に排水されるため、重くなら
ず、移送作業、施工作業等の際の作業性が良好となり、
これらの作業の作業効率、特に、雨天時の作業効率を向
上することができるとともに、長期に亘って野外に放置
しても、水の腐敗による異臭の発生等の環境上の問題が
生じることがなく、保管状態を良好に維持することがで
きる。また、この透水シートは、強度が大きく、かつ、
土砂による目詰まりが生じにくいため、この透水シート
を適用した排水材は、長期間に亘って所要の排水性能を
維持することができる。
【0038】また、この排水材用透水シートは、適度の
柔軟性と強度とを併せ有することから、この透水シート
で、多数の突起を表面に形成し、連続する通水空隙を備
えた合成樹脂シートからなる芯材の表面を被覆したり、
表面に多数の開孔を設けた筒状の芯材の周囲を被覆する
ことにより、排水材を簡易かつ低コストで得ることがで
きる。
【0039】また、この多孔性シートからなる排水材用
透水シートは、合成樹脂基材材料に、合成樹脂材料と発
泡剤とからなるマスターバッチを添加、混合することに
より、合成樹脂基材材料中に、発泡剤を均一に分散させ
ることができ、この状態で合成樹脂原料を押し出し、発
泡させることにより、所要の孔径を有する連通孔を形成
することができ、少なくとも厚さ方向に良好な通水性を
有する多数の連通孔を備えた多孔性シートを、容易かつ
確実に得ることができる。
【0040】また、合成樹脂基材材料に、この合成樹脂
基材材料と非相溶の合成樹脂材料と発泡剤とからなるマ
スターバッチを添加、混合するようにすることにより、
合成樹脂基材材料中に、発泡剤を含有するマスターバッ
チを、適当な大きさの粒子状にして均一に分散させるこ
とができ、この状態で合成樹脂原料を押し出し、発泡さ
せることにより、小さすぎない所要の孔径を有する連通
孔を形成することができ、少なくとも厚さ方向に良好な
通水性を有する多数の連通孔を備えた多孔性シートを、
容易かつ確実に得ることができる。
【0041】また、多孔性シートの連通孔が微細過ぎる
場合には、得られた多孔性シートを延伸することによ
り、連通孔の孔径を調節して、所要の透水係数と引張り
強度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水材用透水シートを示し、(a)は
斜視図、(b)は拡大図である。
【図2】本発明の排水材の一例を示し、(a)は一部を
破断した平面図、(b)は断面図である。
【図3】本発明の排水材の変形例を示す断面図である。
【図4】本発明の排水材を一例を示す説明図である。
【図5】従来の排水材を示し、(a)は一部を破断した
平面図、(b)は断面図である。
【符号の説明】 1 芯材 1A 芯材 2 透水シート 3 透水シート 4 通水空隙 4A 開孔 5 連通孔 10 排水材 10A 排水材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂原料を発泡させることにより、
    少なくとも厚さ方向に通水性を有する多数の連通孔を備
    えた多孔性シートからなることを特徴とする排水材用透
    水シート。
  2. 【請求項2】 透水係数が2.0×10-2cm/s以
    上、長さ方向及び幅方向の引張り強度が3kgf/30
    mm以上の多孔性シートからなることを特徴とする請求
    項1記載の排水材用透水シート。
  3. 【請求項3】 合成樹脂基材材料に、発泡剤又は合成樹
    脂材料と発泡剤とからなるマスターバッチを添加、混合
    して得た合成樹脂原料を発泡させることにより、少なく
    とも厚さ方向に通水性を有する多数の連通孔を備えた多
    孔性シートを得ることを特徴とする排水材用透水シート
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 合成樹脂基材材料に、この合成樹脂基材
    材料と非相溶の合成樹脂材料と発泡剤とからなるマスタ
    ーバッチを添加、混合して得た合成樹脂原料を発泡させ
    ることにより、少なくとも厚さ方向に通水性を有する多
    数の連通孔を備えた多孔性シートを得ることを特徴とす
    る排水材用透水シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 多孔性シートを延伸して得ることを特徴
    とする請求項3又は4記載の排水材用透水シートの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 多数の突起を表面に形成し、連続する通
    水空隙を備えた合成樹脂シートからなる芯材の表面を、
    請求項1又は2記載の排水材用透水シートで被覆したこ
    とを特徴とする排水材。
  7. 【請求項7】 表面に多数の開孔を設けた筒状の芯材の
    周囲を、請求項1又は2記載の排水材用透水シートで被
    覆したことを特徴とする排水材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001078592A (ja) * 1999-09-07 2001-03-27 Nagano Nova Form Kk 発泡成形体およびその製造方法
JP2010189943A (ja) * 2009-02-19 2010-09-02 Suminoe Textile Co Ltd 暗渠排水管及び暗渠排水管の施工方法

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