JPH11216290A - 針類およびその製造方法 - Google Patents

針類およびその製造方法

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JPH11216290A
JPH11216290A JP10066130A JP6613098A JPH11216290A JP H11216290 A JPH11216290 A JP H11216290A JP 10066130 A JP10066130 A JP 10066130A JP 6613098 A JP6613098 A JP 6613098A JP H11216290 A JPH11216290 A JP H11216290A
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JP
Japan
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needle
shot
hardness
metal
metal needle
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JP10066130A
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English (en)
Inventor
Osamu Todoroki
修 等々力
Fusaichi Miyasaka
房一 宮坂
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Organ Needle Co Ltd
Original Assignee
Organ Needle Co Ltd
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Publication date
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    • D04B35/02Knitting tools or instruments not provided for in group D04B15/00 or D04B27/00
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    • B21GMAKING NEEDLES, PINS OR NAILS OF METAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】針類の表面を耐摩耗性を高め耐久性を大幅に向
上して、針類として十分な座屈剛性を持ち、折損事故が
殆どない高品質のミシン針とすることと、その針類を製
造容易で、生産性をも高められて安価に製造する。 【解決手段】柄部分1からテーパー部2を介して針先4
を含む針幹部3の表面を、少なくとも金属針素材と同等
以上の硬度を有するシヨットによるショットピーニング
処理し、該ショットピーニング処理した外周面11に表
面処理層12を備え、さらに該表面処理層12の表面を
少なくとも金属針素材と同等以上の硬度を有するシヨッ
トによるショットピーニング処理した最外周面13とし
たことで、十分な座屈剛性を持ち、折損事故が殆どない
高品質のミシン針などの針類とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミシン針、メリヤ
ス編み針或いはフェルト針などの針類およびその製造方
法、特に炭素鋼の金属針素材を表面処理加工によって硬
化して造られるミシン針などの針類およびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ミシン針を製造する場合、金属線
材の切削加工や金属伸線材をダイプレス作業どのプレス
加工でミシン針にすることが知られているが、いずれに
してもこの金属成品をその一部または全部に於いて、焼
き入れ焼き戻し処理した後に、研削、研磨作業など幾つ
かの機械加工作業や仕上げ加工を組み合わせて冷間加工
するものであり、またこの従来の作業においてシヨット
ピーニング処理することも、既に実施されて公知であ
る。ところが、このような各作業は時間を要すると共
に、種々の作業箇所においていくつかの作業を行わなく
てはならないために、針類を次々に処理する必要があ
り、必然的に価格が高くなるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の金属線材から針
類にする加工作業においての表面処理作業には、バフ研
磨などの仕上げ加工は必須の作業であるが、この作業は
煩雑で、作業時間もかかり、作業の仕様によっては、針
強度ならびに針質が低下して不良品となってスクラップ
損失も大きくなると共に、生産性も上げられず製造コス
トも割高となる欠点があった。また、針類にする加工作
業に於いての焼き入れ、焼き戻しの熱処理を行なって、
表面組織をショットピーニング加工で圧縮残留応力を生
じさせ疲労強度を増大させる場合、温度制御を伴う工程
管理が煩雑であってコスト高となるほか、十分満足する
表面硬度と疲労強度を得られにくく、取扱い作業性も悪
化するなどの問題があった。
【0004】本発明は、これら従来の欠点を排除しよう
とするもので、針類の表面を耐摩耗性を高め耐久性を大
幅に向上して、針類として十分な座屈剛性を持ち、折損
事故が殆どない高品質のミシン針などの針類を製造容易
で、生産性をも高められて安価に製造することを目的と
するものである。本発明では、バフ研磨などの仕上げ加
工を省略して、針類にショットピーニング加工で圧縮残
留応力を生じさせ疲労強度を増大させ、処理作業も工程
管理も容易であってコスト低減するほか、十分満足する
安定した縫製作業が行え、高速度運転をもできるように
した針類とすることにある。また、本発明は他の目的と
して、十分な強度を持っていて安定した縫製作業が行
え、高安定した縫製作業と、高速度運転とを可能にした
高品質のミシン針を簡易で、安価に製造することができ
るミシン針の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素鋼からな
り、焼き入れ焼き戻し処理した金属針素材の表面を、少
なくとも金属針素材と同等以上の硬度を有するシヨット
によるショットピーニング処理し、該ショットピーニン
グ処理した外周面に表面処理層を備え、さらに該表面処
理層の表面を少なくとも金属針素材と同等以上の硬度を
有するシヨットによるショットピーニング処理して、前
記金属針素材の中心部から外周面部に向かって漸次硬度
を高くしたものである。
【0006】また、本発明の特徴では、ショットピーニ
ング処理層が、金属針素材と同等以上の硬度を有する4
0〜200μのセラミックビーズのシヨットを、エアー
圧力2.0〜5.0kg/cm2 によって噴射速度10
0m/sce以上で噴射して金属表面付近を処理して硬
化層としたものである。特に、本発明では、 前記金属
針素材の最外表面にクロームメッキ層を備え、その表面
を金属針素材と同等以上の硬度を有するシヨットによる
シヨットピーニング処理したものであって、一端に柄部
分と、該柄部分からテーパー部を介して他端に延びる針
幹部と、該針幹部先端に形成された針先とからなり、前
記柄部分から前記針先に近い部位まで延びる連続凹状の
表溝としての糸溝と、該糸溝と反対側に前記柄部分から
前記針先に向かって延びる連続凹状の裏溝および短溝
と、該糸溝と短溝とに貫通する針穴部分と、この針穴部
分に近い部位から裏溝との間の前記針幹部の細身部分に
形成したえぐり部とを備えたミシン針としたものであ
る。
【0007】
【発明の実施態様】本発明の実施態様のミシン針では、
炭素鋼からなり、焼き入れ焼き戻し処理した金属針素材
の表面に、少なくとも金属針素材と同等以上の硬度を有
するシヨットによるショットピーニング処理し、該ショ
ットピーニング処理した外周面にチタンコーティング或
いはクロムメッキ処理の表面処理層を備え、さらに該表
面処理層の表面を少なくとも金属針素材と同等以上の硬
度を有するシヨットによるショットピーニング処理し
て、前記金属針素材の中心部から外周面部に向かって漸
次硬度を高くしたもので、このショットピーニング処理
は、金属針素材と同等以上の硬度を有する40〜200
μのセラミックビーズのシヨットを、エアー圧力2.0
〜5.0kg/cm2 によって噴射速度100m/sc
e以上で噴射して金属表面付近を処理して硬化したもの
である。特に、前記金属針素材の最外表面にクロームメ
ッキ層を備え、その表面を金属針素材と同等以上の硬度
を有するシヨットによるシヨットピーニング処理してあ
るので、その表面が高耐摩耗性を持ち、耐久性が大幅に
向上され、針類として十分な座屈剛性を持つこととなっ
ているので、折損事故が殆どない高品質のミシン針とし
て使用することができるほか、製造上において、バフ研
磨などの仕上げ加工を省略して、針類の処理作業も工程
管理も容易であってコスト低減するほか、十分満足する
安定した縫製作業が行えて高速度運転をもできるように
した。
【0008】
【実施例】本発明の実施例を図1のミシン針の例で説明
すると、炭素鋼または合金鋼からなり、850℃前後で
焼き入れし、200℃前後で焼き戻しの熱処理した金属
針素材の一端に柄部分1と、該柄部分1からテーパー部
2を介して他端に延びる針幹部3と、該針幹部先端に形
成された針先4とを形成し、前記柄部分1から前記針先
に近い部位まで延びる連続凹状の表凹溝としての糸溝5
と、該糸溝5と反対側に前記柄部分1から前記針先4に
近い部位まで延びる連続凹状の裏溝6および短溝7と、
前記糸溝5と短溝7とに貫通する針穴部分8と、この針
穴部分8に近い部位から裏溝6との間の前記針幹部3の
細身部分に形成したえぐり部9とを備えたミシン針10
とするものであって、炭素鋼からなる金属針素材、例え
ば柄部分1からテーパー部2を介して針先4を含む針幹
部3の表面を、少なくとも金属針素材と同等以上の硬度
を有するシヨットによるショットピーニング処理し、該
ショットピーニング処理した外周面11にクロムメッキ
或いはチタンコーティング等の表面処理層12を備え、
さらに該表面処理層12の表面を少なくとも金属針素材
と同等以上の硬度を有するシヨットによるショットピー
ニング処理した最外周面13として、前記金属針素材の
中心部から外周面部に向かって漸次硬度を高くしたもの
である。
【0009】この場合、前記ショットピーニング処理
は、炭素鋼からなり、熱処理した金属針素材を各種形態
の針類に成形し、該針類を多数回転バレルに収納して反
転回動すると共に、該回転バレル内で反転回動する針類
に向かって、前記金属針素材と同等以上の硬金属針素材
と同等以上の硬度を有する40〜200μのセラミック
ビーズのシヨットを、吹き付け加工機によってエアー圧
力2.0〜5.0kg/cm2 の範囲で、噴射速度10
0m/sce以上で噴射して、前記針類の金属表面付近
をA1 変態点以上に上昇させる処理を所定時間施して表
面硬化するのが、生産性が向上して安価に製造すること
が出来る。
【0010】即ち、前記金属針素材が、硬度600〜7
50Hvの中心部の外周をシヨットピーニング処理して
硬度700〜820Hvとし、さらにそのシヨットピー
ニング処理表面上にクロムメッキ層を備えると共に、該
クロムメッキ層の外周をシヨットピーニング処理して硬
度1000Hv以上の硬化層とすることができる。
【0011】そして、前記シヨットピーニング処理が、
バレル方式で吹き付け加工機のノズルから圧縮空気とと
もに噴射するエア方式の場合、セラミックビーズを使用
するものであって、金属針素材の外周面11に処理を行
ったのち、該外周面11に被覆した前記クロームメッキ
層の表面処理層12の外周面13をさらに、シヨットピ
ーニング処理することで、熱処理効果と、鍛練効果並び
に加工強化によって表面から数十μガ焼き入れ時の硬度
になり、脆さを出すことなく硬度を高めることができ、
耐摩耗性を大幅に向上するし、シヨットピーニングによ
る圧縮残留応力の発生で疲労強度を増加させることが容
易である。
【0012】なお、前記シヨットピーニング処理として
は、ミシン針の場合、針幹部の断面積の大きさに比例し
てシヨットの噴射エア圧力を大きく調整して行なわれる
ものであって、バッチ方式で1ロット当たり、6,00
0〜10,000本、好ましくは7,000〜9,00
0本を収納して30〜60分の処理時間で万遍なく処理
するのが作業性がよく、且つ、針幹部の曲がりや歪みが
なく品質良好な仕上がりとなる。この場合、エア圧力と
しては、JIS規格の11番手以下或いは曲げ針などは
2.0Kgで、JIS規格の12〜16番手では2.5
Kg、JIS規格の18〜22番手では3.0Kg、J
IS規格の23番手以上のものは4.0Kgで噴射して
処理するのが好ましく、エア圧力が2.0Kg未満であ
ると、変態点以上にならないし、処理時間も大幅にかか
ってしまうし、またエア圧力を5.0Kg以上にエア圧
力を余り上昇させると、針類の針幹部の曲がり現象が生
じるので考慮すべきである。また、バレル方式に代え
て、針幹部を多数整列させて前記シヨットピーニング処
理する方式をも必要に応じて採用することができる。
【0013】また、図2に示すメリヤス編み針20の実
施例では、熱処理した金属針素材が、先端にフック21
を有したブレード22に、前記フック21に接離して開
閉する回動自在のラッチ28と、他端にバット23とを
備えたもので、前記ブレード22の表面を、少なくとも
金属針素材と同等以上の硬度を有するシヨットによるシ
ヨットピーニング処理した外周面24を最外周面とする
か或いは該シヨットピーニング処理した外周面24に必
要に応じ表面処理層25を備え、さらに該表面処理層2
5の表面を少なくとも金属針素材と同等以上の硬度を有
するシヨットによるシヨットピーニング処理した最外周
面26として、前記金属針素材の中心部から外周面部に
向かって漸次硬度を高くしたものである。
【0014】さらに、図3の実施例では、フェルト針3
0に適用したもので、熱処理した前記金属針素材が、先
端に尖鋭な針先31を有し、該針先31に続いて断面略
三角形のブレード32を軸方向に延設し、該ブレード3
2の各稜線に所定間隔をあけて尖鋭のバーブ33を備え
ると共に、ブレード32の他端に折り曲げ柄部34を備
えたもので、前記ブレード32の表面を、少なくとも金
属針素材と同等以上の硬度を有するシヨットによるシヨ
ットピーニング処理した最外周面37として、前記フェ
ルト針30の金属素材の中心部から外周面部に向かって
漸次硬度を高くしたものである。
【0015】なお、前記メリヤス編み針20或いはフェ
ルト針30では、クロムメッキなどのメッキ処理を施さ
ないで、少なくとも金属針素材と同等以上の硬度を有す
るシヨットによるシヨットピーニング処理した最外周面
として、表面処理層を省略することもできる。
【0016】これら実施例の針類は、焼き入れ焼き戻し
の熱処理を行なった後、常温または温間でシヨットピー
ニング加工を施して、金属針表面付近の組織を変化させ
ることで、圧縮残留応力を生じさせて疲労強度を増加さ
せ極めて高い表面硬度を持った金属針成品としたもので
あるが、金属針素材と同等以上の硬度を有するシヨット
による前記シヨットピーニング処理では、シヨット粒径
によって噴射速度が増大して、被加工物の金属針成品表
面に発熱が生じ、噴射表面温度が噴射速度の上昇によっ
てなされるものである。
【0017】即ち、前記シヨット粒径を40〜200μ
のセラミックビーズとしたのは、噴射速度並びに噴射密
度との関係からであり、噴射速度を高速とするには、シ
ヨット粒径を大きくするとできないし、噴射密度が低い
と噴射圧力を大きくしても、加工層が不均一となるので
避けるべきであり、成品の被加工表面の粗さの影響を少
なくするために考慮したものである。
【0018】そして、ピーニング処理装置のノズルから
圧縮空気と共に噴射するエア吹き付け式の場合、シヨッ
ト粒径を小さくすることで圧縮空気に乗りやすくなり、
噴射速度200m/sce程度までの噴射速度とするこ
とが容易であって、さらに噴射密度を濃くすることがで
きて、温度上昇も750〜900℃となり、瞬間的には
900℃以上になることも容易に可能で、金属の変態点
を越えてきて、極めて高い表面硬度を持った金属針成品
とすることができる。この場合、前記ノズルからの噴射
距離は、150〜200mm好ましくは160〜180
mmとして噴射時間は、20〜40秒好ましくは30秒
前後で処理するのがよい。
【0019】前記シヨットピーニング処理によって、金
属針成品が加熱され表層は、オーステナイトがマルテン
サイトに変態し、表面から10〜30μの間にマルテン
サイトに変態し、該層が硬度を高め、表層下部はベイナ
イトおよび/または焼戻コルランサイトに変態して硬度
の高い、かつ靭性に富む組織が得られ、しかも表面の仕
上がりが均一で滑らかな表面仕上がりとすることができ
て有効である。
【0020】このセラミックビーズ(1000Hv)の
シヨットピーニング処理によって得られた本発明のミシ
ン針Aと、従来の焼き入れ焼き戻し熱処理したミシン針
Bと、さらに従来のガラスビーズによるシヨットピーニ
ング処理したミシン針Cとを比較したところ、穴摺動
値、強度(硬度、歪み、折点、剛性)と、表面形状との
測定結果は表1に示すとおりであつた。
【0021】
【表 1】
【0022】そして、本発明のミシン針Aでは、従来の
ミシン針B,Cのものと比べて穴摺動値では、ミシン針
Bに対して200〜380%のアップとなり、ミシン針
Cに対しては260〜900%のアップとなって、穴磨
きに近い数値が得られる。また、強度(硬度、曲げ残留
歪み、折損角度・折点、曲げ剛性値)比較では、硬度に
おいてミシン針Bに対して40〜50Hvアップとな
り、ミシン針Cに対しては表面硬度が80Hvアップと
なっている有意差が認められ、且つ、曲げ残留歪み、折
損角度・折点、曲げ剛性値では殆ど差がない成品と成っ
ていることが認められた。
【0023】さらに、表面形状の表面肌でも本発明のミ
シン針Aでは、従来のミシン針B,Cの比し、凸部が少
ないきめ細かい均一な表面肌となっていて、機能比較
〔貫通抵抗、針熱温度(針温度)非粘着性〕において
も、表2に示す如く貫通抵抗並びに針熱温度は同等のも
のとなっていて、非粘着性については本発明のミシン針
Aでは、ミシン回転数2000で粘着開始が生ずるのに
対して、従来のミシン針B,Cではミシン回転数180
0で粘着開始が生じてしまい2000では完全粘着する
のに比べて、有意差が認められ縫製作業の向上が期待で
きる。
【0024】
【表 2】
【0025】
【発明の効果】本発明は、炭素鋼からなり、焼き入れ焼
き戻し処理した金属針素材の表面を、少なくとも金属針
素材と同等以上の硬度を有するシヨットによるショット
ピーニング処理し、該ショットピーニング処理した外周
面に表面処理層を備え、さらに該表面処理層の表面を少
なくとも金属針素材と同等以上の硬度を有するシヨット
によるシヨットピーニング処理して、前記金属針素材の
中心部から外周面部に向かって漸次硬度を高くしたこと
により、針類の表面を耐摩耗性を高め耐久性を大幅に向
上して、針類として十分な座屈剛性を持ち、折損事故が
殆どないしかも十分満足する安定した縫製作業が行え、
高速度運転をもできるようにした高品質のミシン針など
の針類とすることができる。また、本発明では、炭素鋼
からなる金属針素材を各種形態の針類に成形し、該針類
を多数回転バレルに収納して反転回動すると共に、該回
転バレル内で反転回動する針類に向かって、前記金属針
素材と同等以上の硬度を有する40〜200μのセラミ
ックビーズのシヨットをエアー圧力2.0〜5.0kg
/cm2 によって噴射速度100m/sce以上でノズ
ルから噴射して、前記針類の金属表面付近をA1 変態点
以上に上昇させるショットピーニング加工処理を所定時
間施して針類を製造することにより、バフ研磨などの仕
上げ加工を省略して、針類に圧縮残留応力を生じさせ疲
労強度を増大させ、処理作業も工程管理も容易であって
コスト低減するほか、十分満足する安定した縫製作業な
どの各種の作業が行え、高速度運転をもできるようにし
生産性をも高められる針類を簡易で、安価に製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のミシン針を示し、(a)
は拡大正面図、(b)はその縦断面図、(c)はA−A
線における拡大横断面図、(d)はその一部のさらに拡
大した詳細断面図である。
【図2】本発明の第2実施例のメリヤス編み針を示し、
(a)は拡大側面図、(b)はB−B線における拡大縦
断面図、(c)はその一部のさらに拡大した詳細断面図
である。
【図3】本発明の第3実施例のフェルト針を示し、
(a)は拡大側面図、(b)はC−C線における拡大縦
断面図、(c)はその一部のさらに拡大した詳細断面図
である。
【符号の説明】
1 柄部分 2 テーパー部 3 針幹部 4 針先 5 糸溝 6 裏溝 7 短溝 8 針穴部分 9 えぐり部 10 ミシン針 11 外周面 12 表面処理層 13 最外周面 20 メリヤス編み針 21 フック 22 ブレード 23 バット 30 フェルト針 31 針先 32 ブレード 33 バーブ 34 折り曲げ柄部 35 外周面 36 表面処理層 37 最外周面

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素鋼からなり、焼き入れ焼き戻し処理
    した金属針素材の表面を、少なくとも金属針素材と同等
    以上の硬度を有するシヨットによるショットピーニング
    処理し、該ショットピーニング処理した外周面に表面処
    理層を備え、さらに該表面処理層の表面を少なくとも金
    属針素材と同等以上の硬度を有するシヨットによるシヨ
    ットピーニング処理して、前記金属針素材の中心部から
    外周面部に向かって漸次硬度を高くしたことを特徴とす
    る針類。
  2. 【請求項2】 前記シヨットピーニング処理が、金属針
    素材と同等以上の硬度を有する40〜200μのセラミ
    ックビーズのシヨットをエアー圧力2.0〜5.0kg
    /cm2 によって噴射速度100m/sce以上で噴射
    して、金属表面付近をA1 変態点以上で処理するもので
    あることを特徴とした請求項1記載の針類。
  3. 【請求項3】 前記金属針素材が、一端に柄部分と、該
    柄部分からテーパー部を介して他端に延びる針幹部と、
    該針幹部先端に形成された針先とからなり、前記柄部分
    から前記針先に近い部位まで延びる連続凹状の表溝とし
    ての糸溝と、該糸溝と反対側に前記柄部分から前記針先
    に向かって延びる連続凹状の裏溝および短溝と、該糸溝
    と短溝とに貫通する針穴部分と、この針穴部分に近い部
    位から裏溝との間の前記針幹部の細身部分に形成したえ
    ぐり部とを備えた請求項1たは2記載のミシン針。
  4. 【請求項4】 前記金属針素材が、炭素鋼からなり先端
    にフックを有し、該フックに接離して開閉する回動自在
    のラッチと、他端にバットとを備えたものであって、焼
    き入れ焼き戻し処理した金属針素材の表面を、少なくと
    も金属針素材と同等以上の硬度を有するシヨットによる
    ショットピーニング処理して、前記金属針素材の中心部
    から外周面部に向かって漸次硬度を高くしたことを特徴
    とするメリヤス編み針。
  5. 【請求項5】 前記金属針素材が、炭素鋼からなり先端
    に尖鋭な針先を有し、該針先に続いて断面略三角形のブ
    レードを軸方向に延設し、該ブレードの各稜線に所定間
    隔をあけて尖鋭のバーブを備えると共に、ブレードの他
    端に折り曲げ柄部を備えたものであって、焼き入れ焼き
    戻し処理した金属針素材の表面を、少なくとも金属針素
    材と同等以上の硬度を有するシヨットによるショットピ
    ーニング処理して、前記金属針素材の中心部から外周面
    部に向かって漸次硬度を高くしたことを特徴とするフェ
    ルト針。
  6. 【請求項6】 前記金属針素材が、硬度600〜750
    Hvの中心部の外周をシヨットピーニング処理して硬度
    700〜820Hvとした硬化層としたことを特徴とし
    た請求項3,4または5記載の針類。
  7. 【請求項7】 炭素鋼からなる金属針素材を各種形態の
    針類に成形し、該針類を多数回転バレルに収納して反転
    回動すると共に、該回転バレル内で反転回動する針類に
    向かって、前記金属針素材と同等以上の硬度を有する4
    0〜200μのセラミックビーズのシヨットをエアー圧
    力2.0〜5.0kg/cm2 によって噴射速度100
    m/sce以上でノズルから噴射して、前記針類の金属
    表面付近をA1 変態点以上に上昇させる処理を所定時間
    施して処理したことを特徴とした針類の製造方法。
  8. 【請求項8】前記シヨットピーニング処理が、ノズルか
    ら圧縮空気とともに噴射するエア方式の場合、セラミッ
    クビーズを使用するものであって、金属針素材の外周面
    に処理を行ったのち、該外周面に被覆した前記クロムメ
    ッキ層の外周面をさらに、シヨットピーニング処理する
    ことを特徴とした請求項7記載のミシン針の製造方法。
  9. 【請求項9】前記シヨットピーニング処理が、針幹部の
    断面積の大きさに比例してシヨットの噴射エア圧力を大
    きく調整して行なわれるものであって、バッチ方式で1
    ロット当たり30〜60分の処理時間で処理することを
    特徴とした請求項7または8記載のミシン針の製造方
    法。
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