JPH11216334A - 塩素ガスの処理方法 - Google Patents
塩素ガスの処理方法Info
- Publication number
- JPH11216334A JPH11216334A JP10017161A JP1716198A JPH11216334A JP H11216334 A JPH11216334 A JP H11216334A JP 10017161 A JP10017161 A JP 10017161A JP 1716198 A JP1716198 A JP 1716198A JP H11216334 A JPH11216334 A JP H11216334A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chlorine gas
- treatment
- sodium
- treated
- sodium hydroxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】
【課題】 処理により発生する副生成物に問題がなく、
コストの低い塩素ガス処理方法を提供する。 【解決手段】 オキシ塩化リンを不純物源とする拡散ウ
エハ製造工程から発生する塩素ガスの処理方法におい
て、塩素ガスを水酸化ナトリウム水溶液に重亜硫酸ナト
リウムを加えた混合液からなる処理剤で処理する。
コストの低い塩素ガス処理方法を提供する。 【解決手段】 オキシ塩化リンを不純物源とする拡散ウ
エハ製造工程から発生する塩素ガスの処理方法におい
て、塩素ガスを水酸化ナトリウム水溶液に重亜硫酸ナト
リウムを加えた混合液からなる処理剤で処理する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素ガスの処理方
法に関する。詳しくは、シリコン半導体ウエハの拡散処
理時にオキシ塩化リンの反応によって発生する塩素ガス
の処理方法に関する。
法に関する。詳しくは、シリコン半導体ウエハの拡散処
理時にオキシ塩化リンの反応によって発生する塩素ガス
の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】個別半導体(トランジスタ、ダイオード
等)の製造に用いられる拡散ウエハのうち、一般にN型
の不純物を拡散する場合、素材であるラップドウエハを
オキシ塩化リン(POCl3)と酸素(O2)の混合ガス雰囲
気中で熱拡散を行い、所定の不純物濃度のリン拡散ウエ
ハを得ている。この処理中にはオキシ塩化リンと酸素の
反応によって塩素ガスが発生する。
等)の製造に用いられる拡散ウエハのうち、一般にN型
の不純物を拡散する場合、素材であるラップドウエハを
オキシ塩化リン(POCl3)と酸素(O2)の混合ガス雰囲
気中で熱拡散を行い、所定の不純物濃度のリン拡散ウエ
ハを得ている。この処理中にはオキシ塩化リンと酸素の
反応によって塩素ガスが発生する。
【0003】この塩素ガスの処理は、一般的なガス処理
に用いられる排ガススクラバーによって処理が行われ、
水酸化ナトリウム水溶液を反応させて処理を行ってい
た。その処理方法の一例を説明すると、排ガススクラバ
ーに、最大100ppm、平均で30〜40ppmの塩素ガス
を本体下部から処理風量30m3/minで連続して送り込
み、本体中央部にラシヒリングが充填された上方から
3.5%水酸化ナトリウム水溶液を最下部液層からポン
プにて循環噴射し、スクラバー内ミストの濃度をpH1
1〜12に調整制御しながら反応させ、反応後のガスを
スクラバー最上部の排出筒から排出する。この時の主な
反応は以下のようである。Cl2 + 2NaOH → NaCl
+ NaClO + H2O
に用いられる排ガススクラバーによって処理が行われ、
水酸化ナトリウム水溶液を反応させて処理を行ってい
た。その処理方法の一例を説明すると、排ガススクラバ
ーに、最大100ppm、平均で30〜40ppmの塩素ガス
を本体下部から処理風量30m3/minで連続して送り込
み、本体中央部にラシヒリングが充填された上方から
3.5%水酸化ナトリウム水溶液を最下部液層からポン
プにて循環噴射し、スクラバー内ミストの濃度をpH1
1〜12に調整制御しながら反応させ、反応後のガスを
スクラバー最上部の排出筒から排出する。この時の主な
反応は以下のようである。Cl2 + 2NaOH → NaCl
+ NaClO + H2O
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の塩素ガス処理方法では以下のような不具合があ
った。上記反応式から分かるように、副生成物として次
亜塩素酸ナトリウム(NaClO)が発生する。該塩素化合
物は漂白剤や水道水の殺菌に使われることから分かるよ
うに酸化力が非常に強い。このため塩素処理後の副生成
物を含んだ排水をそのままBOD処理のための曝気処理
槽を持つ総合排水処理システムに送水すると曝気処理槽
内のバクテリアに悪影響を与えてしまう虞れがある。こ
のため送水前段で更に2次処理が必要となり処理コスト
が掛かるという問題があった。
た従来の塩素ガス処理方法では以下のような不具合があ
った。上記反応式から分かるように、副生成物として次
亜塩素酸ナトリウム(NaClO)が発生する。該塩素化合
物は漂白剤や水道水の殺菌に使われることから分かるよ
うに酸化力が非常に強い。このため塩素処理後の副生成
物を含んだ排水をそのままBOD処理のための曝気処理
槽を持つ総合排水処理システムに送水すると曝気処理槽
内のバクテリアに悪影響を与えてしまう虞れがある。こ
のため送水前段で更に2次処理が必要となり処理コスト
が掛かるという問題があった。
【0005】本発明は以上述べた従来の処理方法が有す
る問題点を解決するべく、簡便な処理により副生成物に
問題のないコストの低い塩素ガス処理方法を提供するこ
とを課題とする。
る問題点を解決するべく、簡便な処理により副生成物に
問題のないコストの低い塩素ガス処理方法を提供するこ
とを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明が講じた技術的手段は、塩素ガスを、水酸化ナ
トリウム水溶液に重亜硫酸ナトリウムを加えた混合液で
処理することを特徴とする処理方法を採用する。尚、本
発明の処理方法を実施するのに使用する装置としては、
排ガスの処理装置として一般的に使用されている排ガス
スクラバーが使用される。
に本発明が講じた技術的手段は、塩素ガスを、水酸化ナ
トリウム水溶液に重亜硫酸ナトリウムを加えた混合液で
処理することを特徴とする処理方法を採用する。尚、本
発明の処理方法を実施するのに使用する装置としては、
排ガスの処理装置として一般的に使用されている排ガス
スクラバーが使用される。
【0007】
【作用】塩素ガスの処理に上記手段を用いると次の作用
を生じる。塩素ガス中に噴射された水酸化ナトリウムと
重亜硫酸ナトリウムの混合液は互いに反応しあい、下記
の(1)式に示すように塩化ナトリウムと硫酸が生成さ
れる。そして、硫酸は直ちに余剰の水酸化ナトリウムと
反応し、下記の(2)式に示すように硫酸ナトリウムと
水になる。この時、(1)式の反応においては、従来処
理方法の反応において発生し処理に課題のあった次亜塩
素酸ナトリウムは結果的には生成されない。この理由に
ついては、各種反応論より論じられるべき事項と考えら
れるが、未だその十分な理由は見いだしていない。しか
しながら、本願発明者等は排水の分析よりこの事実を確
認したもので、請求項1に記載の手段を用いて実行する
ことにより従来と異なり、塩素処理の際に発生する副生
成物である排液を直接総合排水処理設備へ送液可能とな
ったことで、2次処理が不要でコストの低い塩素ガス処
理が実現した。 (1) Cl2 + NaOH+ NaHSO3 → 2NaCl + H2SO4 (2) 2NaOH + H2SO4 → Na2SO4 + 2H2O
を生じる。塩素ガス中に噴射された水酸化ナトリウムと
重亜硫酸ナトリウムの混合液は互いに反応しあい、下記
の(1)式に示すように塩化ナトリウムと硫酸が生成さ
れる。そして、硫酸は直ちに余剰の水酸化ナトリウムと
反応し、下記の(2)式に示すように硫酸ナトリウムと
水になる。この時、(1)式の反応においては、従来処
理方法の反応において発生し処理に課題のあった次亜塩
素酸ナトリウムは結果的には生成されない。この理由に
ついては、各種反応論より論じられるべき事項と考えら
れるが、未だその十分な理由は見いだしていない。しか
しながら、本願発明者等は排水の分析よりこの事実を確
認したもので、請求項1に記載の手段を用いて実行する
ことにより従来と異なり、塩素処理の際に発生する副生
成物である排液を直接総合排水処理設備へ送液可能とな
ったことで、2次処理が不要でコストの低い塩素ガス処
理が実現した。 (1) Cl2 + NaOH+ NaHSO3 → 2NaCl + H2SO4 (2) 2NaOH + H2SO4 → Na2SO4 + 2H2O
【0008】
【発明の実施の形態】以下、実施例について説明する。
スクラバー本体の下方には被処理ガス(塩素ガス)の流
入口があり、最上部の処理済みガスの排出筒へと繋がっ
ている。スクラバー本体の内側中央部には直径約25mm
のポリプロピレン製ラシヒリングが多数充填された反応
層が設置され、被処理ガスとシャワー状に噴射される処
理剤の反応時の接触性を高めている。又、スクラバー本
体の下部には、水酸化ナトリウムと重亜硫酸ナトリウム
の混合水溶液からなる処理剤を循環させるための液槽が
配置され、ラシヒリング層上部には液槽からポンプを介
して管で接続された処理剤噴射ノズルが設置されてい
る。またスクラバー本体の外部には処理剤を液槽に供給
するためのタンク等からなる処理剤供給装置が設置され
ている。
スクラバー本体の下方には被処理ガス(塩素ガス)の流
入口があり、最上部の処理済みガスの排出筒へと繋がっ
ている。スクラバー本体の内側中央部には直径約25mm
のポリプロピレン製ラシヒリングが多数充填された反応
層が設置され、被処理ガスとシャワー状に噴射される処
理剤の反応時の接触性を高めている。又、スクラバー本
体の下部には、水酸化ナトリウムと重亜硫酸ナトリウム
の混合水溶液からなる処理剤を循環させるための液槽が
配置され、ラシヒリング層上部には液槽からポンプを介
して管で接続された処理剤噴射ノズルが設置されてい
る。またスクラバー本体の外部には処理剤を液槽に供給
するためのタンク等からなる処理剤供給装置が設置され
ている。
【0009】拡散工程で発生した塩素ガスはブロワーで
スクラバー本体のガス流入口から一定流量30m3/min
でスクラバー本体の内部に送り込まれる。この時の平均
濃度は40〜45ppm、最大濃度は120ppmである。送
り込まれた塩素ガスはスクラバー本体の上方に向かって
流れラシヒリング層部で、液槽からポンプで圧送され下
方に向かってノズルから噴射された処理剤と混ざり合い
反応が行われる。この時の処理剤の循環流量はおおよそ
30L/min,濃度は水酸化ナトリウム、重亜硫酸ナトリ
ウム共に0.5%であり、これは塩素ガスの排出濃度の
変動に対応するため濃い目の濃度に設定してある。
スクラバー本体のガス流入口から一定流量30m3/min
でスクラバー本体の内部に送り込まれる。この時の平均
濃度は40〜45ppm、最大濃度は120ppmである。送
り込まれた塩素ガスはスクラバー本体の上方に向かって
流れラシヒリング層部で、液槽からポンプで圧送され下
方に向かってノズルから噴射された処理剤と混ざり合い
反応が行われる。この時の処理剤の循環流量はおおよそ
30L/min,濃度は水酸化ナトリウム、重亜硫酸ナトリ
ウム共に0.5%であり、これは塩素ガスの排出濃度の
変動に対応するため濃い目の濃度に設定してある。
【0010】処理されたガスはスクラバー本体上部の排
出筒から大気中へ放出されるが、処理が進むにつれ処理
剤の濃度が低くなってくる。このため処理剤供給装置か
ら適宜所要の水酸化ナトリウム及び重亜硫酸ナトリウム
を注入する。この量はNaOH(26%)O.07L/min、Na
HSO3(35%)0.045L/minである。尚、スクラバ
ーから大気中に蒸発する水分を補給するために、液槽へ
1〜2L/minの新水を補給する。そして、中性の塩化ナ
トリウム(NaCl)と硫酸ナトリウム(Na2SO4)を含む濃
縮された処理水はバッチ単位で総合排水処理設備へと送
液され、処理設備での処理上何ら問題はない。このよう
に処理を行った時の大気中への放出ガスの塩素濃度は、
処理前入口濃度120ppmの時で0.16ppmであった。
出筒から大気中へ放出されるが、処理が進むにつれ処理
剤の濃度が低くなってくる。このため処理剤供給装置か
ら適宜所要の水酸化ナトリウム及び重亜硫酸ナトリウム
を注入する。この量はNaOH(26%)O.07L/min、Na
HSO3(35%)0.045L/minである。尚、スクラバ
ーから大気中に蒸発する水分を補給するために、液槽へ
1〜2L/minの新水を補給する。そして、中性の塩化ナ
トリウム(NaCl)と硫酸ナトリウム(Na2SO4)を含む濃
縮された処理水はバッチ単位で総合排水処理設備へと送
液され、処理設備での処理上何ら問題はない。このよう
に処理を行った時の大気中への放出ガスの塩素濃度は、
処理前入口濃度120ppmの時で0.16ppmであった。
【0011】
【発明の効果】本発明の処理方法は請求項1に記載の構
成により、塩素処理の際に発生する副生成物の排液は2
次処理することなく直接排水処理設備に排水することが
可能となり、その結果低コストの塩素ガス処理が実現で
きるものである。
成により、塩素処理の際に発生する副生成物の排液は2
次処理することなく直接排水処理設備に排水することが
可能となり、その結果低コストの塩素ガス処理が実現で
きるものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 オキシ塩化リンを不純物源とする拡散ウ
エハ製造工程から発生する塩素ガスの処理方法におい
て、塩素ガスを水酸化ナトリウム水溶液に重亜硫酸ナト
リウムを加えた混合液からなる処理剤で処理することを
特徴とする塩素ガスの処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10017161A JPH11216334A (ja) | 1998-01-29 | 1998-01-29 | 塩素ガスの処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10017161A JPH11216334A (ja) | 1998-01-29 | 1998-01-29 | 塩素ガスの処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11216334A true JPH11216334A (ja) | 1999-08-10 |
Family
ID=11936254
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10017161A Pending JPH11216334A (ja) | 1998-01-29 | 1998-01-29 | 塩素ガスの処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11216334A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03131319A (ja) * | 1989-07-01 | 1991-06-04 | Hoechst Ag | Co↓2を含有する廃ガスから塩素を選択的に吸収する方法 |
JPH03217217A (ja) * | 1990-01-19 | 1991-09-25 | Central Glass Co Ltd | 三フッ化塩素を含む排ガスの処理方法 |
JPH0462835A (ja) * | 1990-06-25 | 1992-02-27 | Kawasaki Steel Corp | 熱拡散方法 |
-
1998
- 1998-01-29 JP JP10017161A patent/JPH11216334A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03131319A (ja) * | 1989-07-01 | 1991-06-04 | Hoechst Ag | Co↓2を含有する廃ガスから塩素を選択的に吸収する方法 |
JPH03217217A (ja) * | 1990-01-19 | 1991-09-25 | Central Glass Co Ltd | 三フッ化塩素を含む排ガスの処理方法 |
JPH0462835A (ja) * | 1990-06-25 | 1992-02-27 | Kawasaki Steel Corp | 熱拡散方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100550368B1 (ko) | 액체내 용해되는 기체량을 증가시키고 사용시까지 이증가된 양을 유지하기 위한 방법 및 시스템 | |
US20030031621A1 (en) | Process and apparatus for the generation of chlorine dioxide using a replenished foam system | |
CA1041275A (en) | Process for deodorising waste or exhaust gases | |
US20060226023A1 (en) | Neutralization system for electrochemical chlorine dioxide generators | |
JPH0362641B2 (ja) | ||
US7144568B2 (en) | Method and device for carrying out a reaction in liquid medium with gas evolution | |
ATE465972T1 (de) | Verfahren zur herstellung von chlordioxid | |
EP0970744A3 (en) | Chemical generator with controlled mixing and concentration feedback and adjustment | |
CN1082402C (zh) | 用于向半导体制造操作中提供超高纯度缓冲的氟化铵或氢氟酸的系统 | |
KR19990045023A (ko) | 오존함유초순수공급장치 | |
JP4793407B2 (ja) | クロロポリシランを含む廃ガスの処理方法及びその処理装置 | |
US5879653A (en) | Method for producing caro's acid | |
JPH11216334A (ja) | 塩素ガスの処理方法 | |
US20210002135A1 (en) | Process and apparatus for producing an aqueous solution containing chlorine dioxide | |
US6787479B2 (en) | Method for producing water for use in manufacturing semiconductors | |
EA010599B1 (ru) | Способ получения диоксида хлора | |
CN1310843C (zh) | 输送臭氧化水的方法 | |
TWI630170B (zh) | 高濃度過氧化氫水溶液之處理方法 | |
CN212387878U (zh) | 一种磷化工废水末端高效处理氨氮和cod的装置 | |
JP2001149947A (ja) | 高純度オゾン水製造装置 | |
JP2002231683A (ja) | ウェハ洗浄装置及びウェハ洗浄方法 | |
JP3107845B2 (ja) | オゾン溶解槽 | |
JP2000167366A (ja) | オゾン水製造設備およびオゾン処理設備 | |
JPH0141397B2 (ja) | ||
AU700876B2 (en) | Method for producing Caro's acid |