JPH1121662A - 成膜装置用防着板及びその製造方法 - Google Patents

成膜装置用防着板及びその製造方法

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JPH1121662A
JPH1121662A JP17974697A JP17974697A JPH1121662A JP H1121662 A JPH1121662 A JP H1121662A JP 17974697 A JP17974697 A JP 17974697A JP 17974697 A JP17974697 A JP 17974697A JP H1121662 A JPH1121662 A JP H1121662A
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紀彦 三崎
Makoto Sakamaki
誠 酒巻
Makoto Katagiri
誠 片桐
Masahiko Suzuki
正彦 鈴木
Hiroo Ito
啓雄 伊藤
Yasuo Suzuki
康夫 鈴木
Masahiro Saito
雅弘 斎藤
Yoichi Watanabe
洋一 渡辺
Tetsuya Hisada
哲弥 久田
Yoshitoshi Watanabe
恵俊 渡邊
Tsutomu Takahashi
勉 高橋
Ikuo Onodera
育男 小野寺
Makoto Kawasaki
誠 川崎
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 成膜対象物にターゲット材料を成膜する
ときに、成膜対象物以外へのターゲット材料の飛散を防
止するのに用いる防着板であって、熱膨張係数が室温〜
500℃の範囲で0.1〜10(×10-6/℃)、空隙
率が1〜20%の無機材料からなることを特徴とする防
着板、及びその製造方法。 【効果】 余分なターゲット材料や不純物による汚染を
防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LCD(液晶表示
装置)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、タッ
チパネル、パネルヒーター等の装置に組み込まれるIT
O(インジウムスズオキサイド)、Cr、SiO2等の
膜を有する基板の製造や半導体の製造に不可欠な、CV
D法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等を
用いた成膜装置に用い、成膜対象物以外にターゲット材
料が付着するのを防止する防着板に関する。
【0002】
【従来の技術】LCDやPDP等には、基板にITO、
Cr、SiO2等の膜を付着させたものが用いられてい
る。例えば、LCD、PDPなどのフラットパネルディ
スプレイには、膜質が均一であること、優れた透過性・
導電性などによりITO(インジウムスズオキサイド)
がガラス基板表面に膜付けされたものが用いられてい
る。
【0003】通常、基板上への各種ターゲット材料の成
膜は真空チャンバー中でCVD法、スパッタリング法、
イオンプレーティング法等により行われている。例え
ば、ITOの成膜は、真空チャンバーの中で上記方法の
何れかにより膜付けが行われ、大量少品種の場合にはイ
ンライン、即ち連続式で製造が行われ、少量多品種の場
合には、バッチ式、枚葉式などの真空チャンバー中で成
膜が行われる。何れの方式の場合も、ガラス基板以外の
真空チャンバー内壁、治具、ホルダー、駆動系、補正板
などにITOが堆積していくため、これを防ぐ目的でガ
ラス基板以外の部分を覆うような形で防着板(汚れ防止
板)を設け、一定期間毎に防着板を取り外し付着したI
TO膜を除去し再び防着板として用いると言うサイクル
を繰り返している。ここで防着板としては、通常ステン
レス(SUS)板が用いられる。
【0004】しかしながら、バッチ式の様に成膜終了の
度に真空系を開放する製造法においては、開放時にIT
O膜が脱落し、これが基板に付着し、基板の不良品率を
高めるという問題がある。このような問題を防ぐ手段と
して、SUS表面をブラスト処理したり溶射処理を施し
多孔質な表面状態にすることでアンカー効果をもたせI
TO膜が強固に付着する手段が採られている。
【0005】しかし、このような手段でも、膜の防着板
からの脱落を十分に防止することはできない上、更に多
孔質面に不純物が吸着し、チャンバー中の真空度の低下
や、脱ガス時の不純物の飛散をひき起こし、製品の膜の
導電性に悪影響を及ぼすという問題まで生じることがあ
る。同様な問題はITOのみならず、CrやSiO2
の他のターゲット材料の成膜時にも生じる。
【0006】一方、防着板のクリーニング作業は、バッ
チ式のみならず、インライン式の場合でも必要である。
この場合、定期的にすべてのラインを停止しなければな
らず、ライン稼働率が大幅に低下する結果、製品コスト
が上昇するといった問題がある。従って、バッチ式又は
インライン式のいずれの方法を採る場合も交換サイクル
の長い防着板が望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ターゲット材料が強固に付着し、脱落せず、不純物
が製品の膜を汚染せず、かつあらゆる成膜装置に適用で
きる防着板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】斯かる実状に鑑み、本発
明者は上記課題が解決された防着板を見出すべく鋭意研
究を行った結果、防着板からのターゲット材料の剥離
は、特定範囲の熱膨張係数を持つ防着板を用いることで
防止でき、かつ特定範囲の空隙率を持つ防着板とするこ
とにより、ターゲット材料が強固に付着し、かつ基板そ
の他の汚染を防止し得ることを見出し、本発明を完成し
た。
【0009】すなわち、本発明は、成膜対象物にターゲ
ット材料を成膜するときに、成膜対象物以外へのターゲ
ット材料の飛散を防止するのに用いる防着板であって、
熱膨張係数が室温〜500℃の範囲で0.1〜10(×
10-6/℃)、空隙率が1〜20%の無機材料からなる
ことを特徴とする防着板を提供するものである。
【0010】また、本発明は、該無機材料がLi2Oを
0.3〜8.0重量%、SiO2を50.0〜65.0
重量%、CaOを2.0〜46.0重量%及びAl23
を1.0〜31.0重量%含有し、少なくともカルシウ
ムシリケート結晶及びリチウムアルミノシリケート結晶
を有する上記の防着板を提供するものである。
【0011】更に本発明は、Li2O 0.3〜8.0
重量%、SiO2 50.0〜65.0重量%、CaO
2.0〜46.0重量%及びAl23 1.0〜3
1.0重量%を有する結晶性粉末及び/又は非晶質粉末
を固体のまま成形するか又は溶融し鋳型内に流し込んで
成形し、かつ熱処理することを特徴とする上記防着板の
製造方法を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の防着板は、成膜対象物に
ターゲット材料を成膜するときに、成膜対象物以外への
ターゲット材料の飛散を防止するのに用いる防着板であ
るが、該成膜条件が高真空かつ高温の状態であるものが
好ましい。
【0013】本発明の防着板の熱膨張係数は、室温〜5
00℃の範囲で0.1〜10(×10-6/℃)であるこ
とが必要である。この範囲外であると付着したターゲッ
ト材料が剥離し易くなるため好ましくない。特にバッチ
式のように成膜終了の度に真空系を開放する成膜法にお
いては、成膜時のチャンバー内の温度が500℃程度で
あるが、基板取り出しのためチャンバーを開放すると室
温付近まで急激に温度が下がるため、ターゲット材料と
防着板との間で熱膨張差の応力のため剥離が生じやす
い。ターゲット材料の熱膨張係数にも依存するが、好ま
しい熱膨張係数は、1.0〜9.0(×10-6/℃)で
あり、特に好ましい熱膨張係数は2.0〜8.0(×1
-6/℃)である。
【0014】また、本発明の防着板は、その空隙率が1
〜20%であることが必要である。空隙率が1%未満の
場合は、熱膨張係数が上記の範囲内であっても、膜のア
ンカー効果は少ない。すなわちターゲット材料と防着板
との界面強度が弱いために、場合によっては防着板から
の膜剥離を生じてしまうこともある。逆に20%を超え
る場合は、アンカー効果が強く膜の保持力は十分である
が、防着板からの脱ガスによる真空度低下及び不純物成
分発生による基板等の混濁、防着板の大型・複雑形状化
に伴う材料強度維持困難などの問題が生じるため好まし
くない。より好ましい防着板の空隙率は2〜15%であ
り、特に好ましくは3〜10%である。
【0015】本発明の防着板の素材は、上記の条件を満
足するものであれば、金属、プラスチック、ガラス、セ
ラミックスなど何れのものも用いることが出来るが、プ
ラスラックの場合には、成膜時にチャンバー内の温度が
高温になるため不安定であり、また、金属の場合、熱膨
張係数の小さなものもあるが空隙が存在しないため、膜
のアンカー効果が少なく実質的に使用出来るものは少な
い。上記の熱膨張係数、空隙率の範囲で好ましく用いる
ことが出来るのは、ガラスやセラミックスなどの無機材
料である。これらの熱膨張係数は、組成によって大きく
異なるが、通常のガラスであれば10(×10-6/℃)
以下であり、またセラミックスもジルコニアの様に熱膨
張係数の大きなものであってもこの範囲に入るので大半
のセラミックスを用いることが出来る。
【0016】本発明の防着板の素材としては、Li2
を0.3〜8.0重量%、SiO2を50.0〜65.
0重量%、CaOを2.0〜46.0重量%及びAl2
3を1.0〜31.0重量%含有し、少なくともカル
シウムシリケート結晶及びリチウムアルミノシリケート
結晶を有するものが好ましい。
【0017】ここで、リチウムアルミノシリケート結晶
は、何れのものでもよいが、代表的なものとして、Li
2O、Al23、SiO2をそれぞれL、A、Sで略して
記すとLAS2、LAS4、LAS6、LAS8などが挙げ
られる。特にLAS4のスポジューメンが最も好まし
い。カルシウムシリケート結晶では、CaOをCで略
し、CS、C2S、C3S、C32などが用いられるが、
最も好ましいのはCSのウォラストナイトである。カル
シウムシリケート結晶とリチウムアルミノシリケート結
晶の比率は両者の合量に対してそれぞれ5〜95重量%
が好ましく、この範囲内でターゲット材料の熱膨張係数
に合わせて配合を変えることが更に好ましい。
【0018】また不可避の不純物成分としてFe23
TiO2、MgO、MnO、Na2O、K2O、P25
どが含まれていても構わない。
【0019】この防着板を製造するには、上記の組成範
囲の結晶性粉末及び/又は非晶質粉末を所望の形状に成
形し、然る後にその成形体に所定の熱処理を加えるか、
あるいは、上記限定の結晶性粉末及び/又は非晶質粉末
を溶融し、鋳型内に流し込んで成形した後、型から取り
出して、然る後に熱処理する方法が挙げられる。
【0020】すなわち、結晶性粉末を一旦溶融し熱処理
を加えるか直接熱処理を加える、非晶質粉末を一旦溶融
し熱処理を加えるか直接熱処理を加える、結晶性粉末と
非晶質粉末の混合原料を一旦溶融し熱処理を加えるか直
接熱処理を加える、などの方法で本発明品を得ることが
出来る。
【0021】ここで、結晶性粉末とは、L、S、C、A
のそれぞれの単一組成及び/又は複数組成を含む試薬や
天然原料が使用出来る。単一組成及び/又は複数組成を
含む試薬や天然原料が入手できない場合は、単一化合物
及び/又は複数化合物を含む試薬や天然原料を一部もし
くは全部用いても有効である。また、単一組成及び/又
は複数組成を含む試薬と単一化合物及び/又は複数化合
物となっている試薬や天然原料を組み合わせて使用して
も構わない。例えば、天然鉱物原料を使用する場合、
C、S源及び/又はCS源としてケイ灰石、L、A、S
源及び/又はLAS源として長石などを使用しても構わ
ない。以上の原料を成形し、その成形体に所定の熱処理
を加えるか、あるいは、溶融し鋳型内に流し込んで成形
し、然る後に高温で熱処理を行う。
【0022】非晶質粉末を用いる場合も、L、S、C、
Aのそれぞれの単一組成及び/又は複数組成を含む非晶
質試薬や、単一化合物及び/又は複数化合物を含む非晶
質試薬が用いられる。また、単一化合物及び/又は複数
化合物を含む結晶質試薬や天然結晶質原料を一旦、高温
で溶融し非晶質化したものも用いられる。更には、これ
らの原料を組み合わせて使用することも出来る。以上の
原料を成形し、その成形体に所定の熱処理を加えるか、
あるいは、溶融し鋳型内に流し込んで成形し、然る後に
高温で熱処理を行う。
【0023】以上の結晶性粉末及び/又は非晶質粉末
は、200メッシュ以下の粉末を用いるのが望ましい。
これを超えると、焼結体中に大きな空隙が残存しやすく
なり、既述の脱ガス問題が生じ易くなる。また、溶融物
を用いる場合、冷却による亀裂の発生を抑制するため、
流し込む型を予め所定の温度に保温していることが望ま
しい。この温度は、以下に述べる熱処理温度との関係で
適宜決定される。
【0024】熱処理温度は、700〜1300℃の範囲
が好ましく、特に非晶質粉末を含む原料を使用する場
合、700〜1000℃で1時間ほど一旦保持した後、
更に1100〜1300℃で約1時間保持させることが
好ましい。この保持温度帯は、リチウムアルミノシリケ
ート結晶、カルシウムシリケート結晶のどの系をどれだ
け生じさせるかによって決定される。例えば、LAS4
とCSからなるセラミックスの場合、750〜850℃
で1時間、900〜1000℃で1時間、更に1100
〜1200℃で1時間それぞれ保持することにより得ら
れる。冷却に際しては、空冷などを行わない限り、通常
の炉冷速度の範囲で構わないが、800〜1100℃で
一旦保持するのがより好ましい。これは、冷却時のマイ
クロクラックの発生や焼成歪みを除去するためである。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】実施例1 出発原料として天然鉱物であるαスポジューメン(Li
2O:7.5重量%、Al23:25.0重量%、Si
2:62.5重量%、その他:5.0重量%)を15
重量%、αウォラストナイト(CaO:42.7重量
%、SiO2:53.4重量%、その他:3.9重量
%)を85重量%用い、水を溶媒にしたボールミルにて
平均粒度2.5μmに湿式粉砕した。このスラリーに結
合剤として2重量%のPVAを加え、スプレードライヤ
ーにて造粒した後、型に入れ1トン/cm2 で成形体を作
製し、5℃/分の速度で1140℃まで昇温し1時間保
持後炉冷した。
【0027】この焼結体の熱膨張係数は室温〜500℃
で6.5〜9.5×10-6/℃、空隙率は18.7%、
表面は焼き放しで面粗さはRmax=11.6μmであっ
た。粉末X線回折装置(リント:リガク(株))により
主結晶相を確認したところ、αウォラストナイトとスポ
ジューメンは相転移したβスポジューメンであった。
【0028】得られた焼結体20×50×5mmについて
スパッタリング法による剥離限界試験を行った。使用し
たスパッタリング装置(日電アネルバ製SPF−210
H)の概略図を図1に示す。図中のスパッタリング装置
は、RF電源1、真空チャンバー2、ターゲット3、タ
ーゲットホルダー4、試験片支持台5、アルゴンガス導
入口6、酸素ガス導入口7、排気バルブ8、熱電対9、
基板ホルダー10、オイルディフュージョンポンプ1
1、ロータリーポンプ12、データーロガー13からな
っている。ターゲットの直径は4インチ、チャンバー内
面寸法はφ200×H160mmで、ターゲット材IT
O、ターゲット面から基板ホルダーまでの距離は80mm
である。本来言う防着板は図1中の5であるが、ここで
は設置が簡単なため10のホルダーに防着板用の試験片
を設置した。
【0029】この装置を用い、スパッタリング圧力2×
10-2Torr、酸素分圧2×10 -5Torr、RF電
源出力300Wで一定時間成膜した後、チャンバーを大
気解放し、試験片からの膜の剥離が発生しているか否か
を目視にて確認を行った。
【0030】以上の操作を膜剥離が発生するまで繰り返
し実施したところ、ITOを93時間30分成膜した時
点で膜の剥離が確認され、剥離発生時の膜厚は260.
7μmであった。図2に剥離断面拡大図を示すが、母材
表面のアンカー効果、及びITOと母材との線膨張係数
の良好な一致により、ITO膜は母材と剥離しておらず
膜そのものが母材と無関係に破壊し剥離している様子が
観察される。すなわち、防着板に起因する膜の脱落・剥
離はこの段階では生じておらず、本実施例のものは防着
板として極めて好適であると判断される。
【0031】実施例2 実施例1と同様のαスポジューメンを25重量%、天然
のβウォラストナイト(SiO2:51.0重量%、C
aO:46.0重量%、その他:3.0重量%)を75
重量%用い、焼結温度を1100℃とした以外は実施例
1と同様にして防着板を製造した。なお、この焼結体の
熱膨張係数は室温〜500℃で3.5〜5×10-6
℃、空隙率は6.4%であった。また粉末X線回折装置
(リント:リガク(株))により主結晶相を確認したと
ころ、βスポジューメンとβウォラストナイトであっ
た。
【0032】実施例3 ターゲット材料としてTiO2を用いた以外は、実施例
1と同様にして防着板を製造した。
【0033】実施例4 ターゲット材料としてTiO2を用いた以外は、実施例
2と同様にして防着板を製造した。
【0034】実施例5 αスポジューメン90重量%、βウォラストナイト10
重量%を用い、焼結温度を1150℃とし、ターゲット
材料をSiO2としたこと以外は実施例2と同様にして
防着板を製造した。なお、この焼結体の熱膨張係数は室
温〜500℃で0.5〜1×10-6/℃、空隙率は4.
6%であった。また粉末X線回折装置(リント:リガク
(株))により主結晶相を確認したところ、βスポジュ
ーメンとβウォラストナイトであった。
【0035】実施例6 母材として空隙率約10%の市販のアルミナを用いた以
外は、実施例1と同様にして防着板を製造した。
【0036】実施例7 炭酸リチウム(試薬1級)、無水珪酸(同前)、炭酸カ
ルシウム(同前)、アルミナ(住友アルミニウム精錬A
−HPS30)を用い、酸化物に換算してLi 2O:
0.4%、Al23:1.6%、SiO2:52.2
%、CaO:45.8%になるように調合し、これを白
金坩堝に入れて1550℃で1時間溶融した。次いで溶
融液を水中に入れて急冷し、乾燥後、ポットミルで20
0メッシュ以下の粒度に粉砕した。得られた粉末は、粉
末X線回折装置(リント:リガク(株))より、非晶質
であることが確認された。この非晶質粉末に結合剤とし
て5重量%のパラフィンを加え、型に入れ1トン/cm2
で成形した。得られた成形体を室温から800℃まで5
℃/分で加熱し、1時間保持後、1000℃まで3℃/
分で加熱し1時間保持し、1150℃まで3℃/分で加
熱し1時間保持し、その後室温まで炉冷し試料を得た。
【0037】この試料の熱膨張係数は室温〜500℃で
5〜6.5×10-6/℃で、空隙率は3.2%、主結晶
相はβスポジューメンとβウォラストナイトであった。
【0038】比較例1〜3 20×50×1mmのSUS304材を使用し、二種類の
サンドブラストによる表面処理を施し、実施例1と同様
にして評価を行った。それぞれの面粗さは未処理材でR
max=0.45μm、処理材でRmax=9.2μm、1
9.1μmであった。未処理材は膜厚6.27μm(1
時間15分:Rmax=0.45μm)、表面処理材は2
8.4μm(8時間15分:Rmax=9.2μm)、3
2.6μm(18時間:Rmax=19.1μm)成膜し
た時点で剥離が確認された。図3、4に表面未処理材と
max=19.1μm材のそれぞれの剥離断面拡大図を
示す。膜が母材から浮き上がっている様子が認められ、
SUS304材は防着板としての適用が困難であること
がわかった。
【0039】比較例4 比較例1のSUS304にAl/Cu/Fe合金(9:
90:1)を100μm容射した以外は、比較例1と同
様にして防着板を製造した。成膜後、扉を開放してもI
TO膜は強固に付着しており脱落は認められなかった。
しかし、溶射膜中から生じた脱ガス成分の影響で、排気
時間の増加とITO膜の密着性、導電性に劣化が認めら
れたことより、このものは防着板として不適当と判断さ
れた。
【0040】比較例5 空隙率約0%のアルミナ焼結体(表面粗さRmax=2.
6μm)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして防
着板を製造した。このものは1時間30分成膜した時点
で剥離が確認され、剥離発生時の膜厚は7.35μmで
あった。
【0041】比較例6〜7 20×50×1mmの42アロイ材(Ni含有量42重量
%)で表面にサンドブラスト処理を施し面粗さを変えた
以外は実施例1と同様にして防着板を製造した(Rmax
=13.8μm、30.94μm)。Rmax=13.8
μm材は34時間45分(膜厚49.47μm)成膜し
た時点で、Rmax=30.94μm材は60時間45分
(膜厚96.86μm)成膜した時点で剥離が確認され
た。
【0042】図5にRmax=30.94μm材の剥離断
面拡大写真を示す。いずれの場合も、母材が露出し、剥
離断面が母材から浮き上がっている様子が観察された。
これより、SUS304材より膜剥離発生までの時間延
長が認められたが、防着板の目的とするレベルに到って
いないことがわかった。
【0043】比較例8 天然のβウォラストナイト(SiO2:51.0重量
%、CaO:46.0重量%、その他:3.0重量%)
を用いた以外は実施例1と同様にして防着板を製造し
た。このものは脱ガスが多く使用に耐えないものであっ
た。
【0044】比較例9 出発原料として天然鉱物であるαスポジューメン(Li
2O:7.5重量%、Al23:25.0重量%、Si
2:62.5重量%、その他:5.0重量%)を用い
た以外は実施例1と同様にして防着板を得た。このもの
は脱ガスが多く使用に耐えないものであった。
【0045】以上のデータを表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の防着板は、ターゲット材料が強
固に付着し、脱落が少なく、ライフサイクルが長い。ま
た、防着板の不純物の吸着が少ないため、基板その他の
物を汚染することが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スパッタリング装置の概略を示す図である。
【図2】 実施例1の防着板の剥離断面のSEM写真で
ある。
【図3】 比較例1の防着板の剥離断面のSEM写真で
ある。
【図4】 比較例3の防着板の剥離断面のSEM写真で
ある。
【図5】 比較例7の防着板の剥離断面のSEM写真で
ある。
【符号の説明】
1 RF電源 2 真空チャンバー 3 ターゲット 4 ターゲットホルダー 5 試験片支持台 6 アルゴンガス導入口 7 酸素ガス導入口 8 排気バルブ 9 熱電対 10 基板ホルダー 11 オイルディフュージョンポンプ 12 ロータリーポンプ 13 データーロガー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 千春 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 三崎 紀彦 山口県小野田市大字小野田6276番地 秩父 小野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 酒巻 誠 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 片桐 誠 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 鈴木 正彦 宮城県仙台市青葉区昭和町1−29 (72)発明者 伊藤 啓雄 宮城県仙台市太白区長町八丁目7番20号 宮城県工業技術センター内 (72)発明者 鈴木 康夫 宮城県仙台市太白区長町八丁目7番20号 宮城県工業技術センター内 (72)発明者 斎藤 雅弘 宮城県仙台市太白区長町八丁目7番20号 宮城県工業技術センター内 (72)発明者 渡辺 洋一 宮城県仙台市太白区長町八丁目7番20号 宮城県工業技術センター内 (72)発明者 久田 哲弥 宮城県仙台市太白区長町八丁目7番20号 宮城県工業技術センター内 (72)発明者 渡邊 恵俊 神奈川県横浜市西区みなとみらい二丁目2 番1号 ジオマテック株式会社内 (72)発明者 高橋 勉 神奈川県横浜市西区みなとみらい二丁目2 番1号 ジオマテック株式会社内 (72)発明者 小野寺 育男 神奈川県横浜市西区みなとみらい二丁目2 番1号 ジオマテック株式会社内 (72)発明者 川崎 誠 神奈川県横浜市西区みなとみらい二丁目2 番1号 ジオマテック株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜対象物にターゲット材料を成膜する
    ときに、成膜対象物以外へのターゲット材料の飛散を防
    止するのに用いる防着板であって、熱膨張係数が室温〜
    500℃の範囲で0.1〜10(×10-6/℃)、空隙
    率が1〜20%の無機材料からなることを特徴とする防
    着板。
  2. 【請求項2】 該無機材料が、Li2Oを0.3〜8.
    0重量%、SiO2を50.0〜65.0重量%、Ca
    Oを2.0〜46.0重量%及びAl23を1.0〜3
    1.0重量%含有し、少なくともカルシウムシリケート
    結晶及びリチウムアルミノシリケート結晶を有するもの
    である請求項1記載の防着板。
  3. 【請求項3】 Li2O 0.3〜8.0重量%、Si
    2 50.0〜65.0重量%、CaO 2.0〜4
    6.0重量%及びAl23 1.0〜31.0重量%を
    含有する結晶性粉末及び/又は非晶質粉末を固体のまま
    成形するか又は溶融し鋳型内に流し込んで成形し、かつ
    熱処理することを特徴とする請求項1又は2記載の防着
    板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100774410B1 (ko) * 2006-10-16 2007-11-08 기아자동차주식회사 차량의 스티어링 휠 정렬 및 차량 쏠림 측정장치

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