JP4788934B2 - 積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物並びにこれを用いたプリプレグ及び積層板 - Google Patents

積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物並びにこれを用いたプリプレグ及び積層板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波帯域において低損失性が求められる無線通信関連の端末機器やアンテナ、マイクロプロセッサの動作周波数が数百MHzを越えるような高速コンピュータなどに用いられる印刷配線板用の基板を製造するのに適した樹脂組成物並びにこれを用いた積層板用プリプレグ及び金属張り積層板に関するものである。即ち本発明は、高周波特性に優れる変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物並びにこれを用いた積層板用プリプレグ及び金属張り積層板に関する。
【0002】
更に詳しくは、耐熱性が良好で、従来のエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂積層板と同様な成形性及び加工性を示し、かつ誘電特性、特に高周波帯域での誘電正接が低く低損失性に優れた高密度多層配線板製造が可能な硬化性樹脂脂組成物並びにこれを用いた積層板用プリプレグ及び金属張り積層板に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
高度情報化社会では大量のデータを高速で処理する必要があり、コンピュータや情報機器端末などでは信号の高周波化が進んでいる。しかしながら、電気信号は周波数が高くなる程伝送損失が大きくなるという性質があり、高周波化に対応した低損失性の印刷配線板の開発が強く求められている。
【0004】
印刷配線板での伝送損失は、配線(導体)の形状、表皮抵抗、特性インピーダンス等で決まる導体損と配線周りの絶縁層(誘電体)の誘電特性で決まる誘電体損とからなり、高周波回路では誘電体損による電力ロスの影響が大きい。したがって、高周波回路の伝送損失を低減するためにはプリント配線板用基板(特に絶縁樹脂)の低誘電率及び低誘電正接(tanδ)化が必要と考えられる。例えば、高周波信号を扱う移動体通信関連の機器では、信号の高周波化に伴い準マイクロ波帯(1〜3GHz)での伝送損失を少なくするため誘電正接の低い基板が強く望まれるようになっている。
【0005】
またコンピュータなどの電子情報機器では、大量の情報を短時間で処理するために動作周波数が200MHzを越える高速マイクロプロセッサの開発や信号の高周波化が進んでいる。このような高速パルス信号を扱う機器では印刷配線板上での遅延が問題になってきた。印刷配線板での信号遅延時間は配線まわりの絶縁物の比誘電率εrの平方根に比例して長くなるため、コンピュータなどに用いられる配線板では誘電率の低い基板用樹脂が要求されている。
【0006】
以上のような信号の高周波化に対応し印刷配線板の高周波特性を改善する樹脂組成物として、熱硬化性樹脂の中で最も誘電率が低いシアネートエステル樹脂による組成物として、特公昭46−41112号公報に示されているシアネートエステル/エポキシ樹脂組成物、特公昭52−31279号公報に示されているビスマレイミド/シアネートエステル/エポキシ樹脂組成物を用いる方法がある。
【0007】
また熱可塑性樹脂を用いて高周波特性を改善するものとして、特公平5-77705号公報に示されているポリフェニレンエーテル(PPO又はPPE)と架橋性ポリマ/モノマとの樹脂組成物及び特公平6-92533号公報に示されている特定の硬化性官能基を持つポリフェニレンエーテルと架橋性モノマとの樹脂組成物等のように耐熱性熱可塑性樹脂の中では誘電特性が良好なポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いる方法がある。
【0008】
また誘電率が低いシアネートエステル樹脂と誘電特性が良好なポリフェニレンエーテルからなる樹脂組成物を用いて高周波特性を改善するものとして、特公昭63-33506号公報に示されているシアネートエステル/ビスマレイミドとポリフェニレンエーテルとの樹脂組成物、特開平5-311071号公報に示されているフェノール変性樹脂/シアネートエステル反応物とポリフェニレンエーテルとの樹脂組成物を用いる方法がある。更に高周波特性の良い耐熱性成形材料として、特公昭61-18937号公報に示されているようにポリフェニレンエーテルにシアネートエステル樹脂を混練した樹脂組成物がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特公昭46-41112号公報や特公昭52-31279号公報に示される方法は、誘電率が若干低くなるもののシアネートエステル樹脂以外の他の熱硬化性樹脂を含有しているため高周波特性が不十分という問題点があった。
【0010】
特公平5-77705号公報や特公平6-92533号公報に示される方法は、誘電特性は改善されるものの、本来熱可塑性ポリマであるポリフェニレンエーテルを主体としているために樹脂組成物の溶融粘度が高く流動性が不足するという問題点があった。したがって、積層板をプレス成形する時に高温高圧が必要となったり、微細な回路パターン間の溝を埋める必要の有る多層印刷配線板を製造するには成形性が悪くて不適であった。
【0011】
特公昭63-33506号公報や特開平5-311071号公報に示される方法は、ポリフェニレンエーテルと併用する熱硬化性樹脂がビスマレイミド/シアネートエステル樹脂やフェノール変性樹脂/シアネートエステル反応物であるため、誘電特性が若干改善されるものの高周波特性は依然として不十分であるという問題点があった。なお、高周波特性を良くするためにポリフェニレンエーテルの配合量を増加すると前述のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物と同様に樹脂組成物の溶融粘度が高くなって流動性が不足するため成形性が悪いという問題点があった。
【0012】
また特公昭61-18937号公報に示されるポリフェニレンエーテルを混練した樹脂組成物は誘電特性が良好であり、かつシアネートエステル樹脂で変性すると溶融粘度が低くなるために樹脂組成物の成形性も比較的良好であるものの、硬化性成分としてシアネートエステルを単独で用いるとその樹脂硬化物の誘電特性は誘電正接が誘電率の値の割に高いという傾向にあり、高周波帯域の伝送損失を十分に低減できないという問題点があった。さらに、誘電正接を低くするためシアネートエステルの配合量を少なく(ポリフェニレンエーテルの配合量を増加)すると前述のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物と同様に樹脂組成物の溶融粘度が高なって流動性が不足するため成形性が悪いという問題点があった。
【0013】
このような状況を鑑みて本発明者らは、先に特定のシアネートエステル樹脂を1価フェノール類化合物で変性した組成物をマトリックス樹脂の一部または全部に用いる方法(特願平9−80033号)を提案した。しかしながら、特定のシアネートエステル樹脂を1価フェノール類化合物で変性することによって高周波特性が良好な樹脂組成物を得ることができたが、使用している特定のシアネートエステル樹脂が特殊かつ高価であるという問題点があった。
【0014】
本発明は、耐熱性が良好で、従来のエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂積層板と同様な成形性及び加工性を具備し、かつ誘電特性、高周波帯域での誘電正接が低く低損失性に優れた高密度多層配線板製造が可能な硬化性樹脂組成物並びにこれを用いた積層板用プリプレグ及び金属張り積層板を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)式[1]で示されるシアネートエステル類化合物、(B)式[2]で示される一価フェノール類化合物、(C)ポリエチレン樹脂、(D)シアネートエステル類化合物との反応性を有しない難燃剤及び(E)金属系反応触媒を必須成分としてなる高周波特性に優れる積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物並びにこれを用いた積層板用プリプレグ及び金属張り積層板である。
【0016】
また更に加えて本発明は、(A)式[1]で示されるシアネートエステル類化合物の100重量部に対して(B)式[2]で示される1価フェノール類化合物4〜30重量部配合することを特徴とする、高周波帯域での誘電正接が低く低損失性に優れる積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物並びにこれを用いた積層板用プリプレグ及び金属張り積層板である。
【0017】
高分子材料など誘電特性は双極子の配向分極による影響が大きく、したがって分子内の極性基を少なくすることにより低誘電率化が図れ、また極性基の運動性を抑えることにより誘電正接を低くすることが可能である。シアネートエステル樹脂は、極性の強いシアナト基を有していながら硬化時には対称性かつ剛直なトリアジン構造を生成するので、熱硬化性樹脂としては最も低い誘電率及び誘電正接の硬化物が得られるという特徴がある。
【0018】
しかしながら、実際の硬化反応においては、シアネートエステル樹脂中のすべてのシアナト基が反応してトリアジン構造を生成するということは不可能であり、硬化反応の進行に伴って反応系が流動性を失い未反応のシアナト基として系内に残存することになる。その結果、これまでは本来の硬化物より誘電率や誘電正接の高い硬化物しか得られなかった。
【0019】
これに対して本発明の樹脂組成物では、(B)一価フェノール類化合物を適正量配合することで未反応として残るシアナト基をイミドカーボネート化してその極性を減じることにより硬化物の誘電率と誘電正接を低下させようとした物である。この目的で用いる材料としては、シアナト基との反応性が高く、また単官能で比較的低分子量でありかつシアネートエステル樹脂との相溶性が良い(分子構造に類似性があり)化合物が適していると考えられる。本発明の樹脂組成物で用いている一価のフェノール類化合物は、このような理由によって特定された化合物である。
【0020】
従来、シアネートエステルの三量化反応(トリアジン環の生成)の助触媒として、ノニルフェノール等のフェノール化合物はシアネートエステル100重量部に対して1〜2重量部程度用いられていた。しかし、配合量が触媒量であったため上記のような、未反応のシアナト基と反応し低極性化するという効果は認められなかった。しかるに本発明者らがフェノール化合物の配合量について検討した結果、フェノール化合物を従来よりも多量に配合することにより硬化物の誘電率と誘電正接が低下することを認め、かつ特定の一価フェノール類化合物を用いれば、配合量が増える事による耐熱性の低下も抑制できることを見出した。そのため本発明の方法によれば、これまでのシアネートエステル樹脂単独の硬化物や、従来のエポキシ樹脂や多価フェノール類(片方の水酸基が未反応基として残り易いため誘電特性をかえって悪化させる)及びビスマレイミド等を配合した樹脂の硬化物よりも誘電率と誘電正接の低い硬化物が得られるようになった。
【0021】
したがって本発明の樹脂組成物では、一価フェノール類化合物の配合量が重要である。すなわち、配合量が少ない場合は未反応として残存する全てのシアナト基と反応し低極性化することができず、配合量が必要量より多い場合はかえって自分自身が未反応として残存し、自身の水酸基の極性によって硬化物の誘電特性を悪化させてしまうことになるからである。
【0022】
さらに本発明の樹脂組成物では、誘電特性が良好な熱可塑性樹脂である(C)ポリエチレン樹脂を上記の変性シアネートエステル樹脂に配合することにより誘電特性の向上を図っている。シアネートエステル樹脂とポリエチレン樹脂とは、本来非相容系であり均一な樹脂を得ることが困難であるが、本発明者らが見出した手法によれば、(A)シアネートエステル類化合物と(B)一価フェノール類化合物の反応を、ポリエチレン樹脂の溶媒溶液中で反応を行うと、いわゆる“セミIPN"化樹脂が生成し均一な樹脂溶液が得られることがわかった。
【0023】
また本発明の樹脂組成物において用いられる難燃剤は、(A)シアネートエステル類化合物と(B)一価フェノール類化合物の反応を阻害しないようにシアネートエステル類化合物と反応性を有しないことが必須であり、炭化水素系の低極性化合物であるため硬化物の誘電特性を悪化させることが少ない。また、もう一種類の特定した難燃剤は炭化水素系以外の化合物であってもシアネートエステルの硬化物と同様なトリアジン構造をもっているためシアネートエステル樹脂硬化物に相容し易く、耐熱性や誘電特性を悪化させることなく耐燃性を付与することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の樹脂組成物は、(A)式[1]で示されるシアネートエステル類化合物、(B)式[2]で示される1価フェノール類化合物、(C)ポリエチレン樹脂、(D)シアネートエステル類化合物と反応性を有しない難燃剤及び(E)金属系反応触媒を必須成分とする。
【0025】
本発明における(A)シアネートエステル類化合物は、式[1]で示されように1分子中にシアナト基を2個有するシアネートエステル類化合物である。式[1]で示される化合物としては、例えば、ビス(4−シアナトフェニル)エタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、α,α’−ビス(4−シアナトフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、フェノール付加ポリスチレン重合体のシアネートエステル化物等が挙げられる。その中でも、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン及び2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)等がより好ましい。また(A)シアネートエステル類化合物は、一種類を単独で用いてもよく、又は二種類以上を混合して用いてもよい。
【0026】
本発明における(B)1価フェノール類化合物は、式[2]で示される1価フェノール類であり、耐熱性の良好な化合物が好ましい。式[2]で示される化合物としては、例えば、p−(α−クミル)フェノールが挙げらる。なお、(B)一価フェノール類化合物は、一種類を単独で用いてもよく、又は二種類以上を混合して用いてもよい。
【0027】
本発明における(B)一価フェノール類化合物の配合量は、(A)シアネートエステル類化合物100重量部に対して4〜30重量部とするのが好ましく、5〜30重量部とすることがより好ましく、5〜25重量部とすることが特に好ましい。(B)一価フェノール類化合物の配合量が4重量部未満では十分な誘電特性が得られず、特に高周波帯域での誘電正接が十分に低くならない傾向がある。また30重量部を超えるとかえって誘電正接が高くなるという傾向があり望ましくない。したがって、本発明が提供する高周波帯において誘電正接の低いシアネートエステル系樹脂硬化物を得るためには、(A)シアネートエステル類化合物に対して適切な配合量の(B)一価フェノール類化合物を配合する必要がある。
【0028】
本発明における(A)シアネートエステル類化合物と(B)一価フェノール類化合物は、通常、それぞれを反応させて得られる変性シアネートエステル樹脂として用いられる。すなわち、(A)シアネートエステル類化合物のプレポリマ化とともに、(A)シアネートエステル類化合物に(B)一価フェノール類化合物を付加させたイミドカーボネート化変性樹脂として用いられる。
【0029】
(A)シアネートエステル類化合物と(B)一価フェノール類化合物を反応させる際には、(B)一価フェノール類化合物を反応初期から上記の適正配合量の全部を投入して反応させて変性シアネートエステル樹脂としても良いし、反応初期は上記の適正配合量の一部を反応させ、冷却後残りの(B)一価フェノール類化合物を投入して、Bステージ化時あるいは硬化時に反応させて変性シアネートエステル樹脂としても良い。
【0030】
本発明における(C)ポリエチレン樹脂としては、密度が0.94以上ものが誘電特性を向上させるため好ましい。
【0031】
本発明における(C)ポリエチレン樹脂の配合量は、(A)シアネートエステル類化合物100重量部に対して5〜300重量部とすることが好ましく、10〜200重量部とすることがより好ましく、15〜100重量部とすることが特に好ましい。(C)ポリエチレン樹脂の配合量が5重量部未満では十分な誘電特性が得られなくなる傾向があり、300重量部を超えると樹脂の溶融粘度が高くなって流動性が不足するため成形性が悪くなり、また(A)シアネートエステル類の反応性も悪くなる傾向がある。
【0032】
本発明における(D)シアネートエステル類化合物と反応性を有しない難燃剤としては、例えば、1,2−ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シクロヘキサン、テトラブロモシクロヘキサン、ヘキサブロモシクロドデカン、ポリブロモジフェニルエーテル、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネート及び式[3]で示される臭素化トリフェニルシアレート系難燃剤等が挙げられ、その中でも、1,2−ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シクロヘキサン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、2,4,6−トリス(トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン等がより好ましい。
【0033】
本発明における(D)シアネートエステル類化合物と反応性を有しない難燃剤の配合量は、(A)シアネートエステル類化合物、(B)一価フェノール類化合物及び(C)ポリエチレン樹脂の総量100重量部に対して5〜30重量部とすることが好ましく、5〜20重量部とすることがより好ましく、10〜20重量部とすることが特に好ましい。(D)シアネートエステル類化合物と反応性を有しない難燃剤の配合量が5重量部未満では耐燃性が不十分となる傾向があり、30重量部を超えると樹脂の耐熱性が低下する傾向がある。
【0034】
本発明の(E)金属系反応触媒は、(A)シアネートエステル類化合物と(B)一価フェノール類化合物との反応を促進するものであり、変性シアネート系樹脂組成物を製造する際の反応触媒及び積層板を製造する際の硬化促進剤として用いられる。金属系反応触媒類としては、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等の金属触媒類が用いられ、具体的には、2−エチルヘキサン酸塩やナフテン酸塩等の有機金属塩化合物及びアセチルアセトン錯体などの有機金属錯体として用いられる。変性シアネート系樹脂組成物を製造する際の反応促進剤と積層板を製造する際の硬化促進剤で同一の金属系反応触媒を単独で用いてもよく、又はそれぞれ別の二種類以上を用いてもよい。
【0035】
本発明における(E)金属系反応触媒の配合量は、(A)シアネートエステル類化合物に対して1〜300ppmとすることが好ましく、1〜200ppmとすることがより好ましく、2〜150ppmとすることが特に好ましい。(E)金属系反応触媒の配合量が1ppm未満では反応性及び硬化性が不十分となる傾向があり、300ppmを超えると反応の制御が難しくなったり、硬化が速くなりすぎて成形性が悪くなる傾向がある。また、本発明における(E)金属系反応触媒の配合時期は、変性シアネート系樹脂組成物を製造する際に反応促進剤及び硬化促進剤として必要な量を同時にまとめて配合してもよいし、変性シアネート系樹脂組成物を製造する際に変性反応の促進に必要な量を用い、反応終了後残りの触媒、又は別の金属系触媒を硬化促進剤として添加混合してもよい。
【0036】
本発明の樹脂組成物には、上記必須成分以外に必要に応じて無機充填剤及びその他添加剤を配合することができる。充填剤としては、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、クレイ、タルク、窒化珪素、窒化ホウ素、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウム等を使用することができる。この配合量としては、本発明の樹脂組成物の総量100重量部に対して、200重量部以下とすることが好ましい。
【0037】
以上説明した本発明の樹脂組成物は、例えば、以下に示すようにして印刷配線板用プリプレグ又は積層板の製造に供せられる。すなわち本発明の樹脂組成物を溶剤に溶解してワニスとし、ガラス布などの基材に含浸し乾燥することによってまずプリプレグを作製する。ついでこのプリプレグを任意枚数重ねその上下面又は片面に金属箔を重ねて加熱加圧成形することにより両面又は片面の金属張り積層板とすることができる。
【0038】
本発明の樹脂組成物をワニス化する場合に用いられる溶剤の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、トリクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド等のアミド系やN−メチルピロリドンなどの窒素系溶剤などが用いられる。特にベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類がより好ましい。これらの溶剤類は一種類単独で用いてもよく又は二種類以上を混合して用いてもよい。芳香族炭化水素系溶剤の配合量は、(C)ポリエチレン樹脂100重量部に対して150〜500重量部が好ましく、150〜400重量部がより好ましく、150〜300重量部が特に好ましい。
【0039】
さらにアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類は、本発明の樹脂組成物に対する溶解度は低いが、上記の溶媒類と併用した場合は本発明の樹脂組成物の懸濁溶液を生成し、高濃度でかつ粘度の低い溶液が得られるという利点がある。この観点から、本発明の樹脂組成物をワニス化する場合に用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類とアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類との混合溶媒が特に好ましい。ケトン系溶剤の配合量は、芳香族炭化水素系溶剤100重量部に対して50〜500重量部用いるのが好ましく、50〜400重量部がより好ましく、50〜300重量部が特に好ましい。
【0040】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。
表1に示す配合量に従い積層板用ワニスを製造した。
【0041】
実施例1
温度計、冷却管、攪拌装置を備えた5リットルの4つ口セパラブルフラスコに、トルエン450gとポリエチレン樹脂(XM−220、三井石油化学製)210gを投入し、80℃に加熱し攪拌溶解した。次に2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン(ArocyB−10、旭チバ製)700g、p−(α−クミル)フェノール(サンテクノケミカル製)64g、臭素化トリフェニルシアヌレート(ピロガードSR−245、第一工業製薬製)135gを投入溶解後、ナフテン酸コバルト(Co含有量=8%、日本化学産業製)の10%トルエン溶液4gを添加し還流温度で1時間反応させた。ついで反応液を冷却し、内温が90℃になったらメチルエチルケトン(MEK)600gを攪拌しながら投入し懸濁化させた。さらに室温まで冷却した後、ナフテン酸亜鉛(Zn含有量=8%、日本化学産業製)の10%トルエン溶液1gを添加し攪拌溶解して印刷配線板用樹脂ワニス(固形分濃度=51%)を製造した。
【0042】
実施例2
温度計、冷却管、攪拌装置を備えた5リットルの4つ口セパラブルフラスコに、トルエン300gとポリエチレン樹脂(XM−220、三井石油化学製)140gを投入し、80℃に加熱し攪拌溶解した。次に2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン(ArocyB−10、旭チバ製)700g、p−(α−クミル)フェノール(サンテクノケミカル製)10g、臭素化トリフェニルシアヌレート(ピロガードSR−245、第一工業製薬製)125gを投入溶解後、ナフテン酸マンガン(Mn含有量=8%、日本化学産業製)の10%トルエン溶液3gを添加し還流温度で1時間反応させた。ついで反応液を冷却し、内温が90℃になったらメチルエチルケトン(MEK)600gを攪拌しながら投入し懸濁化させた。さらに室温まで冷却した後、p−(α−クミル)フェノール75g、ナフテン酸亜鉛(Zn含有量=8%、日本化学産業製)の10%トルエン溶液1gを添加し攪拌溶解して印刷配線板用樹脂ワニス(固形分濃度=54%)を製造した。
【0043】
実施例3
温度計、冷却管、攪拌装置を備えた5リットルの4つ口セパラブルフラスコに、トルエン300gとポリエチレン樹脂(XM−220、三井石油化学製)80gを投入し、80℃に加熱し攪拌溶解した。次にα,α’−ビス(4−シアナトフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン(RTX−366、旭チバ製)800g、p−(α−クミル)フェノール(サンテクノケミカル製)10gを投入溶解後、ナフテン酸鉄(鉄含有量=5%、日本化学産業製)の10%トルエン溶液2gを添加し還流温度で1時間反応させ、ついで1,2−ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シクロヘキサン(SaytexBCL−462、アルベマール製)110gを投入溶解させた。反応液を冷却し、内温が90℃になったらメチルエチルケトン(MEK)600gを攪拌しながら投入し懸濁化させた。さらに室温まで冷却した後、p−(α−クミル)フェノール75g、ナフテン酸銅(銅含有量=5%、日本化学産業製)の10%トルエン溶液2gを添加し攪拌溶解して印刷配線板用樹脂ワニス(固形分濃度=54%)を製造した。
【0044】
実施例4
温度計、冷却管、攪拌装置を備えた5リットルの4つ口セパラブルフラスコに、トルエン600gとポリエチレン樹脂(XM−220、三井石油化学製)300gを投入し、80℃に加熱し攪拌溶解した。次にビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)メタン(ArocyM−10、旭チバ製)600g、p−(α−クミル)フェノール(サンテクノケミカル製)30gを投入溶解後、ナフテン酸コバルト(Co含有量=8%、日本化学産業製)の10%トルエン溶液4gを添加し還流温度で1時間反応させ、ついでヘキサブロモシクロドデカン(CD−75P、グレートレイクス製)150gを投入溶解させた。反応液を冷却し、内温が90℃になったらメチルエチルケトン(MEK)750gを攪拌しながら投入し懸濁化させた。さらに室温まで冷却した後、p−(α−クミル)フェノール120gを添加し攪拌溶解して印刷配線板用樹脂ワニス(固形分濃度=47%)を製造した。
【0045】
実施例5
温度計、冷却管、攪拌装置を備えた5リットルの4つ口セパラブルフラスコに、トルエン750gとポリエチレン樹脂(XM−220、三井石油化学製)400gを投入し、80℃に加熱し攪拌溶解した。次に2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(ArocyF−10,旭チバ製)500g、p−(α−クミル)フェノール(サンテクノケミカル製)28gを投入溶解後、ナフテン酸銅(Cu含有量=5%、日本化学産業製)の10%トルエン溶液6gを添加し還流温度で1時間反応させ、ついでテトラブロモシクロオクタン(SaytexBC−48、アルベマール製)150gを投入溶解させた。ついで反応液を冷却し、内温が90℃になったらメチルエチルケトン(MEK)500gを攪拌しながら投入し懸濁化させた。室温まで冷却した後、ナフテン酸マンガン(Mn含有量=8%、日本化学産業製)の10%トルエン溶液1gを添加し攪拌溶解して印刷配線板用樹脂ワニス(固形分濃度=46%)を製造した。
【0046】
比較例1
実施例1において、トルエン1800gにポリエチレン樹脂(XM−220、三井石油化学製)210g、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン(ArocyB−10、旭チバ製)700g及びp−(α−クミル)フェノールの替わりに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA;ビスフェノールA、三井東圧化学製)69gを投入し、攪拌溶解後ナフテン酸コバルト(Co含有量=8%、日本化学産業製)の10%トルエン希釈溶液3gを添加して還流温度で1時間反応させた。ついで、難燃剤としてシアネナト基と反応性を有する臭素化ビスフェノールA型エポキ樹脂(ESB400、住友化学工業製)200gを投入溶解し冷却した。しかし常温付近で樹脂溶液が固化(グリース状)したため、トルエン1200gをさらに添加して攪拌溶解し印刷配線板用樹脂ワニス(固形分濃度=28%)を製造した。
【0047】
比較例2
実施例1において、トルエン1800gにポリエチレン樹脂(XM−220、三井石油化学製)210g、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン(ArocyB−10、旭チバ製)700g及びp−(α−クミル)フェノールの替わりにノニルフェノール(三井東圧化学製)11gを投入し、攪拌溶解後ナフテン酸コバルト(Co含有量=8%、日本化学産業製)の10%トルエン希釈溶液4gを添加して還流温度で1時間反応させた。ついで、難燃剤としてシアネナト基と反応性を有する臭素化ビスフェノールA型エポキ樹脂(ESB400、住友化学工業製)190gを投入溶解し冷却した。しかし常温付近で樹脂溶液が固化(グリース状)したため、トルエン900gをさらに添加して攪拌溶解し印刷配線板用樹脂ワニス(固形分濃度=29%)を製造した。
【0048】
比較例3
実施例1において、トルエン1500gにポリエチレン樹脂(XM−220、三井石油化学製)210gを投入し80℃に加熱して攪拌溶解し、次に2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン(ArocyB−10、旭チバ製)の替わりに2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパンのオリゴマ(ArocyB−30、旭チバ製)700g、p−(α−クミル)フェノールの替わりにノニルフェノール67g及び難燃剤としてシアネナト基と反応性を有する臭素化ビスフェノールA型エポキ樹脂(ESB400、住友化学工業製)200gを投入して80℃で1時間加熱溶解した。ついで常温まで冷却し、ナフテン酸亜鉛(Zn含有量=8%、日本化学産業製)の10%トルエン溶液3gを添加して印刷配線板用樹脂ワニス(固形分濃度=44%)を製造した。しかし、この樹脂ワニスは2日後にポリエチレン樹脂の凝集分離物が観察された。
【0049】
比較例4
実施例4において、トルエン1600gとポリエチレン樹脂(XM−220、三井石油化学製)300g、ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)メタン(ArocyM−10、旭チバ製)600g及びp−(α−クミル)フェノール(サンテクノケミカル製)の替わりにノニルフェノール9gを投入し、攪拌溶解後ナフテン酸マンガン(Mn含有量=8%、日本化学産業製)の10%トルエン溶液3gを添加して還流温度で1時間反応させた。ついで、難燃剤としてシアネナト基と反応性を有するテトラブロモビスフェノールA(ファイヤガードFG−2000、帝人化成製)150gを投入溶解し冷却した。しかし常温付近で樹脂溶液が固化(グリース状)したため、トルエン1200gをさらに添加して攪拌溶解し印刷配線板用樹脂ワニス(固形分濃度=27%)を製造した。
【0050】
【表1】
Figure 0004788934
(A)B−10(旭チバ製);2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン
M−10(旭チバ製);ビス(3,5-ジメチル-4-シアナトフェニル)メタン
F−10(旭チバ製);2,2-ビス(4-シアナトフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン
RTX-366(旭チバ製);α,α’-ビス(4-シアナトフェニル)-m-ジイソプロピルベンゼン
B−30(旭チバ製);2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパンのオリゴマ
(B)PCP(サンテクノケミカル製);p−(α−クミル)フェノールBPA(ビスフェノールA、三井東圧化学製);2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
NP(三井東圧化学製);ノニルフェノール
(c)XM−220(三井石油化学製);ポリエチレン樹脂
(d)BCL−462(アルベマール製);1,2-ジブロモ-4-(1,2-ジブロモエチル)シクロヘキサン
BC−48(アルベマール製);テトラブロモシクロオクタン
CD−75P(グレートレイクス製);ヘキサブロモシクロドデカン
SR−245(第一工業製薬製);2,4,6-トリス(トリブロモフェノキシ)-1,3,5-トリアジン
ESB-400(住友化学工業製);臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂
TBA(FG−2000、帝人化成製);臭素化ビスフェノールA
(E)Co;ナフテン酸コバルト(Co=8%、日本化学産業製)の10%トルエン溶液
Zn;ナフテン酸亜鉛(Zn=8%、日本化学産業製)の10%トルエン溶液
Mn;ナフテン酸マンガン(Mn=8%、日本化学産業製)の10%トルエン溶液
Fe;ナフテン酸鉄(Fe=5%、日本化学産業製)の10%トルエン溶液
Cu;ナフテン酸銅(Cu=5%、日本化学産業製)の10%トルエン溶液
【0051】
得られた印刷配線板用樹脂ワニスを0.2mm厚のEガラス布に含浸し、140℃で5〜10分加熱して樹脂付着量40〜45重量%のプリプレグを得た。なお、比較例1、2及び4の印刷配線板用樹脂ワニスの場合は、固形分濃度が低いため上記含浸塗工作業を繰り返し2回行って樹脂付着量40〜45重量%のプリプレグを得た。また比較例3のプリプレグは、シアネートエステル樹脂とポリエチレン樹脂の分離が観察された。
【0052】
次にプリプレグ4枚と両側に18μm厚の銅箔を積層し、170℃、2.5MPaの条件で60分プレス成形した後、230℃で120分加熱処理して銅張積層板を作製した。得られた銅張り積層板に、ついて以下に示す測定方法により誘電特性、はんだ耐熱性、銅箔ピール強さ及び耐燃性を測定評価した。その結果を表2に示す。
【0053】
<特性評価方法>
・比誘電率及び誘電正接/1GHz:トリプレート構造直線線路共振器法により測定。
・はんだ耐熱性:銅箔をエッチングした試験片をPCT(121℃、0.22MPa)中に保持した後、260℃の溶融はんだに20秒浸漬して、外観を調べた。表中のOKとは、ミーズリング及びふくれの発生が無いことを意味する。
・銅箔ピール強さ:JIS−C−6481に準拠して測定。
・耐燃性:UL−94垂直試験法に準拠して測定。
【0054】
【表2】
Figure 0004788934
【0055】
表2から明らかなように、実施例1〜5の樹脂組成物を用いた積層板は、何れも1GHzでの比誘電率、誘電正接が低く、吸湿時のはんだ耐熱性、銅箔ピール強さが良好である。これに対して比較例は、1GHzの比誘電率及び誘電正接が高くなり、耐熱性などに問題があった。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本発明の変性シアネート計樹脂組成物は、高周波帯域での誘電率や誘電正接が低く、かつはんだ耐熱性、接着性及び耐燃性が良好であり、高周波信号を扱う機器の印刷配線板に用いる積層板用樹脂組成物として好適である。
また本発明の積層板用プリプレグ及び金属張り積層板は、高周波帯域での誘電正接が低く低損失性に優れ、無線通信関連の端末機器やアンテナ、マイクロプロセッサの動作周波数が数百MHzを越えるような高速コンピュータなどに用いられる印刷配線板用の基板を製造に好適である。

Claims (10)

  1. (A)式[1]で示されるシアネートエステル類化合物、
    Figure 0004788934
    (B)式[2]で示される1価フェノール類化合物、
    Figure 0004788934
    (C)ポリエチレン樹脂、(D)シアネートエステル類化合物と反応性を有しない難燃剤及び(E)金属系反応触媒を必須成分として含有することを特徴とする積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物。
  2. 変性シアネートエステル樹脂が(A)シアネートエステル類化合物の100重量部に対して(B)1価フェノール類化合物4〜30重量部配合することを特徴とする請求項1記載の積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物。
  3. (A)シアネートエステル類化合物と(B)1価フェノール類化合物の一部又は全部を反応させて得られる変性シアネートエステル樹脂と、(C)ポリエチレン樹脂、(D)シアネートエステル類化合物と反応性を有しない難燃剤及び(E)金属系反応触媒を必須成分として含有することを特徴とする請求項1、又は、請求項2記載の積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物。
  4. (A)シアネートエステル類化合物が、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン及び2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)メタンのいずれかの1種又は混合物である請求項1乃至3の何れか一項に記載の積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物。
  5. (B)1価フェノール類化合物がp−(α−クミル)フェノールである請求項1乃至4の何れか一項に記載の積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物。
  6. (D)シアネートエステル類化合物と反応性を有しない難燃剤が、1,2−ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シクロヘキサン、テトラブロモシクロオクタン及びヘキサブロモシクロドデカンから選ばれる脂環式難燃剤の一種又はこれらの2種類以上の混合物である請求項1乃至5の何れか一項に記載の積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物。
  7. (D)シアネートエステル類化合物と反応性を有しない難燃剤が、式[3]
    Figure 0004788934
    で示される臭素化トリフェニルシアヌレート系難燃剤又はこれら少なくとも1種類以上とその他のシアネートエステル類化合物と反応性を有しない難燃剤との2種類以上の混合物である請求項1乃至6の何れか一項に記載の積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物。
  8. (E)金属系反応触媒がマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛の2−エチルヘキサン酸塩、ナフテン酸塩及びアセチルアセトン錯体から選ばれる一種類又は二種類以上である請求項1乃至7の何れか一項に記載の積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1ないし請求項8の何れか一項に記載の積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解又は分散してワニスとし、このワニスを基材に含浸後、80〜200℃で乾燥させて得られる積層板用プリプレグ。
  10. 請求項記載の積層板用プリプレグを任意枚数重ね、さらにその上下面又は片面に金属箔を積層し、加熱加圧して得られる金属張り積層板。
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