JPH1121507A - 印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス及びこれを用いた積層板用プリプレグ,金属張り積層板の製造方法 - Google Patents

印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス及びこれを用いた積層板用プリプレグ,金属張り積層板の製造方法

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JPH1121507A
JPH1121507A JP9181145A JP18114597A JPH1121507A JP H1121507 A JPH1121507 A JP H1121507A JP 9181145 A JP9181145 A JP 9181145A JP 18114597 A JP18114597 A JP 18114597A JP H1121507 A JPH1121507 A JP H1121507A
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茂雄 佐瀬
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康之 水野
Takeshi Sugimura
猛 杉村
Harumi Negishi
春巳 根岸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性が良好で、従来の熱硬化性樹脂積層板
と同様な成形性及び加工性を示し、かつ高周波帯域での
誘電正接が低く低損失性に優れた印刷配線板が得られる
印刷配線板用樹脂ワニス及びこれを用いた積層板用プリ
プレグ,金属張り積層板の製造方法を提供する。 【解決手段】(A)シアネートエステル類化合物、
(B)アルキル置換1価フェノール類化合物、(C)ポ
リフェニレンエーテル樹脂、(D)シアネートエステル
類化合物と反応性を有しない難燃剤、(E)金属系反応
触媒、(F)芳香族炭化水素系溶剤及び(G)ケトン系
溶媒を必須成分として含有する変性シアネートエステル
系樹脂の印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニ
ス。このワニスを基材に含浸後、乾燥させて積層板用プ
リプレグを作製し、このプリプレグの1枚若しくは複数
枚と金属箔を重ねて加圧加熱して金属張り積層板とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波帯域におい
て低損失性が求められる無線通信関連の端末機器やアン
テナ、マイクロプロセッサの動作周波数が数百MHzを
越えるような高速コンピュータなどに用いられる印刷配
線板用の基板を製造するのに適した印刷配線板用変性シ
アネートエステル樹脂ワニス及びこれを用いた積層板用
プリプレグ、金属張り積層板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高度情報化社会では大量のデータを高速
で処理する必要があり、コンピュータや情報機器端末な
どでは信号の高周波化が進んでいる。しかしながら、電
気信号は周波数が高くなる程伝送損失が大きくなるとい
う性質があり、高周波化に対応した低損失性の印刷配線
板の開発が強く求められている。
【0003】印刷配線板での伝送損失は、配線(導体)
の形状、表皮抵抗、特性インピーダンス等で決まる導体
損と配線周りの絶縁層(誘電体)の誘電特性で決まる誘
電体損とからなり、高周波回路では誘電体損による電力
ロスの影響が大きい。したがって、高周波回路の伝送損
失を低減するためにはプリント配線板用基板(特に絶縁
樹脂)の低誘電率及び低誘電正接(tanδ)化が必要
と考えられる。例えば、高周波信号を扱う移動体通信関
連の機器では、信号の高周波化に伴い準マイクロ波帯
(1〜3GHz)での伝送損失を少なくするため誘電正
接の低い基板が強く望まれるようになっている。
【0004】またコンピュータなどの電子情報機器で
は、大量の情報を短時間で処理するために動作周波数が
200MHzを越える高速マイクロプロセッサの開発や
信号の高周波化が進んでいる。このような高速パルス信
号を扱う機器では印刷配線板上での遅延が問題になって
きた。印刷配線板での信号遅延時間は配線まわりの絶縁
物の比誘電率εrの平方根に比例して長くなるため、コ
ンピュータなどに用いられる配線板では誘電率の低い基
板用樹脂が要求されている。
【0005】以上のような信号の高周波化に対応し印刷
配線板の高周波特性を改善する樹脂組成物として、熱硬
化性樹脂の中で最も誘電率が低いシアネートエステル樹
脂による組成物として、特公昭46−41112号公報
に示されているシアネートエステル/エポキシ樹脂組成
物、特公昭52−31279号公報に示されているビス
マレイミド/シアネートエステル/エポキシ樹脂組成物
を用いる方法がある。
【0006】また熱可塑性樹脂を用いて高周波特性を改
善するものとして、特公平5-77705号公報に示さ
れているポリフェニレンエーテル樹脂(PPO又はPP
E)と架橋性ポリマ/モノマとの樹脂組成物及び特公平
6-92533号公報に示されている特定の硬化性官能
基を持つポリフェニレンエーテル樹脂と架橋性モノマと
の樹脂組成物等のように耐熱性熱可塑性樹脂の中では誘
電特性が良好なポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を
用いる方法がある。
【0007】また誘電率が低いシアネートエステル樹脂
と誘電特性が良好なポリフェニレンエーテル樹脂からな
る樹脂組成物を用いて高周波特性を改善するものとし
て、特公昭63-33506号公報に示されているシア
ネートエステル/ビスマレイミドとポリフェニレンエー
テル樹脂との樹脂組成物、特開平5-311071号公
報に示されているフェノール変性樹脂/シアネートエス
テル反応物とポリフェニレンエーテル樹脂との樹脂組成
物を用いる方法がある。更に高周波特性の良い耐熱性成
形材料として、特公昭61-18937号公報に示され
ているようにポリフェニレンエーテル樹脂にシアネート
エステル樹脂を混練した樹脂組成物がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特公昭46-4111
2号公報や特公昭52-31279号公報に示される方
法は、誘電率が若干低くなるもののシアネートエステル
樹脂以外の他の熱硬化性樹脂を含有しているため高周波
特性が不十分という問題点があった。
【0009】特公平5-77705号公報や特公平6-9
2533号公報に示される方法は、誘電特性は改善され
るものの、本来熱可塑性ポリマであるポリフェニレンエ
ーテル樹脂を主体としているために樹脂組成物の溶融粘
度が高く流動性が不足するという問題点があった。した
がって、積層板をプレス成形する時に高温高圧が必要と
なったり、微細な回路パターン間の溝を埋める必要の有
る多層印刷配線板を製造するには成形性が悪くて不適で
あった。
【0010】特公昭63-33506号公報や特開平5-
311071号公報に示される方法は、ポリフェニレン
エーテル樹脂と併用する熱硬化性樹脂がビスマレイミド
/シアネートエステル樹脂やフェノール変性樹脂/シア
ネートエステル反応物であるため、誘電特性が若干改善
されるものの高周波特性は依然として不十分であるとい
う問題点があった。なお、高周波特性を良くするために
ポリフェニレンエーテル樹脂の配合量を増加すると前述
のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物と同様に樹脂組
成物の溶融粘度が高くなって流動性が不足するため成形
性が悪いという問題点があった。
【0011】また特公昭61-18937号公報に示さ
れるポリフェニレンエーテル樹脂にシアネートエステル
樹脂を混練した樹脂組成物は誘電特性が良好であり、か
つシアネートエステル樹脂で変性すると溶融粘度が低く
なるために樹脂組成物の成形性も比較的良好であるもの
の、硬化性成分としてシアネートエステルを単独で用い
るとその樹脂硬化物の誘電特性は誘電正接が誘電率の値
の割に高いという傾向にあり、高周波帯域の伝送損失を
十分に低減できないという問題点があった。さらに、誘
電正接を低くするためシアネートエステルの配合量を少
なく(ポリフェニレンエーテル樹脂の配合量を増加)す
ると前述のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物と同様
に樹脂組成物の溶融粘度が高くなって流動性が不足する
ため成形性が悪いという問題点があった。
【0012】このような状況に鑑みて本発明者らは、先
に特定のシアネートエステル樹脂を1価フェノール類化
合物で変性した組成物をマトリックス樹脂の一部または
全部に用いる方法(特願平9−80033号)を提案し
た。しかしながら、特定のシアネートエステル樹脂を1
価フェノール類化合物で変性することによって高周波特
性が良好な樹脂組成物を得ることができたが、使用して
いる特定のシアネートエステル樹脂が特殊かつ高価であ
るという問題点があった。
【0013】本発明は、耐熱性が良好で、従来のエポキ
シ樹脂などの熱硬化性樹脂積層板と同様な成形性及び加
工性を具備し、かつ誘電特性、特に高周波帯域での誘電
正接が低く低損失性に優れた高密度多層配線板製造が可
能な印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス及
びこれを用いた積層板用プリプレグ、金属張り積層板の
製造方法を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)式
(1)で示されるシアネートエステル類化合物、(B)
式(2)で示される1価フェノール類化合物、(C)ポ
リフェニレンエーテル樹脂、(D)シアネートエステル
類化合物との反応性を有しない難燃剤、(E)金属系反
応触媒、(F)芳香族炭化水素系溶剤及び(G)ケトン
系溶媒を必須成分とする変性シアネートエステル系樹脂
の印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス及び
これを用いた積層板用プリプレグ、金属張り積層板の製
造方法である。
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】また更に加えて本発明は、(A)式(1)
で示されるシアネートエステル類化合物の100重量部
に対して、(B)式(2)で示される1価フェノール類
化合物を4〜30重量部配合すると好ましい高周波帯域
での誘電正接が低く低損失性に優れる印刷配線板用変性
シアネートエステル樹脂ワニス及びこれを用いた積層板
用プリプレグ、金属張り積層板の製造方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】高分子材料など誘電特性は双極子
の配向分極による影響が大きく、したがって分子内の極
性基を少なくすることにより低誘電率化が図れ、また極
性基の運動性を抑えることにより誘電正接を低くするこ
とが可能である。シアネートエステル樹脂は、極性の強
いシアナト基を有していながら硬化時には対称性かつ剛
直なトリアジン構造を生成するので、熱硬化性樹脂とし
ては最も低い誘電率及び誘電正接の硬化物が得られると
いう特徴がある。
【0019】しかしながら、実際の硬化反応において
は、シアネートエステル樹脂中のすべてのシアナト基が
反応してトリアジン構造を生成するということは不可能
であり、硬化反応の進行に伴って反応系が流動性を失い
未反応のシアナト基として系内に残存することになる。
その結果、これまでは本来の硬化物より誘電率や誘電正
接の高い硬化物しか得られなかった。
【0020】これに対して本発明の印刷配線板用樹脂ワ
ニスでは、(B)1価フェノール類化合物を適正量配合
することで未反応として残るシアナト基をイミドカーボ
ネート化してその極性を減じることにより硬化物の誘電
率と誘電正接を低下させようとしたものである。この目
的で用いる材料としては、シアナト基との反応性が高
く、また単官能で比較的低分子量でありかつシアネート
エステル樹脂との相溶性が良い(分子構造に類似性があ
り)化合物が適していると考えられる。本発明の印刷配
線板用変性シアネートエステル樹脂ワニスで用いる1価
のフェノール類化合物は、このような理由によって特定
された化合物である。
【0021】従来、シアネートエステルの三量化反応
(トリアジン環の生成)の助触媒として、ノニルフェノ
ール等のフェノール化合物はシアネートエステル100
重量部に対して1〜2重量部程度用いられていた。しか
し、配合量が触媒量であったため上記のような、未反応
のシアナト基と反応し低極性化するという効果は認めら
れなかった。しかるに本発明者らがフェノール化合物の
配合量について検討した結果、フェノール化合物を従来
よりも多量に配合することにより硬化物の誘電率と誘電
正接が低下することを認め、かつ特定の1価フェノール
類化合物を用いれば、配合量が増える事による耐熱性の
低下も抑制できることを見出した。そのため本発明の方
法によれば、これまでのシアネートエステル樹脂単独の
硬化物や、従来のエポキシ樹脂や多価フェノール類(片
方の水酸基が未反応基として残り易いため誘電特性をか
えって悪化させる)及びビスマレイミド等を配合した樹
脂の硬化物よりも誘電率と誘電正接の低い硬化物が得ら
れるようになった。
【0022】したがって本発明の印刷配線板用樹脂ワニ
スでは、一価フェノール類化合物の配合量が重要であ
る。すなわち、配合量が少ない場合は未反応として残存
する全てのシアナト基と反応し低極性化することができ
ず、配合量が必要量より多い場合はかえって自分自身が
未反応として残存し、自身の水酸基の極性によって硬化
物の誘電特性を悪化させてしまうことになるからであ
る。
【0023】さらに本発明の印刷配線板用変性シアネー
トエステル樹脂ワニスでは、誘電特性が良好な熱可塑性
樹脂である(C)ポリフェニレンエーテル樹脂を上記の
変性シアネートエステル樹脂に配合することにより誘電
特性の向上を図っている。シアネートエステル樹脂とポ
リフェニレンエーテル樹脂とは、本来非相容系であり均
一な樹脂を得ることが困難であるが、本発明者らが見出
した手法によれば、(A)シアネートエステル類化合物
と(B)1価フェノール類化合物の反応を、ポリフェニ
レンエーテル樹脂の溶媒溶液中で反応を行うと、いわゆ
る“セミIPN(interpenetrating polymer network)
化樹脂”が生成し均一な樹脂溶液が得られることがわか
った。
【0024】すなわち、本発明の印刷配線板用変性シア
ネートエステル樹脂ワニスにおいては、(F)芳香族炭
化水素系溶剤を用いて(C)ポリフェニレンエーテル樹
脂を加熱溶解し、その溶液中で(A)シアネートエステ
ル類化合物のオリゴマ化及び(A)シアネートエステル
類化合物と(B)1価フェノール類化合物のイミドカー
ボネート化反応を行い、変性シアネートエステル樹脂と
ポリフェニレンエーテル樹脂との相容化樹脂を製造して
いる。この際の相容化については、変性シアネートエス
テル樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂が化学的結合を
形成している可能性は少なく、その代わりに変性シアネ
ートエステル樹脂の一部がポリフェニレンエーテル樹脂
の分子鎖に絡みながらオリゴマ化が進み、いわゆる“セ
ミIPN化樹脂”が生成していると考えられる。この場
合分子鎖の絡みを促進するには、溶解中のポリフェニレ
ンエーテル樹脂の分子鎖を広がるようにし、かつ変性シ
アネートエステル樹脂の一部がポリフェニレンエーテル
樹脂の分子鎖に絡み易くするため、ポリフェニレンエー
テル樹脂の良溶媒であって、同時に変性シアネートエス
テル樹脂も良く溶解する(F)芳香族炭化水素系溶媒を
反応溶媒に用いることが好ましい。
【0025】しかしながら、良溶媒に溶解された高分子
量溶液は、一般にその粘度が高くなるという性質があ
り、本発明の樹脂ワニスにおいても(F)芳香族炭化水
素系溶液の状態では、粘度が非常に高く高濃度溶液では
固形に近くなってしまう。そのため低濃度の印刷配線板
用樹脂ワニスしか得ることができず、結果的にプリプレ
グの樹脂付着量が低くなり、プレス成形後に積層板のカ
スレ不良(樹脂の不足)が発生するという問題が生じ
た。
【0026】そこで、本発明者らは、高濃度の印刷配線
板用変性シアネートエステル樹脂ワニスを得るために、
芳香族炭化水素系溶液中で製造した変性シアネートエス
テル樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂との相容化樹脂
溶液に、(G)ケトン系溶媒を投入攪拌して懸濁化し低
粘度化する手法を採用し、高濃度の変性シアネートエス
テル樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂との相容化樹脂
の(F)芳香族炭化水素系溶剤溶液を製造した後に、
(G)ケトン系溶媒を投入攪拌し懸濁化させることによ
り、比較的高濃度で粘度も高くならず、樹脂付着量の高
いプリプレグが製造できる印刷配線板用変性シアネート
エステル樹脂ワニスを得ることができる知見を得た。
【0027】また本発明の印刷配線板用変性シアネート
エステル樹脂ワニスにおいて用いられる難燃剤は、
(A)シアネートエステル類化合物と(B)1価フェノ
ール類化合物の反応を阻害しないようにシアネートエス
テル類化合物と反応性を有しないことが必須であり、炭
化水素系の低極性化合物であるため硬化物の誘電特性を
悪化させることが少ない。また、もう一種類の特定した
難燃剤は炭化水素系以外の化合物であってもシアネート
エステルの硬化物と同様なトリアジン構造をもっている
ためシアネートエステル樹脂硬化物に相容し易く、耐熱
性や誘電特性を悪化させることなく耐燃性を付与するこ
とができる。
【0028】本発明の印刷配線板用変性シアネートエス
テル樹脂ワニス及びこれを用いた積層板用プリプレグ、
金属張り積層板の製造方法は、(A)式(1)で示され
るシアネートエステル類化合物、(B)式(2)で示さ
れる1価フェノール類化合物、(C)ポリフェニレンエ
ーテル樹脂、(D)シアネートエステル類化合物と反応
性を有しない難燃剤、(E)金属系反応触媒、(F)芳
香族炭化水素系溶剤及び(G)ケトン系溶媒を必須成分
として含有する印刷配線板用変性シアネートエステル樹
脂ワニスにおいて、(C)ポリフェニレンエーテル樹脂
を(F)芳香族炭化水素系溶剤に加熱溶解し、次いでそ
の溶液中で(A)シアネートエステル類化合物と(B)
1価フェノール類化合物を(E)金属系反応触媒の存在
下で反応させて変性シアネートエステル樹脂とポリフェ
ニレンエーテル樹脂との相容化樹脂溶液を製造した後、
反応溶液に(G)ケトン系溶媒を投入攪拌して相容化樹
脂を懸濁化して得られる、高周波特性に優れ変性シアネ
ートエステル系樹脂組成物の高濃度化が可能な印刷配線
板用変性シアネートエステル樹脂ワニスである。そし
て、そのワニスを、基材に含浸後、80〜200℃で乾
燥させ積層板用プリプレグを製造し、その積層板用プリ
プレグを1枚ないし複数枚重ね、さらにその上下面又は
片面に金属箔を重ねて加圧加熱して得られる金属張り積
層板の製造方法である。
【0029】本発明における(A)シアネートエステル
類化合物は、式(1)で示されように1分子中にシアナ
ト基を2個有するシアネートエステル類化合物である。
式(1)で示される化合物としては、例えば、ビス(4
−シアナトフェニル)エタン、2,2−ビス(4−シア
ナトフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4
−シアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シア
ナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロプロパン、α,α’−ビス(4−シアナトフェニ
ル)−m−ジイソプロピルベンゼン、フェノール付加ジ
シクロペンタジエン重合体のシアネートエステル化物等
が挙げられる。その中でも、2,2−ビス(4−シアナ
トフェニル)プロパン及びビス(3,5−ジメチル−4
−シアナトフェニル)メタン等がより好ましい。また
(A)シアネートエステル類化合物は、一種類を単独で
用いてもよく、又は二種類以上を混合して用いてもよ
い。
【0030】本発明における(B)1価フェノール類化
合物は、式(2)で示されるアルキル置換フェノール類
であり、耐熱性の良好な化合物が好ましい。式(2)で
示される化合物としては、例えば、 p−tert−ブ
チルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p
−tert−オクチルフェノールが挙げられ、その中で
もp−tert−オクチルフェノールがより好ましい。
(B)1価フェノール類化合物は、上記のうちいずれか
一種類を単独で用いてもよく又は二種類以上を混合して
用いてもよい。
【0031】本発明における(B)1価フェノール類化
合物の配合量は、(A)シアネートエステル類化合物1
00重量部に対して4〜30重量部とするのが好まし
く、5〜30重量部とすることがより好ましく、5〜2
5重量部とすることがさらに好ましい。(B)1価フェ
ノール類化合物の配合量が4重量部未満では十分な誘電
特性が得られず、特に高周波帯域での誘電正接が十分に
低くならない傾向がある。また30重量部を超えるとか
えって誘電正接が高くなるという傾向があり望ましくな
い。したがって、本発明が提供する高周波帯において誘
電正接の低いシアネートエステル系樹脂硬化物を得るた
めには、(A)シアネートエステル類化合物に対して適
切な配合量の(B)1価フェノール類化合物を配合する
必要がある。
【0032】本発明における(A)シアネートエステル
類化合物と(B)1価フェノール類化合物は、通常、そ
れぞれを反応させて得られる変性シアネートエステル樹
脂として用いられる。すなわち、(A)シアネートエス
テル類化合物のプレポリマ化とともに、(A)シアネー
トエステル類化合物に(B)1価フェノール類化合物を
付加させたイミドカーボネート化変性樹脂として用いら
れる。
【0033】(A)シアネートエステル類化合物と
(B)1価フェノール類化合物を反応させる際には、
(B)1価フェノール類化合物を反応初期から上記の適
正配合量の全部を投入して反応させて変性シアネートエ
ステル樹脂としても良いし、反応初期は上記の適正配合
量の一部を反応させ、冷却後残りの(B)1価フェノー
ル類化合物を投入して、Bステージ化時あるいは硬化時
に反応させて変性シアネートエステル樹脂としても良
い。
【0034】本発明における(C)ポリフェニレンエー
テル樹脂としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジメチ
ル−1,4−フェニレン)エーテルとポリスチレンのア
ロイ化ポリマ、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレン)エーテルとスチレン−ブタジエンコポリマのア
ロイ化ポリマ等が挙げられ、その中でも、ポリ(2、6
−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルとポリスチ
レンのアロイ化ポリマ及びポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレン)エーテルとスチレン−ブタジエン
コポリマのアロイ化ポリマ等が好ましい。(C)ポリフ
ェニレンエーテル樹脂中のポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレン)エーテル成分を50重量%以上含
有するポリマであることが硬化物の誘電特性が良好であ
るために好ましく、65重量以上%含有することがより
好ましい。
【0035】本発明における(C)ポリフェニレンエー
テル樹脂の配合量は、(A)シアネートエステル類化合
物100重量部に対して5〜300重量部とすることが
好ましく、10〜200重量部とすることがより好まし
く、10〜100重量部とすることがさらに好ましい。
(C)ポリフェニレンエーテル樹脂の配合量が、5重量
部未満では十分な誘電特性が得られなくなる傾向があ
り、300重量部を超えると樹脂の溶融粘度が高くなっ
て流動性が不足するため成形性が悪くなり、また(A)
シアネートエステル類の反応性も悪くなる傾向がある。
【0036】本発明における(D)シアネートエステル
類化合物と反応性を有しない難燃剤としては、例えば、
1,2−ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シ
クロヘキサン、テトラブロモシクロヘキサン、ヘキサブ
ロモシクロドデカン、ポリブロモジフェニルエーテル、
臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネート及び式
(3)で示される臭素化トリフェニルシアヌレート系難
燃剤等が挙げられ、その中でも、1,2−ジブロモ−4
−(1,2−ジブロモエチル)シクロヘキサン、テトラ
ブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、
2,4,6−トリス(トリブロモフェノキシ)−1,
3,5−トリアジン等が得られる硬化物の誘電特性が良
好であるのでより好ましい。
【0037】
【化6】
【0038】本発明における(D)シアネートエステル
類化合物と反応性を有しない難燃剤の配合量は、(A)
シアネートエステル類化合物、(B)1価フェノール類
化合物及び(C)ポリフェニレンエーテル樹脂の総量1
00重量部に対して5〜30重量部とすることが好まし
く、5〜20重量部とすることがより好ましく、10〜
20重量部とすることがさらに好ましい。(D)シアネ
ートエステル類化合物と反応性を有しない難燃剤の配合
量が、5重量部未満では耐燃性が不十分となる傾向があ
り、30重量部を超えると樹脂の耐熱性が低下する傾向
がある。
【0039】本発明の(E)金属系反応触媒は、(A)
シアネートエステル類化合物と(B)1価フェノール類
化合物との反応を促進するものであり、変性シアネート
系樹脂組成物を製造する際の反応触媒及び積層板を製造
する際の硬化促進剤として用いられる。金属系反応触媒
類としては、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、
亜鉛等の金属触媒類が用いられ、具体的には、2−エチ
ルヘキサン酸塩やナフテン酸塩等の有機金属塩化合物及
びアセチルアセトン錯体などの有機金属錯体として用い
られる。変性シアネート系樹脂組成物を製造する際の反
応促進剤と積層板を製造する際の硬化促進剤で同一の金
属系反応触媒を単独で用いてもよく、又はそれぞれ別の
二種類以上を用いてもよい。
【0040】本発明における(E)金属系反応触媒の配
合量は、(A)シアネートエステル類化合物1(g)に
対して1〜300ppmとすることが好ましく、2〜2
00ppmとすることがより好ましく、2〜150pp
mとすることがさらに好ましい。(E)金属系反応触媒
の配合量が、1ppm未満では反応性及び硬化性が不十
分となる傾向があり、300ppmを超えると反応の制
御が難しくなったり、硬化が速くなりすぎて成形性が悪
くなる傾向がある。また、本発明における(E)金属系
反応触媒の配合時期は、変性シアネート系樹脂組成物を
製造する際に反応促進剤及び硬化促進剤として必要な量
を同時にまとめて配合してもよいし、変性シアネート系
樹脂組成物を製造する際に変性反応の促進に必要な量を
用い、反応終了後残りの触媒又は別の金属系触媒を硬化
促進剤として添加混合してもよい。
【0041】本発明の(F)芳香族炭化水素系溶剤は、
(C)ポリフェニレンエーテル樹脂を加熱溶解する溶剤
であり、かつ(A)シアネートエステル類化合物と
(B)一価フェノール類化合物の反応と(C)ポリフェ
ニレンエーテル樹脂との相容化を行う際の反応溶媒とな
るものである。(F)芳香族炭化水素系溶剤は、その沸
点が70〜170℃の範囲にあることが好ましく、具体
例としてはトルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソ
プロピルベンゼン及びメシチレン等が挙げられ、これら
のうち一種類以上が用いられ、トルエンが特に好まし
い。(F)芳香族炭化水素系溶剤の沸点が70℃未満で
あると、塗工作業中に揮散し易く、ワニスの粘度が増加
したりプリプレグの樹脂付着量が変化するので好ましく
ない。また沸点が170℃を超えると、プリプレグ中の
溶剤残存量が多くなり易く、積層板中にボイドが生じた
り耐熱性の劣化原因になるので好ましくない。
【0042】本発明における(F)芳香族炭化水素系溶
剤の配合量は、(C)ポリフェニレンエーテル樹脂10
0重量部に対して150〜500重量部用いて加熱溶解
するのが好ましく、150〜400重量部がより好まし
く、150〜300重量部がさらに好ましい。ポリフェ
ニレンエーテル樹脂を芳香族炭化水素系溶剤に加熱溶解
するのは、加熱温度が低いと溶解しにくいためであり、
50〜140℃で溶解することが溶解させる時間が短く
なることや最終的に高濃度のワニスを製造するために溶
剤使用量を少なくできるので好ましい。
【0043】本発明の(G)ケトン系溶剤は、(C)ポ
リフェニレンエーテル樹脂の芳香族炭化水素系溶液中で
(A)変性シアネートエステル系類化合物と(B)1価
フェノール類化合物を反応させることで製造した変性シ
アネートエステル樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂と
の相容化樹脂を懸濁化するために添加するもので、当該
樹脂の貧溶媒が用いられる。(G)ケトン系溶剤は、そ
の沸点が50〜170℃の範囲にあることが好ましく、
具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、2−
ペンタノン、3−ペンタノン、メチルイソブチルケト
ン、2−ヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノ
ン、シクロヘキサノン等が挙げられ、これらのうち一種
類以上が用いられ、メチルエチルケトンが特に好まし
い。(G)ケトン系溶剤の沸点が50℃未満であると、
塗工作業中に揮散し易く、ワニスの粘度が増加したりプ
リプレグの樹脂付着量が変化するので好ましくない。ま
た沸点が170℃を超えると、プリプレグ中の溶剤残存
量が多くなり易く、積層板中にボイドが生じたり耐熱性
の劣化原因になるので好ましくない。
【0044】本発明における(G)ケトン系溶剤の配合
量は、(C)ポリフェニレンエーテル樹脂の溶解に用い
た(F)芳香族炭化水素系溶剤100重量部に対して5
0〜500重量部添加して懸濁化するのが好ましく、5
0〜400重量部がより好ましく、50〜300重量部
がさらに好ましい。
【0045】本発明の印刷配線板用変性シアネートエス
テル樹脂ワニスでは、上記溶媒以外に必要に応じて、変
性シアネートエステル樹脂とポリフェニレンエーテル樹
脂との相容化樹脂の懸濁状態を変化させない範囲で他の
溶剤を併用しても良い。併用できる溶剤の具体例として
は、トリクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン
化炭化水素類、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N
−ジメチルアセトアミド等のアミド系やN−メチルピロ
リドンなどの窒素系溶剤などが挙げられ、これらの溶剤
類は一種類又は二種類以上を併用して用いることができ
る。
【0046】本発明の印刷配線板用変性シアネートエス
テル樹脂ワニスの製造方法においては、(C)ポリフェ
ニレンエーテル樹脂を(F)芳香族炭化水素系溶剤に加
熱溶解し、次いでその溶液中で(A)シアネートエステ
ル類化合物と(B)1価フェノール類化合物を(E)金
属系反応触媒の存在下で反応させて変性シアネートエス
テル樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂との相容化樹脂
溶液を製造した後、反応溶液に(G)ケトン系溶媒を投
入攪拌して相容化樹脂を懸濁化させることにより変性シ
アネートエステル系樹脂組成物を高濃度化することが可
能となり、また(D)シアネート類化合物と反応性を有
しない難燃剤を、(A)シアネートエステル類化合物と
(B)1価フェノール類化合物の反応液中に溶解させて
(E)金属系反応触媒の存在下で変性シアネートエステ
ル樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂との相容化樹脂溶
液を製造しても良いし、又は(C)ポリフェニレンエー
テル樹脂の芳香族炭化水素系溶液中で(A)シアネート
エステル類化合物と(B)1価フェノール類化合物を
(E)金属系反応触媒の存在下で反応させて変性シアネ
ートエステル樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂との相
容化樹脂溶液を製造した後に(D)シアネート類化合物
と反応性を有しない難燃剤を投入溶解しても良い。
【0047】また、本発明の印刷配線板用変性シアネー
トエステル樹脂ワニスの製造方法においては、(C)ポ
リフェニレンエーテル樹脂の芳香族炭化水素系溶液中で
(A)シアネートエステル類化合物と(B)1価フェノ
ール類化合物を(E)金属系反応触媒の存在下で反応さ
せて変性シアネートエステル樹脂とポリフェニレンエー
テル樹脂との相容化樹脂溶液を製造する際に、(B)1
価フェノール類化合物の配合量の全部を用いて(A)シ
アネートエステル類化合物と反応させて、その後(F)
ケトン系溶媒を投入攪拌して相容化樹脂を懸濁化しても
良いし、また(C)ポリフェニレンエーテル樹脂の芳香
族炭化水素系溶液中で(A)シアネートエステル類化合
物と反応させる時には、(B)1価フェノール類化合物
の一部を用いて(A)シアネートエステル類化合物と
(E)金属系反応触媒の存在下で反応させて変性シアネ
ートエステル樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂との相
容樹脂溶液を製造し、その反応液に(F)ケトン系溶媒
を投入攪拌して相容化樹脂を懸濁化した後で、(B)1
価フェノール類化合物の配合量の残りを投入溶解しても
良い。
【0048】さらに、本発明の印刷配線板用変性シアネ
ートエステル樹脂ワニスにおいては、(C)ポリフェニ
レンエーテル樹脂を(F)芳香族炭化水素系溶剤に加熱
溶解し、次いでその溶液中で(A)シアネートエステル
類化合物と(B)1価フェノール類化合物を(E)金属
系反応触媒の存在下で反応させて変性シアネートエステ
ル樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂との相容化樹脂溶
液を製造した後、(F)ケトン系溶媒を投入攪拌して相
容化樹脂を懸濁化した後で、さらに同種あるいは別の種
類の(E)金属系反応触媒を配合しても良い。
【0049】本発明の印刷配線板用変性シアネートエス
テル樹脂ワニスには、上記必須成分以外に必要に応じて
無機充填剤及びその他添加剤を配合することができる。
充填剤としては、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウ
ム、炭酸カルシウム、クレイ、タルク、窒化珪素、窒化
ホウ素、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、
チタン酸ストロンチウム等を使用することができる。こ
の配合量としては、本発明の樹脂組成物の総量100重
量部に対して、250重量部以下とすることが本発明の
樹脂ワニスをガラス布などの基材に含浸する場合に、均
一な樹脂付着量で、かつ、良好な外観を得るため好まし
い。
【0050】以上説明した本発明の印刷配線板用変性シ
アネートエステル樹脂ワニスは、例えば、以下に示すよ
うにして印刷配線板用のプリプレグ及び積層板の製造に
供せられる。すなわち、本発明の印刷配線板用変性シア
ネートエステル樹脂ワニスをガラス布などの基材に含浸
し乾燥することによってまず積層板用プリプレグを作製
する。ついでこのプリプレグを1枚若しくは任意の枚数
重ねその上下面又は片面に金属箔を重ねて加熱加圧成形
することにより両面又は片面の金属張り積層板とするこ
とができる。
【0051】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。表1に示す配合量に従い印刷配線板用変性シア
ネートエステル樹脂ワニスを製造した。
【0052】(実施例1)温度計、冷却管、攪拌装置を
備えた5リットルの4つ口セパラブルフラスコに、
(F)芳香族炭化水素系溶剤としてトルエン450gと
(C)ポリフェニレンエーテル樹脂として、 PKN4
752(日本ジーイープラスチックス株式会社製商品
名)210gを投入し、80℃に加熱し攪拌溶解した。
次に(A)シアネートエステル類化合物として2,2−
ビス(4−シアネートフェニル)プロパン(Arocy
B−10、旭チバ株式会社製商品名)700g、(B)
1価フェノール類化合物として、p−tert−オクチ
ルフェノール(和光純薬工業株式会社製)62g、
(D)シアネートエステル類化合物と反応性を有しない
難燃剤として、臭素化トリフェニルシアヌレート(ピロ
ガードSR−245、第一工業製薬株式会社製商品名)
135gを投入溶解後、(E)金属系反応触媒としてナ
フテン酸コバルト(Co含有量=8重量%、日本化学産
業株式会社製)の10重量%トルエン溶液4gを添加し
還流温度で1時間反応させた。ついで反応液を冷却し、
内温が90℃になったらメチルエチルケトン(MEK)
600gを攪拌しながら投入し懸濁化させた。さらに室
温まで冷却した後、ナフテン酸亜鉛(Zn含有量=8重
量%、日本化学産業株式会社製)の10重量%トルエン
溶液1gを添加し攪拌溶解して印刷配線板用変性シアネ
ートエステル樹脂ワニス(固形分濃度=51重量%)を
製造した。
【0053】(実施例2)温度計、冷却管、攪拌装置を
備えた5リットルの4つ口セパラブルフラスコに、トル
エン300gとポリフェニレンエーテル樹脂(PKN4
752、日本ジーイープラスチックス株式会社製商品
名)140gを投入し、80℃に加熱し攪拌溶解した。
次に2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン
(ArocyB−10、旭チバ株式会社製商品名)70
0g、p−tert−オクチルフェノール(和光純薬工
業株式会社製)10g、臭素化トリフェニルシアヌレー
ト(ピロガードSR−245、第一工業製薬株式会社製
商品名)125gを投入溶解後、ナフテン酸マンガン
(Mn含有量=8重量%、日本化学産業株式会社製)の
10重量%トルエン溶液3gを添加し還流温度で1時間
反応させた。ついで反応液を冷却し、内温が90℃にな
ったらメチルエチルケトン(MEK)600gを攪拌し
ながら投入し懸濁化させた。さらに室温まで冷却した
後、p−tert−オクチルフェノール73g、ナフテ
ン酸亜鉛(Zn含有量=8重量%、日本化学産業株式会
社製)の10重量%トルエン溶液1gを添加し攪拌溶解
して印刷配線板用変性シアネーチエステル樹脂ワニス
(固形分濃度=54重量%)を製造した。
【0054】(実施例3)温度計、冷却管、攪拌装置を
備えた5リットルの4つ口セパラブルフラスコに、トル
エン300gとポリフェニレンエーテル樹脂(PKN4
752、日本ジーイープラスチックス株式会社製商品
名)80gを投入し、80℃に加熱し攪拌溶解した。次
にα,α’−ビス(4−シアナトフェニル)−m−ジイ
ソプロピルベンゼン(RTX−366、旭チバ株式会社
製商品名)800g、p−tert−ブチルフェノール
(和光純薬工業株式会社製)10gを投入溶解後、ナフ
テン酸鉄(鉄含有量=5重量%、日本化学産業株式会社
製)の10重量%トルエン溶液2gを添加し還流温度で
1時間反応させ、ついでテトラブロモシクロオクタン
(SaytexBC−48、アルベマール社製商品名)
110gを投入溶解させた。反応液を冷却し、内温が9
0℃になったらメチルエチルケトン(MEK)600g
を攪拌しながら投入し懸濁化させた。さらに室温まで冷
却した後、p−tert−ブチルフェノール51g、ナ
フテン酸銅(銅含有量=5重量%、日本化学産業株式会
社製)の10重量%トルエン溶液2gを添加し攪拌溶解
して印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス
(固形分濃度=54重量%)を製造した。
【0055】(実施例4)温度計、冷却管、攪拌装置を
備えた5リットルの4つ口セパラブルフラスコに、トル
エン600gとポリフェニレンエーテル樹脂(PKN4
752、日本ジーイープラスチックス株式会社製商品
名)300gを投入し、80℃に加熱し攪拌溶解した。
次にビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)
メタン(ArocyM−10、旭チバ株式会社製商品
名)600g、p−tert−オクチルフェノール(和
光純薬工業株式会社製)30gを投入溶解後、ナフテン
酸コバルト(Co含有量=8重量%、日本化学産業株式
会社製)の10重量%トルエン溶液4gを添加し還流温
度で1時間反応させ、ついでヘキサブロモシクロドデカ
ン(CD−75P、グレートレイクス社製商品名)15
0gを投入溶解させた。反応液を冷却し、内温が90℃
になったらメチルエチルケトン(MEK)750gを攪
拌しながら投入し懸濁化させた。さらに室温まで冷却し
た後、p−tert−オクチルフェノール115gを添
加し攪拌溶解して印刷配線板用変性シアネートエステル
樹脂ワニス(固形分濃度=47重量%)を製造した。
【0056】(実施例5)温度計、冷却管、攪拌装置を
備えた5リットルの4つ口セパラブルフラスコに、トル
エン750gとポリフェニレンエーテル樹脂(PKN4
752、日本ジーイープラスチックス株式会社製商品
名)400gを投入し、80℃に加熱し攪拌溶解した。
次に2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(Arocy
F−10,旭チバ株式会社製商品名)500g、p−t
ert−アミルフェノール(和光純薬工業株式会社製)
21gを投入溶解後、ナフテン酸銅(Cu含有量=5重
量%、日本化学産業株式会社製)の10重量%トルエン
溶液6gを添加し還流温度で1時間反応させ、ついで
1,2−ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シク
ロへキサン(SaytexBCL−462、アルベマー
ル社製商品名)150gを投入溶解させた。ついで反応
液を冷却し、内温が90℃になったらメチルエチルケト
ン(MEK)500gを攪拌しながら投入し懸濁化させ
た。室温まで冷却した後、ナフテン酸マンガン(Mn含
有量=8重量%、日本化学産業株式会社製)の10重量
%トルエン溶液1gを添加し攪拌溶解して印刷配線板用
変性シアネートエステル樹脂ワニス(固形分濃度=46
重量%)を製造した。
【0057】(比較例1)実施例1において、トルエン
1800gにポリフェニレンエーテル(PKN475
2、日本ジーイープラスチックス株式会社製商品名)2
10g、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロ
パン(ArocyB−10、旭チバ株式会社製商品名)
700g及びp−tert−オクチルフェノールの代わ
りに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(BPA;ビスフェノールA、三井東圧化学株式会社
製)69gを投入し、攪拌溶解後ナフテン酸コバルト
(Co含有量=8重量%、日本化学産業株式会社製)の
10重量%トルエン希釈溶液3gを添加して還流温度で
1時間反応させた。ついで、難燃剤としてシアネナト基
と反応性を有する臭素化ビスフェノールA型エポキ樹脂
(ESB400、住友化学工業株式会社製商品名)20
0gを投入溶解し冷却した。しかし常温付近で樹脂溶液
が固化(グリース状)したため、トルエン1200gを
さらに添加して攪拌溶解し印刷配線板用変性シアネート
エステル樹脂ワニス(固形分濃度=28重量%)を製造
した。
【0058】(比較例2)実施例1において、トルエン
1800gにポリフェニレンエーテル樹脂(PKN47
52、日本ジーイープラスチックス株式会社製商品名)
210g、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プ
ロパン(ArocyB−10、旭チバ株式会社製商品
名)700g及びp−tert−オクチルフェノールの
代わりにノニルフェノール(三井東圧化学株式会社製)
11gを投入し、攪拌溶解後ナフテン酸コバルト(Co
含有量=8重量%、日本化学産業株式会社製)の10重
量%トルエン希釈溶液4gを添加して還流温度で1時間
反応させた。ついで、難燃剤としてシアナト基と反応性
を有する臭素化ビスフェノールA型エポキ樹脂(ESB
400、住友化学工業株式会社製商品名)190gを投
入溶解し冷却した。しかし常温付近で樹脂溶液が固化
(グリース状)したため、トルエン900gをさらに添
加して攪拌溶解し印刷配線板用変性シアネートエステル
樹脂ワニス(固形分濃度=29重量%)を製造した。
【0059】(比較例3)実施例1において、トルエン
1500gにポリフェニレンエーテル樹脂(PKN47
52、日本ジーイープラスチックス株式会社製商品名)
210gを投入し80℃に加熱して攪拌溶解し、次に
2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン(A
rocyB−10、旭チバ株式会社製)の代わりに2,
2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパンのオリゴ
マ(ArocyB−30、旭チバ株式会社製商品名)7
00g、p−tert−オクチルフェノールの代わりに
ノニルフェノール67g及び難燃剤としてシアナト基と
反応性を有する臭素化ビスフェノールA型エポキ樹脂
(ESB400、住友化学工業株式会社製商品名)20
0gを投入して80℃で1時間加熱溶解した。ついで常
温まで冷却し、ナフテン酸亜鉛(Zn含有量=8重量
%、日本化学産業株式会社製)の10重量%トルエン溶
液2gを添加して印刷配線板用変性シアネートエステル
樹脂ワニス(固形分濃度=44重量%)を製造した。し
かし、この樹脂ワニスは2日後にポリフェニレンエーテ
ル樹脂の凝集分離物が観察された。
【0060】(比較例4)実施例4において、トルエン
1600gとポリフェニレンエーテル樹脂(PKN47
52、日本ジーイープラスチックス株式会社製商品名)
300g、ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェ
ニル)メタン(ArocyM−10、旭チバ株式会社製
商品名)600g及びp−tert−オクチルフェノー
ルの代わりにノニルフェノール9gを投入し、攪拌溶解
後ナフテン酸マンガン(Mn含有量=8重量%、日本化
学産業株式会社製)の10重量%トルエン溶液3gを添
加して還流温度で1時間反応させた。ついで、難燃剤と
してシアナト基と反応性を有するテトラブロモビスフェ
ノールA(ファイヤガードFG−2000、帝人化成株
式会社製商品名)150gを投入溶解し冷却した。しか
し常温付近で樹脂溶液が固化(グリース状)したため、
トルエン1200gをさらに添加して攪拌溶解し印刷配
線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス(固形分濃度
=27重量%)を製造した。
【0061】
【表1】
【0062】(A)B−10(旭チバ株式会社製商品名);2,
2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン M−10(旭チバ株式会社製商品名);ビス(3,5-ジメチル
-4-シアナトフェニル)メタン F−10(旭チバ株式会社製商品名);2,2-ビス(4-シアナ
トフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン RTX-366(旭チバ株式会社製商品名);α,α’-ビ
ス(4-シアナトフェニル)-m-ジイソプロピルベンゼン B−30(旭チバ株式会社製商品名);2,2-ビス(4-シア
ナトフェニル)プロパンのオリゴマ (B)PBP(和光純薬工業株式会社製);p−tert
−ブチルフェノール PAP(和光純薬工業株式会社製);p−tert−ア
ミルフェノール POP(和光純薬工業株式会社製);p−tert−オ
クチルフェノール BPA(ビスフェノールA、三井東圧化学株式会社製);
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン NP(三井東圧化学株式会社製);ノニルフェノール (C)PPO(ノニルPKN4752、日本シ゛ーイーフ゜ラスチックス
株式会社製商品名);ポリフェニレンエーテル (D)BCL−462(アルベマール社製商品名);1,2-ジブ
ロモ-4-(1,2-ジブロモエチル)シクロヘキサン BC−48(アルベマール社製商品名);テトラブロモシ
クロオクタン CD−75P(グレートレイクス社製商品名);ヘキサブ
ロモシクロドデカン SR−245(第一工業製薬株式会社製商品名);2,4,6-
トリス(トリブロモフェノキシ)-1,3,5-トリアジン ESB-400(住友化学工業株式会社製商品名);臭素化
ビスフェノールA型エポキシ樹脂 TBA(FG−2000、帝人化成株式会社製商品名);
臭素化ビスフェノールA (E)Co;ナフテン酸コバルト(Co=8重量%、日本
化学産業株式会社製)の10重量%トルエン溶液 Zn;ナフテン酸亜鉛(Zn=8重量%、日本化学産業
製)の10重量%トルエン溶液 Mn;ナフテン酸マンガン(Mn=8重量%、日本化学
産業製)の10重量%トルエン溶液 Fe;ナフテン酸鉄(Fe=5重量%、日本化学産業
製)の10重量%トルエン溶液 Cu;ナフテン酸銅(Cu=5重量%、日本化学産業
製)の10重量%トルエン溶液
【0063】得られた印刷配線板用変性シアネートエス
テル樹脂ワニスを0.2mm厚のEガラス布(坪量20
9g/m2)に含浸し、140℃で5〜10分(ゲル化
時間(170℃)が5〜7分になるように)加熱して樹
脂付着量40〜45重量%の積層板用プリプレグを得
た。なお、比較例1、2及び4の印刷配線板用変性シア
ネートエステル樹脂ワニスの場合は、固形分濃度が低い
ため上記含浸塗工作業を繰り返し2回行って樹脂付着量
40〜45重量%の積層板用プリプレグを得た。また比
較例3のプリプレグは、シアネートエステル樹脂とポリ
フェニレンエーテル樹脂の分離が観察された。
【0064】次にプリプレグ4枚と両側に18μm厚の
銅箔を積層し、170℃、2.5MPaの条件で60分
プレス成形した後、230℃で120分加熱処理して銅
張積層板を作製した。得られた銅張り積層板について以
下に示す測定方法により誘電特性、はんだ耐熱性、銅箔
引き剥がし強さ及び耐燃性を測定した。その結果を表2
に示す。
【0065】<特性評価方法> ・比誘電率及び誘電正接/1GHz:トリプレート構造
直線線路共振器法により測定した。 ・はんだ耐熱性:銅箔をエッチングして除去した試験片
をPCT(121℃、0.22MPa)中に保持した
後、260℃の溶融はんだに20秒浸漬して、外観を調
べた。表中のOKとは、ミーズリング及びふくれの発生
が無いことを意味する。 ・銅箔引き剥がし強さ:JIS−C−6481に準拠し
て測定した。 ・耐燃性:UL−94垂直試験法に準拠して測定した。
【0066】
【表2】
【0067】表2から明らかなように、実施例1〜5の
印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニスを用い
た積層板は、何れも1GHzでの比誘電率、誘電正接が
低く、吸湿時のはんだ耐熱性、銅箔引き剥がし強さが良
好である。これに対して比較例は、1GHzの比誘電率
及び誘電正接が高く、はんだ耐熱性などに劣る。
【0068】
【発明の効果】本発明の印刷配線板用変性シアネートエ
ステル樹脂ワニスは、高周波帯域での誘電率や誘電正接
が低く、かつはんだ耐熱性、接着性、耐燃性が良好であ
り、高周波信号を扱う機器の印刷配線板の製造に用いる
印刷配線板用樹脂ワニスとして好適である。また、本発
明の印刷配線板用樹脂ワニスを用いて得られる金属張り
積層板では、変性シアネートエステル系樹脂の高濃度化
が可能であり、高周波信号を扱う機器、例えば無線通信
関連の端末機器やアンテナ、高速コンピュータなどの印
刷配線板の製造に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/13 C08K 5/13 5/24 5/24 5/3477 5/3477 C08L 79/00 C08L 79/00 Z H05K 1/03 630 H05K 1/03 630F // C07C 261/02 C07C 261/02 C07D 251/34 C07D 251/34 N (C08L 79/00 71:12) (72)発明者 根岸 春巳 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)式(1)で示されるシアネートエ
    ステル類化合物と、(B)式(2)で示される1価フェ
    ノール類化合物、(C)ポリフェニレンエーテル樹脂、
    (D)シアネートエステル類化合物と反応性を有しない
    難燃剤、(E)金属系反応触媒、(F)芳香族炭化水素
    系溶剤及び(G)ケトン系溶媒を必須成分として含有す
    る印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 印刷配線板用変性シアネ−トエステル樹
    脂ワニスが、(A)シアネートエステル類化合物の10
    0重量部に対して、(B)1価フェノール類化合物を4
    〜30重量部配合することを特徴とする印刷配線板用変
    性シアネートエステル樹脂ワニス。
  3. 【請求項3】 印刷配線板用樹脂ワニスが、(A)シア
    ネートエステル類化合物と(B)1価フェノール類化合
    物の一部又は全部を反応させて得られる変性シアネート
    エステル樹脂と、(C)ポリフェニレンエーテル樹脂、
    (D)シアネートエステル類化合物と反応性を有しない
    難燃剤、(E)金属系反応触媒、(F)芳香族炭化水素
    系溶剤及び(G)ケトン系溶媒を必須成分として含有す
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印
    刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス。
  4. 【請求項4】 (A)シアネートエステル類化合物が、
    2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパンまたは
    ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)メタ
    ンのいずれか1種または両者の混合物である請求項1な
    いし請求項3のいずれかに記載の印刷配線板用変性シア
    ネートエステル樹脂ワニス。
  5. 【請求項5】 (B)1価フェノール類化合物が、p−
    tert−ブチルフェノール、p−tert−アミルフ
    ェノール及びp−tert−オクチルフェノールのうち
    いずれか一種類以上である請求項1ないし請求項4のい
    ずれかに記載の印刷配線板用変性シアネートエステル樹
    脂ワニス。
  6. 【請求項6】 (C)ポリフェニレンエーテル樹脂が、
    ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテ
    ルとポリスチレン又はスチレン−ブタジエンコポリマと
    のアロイ化ポリマであって、ポリ(2,6−ジメチル−
    1,4−フェニレン)エーテルを50重量%以上含有す
    るものである請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    の印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス。
  7. 【請求項7】 (D)シアネートエステル類化合物と反
    応性を有しない難燃剤が、1,2−ジブロモ−4−
    (1,2−ジブロモエチル)シクロヘキサン、テトラブ
    ロモシクロオクタン及びヘキサブロモシクロドデカンか
    ら選ばれる脂環式難燃剤の1種又はこれらの2種類以上
    の混合物である請求項1ないし請求項6のいずれかに記
    載の印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス。
  8. 【請求項8】 (D)シアネートエステル類化合物と反
    応性を有しない難燃剤が、式(3)で示される臭素化ト
    リフェニルシアヌレート系難燃剤またはこれら少なくと
    も1種類以上とその他のシアネートエステル類化合物と
    反応性を有しない難燃剤との2種類以上の混合物である
    請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の印刷配線板
    用変性シアネートエステル樹脂ワニス。 【化3】
  9. 【請求項9】 (E)金属系反応触媒がマンガン、鉄、
    コバルト、ニッケル、銅、亜鉛の2−エチルヘキサン酸
    塩、ナフテン酸塩及びアセチルアセトン錯体から選ばれ
    る1種または2種類以上である請求項1ないし請求項8
    のいずれかに記載の印刷配線板用変性シアネートエステ
    ル樹脂ワニス。
  10. 【請求項10】 (F)芳香族炭化水素系溶剤を(C)
    ポリフェニレンエーテル樹脂100重量部に対して15
    0〜500重量部用いて加熱溶解することを特徴とする
    請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の印刷配線板
    用変性シアネートエステル樹脂ワニス。
  11. 【請求項11】 (G)ケトン系溶媒を(F)芳香族炭
    化水素系溶剤100重量部に対して50〜500重量部
    用いることを特徴とする請求項1ないし請求項10のい
    ずれかに記載の印刷配線板用変性シアネートエステル樹
    脂ワニス。
  12. 【請求項12】 (F)芳香族炭化水素系溶剤の沸点が
    70〜170℃である請求項1ないし請求項11のいず
    れかに記載の印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂
    ワニス。
  13. 【請求項13】 (F)芳香族炭化水素系溶剤がトルエ
    ン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン
    またはメシチレンのうちいずれか1種類以上を用いた請
    求項1ないし請求項12のいずれかに記載の印刷配線板
    用変性シアネートエステル樹脂ワニス。
  14. 【請求項14】 (G)ケトン系溶媒の沸点が50〜1
    70℃である請求項1ないし請求項13のいずれかに記
    載の印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス。
  15. 【請求項15】 (G)ケトン系溶媒がアセトン、メチ
    ルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、メ
    チルイソブチルケトン、2−ヘキサノン、シクロペンタ
    ノン、2−ヘプタノンまたはシクロヘキサノンのうちい
    ずれか1種類以上を用いた請求項1ないし請求項14の
    いずれかに記載の印刷配線板用変性シアネートエステル
    樹脂ワニス。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし請求項15のいずれか
    に記載の印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニ
    スを、基材に含浸後、80〜200℃で乾燥させること
    を特徴とする積層板用プリプレグの製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の積層板用プリプレ
    グを1枚ないし複数枚重ね、さらにその上下面又は片面
    に金属箔を重ねて加圧加熱することを特徴とする金属張
    り積層板の製造方法。
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